JP2533898B2 - 浸出液の調製方法及び装置 - Google Patents

浸出液の調製方法及び装置

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JP2533898B2 JP62261901A JP26190187A JP2533898B2 JP 2533898 B2 JP2533898 B2 JP 2533898B2 JP 62261901 A JP62261901 A JP 62261901A JP 26190187 A JP26190187 A JP 26190187A JP 2533898 B2 JP2533898 B2 JP 2533898B2
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Description

【発明の詳細な説明】 穀粒からの飲料、特にビール、の製造は順次に実施さ
れる多数の単位操作を伴う。主要な工程としてはマッシ
ュ調製(mashing)、麦汁の煮沸及び冷却、発酵及びコ
ンディショニングがある。これらの各々の操作の後には
別個の工程が続く。ビール製造においては、マッシュ調
製の後に続く麦汁分離工程は最も決定的であり且つ最も
困難であると考えられている。本発明が関係するにはこ
の麦汁分離工程である。
醸造業者は主要な原料として麦芽になった大麦(麦
芽)、水〔醸造用水:液(liquor)〕及びホップを用い
る。マッシュ調製は、“麦汁”又は“甘口の麦汁”と呼
ばれる麦芽の水性抽出物を製造するために、粉砕した麦
芽と湯との緊密な混合を伴う。幾種類かのマッシュ調製
法がある。インフュージョンシステム(infusion mashi
ng system)においては、マッシュは典型的には65℃に3
0分〜数時間保持される。この時間の間に、麦芽の酵素
は主として澱粉及びそれの分解生成物を攻撃する(これ
は澱粉分解と呼ばれる)。麦汁の製造は、篩のように作
用するスロット付き基底をもっていてマッシュ樽と呼ば
れる容器中で生じる。非分解物質から実質的に総ての甘
口の麦汁を洗い流すために、70〜79℃の湯をマッシュの
表面上に噴霧しそして麦汁をマッシュ床の固体の中から
外に流出させる。それでマッシュ調製及び麦汁分離の両
方共同一のユニット内で達成される。
麦汁調製のその他の利用できるシステムにおいては、
マッシュ調製は、マッシュ温度が所望の最高値に累進的
に上昇することができるジャケット付き容器内で撹拌し
ながら実施される。例えば、ラガービールの製造におい
ては、マッシュ調製は(i)50℃で40分間、(ii)65℃
に達するように35分間、(iii)65℃で45分間、(iv)7
5℃に達するように20分間から成る(Spillane,M.H.,Bre
wer's Guardian,1978、、63を参照のこと)。これら
のプラントにおいては、マッシュは麦汁分離(またの呼
び名は麦汁過)工程に移される。現在使用されている
麦汁過システムとしてはLauter Tuna、Strain Master
又はMash Filterがある。工業的評価段階にあるその他
のシステムはHigh Pressure Mash Filterである。
これらの総ての分離システムにおいては、麦汁の分離
は麦芽になった穀粒それ自体の床を材として用いるこ
とによって達成される。そのようなシステムにおいて
は、過速度と抽出効率との間には基本的な非両立性が
ある。(Royston,M.G.,J.Inst.Brewing,1966、77、351
を参照のこと。)過速度は粒度の増加と共に又床深さ
の減少と共に増加するが、しかし穀粒から回収された可
溶性抽出物の量は粒度の減少と共に又床深さの増加と共
に増加する傾向がある。システム性能の予知は困難であ
る。システムの設計は経験的手順に基づいている。経験
は、麦芽の品質、麦芽の微粉砕法及び麦汁分離の間に用
いられる操作法に関して明確な限度が固守されなければ
ならないことを教示している。濁っている麦汁及び固化
するようになるマッシュを避けるために操作者の絶え間
のない注意が必須である。麦芽粉の一層微細な粉砕を用
いるならば、マッシュ調製の間の澱粉から発酵可能な糖
への転化率の増加を達成することができる。可溶性抽出
物の回収率の増加は製造コストの大きな節約に通じる。
しかしながら、麦芽の微細粉砕には越えると現在のシス
テムが操作不能になる限度がある。
本発明の1つの目的は、前記した分離システムに許容
されるよりも微細に粉砕された麦芽粉に関して有効に機
能する分離システムを提供することである。マッシュ中
に穀粒子が存在することは、現在の麦汁分離システムが
使用可能となるために必須である。殻はマッシュ床を通
しての麦汁又はスパージング液(liquor)(水)の透過
を可能にする。これなしでは、マッシュは固化しそうで
ある。マッシュ床からの可溶性抽出物の回収は(a)濃
い麦汁を熱い液(水)で抽出すること及び(b)ケーク
を洗浄(スパージング)することによって達成される。
スパージング工程はマッシュ床の空隙内に及び固体粒子
内に存在する麦汁を抽出すべきである。穀粒子は事実上
セルロースを主成分とする物質であるので、それらの粒
子内からの可溶性抽出物の物質移動は制限のある拡散で
ある。それゆえに穀粒子の存在はマッシュからの麦汁の
分離速度を制限する。
本発明のその他の目的は、穀粒子がマッシュ中に存在
する必要性を避けることである。
醸造業における現今の需要は、原料コストは増加し続
け又市場はこれまでになく広範囲のビールを欲しがって
