JPH1040744A - 絶縁体材料及びこれを用いた同軸ケーブル並びに同軸ケーブルの製造方法 - Google Patents

絶縁体材料及びこれを用いた同軸ケーブル並びに同軸ケーブルの製造方法

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JPH1040744A
JPH1040744A JP8196122A JP19612296A JPH1040744A JP H1040744 A JPH1040744 A JP H1040744A JP 8196122 A JP8196122 A JP 8196122A JP 19612296 A JP19612296 A JP 19612296A JP H1040744 A JPH1040744 A JP H1040744A
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insulator
insulator material
inner conductor
foaming agent
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿気の侵入やそれに伴って発生する結露に起
因する同軸ケーブルの電気特性(特に高周波特性)の経
時的劣化を防止でき、その結果、高周波信号の伝送に対
する経時的信頼性が要求される情報通新機器間の接続手
段として十分に適用できる絶縁体材料及びこれを用いた
同軸ケーブル並びに同軸ケーブルの製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 高吸水性樹脂34と化学発泡剤36とが
ベース材32に対して各々所定量だけ配合されて構成さ
れた絶縁体材料30を用いて形成され絶縁体16を用い
て同軸ケーブル10を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁体材料及びこ
れを用いた同軸ケーブル並びに同軸ケーブルの製造方法
に関し、特に、中心に設けられた内部導体と、内部導体
の外周に設けられこの絶縁体材料を用いた絶縁体と、絶
縁体の外周に設けられた外部導体と、外部導体の外周に
設けられたシースとを有する同軸ケーブル、及びこの同
軸ケーブルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】同軸ケーブルは、中心に設けられた内部
導体と、内部導体の外周に設けられこの絶縁体材料を用
いた絶縁体と、絶縁体の外周に設けられた外部導体と、
外部導体の外周に設けられたシース等から構成されてい
る。
【0003】このような構成の同軸ケーブルの絶縁体を
成形する絶縁体材料としてはポリエチレン樹脂が用いら
れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、絶縁体
がポリエチレン樹脂を用いて形成された同軸ケーブル
は、高湿度雰囲気で使用された場合、特にBNCコネク
タ等との接続部位付近から、絶縁体と外部導体との間隙
に湿気が侵入する可能性があり、その結果、同軸ケーブ
ル内に結露が発生する可能性があった。
【0005】このような湿気の侵入やそれに伴って発生
する結露に起因して、同軸ケーブル自体の電気特性が経
時的に劣化してしまうという技術的課題があった。特
に、高周波数領域に対する電気特性(以下、高周波特性
と総称する)が著しく劣化してしまう結果、高周波信号
の伝送に対する経時的な信頼性が要求される情報通新機
器間の接続手段として、高周波特性の経時劣化が発生す
る可能性のある同軸ケーブルを適用することが難しいと
という技術的課題があった。
【0006】本発明は、このような従来の問題点を解決
することを課題としており、高吸水性樹脂と化学発泡剤
とがベース材に対して各々所定量だけ配合されて構成さ
れた絶縁体材料を用いて形成され絶縁体を用いて同軸ケ
ーブルを構成することにより、高湿度雰囲気で使用され
た場合であっても、BNCコネクタ等との接続部位付近
から、絶縁体と外部導体との間隙に湿気が侵入すること
が無く、その結果、同軸ケーブル内に結露が発生するこ
とがない絶縁体材料及びこれを用いた同軸ケーブル並び
に同軸ケーブルの製造方法を提供することを目的として
いる。
【0007】更に、湿気の侵入やそれに伴って発生する
結露に起因する同軸ケーブルの電気特性(特に高周波特
性)の経時的劣化を防止でき、その結果、高周波信号の
