JPH1034000A - 旋回式粉砕装置及び旋回式粉砕方法 - Google Patents

旋回式粉砕装置及び旋回式粉砕方法

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JPH1034000A
JPH1034000A JP19509296A JP19509296A JPH1034000A JP H1034000 A JPH1034000 A JP H1034000A JP 19509296 A JP19509296 A JP 19509296A JP 19509296 A JP19509296 A JP 19509296A JP H1034000 A JPH1034000 A JP H1034000A
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Toshio Inoue
外志雄 井上
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】粉砕効率、粉砕仕事率及び粉砕媒体の磨耗に関
しては、振動ミルより優れて、遠心ミルとほぼ同等の特
性を発揮し、粉砕装置内壁の磨耗に関しては、遠心ミル
より少なく、振動ミルに近い特性を発揮し、鉱石、工業
原料、穀類などの粉砕に好適な粉砕装置及び粉砕方法を
提供する。 【解決手段】粉砕媒体及び被粉砕物が充填された円筒形
粉砕容器3を、複数のクランク軸4により旋回させるご
とく、絶対座標系に対して自らは回転させることなく、
その絶対座標系の原点の周りを旋回させるごとくして、
容器内部に充填された粉砕媒体及び被粉砕物に対し、遠
心力を発生させて粉砕可能とした旋回式粉砕装置におい
て、その偏心率、すなわち絶対座標系の原点の周りの旋
回直径Gの粉砕容器内径Dに対する比率G/Dが、0.
1<G/D<0.3の範囲にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉱石、工業原料、穀
類などに代表される粉粒体を粉砕するための粉砕装置の
技術分野に属し、詳しくは、その粉砕容器を複数のクラ
ンク軸により旋回させるごとく、絶対座標系に対して自
らは回転させることなく、その絶対座標系の周りを旋回
させるごとくして、容器内部に充填された粉砕媒体及び
被粉砕物に対し、遠心力を発生させて粉砕可能とした旋
回式粉砕装置に属する。
【0002】
【従来の技術】従来の、粉砕媒体及び被粉砕物が充填さ
れた円筒形(またそれに近い形状の場合もある)粉砕容
器を適宜に運動させて、容器内部の粉砕媒体及び被粉砕
物に摩砕力あるいは衝撃力を作用させ、粉砕させる粉砕
装置(なお以下に、本発明に係る旋回式粉砕装置を除い
ては、各種粉砕装置をミルと慣用表示する)としては、
転動ミル、振動ミル、遠心ミル、遊星ミル、撹拌ミルな
どがある。 上記の各種粉砕装置のうち、回転によって
生ずる遠心力を積極的に利用した粉砕装置としては、振
動ミル、遠心ミル、衝撃粉砕機(例えばハンマーミル、
ピンミル、ジェットミル)などがある。ここでは本発明
の旋回式粉砕装置に関連が深いと思われる転動ミル、振
動ミル、遠心ミルならびに遊星ミルについて述べる。転
動ミルは最も古い歴史を持ち、いまもなお最も広く使わ
れているタイプの粉砕装置である。構造は極めて単純で
あるが、粉砕仕事率が低く、大型となる。振動ミルに関
する世界初の特許は1912年(Fasting)に遡
ると思われる。以後、1930年代から1940年代に
かけて研究開発が進められ、1950年代よりある程度
普及したが、すべての工業分野に受け入れられるほどの
進展はなく、現在に至っている。現在使われている振動