いることを示唆している。その第一の要素は、醸造業者
が一層多種類の原料を用いて発酵するという要求を課し
ている。その第二の要素は、低下した負荷容量で満足に
働くことのできる装置の使用を必要とする。原料特性
は、例えば、大麦種の年毎の変化、麦芽変形度の変化、
ひき割り麦芽に添加された非麦芽物質量の増加、及び小
麦麦芽及びモロコシ麦芽のような非伝統的物質の使用に
依存する。本発明のその他の目的は少なくともこれらの
要求を満足することに向けて何としても進むことであ
る。
連続マッシュ調製システムに関しての固液分離のため
の装置は折々に提案されてきている。これらの提案とし
ては減圧ドラム過機(米国特許第2,127,759号を参照
のこと)、組になった遠心機(Williamson,A.G.及びBra
dy,J.T.,Tech.Q.Master Brewers Assoc.,Am.,1965、
、79)、サイクロン及び振動篩がある。
それらの欠陥にも拘わらずに、過が穀粒床を通して
行なわれる現行のシステムは未だに選択の手順である。
麦汁分離を最適にするための最近の主要な努力分野の
1つは、一層容易に再現でき且つ予言できる過性能を
もった穀粒過床を提供するために麦芽の粉砕を改良す
ることである。例えば、湿式粉砕は本質的に壊れていな
い空の穀粒殻からなる有効な床を提供することができ
る。乾式粉砕では、壊れた殻の粒度を一層均一に保つこ
とができるならば、過性能は改善される。
殆どの醸造業者にとって、Lauter Tunは未だに麦汁分
離のための好ましい装置である。それの性能の改善は、
Lauter Tunのレーキで集め且つスパージングする装置の
設計詳細に対する注意深い考慮によって今日捜し求めら
れている。
本発明に従って、麦芽になった穀粒をマッシュ調製し
て粕/麦汁マッシュを提供する工程、及び粕から麦汁を
分離する工程を含む、麦芽になった穀粒から浸出液(麦
汁)を調製する方法において、その分離工程が、該粕/
麦汁マッシュを10.0〜100.0μmの範囲内の孔径をもつ
麦汁透過性フイルター要素の表面を横切って流して麦汁
(しかし粕ではない)を液として該流れの方向を横断
する方向でフイルターを通過させることによって成就さ
れる障壁過法であることを特徴とする方法が提供され
る。
マッシュと接触しているフイルター要素の表面から、
該表面上に滞留するようになっているか又はフイルター
の孔を詰まらせているようなマッシュ中の粒状物質をフ
ラッシュするために、フイルターを通過する液の流れ
を逆にすることが普通には時々必要である。
直交流形フイルター要素を使用することで、穀粒床
過技術で許容されるよりも微細に粉砕された麦芽粉を使
用することが可能になるはずである。フイルター要素の
物質を注意深く選択することで、麦汁中の濁り度が低下
するはずであり、又直交流過技術はバツチの大きさに
関して固有的に一層大きな融通性をもっている。本発明
では、穀粒子を含むか又は含まない麦芽粉をマッシュ調
製に用いることができる。
種々の形状、例えば管状、平板状及び渦巻き形の直交
流形フイルター要素はそれ自体公知である。GB−A−21
76715には、ビールタンク残留物を過するために10μ
m未満の孔径をもつセラミック製直交流形フイルターを
使用することが記載されている。6mmの内径をもつ管状
のマイクロフイルターは商業的に入手でき、これは通常
は既存の用途に最適のものであるが、しかし、管の閉塞
を避けるべきであるならば、麦汁分離においては少なく
とも10mmの直径が必要であり、そして好ましくは内径は
20mm以上である。
醸造プラントの構成に用いるのに許容される2〜3の
物質の内にはステンレススチールである。もっとも、こ
の物質は、それから所望の孔径をもつフイルター要素を
作ることが全く可能であるものの1つであり、それゆえ
にこの用途に所望な物質でありそうである。醸造装置の
その他の単位体で現在用いられている洗浄剤(酸又はア
ルカリ)と同じ種類のものを用いることによって、諸醸
造操作の間でそのようなフイルターを清浄にすることが
可能であることが予想される。セラミック製フイルタ
ー、又はフイルタークロスもまた醸造プラントの操作条
件に耐えることができる。
フイルター要素の閉塞を避けるために、マッシュは
過表面を通り越して比較的高速で循環すべきである。速
度は2〜8m/s、好ましくは4〜6m/sの範囲内であること
ができる。同じ理由で、フイルター要素を横切って加圧
される差圧は比較的小さく、好ましくは35〜210kPa(5
〜30psi)、最も好ましくは35〜70kPa(5〜10psi)の
範囲内に保持されるべきである。
本発明に従って直交流形フイルターを用いる場合に
は、2工程麦汁抽出法が意図される。第一工程において
は、マッシュはマッシュ調製容器及び直交流形フイルタ
ーを含む回路を回して進め、フイルター要素を通る過
の通過は、回路に補給スパージング液(例えば温水)を
添加することによって循環マッシュ中に一定の固液比を
保持するように釣り合わせる。次いで、マッシュから麦
汁を分離している過程中の特定の時点で始まる第二工程
においては、容量はもはや一定には維持されないで、小
さくなるままにされ、そのことによって、マッシュ残留
物が濃厚過ぎて回路を回してポンプ移送し続けられなく
なるまでマッシュ残留物を濃厚化させ、その時点でマッ
シュ残留物を回路から外にポンプ移送する。
しかしながら、4工程麦汁抽出法は上記の2工程法よ
りも望ましいと考えられる。
第一工程においては、マッシュを回路を回して進め、
