JPH1038152A - 油圧用ホース - Google Patents
油圧用ホースInfo
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- JPH1038152A JPH1038152A JP19651096A JP19651096A JPH1038152A JP H1038152 A JPH1038152 A JP H1038152A JP 19651096 A JP19651096 A JP 19651096A JP 19651096 A JP19651096 A JP 19651096A JP H1038152 A JPH1038152 A JP H1038152A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】管状内層と補強層との接着性に優れ、ホース屈
曲時の最小曲げ半径が小さく、取扱い性に優れた実用的
な油圧用ホースを提供する。 【解決手段】管状内層1と、この管状内層1の外周面に
補強層2を介して積層形成された外層3とを備えた油圧
用ホース4である。しかも、上記管状内層1が下記の最
内層(1a)と、この最内層(1a)の外周面に形成さ
れた下記の内層(1b)の2層構造からなる。 (1a)ポリオレフィンエラストマーからなる最内層。 (1b)熱可塑性樹脂組成物からなる内層。
曲時の最小曲げ半径が小さく、取扱い性に優れた実用的
な油圧用ホースを提供する。 【解決手段】管状内層1と、この管状内層1の外周面に
補強層2を介して積層形成された外層3とを備えた油圧
用ホース4である。しかも、上記管状内層1が下記の最
内層(1a)と、この最内層(1a)の外周面に形成さ
れた下記の内層(1b)の2層構造からなる。 (1a)ポリオレフィンエラストマーからなる最内層。 (1b)熱可塑性樹脂組成物からなる内層。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般産業機械、建
設機械、土木機械等に用いられる油圧用ホースに関する
ものである。
設機械、土木機械等に用いられる油圧用ホースに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、一般産業機械、建設機械、土木
機械等に用いられる油圧用ホースは、各種樹脂から形成
された種々の層を組み合わせた多層構造となっている。
上記多層構造の油圧用ホースの一例として、例えば、図
5に示すような、内層10が優れた耐油性を備えたポリ
オレフィンエラストマー(以下「TPO」と略す)から
形成され、この内層10の外周面にポリエステル系等の
補強糸を用いて編組した補強糸層11が形成され、さら
に、この補強糸層11の外周面上にポリウレタン製外層
12が積層形成された3層構造の油圧用ホース13が賞
用されている。
機械等に用いられる油圧用ホースは、各種樹脂から形成
された種々の層を組み合わせた多層構造となっている。
上記多層構造の油圧用ホースの一例として、例えば、図
5に示すような、内層10が優れた耐油性を備えたポリ
オレフィンエラストマー(以下「TPO」と略す)から
形成され、この内層10の外周面にポリエステル系等の
補強糸を用いて編組した補強糸層11が形成され、さら
に、この補強糸層11の外周面上にポリウレタン製外層
12が積層形成された3層構造の油圧用ホース13が賞
用されている。
【0003】そして、このような油圧用ホース13は、
例えば、図6に示すように、略U字状に屈曲させ、油圧
用ホース13の両端をそれぞれ金具14に外嵌し、さら
にその周囲を締付具15を用いて固定して使用される。
例えば、図6に示すように、略U字状に屈曲させ、油圧
用ホース13の両端をそれぞれ金具14に外嵌し、さら
にその周囲を締付具15を用いて固定して使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記油
圧用ホース13は、内層がTPOで形成され、ポリプロ
ピレン(PP)を含んでいるため、補強糸層11の成形
材料であるポリエステル糸等との接着性が悪く、上記の
ようにして油圧用ホースを使用する場合、ホースが折れ
やすくなるという問題がある。そのため、ホースを略U
字状に屈曲して使用する際には最小曲げ半径を大きく設
