JPH1034427A - 金属製形材の切断機 - Google Patents

金属製形材の切断機

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JPH1034427A
JPH1034427A JP20909296A JP20909296A JPH1034427A JP H1034427 A JPH1034427 A JP H1034427A JP 20909296 A JP20909296 A JP 20909296A JP 20909296 A JP20909296 A JP 20909296A JP H1034427 A JPH1034427 A JP H1034427A
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JP
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cutting
gap
die
profile
cutting blade
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JP20909296A
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English (en)
Inventor
Shunichi Yamada
俊一 山田
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Sanki Engineering Co Ltd
Sanki Industrial Co Ltd
Original Assignee
Sanki Engineering Co Ltd
Sanki Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コ形の形材を固定ダイスに装着し、固定ダイ
スの隙間に可動ダイスの切断刃を進入させて切断を行う
切断機の小形、軽量化を計るとともに、切断屑が高速度
ではねとばされる危険をなくす。 【解決手段】 形材の両側壁を溝14と15または16
とに嵌込んで保持する固定ダイス11の隙間19に進入
して形材を切断する切断刃24を有する可動ダイス21
を、ピストン部材31の小ストロークで大きく旋回さ
せ、往復型原動機45従って全体を小形、軽量のものと
する。また、切断刃24による形材両端の切断終了時期
を異ならせ、負荷を段階的に低下させて切断終了時の反
動で切断屑がはねとばされないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属製形材を現場で
切断するための可般式の切断機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば屋内電気配線回路を構築するにあ
たって、電線や照明器具の取付けなどのため電気設備技
術基準に従ったレースウエイまたはダクトが用いられて
いる。
【0003】これらのレースウエイまたはダクトは断面
コ形の金属製形材であって、構築現場で所定長に切断す
るのが普通である。
【0004】そのための可搬式の切断機に対しては、形
材の殊に切断端面が大きく変形したり潰れたりしないこ
と、切断刃が損傷しにくいこと、形材の所定個所を正確
に切断できること、形材の切断機への着脱が容易で多数
回の切断作業を能率よく行えること、などの機能が要求
されており、これらの要求を満足させるものとして図7
に示すような切断機が市場に提供されている。
【0005】即ち、図7に示した切断機は、概略的に電
動力または手動力によって作動する往復型原動機である
液圧シリンダ61の先端に工具ホルダ62を固結し、液
圧シリンダ61の前方に配置した固定ダイス64と工具
ホルダ62とを腕部材63によって一定間隔を保持させ
て結合するとともに、液圧シリンダ61のピストンによ
って直線往復動させられる切断刃付きの可動ダイス69
を工具ホルダ62の側面に沿わせて配備した構成とされ
ている。
【0006】固定ダイス64は隙間65を設けて互いに
平行に配置した二つの平板状のダイス部片66,67を
有し、それらに可動ダイス69と向かい合う内端面に開
放させて形材71の側壁72,72を嵌込む二組の溝6
8a,68a,68b,68bを設けた構造である。ま
た、可動ダイス69は隙間65よりも僅かに小さい厚さ
の平板状に作られ、先端部に三角形の切断刃70を設け
た構造である。
【0007】そして、形材71を工具ホルダ62と固定
ダイス64との対向間隙に図の上方から差込み、狭幅の