そしてフイルター要素を通る初期の液(濃い麦汁)の
通過を補給スパージング液(水)の何等の添加もなしで
継続させる。マッシュ容量はそれの最初の容量約40〜60
%に減少する。第二工程においては、マッシュ中に残っ
ている可溶性麦汁抽出物を回収するためにスパージング
液をマッシュに添加する。所定のスパージング液対麦汁
の比、従って麦汁の比重を維持するように液の添加速度
は液(麦汁)抽出速度よりも低い。
液(麦汁)の比重が規定の最低値に達する時に、第
三工程が始まる。スパージング液の連続添加で作られた
薄い麦汁をわきにそらして緩衝タンクにいれる。これは
次のマッシュのための液を提供する。第四で最終の工程
の開始時に、スパージング液の添加を終了させる。フイ
ルターを通る薄い麦汁の通過を、排出マッシュ(粕)が
濃厚過ぎて回路を回して容易にはポンプ移送し続けるこ
とができなくなるまで継続し、その時点でマッシュを回
路から外にポンプ移送する。
上記の方法によって得られた麦汁の清澄化は以下に説
明するように有益である。
典型的には、ビール醸造所のマッシュは、2.5〜3.7の
範囲内であることができる比で液(水)とひき割り麦芽
(麦芽粉)とを混合することによって作られる。マッシ
ュ調製プロセスが完了した後には、その生成マッシュは
麦汁(水中の可溶性抽出物)と非転化固体の穀粒とから
なる。マッシュの懸濁固体分及びそれの麦汁の比重は用
いた液対ひき割り穀粒の比に依存する。例えば、液対ひ
き割り麦芽の比3.3:1ではビール醸造所マッシュの懸濁
固体分は約7.5%W/Vであり、そしてそれの麦汁の比重は
1.072である。過による固体分離の関係では、ビール
醸造所マッシュは高い固体分を持っている。麦汁から分
離されなければならないマッシュ中の穀粒の粒度は用い
る粉砕のタイプ及び粉砕度に主として依存する。0.635m
mのローラーギャップをもつ一本ローラーミル中で粉砕
することによって得られたエール麦芽粉の篩分析は、そ
れが0.25〜2.00mmの範囲内の粒子を含有することを示し
た。マッシュ中の大部分の固体粒子は大きさも変化しそ
して1μ〜2mmの範囲内であることができる。1μより
も小さい幾らかの粒子もマッシュ中に存在する。
用いる直交流形材の孔径は麦汁から別される粒子
の初期のおきさ及び量を決定する。麦汁流に対する抵抗
はフイルターの孔径が小さくなるにつれて増加し、結果
としてフイルターからの麦汁の流量を減少させる。この
透過率(1時間当たりフイルター面積m2当たりの麦汁の
量L)もまた供給物(マッシュ)流中に存在する固体量
によって影響を受ける。フイルター上に多量の固体が担
持されると、達成される透過率が低下することになる。
直交流形マイクロ過法を一層経済的に実行できるよう
にするためには、それゆえに、最初に大形の粒子の塊を
分離するために直交流形フイルターを用い、次いでその
第一段階のフイルターによっては除去されなかった一層
小さい粒子を除去するためい第二段階で微細フイルター
(これは直交流形フイルターであっても、又はそうでな
くてもよい)を用いる。
第一段階については、10〜100μ、好ましくは40〜80
μの孔径をもつフイルターを用いることによって全懸濁
固体の内の高割合(典型的には65〜90%)を除去するこ
とができる。好ましいフイルター物質はステンレススチ
ールメッシュ、多孔質のプラスチック及びセラミックス
の物質、及びフイルタークロスを包含する。管状のフイ
ルターが好ましい。管状フイルターの内径は10〜75mm、
好ましくは20mmであることができる。
液対ひき割り麦芽の比及び用いるスパージング液の量
は麦汁の最終比重を決定する。これらのパラメーターを
調節することによって、第一分離段階は比較的高い比重
をもち且つ高い抽出物収率(実験質抽出値の少なくとも
95〜96%)をもつ麦汁を提供することができる。後記か
ら分かるように、最後の流出物を再循環させることで、
非常に高い抽出物回収が達成できる。
第一段階で作られた麦汁はその中に存在している幾ら
かの懸濁固体をもつであろう。これらの固体は次いで第
二段階で除去される。“第一段階”麦汁の固体分が低い
(一般的には2.6%W/V未満)ので、そしてまたスパージ
ングによる抽出物回収はこの第二段階では必要とはされ
ないので、分離は直交流形マイクロ過によって成し遂
げられる必要がなくて、代わりに、サンドフイルター、
プレート・フレームフイルター又は遠心機のようなその
他の(慣用の)固体分離システムを用いることによって
成し遂げることができる。
直交流形過を用いる時には、第二段階のためには、
その麦汁の固体分が少ないので、4〜6mmの小さな直径
の管状フイルターが適している。この場合には小さな直
径のフイルター管はマッシュ供給物で生じるように固体
で詰まることはないと思われる。
第二段階での目的は第一段階から得られた麦汁を仕上
げることである。従って、直交流形又はその他の慣用の
過法によって麦汁から固体を分離することはワイン、
リンゴジュース又はビールの過で遭遇することとは異
ならない。直交流形システムについては、供給物循環速
度及び(膜を横切って加圧される)差圧のような操作の
最適条件は第一段階で用いられるものとは異なり、そし
て選ばれた材について普通の方法で容易に確立するこ
とができる。同様に、慣用の過システム(例えばフイ
ルタープレス)がこの麦汁清澄化工程のために選ばれる
時には最良の操作条件を確立することができる。
多段階システムの使用を考慮することは、経済性の観
点から、一層有益であろう。第二直交流形段階は2つの
