JPH103630A - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH103630A
JPH103630A JP15400496A JP15400496A JPH103630A JP H103630 A JPH103630 A JP H103630A JP 15400496 A JP15400496 A JP 15400496A JP 15400496 A JP15400496 A JP 15400496A JP H103630 A JPH103630 A JP H103630A
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thin
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動特性の向上及び磁電変換素子の耐腐食性
の向上を図った薄膜磁気ヘッド及びその製造方法を提供
すること。 【解決手段】 スライダ部とコア部とを備えた薄膜磁気
ヘッドにおいて、スライダ部の空気軸受面11上にカー
ボンを主成分とするストレスの小さい第1のカーボン保
護膜13が形成され、この第1のカーボン保護膜13上
にカーボンを主成分とする硬度の高い第2のカーボン保
護膜14が積層されて成ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜磁気ヘッド及
びその製造方法に係り、特に、磁気抵抗効果素子型磁気
ヘッドなどの薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置の高密度化を実現する
為、磁気ヘッドと磁気ディスク媒体との距離を接近させ
る手法が採られる。この場合、コンタクト・スタート・
ストップ(以下、CSSという)又はシーク動作による
薄膜磁気ヘッドスライダの摩耗損傷が問題となる。従来
技術では、CSS或いはシーク動作時の磁気ヘッドと磁
気ディスクとの接触により生ずる機械的摩耗から保護す
るために、各種保護膜層が磁気ヘッドのスライダ空気軸
受面上に形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気抵
抗効果素子型磁気ヘッド等では、スライダの空気軸受面
(AlTiC面)に対するストレスを低減させ、また、
磁気ディスク媒体との密着性を挙げる為に、空気軸受面
の保護膜の硬度を下げて成膜していたので、CSS又は
シーク動作により当該保護膜の摩耗及びスクラッチを生
ずる不都合があった。
【0004】また、CSS或いはシーク動作によりトレ
ーリングエッヂ部の摩耗が生じると、磁電変換素子が露
出した状態となり、磁電変換素子の腐食が起こり易くな
る不都合があった。
【0005】一方、特開平1−189019号公報に
は、スライダ部上に炭素または炭素を主成分とする被膜
をコーティングし、その表面での耐摩耗性等の機械的強
度を補強しようという磁気ヘッドが開示されている。ま
た、特開平1−128216号公報においては、連続成
膜により性質の異なる二層膜を形成することも開示され
ており、保護膜形成方法についてはスパッタ法以外の例
えば真空蒸着法,真空蒸着とイオン照射の併用なども適
用できると述べている。しかしながら、何れの従来例に
おいても、具体的な成膜条件の選定やその効果について
述べられておらず、実用に供せられるところまでには達
していない。
【0006】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に、摺動特性の向上及び磁電変換素子の耐
腐食性の向上を図った薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
を提供することを、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、スライダ部とコア部とを
備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、スライダ部の空気軸受
面上にカーボンを主成分とするストレスの小さい第1の
カーボン保護膜が形成され、この第1のカーボン保護膜
上にカーボンを主成分とする硬度の高い第2のカーボン
保護膜が積層されて成る、という構成を採っている。
【0008】請求項2記載の発明では、第1又は第2の
カーボン保護膜が水素添加カーボンで形成されている、
という構成を採っている。
【0009】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
薄膜磁気ヘッドにおいて、第1のカーボン保護膜を水素
分圧20パーセントの条件下で形成する、という方法を
採っている。
【0010】請求項4記載の発明では、請求項2記載の
薄膜磁気ヘッドにおいて、第2のカーボン保護膜を水素
分圧0パーセントの条件下で形成する、という方法を採
っている。
【0011】請求項5記載の発明では、請求項2記載の
薄膜磁気ヘッドにおいて、第1又は第2のカーボン保護
膜をスパッタ法により形成する、という方法を採ってい
る。
【0012】請求項6記載の発明では、請求項2記載の
薄膜磁気ヘッドにおいて、第1又は第2のカーボン保護
膜をCDV法により形成する、という方法を採ってい
る。
【0013】これらの発明では、ヘッドの浮上量が少な
いときは、硬度の高い第2のカーボン保護膜が磁気ディ
スク媒体に接触し、そのときの接触圧は、ストレスの小
さい第1のカーボン保護膜により調整される。特に、請
求項3記載の発明では、第1のカーボン保護膜のストレ
スが最も小さくなり、請求項4記載の発明では、第2の
カーボン保護膜の硬度が最も高くなる。
【0014】これらにより、前述した目的を達成しよう
とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
乃至図5に基づいて説明する。
【0016】図1に示す磁気ディスク装置は、情報を記
録する磁気ディスク媒体1と、この磁気ディスク媒体1
を回転させるスピンドル2と、磁気ディスク媒体1への
情報の書き込み又は磁気ディスク媒体1からの情報の読
み出しを行う磁気ヘッド3と、この磁気ヘッド3を支持
するアクチュエータ4と、このアクチュエータ4を回動
させて磁気ヘッド3を磁気ディスク媒体1上の目標位置
に設定するボイスコイルモーター5と、磁気ディスク装
置の内部を清浄に保つ為のエアフィルタ6とを備えてい
る。
【0017】図2は、磁気ヘッド3の構成を示す概略斜
視図である。この図2において、磁気ヘッド3の磁気デ
ィスク媒体1との対向面には、レール加工が施されると
共に中央に溝部7が形成されている。この溝部7の両側
にはスライダレール8,9が平行に形成されている。ま
た、符号10は、磁電変換素子を示し、一方のスライダ
レール8のトレーリング面に装備されている。
【0018】図3に、スライダレール8,9の空気軸受
面における保護膜の形成状態を示す。この図3は、図2
におけるa−a′線に沿った縦断面図であり、スライダ
レール9の空気軸受面における保護膜の形成状態を示す
