JPH1044027A - 両面ラップ盤およびその製造方法 - Google Patents

両面ラップ盤およびその製造方法

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JPH1044027A
JPH1044027A JP20496096A JP20496096A JPH1044027A JP H1044027 A JPH1044027 A JP H1044027A JP 20496096 A JP20496096 A JP 20496096A JP 20496096 A JP20496096 A JP 20496096A JP H1044027 A JPH1044027 A JP H1044027A
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grindstone
lapping machine
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JP20496096A
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Kazuyuki Mitsuoka
一行 光岡
Kan Sato
敢 佐藤
Toshiaki Iketani
俊秋 池谷
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Yachiyo MicroScience Inc
Kanebo Ltd
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Yachiyo MicroScience Inc
Kanebo Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ガラス、セラミックス、半導体材料
等の板状の被加工物の両面を研磨加工する両面ラップ盤
を提供することを目的とする。 【構成】上下定盤に、ダイヤモンド砥石を間隙をおいて
貼りつけた両面ラップ盤であって、前記上下定盤のう
ち、下定盤のダイヤモンド砥石間の間隙に合成樹脂より
なる充填物が充填され、且つ、該充填物の被加工物と接
触する面に、溝が穿設されていることを特徴とする両面
ラップ盤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス、セラミッ
クス、半導体材料等の板状の被加工物の両面を研磨加工
する両面ラッピングに用いる両面ラップ盤およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラスやセラミックスあるいは半
導体材料等の平板状の形状を有する被加工物の両面を同
時に研磨加工する装置として両面ラップ盤がよく知られ
ている。
【0003】この両面ラップ盤は基板状の被加工物の両
面を同時に研磨する加工装置であって、相対する上下位
置に例えば鋳鉄製の定盤が設置されており、この定盤間
にガラスやセラミックスあるいは半導体材料等の被加工
物を挾持し、この状態で被加工物に砥粒スラリーを供給
しつつ上下定盤を回転させて被加工物の両面を同時に研
磨加工を行うのである。また、砥粒スラリーを供給する
代わりに上下の鋳鉄製定盤に砥石を取付けて行う場合も
あり、加工力を高めるために、定盤に取付ける砥石とし
て、より加工力の高いダイヤモンド砥石を用いて研磨加
工を行なう場合もある。
【0004】中でも、小径円盤形状のペレット状ダイヤ
モンド砥石を定盤上に多数配置したものは、ダイヤモン
ド砥粒の持つ高い研磨力と安定した加工性能に起因し
て、難加工性のセラミックスの加工や、加工除去量の多
いガラス製磁気ディスク基板の加工に適用が検討されて
いる。
【0005】しかしながら、このペレット状ダイヤモン
ド砥石を多数配置した定盤(以下、「砥石定盤」とい
う)を用いた両面ラップ盤を使用して研磨する方法も以
下に述べる欠点があり、完全なものとは言い難かった。
即ち、研磨終了後、被加工物が上砥石定盤に貼り付き、
被加工物を取り出すため上砥石定盤を持ち上げるとき貼
り付いた被加工物が上砥石定盤と一緒に持ち上がり、こ
れが落下、破損し、下砥石定盤上に被加工物の破損片が