形材71の場合はその側壁72,72を内側の一組の溝
68a,68aに嵌込むとともに底壁73を内端面に当
接させ、可動ダイス69を前進させて隙間65に進入さ
せることにより切断するものである。広幅の形材71の
場合はその側壁72,72を外側の一組の溝68b,6
8bに嵌込む。
【0008】即ち、ポンチとして働く可動ダイス69と
ダイスとして働く固定ダイス64とによるせん断加工で
切断が行われるものであり、ダイス部片66,67と切
断刃70との隙間を適正に設定することにより切断端面
に目立った変形や潰れを発生させないとともに切断刃7
0を損傷させないばかりか、切断個所を目視により容易
に隙間65と一致させることができるので正確な切断が
できる、形材71を対向間隙から差込んで固定ダイス6
4に容易に装着でき且つ切断後の取り外しもきわめて容
易である、という利点をもっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の切断機においては、可動ダイス69は形材71を差
込む対向間隙を横切って前進し、更に隙間65に進入し
て切断する動作を液圧シリンダ61のピストンの直線往
復動そのままに行うのでストロークが大きい。そのため
に液圧シリンダ61およびその液槽を大形化する必要が
あって全体の大形化、大重量化を避けられず、持ち運び
に不利を免れない。
【0010】また、切断は切断刃70の先端縁で底壁7
3の中央部を突き破り、次に先端縁の両側方へ延びる斜
めの刃部分が底壁73から側壁72,72へ向かってせ
ん断を進めるとともに破断を生じさせることにより行わ
れるものであり、両側方において同時に切断が終わり二
個のL形の切断屑が発生する。そして、切断完了と同時
に可動ダイス69より液圧シリンダ61に作用していた
負荷が急激に低下するので、可動ダイス69に瞬間的に
高速前進して切断屑を高速度ではねとばし附近の作業者
を負傷させる、という心配がある。
【0011】そこで、可動ダイス69を切断完了間近に
低速前進させるようにすると、液圧シリンダ61の制御
が複雑となるばかりか、切断屑は斜めの刃部分に押され
て両側方へ逃げ間隙65の図で上下の面に押付けられた
状態で残留し、切断を繰返すと多数の切断屑が不規則に
折り重なって堆積し可動ダイス69への抵抗を増大させ
て負荷増大、作動不良、切断刃70の早期損傷などを生
じやすくなる。
【0012】本発明はこのように前記従来の切断機がも
っている全体の大形化、大重量化が避けられないという
点、および切断屑がはねとばされて危険である、或いは
切断屑が残留堆積して負荷増大、作動不良、切断刃の早
期損傷などを招きやすいという点を解消することを主な
課題として発明されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は第一に、
形材を装着する固定ダイスの隙間に進入して形材を切断
する切断刃を有する可動ダイスを旋回動させるものと
し、且つこの可動ダイスの旋回中心と切断刃との間の部
分にピストン部材を作用させて旋回動を行わせることと
した。このことにより、ピストン部材の少しの動きで切
断刃を大きく動作させることができるので、小ストロー
クの往復型原動機を使用して全体の小形化、軽量化を計
り、使い勝手のよい切断機とすることが可能となる。
【0014】そして、本発明は前記に併せて、切断刃を
形材の両端における切断終了時期を異ならせる形状、好
ましくは三角形の切断刃の先端縁が形材の底壁中央より
一側方へ片寄った個所に当たる形状とした。このことに
より、切断完了間近に負荷が段階的に低下し、切断屑を
高速度ではねとばしたり残留堆積させることなく排出さ
せることができるので、安全であるとともに良好な状態
で切断作業を繰返すことが可能となる。
【0015】また、本発明は第二に、一台の切断機を効
率よく使用して狭幅および広幅の形材を切断させるよう
にした場合に、それぞれの形材の側壁を嵌込む二組の溝
の一方の溝を共通のものとし、形材の底壁中央より共通
の溝の方へ片寄った個所に先端縁が当たる第一の切断刃
と、それより広幅の形材に適合する溝の方へ寄った個所
に先端縁が当たる第二の切断刃とを可動ダイスに設け
た。このことにより、広幅の形材について狭幅の形材と
全く同様に対応させ且つ切断面に目立った変形や潰れを
発生させることなく切断することが可能となる。
【0016】更に、本発明ではこれらに加えて、請求項
4に記載した可動ダイスにピストン部材の押圧力を常に
面接触状態で作用させ安定よく旋回させる手段、或いは
