JPH1042851A - 清酒の製造方法および製造装置 - Google Patents

清酒の製造方法および製造装置

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JPH1042851A
JPH1042851A JP9408997A JP9408997A JPH1042851A JP H1042851 A JPH1042851 A JP H1042851A JP 9408997 A JP9408997 A JP 9408997A JP 9408997 A JP9408997 A JP 9408997A JP H1042851 A JPH1042851 A JP H1042851A
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sake
filtration
rice
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ultrafiltration membrane
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JP9408997A
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Shinji Komori
愼次 小森
Seiichi Nakahara
清一 中原
Kiminao Satomi
公直 里見
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白米を液化酵素を用いて処理する液化仕込み
による醪の製造方法(姫飯造り)において、その後の製
造工程における自動化、省力化と、製品品質の安定化と
を図ることができる清酒の製造方法を提供する。 【解決手段】 精白された米を撹拌機能を有する白米処
理装置3に入れ、撹拌して乳化、液化の工程を行い、醪
の仕込温度まで冷却し、醗酵タンク5へ送付して醪を製
造した(姫飯造り)後、圧搾の工程を行い、次いで、濾
過装置8において分画分子量 3,000から 200,000である
限外濾過膜による濾過を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、白米を液化酵素を用いて処理す
る液化仕込みによる醪(もろみ)の製造の後、限外濾過
膜を用いた濾過工程を導入して製造工程を自動化した清
酒の醸造に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、清酒醸造業界において、高度の経
験を積んだ作業者(杜氏)の後継者不足の深刻化から、
製造工程の省力化,自動化等の試みが盛んに行われてい
る。例えば、醪の製造工程において、丸粒白米のまま撹
拌機能を有する白米処理装置に投入してから数時間程度
をかけて緩やかに加温しながら乳化と液化を行う方法
(いわゆる姫飯(ひめいい)造り)が知られている(醸
造協会誌,88巻(10)756(1993年))。
【0003】上記方法では、丸粒白米のまま処理装置に
投入してから数時間程度をかけて緩やかに加温しなが
ら、高速撹拌機能を持った処理装置にて丸粒白米を、破
砕しながら、高力価の澱粉液化酵素、植物組織崩壊酵素
を適宜配合して乳化、液化させる。次いで、醪の仕込み
最適温度まで冷却して、パイプラインを通じて乳化、醗
酵タンクまで送り込み、これに麹と酒母を加えて並行複
醗酵させる。これにより、醪の製造工程においては、工
程の省力化,自動化とともに、火落ち菌等、清酒製造に
とって有害な菌類の混入を防止することにより、高度の
経験を積んだ作業者(杜氏)への依存体質からの脱却に
は大いに効果が認められた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7の
フローチャートに示すように、上記工程で醪を製造し、
圧搾処理した(ステップP1〜P2)後の工程について
は、蛋白質を含んだ原酒を滓下げする工程(ステップP
3〜P4)で活性炭、滓下げ剤、滓下げ助剤等の添加が
必要であり、しかも滓下げにかかる時間が2日から最長
10日近くもかかり生産管理の障害になり、安定した生
産量の確保ができなかった。また滓下げ剤添加量の調
整、滓下げから濾過にかかるタイミングなどに高度な技
術を要し、未経験作業者でのプラント操業の障害となっ
ているのが現状である。