散在するという好ましくない現象が見られた。
【0006】そこで、本発明者等は先にこの欠点を解決
するために、下定盤にペレット状ダイヤモンド砥石を間
隙をおいて貼りつけると共に、該間隙にダイヤモンドよ
りも軟質な微粒子を含むレジンボンド砥石を充填した砥
石定盤を有する両面ラップ盤を発明した(特願平7−2
19148号参照)。この発明により下面の吸着力が増
し被加工物は下砥石定盤に貼り付いて持ち上がることを
防止するという一応の目的は達せられたが、実際の作業
において、被加工物が下砥石定盤に貼り付く力が大きす
ぎて、定盤を回転する動力が増大するという弊害が生じ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この課題を解決するた
め、下砥石定盤の面積を減じる方法が考えられ、下砥石
定盤に溝を穿設して面積を減じたところ、下定盤に貼り
付く力を減少させることが出来、良好な結果が得られ
た。その際、砥石定盤に溝を穿設する方法として、従来
のダイヤモンド砥石定盤に充填物を充填した後、溝加工
を施すことは作業が非常に煩雑となり、この点を改良す
べく種々検討した結果、ペレット状ダイヤモンド砥石間
の間隙を充填する、溝を穿設した充填物を予め成形し、
これを砥石定盤に取り付けることによって容易に成形し
うることを見出し、本発明を完成したもので、本発明は
新規な両面ラップ及びその製造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、上下定
盤に、ダイヤモンド砥石を間隙をおいて貼りつけた両面
ラップ盤であって、前記上下定盤のうち、下砥石定盤の
ダイヤモンド砥石間の間隙に合成樹脂よりなる充填物が
充填され、且つ、該充填物の被加工物と接触する面に、
溝が穿設されていることを特徴とする両面ラップ盤であ
り、また、製造方法としては、上下定盤の少なくとも一
方の定盤に、ダイヤモンド砥石を間隙をおいて貼り付
け、次いで、前記ダイヤモンド砥石間の間隙を、別途予
め成形した充填物を充填する、あるいは、上下定盤の少
なくとも一方の定盤に、ダイヤモンド砥石間の間隙を充
填するように、別途予め成形した充填物を貼り付け、次
いで、前記充填物の間隙にダイヤモンド砥石を貼り付け
ることを特徴とする両面ラップ盤の製造方法である。
【0009】
【作用】本発明における両面ラップ盤は、上下定盤に取
り付けられたペレット状ダイヤモンド砥石でガラス・セ
ラミックス等の素材からなる被加工物の研磨加工を行な
うのであるが、その少なくとも下砥石定盤においてダイ
ヤモンド砥石の間隙に溝を穿設した充填物が充填してあ
る。この充填物はダイヤモンド砥石の研磨力に比して研
磨力はないに等しい。よって加工終了後、被加工物の上
下砥石定盤に接している面において研磨量が異なること
はなく、被加工物の両面の研磨量の違いによって発生す
る反り等の好ましからざる現象は発生しない。
【0010】加工終了後、被加工物を挾持していた上下
砥石定盤は被加工物の取り出しのため、引き離される。
この際、被加工物は上下砥石定盤それぞれに貼り付く力
と被加工物自身の重さの合計によって上下どちらかの砥
石定盤に貼り付くかが決定されるが、被加工物が薄く重
量が小さい場合は、被加工物自身の重さよりも砥石定盤
に貼り付く力の方が大きいため、被加工物が砥石定盤に
貼り付く力によってほぼ決定される。ここで被加工物が
砥石定盤に貼り付く力は、被加工物が接触している部分
の面積が大きいほど大きくなる。本発明における砥石定
盤ではダイヤモンド砥石の間隙に充填物を充填した下砥
石定盤の方が被加工物との接触面積が大きいため、加工
終了後上下砥石定盤を引き離した際、被加工物は下砥石
定盤に貼り付く。よって加工終了後被加工物が上砥石定
盤に貼り付き、その後落下し破損するような現象は発生
しない。
【0011】本発明においては充填物に溝が穿設してあ
るため、被加工物との接触面積が減少している。しか
し、上下砥石定盤のダイヤモンド砥石の面積はほぼ等し
いため、下砥石定盤に充填した充填物の面積が溝によっ
て減少しても下砥石定盤の面積は上砥石定盤に比して大
きく、被加工物は加工終了後、下砥石定盤に貼り付く。
ただし、過度の本数及び面積の溝を穿設し、被加工物の