ミルの多くは遠心係数(重力の加速度の遠心力の加速度
に対する比)6ないし10程度で運転されており、それ
らの多くは本発明の旋回式粉砕装置と同様の円形または
それに近い振動軌跡を有する。
【0003】遠心ミルという名称の下には現在、粉砕媒
体を用いない形式のものを含め、構造及び動作原理の全
く異なる幾種類もの粉砕機が存在するが、ここでは回転
円筒内に粉砕媒体を充填するタイプのもののみを取り上
げることとする。その一つとして、ドイツ連邦特許(D
BP 1013946)に見られるフランク リム(F
rank Limb)の発明が挙げられる。この粉砕機
は特許の表題「遊星運動によるボールミル」及び構造図
が示す限りにおいては遊星ミルに分類されると思われる
が、公転半径がミルの半径よりも小さい点より、動作形
態としては遠心ミルに近い可能性もある。しかし、この
構造様式のミルは現在までのところ、工業化された様子
がない。南アフリカのアーサ アルバート ブラッドレ
イ(Arthur Albert Bradley)に
よって研究開発された遠心ミル(南アフリカ特許願75
/5774及び76/2257)においては、G/Dの
値として0.3〜1.0が提示されている。オーストラ
リアのジョン ボイス(John Boys)によって
研究開発された遠心粉砕ミル(特願昭60ー50331
4など)は堅型、首振り運動に特徴がある。遊星ミルも
また、古い歴史を持つ粉砕装置である。構造上の制約よ
り、最近までヨーロッパ製を中心に実験室用の小型モデ
ルのみが市販されていたが微粉砕の応用分野からの要求
が高まり、工業生産用のものも現れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】粉砕技術における共通
の重要課題として、以下の項目が挙げられる。 粉砕効率の向上 粉砕仕事率の向上 粉砕装置内壁の磨耗の減少 粉砕媒体の磨耗の減少
【0005】表1に、各種粉砕装置の粉砕効率、粉砕仕
事率、粉砕装置内壁の磨耗、粉砕媒体の磨耗、設計・製
造の難易度の5項目に関する大まかな比較が表示されて
いる。
【0006】
【表1】
【0007】表1において、粉砕効率すなわち一定のエ
ネルギー消費によって得られる粉砕仕事量に関しては、
粉砕装置以外の条件に拠るところが大きく、一般に甲乙
をつけることは困難である。なお、遠心ミルならびに遊
星ミルに関しては実施例が少ないため、正確な比較はで
きない。粉砕仕事率すなわち一定の粉砕時間に対する粉
砕仕事量の大きさに関しては遠心ミルが格段の優位性を
示す。転動ミルとともに産業上広く用いられている振動
ミルは同一の遠心係数で比較した場合、遠心ミルに比べ
て粉砕仕事率は遥かに小さい。粉砕装置内壁の磨耗に関
しては振動ミルが優れている。粉砕媒体の磨耗率は内壁
の磨耗率に比して工業上の重要度が低いが、粉砕装置の
種類による本質的な差はない。粉砕装置の製造技術上の
特徴に関しては、転動ミルは大型であることによる困難
はあるものの、構造的には最も単純である。他の機種に
ついては遊星ミルと遠心ミルの設計・製造及び操作が最
も困難となっている。本発明は、表1の特性比較におい
て、遠心ミルや遊星ミルに匹敵する優れた粉砕効率及び
粉砕仕事率を保持しながら、振動ミル程度までの粉砕装
置内壁の磨耗の低減を可能とする粉砕装置の提供を目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】転動ミル、振動ミル、遠
心ミル、遊星ミルの運動を対比した場合、遊星ミルは太
陽の周りを回る遊星のように、自転と公転を行う最も一
般的な運動形式のものである。これに対して、転動ミル
は自転のみを行う最も単純な運動形式のものである。た
