JPH111539A - 眼装着用レンズ材料及び眼装着用レンズ - Google Patents

眼装着用レンズ材料及び眼装着用レンズ

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JPH111539A
JPH111539A JP9154147A JP15414797A JPH111539A JP H111539 A JPH111539 A JP H111539A JP 9154147 A JP9154147 A JP 9154147A JP 15414797 A JP15414797 A JP 15414797A JP H111539 A JPH111539 A JP H111539A
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JP9154147A
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Yoshitaka Kitahara
義孝 北原
Kazuaki Kato
和明 加藤
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的に透明で、酸素透過性が高いレンズ材
料であって、機械的強度が改善されたポリウレタンから
なる眼装着用レンズ材料及びそれを用いた眼装着用レン
ズの提供。 【解決手段】一般式(I)で示される繰り返し単位を1
0〜60重量%含有し、一般式(II)で示される繰り返
し単位を1.5〜30重量%含有し、ウレタン結合濃度
が10〜30重量%であり、3次元網目構造を有し、水
に対して実質的に非膨潤性のポリウレタンからなる眼装
着用レンズ材料。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は眼装着用レンズ材
料、及び眼装着用レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角
膜などの、生体と接触した状態で使用される眼装着用レ
ンズ材料は、光学特性が優れていることはもちろんのこ
と、十分な安全性を有することが必要条件となる。その
中でも、眼球上へ装着して用いるコンタクトレンズなど
に使用される眼装着用レンズ材料は、角膜細胞の代謝活
動に必要な十分量の酸素を透過することはもちろんのこ
と、脱着時の取り扱い中、あるいは装着時の衝撃に耐え
ることが要求される。
【0003】現在一般的に使用されているコンタクトレ
ンズは、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレ
ンズとに大別される。ソフトコンタクトレンズは、水を
含む高分子ゲルあるいは水を含まないシリコーンゴムに
代表されるエラストマーからなる。高分子ゲルはその柔
軟性と湿潤性から装用感がよいことが知られているが、
汚れがつき易く、視力矯正能が劣るなどの問題がある。
またエラストマーは水に由来する細菌等の付着がなく安
全で、ハードコンタクトレンズよりは装用感がよいが、
そのゴム弾性による角膜への固着などの問題がある。ハ
ードコンタクトレンズは、硬質な高分子材料からなり、
水に由来する細菌等の付着がなく安全で、視力矯正能に
優れているが、装用感に劣る。
【0004】ハードコンタクトレンズの材料は、当初光
学特性に優れたポリメチルメタクリレートが主流であっ
た。しかし、酸素透過性が低いことから、近年では酸素
透過性を改良したシロキサン系モノマーあるいはフッ素
系モノマー等を共重合した高酸素透過性ポリマーが開発
され、広く使用されている。しかしながらこれらの高酸
素透過性ポリマーは、シリコーン系モノマーやフッ素系
モノマーの配合量の増加に伴い機械的強度が低下する傾
向がある。そこで、機械的強度の低下を補完し、脱着時
の取り扱い中、あるいは装着時の必要強度を維持するた
めにレンズ肉厚を厚くせざるをえない。そのため、より
一層装用感を悪くしている。
【0005】ところで、ポリウレタンは主鎖中の繰り返
し単位にウレタン結合を有するポリマーである。ポリウ
レタンは、ウレタン結合の持つ強い凝集エネルギーのた
め、結晶化しやすく光学的透明になりにくく、酸素透過
性もあまり高くない。しかし、その一方で機械的強度を
初めとする機械特性は良好である。このような特性に着
目し、分子内にウレタン結合を導入したシリコーン系モ
ノマーやフッ素系モノマーからなる高酸素透過性のコン
タクトレンズ材料が提案されている[例えば、特開平1
−256537号公報、特開平4−268314号公
報、特開平7−248474号公報参照]。また欠点で
ある酸素透過性を向上する目的で分子内にシリコーンを
導入したポリウレタンが提案されている[特開昭57−