下砥石定盤に貼り付く力が上砥石定盤に貼り付く力とほ
ぼ等しくなることは好ましくないので、溝の本数および
面積は適宜定める必要がある。また、下砥石定盤のみで
なく、上下砥石定盤両方に充填物を充填する方法もある
がこの場合は被加工物が上砥石定盤に貼り付く力が下砥
石定盤に貼り付く力を上回らないように、上砥石定盤の
溝の面積を下砥石定盤の溝の面積よりも大きくすること
が肝要である。なお、上下砥石定盤に充填物を充填した
場合は下砥石定盤にのみ充填物を充填した場合に比し
て、特に加工中の研削加工液の流れる状態が上下砥石定
盤において等しい条件にできるため、被加工物の上下砥
石定盤に接している両方の加工面の研削加工時の環境を
より近づけることができ、より高品質な被加工物が得ら
れる利点がある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における砥石定盤では、研
磨材としてペレット状ダイヤモンド砥石を用い、ペレッ
ト状ダイヤモンド砥石を接着剤をもって定盤に直接固定
してもよいが、例えば特願平7−219148号に記載
されているように、一旦支持板にペレット状ダイヤモン
ド砥石を固定し、その支持板を定盤に取り付けても良
い。本発明で使用するペレット状ダイヤモンド砥石は、
例えば粒径2〜40μmのダイヤモンド砥粒を金属また
は合成樹脂または粘土質等を結合材として直径20mm
程度の円柱状に形成されたダイヤモンド砥石である。
【0013】ペレット状ダイヤモンド砥石を貼り付ける
配列は被加工物の形状によって異なるが、例えば図1の
様な配列で貼り付けられてもよい。ペレット状ダイヤモ
ンド砥石によって形成される間隙には合成樹脂によって
形成された充填物が充填される。充填物を形成する合成
樹脂としては、フェノール系合成樹脂、ウレタン系合成
樹脂、エポキシ系合成樹脂、尿素系合成樹脂、ユリア系
合成樹脂、ポリビニルアセタール系合成樹脂等の熱硬化
性または熱可塑性合成樹脂を単独で、あるいはこれらの
合成樹脂の混合物が使用され、特にメラミン系樹脂とフ
ェノール系樹脂及びポリビニールアセタール系樹脂の混
合物からなるものが好ましい。
【0014】また、充填物の合成樹脂中に砥粒を分散さ
せることが好ましく、合成樹脂中に分散させる砥粒とし
ては熔融アルミナ、炭化珪素、ガーネット、エメリー、
酸化クロム、酸化鉄、炭化ホウ素、ジルコン、酸化セリ
ウム等があり、これらはダイヤモンド砥粒の硬度より低
い硬度を有する砥粒である。なお、砥粒を合成樹脂で硬
化した砥石をレジンボンド砥石ということがある。しか
して、合成樹脂よりなる充填物はダイヤモンド砥石の硬
度より低い硬度を有するものが好ましい。上記のような
充填物を上下砥石定盤に充填してもよいが、少なくとも
下砥石定盤に充填することを要する。このような充填物
を用いることによって、研磨液の保持効果や被研磨物の
上砥石定盤への貼り付き防止効果(特願平7−2191
48)が得られる。
【0015】更に本発明においては充填物に溝を形成す
ることを要件とする。溝を形成することによって、研磨
加工時に加えられる加工液の循環が活発になり、研磨時
に発生する屑や熱を系外に排出して加工液の効率がより
高く得られ、特に充填物を上下砥石定盤の一方にのみ充
填する場合、研磨加工時の被加工物の両面における環境
条件を近付け、被加工物の両面の品質を均質にできる。
また、被加工物の砥石定盤に対する摩擦抵抗を減少する
事ができ、これまでは砥石定盤を回転させるモーターの
駆動力不足やキャリヤーの強度不足で不可能であった、
高い圧力で加工を行う事や、研磨加工時により多くの被
加工物を同時に加工する事ができ、生産性が向上するの
である。溝を穿設する面積としては、大きい方が研磨加
工時の動力が小さくなり好適であるが、被加工物が下砥
石定盤に貼り付く力も小さくなるため、溝の面積が過度
に大きくなると目的の被加工物の上砥石定盤への貼り付
き現象の回避が達成できない。よって溝の面積は被加工
物の形状や面積等によって適宜設定する必要がある。な
お、充填物を上下砥石定盤に充填する場合は、被加工物
が上砥石定盤に貼り付く力が過度に増加しないように、
少なくとも上砥石定盤の溝の面積が下砥石定盤の溝の面
積を上回るように溝を穿設する必要がある。