副段階で実施することができる。清澄化される麦汁は主
分離段階に供給することができ、この段階においては麦
汁はフイルター膜を通して循環される。その透過物は清
澄化された麦汁本体を構成し、一方フイルターによって
保持された物質は高い懸濁固体分をもつ。その保持され
た物質の一部分は副過段階に通されて一層多量の麦汁
が回収されそしてその保持された物質の固体分が高水準
に上げられる。
本発明のシステムを用いる時には、製造された麦汁の
清澄度は醸造業者の制御下にある。一旦この麦汁の清澄
度が特定されると、第一段階の過システム及び第二段
階の過システムは所望の判断基準を満足するように設
計することができる。それで、例えば、直交流形膜フイ
ルターの適切な孔径は特定することができる。そのよう
なフイルターの操作はバックフラッシング(back flush
ing)と共に又はなしで実施することができる。このこ
とは供給物がマイクロ過膜を通って循環する速度に依
存する。
そのシステムは、自動化及び制御の容易さ、モジュー
ル構造が可能である、供給物バッチの大きさにおける融
通性、及び高い比重(>1.045)の麦汁、を含むその他
の利益をもっている。
本発明がより良く理解されるように、そしてまた本発
明がいかにして効果的にされるかを一層明確に示すため
に、例示として添付の図面を参照する。
第1図を参照するに、種々の管状の材30はフイルタ
ーシェル18内に収容することができる。フイルター管30
(これは例えば金属メッシュ、多孔質金属又はセラミッ
ク物質で作ることができる)を支持するための配置はシ
ェル及び管形熱交換器で用いられている配置であること
ができ、この場合に管30は2個の管寄せ板31によって正
しい位置に取り付けられる。その他の可能なものは金属
支持体上に担持された管状フイルタークロスである。
麦汁分離の間に高温(70〜80℃)及び5バールまでの
圧力の条件が生じる。その他の方法で適している材の
寿命に対するその影響は悪影響であるかもしれない。好
ましくは、材は、材が醸造プラントでの各製造運転
の間に現場で清浄にできるように、製造運転中に蓄積す
る付着物及び沈澱物を除去するためにその各運転の間に
慣例的に用いられている種類の洗浄剤に耐える。
直行流形フイルターは、穀粒床フイルターシステムで
可能であるよりも一層広範囲のひき割り麦芽中の麦芽に
なっていない物質、及び一層高割合のそのような物質を
処理することができる。フイルターを通過する液の比
較的高い流量、及び大きなフイルター面積の両方を達成
できることは明らかである。このことは特に、麦汁/ひ
き割り麦芽供給物が固体の蓄積する傾向のあるいかなる
死点も避けるようにフイルターアセンブリーを通して大
体直線で進む場合である。麦汁/ひき割り麦芽は、シェ
ルではなくて、シェルの管及び管フイルターを通して供
給すべきである。従って、大多数の醸造について1日当
たりの高いプラント処理量が可能であるはずである。
図示のフイルター管は80μmの孔径をもつステンレス
スチールメッシュ製であり、各々の管の内径は20mmであ
る。
第2図を参照するに、マッシュ調製はジャケット付き
マッシュ調製容器10中で普通の方法で実施され、その容
器中においてひき割り麦芽(粉砕麦芽)及び熱液(湯)
11を、そして場合によっては穀粒添加物(例えば、トウ
モロコシ又は小麦)を含めて、撹拌しそして所望の温度
で所望の酵素的転化を達成するのに十分な時間の間静置
させておく。そのマッシュをポンプ12によって容器10か
らポンプ移送して管状フイルター13に通し、そしてマッ
シュ調製容器に戻す。麦汁9の分離はフイルター13で生
じ、このことはマッシュの容量を減少させることにな
る。麦汁液9は溜め8に流れ、次いでT分岐を通って
ライン7に流れる。フイルター13のバックフラッシング
は圧縮窒素をライン6に沿って溜め8に配送することに
よって実施できる。
2工程分離の第一工程においては、マッシュはスパー
ジング液(湯)11を容器10に添加することによってマッ
シュの元の容量に復元する。第二工程においては、大部
分の全可溶性物質をマッシュから抽出した後に、最後の
流出物(非常に比重の低い麦汁)を別し且つ粕残留物
を濃厚化させるために、それ以上は液を加えないで、フ
イルター13を通しての粕供給物(即ち可溶性抽出物を少
し含有するか又は全く含有しない最終マッシュ)の循環
を維持する。作られた粕がいかに乾燥しているかは、用
いられるポンプ移送システムの能力及び材の特性にか
なり依存する。次いで粕はそのシステムから排出され
て、その他の分離サイクルを実施する前の清浄の準備が
される。
4工程法においては、各々の工程は次の通りである: 工程(1):濃い麦汁の分離 全体として一層高い比重の麦汁を得るために、スパー
ジング液をマッシュに全く戻し添加することなしで、初
期に可能なかぎり濃い麦汁を分離することが有益であ
る。
工程(2):ケークの洗浄(スパージング)によるマッ
シュからの抽出物の回収 工程(1)におけるマッシュからの濃い麦汁の取り出
しが完了した後に、最後に集めた麦汁と同じ比重の抽出
物がマッシュ床の空隙内(即ち固体粒子間)に及び粒子
それ自体内にも残ったままにされている。この抽出物を
回収するために、ケークの洗浄またはスパージングを用
いなければならない。スパージング液は所定の流量で且
つ所要のスパージング液対麦汁の比に従ってマッシュに
添加する。用いるスパージング液流量が高ければ高いほ
ど、集められる最終麦汁の比重が低くなり、また達成さ
れる抽出物回収率が高くなる。所望の麦汁比重を得るた