156004号公報]。同様に分子内にシリコーンを導
入したポリウレタンを材料としたコンタクトレンズが提
案されている[特開平2−115817号公報]。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平1−256537号公報、特開平4−268314
号公報及び特開平7−248474号公報に記載のコン
タクトレンズ材料は、ウレタン結合を側鎖に有するアク
リル系マクロモノマーの共重合体である。そのため、ウ
レタン結合の濃度が低く、機械的強度はウレタン結合の
導入前より改善されてはいるものの未だ不十分である。
また前記特開昭57−156004号公報に記載のポリ
ウレタンは、導入したシリコーンがテトラメチルジシロ
キサン単位であるため酸素透過性が不十分である。さら
に、前記特開平2−115817号公報に記載のコンタ
クトレンズは、シリコーンを含むポリオール化合物とポ
リイソシアネート化合物のみからなるポリウレタンを材
料としている。そのため、硬度を得たいがためにウレタ
ン結合の濃度を高めると光学的透明性を維持できなくな
り、結果的に柔軟なレンズしか得られない。また、前記
2種のモノマーの相溶性がよくないことから、材料の光
学的透明性を確保するために、製造時にプレポリマー法
と呼ばれる、工程が複雑な方法を取らざるを得ないとい
う欠点もある。そこで本発明の目的は、光学的に透明
で、酸素透過性が高いレンズ材料であって、機械的強度
が改善されたポリウレタンからなる新規な眼装着用レン
ズ材料及びそれを用いた新規な眼装着用レンズを提供す
ることにある。
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のとおり
である。 [請求項1] 一般式(I)で示される繰り返し単位を
10〜60重量%含有し、一般式(II)で示される繰り返し
単位を1.5〜30重量%含有し、ウレタン結合濃度が10〜3
0重量%であり、3次元網目構造を有し、水に対して実
質的に非膨潤性のポリウレタンからなる眼装着用レンズ
材料。
【化10】 (式中、R1及びR2は、独立に、炭素数1〜4の炭化水素基
であり、dは4〜30の整数である。)
【化11】 (式中、Xは-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-S(=O) 2-、
-S-、または-NH-であり、R3及びR4は、独立に、水素原
子またはメチル基(但し、どちらか一方は水素原子であ
る)であり、R5〜 R12は、独立に、水素原子またはフッ
素原子であり、m及びnは、独立に、0〜5の整数であ
る。) [請求項2] 20kg・cm以上の破壊エネルギーを有する
請求項1記載のレンズ材料。 [請求項3] 一般式(I)で示される繰り返し単位が
一般式(III)で示される繰り返し単位である請求項1
または2に記載のレンズ材料。
【化12】 (式中、R1、R2及びdは請求項1と同義であり、Aは一
般式(IV)で示される繰り返し単位であり、Bは一般式(V)
で示される繰り返し単位である。)
【化13】 (一般式(IV)中、aは1〜4の整数であり、Yは酸素原子ま
たは直接結合であり、Zは1つまたは2つの−O基を有する
炭素数2〜4のアルキル基であり、一般式(V)中、bは1
〜4の整数であり、Yは酸素原子または直接結合であり、
Zは一般式(IV)におけるZが1つの−O基を有する場合に
は、1つの−O基を有する炭素数2〜4のアルキル基であ
り、一般式(IV)におけるZが2つの−O基を有する場合に
は、炭素数1〜3のアルキル基である。) [請求項4] 一般式(III)において、a及びbがそ
れぞれ3であり、Y及びYがそれぞれ酸素原子であり、
Z及びZがそれぞれ1つの−O基を有するエチル基であ
る請求項3に記載のレンズ材料。 [請求項5] 一般式(III)において、a及びbがそ
れぞれ3あり、Yが酸素原子であり、Yが直接結合であ
り、Zが2つの−O基を有するプロピル基であり、Zが
メチレン基である請求項3に記載のレンズ材料。 [請求項6] 一般式(II)で示される繰り返し単位と
シロキサン単位とを含み、20kg・cm以上の破壊エネルギ
ーと20×10-11cm3(STP)・cm/cm2・sec・mmHg以上の酸素
透過係数とを有する水に対して実質的に非膨潤性のポリ
ウレタンからなる眼装着用レンズ材料。
【化14】 (式中、Xは-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-S(=O) 2-、
-S-、または-NH-であり、R3及びR4は、独立に、水素原
子またはメチル基(但し、どちらか一方は水素原子であ
る)であり、R5〜 R12は、独立に、水素原子またはフッ