【0016】本発明で用いる溝の形状について、特に限
定させるものはないが、溝を通って過度の研磨液の排出
があることは研磨液の持つ冷却効果や傷の発生の防止効
果の妨げになるため、図4、図5及び図6のような形状
のものが好ましい。図4は定盤の回転方向と同じ方向の
渦巻き状の溝で、砥石定盤外側に連通する複数条の溝を
形成している場合であり、図5は複数の同心円或いは同
心の多角形で形成されている場合である。いずれの形状
も研磨液の過度の排出を抑えることができる。また、図
6の場合においては、廃液の排出を適度に行うために隣
接する同心円或いは同心の多角形の間及び定盤外側に連
通する複数条の溝を有することが好ましい。
【0017】次に本発明の製造方法について説明する。
本発明においては、充填物は砥石定盤上で形成するので
はなく、別途、例えば、反応容器内で形成した後、砥石
定盤上のペレット状ダイヤモンド砥石間の間隙を充填す
るように充填物を載置し、定盤と接着して一体とする。
即ち、充填物の製造法としては、例えば所望の配合をし
た合成樹脂液を反応容器内に流し込み、該反応器内で反
応・硬化させる。反応・硬化を行って、得られた充填物
は、更に、砥石定盤上のペレット状ダイヤモンド砥石に
より形成される間隙の形状およびペレット状ダイヤモン
ド砥石と等しい厚みに成型加工を行われる。また、充填
物の取扱いを容易にするために、充填物を適当な基盤に
取り付けて成型加工を行っても良い。この基盤の材質は
特に限定されないが、完成した砥石定盤において、基盤
の厚み相当はペレット状ダイヤモンド砥石が使用できな
くなるため、できるだけ薄い物が望ましく、例えばアル
ミニウム製の厚み0.5mm程度の基盤が好ましく用い
られる。
【0018】充填物を製造するために使用する反応容器
は、特に限定されないが、その形状については生産性向
上および費用軽減のため、定盤あるいは支持板を介して
定盤に取り付ける場合は支持板と同じ形状の物が好まし
く用いられる。さらにペレット状ダイヤモンド砥石によ
り形成される間隙の形状と同じ形状の反応容器を用いる
と、後の工程における成型加工を省略する事ができ、よ
り好ましい。充填物を基盤に取り付けた場合、取扱い中
の充填物の破損を未然に防ぐ事ができ、基盤をペレット
状ダイヤモンド砥石によって形成される間隙と等しい形
状とし、基盤と砥石を接着した後成型加工を行うと、成
型加工を行う際にガイドとして用いる事ができ、さらに
好ましい。
【0019】ペレット状ダイヤモンド砥石によって形成
される間隙の形状およびペレット状ダイヤモンド砥石と
等しい厚みに成型加工を行った充填物は、定盤およびペ
レット状ダイヤモンド砥石に取り付けられる。それらを
取り付ける順序は特に限定されないが、ペレット状ダイ
ヤモンド砥石を取り付ける前あるいはペレット状ダイヤ
モンド砥石と同じに充填物を取り付けると、ペレット状
ダイヤモンド砥石の配列される位置が充填物にあらかじ
め成型加工されて記されているので、ペレット状ダイヤ
モンド砥石を配列する位置決めが非常に簡便になる。ま
た、既にペレット状ダイヤモンド砥石を取り付けてある
既存の砥石定盤に充填物を後から取り付ける事もでき
る。
【0020】本発明の製造方法を用いると、充填物を製
造する際に充填物の表面に溝を穿設することが容易に行
うことができる。ペレット状ダイヤモンド砥石を取り付
けた砥石定盤に充填物を充填した後に溝加工を行う場
合、ペレット状ダイヤモンド砥石の部分を避けて溝を穿
設することは作業が煩雑であり、好ましくなく、またペ
レット状ダイヤモンド砥石にまで溝加工を行うと研磨加
工を行うペレット状ダイヤモンド砥石の作用面積が減少
するため、研磨能力が減少するため好ましくない。これ
に対し、本発明の方法によれば、充填物をペレット状ダ
イヤモンド砥石が配置されている場所とは別のところで
製造するため、成型加工を行う際に併せて任意の形状に
溝加工を行う事ができ、さらには溝に相当する部分を除
いた形状に充填物を成型し、その充填物を取り付ける事
によって砥石定盤上に溝を穿設することができる。この
場合、ペレット状ダイヤモンド砥石を避けて溝加工を行
わなくて良いため、極めて簡単に作業を行う事が出来
る。
【0021】
【実施例及び比較例】以下、実施例および比較例をもっ