【0005】また、滓下げ後の珪藻土濾過工程(ステッ
プP5)においても、通常の清酒製造工程に比べて仕込
原料米の利用率が高いため蛋白質が多く、滓が多い事か
ら珪藻土濾過での濾過作業効率が悪かった。また、珪藻
土濾過自身、珪藻土の張り付け、除去に労力がかかり自
動化を阻害していた。なお、その後、周知の工程を行っ
て(ステップP6〜P12)、製品として瓶詰め、箱詰
めなどを行う。
【0006】このように、上記方法で得られた液化処理
された醪を圧搾した原酒は、液化酵素を多量に含有し、
しかも従来の方法と比較して仕込み原料米の利用率が非
常に高いため蛋白質含有量が高く、従来の滓下げでは時
間がかかり、しかも滓下げ剤の選定、柿渋と滓下げ助剤
との比率調整、滓下げ時期の判定など技術と経験が必要
であった。また、滓下げ後の珪藻土濾過においても前述
した通り、通常の醪製造工程に比して目詰まり成分を多
く含有していることから、濾過抵抗が大きく作業性、珪
藻土の張り替え頻度が多かった。
【0007】更に、滓下げ、珪藻土濾過では前述の通り
原酒の酵素,蛋白質が完全には除去できないため、上槽
後の原酒、珪藻土濾過後の酒のいずれも室温での保存を
行うと、「ムレ香(清酒にとっての不快な臭い)」、
「甘ダレ(ふくらみのない単純な甘さ)」が生じて製品
品質の劣化を生じた。
【0008】一方、姫飯造りでない通常の清酒の製造方
法においては、原酒の酵素,蛋白質を除去して、上記
「ムレ香」,「甘ダレ」の劣化を防止するために、原酒
を限外濾過膜で濾過する方法が、特開昭52−6449
5号、特開昭59−143581号および特開平04−
252170号公報で開示されている。
【0009】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
で、白米を液化酵素を用いて処理する液化仕込みによる
醪の製造方法において、その後の製造工程における自動
化,省力化と、製品品質の安定化とを図ることができる
清酒の製造方法および装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明に係る清酒製造方法および装置は、精白された米を撹
拌機能を有する白米処理装置に入れ、撹拌して乳化、液
化を行い、この乳化した材料を醪の仕込温度まで冷却
し、醗酵タンクで醗酵させて醪を製造した(姫飯造り)
後、圧搾して原酒を作り、次いで、原酒を分画分子量
3,000から 200,000である限外濾過膜により濾過する。
【0011】上記構成によれば、姫飯造りにより醪を製
造した後、分画分子量 3,000から 200,000である限外濾
過膜による濾過を行うので、醪製造後の製造工程におけ
る自動化、省力化と、製品品質の安定化とを図ることが
できる。ここで、中空糸膜の分画分子量が3,000 以上で
あるから、原酒に含まれた蛋白質,酵素を効果的に除去
できる。また、分画分子量が 200,000以下であるから、
凝集沈殿剤なしに蛋白質,酵素を除去できる。前記分画
分子量は、より好ましくは 5,000以上50,000以下であ
る。
【0012】好ましくは、前記限外濾過膜による濾過の
後、火入れ、仕上げ濾過を行う。従って、製造ラインで
の汚染の防止、香味調整が図られるとともに、清澄な清
酒が得られる。
【0013】好ましくは、前記限外濾過膜による濾過
を、中空糸膜を用いた循環濾過方式によって行う。従っ
て、菌,蛋白質,酵素を有効に除去することができる。
【0014】循環濾過時のレイノルズ数は、中空糸の目
詰まりを抑制し、かつ大きな透過流束を得るために、 5
00以上、20,000以下が望ましく、 500〜10,000の範囲が
さらに好ましい。
【0015】また、循環濾過時の循環線速は、中空の目
詰まりを抑制し、かつ中空糸への力学的付加を抑制する
ために、0.5m/s以上、10m/s以下が望まし
い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1に、本発明の一実施形態に係る
清酒の製造装置である姫飯造りプラントを示す。このプ
ラントは、精米機2、白米処理装置3、パイプライン
4、醗酵タンク5、圧搾装置6、収納容器7、ポンプ1
2、濾過装置8、火入れ装置9、珪藻土濾過装置10お
よび仕上げ濾過装置11を備えている。
【0017】図2に示すように、前記濾過装置8は、い
わゆる内圧循環方式であり、導入ポート22および導出
ポート23を有する筒形のハウジング21に、フィルタ