だし、転動ミルが太陽と異なるのは粉砕装置がそれ自
身、均一な重力場の中で運動しているということであ
る。転動ミルの内部にその容積の0.2〜0.5程度を
占める程度に充填された粉砕媒体(鋼鉄製のボールな
ど)の運動により、粉粒体の粒子が衝撃力や摩擦力を受
け、粉砕される。粉砕装置の内壁に沿って運動するボー
ルには粉砕装置本体の回転速度に伴う遠心力が作用し、
それがボールに作用する重力を越える程に回転速度を大
きくすることはできない。この限界速度によって、転動
ミルの粉砕仕事率は決定的な制約を受ける。公転半径が
粉砕装置の半径の数倍である遊星ミルにおいては、粉砕
装置の公転運動によって重力加速度の数倍から数百倍に
およぶ大きな遠心加速度を作り出し、地球上の重力の代
わりにこの遠心力によって大きな粉砕力を得ることがで
きる。粉砕装置の中心と公転の中心を結ぶ線とそれと直
交する線との座標系に目を固定すると、遊星ミルの中の
ボールの運動は転動ミルにおけるボールの運動と本質的
に(厳密には異なる点もあるが)ほぼ同じである。
【0009】振動ミルならびに遠心ミルはそれらの運動
が自転速度の絶対値が公転速度に等しく、方向が反対で
あるという点で共通している。異なるのは振幅あるいは
公転半径の範囲である。しかし、その差は粉砕装置の内
部に充填されている粉砕媒体の運動形態に対して決定的
な影響を与えることに注意する必要がある。振動ミル及
び遠心ミルにおける粉砕媒体の運動に関しては理論解析
及び実験によってある程度の解明がなされていたが、そ
の両者の中間に旋回式粉砕装置の領域が存在することに
関しては明確な認識に欠けていた。しかしながら、以下
に詳述する研究結果から本発明の旋回式粉砕装置は前記
課題を解決するための手段となり得ることが知見できた
のである。
【0010】また、図4は本装置における円筒形粉砕容
器3の運動を旋回運動における位相角0゜(上死点),
90°、180゜(下死点),270°の各瞬間におけ
る内径Dなる粉砕容器内壁を示す4つの円によって表し
たものである。図中の破線で示された直径Gなる円は粉
砕容器内壁の任意の1点Pの運動軌跡を表わす。
【0011】本発明の旋回式粉砕装置における粉砕媒体
の運動は遠心ミルのそれに似ているが、遠心ミルにおけ
る粉砕作用の大きな部分が粉砕装置の内壁とボールとの
摩擦によっているのに対して、本装置においてはボール
相互の衝突と摩擦がより大きな役割を演じていることが
図6により理解できる。この差異は表1における粉砕装
置内壁の磨耗の低減に関係し、粉砕プロセスの経済性、
粉砕に伴う不純物の混入の多少、設計・製造上の難易度
の向上に寄与するところ極めて大であると考える。この
知見は本発明の基盤研究において、近年俄に脚光を浴び
るようになった離散要素法により粉砕装置内部の粉砕媒
体(鋼鉄製ボールなど)の運動に関するコンピューター
シミュレーションを行い、粉砕装置内部におけるエネル
ギー消費に関してエネルギースペクトル密度分布、エネ
ルギー空間分布などをつぶさに調べることによって得ら
れたものである。これらの知見を基に、さらに粉砕を主
体とする一連の実験を重ね、本発明の旋回式粉砕装置の
構成に到達できたのである。
【0012】また、離散要素法によるシミュレーション
ならびに実験の結果、以下に示すように、振動ミルの数
十倍におよぶ粉砕仕事率が得られ、なおかつ遠心ミルに
比較して粉砕装置内壁の磨耗が少ない条件を特定するこ
とができた。図5は従来の振動ミルと遠心ミルの動作領
域と本発明の旋回式粉砕装置の動作領域を対比した結果
である。図中のa,b,cの領域は、aが振動ミルの、
bが本発明装置の、cが遠心ミルの主たる領域を示して
いる。なお、粉砕装置本体の形状は円筒形で、内径0.