て本発明を更に具体的に説明する。 実施例1 図面をもって本発明の実施例を説明する。図1は本発明
にかかる両面ラップ盤用砥石定盤の正面図であり、図2
及び図3は、本発明における製造方法を示す。図1にお
いて、定盤上にペレット状ダイヤモンド砥石1が間隙を
もって散在し、該間隙は充填物2によって充填されてい
る。本発明にかかる両面ラップ盤に用いる砥石定盤の製
造法として、先ず、充填物の製造方法を説明する。下記
の組成から成る反応原液を反応容器に流し込み、反応・
硬化果を行い充填物であるレジンボンド砥石3を得た
(図2a)。 砥粒の種類:溶融アルミナ 砥粒の番手:1500番 砥粒率:32容量% 気孔率:54容量% 結合材率:14容量% 結合材成分:メラミン系樹脂、フェノール系樹脂及びポリビニルホルマール 樹脂の混合物 ロックウェル硬度:−20(スーパーフィシャル15Yスケール)
【0022】上記レジンボンド砥石3を厚さ0.5mm
のアルミ板からなる基盤4(図2b)に接着し、ペレッ
ト状ダイヤモンド砥石1が配置される個所に相当する位
置をするに孔を開けると共に、溝を穿設した(図2
c)。図2cにおける5は、このような成形加工及び溝
加工を施したレジンボンド砥石を表す。
【0023】次に図3に示すように、1500番のダイ
ヤモンド砥粒を含む直径20φmmのメタルボンドのペ
レット状ダイヤモンド砥石6を準備し(図3a)、上記
の手順で製造した成型加工後のレジンボンド砥石7(図
3b)を、あらかじめ全面に接着剤を塗布してある定盤
8に貼り付け(図3c)、接着剤が硬化する前にレジン
ボンド砥石7に加工された孔にペレット状ダイヤモンド
砥石6をはめ込み、充填物とペレット状ダイヤモンド砥
石を定盤に強く押しつけ接着し、本発明の砥石定盤を得
た。
【0024】上記の手順で製造された直径1300φm
mの砥石定盤を下砥石定盤とし、一方、充填物を充填し
ないペレット状ダイヤモンド砥石を貼り付けた砥石定盤
を用意し、上砥石定盤とし、これら上下砥石定盤を両面
ラップ盤に取り付け、ガラス磁気ディスク基盤の研削加
工を行った。比較例として上記の手順によって製造され
たが、充填物に溝加工を行わなかった砥石定盤を用い
て、同様にガラス磁気ディスク基盤の研磨加工を行っ
た。
【0025】両装置とも、加工圧力が低い条件では加工
を行う事ができた。しかし、より高い加工速度を得るた
め、加工圧力を増加させたところ、溝加工を行わなかっ
た比較例では砥石定盤を回転させるために要する動力が
増加し、ついには砥石定盤を回転させることができなく
なったが、実施例ではそのような好ましからざる現象は
生じなかった。また、比較例を用いて研磨加工を行った
ガラス磁気ディスクは、下砥石定盤に接していた面にお
いて熱による異物の付着による不良品が現れ、これは加
工圧力を増加されるほど多く現れたが、実施例ではその
ような不良品は現れなかった。一方、下砥石定盤にレジ
ンボンド砥石を充填した事による、加工終了時における
ガラス磁気ディスクの上砥石定盤に対する貼り付きの防
止の効果は実施例、比較例共に十分発現した。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の両面ラップ
盤を用いたことによって、被研磨物を取り出す際の、被
研磨物の上砥石定盤への貼り付きが防止できるととも
に、高い圧力で加工を行う事や、研磨加工時により多く
の被研磨物を同時に加工することができ、生産性が向上
する。さらに、本発明の両面ラップ盤の製造方法を用い
たことによって、ペレット状ダイヤモンド砥石によって
形成される間隙に充填物を充填する際、高価な定盤およ
びペレット状ダイヤモンド砥石に何等被害を与える心配
無く、充填物を充填する事ができた。また、充填物をペ
レット状ダイヤモンド砥石を張り付けた定盤上で反応さ
せる必要が無いため製造に要する時間が短縮できた。さ
らに本発明によって充填物に溝加工を簡単に行う事がで
き、得られた充填物に溝加工を行った両面ラップ盤は、
溝加工を行わない場合に比べ、加工効率をさらに上げる
事が可能となり、被加工物の品質も向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の両面ラップ盤用砥石定盤の正面図