エレメント(多数の中空糸膜29を束ねたもの)25が
収納されている。中空糸膜29の一端は、ハウジング2
1内の下方空間26を介して前記導入ポート22に連通
し、他端は上方空間27を介して導出ポート23に連通
している。前記導入ポート22には上記圧搾装置6の出
口が接続される。前記ハウジング21の側壁には排出ポ
ート24が設けられ、この搬出ポート24が火入れ装置
9の入口に接続される。圧搾装置6から容器7に排出さ
れたのち、ポンプ12により濾過装置8へ原液として導
入された原酒は、中空糸膜29の内側空間28を通過す
る間に、内方圧力を受けて濾過され、排出ポート24か
ら濾過液として排出される。濾過によって濃縮された濃
縮液は導出ポート23から容器7へ排出されて、再び導
入ポート22に導入され、濾過が繰り返される。
【0018】図3は、本発明に係る清酒の製造方法を示
すフローチャートである。以下、図3に基づいて、この
清酒の製造方法について説明する。
【0019】まず、図1の姫飯造りプラントにより醪が
製造される。まず、精米機2で玄米を精米して精白する
(ステップS1)。この際、精白歩合は任意に選択する
ことができるが、通常35%から90%、好ましくは3
5%から70%の精米歩合のものがよい。精白した丸粒
白米は洗米することなく白米処理装置3に入れる。ここ
で言う白米処理装置3とは撹拌装置を装着し、加温、冷
却可能な密閉槽でシーケンサー、プログラムコントロー
ラーの組み合わせにより液化処理が自動的に行われるも
のである。該処理装置3内への仕込は通常3から5段仕
込を行う。白米の仕込と同時に液化酵素、すなわち高力
価の澱粉液化酵素および植物組織崩壊酵素を適度に配合
した酵素製剤が用いられる。プログラムにより白米処理
装置3内の温度は、酵素作用を最適化するように昇温、
降温が行われる。
【0020】そして、丸粒白米のまま白米処理装置3に
投入してから数時間程度をかけて緩やかに加温しなが
ら、高速に撹拌して、丸粒米を破砕しながら、高力価の
澱粉液化酵素、植物組織崩壊酵素を適宜配合して乳化、
液化させる(ステップS2)。次いで、乳化した材料を
醪の仕込み最適温度まで冷却して(ステップS3)、パ
イプライン4を通じて醗酵タンク5まで送り込み、これ
に麹と酒母を加えて並行複醗酵させる。こうして、姫飯
造りにより醪が製造される(ステップS4)。
【0021】本発明に使用される酒母は、図示しない酒
母槽にて製造される。このとき、酒母は(a)麹のみを
使用した麹糖化型酒母、(b)固形酵母仕込、(c)蒸
米を使用した在来の普通速醸酒母の3種類が使用可能で
あるが、(a)または(b)を使用することが好まし
い。
【0022】汲水歩合は最終製品銘柄により異なるが、
通常160%から220%である。姫飯造りでは、仕込
配合が決まれば粕歩合、上槽前のアルコール濃度はほぼ
一定で予測できるため、調整のための追水は少量でよ
い。
【0023】また、糖化酵素剤は、通常の製造方法で使
用される蒸米仕込に比較して麹歩合は低く、醗酵が緩や
かであることから、醪段階での適量の糖化酵素剤の添加
が必要である。熟成した醪を液部(原酒)と固形部(酒
粕)とに分離する操作を上槽という。通常、醪を酒袋に
入れ槽に積み上げ圧搾装置6により圧搾処理した(ステ
ップS5)ものが原酒となる。自動圧搾機による上槽が
行われるのが一般的である。
【0024】次に、上記姫飯造りによって醪を製造し、
圧搾処理して原酒を製造した後に(ステップS1〜S
)、図2の濾過装置8により、分画分子量 3,000から
200,000である限外濾過膜を形成する中空糸膜29を備
えたフィルターエレメント25で濾過を行う(ステップ
S6)。上記濾過装置8の導入ポート22から中空糸膜
29の内側空間28に原液として導入された原酒は、こ
の膜濾過により、蛋白質、酵素、菌類が除去されて、排
出ポート24から濾過液として導出される。残った蛋白
質等を含む濃縮液は導出ポート23より外部へ排出され
る。
【0025】上記姫飯造りによって得られた原酒は、従
来の蒸米から製造する原酒に比較して、原料白米の利用
率が高く、しかも液化酵素を添加しているので、高濃度
で蛋白質、酵素を含有している。これら蛋白質、酵素等
の分離には、上記限外濾過膜による分離が非常に有用で
ある。
【0026】この限外濾過膜に用いられる中空糸膜素材
は特に限定されるものではなく、例えば、ポリスルホン
系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアクリロニ
トリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、酢酸セルローズ
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
ビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニルアルコール
系共重合体、ポリメタクリル酸エステル系樹脂、ポリイ
ミド系樹脂などがあげられる。中空糸膜の分画性は限外
濾過領域では特に限定されるものではないが、低分子量
の蛋白質,酵素を効果的に除去するため分画分子量 3,0
00以上で、凝集沈殿剤なしに蛋白質,酵素を除去するた
め 200,000以下のもの、好ましくは 5,000以上50,000以
下のものが望ましい。ここでいう分画分子量とは分子量
既知の基準蛋白質を中空糸膜で濾過した際、その90%
が排除される基準蛋白質の分子量をいう。中空糸膜の形
状は、特に限定されるものではないが、例えば、中空糸
内径300 〜2,700 μm好ましくは1,000 〜2,500 μmが
よい。
【0027】また、濾過方式は、全濾過方式、外圧循環
方式、内圧循環方式等いずれの方式でも可能であるが、
膜の目詰まりと高透過流束を得るためには循環方式、好
ましくは上述のように内圧循環方式がよい。
【0028】内圧循環濾過方式による膜濾過を行うに際
し、各種濾過条件をとり得るが、一次側の濃縮が進んで
も高透過流束を安定して得るためには、循環線速(中空
内部を避面に並行に流れる流体の平均流速)は0.5m/s以
上、10m/s 以下が望ましい。0.5m/s未満であれば、循環
濾過の特徴である膜の目詰まりを抑制する効果が小さ
く、透過流束の急激な低下を生じる。10m/s より大きな
循環線速をかけても、膜表面での汚れ剥離効果はそれ以
下のものと大きな差異はなく、逆に膜間差圧が大きくな
り膜への力学的負荷が増加するので、好ましくない。こ
のときの膜間差圧は、0.1 〜3 kg/cm2(10 〜300KPa) の
間で任意にとることが可能であるが、透過流束を考慮
し、有機膜である中空糸膜を使用する際には、300KPa以
下が望ましい。内圧循環濾過方式による膜濾過を行うに
際し、膜内を循環する原液、つまり、中空糸29の内部
空間28を流れる原酒の、次に定義するレイノルズ数
(Re) が500 以上20,000以下であることが望ましい。
【0029】Re=d.u.s/μ ここで、d:中空糸内径、u:循環線速、s:原液密度、μ:
原液粘度である。レイノルズ数が500 未満では、膜の目
詰まりがはやく、高い透過流束が得られず、20,000より
大きくしても膜目詰まりを抑制する効果に大きな差異は
なく、得られる透過流束は高いレベルで安定する。レイ
ノルズ数のより好ましい範囲は、500 〜10,000である。
【0030】特に、本出願人の一人によって特開平4−
135478号公報で開示されている平均孔径0.01
〜0.2μの範囲の微細多孔質中空繊維膜による濾過を
行うことにより、清酒中での「てり」と呼ばれる液の光
沢性を得ることもできる。
【0031】次に、上記濾過後の製造ラインでの汚染、
香味調整などを考慮して、図1の火入れ装置9により火
入れを行う(ステップS7)。火入れした清酒は、アル
コール分の揮散と火落ち菌の進入を防止する目的で密栓
して貯蔵しなければならない(ステップS8)。なお、
この実施形態では、通常の清酒の製造方法の通り、火入
れ,貯蔵しているが、上記濾過後の清酒は、菌類、酵素
などは除去できているのでそのまま割水して製品とする
ことが可能である。
【0032】その後、活性炭添加による脱色(ステップ
S9)および図1の珪藻土濾過装置10での珪藻土濾過
(ステップS10)を経て、最終的に清澄な清酒に仕上
げるために、図1の仕上げ濾過装置11によって仕上げ
濾過される(ステップS11)。この仕上げ濾過装置1
1では、通常0.01〜0.2μの孔径を持つ中空糸膜
(限外濾過膜)が用いられ、例えば、全圧濾過方式によ
る濾過を行う。すなわち、清酒に圧力をかけて、一端部
が閉塞された中空糸膜の外側から内側空間へ通すことに
より濾過し、濾過後の清酒を中空糸膜の前記内側空間の
他端開口から導出する。この仕上げ濾過の後、火入れ
(ステップS12)および割水(ステップS13)の各
工程を経て、製品として瓶詰め、箱詰めなどを行う。