伝送に対する経時的信頼性が要求される情報通新機器間
の接続手段として十分に適用できる同軸ケーブルを実現
するための絶縁体材料及びこれを用いた同軸ケーブル並
びに同軸ケーブルの製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、高吸水性樹脂34と化学発泡剤36とがベース材3
2に対して各々所定量だけ配合されて構成されたことを
特徴とする絶縁体材料30である。
【0009】請求項1に記載の発明に依れば、化学発泡
剤36の作用に依って高密度充填が可能な絶縁体材料3
0を実現できる。更に、高湿度雰囲気で使用された場合
であっても、高吸水性樹脂34の作用に依って、湿気が
侵入することが無い絶縁体材料を実現でき、更に、湿気
の侵入やそれに伴って発生する結露に起因する同軸ケー
ブル10の電気特性(特に高周波特性)の経時的劣化を
防止する絶縁体材料30を実現できる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の絶縁体材料30において、前記ベース材32はポリエ
チレン樹脂を主剤として構成されていることを特徴とす
る絶縁体材料30である。
【0011】請求項2に記載の発明に依れば、請求項1
に記載の絶縁体材料30を再現性良く、簡便かつ大量に
製造できる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の絶縁体材料30において、前記高吸水性樹脂34はジ
メチルフェニルを主剤として構成されていることを特徴
とする絶縁体材料30である。
【0013】請求項3に記載の発明に依れば、高湿度雰
囲気で使用された場合であっても、ジメチルフェニルの
作用に依って、湿気が侵入することが無い絶縁体材料を
実現でき、更に、湿気の侵入やそれに伴って発生する結
露に起因する同軸ケーブル10の電気特性(特に高周波
特性)の経時的劣化を防止する絶縁体材料30を実現で
きる。更に、請求項2に記載の発明の効果と同様に、請
求項1に記載の絶縁体材料30を再現性良く、簡便かつ
大量に製造できる。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の絶縁体材料30において、前記化学発泡剤36はアゾ
ジカルボンアミドを主剤として構成されていることを特
徴とする絶縁体材料30である。
【0015】請求項4に記載の発明に依れば、アゾジカ
ルボンアミドの作用に依って高密度充填が可能な絶縁体
材料30を実現できる。則ち、高湿度雰囲気で使用され
た場合であっても、湿気が侵入することが無い絶縁体材
料を実現でき、更に、湿気の侵入やそれに伴って発生す
る結露に起因する同軸ケーブル10の電気特性(特に高
周波特性)の経時的劣化を防止する絶縁体材料30を実
現できる。
【0016】更に、請求項3に記載の発明の効果と同様
に、絶縁体材料30を再現性良く、簡便かつ大量に製造
できる。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
のいずれか一項に記載の絶縁体材料30において、前記
ベース材32の100重量部に対して、前記高吸水性樹
脂34が0.1乃至5重量部、前記化学発泡剤36が
0.5重量部だけ配合されて構成されたことを特徴とす
る絶縁体材料30である。
【0018】請求項5に記載の発明に依れば、請求項1
乃至4に記載の発明の効果に加えて、絶縁体材料30を
更に再現性良く、簡便かつ大量に製造できる。
【0019】請求項6に記載の発明は、中心に設けられ
た内部導体12と、当該内部導体12の外周に設けられ
た絶縁体16と当該絶縁体の外周に設けられた外部導体
18と、当該外部導体18の外周に設けられたシース2
0とを有する同軸ケーブルにおいて、請求項1乃至5の
いずれか一項に記載の絶縁体材料30を用いて前記絶縁
体16が形成されていることを特徴とする同軸ケーブル
10である。
【0020】請求項6に記載の発明に依れば、化学発泡
剤36の作用に依って高密度充填が可能な絶縁体材料3
0を実現できる。更に、高吸水性樹脂34の作用に依っ
て、湿気が侵入高湿度雰囲気で使用された場合であって
も、BNCコネクタ等との接続部位付近から、絶縁体1
6と外部導体18との間隙に湿気が侵入することが無
く、その結果、同軸ケーブル10内に結露が発生するこ
とがない同軸ケーブル10並びに同軸ケーブル10の製
造方法を実現できる。
【0021】更に、湿気の侵入やそれに伴って発生する