が、スライダレール8についても同様に構成されてい
る。ここで、図3では、図の上側が磁気ディスク媒体と
の対向面になる。
【0019】図3において、AlTiC面11上には、
アモルファスSi下地膜12がスパッタされている。ま
た、このアモルファスSi下地膜12上には、第1のカ
ーボン保護膜13を成膜する。この第1のカーボン保護
膜13は、水素分圧20%の条件下で成膜する。これ
は、図4に示すように、当該保護膜のストレスが最も小
さくなるからである(0[Gpa]に近いほどストレス
が低い)。そして、更にその上に、第2のカーボン保護
膜14を成膜して二層の水素添加カーボン膜を形成す
る。この第2のカーボン保護膜14は、水素分圧0%の
条件下で成膜する。これは、図5に示すように、当該保
護膜の硬度が最も高くなるからである。
【0020】以上説明した本実施形態によれば、硬度の
高い第2のカーボン保護膜が磁気ディスク媒体に接触す
ると共に、その接触圧がストレスの低い第1のカーボン
保護膜により調整されるので、磁気ヘッドスライダの摺
動特性を向上することができ、保護膜の摩耗を抑制する
ことによって、磁電変換素子の耐腐食性をも格段に向上
させることができ、装置寿命の長い磁気ディスク装置の
提供が可能となる。
【0021】ここで、本実施形態によらず、例えば三層
以上の水素添加カーボン膜を積層することも可能であ
り、また、このカーボン保護膜がスパッタカーボン或い
はCVDカーボンで構成されていても良い。
【0022】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成され機能す
るので、これによると、スライダ部の空気軸受面上にス
トレスの小さい第1のカーボン保護膜を形成し、その上
に硬度の高い第2のカーボン保護膜を形成したので、硬
度の高い第2のカーボン保護膜が磁気ディスク媒体に接
触すると共に、その接触圧がストレスの低い第1のカー
ボン保護膜により調整され、磁気ヘッドスライダの摺動
特性を向上することができ、保護膜の摩耗を抑制するこ
とによって、磁電変換素子の耐腐食性をも格段に向上さ
せることができ、装置寿命の長い磁気ディスク装置の提
供が可能となる。特に、請求項3記載の発明では、水素
分圧20パーセントの条件下で第1の保護膜を形成する
ことにより、当該保護膜のストレスを最も小さくするこ
とができ、請求項4記載の発明では、水素分圧0パーセ
ントの条件下で第2の保護膜を形成することにより、当
該保護膜の硬度を最も高くすることができるので、磁気
ヘッドスライダの摺動特性及び磁電変換素子の耐腐食性
を最も効率的にに向上させることができる、という従来
にない優れた薄膜磁気ヘッド及びその製造方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜磁気ヘッドが搭載された磁気ディ
スク装置の概略構成図である。
【図2】図1における磁気ヘッドの構成を示す概略斜視
図である。
【図3】図2におけるa−a’線に沿った縦断面図であ
る。
【図4】保護膜のストレスと水素分圧の関係を示すグラ
フである。
【図5】保護膜の硬度と水素分圧の関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 磁気ディスク媒体 2 スピンドル 3 磁気ヘッド 4 アクチュエーター 5 ボイスコイルモーター 6 エアフィルタ 7 溝部 8,9 スライダレール 10 磁電変換素子 11 AlTiC面 12 アモルファスSi下地膜 13 第1のカーボン保護膜 14 第2のカーボン保護膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライダ部とコア部とを備えた薄膜磁気
    ヘッドにおいて、 前記スライダ部の空気軸受面上にカーボンを主成分とす
    るストレスの小さい第1のカーボン保護膜が形成され、
    この第1のカーボン保護膜上にカーボンを主成分とする
    硬度の高い第2のカーボン保護膜が積層されて成ること
    を特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第1又は第2のカーボン保護膜が水
    素添加カーボンで形成されていることを特徴とした請求
    項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の薄膜磁気ヘッドにおい
    て、 前記第1のカーボン保護膜を水素分圧20パーセントの
    条件下で形成することを特徴とした薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の薄膜磁気ヘッドにおい
    て、 前記第2のカーボン保護膜を水素分圧0パーセントの条
    件下で形成することを特徴とした薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の薄膜磁気ヘッドにおい
    て、 前記第1又は第2のカーボン保護膜をスパッタ法により
    形成することを特徴とした薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の薄膜磁気ヘッドにおい
    て、 前記第1又は第2のカーボン保護膜をCDV法により形
    成することを特徴とした薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7130154B2 (en) 1999-12-28 2006-10-31 Alps Electric Co., Ltd. Magnetic head slider having protrusions provided on the medium-facing surface and manufacturing method therefor
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JP2015008031A (ja) * 2013-06-24 2015-01-15 シーゲイト テクノロジー エルエルシー 少なくとも1つの接着層を含む装置および接着層を形成する方法
JP2016522529A (ja) * 2013-06-07 2016-07-28 パーデュー・リサーチ・ファウンデーションPurdue Research Foundation 熱アシスト磁気記録のための近接場トランスデューサ

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US9799353B2 (en) 2013-06-24 2017-10-24 Seagate Technology Llc Devices including at least one adhesion layer and methods of forming adhesion layers

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