定しなければならず、油圧用ホースとしての取扱い性に
劣るという問題が生じる。
圧用ホース13は、内層がTPOで形成され、ポリプロ
ピレン(PP)を含んでいるため、補強糸層11の成形
材料であるポリエステル糸等との接着性が悪く、上記の
ようにして油圧用ホースを使用する場合、ホースが折れ
やすくなるという問題がある。そのため、ホースを略U
字状に屈曲して使用する際には最小曲げ半径を大きく設
定しなければならず、油圧用ホースとしての取扱い性に
劣るという問題が生じる。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、管状内層と補強層との接着性に優れ、ホース屈
曲時の最小曲げ半径が小さく、取扱い性に優れた実用的
な油圧用ホースの提供をその目的とする。
もので、管状内層と補強層との接着性に優れ、ホース屈
曲時の最小曲げ半径が小さく、取扱い性に優れた実用的
な油圧用ホースの提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の油圧用ホースは、管状内層と、この管状
内層の外周面に補強層を介して積層形成された外層とを
備えた油圧用ホースであって、上記管状内層が下記の最
内層(A)と、この最内層(A)の外周面に形成された
下記の内層(B)の2層構造からなるという構成をと
る。 (A)TPOからなる最内層。 (B)熱可塑性樹脂組成物からなる内層。
めに、本発明の油圧用ホースは、管状内層と、この管状
内層の外周面に補強層を介して積層形成された外層とを
備えた油圧用ホースであって、上記管状内層が下記の最
内層(A)と、この最内層(A)の外周面に形成された
下記の内層(B)の2層構造からなるという構成をと
る。 (A)TPOからなる最内層。 (B)熱可塑性樹脂組成物からなる内層。
【0007】すなわち、本発明者らは、管状内層の形成
材料であるTPOと、補強層との接着性が優れた油圧用
ホースを得ることを中心に研究を重ねた。その研究の過
程で、熱可塑性樹脂が補強層との接着性に優れていると
いう知見を得た。そして、さらに研究を重ねた結果、管
状内層を2層構造とし、このうち最内層(A)をTPO
で形成するとともに、補強層と接する内層(B)を熱可
塑性樹脂組成物で形成すれば、この熱可塑性樹脂組成物
が最内層(A)のTPO、補強層ともに良好な接着性を
有することから、結果的に、最内層(A)と補強層との
接着性も向上することを突き止めた。そして、ホースを
屈曲させて使用する際にホースが折れにくくなるととも
に、ホース屈曲時の最小曲げ半径が小さくなり、取扱い
性に優れ実用的であるということを見出し、本発明に到
達した。
材料であるTPOと、補強層との接着性が優れた油圧用
ホースを得ることを中心に研究を重ねた。その研究の過
程で、熱可塑性樹脂が補強層との接着性に優れていると
いう知見を得た。そして、さらに研究を重ねた結果、管
状内層を2層構造とし、このうち最内層(A)をTPO
で形成するとともに、補強層と接する内層(B)を熱可
塑性樹脂組成物で形成すれば、この熱可塑性樹脂組成物
が最内層(A)のTPO、補強層ともに良好な接着性を
有することから、結果的に、最内層(A)と補強層との
接着性も向上することを突き止めた。そして、ホースを
屈曲させて使用する際にホースが折れにくくなるととも
に、ホース屈曲時の最小曲げ半径が小さくなり、取扱い
性に優れ実用的であるということを見出し、本発明に到
達した。
【0008】さらに、上記管状内層を構成する内層
(B)と、この内層(B)の外周面に形成された補強層
との間に接着剤層が介在していれば、上記内層(B)と
補強層との接着性がより一層向上するということを突き
止めた。
(B)と、この内層(B)の外周面に形成された補強層
との間に接着剤層が介在していれば、上記内層(B)と
補強層との接着性がより一層向上するということを突き
止めた。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
しく説明する。
【0010】本発明の油圧用ホースは、図1に示すよう
に、最内層1aの外周面に内層1bが形成された2層構
造の管状内層1と、この管状内層1の外周面に形成され
た補強層2と、この補強層2の外周面に形成された外層
3の4層構造からなる。そして、本発明の油圧用ホース
