JPH1041701A - チップ型積層フィルタ - Google Patents

チップ型積層フィルタ

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JPH1041701A
JPH1041701A JP19669796A JP19669796A JPH1041701A JP H1041701 A JPH1041701 A JP H1041701A JP 19669796 A JP19669796 A JP 19669796A JP 19669796 A JP19669796 A JP 19669796A JP H1041701 A JPH1041701 A JP H1041701A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は一素子で携帯電話で使用される2つの
通過帯域を持ち、所望周波数の略奇数倍の周波数帯を抑
圧し、かつ、表面実装や小型化に有利である積層チップ
型の新規な誘電体フィルタを提供するものである。 【解決手段】誘電体の内部に共振器となる中心導体が少
なくとも2層にわたり構成されたチップ型積層フィルタ
において、短絡端側の導体を挟む接地電極の間隔を、積
層面に平行な他の導体を挟む接地電極の間隔に比べて狭
くすることにより、基本波及び基本波の3倍より低い周
波数帯域からなる任意の2つの通過帯域を持たせたこと
を特徴とするチップ型積層フィルタ。また、短絡端側の
導体幅を開放端側の導体幅に比べて広くすることによっ
ても任意の2つの通過帯域を持たせたことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ型積層フィ
ルタ、詳しくは、携帯電話等の移動体通信機器に使用さ
れる一素子で二つの通過帯域を有するチップ型積層フィ
ルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の携帯電話等の爆発的普及により、
使用される周波数帯域(例えば、PDC方式では800
MHz帯(送信は810〜826MHz、受信は940
〜956MHz)1.5GHz帯(送信は1.429〜
1.453GHz、受信は1.477〜1.501GH
z)、PHS方式では1.9GHz帯(送受信とも1.
895〜1.918GHz))に不足を生じ、1台の携
帯通信端末で2つのシステムの周波数帯域(例えば、上
記したようにPDC方式で使用される800MHz帯と
PHS方式で使用される1.9GHz帯)に対応するこ
とが必要となり、従来は各々の周波数帯域に対応する2
つのフィルタを使用している。
【0003】また、従来の携帯電話等に使用されるRF
フィルタは主にTEMモード共振を利用した誘電体フィ
ルタが用いられている。ところで、TEMモード共振を
使用したフィルタは、所定の仕様値に設定された一つの
通過帯域だけではなく、その周波数の略奇数倍の周波数
の通過帯域を持つ。これは、アンプの歪みにより発生す
る不要輻射(主に3倍の周波数)をそのまま通過させて
しまうため問題となる。このような問題を解決するため
に、例えば特公平1−34402号公報に記載されてい
るように略奇数倍の通過帯を高域にずらしたり、略奇数
倍の周波数を除去するためのLPF(ローパスフィル
タ)を組み込むことにより対処している。
【0004】一方で、近年、携帯電話等の移動体通信機
器は小型化軽量化が進んでおり、誘電体フィルタもまた
小型化が進んでいる。中でも誘電体と電極を交互に積層
したチップ型のフィルタは特に小型化が可能であり現在
実用化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来の誘電体フィルタには、以下のような問題が
ある。
【0006】(1)2つのシステムに対応するためには
2つのフィルタが必要でありセットの小型化の妨げとな
ることや、この2つのフィルタを互いに接続するために