素原子であり、m及びnは、独立に、0〜5の整数であ
る。) [請求項7] 一般式(II)において、Xが-C(CH3)2-で
あり、R5〜R12が水素である請求項1〜6のいずれか
1項に記載のレンズ材料。 [請求項8] 一般式(II)において、m+nが0〜5
の整数である請求項1〜7のいずれか1項に記載のレンズ
材料。 [請求項9] 一般式(II)で示される繰り返し単位に
含まれる環状構造以外に環状構造を有する請求項1〜8
のいずれか1項に記載のレンズ材料。 [請求項10] 一般式(II)で示される繰り返し単位
に含まれる環状構造以外の環状構造がシクロアルキル基
またはフェニル基である請求項9に記載のレンズ材料。 [請求項11] 下記A、B、C及びD成分を含有する
モノマー混合物を重付加反応させることにより得られ
る、水に対して実質的に非膨潤性のポリウレタンからな
ることを特徴とする眼装着用レンズ材料。 成分A:一般式(VI)を分子内に有するジオール化合物 成分B:一般式(VII)で示されるジオール化合物 成分C:水酸基1個あたりの分子量が75〜300であ
る3価以上のポリオール化合物 成分D:ポリイソシアネート化合物
【化15】 (式中、R1及びR2は、独立に、炭素数1〜4の炭化水素基
であり、dは4〜30の整数である。)
【化16】 (式中、Xは-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-S(=O) 2-、
-S-、または-NH-であり、R3及びR4は、独立に、水素原
子またはメチル基(但し、どちらか一方は水素原子であ
る)であり、R5〜 R12は、独立に、水素原子またはフッ
素原子であり、m及びnは、独立に、0〜5の整数であ
る。) [請求項12] 成分Aのジオール化合物が、一般式
(VIII)の構造である請求項11に記載のレンズ材料。
【化17】 (式中、R1、R2及びdは請求項10と同義であり、Aは
一般式(IX)で示される単位であり、Bは一般式(X)で示さ
れる単位である。)
【化18】 (一般式(IX)中、aは1〜4の整数であり、Yは酸素原子ま
たは直接結合であり、Zは1つまたは2つのOH基を有する
炭素数2〜4のアルキル基であり、一般式(X)中、bは1
〜4の整数であり、Yは酸素原子または直接結合であり、
Zは一般式(IX)におけるZが1つのOH基を有する場合に
は、1つのOH基を有する炭素数2〜4のアルキル基であ
り、一般式(IX)におけるZが2つのOH基を有する場合に
は、炭素数1〜3のアルキル基である。) [請求項13] 一般式(VIII)において、a及びbが
それぞれ3であり、Y及びYがそれぞれ酸素原子であ
り、Z及びZがそれぞれヒドロキシエチル基である請求
項12に記載のレンズ材料。 [請求項14] 一般式(VIII)において、a及びbが
それぞれ3であり、Yが酸素原子であり、Yが直接結合
であり、Zがジヒドロキシプロピル基であり、Zがメチ
ル基である請求項12に記載の眼装着用レンズ材料。 [請求項15] 成分Bの一般式(VII)において、X
が−C(CH3)2−であり、R5〜R12が水素である請求項1
1〜14のいずれか1項に記載のレンズ材料。 [請求項16] 成分Bの一般式(VII)において、m
+nが0〜5である請求項15に記載のレンズ材料。 [請求項17] 成分Dのポリイソシアネート化合物
が、環状構造を有する請求項11〜16のいずれか1項
に記載のレンズ材料。 [請求項18] 成分A、B、C及びDからなるモノマ
ー混合物中における、一般式(I)で表される部位の占
める割合が10〜60重量%である請求項11〜17の
いずれか1項に記載のレンズ材料。 [請求項19] 光学的に透明である請求項1〜18の
いずれか1項に記載のレンズ材料。 [請求項20] ポリウレタンが硬質である請求項1〜
19のいずれか1項に記載のレンズ材料。 [請求項21] 請求項1〜20のいずれか1項に記載
のレンズ材料からなることを特徴とする眼装着用レン
ズ。 [請求項22] コンタクトレンズである請求項21記
載のレンズ。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の眼装着用レンズ材料は、前記A、B、C及びD
成分を含有するモノマー混合物を重付加反応させること
により得られる。本発明の眼装着用レンズ材料は、水に
対し実質的に非膨潤性のポリウレタンからなることを特
徴とする。
【0008】本発明の眼装着用レンズ材料は、シリコー
ン成分からなる一般式(I)で示される繰り返し単位を
含むこと、及び2つのベンゼン環が直接あるいは1つの
原子を介して結合している骨格を有する一般式(II)で示