めにスパージング液流量は調節することができる。スパ
ージングは連続的に又はバッチ式で実施することができ
る。連続的の場合には、スパージング液は、麦汁をフイ
ルターから引き出している間、マッシュ容器に連続的に
供給する。その他の方法としては、ある量の麦汁を集め
た時に、特定のスパージング液対麦汁の比に従ってスパ
ージング液をマッシュ容器中に計量注入する。
工程(3):最後の流出物の回収 必要量の麦汁抽出物がスパージングによって回収され
た時に、即ち集められている麦汁の比重が許容できる最
も低い値に達した時に、液の添加を停止することができ
る。抽出物の全回収量を増加させるために、粕中に残っ
ている比較的少量の抽出物を、その上のケークの洗浄
(スパージング)によって(最後の流出物として)取り
出すことができる。最後の流出物はその次のバッチの麦
芽をマッシュ調製するためにマッシュ調製容器に循環さ
せて戻す。この方法では、達成される抽出物の収率は非
常に高くなる(例えば98%)ことができる。
工程(4):粕の濃厚化 可能なかぎり低い湿分をもつ粕を作ることが望まし
い。麦汁及び最後の流出物の収集(工程2及び3)の終
わりに、粕は直交流形マイクロ過(この間スパージン
グ液は添加しない)によって脱水することができる。こ
の段階の操作にたいしては、スクリーン及びデカンター
遠心機のようなその他の利用できる任意の脱水システム
を用いることも可能である。この工程の間に集められた
最後の流出物は工程(3)の間に得られたものに加えそ
してマッシュ構成用液として次のマッシュ中に用いるた
めに再循環することができる。一旦十分な麦汁が第一段
階から集められると(第一麦汁)、次いでそれを所望の
清澄度を達成するために第二段階に通して清澄化する
(あるいは“ポリッシュする(polish)”とも呼ばれ
る)。第二段階プラントの配置は直交流形過又はその
他のある種の過手段に基づくことができる。
第3図を参照するに、直交流形分離に基づく麦汁調製
のためのプラントは4つの主要なユニット、即ちマッシ
ュ調製容器10、循環ポンプ12、直交流形フイルターモジ
ュール13及びバックフラッシングシステム14を含む。マ
ッシュ調製容器10は撹拌器15及びマッシュ温度を調節す
るためにスチーム又は熱水を通過循環させることのでき
るジャケット16をもつ。分離のためには、マッシュを圧
力解放弁17に連結したポジティブ(positive)ポンプ12
を用いて循環させる。このタイプのポンプはマッシュ粒
子の破壊が避けられるので好ましい。フイルターモジュ
ール13は第1図に示されているようなシェル及び管形フ
イルターである。マッシュはフイルター管の内側を通っ
て循環する。透過物(麦汁)はフイルター管のシェル側
に集まり、次いでライン19及び20に沿って弁CV2を通し
て排出される。バックフラッシングが必要ならば、シス
テム14は透過物(麦汁)又は熱水(スパージング液)を
フイルター要素に逆流で通す手段を提供する。液体の逆
流は、弁CV1を開いてガス圧をライン21に沿ってバック
フラッシング用溜め22に流すことによって達成される。
タイマー23はこのバックフラッシング操作を規則的な間
隔で実施するために弁CV1及びCV2を制御する。CV2が閉
じそしてCV1が開いた時には、バックフラッシング用溜
め22からの熱水又は麦汁はライン19に沿ってモジュール
13中のフイルター管のシェル側中に流れる。このバック
フラッシングは2〜3分毎に1回、フォワード(forwar
d)流(麦汁流)で、各回約0.5〜1秒の短時間で生じる
ように計画される。溜め中の下方液体水準センサー24が
一旦作動したならば、タイマー23での自動制御配置を用
いて、排気口4へ減圧し(弁CV4は解放)そしてバック
フラッシング用溜め22に供給口5から(弁CV3は解放)
熱水を再充填する。スパージング液(水)よりはむしろ
透過物(麦汁)をバックフラッシングに用いる時には、
透過物はそれが受け容器中に排出される前にバックフラ
ッシング用溜めに流すことができる。それゆえに、最初
の始動の後に、溜めはバックフラッシング用の十分な麦
汁を含有する。
以下の実施例によって本発明を更に説明する。
実施例 1 パイロットプラントを第4図に示されているように組
み立てた。マッシュ調製は実用容積66Lの撹拌される容
器10中で実施した。その容器の内側に配置された内部コ
イル41を通って流れるスチームは水(液)及びマッシュ
を所要の温度に加熱する手段を提供する。マッシュの循
環は直径140mmの羽根車をもつサイズ2/3/11の遠心ポン
プ12(APV Co.Ltd製)によって行った。フイルターモジ
ュール13は直径64mmのシェル18からなり、その内部には
種々の物質で作った管状フイルター30を収容することが
できる。そのフイルターは外径25.5mm、流さ390mmであ
った。バックフラッシングは(必要な場合には)、バッ
クフラッシング用溜め22の頂部に与えられたN2ガス圧を
用いることによって達成された。透過物42及びバックフ
ラッシュ43のための制御弁はタイマー23によって又は手
動スイッチ(図示せず)による手動オーバーライドによ
って自動的に操作された。試験すべき管状フイルター
を、それが中心にくることを確実にするようにフイルタ
ーハウジング内に配置した。タンク44からの水を、フイ
ルター13を迂回させてライン45,46,47に沿ってプラント
を通して循環させそして放水路48に出した。プラントは
循環供給物側で所望の供給物流量及び圧力条件に設定し
た。水は材30を通して流動させそして通過物側の条件