結露に起因する同軸ケーブル10の電気特性(特に高周
波特性)の経時的劣化を防止でき、その結果、高周波信
号の伝送に対する経時的信頼性が要求される情報通新機
器間の接続手段として十分に適用できる同軸ケーブル1
0を実現できる。
【0022】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の同軸ケーブル10の製造方法であって、前記ベース材
32の100重量部に対して、前記高吸水性樹脂34を
0.1乃至5重量部、前記化学発泡剤36を0.5重量
部だけ配合する第1工程と、前記第1工程において配合
された前記ベース材32、前記高吸水性樹脂34、及び
前記化学発泡剤36を混練りして混練り物を生成する第
2工程と、前記第2工程において生成された混練り物を
所定のガス雰囲気38の圧力を介して所定の形に押し出
して前記絶縁体16を成形する第3工程と、を含むこと
を特徴とする同軸ケーブル10の製造方法である。
【0023】請求項7に記載の発明に依れば、請求項6
に記載の同軸ケーブル10を再現性良く、簡便かつ大量
に製造できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の一実
施形態を説明する。
【0025】初めに、同軸ケーブル10の実施形態を説
明する。
【0026】図1(a)は本発明の一実施形態にかかる
同軸ケーブル10の軸に垂直な断面図、図1(b)は図
1(a)の同軸ケーブル10のA−A切断面図である。
【0027】本同軸ケーブル10は、特に、情報機器に
おける信号(特に、ディジタル信号)の電送に用いられ
る高周波伝送特性に優れた同軸ケーブルである。
【0028】同軸ケーブル10は、図1(a)及び図1
(b)に示すように、中心に設けられた内部導体12
と、内部導体12の外周に内部導体12と同軸上に設け
られたスキン層14と、スキン層14の外周に内部導体
12と同軸上に設けられ本発明の絶縁体材料30を用い
た絶縁体16と、絶縁体16の外周に内部導体12と同
軸上に設けられた外部導体18と、外部導体18の外周
に内部導体12と同軸上に設けられたシース20とを有
する。
【0029】内部導体12は銅線、銅クラッドアルミ線
等の金属電線であって、単線、又は単線を複数撚り合わ
せて形成された撚線である。
【0030】外部導体18は電気的なシールド効果を目
的とした円筒状の金属体であって、アルミニウム箔や銅
箔又はこれらの合金箔を円筒状に成型したものや、網状
のアルミニウムや箔を円筒状に成型したものが常用され
る。
【0031】スキン層14は、内部導体12と絶縁体1
6との密着性を向上させるためのものである。
【0032】シース20は、風雨等の外界の障害から同
軸ケーブル10を保護するための外壁であって、耐環境
性に優れたポリビニール樹脂(具体的には、PVC等)
やポリエチレン樹脂が常用されている。
【0033】図2は図1の同軸ケーブル10の絶縁体1
6を成形する絶縁体材料30に配合される成分例を示す
テーブルである。
【0034】本絶縁体16は、内部導体12と外部導体
18とを電気的に絶縁するためのものであって、図2に
示すように、ポリエチレン樹脂を用いているが、特にこ
れに限定されるものではなく、耐熱性や耐水性等の耐環
境性の要求を満たし、高周波領域における誘電損失が小
さい(則ち、誘電特性に優れた)絶縁体材料(例えば、
4弗化エチレン、発砲型ポリエチレン、スチロールな
ど)であれば使用可能である。
【0035】このような構成の同軸ケーブル10に依れ
ば、化学発泡剤36の作用に依って高密度充填が可能な
絶縁体材料30を実現できるようになる。更に、高吸水
性樹脂34の作用に依って、湿気が侵入高湿度雰囲気で
使用された場合であっても、BNCコネクタ等との接続
部位付近から、絶縁体16と外部導体18との間隙に湿
気が侵入することが無く、その結果、同軸ケーブル10
内に結露が発生することがない同軸ケーブル10並びに
同軸ケーブル10の製造方法を実現できるようになる。
【0036】更に、湿気の侵入やそれに伴って発生する
結露に起因する同軸ケーブル10の電気特性(特に高周
波特性)の経時的劣化を防止でき、その結果、高周波信
号の伝送に対する経時的信頼性が要求される情報通新機
器間の接続手段として十分に適用できる同軸ケーブル1
0を実現できるようになる。
【0037】次に、絶縁体材料30の実施形態を説明す
る。本実施形態では、図1(a)及び図1(b)に示す