される繰り返し単位を含むことを特徴とする。一般式
(I)で示される繰り返し単位は、ポリウレタンに酸素
透過性の向上に寄与する。また、一般式(II)で示される
繰り返し単位は、ポリウレタンに機械的強度を付与する
とともに光学的透明性を妨げるポリウレタンの結晶化防
止に寄与している。
【0009】一般式(I)で示される繰り返し単位にお
いて、dは4〜30であり、好ましくは6〜25であ
る。dが4より小さい場合、酸素透過性の向上に対して
十分な効果が得られない。また、dが30より大きい場
合、他のモノマー成分との相溶性が低下するため、眼装
着用レンズ材料として光学的に透明なポリウレタンが得
られない。また、R1及びR2は、例えば、メチル基、エチ
ル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、te
rt-ブチル基を挙げることができるが、好ましくは、メ
チル基である。一般式(I)で示される繰り返し単位
は、前記一般式(III)で示される繰り返し単位である
ことがより光学的透明性を高めるという観点から好まし
い。一般式(III)中、Aは一般式(IV)で示される単位
であり、Bは一般式(V)で示される単位である。
【0010】一般式(IV)中、aは1〜4の整数であるが、
好ましくは3であり、Yは酸素原子または直接結合である
が、好ましくは酸素原子である。Zは1つまたは2つの−O
基を有する炭素数2〜4のアルキル基、例えば、エチル
基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、tert
-ブチル基であるが、好ましくはエチル基またはn-プロ
ピル基である。一般式(V)中、bは1〜4の整数である
が、好ましくは3であり、Yは酸素原子または直接結合で
ある。Zは一般式(IV)におけるZが1つの−O基を有する場
合には、1つの−O基を有する炭素数2〜4のアルキル
基、例えば、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル
基、n-ブチル基、tert-ブチル基であるが、好ましくは
1つの−O基を有するエチル基及び2つの−O基を有する
プロピル基であり、一般式(IV)におけるZが2つの−O基
を有する場合には、炭素数1〜3のアルキル基、例え
ば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル
基である。
【0011】一般式(III)において、a及びbがそれ
ぞれ3であり、Y及びYがそれぞれ酸素原子であり、Z
及びZがそれぞれ1つの−O基を有するエチル基である
ことが、より光学的透明性を高めるという観点から好ま
しい。さらに、一般式(III)において、a及びbがそ
れぞれ3であり、Yが酸素原子であり、Yが直接結合で
あり、Zが2つの−O基を有するプロピル基であり、Z
がメチル基であることが、より光学的透明性を高めると
いう観点から好ましい。
【0012】一般式(I)で示される繰り返し単位を10
〜60重量%含有する。一般式(I)で示される繰り返し
単位の含有量が10重量%未満では、有効量に足りないた
め、十分な酸素透過性が得られず、また60重量%を超え
ると、他成分との相溶性が低下し、光学的透明性が得ら
れなくなる。一般式(I)で示される繰り返し単位の含
有量は、好ましくは20〜50重量%である。
【0013】一般式(II)において、Xは直接結合、-CH
2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-S(=O) 2-、-S-、または-N
H-であるが、好ましくは、Xが-C(CH3)2-である。Xが-
C(CH3)2-であることで、より効果的に機械的強度を付与
できるという利点がある。R3及びR4は、いずれも水素原
子であるか、またはいずれか一方がメチル基であり、他
方が水素原子である。R5〜 R12は、独立に、水素原子ま
たはフッ素原子であるが、好ましくはR5〜 R12の全てが
水素である。R5〜 R12の全てが水素であることでより効
果的に機械的強度を付与できるという利点である。m及
びnは、独立に、0〜5の整数であるが、m+nは好まし
くは0〜5の整数である。m及びnが、前記範囲内にある
ことで、ポリウレタン主鎖の運動性を抑制してウレタン
結合同士の相互作用に起因する結晶化を抑制でき、眼装
着用レンズ材料として十分な光学的透明性が得られる。
【0014】一般式(II)で示される繰り返し単位を1.5
〜30重量%含有する。一般式(II)で示される繰り返し単
位の含有量が1.5重量%未満では、有効量に足りないた
め、十分な機械的強度が得られず、また30重量%を超え
ると、十分な酸素透過性が得られなくなる。一般式(II)