更にインピーダンスの整合手段が必要である。
【0007】(2)必要に応じて所望周波数の略奇数倍
の周波数帯を抑圧する何らかの手段を別途必要としてい
た。
【0008】そこで、本発明は一素子で携帯電話で使用
される2つの通過帯域を持ち、所望周波数の略奇数倍の
周波数帯を抑圧し、かつ、表面実装や小型化に有利であ
る積層チップ型の新規な誘電体フィルタを提供するもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】具体的には、下記(1)
〜(3)の構成により達成される。
【0010】(1)誘電体の内部に共振器となる中心導
体が少なくとも2層にわたり構成され、各層の導体の間
に内部接地電極を、外部表面に外部接地電極を有するチ
ップ型積層フィルタにおいて、短絡端側の導体を挟む接
地電極の間隔を、積層面に平行な他の導体を挟む接地電
極の間隔に比べて狭くすることにより、基本波及び基本
波の3倍より低い周波数帯域からなる任意の2つの通過
帯域を持たせたことを特徴とするチップ型積層フィル
タ。
【0011】(2)誘電体の内部に共振器となる中心導
体が少なくとも2層にわたり構成され、各層の導体の間
に内部接地電極を、外部表面に外部接地電極を有するチ
ップ型積層フィルタにおいて、短絡端側の導体の幅を、
積層面に平行な他の導体の幅に比べて広くすることによ
り、基本波及び基本波の3倍より低い周波数帯域からな
る任意の2つの通過帯域を持たせたことを特徴とするチ
ップ型積層フィルタ。
【0012】(1)、(2)の構成により、通常、問題
となる設定周波数の約3倍の周波数を低周波数側にシフ
トさせることができ、任意の2つの通過帯域を持つフィ
ルタを得ることができる。
【0013】(3)短絡端側の導体の幅を、積層面に平
行な他の導体の幅に比べて広くすることを特徴とする
(1)に記載のチップ型積層フィルタ。
【0014】これは、(1)(2)に比べて設定周波数
の約3倍の周波数を低周波数側にさらに大きくシフトさ
せることができ、より近接した2つの通過帯域を持つフ
ィルタを得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に図1〜図3を参照しなが
ら、本発明に係るチップ型積層フィルタについて具体的
に説明する。
【0016】図1(a)に本発明に係るチップ型積層フ
ィルタの中心導体及び内部電極の構成の概略を表す透視
斜視図を示す。共振器となる中心導体は導体11と導体
12とそれら導体を接続する導体13とからなる。導体
11は積層面に対し平行に構成され、下記に示すように
外部接地電極(図1(b)22)に接続し短絡している
(以下、短絡端側の導体とする)。また、導体12は積
層面に対し平行に構成され、開放端を有しており(以
下、開放端側の導体とする)、さらに、該導体は信号入
出力引出電極31を介して信号入出力端子電極(図1
(b)32)に接続するような構成となり、かつ、相互
の共振器の結合を形成すべく容量結合が起こるような形
状に調整されている。ここで、図中で信号入出力引出電
極31は開放端側の導体12とコンデンサを介するよう
に形成されているが、中心導体から直接引出電極を形成
してもよい。直接引き出す場合は、必ず開放端側の導体
から引き出さなければならないと言うことはなく、通過
帯域の広さやインピーダンス等の設計上の制約から開放
端側の導体以外の導体から引き出す場合もある。導体1
3は積層面に対し垂直に構成され、積層面に平行に構成
された導体を接続するものである。導体11と導体12
の間には、それら導体と平行になるように内部接地電極
21が設けられる。3層にわたり中心導体を形成する場
合は、さらに内部接地電極が必要である。よって、積層
面に平行な導体の層間には必ず接地電極を有することに
なる。図1(b)に同図(a)に係るチップ型積層フィ
ルタの外観斜視図を示す。外部には信号入出力引出電極
に接続される信号入出力端子電極32並びに、内部接地