4は、上記管状内層1を構成する最内層1aおよび内層
1bの2層が、それぞれ特殊な材料で形成されているこ
とを特徴とする。
に、最内層1aの外周面に内層1bが形成された2層構
造の管状内層1と、この管状内層1の外周面に形成され
た補強層2と、この補強層2の外周面に形成された外層
3の4層構造からなる。そして、本発明の油圧用ホース
4は、上記管状内層1を構成する最内層1aおよび内層
1bの2層が、それぞれ特殊な材料で形成されているこ
とを特徴とする。
【0011】このように、上記管状内層1は、最内層1
aと、この最内層1aの外周面に形成された内層1bと
からなる2層構造である。
aと、この最内層1aの外周面に形成された内層1bと
からなる2層構造である。
【0012】上記管状内層1を構成する最内層1aの形
成材料としては、TPOが用いられる。上記TPOとし
ては、内層1b形成材料である熱可塑性樹脂組成物との
接着性が良好なものが好ましく、例えば、ポリプロピレ
ン樹脂とアクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴムと
を、重量比で3:7〜7:3で配合したものがあげられ
る。
成材料としては、TPOが用いられる。上記TPOとし
ては、内層1b形成材料である熱可塑性樹脂組成物との
接着性が良好なものが好ましく、例えば、ポリプロピレ
ン樹脂とアクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴムと
を、重量比で3:7〜7:3で配合したものがあげられ
る。
【0013】上記管状内層1を構成する内層1bの形成
材料としては、熱可塑性樹脂組成物が用いられる。上記
熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性樹脂としては、最
内層1a形成材料であるTPOとの接着性が良好で、か
つ、補強層2形成材料との親和性が高い樹脂が好まし
く、特に、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド1
2(PA12)、ポリアミド6とポリアミド66との共
重合体(PA6/66)等のポリアミド系樹脂、熱可塑
性ポリウレタン(TPU)等のウレタン系樹脂等が好ま
しい。
材料としては、熱可塑性樹脂組成物が用いられる。上記
熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性樹脂としては、最
内層1a形成材料であるTPOとの接着性が良好で、か
つ、補強層2形成材料との親和性が高い樹脂が好まし
く、特に、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド1
2(PA12)、ポリアミド6とポリアミド66との共
重合体(PA6/66)等のポリアミド系樹脂、熱可塑
性ポリウレタン(TPU)等のウレタン系樹脂等が好ま
しい。
【0014】また、上記内層1b形成材料には、上記熱
可塑性樹脂組成物に加えて、オレフィン系樹脂を5〜5
0重量%でアロイさせたものを必要に応じて適宜に配合
することができる。
可塑性樹脂組成物に加えて、オレフィン系樹脂を5〜5
0重量%でアロイさせたものを必要に応じて適宜に配合
することができる。
【0015】上記管状内層1を構成する内層1bの外周
面に形成される補強層2としては、補強糸を用いて編組
して形成された補強糸層があげられる。上記補強糸とし
ては、上記内層1bとの接着性が良好なものが好まし
く、特に、ポリエステル糸、ポリアミド糸、ビニロン
糸、レーヨン糸、芳香族ポリアミド糸等が好ましい。な
かでも、その強度、汎用性およびコスト等の観点から、
ポリエステル糸が主に用いられる。
面に形成される補強層2としては、補強糸を用いて編組
して形成された補強糸層があげられる。上記補強糸とし
ては、上記内層1bとの接着性が良好なものが好まし
く、特に、ポリエステル糸、ポリアミド糸、ビニロン
糸、レーヨン糸、芳香族ポリアミド糸等が好ましい。な
かでも、その強度、汎用性およびコスト等の観点から、
ポリエステル糸が主に用いられる。
【0016】上記補強層2の外周面に形成される外層3
の形成材料としては、特に限定するものではなく従来公
知のものが用いられる。例えば、TPU、ポリアミドエ
ラストマー、ポリエステルエラストマー(TPEE)等