ような同軸ケーブル10の絶縁体16に用いられる絶縁
体材料30について説明する。なお、同軸ケーブル10
の実施形態の説明において既に記述したものと同一の部
分については、同一符号を付し、重複した説明は省略す
る。
【0038】本絶縁体材料30は、高吸水性樹脂34と
化学発泡剤36とがベース材32に対して各々所定量だ
け配合されて構成されている。
【0039】則ち、化学発泡剤36の作用に依って高密
度充填が可能な絶縁体材料30を実現できるようにな
る。更に、高湿度雰囲気で使用された場合であっても、
高吸水性樹脂34の作用に依って、湿気が侵入すること
が無い絶縁体材料を実現でき、更に、湿気の侵入やそれ
に伴って発生する結露に起因する同軸ケーブル10の電
気特性(特に高周波特性)の経時的劣化を防止する絶縁
体材料30を実現できるようになる。
【0040】本絶縁体材料30のベース材32は、図2
に示すように、ポリエチレン樹脂を主剤として構成され
ている。
【0041】ポリエチレン樹脂を用いることに依り、本
絶縁体材料30を再現性良く、簡便かつ大量に製造でき
るようになる。なお、前述したように、他の絶縁体材料
を用いることも可能である。
【0042】絶縁体材料30に配合される高吸水性樹脂
34は、ジメチルフェニルを主剤として構成されてい
る。なお、製造コスト、前述したような耐環境性や高周
波特性等を考慮して、必要に応じて、可塑剤等を配合し
ても良い。
【0043】このようなジメチルフェニルの作用に依っ
て、高湿度雰囲気で使用された場合であっても、湿気が
侵入することが無い絶縁体材料を実現でき、更に、湿気
の侵入やそれに伴って発生する結露に起因する同軸ケー
ブル10の電気特性(特に高周波特性)の経時的劣化を
防止する絶縁体材料30を実現できるようになる。更
に、請求項2に記載の発明の効果と同様に、請求項1に
記載の絶縁体材料30を再現性良く、簡便かつ大量に製
造できるようになる。
【0044】絶縁体材料30に配合される化学発泡剤3
6は、アゾジカルボンアミドを主剤として構成されてい
る。なお、製造コスト、前述したような耐環境性や高周
波特性等を考慮して、必要に応じて、可塑剤等を配合し
ても良い。
【0045】このようなアゾジカルボンアミドの作用に
依って、高密度充填が可能な絶縁体材料30を実現でき
るようになる。則ち、高湿度雰囲気で使用された場合で
あっても、湿気が侵入することが無い絶縁体材料を実現
でき、更に、湿気の侵入やそれに伴って発生する結露に
起因する同軸ケーブル10の電気特性(特に高周波特
性)の経時的劣化を防止する絶縁体材料30を実現でき
るようになる。
【0046】更に、請求項3に記載の発明の効果と同様
に、絶縁体材料30を再現性良く、簡便かつ大量に製造
できるようになる。
【0047】次に、絶縁体材料30に対する静電容量特
性試験及び水走り試験の実施形態を説明する。
【0048】図3は図1の同軸ケーブル10の絶縁体1
6を成形する絶縁体材料30における高吸水性樹脂34
及び化学発泡剤36の配合率(単位は重量部)に対する
静電容量特性試験結果及び水走り試験結果を示すテーブ
ルである。図4は図1の同軸ケーブル10に用いた水走
り試験を説明するための図である。図5は図4の水走り
試験における同軸ケーブル10のB部の拡大図である。
なお、同軸ケーブル10の実施形態の説明、又は絶縁体
材料30の実施形態の説明において既に記述したものと
同一の部分については、同一符号を付し、重複した説明
は省略する。
【0049】静電容量特性試験では、所定の環境下での
単位長さ(具体的には、メートル:m)当たりの同軸ケ
ーブル10(具体的には、8C−HFAの規格に準拠し
た構造を有している)の静電容量(具体的には、ピコフ
ァラッド/メートル:pF/m)を測定している。
【0050】具体的には、図3に示すように、環境温度
25度(常温)、環境湿度50%の環境と、環境温度2
5度(常温)、環境湿度80%、24時間の環境とを採
用している。なお、環境条件は、特にこれに限定される
ものではなく、試験者側で適宜変更してもよい。
【0051】また水走り試験とは、図4に示すように、
同軸ケーブルの途中(図中B部)の外部を剥いて絶縁体
の部分(則ち、B部)を露出させ、更に同軸ケーブルの
一方を所定角度(本実施形態では、図5に示すように、
30度下方に設定している)だけ下方に曲げた状態を作
り、この状態で、B部上方から所定流量の水を流して、