請求項5に記載したフレーム体に往復型原動機へ着脱さ
せて一台の多目的往復型原動機のアタッチメントとして
使用可能な手段を具えさせることとした。
【0017】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形
態を説明すると、L形の二枚の板部材を所定間隔で互い
に平行に配置し、それらの一つの辺に相当する部分をフ
レーム体1とするとともに、その先端部分から直角方向
へ延びるもう一つの辺に相当する部分を固定ダイス11
としている。また、これらの板部片はフレーム体1の基
端部および先端部、固定ダイス11の先端部においてカ
ラー17a,17b,17cを挟み込み、これらに貫通
したボルト18a,18b,18cで緊定することによ
って互いに固結されている。
【0018】板部材の内でフレーム体1を構成する部
分、即ちフレーム部片2,3の基端両側部には基端方向
へ向けて取付フランジ2a,3aが一体に突出形成して
いるとともに、一方のフレーム部片2はその取付フラン
ジ2aに対応する取付フランジ6aを有するガイド部片
6を外側面に重ねて具えている。このガイド部片6はフ
レーム体1の基端部に配置されているボルト18aがね
じ込まれることによってフレーム部片2に固結されてい
る。
【0019】また、板部材の内で固定ダイス11を構成
する部分、即ちダイス部片12,13のフレーム体1の
基端方向へ向いた内端面12a,13aは、後述するピ
ストン部材31の動作方向に対して直角とされている。
そして、幅寸法が異なる二種類の断面コ形の形材のそれ
ぞれの両側壁を嵌込むための二組の溝が内端面12a,
13aに開放させてダイス部片12,13に設けられて
いる。
【0020】これらの溝は、狭幅の形材に適合する一組
の溝14,15と、その固定ダイス11の先端側に位置
する溝14を一方の溝とし広幅の形材に適合するもう一
組の溝14,16とからなるものであり、溝14が共通
のものとされている。一種類の形材の切断のみに用いる
ときは一組の溝を設けるだけでよいが、本実施の形態で
は一台の切断機を効率よく使用させるため二種類の形材
に対応させるものとした。
【0021】フレーム体1のフレーム部片2,3に挟ま
れた空隙8、および固定ダイス11のダイス部片12,
13に挟まれた隙間19は互いに連通しており、且つ全
方向へ向かって大きく開放している。
【0022】尚、フレーム体1と固定ダイス11とは別
体に作って互いに結合させてもよいが、一体品とする方
が製造面で有利である。また、本発明では形材を安定よ
く保持させて切断面に目立った変形や潰れを生じさせる
ことなく切断するため、二つのダイス部片12,13を
隙間19を与えて配置し、後述する可動ダイス21の切
断刃24,25をこの隙間19に進入させて切断する構
成としている。従って、フレーム体1も空隙8を与えて
配置した二つのフレーム部片2,3によって構成し、フ
レーム部片2,3とダイス部片12,13とを一枚の平
板に形成したものの二枚を互いに平行に配置した図示の
形態とするのが好ましい。
【0023】一方、液圧シリンダからなる往復型原動機
45の先端に突設されている二つのブラケット46がフ
レーム部片2の取付フランジ2aとガイド部片6の取付
フランジ6aとの間にそれぞれ嵌込まれ、これらとフレ
ーム部片3の取付フランジ3aとに挿通した取付ボルト
47によってフレーム体1が往復型原動機45に着脱可
能に固着されている。この着脱可能な固着手段は連結機
構10を構成するものである。
【0024】取付フランジ2aと3aとの間には取付ボ
ルト47を密に挿通させるブッシュ4が嵌込まれてお
り、取付ボルト47を締付けたときこれらが撓まないと
ともに、がたつきなく固着されるようになっている。
【0025】可動ダイス21は空隙8および隙間19に
殆ど隙間を有しないで差込まれる厚さの平板状に作られ
ており、その基端部にダイス部片12,13の内端面1
2a,13aのほぼ延長上であって固定ダイス11と反
対側の端縁に近い個所においてフレーム部片2,3に挟
まれ、支軸22により旋回可能に支持されている。ま
た、空隙8の内部に配置した引張りコイルばねからなる
戻しばね部材23が可動ダイス21に係合していて、カ
ラー17bが可動ダイス21に接してストッパとして働
いている。
【0026】尚、可動ダイス21はフレーム体1の外側
面に軸支させてもよいが、図示の形態のようにすると可
動ダイス21は屈曲部分をもたない平板状とされ、形状
が簡単であるとともにねじれや曲げを生じる心配なく旋
回させて切断を行わせることができる、という効果が得
られる。