2m、粉砕媒体は直径0.02mの鋼鉄製のボールを想
定している。粉砕装置本体は水平軸の周りに旋回するも
のとし、旋回運動の遠心係数は10である。粉砕装置消
費動力は粉砕媒体(ボール)1層あたりの仕事率で表さ
れている。振動ミルは普通G/D<0.1で設計・製造
されており、粉砕装置消費動力は比較的小さい。遠心係
数が同じでも、本発明装置及び遠心ミルの仕事率は振動
ミルに比して10倍程度大きくなっていることが分か
る。
【0013】また、粉砕装置内壁の磨耗は粉砕装置内部
における全エネルギー消費の中で粉砕媒体粒子(鋼鉄製
のボールなど)と粉砕装置内壁との摩擦によるエネルギ
ー消費がどの程度の割合を占めるか、から読み取ること
ができる。図6は離散要素法によるシミュレーションで
粉砕装置の全エネルギー消費に占める粉砕媒体と内壁と
の間での消費エネルギーの割合Ewallを調べた結果
である。図中のa,b,cの領域は、aが振動ミルの、
bが本発明装置の、cが遠心ミルの主たる領域を示して
いる。このように、Ewallは振動ミルにおいて最小
であり、遠心ミルで特に粉砕媒体充填率Jが低い場合、
Ewallは非常に大きくなり、ライニングの磨耗が過
大となることが示されている。なお、粉砕媒体充填率J
は、粉砕容器3(図3)の容積に対する充填された粉砕
媒体及び被粉砕物の体積比である。従来の振動ミルの場
合には全エネルギー消費に占める粉砕媒体粒子と粉砕装
置内壁との摩擦によるエネルギー消費の割合は5%ない
し7%に留まっているが、従来の遠心ミルにおいては最
大50%にも及ぶ場合があることが分かる。これに対し
て本発明装置では偏心率G/Dを小さく、粉砕媒体充填
率Jを大きく取れば、Ewallは振動ミルに近い水準
に抑制できることが分かる。
【0014】また、図7は粉砕媒体充填率J及び偏心率
G/Dの好適領域を図示するものである。点A−B−C
−D−Aを結ぶ線で囲まれるこの領域は、離散要素法に
よるシミュレーションの結果に基づいて総合的に決定さ
れたものであり、以下の2つの不等式によって表すこと
がことができる。 0.12<G/D<0.25、 1−3G/D≦J≦0.9 ここに、 D:粉砕容器の内径, G:粉砕媒体及び被粉砕物が充填された円筒形粉砕容器
の絶対座標系の原点の周りの旋回直径, J:粉砕容器内に占める粉砕媒体の充填率, G/D:偏心率、すなわち絶対座標系の原点の周りの旋
回直径Gの粉砕容器内径Dに対する比率
【0015】また、図8は本発明装置における円筒形粉
砕容器3の運動を調べるためのシミュレーションにおい
て、粉砕円筒及び粉砕媒体(ボール)の状態を旋回運動
における位相角0°(上死点),90°、180゜(下
死点),270°の各瞬間に捉えた結果と共に粉砕媒体
の運動を検出するための検出装置の配置を示したもので
ある。本発明装置では、粉砕媒体等が絶対座標系の原点
Oの周りを旋回して粉砕されることを特徴とするが、内
部粉砕媒体15の旋回状態は、超音波式、放射線式、音
響式、磁気式又は振動式等のセンサ17により検出する
ことができる。なお、図中、16は空洞部分である。
【0016】また、本発明の旋回式粉砕装置の粉砕効率
に関しては、現在までの実験結果では従来の転動ミルな
どのデータとほぼ同水準にあることが確認されている。
なお、離散要素法によるシミュレーション結果の比較で
は、本発明装置における粉砕媒体粒子の力学的相互作用
は従来の振動ミルや遠心ミルとほぼ同等の特性を示して
おり、また下記の文献(1)では遠心ミルの粉砕効率は
転動ミルと同等、それ以下あるいはそれ以上と報告され
ている。 文献(1)・・K.Grizina et al.:D
ie Zentrifugalmuehle−−ein
e neuartige Zerkleinerung
smaschine fuer Erze und m
ineralische Rohstoffe−−,A
ufbereitungs−Technik,Nr.