があげられる。
の形成材料としては、特に限定するものではなく従来公
知のものが用いられる。例えば、TPU、ポリアミドエ
ラストマー、ポリエステルエラストマー(TPEE)等
があげられる。
【0017】本発明の油圧用ホースは、上記材料を用
い、例えば、つぎのようにして作製される。
い、例えば、つぎのようにして作製される。
【0018】まず、管状内層は、例えば、つぎのように
して作製される。すなわち、管状内層の最内層形成材料
であるTPO、および管状内層の内層形成材料である熱
可塑性樹脂組成物を用い、これらを同時に押し出すこと
により、管状内層となる2層構造のチューブを作製する
ことができる。あるいは、管状内層の最内層形成材料で
あるTPOを押し出した後、この最内層表面をプラズマ
処理し、ついで、この最内層の外周面に管状内層の内層
形成材料である熱可塑性樹脂組成物を押し出すことによ
っても、上記と同様の2層構造のチューブを作製するこ
とができる。
して作製される。すなわち、管状内層の最内層形成材料
であるTPO、および管状内層の内層形成材料である熱
可塑性樹脂組成物を用い、これらを同時に押し出すこと
により、管状内層となる2層構造のチューブを作製する
ことができる。あるいは、管状内層の最内層形成材料で
あるTPOを押し出した後、この最内層表面をプラズマ
処理し、ついで、この最内層の外周面に管状内層の内層
形成材料である熱可塑性樹脂組成物を押し出すことによ
っても、上記と同様の2層構造のチューブを作製するこ
とができる。
【0019】つぎに、上記2層構造のチューブの外周面
に補強層を形成する。この補強層の形成としては、補強
糸を用いる場合、編組機を用いて編組することにより形
成することができる。そして、この補強層の外周面に、
外層形成材料を押出機を用いて押し出して外層を形成す
る。このようにして、図1に示す、TPOからなる最内
層1aと、熱可塑性樹脂組成物からなる内層1bと、こ
の内層1bの外周面に形成された補強層2と、この補強
層2の外周面に形成された外層3の4層構造からなる油
圧用ホース4が作製される。
に補強層を形成する。この補強層の形成としては、補強
糸を用いる場合、編組機を用いて編組することにより形
成することができる。そして、この補強層の外周面に、
外層形成材料を押出機を用いて押し出して外層を形成す
る。このようにして、図1に示す、TPOからなる最内
層1aと、熱可塑性樹脂組成物からなる内層1bと、こ
の内層1bの外周面に形成された補強層2と、この補強
層2の外周面に形成された外層3の4層構造からなる油
圧用ホース4が作製される。
【0020】また、本発明の油圧用ホースは、上記内層
1bと、この内層1bの外周面に形成される補強層2と
の間に、接着剤層を介在させることができる。上記接着
剤としては、上記内層1bの形成材料である熱可塑性樹
脂組成物と、上記補強層2の形成材料との接着性を向上
させるものであれば、特に制限はなく、例えば、ウレタ
ン系接着剤として、パンデックスT−5205とバーノ
ックD−750との混合物等があげられる。
1bと、この内層1bの外周面に形成される補強層2と
の間に、接着剤層を介在させることができる。上記接着
剤としては、上記内層1bの形成材料である熱可塑性樹
脂組成物と、上記補強層2の形成材料との接着性を向上
させるものであれば、特に制限はなく、例えば、ウレタ
ン系接着剤として、パンデックスT−5205とバーノ
ックD−750との混合物等があげられる。
【0021】そして、上記内層1bと補強層2との間に
接着剤層を介在させてなる本発明の油圧用ホースは、例
えば、つぎのようにして作製することができる。すなわ
ち、まず、前述の方法に準じて管状内層となる2層構造
のチューブを作製する。つぎに、この2層構造のチュー
ブの外周面上に、上記接着剤を塗布して接着剤層を形成
する。そして、上記接着剤層の外周面に、前述の方法に
準じて補強層2および外層3を形成することにより、上
記内層1bと補強層2との間に接着剤層を介在させてな
る油圧用ホースが作製される。
接着剤層を介在させてなる本発明の油圧用ホースは、例
えば、つぎのようにして作製することができる。すなわ
ち、まず、前述の方法に準じて管状内層となる2層構造
のチューブを作製する。つぎに、この2層構造のチュー