をチェックした。この段階の間にバックフラッシングシ
ステムを試験した。水の循環を停止させ、それでマッシ
ュ調製容器10が分離システムから隔離されることを確実
にした。45リットルの水(液)をマッシュ調製容器10に
加え、そしてその液温をマッシュ調製に必要な温度に上
昇させるためにスチームを内部コイル41を通して流動さ
せた。初期の液(ストライキング液(striking liqur
e)の温度は通常はマッシュ調製温度よりも高い。何故
ならば麦芽粉を添加するとその温度が低下するからであ
る。これらの試験において、ストライキング液の温度
は、65℃のマッシュ温度を得るために69℃に設定した。
エール麦芽をBody“C"ミル中で0.635mmのセッティング
で粉砕し、そしてその麦芽粉を熱い(69℃)ストライキ
ング液に2〜3分間にわたって手動で加えた。そのマッ
シュをマッシュ転化に必要な時間の間、連続的に撹拌し
ながら放置したままにしておいた。マッシュ調製段階が
完了した後に、供給ポンプ12を運転開始し、そして水を
フイルター13を迂回させて分離システムを通して循環さ
せ、そして放水路48に送った。マッシュ調製容器10の出
口にある三方コック49をマッシュ容器側50に解放させ
(水タンク側を閉じ)、そしてマッシュを供給ポンプ12
中に流入させた。このマッシュは水を分離システムから
外に追撃し、そしてマッシュが放水路出口48に達した時
にその放水路弁51を閉じそしてマッシュ調製容器10への
戻し弁52を開いた。マッシュをフイルター13のバイパス
47を通して循環させている間にプラントを所要の流量及
び背圧条件に設定した。次いで管状フイルター13の入口
54及び出口55のそれぞれの三方コック53を、マッシュが
フイルター13を通って流れることができるように切り替
えた。制御弁42を開きそしてフイルター膜30を横切る所
要の圧力差を得るために手動背圧弁60を調節することに
よってその透過物を制御された態様でフイルターから外
に流動させた。得られた初期の透過物流量は順当に高か
ったが、もしもフイルターをこの流量で操作するなら
ば、膜30中への粒子の引き込みが生じて膜のひどい詰ま
りを引き起こすことになるであろう。透過物流量は第一
段階工程(1)の操作の間にマッシュの濃厚化に起因し
て経時降下した。同様に、この現象は、バッチ方式のス
パージングを用いた時に工程(2)の間に生じた。膜30
を横切る圧力差の増加はこのことに関連している。所要
量のスパージング液を加えると、結果としてその透過物
流量がほとんどその元の値に増加した。フイルター膜30
中に存在するいかなる詰まりも取り除くために熱水での
バックフラツシングを用いた。麦汁の起こり得るいかな
る酸化も避けるために、空気の代わりに窒素ガスを用い
てバックフラッシング用の溜めを加圧した。バックフラ
ツシングの間、タイムスイッチ制御器23(Cyclic Time
r.Tempatron Ltd)を用いるタイムシーケンスに従って
透過物制御弁42を閉じ且つガス制御弁43を開いた。バッ
クフラツシング用の溜め22中のガス圧を、フイルター要
素30の内側の循環マッシュの圧力よりも35〜70kPa(5
〜10psi)高い値に増加させた。熱いスパージング液
(水)は、閉じ込められた総ての固体粒子をフラッシュ
すめためにフイルター30を通して透過物とは逆方向に流
した。
大替の操作方法においては、バックフラッシングをそ
の集めた麦汁によって適用した。この場合には、麦汁を
そのシステムから離れる前に溜め22に通した。フイルタ
ー30をバックフラッシングするために、前記したように
N2ガス圧を用いて、麦汁の流動方向を逆にした。
1つの試験においては、15〜20μmの粒子保留性をも
つ多孔質金属管状フイルター(Sintercon青銅C等級)
をフイルターモジュール中に取り付けそして試験した。
マッシュ調製容器に水45Lを加え、69℃に加熱し、そし
てひき割り麦芽12.3kgを撹拌器のスイッチを入れた状態
で容器中に手で供給した。そのマッシュは64℃で30分間
そして74℃で90分間放置したままにしておいた。麦汁の
比重を測定するために、マッシュのサンブルを規則的な
時間間隔で取り出し、4000rpmで10分間遠心分離した。
2時間の放置後に到達した最終比重は1.072であった。
マッシュの2時間の放置が完了した後に麦汁分離を実
施した。マッシュは1.8〜2.1m・s-1の平均速度でフイル
ターを通って循環した。供給ラインのゲージ圧は140〜2
10kPa(20〜30psig)であり、そして平均で152kPa(22p
sig)であり、一方、透過物ラインでのゲージ圧は約35k
Pa(5psig)であった。平均透過物流量は4174Lh-1m-2
あり、そして65℃の水でのバックフラッシングを用いた
時には、比重1.045の麦汁41リットルが集められた。こ
の試験の間、スパージング液の添加速度は麦汁の生産速
度よりも低かった。従ってマッシュの容量は51リットル
から32リットルに減少し、結果としてマッシュが濃厚化
し、即ち最終の粕となった。スパージング(洗浄)によ
る抽出物の回収は供給物タンクへのスパージング液の連
続添加によって又は段階方式の洗浄によって達成され
た。後者の場合には、各々の洗浄段階についてマッシュ
の容量は減少するままにされ、そしてマッシュを元に容
量にする量の液を加えた。ほとんどの抽出物(>95%)
が回収されるまでこのプロセスを多数回繰り返した。幾
らかの固体粒子がフイルター要素を通過し、それで麦汁
中に存在していた。