【0033】以下、上記清酒の製造方法により行った実
施例について説明する。 〔実施例1〕図1において、精白歩合50%の白米を使
用して、丸粒のまま液化酵素と共に姫飯造りプラント
(株式会社横山エンジニアリング製)の白米処理装置3
に投入する。液化液は醗酵タンク5に送る(添仕込(一
段目の仕込))。このとき同時に製造しておいた酒母と
麹とは前もって醗酵タンク5に移送しておく。踊り(仕
込みを行わず、酵母増産の時間を与える)を一日おいた
後、仲仕込(二段目の仕込)を行う。翌日留仕込を行っ
た後、次の圧搾を行う。
【0034】醗酵後の醪は圧搾装置6(薮田式自動圧搾
機使用)によって圧搾して原酒を得る。この原酒になん
ら滓下げ剤、滓下げ助剤、蛋白凝集剤を添加することな
く、図2のように、濾過装置8の限外濾過膜(ポリスル
ホン(PSF)製、分画分子量13,000)を形成する中空
糸膜29を備えた濾過装置8に供給される。濾過装置8
に供給された原酒は、中空糸膜29の一端から内側空間
28に導入され、中空糸膜29の膜壁を通過して排出ポ
ート24から排出される、内圧循環濾過(中空糸膜29
の内表面から外表面への濾過)を実施した。該中空糸膜
29の形状は、中空糸外径が1.9mm、内径が1.2
mm、有効膜面積10m2、膜長1mの内圧循環方式の中
空糸を選定した。
【0035】原酒を循環線速1m/s、膜間差厚1kg/
cm2 、レイノルズ数Re=(1.2 ×10-3×1×1000) /
(2×10-3) = 600にて循環濾過を行ったところ、初期透
過流束は63l ・m-2・hr-1・atm-1と高レベルで
あり(図)、濃縮が進むにつれて低下してくるが、1
00倍濃縮時(濃縮倍率=原液量/濃縮液量)において
も10以上の透過流束が得られ、透過流束は実際使用可
能な範囲であった。
【0036】〔実施例2〕実施例1と同様、図1の姫飯
造りプラントを用いて醪製造した。醗酵後の醪を圧搾装
置6で圧搾して得た原酒になんら滓下げ剤、滓下げ助
剤、蛋白凝集剤を添加することなく、中空糸膜からなる
限外濾過膜(ポリスルホン(PSF)製、分画分子量1
3,000、外径2.8mm、内径2.0mm)を用いて内
圧循環濾過を実施した。
【0037】原酒を循環線速1m/s、膜間差厚1kg/
cm2 、レイノルズ数Re=(2.0 ×10-3×1×1000) /
(2×10-3) =1000にて循環濾過を行ったところ、初期透
過流束は50l・m-2・hr-1・atm-1と高レベルで
あり(図)、濃縮が進むにつれて低下してくるが、1
00倍濃縮時においても10以上の透過流束が得られて
おり、透過流束も使用可能なレベルであった。
【0038】〔実施例3〕実施例1と同様、図1の姫飯
造りプラントを用いて醪製造した。醗酵後の醪を圧搾装
置6で圧搾して得た原酒になんら滓下げ剤、滓下げ助
剤、蛋白凝集剤を添加することなく、中空糸膜からなる
限外濾過膜(ポリスルホン(PSF)製、分画分子量1
3,000、外径1.9mm、内径1.2mm)を用いて循
環濾過を実施した。
【0039】原酒を循環線速1m/s、膜間差厚1kg/
cm2 、レイノルズ数Re=(1.2 ×10-3×1×1000) /
(2×10-3) = 600にて外圧循環濾過(中空糸外表面から
内表面への濾過)を行ったところ、初期透過流束は50
l・m-2・hr-1・atm-1と高レベルであり(図
)、濃縮が進むにつれて低下してくるが、70倍濃縮
時においても10以上の透過流束が得られており、透過
流束も使用可能なレベルであった。
【0040】原液、透過液、濃縮液の濁度を測定した
(表1)結果、透過液は清澄化されており、濃縮液側の
濁度が上昇していた。利き酒を行った結果も良好であっ
た。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
高濃度の液化酵素を使用する液化仕込みによる清酒の製
造方法および装置において、醪圧搾後の原酒を限外濾過
することによって前記液化仕込みに特徴的に認められる
高蛋白質、高酵素含有の原酒の酵素、蛋白質を従来の滓
下げ、珪藻土濾過と比較して簡便に除去することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る清酒の製造装置で
ある姫飯造りプラントを示す構成図である。
【図2】上記清酒の製造装置に含まれた濾過装置を示す
概略構成図である。
【図3】上記清酒の製造方法を示すフローチャートであ