電極21及び導体11に接続し、信号入出力端子電極3
2に接続されない外部接地電極22が素体を覆うように
形成される。ここで、信号入出力端子電極32は外部接
地電極22と導通しないよう形成されればどのような形
であってもよい。例えば、同図や図3(b)に示すよう
に、外部接地電極に覆われない部分に信号入出力引出電
極を引き出して、外部接地電極に接続しないように信号
入出力端子電極を形成したり、図2(b)に示すよう
に、信号入出力引出電極の引き出される部分に凸部を設
け、外部接地電極に接続しないように凸部の一部に信号
入出力端子電極を設けてもよい。
【0017】本発明に係るチップ型積層フィルタは、以
上のようなチップ型積層フィルタにおいて更に以下の特
徴を有する。
【0018】図1(c)に同図(a)のA−A’線断面
図を示す。上記導体11を挟む接地電極の間隔、即ち、
短絡端側の導体11に隣接し対向する、内部接地電極2
1と外部接地電極面22aとの間隔t1は、上記導体1
2を挟む接地電極の間隔、即ち、短絡端側の導体以外の
導体で積層面に対して平行の導体である導体12に隣接
し対向する、内部接地電極21と外部接地電極面22b
との間隔t2に比べて狭い構成になっている。これよ
り、本発明に係るフィルタは、共振器を構成する中心導
体のうち導体11、即ち短絡端側の導体においてはその
特性インピーダンスを低く、中心導体のうち導体12、
即ち開放端側の導体においてはその特性インピーダンス
を高くすることができ、基本波の1/4波長に対するよ
りも、基本波の高次モードである3/4波長に対する波
長短縮効果を大きく持たせることができるため、高次モ
ードを基本波の3倍よりも大幅に低い周波数に設定する
ことが可能となる。よって、本来不要共振として問題と
なるべき基本波の約3倍にある高次モードの共振を2倍
前後の周波数に設定することができる。
【0019】特に、中心導体が2層にわたり構成されて
いる場合において、短絡端側の接地電極の間隔をta
し開放端側の接地電極の間隔をtbとしたときにta/t
bが1/10〜1/2にあることが好ましい。これは、
a/tbが1/10に満たないものはフィルタの外形設
計値等の制約(現状では小型化が進み、3〜5mm×3
〜5mm×2mm程度の寸法にする必要がある)から図
1(c)のt1を形成する誘電体の薄層化が必要とな
り、Q値等の電気特性や製造上に問題を生ずるからであ
る。一方、ta/tbが1/2を超えるものは高次モード
の共振に対する波長短縮効果がほとんど現れず、アンプ
の歪みにより発生する不要輻射を通過させるという問題
を生ずるからである。
【0020】また、図2(a)に示すような共振器を構
成する中心導体のものも同様な効果がある。即ち、同図
では短絡端側の導体14の幅w3が短絡端側の導体以外
の導体で積層面に平行の導体である導体15の幅w
4(但し、容量結合が起こるような形状に調整された部
分は含まず)よりも広くなっている。これは、前記の導
体を挟む接地導体の間隔が異なることにより特性インピ
ーダンスを変えることができるように、これもまた、導
体幅の広い短絡端側の導体においてはその特性インピー
ダンスが低くなり、導体幅の狭い開放端側の導体におい
てはその特性インピーダンスが高くなる。これより、基
本波の1/4波長に対するよりも基本波の高次モードで
ある3/4波長に対する波長短縮効果を大きく持たせる
ことができるため、高次モードを基本波の3倍よりも大
幅に低い周波数に設定することが可能となる。ここで、
図2(b)には同図(a)に係るチップ型積層フィルタ
の外観斜視図を、図2(c)に同図(a)のB−B’線
断面図を示す。また、同図中16は導体、23は内部接
地電極、24は外部接地電極、33は信号入出力引出電
極、34は信号入出力端子電極である。
【0021】特に、中心導体が2層にわたり構成されて
いる場合において、短絡端側の導体幅をwaとし開放端
側の導体幅をwbとしたときのwa/wbが2〜3である
