JPH1038727A - 薄膜素子及びその製造方法 - Google Patents

薄膜素子及びその製造方法

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JPH1038727A
JPH1038727A JP19439796A JP19439796A JPH1038727A JP H1038727 A JPH1038727 A JP H1038727A JP 19439796 A JP19439796 A JP 19439796A JP 19439796 A JP19439796 A JP 19439796A JP H1038727 A JPH1038727 A JP H1038727A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いゲージ率と低い温度係数を保ちながら、
高い抵抗率を有し、その結果、小型のダイヤフラム上に
も容易に加工ができる薄膜素子及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 金属基板1上にプラズマCVD法により
シリコン酸化膜2を形成し、シリコン酸化膜2上に、電
子ビーム蒸着法を用いて、Cr,酸素及び窒素を主体と
し、かつ、酸素含有量が10〜40原子%となり、窒素
含有量が10〜20原子%となる薄膜歪みゲージ3を形
成し、薄膜歪みゲージ3の端末部に、アルミニウム(A
l)から成る電極配線4を形成する。そして、金属基板
1の電極配線4が形成された面側に、プラズマCVD法
によりシリコン酸化膜5を形成し、電極配線4上のシリ
コン酸化膜5にエッチングによりコンタクトホール6を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜素子及びその
製造方法に関するものであり、特に金属ダイヤフラム上
に形成される薄膜歪みゲージ及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】これまで開発された代表的な薄膜歪みゲ
ージとしては、シリコン(Si)やゲルマニウム(G
e)から成る半導体薄膜(特開昭61−70716号公
報等)や、クロム(Cr)合金等から成る金属薄膜(特
公平6−66162号公報等)がある。半導体薄膜は、
ゲージ率は高いが、抵抗温度係数が大きいという欠点が
あり、金属薄膜は、抵抗温度係数は小さいが、ゲージ率
が低いという欠点がある。
【0003】上述の薄膜歪みゲージの代表的な応用分野
としては圧力センサがあり、圧力センサには、Si微細
加工によるSiダイヤフラム型圧力センサと、耐腐食性
に優れ、超高圧に耐える金属ダイヤフラム型圧力センサ
がある。
【0004】ここで、金属ダイヤフラム型圧力センサと
しては、ダイヤフラム部分に歪みゲージを接着剤で貼り
付ける方式と、金属ダイヤフラムの変位をシリコンオイ
ルを介して薄膜歪みゲージに伝える二重ダイヤフラム方
式とがある。また、上述の2つの方式に対して、より高
精度でシンプルな構造を持つタイプとして、金属ダイヤ
フラム上に絶縁膜を介して薄膜歪みゲージを形成する方
法も既に実用化されている。
【0005】このような金属ダイヤフラム型圧力センサ
においても、更なる高信頼化,低コスト化の要望があ
り、そのためには高感度,高信頼性,製造が容易な薄膜
歪みゲージが望まれている。
【0006】そこで、最近ではクロム(Cr)を主体と
した薄膜歪みゲージが、高いゲージ率を要する材料とし
て注目を集めている。代表的なものとして、特公平7−
54281号公報には、Cr−Mo合金をスパッタリン
グによって成膜することによりゲージ率が10以上の薄
膜歪みゲージを生成できることが示されており、特公平
6−66162号公報には、Cr(60〜98原子
%),酸素(2〜30原子%),その他の添加金属(0
〜10原子%)から成る合金薄膜を2元スパッタリング
によって成膜することによりゲージ率5以上,抵抗温度
係数±100ppm以下の薄膜歪みゲージを生成できる
ことが示されている。また、特開平6−213613号
公報には、クロム(Cr)を成膜後、400℃以上でア
ニールし、bccクロムと三方晶Cr23から成る薄膜
歪みゲージとしてゲージ率20以上のものが示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
