JPH10339854A - ポリウレタン眼装着用レンズ材料及びポリウレタン眼装着用レンズ - Google Patents

ポリウレタン眼装着用レンズ材料及びポリウレタン眼装着用レンズ

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JPH10339854A
JPH10339854A JP9151418A JP15141897A JPH10339854A JP H10339854 A JPH10339854 A JP H10339854A JP 9151418 A JP9151418 A JP 9151418A JP 15141897 A JP15141897 A JP 15141897A JP H10339854 A JPH10339854 A JP H10339854A
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lens
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polyurethane
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JP9151418A
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Yoshitaka Kitahara
義孝 北原
Kazuaki Kato
和明 加藤
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的に透明でかつ硬度の高いポリウレタン
からなる、機械的強度に優れた眼装着用レンズ材料及び
それを用いた眼装着用レンズの提供。 【解決手段】一般式(I)で示される繰り返し単位を5
〜25重量%含有し、ウレタン結合濃度が10〜30重
量%であり、上記一般式(I)で示される繰り返し単位
以外に環状構造を含む繰り返し単位を含み、3次元網目
構造を有し、実質的にシロキサンを含有しないポリウレ
タンからなる眼装着用レンズ材料。 【化1】 (式中、Xは-C(CH3)2-であり、R1及びR2は水素原子また
はメチル基であり、R3〜R10は水素原子であり、m及びn
は、0〜5の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は眼装着用レンズ材
料、及び眼装着用レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角
膜などの、生体と接触した状態で使用される眼装着用レ
ンズ材料は、光学特性が優れていることはもちろんのこ
と、十分な安全性を有することが必要条件となる。その
中でも、眼球上へ装着して用いるコンタクトレンズなど
に使用される眼装着用レンズ材料は、脱着時の取り扱い
中、あるいは装着時の衝撃に耐えることが要求される。
【0003】現在一般的に使用されているコンタクトレ
ンズは、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレ
ンズとに大別される。ソフトコンタクトレンズは水を含
む高分子ゲルあるいは水を含まないシリコーンゴムに代
表されるエラストマーからなる。高分子ゲルは、その柔
軟性と湿潤性から装用感はよいが、汚れがつき易い、視
力矯正能が劣るなどの問題がある。またエラストマー
は、水に由来する細菌等の付着がなく安全で、ハードコ
ンタクトレンズよりは装用感がよいが、そのゴム弾性に
よる角膜への固着などの問題がある。一方、ハードコン
タクトレンズは、硬質な高分子材料からなり、水に由来
する細菌等の付着がなく安全で、視力矯正能に優れてい
るが、装用感に劣る。ハードコンタクトレンズの材料
は、当初、光学特性に優れたポリメチルメタクリレート
が主流であった。しかし、酸素透過性の低さから近年で
は酸素透過性を改良したシロキサン系モノマーあるいは
フッ素系モノマー等を共重合した高酸素透過性ポリマー
が開発され、広く使用されている。
【0004】しかしながら、これらの高酸素透過性ポリ
マーは、シリコーン系モノマーやフッ素系モノマーの配
合量の増加に伴い機械的強度が低下する傾向がある。そ
のため、脱着時の取り扱い中、あるいは装着時の必要強
度を維持することを目的として、レンズ肉厚を厚くせざ
るをえず、装用感をより一層悪くしている。
【0005】ところで、ポリウレタンは主鎖中の繰り返