実施例 2 実施例1におけるようにして、マッシュ調製容器中で
マッシュを調製したが、しかしこの場合にはマッシュを
65℃で2時間放置したままにしておき、又用いた液対ひ
き割り麦芽の比は3.3対1.0であった。この試験で試みた
材はポリエステル製環状布管であった。80μmの孔径
をもつポリエステル製布を支持体の上に被せた。マッシ
ュの循環速度は1.8〜2.1ms-1であり、供給圧(ゲージ)
は2.4×105Pa(35psig)であり、一方、透過物側の圧力
は3.4×104Pa(5psig)程度であった。約4410Lh-1m-2
透過物流量が達成された。51Lの初期マッシュから、5
分毎に1秒の非常に低い頻度で65℃の熱水でバックフラ
ッシングして、比重1.039の麦汁54.5リットルを集め
た。フイルターの粗い性質に起因して幾らかの固体がフ
イルターを通過した。直交流条件下で、そしてバックフ
ラッシングを用いて、ビール醸造所のマッシュからの麦
汁の適当な過を達成した。
実施例 3 この実施例は実施例2におけると同様であるが、しか
し液対ひき割り麦芽の比3.7でマッシュ調製を実施し
た。15μmの平均孔径をもつ市販の多孔質プラスチック
管(Filtroplast KA/F多孔質プラスチックフイルター要
素、タイプKA10)をフイルターモジュール中に取り付け
た。内径は25mmであり、長さは390mmであった。供給ラ
インで用いた用いた圧力(ゲージ)は2.62×105Pa(38p
sig)であり、一方、透過物ラインでの圧力は約1.38×1
05Pa(20psig)であった。得られた透過物流量491〜733
Lh-1m-2であり、そして試験の間に、比重1.039の麦汁27
Lを集めた。このフイルターについて幾らかの固体粒子
が保持されず、それで麦汁中に存在することが見いださ
れた。
実施例 4 実施例2におけるようにしてマッシュ調製を実施し
た。直径2.5cmの支持体上に置いた消火ホースを用いて
の試験は、2250Lh-1m-2の流量での麦汁の適当な分離が
達成されることを示した。前記のようにバックフラッシ
ングを用い、又供給物ライン及び透過物ラインの圧力は
それぞれ200kPa(29psig)及び70kPa10psig)であっ
た。
実施例 5 この実施例は実施例1におけると同様であったが、し
かし80μmの孔径をもつステンレススチールメッシュフ
イルター(Locker Wire Weave Ltd)をフイルターモジ
ュール中に取り付けて試験した。マッシュ調製容器に水
45Lを加え、69℃に加熱し、そしてひき割り麦芽13.64kg
を、撹拌器のスイッチを入れた状態で容器中に手で供給
した。そのマッシュは65℃で60分間放置したままにして
おいた。
マッシュの1時間の放置が完了した後に麦汁分離を実
施した。マッシュは4〜5m.s-1の平均速度でフイルター
を通って循環した。供給ラインのゲージ圧は140〜210kP
a(20〜30psig)であり、そして平均で180kPa(26psi
g)であり、一方、透過物ラインでのゲージ圧は70〜172
kPa(10〜25psig)であった。工程1及び工程2にわた
って測定した平均透過物流量は1350Lh-1m-2であり、そ
してバックフラッシングを用いることなしで、比重1.04
6、固体分1.70%W/Vの麦汁85リットルが集められた(後
記の第1表中の試験1を参照のこと)。マッシュの容量
は工程1の間に57Lから30Lに減少し、工程2及び工程3
の間に30Lから51Lに減少し、一方、工程4では粕の容量
は15Lから10Lに減少した。
実施例 6 実施例5におけるような第一段階からの麦汁を、第4
図に示したパイロットプラントと類似のパイロットプラ
ントを用いて清澄化した。利用できるフイルターモジュ
ールは内径5.5mm及び長さ500mmの7本のポリプロピレン
製管から成るものであった(Membrana Gmbh)。その膜
は0.2μmの孔径をもっていた。供給物の麦汁を供給物
容器に移し、そして処理の間熱く(55℃)保った。0.25
秒間の自動バックフラッシングを15分間隔で用いた。1.
40゜HBCの清澄度及び第2表に記載した分析値をもつ麦
汁を38Lh-1m-2の速度で製造した。
実施例 7 この調査においていは、種々のタイプの麦芽及び添加
物から製造したマッシュから麦汁を分離した。その他の
総ての条件及び手順は実施例5で記載した条件及び手順
と同じであった。例外なしに、ひき割り麦芽は高い透過
物流量をもたらした(第1表を参照のこと)。集めた全
麦汁の比重が1.038〜1.047に達したときに麦汁の収集を
停止した。麦芽になっていない添加物を含有するマッシ
ュでも困難は経験しなかった。
実施例 8 この実施例は実施例5におけると同様であったが、し
かしエール麦芽を微細に粉砕した。その麦芽を最初に実
施例5で記載したようにして粉砕し、次いでその生成し
たひき割り麦芽をBodyミル中で、ローラーギャップを0.
381mmに設定して再粉砕した。1140Lh-1m-2の全流量が得
られた。集められた比重1.046の麦汁の量は82Lであっ
た。このひき割り麦芽及び実施例5で用いた麦芽の篩分
析を第3表に比較してある。
実施例 9 殻部分のないひき割りエール麦芽を実施例5における
ようにして液と混合した。篩分析値を第3表に示す。全
流量は880Lh-1m-2であり、比重1.043の麦汁85リットル
が集められた。
実施例 10 実施例5におけるようにしてマッシュ調製及び麦汁分
離試験を実施したが、しかし液対ひき割り麦芽の比は2.