なクロム(Cr)を主体とする薄膜歪みゲージにおいて
は、抵抗率が低いという問題点があった。
【0008】一般的に、圧力センサのインピーダンスは
数kΩになるよう調整されており、半導体薄膜の場合、
ドーピング濃度により抵抗率を幅広く制御することが可
能であり、例えば、3kΩの抵抗を作る場合、抵抗率を
10-2Ω・cm,膜厚を0.1μmとすると、長さ/幅の
比は3になる。
【0009】しかし、上述のクロム(Cr)を主体とす
る薄膜歪みゲージの抵抗率は、10 -6〜10-4Ω・cmで
あり、例えば、圧力センサのダイヤフラム上にホイート
ストンブリッジ状に抵抗体を4個形成しようとした場
合、膜厚を0.1μmとすると、抵抗体の占める面積が
大きくなりすぎて、ダイヤフラムを小型化しようとした
場合使えなくなるという問題があった。
【0010】また、ダイヤフラム上では場所によって歪
み量,歪み方向が異なるため、抵抗体の面積が小さいほ
うがより最適な位置に抵抗体を配置することができる。
【0011】そこで、クロム(Cr)を主体とする薄膜
歪みゲージでは、面積を抑えるため、加工寸法を10μ
m前後のレベルにしなければならず、Siプロセスなら
10μmルールの加工は容易だが、金属ダイヤフラムの
場合は、切削加工によるダイヤフラムにしても、大面積
SUS基板を用いる場合であっても、装置に様々な制約
があり加工寸法を10μmのレベルにするのが困難であ
り、特に6mmφ以下の小型のダイヤフラムには適用が
困難であった。
【0012】本発明は、上記の点に鑑みて成されたもの
であり、その目的とするところは、高いゲージ率と低い
温度係数を保ちながら、高い抵抗率を有し、その結果、
小型のダイヤフラム上にも容易に加工ができる薄膜素子
及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
Cr,酸素及び窒素を含んで成り、酸素含有量が10〜
40原子%であり、窒素含有量が10〜20原子%であ
ることを特徴とするものである。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の薄
膜素子において、Cr以外の金属含有量が0〜5原子%
であることを特徴とするものである。
【0015】請求項3記載の発明は、Cr,酸素及び窒
素を含んで成り、電子ビーム蒸着法を用いて製造する薄
膜素子の製造方法であって、CrまたはCr合金を蒸着
源として用い、電子ビーム発生前はチャンバ内の酸素と
窒素の混合ガスの導入圧を2×10-5〜1×10-3Torr
にし、かつ、酸素の分圧比を3/10〜8/10に制御
して成膜するようにしたことを特徴とするものである。
【0016】請求項4記載の発明は、Cr,酸素及び窒
素を含んで成り、スパッタリングにより製造する薄膜素
子の製造方法であって、CrまたはCr合金をターゲッ
トとして用い、放電開始前はアルゴン,酸素及び窒素の
混合ガスの導入圧を1×10 -3〜8×10-2Torrにし、
かつ、酸素の分圧比を1/20〜8/20,窒素の分圧
比を1/20〜8/20に制御して成膜するようにした
ことを特徴とするものである。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項3または請
求項4記載の薄膜素子の製造方法において、前記成膜
後、300〜400℃でアニールするようにしたことを
特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面に基づき説明する。
【0019】=実施形態1= 図1は、本発明の一実施形態に係る薄膜歪みゲージを用
いた圧力センサを示す略断面図であり、図2は、本実施
形態に係る薄膜歪みゲージの形成条件を示すテーブルで
ある。本実施形態においては、特性評価用の金属基板1
として、厚さ0.6mmのSUS630基板を用いた。
先ず、金属基板1上に絶縁膜としてプラズマCVD法に
よりシリコン酸化膜2を約3μm形成し、チャンバ内に
酸素と窒素の混合ガスを導入した後、シリコン酸化膜2
上に電子ビーム蒸着法を用いて、薄膜歪みゲージ3を約
0.1μm形成し、フォトリソグラフィ技術及びエッチ
ング技術を用いて所定形状にパターニングする。なお、