し単位にウレタン結合を有するポリマーである。ポリウ
レタンは、そのウレタン結合の持つ強い凝集エネルギー
のため、結晶化しやすく光学的透明になりにくいが、そ
の一方で機械的強度を初めとする機械特性が良好である
ことが一般に知られている。このような特徴を有するポ
リウレタンを材料としたコンタクトレンズが特開昭50
−83468号公報及び特開平2−115817号公報
に提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭50−83468号公報に記載のコンタクトレンズ
は、少なくとも吸水率20%の含水ゲルからなる柔軟な
レンズである。また、前記特開平2−115817号公
報に記載のコンタクトレンズは、エラストマーからなる
柔軟なレンズである。このようにポリウレタンによるソ
フトコンタクトレンズは提案されているものの、ハード
コンタクトレンズについては未だ提案されていないのが
現状である。これは以下の技術的事情による。従来のポ
リウレタンを用いてハードコンタクトレンズに必要な硬
度を得るためには、ウレタン結合の濃度を高くする必要
がある。ところが、ウレタン結合の濃度を高くすると結
晶化を起こしコンタクトレンズに必要不可欠な光学的透
明性が得られない。即ち、単にウレタン結合の濃度を高
くしただけでは、光学的透明性を有するコンタクトレン
ズに適した材料は得られないという事情がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、光学的に透明で
かつ硬度の高いポリウレタンからなる、機械的強度に優
れた新規な眼装着用レンズ材料及びそれを用いた新規な
眼装着用レンズを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のとおり
である。 [請求項1] 一般式(I)で示される繰り返し単位を
5〜25重量%含有し、ウレタン結合濃度が10〜30
重量%であり、上記一般式(I)で示される繰り返し単
位以外に環状構造を含む繰り返し単位を含み、3次元網
目構造を有し、実質的にシロキサンを含有いないポリウ
レタンからなる眼装着用レンズ材料。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Xは直接結合、-CH2-、-C(CH3)2-、
-C(CF3)2-、-S(=O) 2-、-S-、または-NH-であり、R1
びR2は、独立に、水素原子またはメチル基(但し、どち
らか一方は水素原子である)であり、R3〜 R10は、独立
に、水素原子またはフッ素原子であり、m及びnは、独立
に、0〜5の整数である。) [請求項2] 12kg・cm以上の破壊エネルギーを有する
請求項1記載のレンズ材料。 [請求項3] 0.02kgf/mm2以上の硬度を有する請求項
1または2記載のレンズ材料。 [請求項4] 一般式(I)で示される繰り返し単位に
含まれる環状構造以外の環状構造がシクロアルキル基ま
たはフェニル基である請求項1〜3のいずれか1項に記
載のレンズ材料。 [請求項5] 一般式(I)において、Xが-C(CH3)2-
であり、R3〜R10の全てが水素である請求項1〜4のい
ずれか1項に記載のレンズ材料。 [請求項6] 一般式(I)において、m+nが0〜5
の整数である請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズ
材料 [請求項7] 下記A、B及びC成分を含有するモノマ
ー混合物を重付加反応させることにより得られる、実質
的にシロキサンを含有しないポリウレタンからなること
を特徴とする眼装着用レンズ材料。 成分A:一般式(II)で示されるジオール化合物 成分B:水酸基1個あたりの分子量が75〜300であ
る3価以上のポリオール化合物 成分C:分子内に環状構造を有する2価以上のポリイソ
シアネート化合物
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Xは直接結合、-CH2-、-C(CH3)2-、
-C(CF3)2-、-S(=O) 2-、-S-、または-NH-であり、R1
びR2は、独立に、水素原子またはメチル基(但し、どち
らか一方は水素原子である)であり、R3〜 R10は、独立
に、水素原子またはフッ素原子であり、m及びnは、独立
に、0〜5の整数である。) [請求項8] 成分Aの一般式(II)において、Xが-C