ことが好ましい。これは、wa/wbが2に満たないもの
は高次モードの共振に対する波長短縮効果がほとんど現
れず、アンプの歪みにより発生する不要輻射を通過させ
るという問題を生じる。また、wa/wbが3を超えるも
のはフィルタの外形設計値等の制約(現状では小型化が
進み、3〜5mm×3〜5mm×2mm程度の寸法にす
る必要がある)から導体幅を極めて細くする必要があ
り、Q値等の電気特性や製造上に問題を生ずるからであ
る。
【0022】さらに、図3に示すように、前記二つの構
成を組み合わせること、即ち、短絡端側の導体を挟む接
地電極の間隔(図3(c)t5)が、短絡端側の導体以
外の導体で積層面に対して平行の導体を挟む接地電極の
間隔(図3(c)t6)に比べ狭く、かつ、短絡端側の
導体17の幅が、短絡端側の導体以外の導体で積層面に
対して平行の導体である導体18の幅に比べ広くなるよ
うに設定することにより、前記構成に比べ更に2つの周
波数帯域を近づけることができる。ここで、図3(b)
には本同図(a)に係るチップ型積層フィルタの外観斜
視図を、図3(c)に同図(a)のC−C’線断面図を
示す。また、同図中19は導体、25は内部接地電極、
26は外部接地電極、35は信号入出力引出電極、36
は信号入出力端子電極である。
【0023】次に、本発明の製造方法を図4の分解斜視
図を参照しながら説明する。
【0024】ドクターブレード法等により所定の厚さに
成形した誘電体シートに、例えば図4中、11、12、
21、31に示すような所定の形状となるように電極ペ
ーストをスクリーン印刷法により印刷し、誘電体シート
及び上記電極ペーストが印刷された誘電体シートを所定
の構成となるように積層する。ここで、同図中の最上部
のシートは他のシートに比べて厚いが、同図中4に示す
ように所定の厚さの誘電体シートを目的の厚さとなるよ
うな枚数だけ積層して作製したものである。積層面に対
して垂直となる導体13は、誘電体シートに予めスルー
ホールを設けて積層後に電極ペーストを注入することに
より形成する。その後所定の大きさに切断後、外部接地
電極として、積層面に対し平行な外部表面及び積層面に
対して垂直な外部表面に所定の形状となるように電極ペ
ーストを、信号入出力端子電極32を所定の位置に印刷
したものを焼成する。また、積層面に対し平行な外部接
地電極は内部接地電極のように電極を印刷した誘電体シ
ートを積層することにより構成してもよい。さらに、信
号入出力端子電極32は、外部接地電極を印刷後焼成し
た後にゴム転写等により電極ペーストを塗布し焼付けし
てもよい。ここで、シート工法において説明したが、印
刷工法においても製造できることはいうまでもない。
【0025】使用される誘電体は一般的な高周波用の誘
電体(誘電率、Q値が高く、温度特性の良好なもの)で
あれば特に限定はない。例えばBaTiO3系等であ
る。しかし、電極と同時焼成するために、導体材料より
も低い温度で焼結が可能でなければならない。中心導体
や電極を形成するための前記電極ペーストの導電性材料
もまた一般的な高周波用のものであれば特に限定はな
い。例えば、Ag、Au、Cu、Ag−Pd等が使用さ
れる。また、チップ型フィルタを構成する誘電体の層は
セラミックに限らず高周波用樹脂系の基板であっても良
い。この場合は導体や電極は銅箔等により形成される。
【0026】以上に中心電極が2層にわたり構成してい
るものについて説明したが、3層以上にわたり構成され
るものについても、短絡端側の導体を挟む接地電極の間
隔が、積層面に平行な他の導体を挟む接地電極の間隔に
比べて狭くすることにより、または、短絡端側の導体の
幅が、他の導体の幅に比べて広くすることにより、基本
波及び基本波の3倍より低い周波数帯域からなる任意の
2つの通過帯域に設定できることはいうまでもない。
【0027】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示す。