【0027】可動ダイス21の空隙8から突出している
先端部の固定ダイス11と向かい合う部分には二つの三
角形の切断刃24,25が形成されている。これらの切
断刃24,25は中央部が固定ダイス11へ向かって突
出しており、この先端縁24a,25aから両側方へ延
びる二つの斜めの刃部分24b,24c,25b,25
cをそれぞれ有している。三角形の切断刃は先ず先端縁
が当たって切断を開始し、斜めの刃部分が両側方へ次第
に切断を進行するので、往復型原動機などに過負荷を作
用させない、という利点をもっており、本発明はこの形
状を採用した。
【0028】先端側に位置する第一の切断刃24は溝1
4,15に嵌込まれる狭幅の形状を切断するものであ
り、その先端縁24aは形材の底壁中央よりも先端の溝
14の方へ片寄った個所において底壁に当たるようにな
っている。基端側に位置する第二の切断刃25は第一の
切断刃24と協働して溝14,16に嵌込まれる広幅の
形材を切断するものであり、その先端縁25aは溝1
5,16の間の部分において底壁に当たる。
【0029】可動ダイス21を切断方向へ旋回させるピ
ストン部材31は、往復型原動機45から前方へ突出し
てピストン杆48の先端に取外し可能に取付けられてお
り、ピストン杆48の先端面に重ねられた基台32の先
端側に平板状の押圧片33を突出した構成とされてい
る。押圧片33は取付フランジ2a,3aの間を通って
空隙8に厚さ方向ほぼ隙間なく進入する。
【0030】主に図4、図5を参照して、押圧片33の
先端縁中央部には円弧形のくぼみ34が設けられてお
り、フレーム部片2,3の向かい合った内面に形成した
ピストン部材31の動作方向へ延びる案内溝35,36
に両端部を嵌入させた切欠き円柱状の押し部片37の円
弧形状周面部37aがくぼみ34に面接触状態で嵌入し
ている。一方、可動ダイス21の切断刃24,25と反
対側の背面であってピストン部材31の荷重を受ける部
分は直線の受圧縁26とされ、押し部片37の切欠き部
分である平面状周面部37bが面接触している。
【0031】図示の実施の形態では切断機を往復型原動
機45に着脱可能とし、多目的往復型原動機のアタッチ
メントの一つとして使用できるようにしている。このた
め、取付ボルト47を抜いて分離したとき押し部片37
が回転自由な状態となり、次に組付け固着したとき面接
触しないことがある。そのために、一方の案内溝35の
長手方向中心線附近に細い丸棒からなるストップ部片3
8を架設固定するとともに、押し部片37の溝36に嵌
入する端部を一側周面部に沿って設けた端面三日月状の
二つの脚片37cで形成した。脚片37cはストップ部
片38を挟んで案内溝36に嵌入し、作動開始位置と切
断完了位置との間でストップ部片38に当たることなく
位相を変えながら移動するが、回転自由な状態となった
ときは脚片37cがストップ部片38に当たって一定以
上の回動が阻止されることにより、円弧状周面部37a
と平面状周面部37bとはくぼみ34と受圧縁26とに
それぞれ面接触する位相範囲内に置かれる。
【0032】これにより、可動ダイス21のピストン部
材31で押される個所が旋回に伴って次第に変化する
間、ピストン部材31の直線動を可動ダイス21の旋回
動に円滑に変換し、且つ荷重を一点に集中させて喰付き
などを生じさせるという心配も解消されて安定した動作
を行わせることができる。
【0033】図6はこのような構成の切断機によって広
幅の形材71を切断する工程を説明する図であって、先
ず形材71を固定ダイス11と可動ダイス21との先端
側開放部分からこれらの対向間隙へ差込んでその側壁7
2a,72bを両端の溝14,16に嵌込むとともに底
壁73を内端面12a,13aに重ねることにより、図
6(A)に示したように固定ダイス11に装着する。こ
のとき、形材71の切断個所が固定ダイス11の隙間1
9に位置するように装着個所を調節する。
【0034】次に、ピストン部材31を往復型原動機4
5によって前進させ可動ダイス21を支軸22を中心に
旋回させると、図6(B)に示すように先ず第一の切断
刃24の先端縁24aが底壁73の側壁72aに近い個
所に当たって切断を開始し、続いて第二の切断刃25の
先端縁25aが底壁73の中央よりも側壁72bに寄っ
た個所に当たる。
【0035】図示の形態によると、図6(C)に示すよ
うに第一の切断刃24の先端方向へ延びる刃部分24b
は主に側壁72aを切断し、基端方向へ延びる刃部分2
4cは主に底壁73の側壁72a側端部から中央部まで
を切断する。また、第二の切断刃25の先端方向へ延び