(CH3)2-であり、R3〜R10が水素である請求項7に記載
のレンズ材料。 [請求項9] 成分Aの一般式(II)において、m+n
が0〜5の整数である請求項7または8に記載のレンズ材
料。 [請求項10] 光学的に透明である請求項1〜9のいず
れかに記載のレンズ材料。 [請求項11] 請求項1〜10のいずれかに記載のレン
ズ材料からなることを特徴とする眼装着用レンズ。 [請求項12] コンタクトレンズである請求項11記載
のレンズ。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の眼装着用レンズ材料は、前記A、B及びC成分
を含有するモノマー混合物を重付加反応させることによ
り得られる。本発明の眼装着用レンズ材料は、実質的に
シロキサンを含有しないポリウレタンからなることを特
徴とする。
【0014】本発明のレンズ材料は、2つのベンゼン環
が直接あるいは1つの原子を介して結合している骨格を
有する一般式(I)で示される繰り返し単位を含むこと
を特徴とし、ポリウレタンに機械的強度を付与するとと
もに光学的透明性を妨げるポリウレタンの結晶化防止に
寄与している。一般式(I)、Xは直接結合、-CH2-、-C
(CH3)2-、-C(CF3)2-、-S(=O) 2-、-S-、または-NH-であ
るが、好ましくは、Xが-C(CH3)2-である。Xが-C(CH3)
2-であることで、より効果的に機械的強度を付与できる
という利点がある。R1及びR2は、いずれも水素原子であ
るか、またはいずれか一方がメチル基であり、他方が水
素原子である。R3〜 R10は、独立に、水素原子またはフ
ッ素原子であるが、好ましくはR3〜R10の全てが水素
である。R3〜R10の全てが水素であることでより効果
的に機械的強度を付与できるという利点である。m及びn
は、独立に、0〜5の整数であり、但し、m+nは0〜10の整
数であるが、m+nは好ましくは0〜5の整数である。
m及びnが、前記範囲内にあることで、ポリウレタン主鎖
の運動性を抑制してウレタン結合同士の相互作用に起因
する結晶化を抑制でき、眼装着用レンズ材料として十分
な光学的透明性が得られる。
【0015】一般式(I)で示される繰り返し単位を5
〜25重量%含有する。一般式(I)で示される繰り返
し単位の含有量が5重量%未満では、有効量に足りない
ため、十分な機械的強度が得られず、また25重量%を
超えると、鎖が剛直(リジッド)になりすぎて十分な機
械的強度が得られない。一般式(I)で示される繰り返
し単位の含有量は、好ましくは65〜20重量%であ
る。本発明のレンズ材料は、ウレタン結合濃度が10〜
30重量%である。ウレタン結合濃度が10重量%未満
では、十分な硬度及び機械的強度が得られず、30重量
%を超えると、光学的透明性が得られない。ウレタン結
合濃度は、好ましくは12〜27重量%である。
【0016】本発明のレンズ材料は、上記一般式(I)
で示される繰り返し単位以外に環状構造を含む繰り返し
単位を含む。環状構造を含む繰り返し単位に含まれる環
状構造としては、シクロアルキル基またはフェニル基を
挙げることができ、シクロアルキル基は、例えば、シク
ロヘキシル基である。一般式(I)で示される繰り返し
単位以外にこのような環状構造を含む繰り返し単位を含
むことで、より硬度を高めることができるという利点が
ある。環状構造を含む繰り返し単位に含まれる環状構造
の含有量は、例えば、5〜35重量%の範囲であること
ができる。
【0017】本発明のレンズ材料は、3次元網目構造を
有する。3次元網目構造を有することで、コンタクトレ
ンズ、特に硬質コンタクトレンズ、に必要とされる機械
的強度を有することができるようになる。本発明のレン
ズ材料が有する3次元網目構造は、その構成成分に制限
はなく、レンズ材料が一定以上の破壊エネルギーを有す
るような構造であればよい。レンズ材料が、3次元網目
構造に起因して有する破壊エネルギーは、12kg・cm以上
であることが適当である。12kg・cm以上の破壊エネルギ
ーを有することで、実用に耐え得る機械的強度のコンタ
クトレンズを提供することができる。好ましくは、破壊
エネルギーは、14kg・cm以上である。破壊エネルギー
は、高ければ、それだけ機械的強度は高まるが、その他
の物性とのバランスを考慮すると、上限は約20kg・cm
である。尚、前記破壊エネルギーは、東洋精機製作所製
ダインスタッドテスターを用いて、厚さ5mmの試料に