薄膜歪みゲージ3は、図2に示す形成条件により形成さ
れる。また、蒸着源としては、CrまたはCr−Al合
金を用い、蒸着速度は5Å/秒、基板温度は200℃と
した。
【0020】ここで、蒸着源として純度が低いCr粒を
用いると、薄膜歪みゲージ3の特性ばらつきが大きくな
るため、本実施形態においては純度99.99%以上の
Cr粒を用いた。
【0021】続いて、薄膜歪みゲージ3の端末部に、ア
ルミニウム(Al)から成る電極配線4を約1μm形成
する。なお、電極配線4の形成方法の一例としては、タ
ーゲットにアルミニウムを用いてスパッタリングを行う
ことにより、アルミニウム層を形成し、フォトリソグラ
フィ技術及びエッチング技術を用いて所定形状にパター
ニングする方法がある。
【0022】次に、金属基板1の電極配線4が形成され
た面側に、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜5を
約0.5μm形成し、電極配線4上のシリコン酸化膜5
にエッチングによりコンタクトホール6を形成する。そ
して、製造されたものを矩形に切り出し、コンタクトホ
ール6を介して電極配線4にワイヤボンディングを行っ
て、電気信号を取り出せるようにし、切り出した基板の
一端を固定し、他端を変位させることにより、薄膜歪み
ゲージ3に歪みを与えて特性を評価した。
【0023】なお、本実施形態における各膜の膜厚は、
本実施形態に示す膜厚に限定されるものではない。
【0024】以下、図2のテーブルに基づいて、薄膜歪
みゲージ3の特性について説明する。No.1〜3が本
願発明に係る形成条件により形成された薄膜歪みゲージ
3を示し、No.4〜7が比較例である。薄膜歪みゲー
ジ3の材料として、Cr中に酸素及び窒素を含有させた
薄膜は既に知られているが、本願発明は、薄膜中に酸化
Cr及び窒化Crを分散させることにより、高い抵抗率
及びゲージ率、低い抵抗温度係数及びゲージ率温度係数
を達成するものである。そこで、本願発明においては、
薄膜中の酸素含有量を10〜40原子%とし、窒素含有
量を10〜20原子%とした。
【0025】一般的に、抵抗率は、酸素または窒素の含
有量が増すとともに高くなるが、その反面ゲージ率が低
下する。また、抵抗温度係数は、Cr単体の場合+50
0ppm/℃程度であるが、酸素または窒素の含有量とと
もに低下する。このとき、ゲージ率温度係数は、酸素ま
たは窒素の含有量によってはあまり影響を受けない。
【0026】このように、抵抗率を10-2〜10-3Ω・
cmのオーダーに高めるために、多量の酸素または窒素を
それぞれ単独で含有させた場合、ゲージ率が低下して感
度の低下をもたらしていた。
【0027】ところが、薄膜中に酸素及び窒素を同時に
一定量混入させることにより、10 -2〜10-3Ω・cmの
オーダーの抵抗率に高めても、ゲージ率の低下が少ない
ことが判明した。
【0028】そこで、本願発明においては、成膜雰囲気
中に積極的に酸素及び窒素を導入し、酸化Cr及び窒化
Crの2種類の高抵抗のものを薄膜中に均一に分散させ
ることによりゲージ率の低下を少なくしている。
【0029】また、AlやTi等の他の金属を添加する
ことによって、抵抗温度係数を下げることが可能であ
る。
【0030】具体的には、チャンバ内の酸素と窒素の混
合ガスの導入圧を、電子ビーム発生前に2×10-5〜1
×10-3Torrの範囲に調整し、かつ、酸素の分圧比を3
/10〜8/10に調整することにより薄膜歪みゲージ
3を成膜する。上述の方法により得られた薄膜歪みゲー
ジ3では、酸素を10〜40原子%、窒素を10〜20
原子%含ませることができ、これにより高いゲージ率及
び抵抗率と、低い抵抗温度係数を持たせることができ
る。
【0031】また、Crを主体とする薄膜歪みゲージを
アニールすることにより、抵抗の安定化,ゲージ率の向
上を図ることができるが、金属ダイヤフラムを備える圧
力センサへの応用を考えた場合、できるだけ低温でアニ
ールすることが好ましく、高温だと金属ダイヤフラムに
構造や膨張率に起因する熱歪みを与える。更に、金属基
板上に薄膜歪みゲージ3を形成する場合、金属基板を直
接アニールすると、熱によって金属基板に反りが発生し
たり、高温でアニールした場合に、金属基板上に形成さ
れた膜の熱膨張率の差によって膜の剥がれが生じる。そ