る刃部分25bは底壁73の中央部分を切断し基端方向
へ延びる刃部分25cは底壁73の中央よりも側壁72
bに寄った個所から側壁72bを切断する。そして、切
断を終わったとき、図6(D)に示すように両側壁72
a,72bの部分が底壁73の部分に折り重なった状態
の一個の切断屑75が作られる。
【0036】狭幅の形材の場合は、その側壁を先端およ
び中央の溝14,15に嵌込むことにより第一の切断刃
24による切断が行われ、その先端側の刃部分24bが
主に溝14の側壁を切断し、基端側の刃部分24cが頂
壁と溝15の側壁とを切断する。このときは、先端縁2
4aによって分断された二個の切断屑が作られる。
【0037】いずれの場合も、先端の溝14に嵌込まれ
ている側壁72aの切断が先ず完了し、その時点で可動
ダイス21よりピストン部材31を経て往復型原動機4
5に作用する負荷が低下し、その後にもう一つの溝1
5,16に嵌込まれている側壁72bの切断が完了して
負荷がなくなる。従って、切断完了と同時に急激且つ大
幅な負荷の低下を生じることがなく、可動ダイス21は
瞬間的に高速前進することなくゆっくりと停止して切断
屑をはねとばさずに隙間19から排出する。
【0038】このように、底壁73の中央より一側方へ
片寄った個所で切断を開始し、それより両側方へ切断を
進めて側壁72a,72bの切断終わり時期を異ならせ
ることにより、切断屑をはねとばさせない、という本発
明の一つの目的が達成される。そこで、切断刃を第一の
切断刃24の一個のみとし、基端方向へ延びる二つの刃
部分24c,25cを連続した一つの刃部分として広幅
の形材71の底壁73と側壁72bとを切断させること
が考えられる。
【0039】しかし、このように長い区間を一つの刃部
分で一端から順次切断させるとき、ダイス部片12,1
3と可動ダイス21とのクリアランスが形材71の材
質、切断刃24の形状などとの関連において適正でない
と、切断刃24が形材71を変形させる際に生じるひず
み硬化指数が増大し、且つひずみ硬化は切断個所の前方
におよぶため切断が進むに従って更に指数が増大し、そ
の結果切断面に発生するだれや返りが大きくなって無視
できない変形や潰れが現われる。
【0040】本発明によると、広幅の形材71を二つの
切断刃24,25で分担して切断させており、先に切断
を開始した切断刃24の影響は後に切断を開始した切断
刃25による切断個所で途切れるため、目立った変形や
潰れをもたない切断端面を得ることができる。
【0041】一方、切断屑75は隙間19が可動ダイス
21の進入側と反対の部分で大きく開放されているので
残留することなく容易に排出され、堆積して負荷増大、
作動不良、切断刃24,25の早期損傷などを招くこと
がない。
【0042】尚、切断屑75の排出がより円滑に行われ
るように、図示の形態ではダイス部片12,13の内表
面に溝14,15,16の底近くから内端面12a,1
3aと反対側の開口に至る範囲に亘って浅いくぼみ12
b,13bを設け、これにより切断屑75が入る隙間1
9を拡げるとともに、可動ダイス21の戻しばね部材2
3をフレーム体1の基端部に配置して切断屑75が引掛
からないようにした。
【0043】また、可動ダイス21の基端近くには円弧
形にくぼませた二つの受縁27a,27bが設けてあ
り、万一過旋回したときにフレーム体1の先端部の二つ
のカラー17bにこれらの受縁27a,27bが面接触
して停止させられるようになっている。
【0044】尚また、基端側の溝16を二種類の形材に
共通の溝とし、第一の切断刃24を基端側に第二の切断
刃25を先端側に配置してもよく、更に二つの切断刃2
4,25のいずれが先に切断を開始するかは任意であ
る。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明によるとピストン
部材の小ストロークの動きで切断刃を大きく動作させる
ため、小形の往復型原動機を使用して全体が小形、軽量
で使い勝手のよい切断機とすることができる。
【0046】そして、形材の両端での切断終了時期を異
ならせたことにより、切断屑が高速度ではねとばされた
り、反対に残留堆積することなく安全且つ確実に排出さ
れるものである。
【0047】加えて、広幅の形材も切断終了時期の異な
る二つの切断刃によって目立った変形や潰れを生じさせ
ることなく切断し且つ切断屑を安全に排出させることが
できる。
【0048】更に、前記に加えてピストン部材の押圧力
を可動ダイスに円滑に伝達して安定よく旋回動させるこ
とや、圧着、曲げなどを行う多目的往復型原動機のアタ