6,1981(K.グリツィーナほか 「遠心ミル−−
鉱石及び鉱物原料のための新しい粉砕機(ドイツ)「処
理技術」No.6,1981)
【0017】このように旋回ミルは振動ミルよりも大き
く、遠心ミルよりも小さい偏心率G/Dをもって、ある
程度高い粉砕媒体充填率Jにおいて運転されるように設
計・製造されることを要件とする。これによって高水準
の粉砕仕事率を確保しつつ、図7のシミュレーション結
果に示されるような粉砕媒体の安定した運動状態を保つ
ことが可能となる。また偏心率G/Dが小さいほど操作
上有利であり、その点から見て、本発明の旋回式粉砕装
置は従来の遠心ミルよりも優れているといえる。以上の
結果から、本発明の旋回式粉砕装置に関し、表1と同じ
く粉砕効率、粉砕仕事率、粉砕装置内壁の磨耗、粉砕媒
体の磨耗及び設計・製造の難易度の諸特性を表示する
と、表2のごとくなる。
【0018】
【表2】
【0019】以上の結果より、本発明の旋回式粉砕装置
は以下のごとく構成される。(図1、図2) (1)粉砕媒体及び被粉砕物が充填された円筒形粉砕容
器を、複数のクランク軸により旋回させるごとく、絶対
座標系に対して自らは回転させることなく、その絶対座
標系の原点の周りを旋回させるごとくして、容器内部に
充填された粉砕媒体及び被粉砕物に対し、遠心力を発生
させて粉砕可能とした旋回式粉砕装置において、その偏
心率、すなわち絶対座標系の原点の周りの旋回直径Gの
粉砕容器内径Dに対する比率G/Dが、 0.1<G/D<0.3 の範囲にあることを特徴とする旋回式粉砕装置。 (2)粉砕媒体及び被粉砕物が充填された円筒形粉砕容
器を、複数のクランク軸により旋回させるごとく、絶対
座標系に対して自らは回転させることなく、その絶対座
標系の原点の周りを旋回させるごとくして、容器内部に
充填された粉砕媒体及び被粉砕物に対し、遠心力を発生
させて粉砕可能とした旋回式粉砕装置において、その偏
心率、すなわち絶対座標系の原点の周りの旋回直径Gの
粉砕容器内径Dに対する比率G/Dが、0.12<G/
D<0.25の範囲にあり、かつ、その粉砕容器内に占
める粉砕媒体の充填率Jをその偏心率G/Dに対し、 1−3G/D≦J≦0.9 なる関係を充たす範囲、すなわち添付図7に示す点A−
B−C−D−Aを結ぶ線で囲まれる範囲を検出する充填
率検出手段を備えてなることを特徴とする旋回式粉砕装
置。
【0020】(3)上下対称に配設された2個の円筒形
粉砕容器が、十字状に支承する左右2個のクランク軸の
同調回転によって旋回されるごとくした構成を特徴とす
る請求項1又は2に記載の旋回式粉砕装置。 (4)粉砕媒体及び被粉砕物が充填された円筒形粉砕容
器を、複数のクランク軸により旋回させるごとく、絶対
座標系に対して自らは回転させることなく、その絶対座
標系の原点の周りを旋回させるごとくして、容器内部に
充填された粉砕媒体及び被粉砕物に対し、遠心力を発生
させて粉砕する旋回式粉砕方法において、その偏心率、
すなわち絶対座標系の原点の周りの旋回直径Gの粉砕容
器内径Dに対する比率G/Dを、0.12<G/D<
0.25の範囲とし、かつ、その粉砕容器内に占める粉
砕媒体の充填率Jをその偏心率G/Dに対し、 1−3G/D≦J≦0.9 なる関係を充たす範囲、すなわち添付図7に示す点A−
B−C−D−Aを結ぶ線で囲まれる範囲を維持して実施
することを特徴とする旋回式粉砕方法。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明装置の実施の形態を1実施
例装置の図面に基づいて説明する。図1は本発明装置の
説明用の全体側面図であって、クランク軸による駆動構
造の要部を断面図示する。図2は図1のC〜C線に沿っ
て、正面から見た断面図であり、図3は本発明装置の円
筒形粉砕容器の断面図である。また図中、1は本体フレ