こで、アニール温度としては、金属基板の反りや膜の剥
がれが生じない温度である400度以下であることが好
ましい。
【0032】また、ゲージ率向上の効果を得るために
は、アニール温度とアニール時間との間に関連があり、
アニール温度が390℃では数時間でゲージ率向上の効
果が得られるが、350℃であれば10時間以上、30
0℃未満では相当の時間アニールしてもゲージ率向上の
効果が得られず、実用的でない。そこで、本願発明にお
いては、アニール温度を300〜400℃に設定した。
【0033】但し、抵抗安定化は200〜300℃でも
なされ、これでもゲージ率7〜12が得られるので、実
用的には十分である。
【0034】ここで、No.1〜3は、10-2〜10-3
Ω・cmオーダーの高い抵抗率を有するとともに、高いゲ
ージ率と、低い抵抗温度係数及びゲージ率温度係数を示
している。また、350℃のアニールによりゲージ率が
向上している。
【0035】No.4は、酸素が過剰に入りすぎること
により特性の低下をもたらしている。また、No.5の
ように、10-2Ω・cmオーダーの抵抗率を得るために酸
素だけを過剰に含ませると、特性が低下し、アニールの
効果も得られない。また、No.6のように、窒素の割
合が多くなると高いゲージ率を得ることができない。ま
た、No.7のように、ガス導入量が少ないと、ゲージ
率及びゲージ率温度係数は比較的良いが、抵抗率が低い
ため小型化が困難である。
【0036】以上より、酸素と窒素の混合ガスの導入圧
としては2×10−5〜1×10−3Torrが好ましく、
酸素と窒素はどちらかの成分に偏るのではなく、混合ガ
ス中の酸素の割合が30〜80%程度にすることが好ま
しい。また、混合ガス中の酸素の導入圧としては、6×
10-6〜8×10-4Torr程度にすることが好ましい。
【0037】=実施形態2= 本実施形態においては、薄膜歪みゲージ3を高周波スパ
ッタリングにより形成した。
【0038】なお、本実施形態においては、高周波スパ
ッタリングにより薄膜歪みゲージ3を形成するようにし
たが、これに限定される必要はなく、DCスパッタリン
グやマグネトロンスパッタリング等、スパッタリングな
ら何でも良い。
【0039】ここで、ターゲットとして純度が低いCr
を用いると、薄膜歪みゲージ3の特性ばらつきが大きく
なるため、本実施形態においては純度99.99%以上
のCrを用いた。また、放電電力は200W、基板温度
は250℃で行い、導入ガスとしてアルゴン,酸素及び
窒素の混合ガスを用いた。
【0040】以下、図3のテーブルに基づいて、薄膜歪
みゲージ3の特性について説明する。No.1〜3が本
願発明に係る形成条件により形成された薄膜歪みゲージ
3を示し、No.4〜6が比較例である。薄膜歪みゲー
ジ3の材料として、Cr中に酸素及び窒素を含有させた
薄膜は既に知られているが、本願発明は、薄膜中に酸化
Cr及び窒化Crを分散させることにより、高い抵抗率
及びゲージ率、低い抵抗温度係数及びゲージ率温度係数
を達成するものである。そこで、本願発明においては、
薄膜中の酸素含有量を10〜40原子%とし、窒素含有
量を10〜20原子%とした。
【0041】ここで、No.1〜3は、10-2〜10-3
Ω・cmオーダーの高い抵抗率を有するとともに、高いゲ
ージ率と、低い抵抗温度係数及びゲージ率温度係数を示
している。また、No.3のように、Tiを含ませると
抵抗温度係数を下げる効果がある。なお、アルゴン,酸
素及び窒素の混合ガスの導入圧としては、1×10-3To
rr未満では放電が安定しないため、1×10-3Torr以上
であることが好ましい。
【0042】No.4は、酸素が過剰に入りすぎること
により特性の低下をもたらしている。また、No.5の
ように酸素だけを過剰に含ませたり、No.6のように
酸素に比べて窒素の割合が多くなると、特性が低下し、
アニールの効果も得られない。
【0043】以上より、アルゴン,酸素及び窒素の混合
ガスの導入圧としては1×10-3〜8×10-2Torrが好
ましく、酸素と窒素はどちらかの成分に偏るのではな
く、混合ガス中の酸素及び窒素の割合がともに5〜40
%程度にすることが好ましい。また、混合ガス中の酸素
及び窒素の導入圧としては、5×10-5〜3.2×10