その水が下方に曲げた側の同軸ケーブルを伝わった距離
(具体的には、センチメータ:cm)を測定するもので
ある。なお、絶縁体の露出部分の長さ、下方に曲げる所
定角度、水の所定流量等の試験条件は、特にこれに限定
されるものではなく、試験者側で適宜変更してもよい。
【0052】図3では、同軸ケーブル10に対する多数
の水走り試験の結果の中から、臨界値を説明する目的
で、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4の4つの
試験結果、及び前述の配合比率の範囲を超えた配合比率
に対する試験結果(図中比較例)を示した。なお、従来
の同軸ケーブルとの比較の便宜のために、従来の同軸ケ
ーブルを用いて同様の水走り試験を実行した結果を図中
の従来例として列記した。
【0053】実施例1におけるポリエチレン樹脂、化学
発泡剤36(アゾジカルボンアミド)、及び高吸水性樹
脂34(ジメチルフェニル)の各々の配合比率は、10
0,0.5,0.1(単位は重量部)である。
【0054】同様に、実施例2における各々の配合比率
は、100,0.5,0.5(単位は重量部)である。
【0055】同様に、実施例3における各々の配合比率
は、100,0.5,3(単位は重量部)である。
【0056】同様に、実施例4における各々の配合比率
は、100,0.5,5(単位は重量部)である。
【0057】同様に、比較例における各々の配合比率
は、100,0.5,10(単位は重量部)である。
【0058】同様に、従来例における各々の配合比率
は、100,0.5,0(単位は重量部)である。
【0059】実施例1におけるこのような静電容量特性
試験の結果、及び水走り試験の結果は、50[pF/
m](環境温度25度、環境湿度50%)、52[pF
/m](環境温度25度、環境湿度80%、24時間放
置)、及び60[cm]であった。
【0060】同様に、実施例2におけるこのような静電
容量特性試験の結果、及び水走り試験の結果は、49
[pF/m]、50[pF/m]、及び50[cm]で
あった。
【0061】同様に、実施例3におけるこのような静電
容量特性試験の結果、及び水走り試験の結果は、50
[pF/m]、50[pF/m]、及び10[cm]で
あった。
【0062】同様に、実施例4におけるこのような静電
容量特性試験の結果、及び水走り試験の結果は、51
[pF/m]、52[pF/m]、及び8[cm]であ
った。
【0063】同様に、比較例におけるこのような静電容
量特性試験の結果、及び水走り試験の結果は、55[p
F/m]、55[pF/m]、及び5[cm]であっ
た。
【0064】同様に、従来例におけるこのような静電容
量特性試験の結果、及び水走り試験の結果は、50[p
F/m]、55[pF/m]、及び100[cm]であ
った。
【0065】このような静電容量特性試験の結果、及び
水走り試験の結果を検討すると、高吸水性樹脂34の配
合比率は、ベース材32の100重量部に対して、高吸
水性樹脂34が0.1乃至5重量部が適当と考えられ
る。なお、この配合比率の範囲の近傍の配合比率におい
ても、その効果の程度は減少するものの、本実施形態の
絶縁体材料30は、同様の効果を発揮することができ
る。
【0066】化学発泡剤36の配合比率は、ベース材3
2の100重量部に対して、0.5重量部が適当と考え
られる。なお、高吸水性樹脂34の場合と同様の主旨
で、この配合比率の近傍の配合比率においても、その効
果の程度は減少するものの、本実施形態の絶縁体材料3
0は、同様の効果を発揮することができる。
【0067】このような配合比率を適用することに依
り、本実施形態の絶縁体材料30を更に再現性良く、簡
便かつ大量に製造できるようになる。
【0068】次に、同軸ケーブル10の製造方法の実施
形態を説明する。
【0069】本実施形態では、絶縁体材料30が絶縁体
16に用いられた同軸ケーブル10(図1(a)及び図
1(b)参照)の製造方法について説明する。なお、同
軸ケーブル10の実施形態の説明、絶縁体材料30の実
施形態の説明、又は絶縁体材料30に対する静電容量特
性試験及び水走り試験の実施形態の説明において既に記
述したものと同一の部分については、同一符号を付し、
重複した説明は省略する。
【0070】本実施形態の同軸ケーブル10の製造方法
は、第1工程と第2工程と第3工程とを少なくとも含ん
で構成されている。
【0071】第1工程は、ベース材32(具体的には、