ーム、2は旋回フレーム、3は円筒形粉砕容器、4はク
ランク軸、8は駆動モータ、9はアンバランスウェー
ト、10は防振ばねである。
【0022】本発明装置の本体フレーム1は形綱及び鋼
板を一体に接合して、四角箱状に形設されていて、その
前後左右の対称の4隅に立設された4個所の受け台部1
aの上部には、前後方向に並べて設置された左右2本の
クランク軸4、4を回動自在に支承する各前後2個の主
軸受5a,5aが載設されている。その主軸受5aは上
下2つ割り型の耐磨耗性合金軸受であって、以下に説明
する旋回フレーム2を該2本のクランク軸4、4に取付
け、上方から挿着し易い構成となっている。なお、図1
及び図2は、左右のクランク軸4、4の位相が上死点に
ある状態を図示しているが、図1において、該クランク
軸4の主軸中心線をA−A,クランクピン中心線をB−
Bで示す。また図2において、左右のクランク軸心を結
ぶ水平線をE−E,クランク偏心軸心を結ぶ水平線をF
−F、それぞれの中点を通る鉛直中心線をH−Hで示す
が、そのE−Eは図1のA−Aと、F−FはB−Bとそ
れぞれ対応する。
【0023】本発明装置は粉砕媒体及び被粉砕物を充填
した円筒形粉砕容器を、複数のクランク軸により旋回さ
せる構成を特徴とするが、そのために、前記の水平線F
−F及び鉛直中心線H−Hのいずれに対しても対称的な
6角形状の旋回フレーム2を形設し、その旋回フレーム
2の鉛直中心線H−H上にあって、水平線F−Fに対し
上下対称位置に2個の円筒形粉砕容器3、3を設置し、
一方その水平線F−F上にあって、鉛直線H−Hに対し
左右対称位置に2個の左右2つ割り型の耐磨耗性合金軸
受からなる偏心軸部軸受5b、5bを配設し、左右のク
ランク軸4、4の偏心軸部に嵌合させて、旋回フレーム
2を十字状にバランスよく支承させ、左右のクランク軸
4、4の同調回転によって旋回させるごとくしている。
なお、その旋回フレーム2は前後2枚のフレーム板2
a、2aの4隅に連結パイプ2bを介挿して一体に締結
されている。また、クランク軸4の中央軸部には、半円
体と締付キャップからなる2つ割のアンバランスウェー
ト9の4体が一体に締結されていて、旋回フレーム2の
旋回運動による本体フレーム1の遠心力の作用が最小と
なるように調整可能となっている。また、本体フレーム
1の底部1b及びその背面に突設された張出しブラケッ
ト11と据付基板12との間には複数個の防振スプリン
グ10が介挿されて、本体フレーム1の振動が建屋や他
の機械装置に伝わることを防止している。
【0024】円筒形粉砕容器3は内径Dの鋼板製筒体3
aの表側にフランジ3bを、裏側にリング3cをそれぞ
れ一体に接合して形成され、フランジ3bの前部は仕切
板14を介挿して表蓋13でカバーされるごとくなり、
またリング3cも仕切板16を介挿して底蓋15でカバ
ーされるごとくなっている。仕切板14,16には、盲
板と多孔板とがあり、用途によっては使い分けることが
できる。従って、裏側のリング3cに仕切板16と底蓋
15を締付けて閉止し、表側を上にして直立状態にし、
表側から粉砕媒体17を充填する。なお、粉砕媒体等の
充填量は慣用的な計量手段で調べることができるが、本
発明装置の偏心率G/Dに対して、該装置特有の粉砕仕
事率を保証するためには、その粉砕媒体充填率Jが1−
3G/D≦J≦0.9となるように充填することが望ま
しい。充填完了後に表側の仕切板14と表蓋13を締付
けて封止する。前記の粉砕媒体17が充填された容器3
は、本装置の旋回フレーム2に貫孔された表裏2ケ所の
取付穴2c,2cに円形スリーブ20,20とストップ
リング21を介して取付けられ、粉砕作業に供される。
粉砕作業終了後は該容器3は旋回フレーム2から取り外
され、表側を上にして吊り下げられて、表側の底蓋15