ついて測定した時の結果である。本発明のレンズ材料
は、硬質のコンタクトレンズ用の材料という観点から
は、硬度(ビッカース硬度)が、例えば、0.02kgf/mm2
以上、0.04kgf/mm2以下であることが適当である。但
し、これに限定されるものではない。本発明のレンズ材
料は、さらに、吸光特性を改良するため、紫外線吸収
剤、色素、顔料等、耐候性を改良するため、酸化防止
剤、着色防止剤等の添加剤を適宜含むこともできる。
【0018】本発明のポリウレタン眼装着用レンズ材料
の原料となるモノマー混合物を構成する第1の成分であ
る一般式(II)として示されるジオール化合物(A成
分)は、2つのベンゼン環が直接あるいは1つの原子を
介して結合している骨格を有することを特徴とし、ポリ
ウレタンに機械的強度を付与するとともに光学的透明性
を妨げるポリウレタンの結晶化防止に寄与している。一
般式(II)において、m及びnは、独立に、0〜5の整
数であり、好ましくはm及びnは、独立に0〜5の整数
であり、かつm+nは0〜5の整数であることが適当で
ある。この範囲外では、ポリウレタン主鎖の運動性が高
くなることによりウレタン結合同士の相互作用が起こり
結晶化を引き起こすが、上記範囲内であれば、眼装着用
レンズ材料として十分な光学的透明性が得られる。
【0019】A成分として使用される一般式(II)で示
されるジオール化合物の好ましい具体例としては、以下
のものが挙げられる。
【0020】
【化5】(構造式群1)
【0021】
【化6】
【0022】一般式(II)で示されるジオール化合物に
おいて特に好ましいものとして以下のものが挙げられ
る。
【0023】
【化7】(構造式群2)
【0024】本発明のポリウレタン眼装着用レンズ材料
の原料となるモノマー混合物を構成する第2の成分であ
る上記B成分として示されるポリオール化合物は、3価
以上の水酸基を有することを特徴とし、ポリウレタンに
架橋構造を導入するとともにポリウレタンの柔軟化防止
に寄与する。成分Bとして示されるポリオール化合物に
おいて、水酸基1個あたりの分子量が75〜300であ
ることが望ましい。水酸基1個あたりの分子量が75よ
り小さい場合、ポリオール化合物自身の結晶性が高く常
温において固体であるか、液体であっても非常に粘度が
高い傾向にあるため、他のモノマー成分との相溶性が悪
く光学的に均一なポリウレタンが得られない。また水酸
基1個あたりの分子量が300より大きい場合、架橋点
間距離が長くなるため、十分な硬度を有するポリウレタ
ンが得られない。尚、B成分として示されるポリオール
化合物の水酸基の価数は、8価であるが、好ましくは3〜
6の範囲である。B成分として使用されるポリオール化
合物の好ましい具体例としては、以下のものが挙げられ
る。
【0025】
【化8】(構造式群3)
【0026】前記ポリオール化合物において特に好まし
いものとして以下のものが挙げられる。
【0027】
【化9】(構造式群4)
【0028】本発明のポリウレタン眼装着用レンズ材料
の原料となるモノマー混合物を構成する第3の成分であ
る上記C成分として示されるポリイソシアネート化合物
は、環状構造と2価以上のイソシアネート基を有するこ
とを特徴とし、ポリウレタンの柔軟化防止に寄与してい
る。C成分として使用されるポリイソシアネート化合物
の好ましい具体例としては、キシリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソ
シアナートメチル)シクロヘキサン、1,4−ジイソシ
アナートシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−
4,4′−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、
1,3,5−トリス(イソシナートメチル)シクロヘキ
サン、等が挙げられる。前記ポリイソシアネート化合物
において特に好ましいものは、イソホロンジイソシアネ
ート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘ
キサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシ
アネート、1,3,5−トリス(イソシナートメチル)
シクロヘキサンである。
【0029】モノマー混合物中のA、B及びC成分の使
用割合は、水酸基とイソシアネート基のモル比率が0.