ブの外周面上に、上記接着剤を塗布して接着剤層を形成
する。そして、上記接着剤層の外周面に、前述の方法に
準じて補強層2および外層3を形成することにより、上
記内層1bと補強層2との間に接着剤層を介在させてな
る油圧用ホースが作製される。
【0022】この4層構造の油圧用ホース4における各
層の厚みはつぎのように設定される。管状内層1の最内
層1aの厚みは、好ましくは0.2〜2.8mmの範囲
に、特に好ましくは0.4〜1.3mmの範囲に設定さ
れる。また、管状内層1の内層1bの厚みは、好ましく
は0.2〜2.8mmの範囲に、特に好ましくは0.4
〜1.3mmの範囲に設定される。そして、外層3の厚
みは、通常、0.3〜3.0mmの範囲に、好ましくは
0.3〜1.5mmの範囲に設定される。
層の厚みはつぎのように設定される。管状内層1の最内
層1aの厚みは、好ましくは0.2〜2.8mmの範囲
に、特に好ましくは0.4〜1.3mmの範囲に設定さ
れる。また、管状内層1の内層1bの厚みは、好ましく
は0.2〜2.8mmの範囲に、特に好ましくは0.4
〜1.3mmの範囲に設定される。そして、外層3の厚
みは、通常、0.3〜3.0mmの範囲に、好ましくは
0.3〜1.5mmの範囲に設定される。
【0023】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
明する。
【0024】
【実施例1〜4】まず、下記の表1に示す管状内層の最
内層および内層の形成材料を用い、前述の方法に従い、
押出機を用いて2層同時に押し出すことにより、管状内
層となる2層構造のチューブを作製した。つぎに、上記
2層構造のチューブの外周面に、パンデックスT−52
05とバーノックD−750との混合物を塗布して接着
剤層を形成した後、ポリエステル糸を用い、編組機によ
り編組して補強層を形成した(編組密度:88%)。さ
らに、上記補強層の外周面に、TPU(パンデックスT
−8195、大日本インキ化学工業社製)を用いて押出
機により外層を形成した。このようにして、4層構造の
油圧用ホース(内径9.5mm×外径14mm)を作製
した(図1参照)。
内層および内層の形成材料を用い、前述の方法に従い、
押出機を用いて2層同時に押し出すことにより、管状内
層となる2層構造のチューブを作製した。つぎに、上記
2層構造のチューブの外周面に、パンデックスT−52
05とバーノックD−750との混合物を塗布して接着
剤層を形成した後、ポリエステル糸を用い、編組機によ
り編組して補強層を形成した(編組密度:88%)。さ
らに、上記補強層の外周面に、TPU(パンデックスT
−8195、大日本インキ化学工業社製)を用いて押出
機により外層を形成した。このようにして、4層構造の
油圧用ホース(内径9.5mm×外径14mm)を作製
した(図1参照)。
【0025】
【比較例1、2】下記の表2に示す管状内層の形成材料
を用い、押出機を用いて押し出すことにより、管状内層
となる1層構造のチューブを作製した。それ以外は実施
例1と同様の操作を行うことにより3層構造の油圧用ホ
ース(内径9.5mm×外径14mm)を作製した(図
5参照)。
を用い、押出機を用いて押し出すことにより、管状内層
となる1層構造のチューブを作製した。それ以外は実施
例1と同様の操作を行うことにより3層構造の油圧用ホ
ース(内径9.5mm×外径14mm)を作製した(図
5参照)。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】このようにして得られた実施例品および比
較例品を用い、下記に示す方法に従って、管状内層と補
強層との接着力、ホース曲げ反発力(柔軟性)、折れ限
界曲げ半径について測定評価を行った。これらの結果
を、下記の表3および表4に併せて示す。
較例品を用い、下記に示す方法に従って、管状内層と補
強層との接着力、ホース曲げ反発力(柔軟性)、折れ限
界曲げ半径について測定評価を行った。これらの結果
を、下記の表3および表4に併せて示す。
【0029】〔管状内層と補強層との接着力〕上記実施
例品および比較例品の油圧用ホースを用いて、管状内層
と補強層との接着力をつぎのようにして測定した。すな
わち、図2に示すように、油圧用ホースの管状内層32
の一部を補強層31から剥離させるとともに、上記油圧
用ホース内に鉄心30を通した。そして、上記油圧用ホ