ポリエチレン樹脂が主剤)の100重量部に対して、高
吸水性樹脂34(具体的には、ジメチルフェニルが主
剤)を0.1乃至5重量部、化学発泡剤36(具体的に
は、アゾジカルボンアミドが主剤)を0.5重量部だけ
配合する工程である。
【0072】第2工程は、第1工程において配合された
ベース材32、高吸水性樹脂34、及び化学発泡剤36
を混練りして混練り物を生成する工程である。
【0073】第3工程は、第2工程において生成された
混練り物を所定のガス雰囲気38の圧力を介して所定の
形に押し出して絶縁体16を成形する工程である。具体
的には、混練り物を押出機に投入し、例えば、窒素ガス
(則ち、所定のガス雰囲気38)の圧力を介して、ケー
ブルの形状(則ち、所定の形)に押し出して絶縁体16
を成形している。
【0074】このような窒素ガス(所定のガス雰囲気3
8)を用いることに依り、湿度の高い作業環境下でも、
前述の高周波特性を有する絶縁体材料30(則ち、絶縁
体16)及びこれを用いた同軸ケーブル10を再現性良
く、簡便かつ大量に製造できるようになる。
【0075】以上説明したように本実施形態に依れば、
化学発泡剤36の作用に依って高密度充填が可能な絶縁
体材料30を実現できるようになる。更に、高吸水性樹
脂34の作用に依って、湿気が侵入高湿度雰囲気で使用
された場合であっても、BNCコネクタ等との接続部位
付近から、絶縁体16と外部導体18との間隙に湿気が
侵入することが無く、その結果、同軸ケーブル10内に
結露が発生することがない同軸ケーブル10並びに同軸
ケーブル10の製造方法を実現できるようになる。
【0076】更に、湿気の侵入やそれに伴って発生する
結露に起因する同軸ケーブル10の電気特性(特に高周
波特性)の経時的劣化を防止でき、その結果、高周波信
号の伝送に対する経時的信頼性が要求される情報通新機
器間の接続手段として十分に適用できる同軸ケーブル1
0を実現できるようになる。
【0077】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に依れば、化学発
泡剤36の作用に依って高密度充填が可能な絶縁体材料
30を実現できる。更に、高湿度雰囲気で使用された場
合であっても、高吸水性樹脂34の作用に依って、湿気
が侵入することが無い絶縁体材料を実現でき、更に、湿
気の侵入やそれに伴って発生する結露に起因する同軸ケ
ーブル10の電気特性(特に高周波特性)の経時的劣化
を防止する絶縁体材料30を実現できる。
【0078】請求項2に記載の発明に依れば、請求項1
に記載の絶縁体材料30を再現性良く、簡便かつ大量に
製造できる。
【0079】請求項3に記載の発明に依れば、高湿度雰
囲気で使用された場合であっても、ジメチルフェニルの
作用に依って、湿気が侵入することが無い絶縁体材料を
実現でき、更に、湿気の侵入やそれに伴って発生する結
露に起因する同軸ケーブル10の電気特性(特に高周波
特性)の経時的劣化を防止する絶縁体材料30を実現で
きる。更に、請求項2に記載の発明の効果と同様に、請
求項1に記載の絶縁体材料30を再現性良く、簡便かつ
大量に製造できる。
【0080】請求項4に記載の発明に依れば、アゾジカ
ルボンアミドの作用に依って高密度充填が可能な絶縁体
材料30を実現できる。則ち、高湿度雰囲気で使用され
た場合であっても、湿気が侵入することが無い絶縁体材
料を実現でき、更に、湿気の侵入やそれに伴って発生す
る結露に起因する同軸ケーブル10の電気特性(特に高
周波特性)の経時的劣化を防止する絶縁体材料30を実
現できる。
【0081】更に、請求項3に記載の発明の効果と同様
に、絶縁体材料30を再現性良く、簡便かつ大量に製造
できる。
【0082】請求項5に記載の発明に依れば、請求項1
乃至4に記載の発明の効果に加えて、絶縁体材料30を
更に再現性良く、簡便かつ大量に製造できる。
【0083】請求項6に記載の発明は、中心に設けられ
た内部導体12と、当該内部導体12の外周に設けられ
た絶縁体16と当該絶縁体の外周に設けられた外部導体
18と、当該外部導体18の外周に設けられたシース2
0とを有する同軸ケーブルにおいて、請求項6に記載の
発明に依れば、化学発泡剤36の作用に依って高密度充
填が可能な絶縁体材料30を実現できる。更に、高吸水
性樹脂34の作用に依って、湿気が侵入高湿度雰囲気で
使用された場合であっても、BNCコネクタ等との接続
部位付近から、絶縁体16と外部導体18との間隙に湿