5から1.5の範囲内、好ましくは0.99から1.1
0の範囲内が望ましい。この範囲外では、重付加反応に
より得られたポリウレタンが未反応モノマーにより膨潤
し、眼装着用レンズ材料としての物性が得られなくな
る。また、一般式(II)のポリオール化合物(成分A)と成
分Bのポリオール化合物の比率(A/B)は、OH比で80/20〜5
/95の範囲であることが十分な光学的透明性及び機械的
強度を得るという観点から適当である。
【0030】A、B及びC成分の他に第4成分として、
アミノ基、メルカプト基等の水酸基以外の活性水素基を
有する化合物、A及びB成分に属さないポリオール化合
物あるいはC成分に属さないポリイソシアネート化合物
をそれぞれ適宜用いても差し支えない。しかし、これら
化合物の使用量は全モノマー混合物の10wt%以下と
することが、本発明のレンズ材料の物性を損なわないと
いう観点から望ましい。A、B及びC成分以外の化合物
が、全モノマー混合物の10wt%を超えると目的とす
る物性が得られ難くなる傾向がある。また前記の場合
は、水酸基を含む全活性水素基とイソシアネート基のモ
ル比率が0.5から1.5の範囲内が望ましい。さら
に、吸光特性を改良するため、紫外線吸収剤、色素、顔
料等、耐候性を改良するため、酸化防止剤、着色防止剤
等の添加剤を適宜加えてもよい。
【0031】また、本発明のレンズ材料は、重合の際
に、重付加反応性向上のために触媒を適宜使用して得ら
れたものであることもできる。触媒としては、例えば、
アミン化合物、有機金属化合物等が効果的である。具体
的には、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラ
ミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサ
ン、4,4′−トリメチレンビス(1−メチルピペリジ
ン)、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−7−
ウンデセン、ポリ(N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート)、ポリ(N,N−ジメチルアミノブチルメ
タクリレート)、ジメチルスズジクロライド、ジメチル
スズビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジブチル
スズジクロライド、ジブチルスズジラウレート、ジブチ
ルスズマレエート、ジブチルスズマレエートポリマー、
ジブチルスズジリシノレート、ジブチルスズビス(ドデ
シルメルカプチド)、ジブチルスズビス(イソオクチル
チオグリコレート)、ジオクチルスズジクロライド、ジ
オクチルスズマレエート、ジオクチルスズマレエートポ
リマー、ジオクチルスズビス(ブチルマレエート)ジオ
クチルスズジラウレート、ジオクチルスズジリシノレー
ト、ジオクチルスズジオレエート、ジオクチルスズジ
(6−ヒドロキシ)カプロエート、ジオクチルスズビス
(イソオクチルチオグリコレート)、ジドデシルスズジ
リシノレート、オレイン酸銅、アセチルアセトン酸銅、
アセチルアセトン酸鉄、ナフテン酸鉄、乳酸鉄、クエン
酸鉄、グルコン酸鉄、オクタン酸カリウム、チタン酸2
−エチルヘキシル等が挙げられる。上記触媒は、1種の
みで使用しても、2種以上を組み合わせて使用しても有
効である。触媒の使用量は、使用するモノマーの種類や
モノマー混合物の組成等を考慮して適宜決定できるが、
例えば、イソシーネート基(NCO)当たり、0〜5モル%の
範囲とすることが適当でる。
【0032】本発明の眼装着用レンズ材料は、効率的な
製造という観点からは、塊状重合による製造方法が好ま
しいが、必要に応じて溶液重合により製造することもで
きる。一例として本発明の眼装着用レンズ材料の塊状重
合による製造方法について以下に説明する。上記A成
分、B成分及びC成分、さらに必要により添加剤や触媒
を含む均一混合物を、ガラス製、金属製または樹脂製の
型やパイプ等に注入し、加熱して硬化させる。加熱温度
は用いるモノマーあるいは触媒により異なるが、一般に
は−20〜160℃の範囲であり、加熱時間は0.5〜
120時間とすることが適当である。また、この時用い
る型やパイプ等は、材料製造後の眼装着用レンズへの加
工方法により適宜選択できる。
【0033】本発明の眼装着用レンズ材料は、いずれ
も、光学的に透明であり、ここで光学的に透明とは、可