【0028】(実施例1)実施例1の試料として、図1
に示す構成のチップ型フィルタを前記の通りのシート工
法により作製した。得られたチップ型積層フィルタの形
状は5mm×5mm×1.8mmであり、使用した誘電
体の誘電率εrは92である。また、中心導体及び電極
を形成する導電性材料はAgを使用した。共振器を形成
する導体の上下に位置する接地電極の間隔は、短絡端側
(図1(c)t1)で0.2mm、開放端側(図1
(c)t2)で1.6mmである。また、導体幅は、短
絡端側(図1(a)w1)、開放端側(図1(a)w2
共に0.5mmである。また、比較例として、共振器を
形成する導体の上下に位置する接地電極の間隔を開放端
側、短絡端側で共に同一間隔(0.9mm)にした以外
は実施例1と同一の構成としたものも作製した。
【0029】図5に本実施例の電気的特性を、図10に
比較例の電気的特性を示す。各グラフにおいてX軸は周
波数をY軸は減衰量を示す。これより、比較例では、第
二の通過帯は第一の通過帯の約930MHzの約3倍に
あたる約2800MHzにあるが、本実施例では、第二
の通過帯は約1950MHzと、第一の通過帯が約95
0MHzの約2倍にあることがわかる。これより、短絡
端側の接地電極の間隔を開放端側の接地電極の間隔より
狭くすることのみで、基本波の1/4波長に対するより
も、基本波の高次モードである3/4波長に対する波長
短縮効果を大きく持たせることができることがわかる。
また、本実施例の構成によりPDC方式及びPHS方式
の2つのシステムに対応することが可能である。
【0030】(実施例2)また、実施例2の試料とし
て、短絡端側の接地電極の間隔と開放端側の接地電極の
間隔との比を1:2に設定した以外は実施例1と同一の
構成としたチップ型積層フィルタを作製し、その電気的
特性を図6に示す。これより、第二の通過帯は2150
MHzと第一の通過帯の約800MHzの約2.7倍と
なり、基本波の1/4波長に対するよりも、基本波の高
次モードである3/4波長に対する波長短縮効果を大き
く持たせることができることがわかる。
【0031】(実施例3)実施例3の試料として、図2に
示す構成のチップ型フィルタを前記の通りのシート工法
により作製した。共振器を形成する導体のうち、短絡端
側の導体幅(図2(a)w3)が1.1mmで開放端側
の導体幅(図2(a)w4)が0.5mmである。ま
た、各導体の上下に位置する接地電極の間隔は短絡端側
(図2(c)t3)、開放端側(図2(c)t4)で共に
同一間隔(0.9mm)である。製造方法、使用材料等
は実施例1と同様である。
【0032】図7に本実施例の電気的特性を示す。これ
より、第一の通過帯が約830MHzに、第二の通過帯
が約2150MHzにあり、3倍の共振周波数を2.6
倍程度にシフトすることができ十分な効果が得られてい
る。
【0033】(実施例4)また、実施例4の試料とし
て、短絡端側の導体幅のと開放端側の導体幅との比を
2:1に設定した以外は実施例3と同一の構成としたチ
ップ型積層フィルタを作製し、その電気的特性を図8に
示す。これより、第二の通過帯は2700MHzと第一
の通過帯の約1000MHzの約2.7倍となり、基本
波の1/4波長に対するよりも、基本波の高次モードで
ある3/4波長に対する波長短縮効果を大きく持たせる
ことができることがわかる。
【0034】(実施例5)実施例5の試料として図3示す
構成のチップ型フィルタを前記の通りのシート工法によ
り作製した。これは、実施例1と実施例2を組み合わせ
た構成となっている。即ち、共振器を構成する導体を挟
む接地電極の間隔が実施例1、2と同様に開放端側と短
絡端側では異なって設定され、更に実施例3、4と同様
に短絡端側の導体の幅が開放端側に比べて広く形成され
ている。具体的には、共振器を形成する導体の上下に位
置する接地電極の間隔は短絡端側(図3(c)t5)で
0.2mmであり、開放端側(図3(c)t6)で1.