-2Torr程度にすることが好ましい。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、Cr,酸素及び
窒素を含んで成り、酸素含有量を10〜40原子%と
し、窒素含有量を10〜20原子%としたことにより、
高いゲージ率と低い温度係数を保ちながら、高い抵抗率
を有し、かつ、小型のダイヤフラム上にも容易に加工が
できる薄膜素子を提供することができた。
【0045】請求項2記載の発明は、請求項1記載の薄
膜素子において、Cr以外の金属含有量を0〜5原子%
としたことにより、抵抗温度係数を下げることができ
る。
【0046】請求項3記載の発明は、Cr,酸素及び窒
素を含んで成り、電子ビーム蒸着法を用いて製造する薄
膜素子の製造方法であって、CrまたはCr合金を蒸着
源として用い、電子ビーム発生前はチャンバ内の酸素と
窒素の混合ガスの導入圧を2×10-5〜1×10-3Torr
にし、かつ、酸素の分圧比を3/10〜8/10に制御
して成膜するようにしたことにより、高いゲージ率と低
い温度係数を保ちながら、高い抵抗率を有し、かつ、小
型のダイヤフラム上にも容易に加工ができる薄膜素子の
製造方法を提供することができた。
【0047】請求項4記載の発明は、Cr,酸素及び窒
素を含んで成り、スパッタリングにより製造する薄膜素
子の製造方法であって、CrまたはCr合金をターゲッ
トとして用い、放電開始前はアルゴン,酸素及び窒素の
混合ガスの導入圧を1×10 -3〜8×10-2Torrにし、
かつ、酸素の分圧比を1/20〜8/20,窒素の分圧
比を1/20〜8/20に制御して成膜するようにした
ことにより、高いゲージ率と低い温度係数を保ちなが
ら、高い抵抗率を有し、かつ、小型のダイヤフラム上に
も容易に加工ができる薄膜素子の製造方法を提供するこ
とができた。
【0048】請求項5記載の発明は、請求項3または請
求項4記載の薄膜素子の製造方法において、成膜後、3
00〜400℃でアニールすることにより、ゲージ率を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る薄膜歪みゲージ素子
を示す略断面図である。
【図2】本実施形態に係る薄膜歪みゲージの形成条件を
示すテーブルである。
【図3】本発明の他の実施形態に係る薄膜歪みゲージの
形成条件を示すテーブルである。
【符号の説明】
1 金属基板 2 シリコン酸化膜 3 薄膜歪みゲージ 4 電極配線 5 シリコン酸化膜 6 コンタクトホール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr,酸素及び窒素を含んで成り、酸素
    含有量が10〜40原子%であり、窒素含有量が10〜
    20原子%であることを特徴とする薄膜素子。
  2. 【請求項2】 Cr以外の金属含有量が0〜5原子%で
    あることを特徴とする請求項1記載の薄膜素子。
  3. 【請求項3】 Cr,酸素及び窒素を含んで成り、電子
    ビーム蒸着法を用いて製造する薄膜素子の製造方法であ
    って、CrまたはCr合金を蒸着源として用い、電子ビ
    ーム発生前はチャンバ内の酸素と窒素の混合ガスの導入
    圧を2×10 -5〜1×10-3Torrにし、かつ、酸素の分
    圧比を3/10〜8/10に制御して成膜するようにし
    たことを特徴とする薄膜素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 Cr,酸素及び窒素を含んで成り、スパ
    ッタリングにより製造する薄膜素子の製造方法であっ
    て、CrまたはCr合金をターゲットとして用い、放電
    開始前はアルゴン,酸素及び窒素の混合ガスの導入圧を
    1×10-3〜8×10-2Torrにし、かつ、酸素の分圧比
    を1/20〜8/20,窒素の分圧比を1/20〜8/
    20に制御して成膜するようにしたことを特徴とする薄
    膜素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記成膜後、300〜400℃でアニー
    ルするようにしたことを特徴とする請求項3または請求
    項4記載の薄膜素子の製造方法。
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