0対1〜3.7対1で変化した(第4表を参照のこと)。期
待通りに、高比重の麦汁の製造が、用いた単位重量のひ
き割り麦芽当たり一層少ない量の液を用いたマッシュ調
製によって実行可能であるとして示された。
液対ひき割り麦芽の比2.0対1の場合については、混
合を助けるためにひき割り麦芽(13.64kg)の添加の
間、液(27L)をプラントを通して循環させた。1時間
のマッシュ放置時間の全体にわたってマッシュを循環状
態に保った。この濃いマッシュからの麦汁の分離につい
てはなんら問題を経験しなかった。所望の比重で醸造用
の麦汁の収集を停止し、そして最後の流出物をその次の
マッシュのための液として再循環させた。比重1.073の
麦汁50リットルを集めた。
その他の実験においては、液対ひき割り麦芽の比2.5
対1を得るために18.2kgのひき割り麦芽を液45リットル
でマッシュ調製した(循環なし)。比重1.064の麦汁65
リットルを集めた。
液対ひき割り麦芽の比3.7対1については、12.2kgの
ひき割り麦芽を45Lの液でマッシュ調製した。
実施例 11 異なる孔の大きさをもつ種々の物質の管状フイルター
を麦汁分離試験に用いた。条件及び操作方法は実施例5
におけると同様であった。これらの試験において高い流
量及び適当な麦汁分離が達成された(第5表を参照のこ
と)。
第 2 表 麦汁の分析 pH :5.54 色 :8.1゜EBC 比重 :1.041 濁り :1.40゜EBC 発酵性(イースト) :78% 注:EBC=ヨーロッパ醸造協定
【図面の簡単な説明】
第1図は管及びシェル形フイルターユニットの縦に沿っ
た図式的な直径断面図であり; 第2図は本発明に従った麦汁分離回路の流れ図であり; 第3図は第2図に相当する回路を含んでいる麦汁分離プ
ラントの類似の流れ図であり;そして 第4図は本発明に従った麦汁分離のためのパイロットプ
ラントの流れ図である。 4……排気口;5……供給口; 8,22……溜め;9……麦汁液; 10……マッシュ調製容器; 11……熱液;12……ポンプ; 13……フイルター;23……タイマー; 24……液体水準センサー; 30……材。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】麦芽になって穀粒をマッシュ調製して粕/
    麦汁マッシュを供給する操作、及び粕から麦汁を分離す
    る操作を含む、麦芽になった穀粒から浸出液を調製する
    方法において、該分離操作が、該粕/麦汁マッシュを1
    0.0〜100.0μmの範囲内の孔径をもつ麦汁透過性分離器
    要素の表面を横切って流して、実質的に粕のない麦汁を
    液として該流れの方向を横断する方向で分離器を通過
    させることによって実施される障壁直交流形分離法であ
    ることを特徴とする、前記の浸出液を調製する方法。
  2. 【請求項2】該分離が、粕/麦汁マッシュを少なくとも
    10mmの内径をもつ少なくとも1個の円筒形分離器要素を
    通して流すことによって実施される、特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
  3. 【請求項3】分離器要素の内径が少なくとも20mmであ
    る、特許請求の範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】マッシュが、液を受け入れるシェル内に
    相互に平行に配置された複数の円筒形分離器を通して流
    される、特許請求の範囲第2項又は第3項記載の方法。
  5. 【請求項5】分離操作が、液としての麦汁の減量を相
    殺するために補給液を添加する初期工程、及び補給液を
    添加せず、そのことによってマッシュ中の固体の割合を
    増加させる最終工程を含む、前記特許請求の範囲第1項
    〜第4項の何れか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】分離操作が、 (i) 補給液を添加することなしで濃い麦汁を分離
    し、このことでマッシュの容量が減少することになる第
    一工程; (ii) 該初期工程のように補給液を添加する第二工
    程; (iii) 更に補給液を添加し、そのことによって比較
    的薄い麦汁を作り、又その生成した薄い麦汁をその次の
    浸出液調製に補給液として用いるためにわきへそらして
    保留する第三工程;及び (iv) 補給液を添加しないで、一層多くの量の薄い麦
    汁を作る第四工程、 を含む、特許請求の範囲第5項記載の方法。
  7. 【請求項7】分離した麦汁を清澄にする工程を含む、前
    記特許請求の範囲第1項〜第6項の何れか1項に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】マッシュが4〜6ms-1の範囲内の速度で分
    離器要素を横切って流れる、前記特許請求の範囲第1項
    〜第7項の何れか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】35〜70kPaの範囲内にある差圧を分離器要
    素を横切って加圧する、特許請求の範囲第1項〜第8項
    の何れか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】マッシュが10%よりも多い穀粒添加物を
    含んでいる、前記特許請求の範囲第1項〜第9項の何れ
    か1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】マッシュが殻を実質的に含んでいない、
    前記特許請求の範囲第1項〜第10項の何れか1項に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】補給液が、その上の処理のための少なく
    とも1.045の比重をもつ分離された麦汁を生じるように
    限定される、前記特許請求の範囲第1項〜第11項の何れ
    か1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】麦芽になった穀粒からの浸出液の調製装
    置において、 (i) 粕/麦汁マッシュの流れを提供するために、麦
    芽になった穀粒及び液を収容するマッシュ調製容器; (ii) 10.0〜100.0μmの範囲内の孔径をもつ直交流
    形麦汁透過性分離器要素; (iii) マッシュを分離器要素及びマッシュ調製容器
    を含む回路を回して進める手段;及び (iv) その他の処理のために分離された麦汁を集める
    手段 を含むことを特徴とする、前記の浸出液の調製装置。
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