で示される繰り返し単位の含有量は、好ましくは1.5〜
15重量%である。本発明のレンズ材料は、ウレタン結
合濃度が10〜30重量%である。ウレタン結合濃度が
10重量%未満では、十分な硬度及び機械的強度が得ら
れず、30重量%を超えると、光学的透明性が得られな
い。ウレタン結合濃度は、好ましくは12〜27重量%
である。
【0015】本発明のレンズ材料は、上記一般式(II)で
示される繰り返し単位以外に環状構造を含む繰り返し単
位を含むことができる。環状構造を含む繰り返し単位に
含まれる環状構造としては、例えば、シクロアルキル基
またはフェニル基を挙げることができ、シクロアルキル
基は、例えば、シクロヘキシル基である。一般式(II)で
示される繰り返し単位以外にこのような環状構造を含む
繰り返し単位を含むことで、硬度を高めることができ
る。
【0016】本発明のレンズ材料は、3次元網目構造を
有する。3次元網目構造を有することで、コンタクトレ
ンズに必要とされる機械的強度を有することができるよ
うになるとともに、耐溶剤性も向上させることができ
る。本発明のレンズ材料が有する3次元網目構造は、そ
の構成成分に制限はなく、レンズ材料が一定以上の破壊
エネルギーを有するような構造であればよい。レンズ材
料が、3次元網目構造に起因して有する破壊エネルギー
は、20kg・cm以上であることが適当である。20kg・cm以
上の破壊エネルギーを有することで、実用に耐え得る機
械的強度のコンタクトレンズを提供することができる。
好ましくは、破壊エネルギーは、25kg・cm以上である。
破壊エネルギーは、高ければ、それだけ機械的強度は高
まるが、その他の物性とのバランスを考慮すると、上限
は約45kg・cmである。尚、前記破壊エネルギーは、東洋
精機製作所製ダインスタッドテスターを用いて、厚さ5
mmの試料について測定した時の結果である。
【0017】本発明は、一般式(II)で示される繰り返
し単位とシロキサン単位とを含み、20kg・cm以上の破壊
エネルギーと20×10-11cm3(STP)・cm/cm2・sec・mmHg以
上の酸素透過係数とを有する水に対して実質的に非膨潤
性のポリウレタンからなる眼装着用レンズ材料も包含す
る。一般式(II)で示される繰り返し単位は、上記で説
明したものと同様である。また、シロキサン単位として
は、例えば、一般式(I)で示される繰り返し単位を挙
げることができるが、これに限られない。さらに、本発
明の上記眼装着用レンズ材料は、一般式(II)で示され
る繰り返し単位を含むポリウレタンからなり、かつ20kg
・cm以上の破壊エネルギーを有することを特徴とする。
これにより、機械的強度に優れ、かつポリウレタンの結
晶化を防止して光学的に透明であるレンズ材料とするこ
とができる。破壊エネルギーは、好ましくは、25kg・cm
以上である。破壊エネルギーは、高ければ、それだけ機
械的強度は高まるが、その他の物性とのバランスを考慮
すると、上限は約45kg・cmである。尚、前記破壊エネル
ギーの測定方法は、前出のとおりである。また、本発明
の上記眼装着用レンズ材料は、シロキサン単位を含み、
かつ20×10-11cm3(STP)・cm/cm2・sec・mmHg以上の酸素
透過係数を有することを特徴とする。これにより、コン
タクトレンズ等のレンズ散る要求される優れた酸素透過
性を有するレンズ材料とすることができる。上酸素透過
係数は、好ましくは40×10-11cm3(STP)・cm/cm2・sec
・mmHg以上である。酸素透過係数は、高いほど眼装着時
の眼への安全性という観点から好ましいが、実用的に
は、上限は、例えば、300×10-11cm3(STP)・cm/cm2
・sec・mmHg程度である。しかし、これに制限されるも
のではない。ここで酸素透過係数は、低真空法により、
35℃の条件下、厚さ0.2mmの試料について測定し
た時の値である。
【0018】本発明の眼装着用レンズ材料の原料となる
モノマー混合物を構成する第1の成分であるジオール化
合物(A成分)は、一般式(VI)で示されるシリコーン成分
を分子内に有することを特徴とし、ポリウレタンに酸素
透過性の向上に寄与している。一般式(VI)におけるR1
R2及びdは、上記一般式(I)におけるものと同様であ
る。さらに、一般式(VI)で示されるシリコーン成分を分
子内に有するジオールとしては、好ましくは、一般式(V
III)で示されるジオールを挙げることができる。一般式
(VIII)におけるR1、R2及びdは上記一般式(I)における
ものと同様である。また、一般式(VIII)におけるAを示
す一般式(IX)におけるa及びY並びに一般式(X)における
b及びYは、それぞれ一般式(IV)及び(V) におけるもの