6mmであり、さらに短絡端側の導体幅(図3(a)w
5)が1.1mmで開放端側の導体幅(図3(a)w6
が0.5mmである。製造方法、使用材料等は前記各実
施例と同様である。
【0035】図9に本実施例の電気的特性を示す。これ
より、第一の通過帯が約900MHzに、第二の通過帯
が約1500MHzにあることがわかる。前記2つの実
施例に比べ基本波の高次モードである3/4波長に対す
る波長短縮効果を大きくすることができるために、PD
C方式で使用される二つの周波数帯域を持たせることが
できる。
【0036】
【発明の効果】以上説明した本発明に係るチップ型積層
フィルタは次のような効果がある。
【0037】(1)一素子で二種のシステムに対応でき
るため従来フィルタが2ヶ必要であったところが1ヶで
済むために、セットの小型化が可能である。
【0038】(2)一素子で2ヶ分のフィルタの働きを
するため2ヶのフィルタを接続するための整合回路は不
要となる。
【0039】(3)第二の通過帯域の周波数は第一の通
過帯域の周波数の2倍程度に設定されており第一の通過
帯域の約3倍には通過帯域がなく、更に第二の通過帯域
の約3倍にも通過帯域がないので3倍高調波対策が不要
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係るチップ型積層フィルタ
の中心導体及び内部電極の構成の概略の一例を表す透視
斜視図である。(b)は同図(a)に係るチップ型積層
フィルタの外観斜視図である。(c)は同図(a)のA
−A’線断面図である。
【図2】 (a)は本発明に係るチップ型積層フィルタ
の中心導体及び内部電極の構成の概略の一例を表す透視
斜視図である。(b)は同図(a)に係るチップ型積層
フィルタの外観斜視図である。(c)は同図(a)のB
−B’線断面図である。
【図3】 (a)は本発明に係るチップ型積層フィルタ
の中心導体及び内部電極の構成の概略の一例を表す透視
斜視図である。(b)は同図(a)に係るチップ型積層
フィルタの外観斜視図である。(c)は同図(a)のC
−C’線断面図である。
【図4】 本発明に係るチップ型積層フィルタの分解斜
視図である。
【図5】 実施例1に係るチップ型積層フィルタの電気
特性を示す図である。
【図6】 実施例2に係るチップ型積層フィルタの電気
特性を示す図である。
【図7】 実施例3に係るチップ型積層フィルタの電気
特性を示す図である。
【図8】 実施例4に係るチップ型積層フィルタの電気
特性を示す図である。
【図9】 実施例5に係るチップ型積層フィルタの電気
特性を示す図である。
【図10】 比較例に係るチップ型積層フィルタの電気
特性を示す図である。
【符号の説明】
11、14、17;短絡端側の導体 12、15、18;開放端側の導体(短絡端側以外の導
体) 13、16、19;導体(積層面に垂直な導体) 21、23、25;内部接地電極 22、24、26、22a、22b;外部接地電極 31、33、35;信号入出力引出電極 32、34、36;信号入出力端子電極 4;誘電体シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体の内部に共振器となる中心導体が少
    なくとも2層にわたり構成され、各層の導体の間に内部
    接地電極を、外部表面に外部接地電極を有するチップ型
    積層フィルタにおいて、 短絡端側の導体を挟む接地電極の間隔を、積層面に平行
    な他の導体を挟む接地電極の間隔に比べて狭くすること
    により、基本波及び基本波の3倍より低い周波数帯域か
    らなる任意の2つの通過帯域を持たせたことを特徴とす
    るチップ型積層フィルタ。
  2. 【請求項2】誘電体の内部に共振器となる中心導体が少
    なくとも2層にわたり構成され、各層の導体の間に内部
    接地電極を、外部表面に外部接地電極を有するチップ型
    積層フィルタにおいて、 短絡端側の導体の幅を、積層面に平行な他の導体の幅に
    比べて広くすることにより、基本波及び基本波の3倍よ
    り低い周波数帯域からなる任意の2つの通過帯域を持た
    せたことを特徴とするチップ型積層フィルタ。
  3. 【請求項3】短絡端側の導体の幅を、積層面に平行な他
    の導体の幅に比べて広くすることを特徴とする請求項1
    に記載のチップ型積層フィルタ。
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