る。
【図4】実施例1における濃縮倍率と透過流束の関係を
示す特性図である。
【図5】実施例2における濃縮倍率と透過流束の関係を
示す特性図である。
【図6】実施例3における濃縮倍率と透過流束の関係を
示す特性図である。
【図7】従来の清酒の製造方法を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
2…精米機、3…白米処理装置、5…醗酵タンク、6…
圧搾装置、8…濾過装置。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精白された米を撹拌機能を有する白米処
    理装置に入れ、撹拌して乳化・液化を行う工程と、乳化
    した材料を醪の仕込温度まで冷却する工程と、冷却した
    材料を醗酵タンクへ入れて醗酵させて醪を製造する工程
    と、醪を圧搾して原酒を得る工程と、原酒を分画分子量
    3,000から 200,000である限外濾過膜によって濾過する
    工程とを備えた清酒の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記限外濾過膜の分
    画分子量が 5,000から50,000である清酒の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記限外濾過膜によ
    る濾過の後、火入れ、仕上げ濾過を行う清酒の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記限外濾過膜によ
    る濾過を、中空糸膜を用いた循環濾過方式によって行う
    清酒の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記循環濾過時の次
    式で表すレイノルズ数Reを 500以上、20,000以下とす
    る清酒の製造方法。 Re=d・u・ρ/μ ここで、dは前記中空糸の内径、uは循環線速、ρは原
    液の密度、μは原液の粘度である。
  6. 【請求項6】 請求項4において、前記循環濾過時の循
    環線速を0.5m/s以上、10m/s以下とする清酒
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 精白された米を撹拌して乳化・液化させ
    るとともに、醪の仕込温度まで冷却させる白米処理装置
    と、冷却した材料を醗酵させて醪を製造する醗酵タンク
    と、醪を圧搾して原酒を得る圧搾装置と、原酒を分画分
    子量 3,000から 200,000である限外濾過膜によって濾過
    する濾過装置とを備えた清酒の製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記限外濾過膜の分
    画分子量が 5,000から50,000である清酒の製造装置。
  9. 【請求項9】 請求項7において、さらに、前記限外濾
    過膜で濾過された原酒に火入れを行う火入れ装置と、火
    入れされた濾過済み原酒に仕上げ濾過を行う仕上げ濾過
    装置とを備えた清酒の製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項7において、前記濾過装置は、
    前記限外濾過膜による濾過を、中空糸膜を用いた循環濾
    過方式によって行うものである清酒の製造装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記循環濾過時
    の次式で表すレイノルズ数Reを 500以上、20,000以下
    とする清酒の製造方法。 Re=d・u・ρ/μ ここで、dは前記中空糸の内径、uは循環線速、ρは原
    液の密度、μは原液の粘度である。
  12. 【請求項12】 請求項10において、前記循環濾過時
    の循環線速を0.5m/s以上、10m/s以下とする
    清酒の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008194647A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Toyobo Co Ltd 中空糸膜
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