と仕切板16を取外して被粉砕物17を取出す。なお、
19はセンサである。
【0025】また、本体フレーム1の後方には上下方向
に調整自在のモータ支持ブラケット8aが突設されてい
て駆動用モータ8を載置している。モータの駆動軸8b
と左右2本のクランク軸4、4の後端との間は慣用の伝
動手段6で連結されている。すなわち、駆動軸8bには
2個の小径で同径のプーリ7c,7cが連結され、左右
2本のクランク軸4,4の後端には、大径で同径のプー
リ7a,7bがそれぞれ連結され、プーリ7cと7a、
プーリ7cと7bの間にはそれぞれタイミングベルト
7,7が掛け渡されている。かくして、左右のクランク
軸4,4は同調回転し、保持された旋回フレーム2は座
標軸E−E、H−Hからなる絶対座標系の原点Oの周り
を旋回直径G(=クランク軸4の回転直径)でもって旋
回する。
【0026】本発明の旋回式粉砕装置は、通常の粉砕の
外、自生粉砕(被粉砕物それ自身の運動エネルギーを利
用して自らを粉砕すること)、粉粒体の混合、捏和、分
散、あるいはメカノケミカル反応に対しても応用でき
る。本発明の装置は粉砕容器の高速旋回運動の効果によ
り、転動ミルや振動ミルに比較して遥かに高い仕事率が
得られるという特性を有している。この特性を利用して
本装置は通常の粉砕のみならず、自生粉砕(被粉砕物そ
れ自身の運動エネルギーを利用して自らを粉砕するこ
と)、粉粒体の混合、捏和、分散、あるいはメカノケミ
カル反応に対しても応用できる。
【0027】
【発明の効果】本発明の旋回式粉砕装置は、粉砕媒体及
び被粉砕物が充填された円筒形粉砕容器を、複数のクラ
ンク軸により旋回させるごとく、絶対座標系に対して自
らは回転させることなく、その絶対座標系の周りを旋回
させるごとくして、容器内部に充填された粉砕媒体及び
被粉砕物に対し、遠心力を発生させて粉砕可能とした旋
回式粉砕装置において、その偏心率、すなわち絶対座標
系の周りを旋回直径Gの粉砕容器内径Dに対する比率G
/Dが、 0.1<G/D<0.3 の範囲にあるごとくし、かつまた、その特有の粉砕仕事
率を保証するために、その粉砕容器に占める粉砕媒体の
充填率Jを、0.12<G/D<0.25の偏心率G/
Dに対し、 1−3G/D≦J≦0.9 なる関係を充たす範囲内で調整することにより、高水準
の粉砕仕事率を確保しつつ、粉砕媒体の安定した運動状
態を保つことが可能となった。その結果、本発明装置は
粉砕効率、粉砕仕事率及び粉砕媒体の磨耗に関しては、
振動ミルより優れて、遠心ミルとほぼ同等の特性を発揮
可能であり、粉砕装置内壁の磨耗に関しては遠心ミルよ
り少なく、振動ミルに近い特性を発揮可能である。 ま
た偏心率G/Dが小さいほど操作上有利であり、設計・
製造の難易度の点から見ても、本発明の旋回式粉砕装置
は従来の遠心ミルよりも優れているといえるから、鉱
石、工業原料、穀類などの粉砕技術分野に対する大きな
貢献が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の説明用の全体側面図。
【図2】図1のC〜C線に沿って、正面から見た断面
図。
【図3】本発明装置の円筒形粉砕容器の断面図。
【図4】円筒形粉砕容器の旋回運動の説明図である。
【図5】粉砕装置のエネルギー消費に対する偏心率G/
D及び粉砕媒体充填率Jの影響のグラフである。
【図6】粉砕装置内壁エネルギー消費率に対する偏心率
G/D及び粉砕媒体充填率Jの影響のグラフである。
【図7】本発明装置における粉砕媒体充填率J及び偏心
率G/Dの好適な領域を示すグラフである。
【図8】円筒形粉砕容器内部における粉砕媒体の旋回状
態を示す説明図である。
【符号の説明】
1:本体フレーム、 1a:受け台部, 1b:本体フ
レーム1の底部,2:旋回フレーム、 2a:フレーム