ースの管状内層32の一部を剥離させた端部(幅25m
m)をチャックして鉄心30を上方のA方向に引っ張り
オートグラフを使用してその接着力を測定した。
例品および比較例品の油圧用ホースを用いて、管状内層
と補強層との接着力をつぎのようにして測定した。すな
わち、図2に示すように、油圧用ホースの管状内層32
の一部を補強層31から剥離させるとともに、上記油圧
用ホース内に鉄心30を通した。そして、上記油圧用ホ
ースの管状内層32の一部を剥離させた端部(幅25m
m)をチャックして鉄心30を上方のA方向に引っ張り
オートグラフを使用してその接着力を測定した。
【0030】〔ホース曲げ反発力(柔軟性)〕図3に示
すように、各油圧用ホース20の一端を平面板21に取
り付けて固定し、この固定した油圧用ホース20に力を
加えて、垂直状態(破線)から略L字状となるよう油圧
用ホース20を屈曲させた。そして、油圧用ホース20
の他端側の直線部分A−Bが平面板21と平行になった
時点での矢印F方向の力を測定し、これを曲げ反発力
(kgf)として柔軟性評価の指標とした。すなわち、
曲げ反発力が小さいほど柔軟性に優れているといえる。
すように、各油圧用ホース20の一端を平面板21に取
り付けて固定し、この固定した油圧用ホース20に力を
加えて、垂直状態(破線)から略L字状となるよう油圧
用ホース20を屈曲させた。そして、油圧用ホース20
の他端側の直線部分A−Bが平面板21と平行になった
時点での矢印F方向の力を測定し、これを曲げ反発力
(kgf)として柔軟性評価の指標とした。すなわち、
曲げ反発力が小さいほど柔軟性に優れているといえる。
【0031】〔折れ限界曲げ半径〕図4に示すように、
長さ1mの油圧用ホース40を用いて輪を作り、その端
部を手で持って、矢印方向に油圧用ホース40を引っ張
った。そして、さらにその輪の径を徐々に小さくしてい
き、油圧用ホース40がキンクした時点のR部の輪の直
径を測定した。
長さ1mの油圧用ホース40を用いて輪を作り、その端
部を手で持って、矢印方向に油圧用ホース40を引っ張
った。そして、さらにその輪の径を徐々に小さくしてい
き、油圧用ホース40がキンクした時点のR部の輪の直
径を測定した。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】上記表3および表4の結果から、全ての実
施例品は、管状内層と補強層との接着力に優れ、しか
も、ホース曲げ反発力(柔軟性)の測定評価値が小さ
く、また、折れ限界曲げ半径も小さいことから、柔軟で
屈曲性に富んでいることがわかる。これに対して、比較
例品は、管状内層と補強層との接着力が小さく、しか
も、ホース曲げ反発力(柔軟性)の測定評価値が大き
く、また、折れ限界曲げ半径も大きいことから、柔軟性
に欠けることがわかる。
施例品は、管状内層と補強層との接着力に優れ、しか
も、ホース曲げ反発力(柔軟性)の測定評価値が小さ
く、また、折れ限界曲げ半径も小さいことから、柔軟で
屈曲性に富んでいることがわかる。これに対して、比較
例品は、管状内層と補強層との接着力が小さく、しか
も、ホース曲げ反発力(柔軟性)の測定評価値が大き
く、また、折れ限界曲げ半径も大きいことから、柔軟性
に欠けることがわかる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明の油圧用ホース
は、管状内層と、この管状内層の外周面に補強層を介し
て積層形成された外層とを備え、上記管状内層がTPO
からなる最内層(A)と、この最内層(A)の外周面に
形成された熱可塑性樹脂組成物からなる内層(B)の2
層構造からなる。そのため、上記熱可塑性樹脂組成物が
最内層(A)のTPO、補強層ともに良好な接着性を有
し、最内層(A)と補強層との接着性が向上する結果、
ホースを屈曲させて使用する際にホースが折れにくくな
るとともに、ホース屈曲時の最小曲げ半径が小さくなる
ので、取扱い性が向上し実用性に優れている。
は、管状内層と、この管状内層の外周面に補強層を介し
て積層形成された外層とを備え、上記管状内層がTPO
からなる最内層(A)と、この最内層(A)の外周面に
形成された熱可塑性樹脂組成物からなる内層(B)の2
層構造からなる。そのため、上記熱可塑性樹脂組成物が