【図2】本発明の両面ラップ盤の製造方法における充填
物の製造法の説明図
【図3】本発明の両面ラップ盤の製造方法の実施例の説
明図
【図4】本発明の両面ラップ盤の充填物の溝の形状を示
す平面図
【図5】本発明の両面ラップ盤の充填物の他の溝の形状
を示す平面図
【図6】本発明の両面ラップ盤の充填物の他の溝の形状
を示す平面図
【符号の説明】
1、6 ペレット状ダイヤモンド砥石 2 充填物 3 レジンボンド砥石 4 アルミ板よりなる基板 5、7 成型加工後のレジンボンド砥石 8 定盤

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下定盤に、ダイヤモンド砥石を間隙を
    おいて貼りつけた両面ラップ盤であって、前記上下定盤
    のうち、下定盤のダイヤモンド砥石間の間隙に合成樹脂
    よりなる充填物が充填され、且つ、該充填物の被加工物
    と接触する面に、溝が穿設されていることを特徴とする
    両面ラップ盤。
  2. 【請求項2】 上下定盤に、ダイヤモンド砥石を間隙を
    もって貼りつけた両面ラップ盤であって、前記上下定盤
    のそれぞれの定盤において、ダイヤモンド砥石間の間隙
    に合成樹脂よりなる充填物が充填され、且つ、該充填物
    の被加工物と接触する面に、溝が穿設されているととも
    に、前記上下定盤のうち、上定盤に穿設した溝の面積の
    総和が、下定盤に穿設された溝部分の面積の総和よりも
    大きいことを特徴とする両面ラップ盤。
  3. 【請求項3】 前記充填物が、砥粒を分散した合成樹脂
    よりなり、該砥粒の硬度がダイヤモンド砥石を構成する
    ダイヤモンド砥粒の硬度より低い硬度を有することを特
    徴とする請求項1及び2記載の両面ラップ盤。
  4. 【請求項4】 前記溝が、複数の渦巻き状の溝で形成さ
    れ、且つそれぞれの終端が定盤の外に連通するととも
    に、前記渦巻きの方向は、定盤の回転方向と同じ方向で
    あることを特徴とする請求項1、2及び3記載の両面ラ
    ップ盤。
  5. 【請求項5】 前記溝が、複数の同心円、あるいは複数
    の同心の多角形で形成されている、請求項1、2及び3
    記載の両面ラップ盤。
  6. 【請求項6】 前記溝が、複数の同心円、あるいは複数
    の同心の多角形で形成されており、且つ、隣接する複数
    の同心円、あるいは複数の同心の多角形の間及び定盤外
    側に連通する複数条の溝を有する請求項1、2及び3記
    載の両面ラップ盤。
  7. 【請求項7】 上下定盤にダイヤモンド砥石を間隙をお
    いて貼りつけた両面ラップ盤の製造方法において、上下
    定盤の少なくとも一方の定盤に、ダイヤモンド砥石を間
    隙をおいて貼り付け、次いで、前記ダイヤモンド砥石間
    の間隙を、別途予め成形した充填物を充填する、あるい
    は、上下定盤の少なくとも一方の定盤に、ダイヤモンド
    砥石間の間隙を充填するように、別途予め成形した充填
    物を貼り付け、次いで、前記充填物の間隙にダイヤモン
    ド砥石を貼り付けることを特徴とする両面ラップ盤の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記充填物に予め溝を穿設しておくこと
    を特徴とする請求項7記載の両面ラップ盤の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012169476A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Fujikura Ltd プリント配線板の製造方法

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JP2012169476A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Fujikura Ltd プリント配線板の製造方法

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