視光線透過率が85%以上である場合を意味する。
【0034】本発明の眼装着用レンズは、例えば、コン
タクトレンズである。本発明の眼装着用レンズは、前記
の本発明の眼装着用レンズ材料からなり、種々の成形方
法により、所望の形状の眼装着用レンズを成形すること
ができる。成形方法としては、例えば、所望の眼装着用
レンズ形状に対応した型内で、前記塊状重合を行い、必
要に応じて仕上げ研磨するキャスト法や、棒状の材料か
ら切削、研磨するレースカット法等がある。そのうちキ
ャスト法では、モノマー成分の使用量が低減できるとと
もに、製造工程が少なくなるという利点がある。
【0035】さらに、前記のごとく成形して得られた眼
装着用レンズに対して、必要に応じて、公知の表面処理
を施してもよい。例えば、プラズマによる表面処理で
は、従来から知られている手法及び装置が用いられ、空
気、酸素、水素、窒素、二酸化炭素等のガスあるいはヘ
リウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下、
圧力約0.1ミリから10トール、出力約2から100
ワットの条件下にて、数秒から数十分処理される。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。なお、実施例及び比較例における各物性の評価
は次の方法で行なった。 (イ)透明性(光線透過率) 日立製作所製自動分光光度計330型を用いて、厚さ
1.0mmの試料について光線透過率を測定した。 (ロ)光学歪 シュリーレン法による目視観察を行なった。歪の無いも
のは○、歪のあるものはラとした。 (ハ)剛直性(硬度) 明石製作所製マイクロビッカース硬度計MVK−E型を
用いて測定した。なお柔軟で測定できなかった場合はラ
とした。 (ニ)機械的強度(破壊エネルギー) 東洋精機製作所製ダインスタッドテスターを用いて、厚
さ5mmの試料について測定した。
【0037】実施例1 ビスフェノールA・プロピレンオキサイド5モル付加体
(BPA5PO)0.3mol、グリセリン・プロピレン
オキサイド3モル付加体(GL3PO)0.8mol、イ
ソホロンジイソシアネート(IPDI)1.5mol及び
ジブチルスズジクロライド(DBTDC)7.5ラ10
-4molの混合物を、ガラス製成形型に注入し型を密閉し
た後、50℃で10時間、その後60℃で5時間、さら
に120℃で3時間加熱重合させた。その後室温まで冷
却し成形型から取り出すことによりポリウレタンからな
る眼装着用レンズ材料を得た。得られた眼装着用レンズ
材料の諸物性を表1に示す。また、この眼装着用レンズ
材料を通常の加工技術を用いて加工しコンタクトレンズ
を作製した。作製したコンタクトレンズの諸物性も表1
に示す。表1から、本実施例1の眼装着用レンズ材料及
びコンタクトレンズは、硬質で、機械的強度が高く、光
学的透明性に優れ、光学歪の無いものであった。
【0038】実施例2〜9 表1に示したモノマー組成物及び触媒を使用し、重合条
件及び材料加工方法を適宜変更した以外は実施例1と同
様の操作を行ない、眼装着用レンズ材料及びコンタクト
レンズを得た。これらの諸物性を、実施例1の眼装着用
レンズ材料及びコンタクトレンズの諸物性とともに表1
に示す。表1から、本実施例2〜9の眼装着用レンズ材
料及びコンタクトレンズも、硬質で、機械的強度が高
く、光学的透明性に優れ、光学歪の無いものであった。
【0039】比較例1 メチルメタクリレート(MMA)0.8mol、エチレン
グリコールジメタクリレート(EDMA)0.016mo
l、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)8ラ10-4
molの混合物を、ガラス製成形型に注入し型を密閉した
後、50℃で10時間、その後60℃で5時間、さらに
120℃で3時間加熱重合させた。その後室温まで冷却
し成形型から取り出すことによりPMMA重合体を得
た。得られたPMMA重合体の諸物性を表1に示す。ま
た、このPMMA重合体を通常の加工技術を用いて加工
しコンタクトレンズを作製した。作製したコンタクトレ
ンズの諸物性も表1に示す。表1から、本比較例1のP
MMA重合体及びコンタクトレンズは、硬質で、光学的
透明性に優れ、光学歪の無いものであったが、機械的強
度が本発明の眼装着用レンズ材料に比べ劣るものであっ
た。
【0040】比較例2〜4 表1に示したモノマー組成物及び触媒を使用し、実施例
1と同様の操作を行ない、眼装着用レンズ材料及びコン