板、2b:連結パイプ,2c:取付穴、3:円筒形粉砕
容器、3a:鋼板製筒体,3b:フランジ、 3c:リ
ング,4:クランク軸、 5a:主軸受, 5b:
偏心軸部軸受,6:伝動手段,7:タイミングベルト、
7a,7b,7c:プーリ、8:駆動モータ、8a:調
整自在のモータ支持ブラケット,8b:モータの駆動
軸,9:アンバランスウェート、10:防振ばね,1
1:背面に突設された張出しブラケット,12:据付基
板,13:表蓋,14:仕切板,15:底蓋,16:仕
切板,17:粉砕媒体18:空洞部分19:センサ,2
0:円形スリーブ,21:ストップリング,A−A,E
−E:クランク主軸の軸心を結ぶ水平線,B−B,F−
F:クランクピンの軸心を結ぶ水平線,H−H:中点を
通る鉛直中心線,D:粉砕容器内径,G:絶対座標系の
周りの旋回直径,O:絶対座標系の原点,P:粉砕容器
の内壁の1点

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉砕媒体及び被粉砕物が充填された円筒形
    粉砕容器を、複数のクランク軸により旋回させるごと
    く、絶対座標系に対して自らは回転させることなく、そ
    の絶対座標系の原点の周りを旋回させるごとくして、容
    器内部に充填された粉砕媒体及び被粉砕物に対し、遠心
    力を発生させて粉砕可能とした旋回式粉砕装置におい
    て、その偏心率、すなわち絶対座標系の原点の周りの旋
    回直径Gの粉砕容器内径Dに対する比率G/Dが、 0.1<G/D<0.3 の範囲にあることを特徴とする旋回式粉砕装置。
  2. 【請求項2】粉砕媒体及び被粉砕物が充填された円筒形
    粉砕容器を、複数のクランク軸により旋回させるごと
    く、絶対座標系に対して自らは回転させることなく、そ
    の絶対座標系の原点の周りを旋回させるごとくして、容
    器内部に充填された粉砕媒体及び被粉砕物に対し、遠心
    力を発生させて粉砕可能とした旋回式粉砕装置におい
    て、その偏心率、すなわち絶対座標系の原点の周りの旋
    回直径Gの粉砕容器内径Dに対する比率G/Dが、 0.12<G/D<0.25の範囲にあり、かつ、その
    粉砕容器内に占める粉砕媒体の充填率Jをその偏心率G
    /Dに対し、 1−3G/D≦J≦0.9 なる関係を充たす範囲、すなわち添付図7に示す点A−
    B−C−D−Aを結ぶ線で囲まれる範囲を検出する充填
    率検出手段を備えてなることを特徴とする旋回式粉砕装
    置。
  3. 【請求項3】上下対称に配設された2個の円筒形粉砕容
    器が、十字状に支承する左右2個のクランク軸の同調回
    転によって旋回されるごとくした構成を特徴とする請求
    項1又は2に記載の旋回式粉砕装置。
  4. 【請求項4】粉砕媒体及び被粉砕物が充填された円筒形
    粉砕容器を、複数のクランク軸により旋回させるごと
    く、絶対座標系に対して自らは回転させることなく、そ
    の絶対座標系の原点の周りを旋回させるごとくして、容
    器内部に充填された粉砕媒体及び被粉砕物に対し、遠心
    力を発生させて粉砕する旋回式粉砕方法において、その
    偏心率、すなわち絶対座標系の原点の周りの旋回直径G
    の粉砕容器内径Dに対する比率G/Dを、 0.12<G/D<0.25の範囲とし、かつ、その粉
    砕容器内に占める粉砕媒体の充填率Jをその偏心率G/
    Dに対し、 1−3G/D≦J≦0.9 なる関係を充たす範囲、すなわち添付図7に示す点A−
    B−C−D−Aを結ぶ線で囲まれる範囲を維持して実施
    することを特徴とする旋回式粉砕方法。
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