気が侵入することが無く、その結果、同軸ケーブル10
内に結露が発生することがない同軸ケーブル10並びに
同軸ケーブル10の製造方法を実現できる。
【0084】更に、湿気の侵入やそれに伴って発生する
結露に起因する同軸ケーブル10の電気特性(特に高周
波特性)の経時的劣化を防止でき、その結果、高周波信
号の伝送に対する経時的信頼性が要求される情報通新機
器間の接続手段として十分に適用できる同軸ケーブル1
0を実現できる。
【0085】請求項7に記載の発明に依れば、請求項6
に記載の同軸ケーブル10を再現性良く、簡便かつ大量
に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の一実施形態にかかる同軸
ケーブルの軸に垂直な断面図、図1(b)は図1(a)
の同軸ケーブルのA−A切断面図である。
【図2】図1の同軸ケーブルの絶縁体を成形する絶縁体
材料に配合される成分例を示すテーブルである。
【図3】図1の同軸ケーブルの絶縁体を成形する絶縁体
材料における高吸水性樹脂及び化学発泡剤の配合率(単
位は重量部)に対する静電容量特性試験結果及び水走り
試験結果を示すテーブルである。
【図4】図1の同軸ケーブルに用いた水走り試験を説明
するための図である。
【図5】図4の水走り試験における同軸ケーブルのB部
の拡大図である。
【符号の説明】
10 同軸ケーブル 12 内部導体 16 絶縁体 18 外部導体 20 シース 30 絶縁体材料 32 ベース材 34 高吸水性樹脂 36 化学発泡剤 38 ガス雰囲気
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 13/14 H01B 13/14 B // C08L 23/00 LBZ C08L 23/00 LBZ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高吸水性樹脂と化学発泡剤とがベース材
    に対して各々所定量だけ配合されて構成されたことを特
    徴とする絶縁体材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のベース材はポリエチレ
    ン樹脂を主剤として構成されていることを特徴とする絶
    縁体材料。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の高吸水性樹脂はジメチ
    ルフェニルを主剤として構成されていることを特徴とす
    る絶縁体材料。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の化学発泡剤はアゾジカ
    ルボンアミドを主剤として構成されていることを特徴と
    する絶縁体材料。
  5. 【請求項5】 前記ベース材の100重量部に対して、
    前記高吸水性樹脂が0.1乃至5重量部、前記化学発泡
    剤が0.5重量部だけ配合されて構成されたことを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の絶縁体材
    料。
  6. 【請求項6】 中心に設けられた内部導体と、当該内部
    導体の外周に設けられた絶縁体と当該絶縁体の外周に設
    けられた外部導体と、当該外部導体の外周に設けられた
    シースとを有する同軸ケーブルにおいて、 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の絶縁体材料を用
    いて前記絶縁体が形成されていることを特徴とする同軸
    ケーブル。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の同軸ケーブルの製造方
    法であって、 前記ベース材の100重量部に対して、前記高吸水性樹
    脂を0.1乃至5重量部、前記化学発泡剤を0.5重量
    部だけ配合する第1工程と、 前記第1工程において配合された前記ベース材、前記高
    吸水性樹脂、及び前記化学発泡剤を混練りして混練り物
    を生成する第2工程と、 前記第2工程において生成された混練り物を所定のガス
    雰囲気の圧力を介して所定の形に押し出して前記絶縁体
    を成形する第3工程と、 を含むことを特徴とする同軸ケーブルの製造方法。
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