タクトレンズを得た。これらの諸物性を表1に示す。比
較例2の眼装着用レンズ材料及びコンタクトレンズは機
械的強度が劣るものであった。比較例3及び4の眼装着
用レンズ材料は、どちらも柔軟なエラストマーで、比較
例3では光学的透明性も劣るものであった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明のポリウレタンからなる眼装着用
レンズ材料は、光学的に透明で、硬度が高く、かつ機械
的強度が優れていることにより、従来の材料では強度が
低いため実現できなかった、肉薄の硬質眼装着用レンズ
の提供が可能となる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示される繰り返し単位を
    5〜25重量%含有し、ウレタン結合濃度が10〜30
    重量%であり、上記一般式(I)で示される繰り返し単
    位以外に環状構造を含む繰り返し単位を含み、3次元網
    目構造を有し、実質的にシロキサンを含有しないポリウ
    レタンからなる眼装着用レンズ材料。 【化1】 (式中、Xは直接結合、-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-
    S(=O) 2-、-S-、または-NH-であり、R1及びR2は、独立
    に、水素原子またはメチル基(但し、どちらか一方は水
    素原子である)であり、R3〜 R10は、独立に、水素原子
    またはフッ素原子であり、m及びnは、独立に、0〜5の整
    数である。)
  2. 【請求項2】 12kg・cm以上の破壊エネルギーを有する
    請求項1記載のレンズ材料。
  3. 【請求項3】 0.02kgf/mm2以上の硬度を有する請求項
    1または2記載のレンズ材料。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で示される繰り返し単位に
    含まれる環状構造以外の環状構造がシクロアルキル基ま
    たはフェニル基である請求項1〜3のいずれか1項に記
    載のレンズ材料。
  5. 【請求項5】 一般式(I)において、Xが-C(CH3)2-
    であり、R3〜R10が水素である請求項1〜4のいずれか
    1項に記載のレンズ材料。
  6. 【請求項6】 一般式(I)において、m+nが0〜5
    の整数である請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズ
    材料。
  7. 【請求項7】 下記A、B及びC成分を含有するモノマ
    ー混合物を重付加反応させることにより得られる、実質
    的にシロキサンを含有しないポリウレタンからなること
    を特徴とする眼装着用レンズ材料。 成分A:一般式(II)で示されるジオール化合物 成分B:水酸基1個あたりの分子量が75〜300であ
    る3価以上のポリオール化合物 成分C:分子内に環状構造を有する2価以上のポリイソ
    シアネート化合物 【化2】 (式中、Xは直接結合、-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-
    S(=O) 2-、-S-、または-NH-であり、R1及びR2は、独立
    に、水素原子またはメチル基(但し、どちらか一方は水
    素原子である)であり、R3〜 R10は、独立に、水素原子
    またはフッ素原子であり、m及びnは、独立に、0〜5の整
    数である。)
  8. 【請求項8】 成分Aの一般式(II)において、Xが-C
    (CH3)2-であり、R3〜R10の全てが水素である請求項7
    に記載のレンズ材料。
  9. 【請求項9】 成分Aの一般式(II)において、m+n
    が0〜5の整数である請求項7または8に記載のレンズ材
    料。
  10. 【請求項10】 光学的に透明である請求項1〜9のい
    ずれかに記載のレンズ材料。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のレ
    ンズ材料からなることを特徴とする眼装着用レンズ。
  12. 【請求項12】 コンタクトレンズである請求項10記載
    のレンズ。
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