最内層(A)のTPO、補強層ともに良好な接着性を有
し、最内層(A)と補強層との接着性が向上する結果、
ホースを屈曲させて使用する際にホースが折れにくくな
るとともに、ホース屈曲時の最小曲げ半径が小さくなる
ので、取扱い性が向上し実用性に優れている。
【図1】本発明の油圧用ホースの構成を示す説明図であ
る。
る。
【図2】管状内層と補強層との接着力の測定方法を示す
説明図である。
説明図である。
【図3】柔軟性の測定方法を示す説明図である。
【図4】折れ限界曲げ半径の測定方法を示す説明図であ
る。
る。
【図5】従来の油圧用ホースの構成を示す説明図であ
る。
る。
【図6】油圧用ホースの使用状態を示す説明図である。
1 管状内層 1a 最内層 1b 内層 2 補強層 3 外層 4 油圧用ホース
Claims (2)
- 【請求項1】 管状内層と、この管状内層の外周面に補
強層を介して積層形成された外層とを備えた油圧用ホー
スであって、上記管状内層が下記の最内層(A)と、こ
の最内層(A)の外周面に形成された下記の内層(B)
の2層構造からなることを特徴とする油圧用ホース。 (A)ポリオレフィンエラストマーからなる最内層。 (B)熱可塑性樹脂組成物からなる内層。 - 【請求項2】 上記内層(B)と、この内層(B)の外
周面に形成された補強層との間に、接着剤層が介在して
いる請求項1記載の油圧用ホース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19651096A JPH1038152A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 油圧用ホース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19651096A JPH1038152A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 油圧用ホース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1038152A true JPH1038152A (ja) | 1998-02-13 |
Family
ID=16358957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19651096A Pending JPH1038152A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 油圧用ホース |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1038152A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104204077A (zh) * | 2012-03-01 | 2014-12-10 | 泰克尼普法国公司 | 用于石油开采的高强度柔性管状结构体 |
JP2021014565A (ja) * | 2019-07-12 | 2021-02-12 | 新日本理化株式会社 | ポリアミド樹脂用可塑剤組成物 |
-
1996
- 1996-07-25 JP JP19651096A patent/JPH1038152A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104204077A (zh) * | 2012-03-01 | 2014-12-10 | 泰克尼普法国公司 | 用于石油开采的高强度柔性管状结构体 |
JP2021014565A (ja) * | 2019-07-12 | 2021-02-12 | 新日本理化株式会社 | ポリアミド樹脂用可塑剤組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040910 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040921 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20041118 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050517 |