ッチメントとしての使用が可能である、というすぐれた
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す一部切載した正面
図。
【図2】図1を下方から見た図。
【図3】図1の固定ダイス部分を右方から見た図。
【図4】図1のA−A線に沿う拡大断面図。
【図5】図4のB−B線に沿う拡大断面図。
【図6】形材を切断する工程の説明図。
【図7】従来例の斜視略図。
【符号の説明】
1フレーム体,2,3フレーム部片,8空隙,10連結
機構,11固定ダイス,12,13ダイス部片,14,
15,16溝,19隙間,21可動ダイス,22支軸,
23戻しばね部材,24,25切断刃,31ピストン部
材,37押し部片,45往復型原動機,

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空隙を設けて互いに平行に配置した二つ
    のフレーム部片を有するフレーム体と;前記各フレーム
    部片の先端部から前記空隙に連続する隙間を有して延び
    る互いに平行な二つのダイス部片に、それらの前記フレ
    ーム体の基端方向へ向けた内端面へ開放させて形材の側
    壁を嵌込む複数の溝を設けてなる固定ダイスと;基端部
    が前記空隙に嵌込まれて前記フレーム部片に旋回可能に
    軸支されているとともに先端部が前記空隙から突出して
    おり、前記先端部の前記内端面と向かい合う部分に三角
    形の切断刃を設けてなる可動ダイスと;前記空隙に基端
    側から進入して前記可動ダイスの前記旋回中心と切断刃
    との間であって前記切断刃と反対側の背面部分を押し、
    前記切断刃を前記隙間に進入させる方向へ前記可動ダイ
    スを旋回させるピストン部材と;前記切断刃を前記隙間
    から脱出させる方向へ前記可動ダイスを旋回させる戻し
    ばね部材と;を具え、前記内端面と切断刃とは前記ピス
    トン部材の戻り位置において形材を前記可動ダイス先端
    側の開放個所から前記内端面の全面へ差込み可能な間隙
    を有して向かい合っており、且つ前記切断刃は前記固定
    ダイスに装着した形材の両側方における切断終了時期を
    異ならせる形状とされている;ことを特徴とする金属製
    形材の切断機。
  2. 【請求項2】 前記切断刃は前記固定ダイスに装着した
    形材の底壁中央より一側方へ片寄った個所に先端縁が当
    たる形状とされている請求項1に記載した金属製形材の
    切断機。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した切断機において;前
    記固定ダイスは狭幅および広幅の形材に適合する二組の
    溝を具えていてそれらの一方の溝が共通とされており;
    前記可動ダイスは前記固定ダイスに装着した形材の底壁
    中央より前記共通の溝の方へ片寄った個所に先端縁が当
    たる第一の切断刃と、それより広幅の形材に適合するも
    う一方の溝の方へ寄った個所に先端縁が当たる第二の切
    断刃とが設けられている;ことを特徴とする金属製形材
    の切断機。
  4. 【請求項4】 請求項1,3のいずれかに記載した切断
    機において;前記ピストン部材の先端面と前記可動ダイ
    スの背面部分との間にこれらと面接触させて押し部片が
    設置されており、前記押し部片は回動自由且つ前記ピス
    トン部材の往復動方向へ可動に前記フレーム体に保持さ
    れている;ことを特徴とする金属製形材の切断機。
  5. 【請求項5】 請求項1,3,4のいずれかに記載した
    切断機において;前記フレーム体は前記ピストン部材を
    前記隙間に進入させる往復型原動機との着脱が可能な連
    結機構を基端部に具えている;ことを特徴とする金属製
    形材の切断機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003048113A (ja) * 2001-08-08 2003-02-18 Amada Co Ltd プレス加工機における金型装置
US10790820B2 (en) 2001-10-10 2020-09-29 Psemi Corporation Switch circuit and method of switching radio frequency signals

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