と同様である。一般式(IX)におけるZ及び一般式(X)にお
けるZは、OH基が−O基であることを除いて、一般式(I
V)におけるZ及び一般式(V)におけるZと同様である。
A成分として使用される一般式(VIII)で示されるジオー
ル化合物の好ましい具体例としては、以下のものが挙げ
られる。
【0019】
【化19】(構造式群・1)
【0020】
【化20】
【0021】前記ジオール化合物において特に好ましい
ものとして以下のものが挙げられる。
【0022】
【化21】(構造式群2)
【0023】本発明の眼装着用レンズ材料の原料となる
モノマー混合物を構成する第2の成分である一般式(VI
I)で示されるジオール化合物(B成分)は、2つのベ
ンゼン環が直接あるいは1つの原子を介して結合してい
る骨格を有することを特徴とし、ポリウレタンに機械的
強度を付与するとともに光学的透明性を妨げるポリウレ
タンの結晶化防止に寄与している。一般式(VII)にお
いて、m及びnは独立して0〜5である。好ましくはm
及びnは独立して0〜5であり、かつm+nは0〜5で
ある。この範囲外では、ポリウレタン主鎖の運動性が高
くなることによりウレタン結合同士の相互作用が起こり
結晶化を引き起こすが、上記範囲内であれば、眼装着用
レンズ材料として十分な光学的透明性が得らる。B成分
として使用される一般式(VII) で示されるジオール化合
物の好ましい具体例としては、以下のものが挙げられ
る。
【0024】
【化22】(構造式群3)
【0025】
【化23】
【0026】前記ジオール化合物において特に好ましい
ものとして以下のものが挙げられる。
【0027】
【化24】(構造式群4)
【0028】本発明のポリウレタン眼装着用レンズ材料
の原料となるモノマー混合物を構成する第3の成分であ
るポリオール化合物(C成分)は、3価以上の水酸基を
有することを特徴とし、ポリウレタンに架橋構造を導入
することにより機械的強度を付与するとともに耐溶剤性
向上にも寄与している。成分Cとして示されるポリオー
ル化合物において、水酸基1個あたりの分子量が75〜
300であることが望ましい。水酸基1個あたりの分子
量が75より小さい場合、ポリオール化合物自身の分子
間相互作用が強いため、結晶性が高く常温において固体
であるか、液体であっても非常に粘度が高く、他のモノ
マー成分との相溶性が悪く光学的に均一なポリウレタン
が得られない。また水酸基1個あたりの分子量が300
より大きい場合、ポリオール化合物自身の分子量が大き
いため、常温において固体であるか、液体であっても非
常に粘度が高くなり、他のモノマー成分との相溶性が悪
く光学的に均一なポリウレタンが得られない。尚、C成
分として示されるポリオール化合物の水酸基の価数の上
限は、8価であるが、好ましくは3〜6の範囲である。C
成分として使用されるポリオール化合物の好ましい具体
例としては、以下のものが挙げられる。
【0029】
【化25】(構造式群5)
【0030】前記ポリオール化合物において特に好まし
いものとして以下のものが挙げられる。
【0031】
【化26】(構造式群6)
【0032】本発明のポリウレタン眼装着用レンズ材料
の原料となるモノマー混合物を構成する第4の成分であ
るポリイソシアネート化合物(D成分)は、ジイソシア
ネート化合物またはトリイソシアネート化合物であるこ
とができる。また、ポリイソシアネート化合物(D成
分)は、好ましくは、環状構造を含み、環状構造として
は、例えば、シクロアルキル基またはフェニル基を挙げ
ることができる。シクロアルキル基は、例えば、シクロ
ヘキシル基であることができる。また、ポリイソシアネ
ート化合物(D成分)は、好ましくはジイソシアネート
化合物である。
【0033】ポリイソシアネート化合物(D成分)の好
ましい具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2−
イソシアネートエチルスルフィド、キシリレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス
(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ
イソシアナートシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、等が挙げられる。前記ジイソシアネート化合物にお
いて特に好ましいものは、イソホロンジイソシアネー
ト、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキ
サン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシア
ネートである。
【0034】モノマー混合物中のA、B、C及びD成分
の使用割合は、水酸基とイソシアネート基のモル比率が
0.5から1.5の範囲内、好ましくは0.99から
1.10の範囲内であることが適当である。この範囲外
では、重付加反応により得られたポリウレタンが未反応
モノマーにより膨潤し、眼装着用レンズ材料としての物
性が得られなくなる。また、成分Aのジオール化合物、
成分Bのジオール化合物及び成分Cのポリオール化合物
のモル比は、成分A:5〜75モル%、成分B:2〜72
モル%、成分C:20〜90モル%(但し、成分A+成分
B+成分C=100モル%)の範囲であることが適当であ
る。
【0035】A、B、C及びD成分の他に第5成分とし
て、アミノ基、メルカプト基等の水酸基以外の活性水素
基を有する化合物、A、B及びC成分に属さないポリオ
ール化合物あるいはD成分に属さないポリイソシアネー
ト化合物をそれぞれ用いても差し支えない。しかし、そ
れら化合物の使用量は全モノマー混合物の10wt%以
下とすることが、本発明のレンズ材料の物性を損なわな
いという観点から望ましい。A、B、C及びD成分以外
の化合物が、全モノマー混合物の10wt%を超えると
目的とする物性が得られ難くなる傾向がある。また前記
の場合は、水酸基を含む全活性水素基とイソシアネート
基のモル比率が0.5から1.5の範囲内が望ましい。
【0036】また、本発明のレンズ材料は、重合の際
に、重付加反応性向上のために触媒を適宜使用して得ら
れたものであることもできる。触媒としては、例えば、
アミン化合物、有機金属化合物等が効果的である。具体
的には、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラ
ミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサ
ン、4,4′−トリメチレンビス(1−メチルピペリジ
ン)、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−7−
ウンデセン、ポリ(N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート)、ポリ(N,N−ジメチルアミノブチルメ
タクリレート)、ジメチルスズジクロライド、ジメチル
スズビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジブチル
スズジクロライド、ジブチルスズジラウレート、ジブチ
ルスズマレエート、ジブチルスズマレエートポリマー、
ジブチルスズジリシノレート、ジブチルスズビス(ドデ
シルメルカプチド)、ジブチルスズビス(イソオクチル
チオグリコレート)、ジオクチルスズジクロライド、ジ
オクチルスズマレエート、ジオクチルスズマレエートポ
リマー、ジオクチルスズビス(ブチルマレエート)ジオ
クチルスズジラウレート、ジオクチルスズジリシノレー
ト、ジオクチルスズジオレエート、ジオクチルスズジ
(6−ヒドロキシ)カプロエート、ジオクチルスズビス
(イソオクチルチオグリコレート)、ジドデシルスズジ
リシノレート、オレイン酸銅、アセチルアセトン酸銅、
アセチルアセトン酸鉄、ナフテン酸鉄、乳酸鉄、クエン
酸鉄、グルコン酸鉄、オクタン酸カリウム、チタン酸2
−エチルヘキシル等が挙げられる。上記触媒は、1種の
みで使用しても、2種以上を組み合わせて使用しても有
効である。触媒の使用量は、使用するモノマーの種類や
モノマー混合物の組成等を考慮して適宜決定できるが、
例えば、イソシーネート基(NCO)当たり、0〜5モル%の
範囲とすることが適当である。
【0037】本発明の眼装着用レンズ材料は、効率的な
製造という観点からは、プレポリマーを経由せずにモノ
マー混合物を直接硬化させる塊状重合による製造方法が
好ましい。但し、必要に応じて溶液重合により製造する
こともできる。一例として本発明の眼装着用レンズ材料
の塊状重合による製造方法について以下に説明する。上
記A成分、B成分、C成分、D成分及び添加剤や触媒の
均一混合物を、ガラス製、金属製または樹脂製の型やパ
イプ等に注入し、加熱して硬化させる。加熱温度は用い
るモノマーあるいは触媒により異なるが、一般には−2
0〜160℃で、加熱時間は0.5〜120時間とする
ことが適当である。また、この時用いる型やパイプ等
は、材料製造後の眼装着用レンズへの加工方法により適
宜選択できる。
【0038】本発明の眼装着用レンズ材料は、水に対し
て実質的に非膨潤性のポリウレタンであるが、水に対し
て実質的に非膨潤性とは、ポリウレタンの全重量を基準
として約8重量%以下、好ましくは約5重量%以下の水
吸収量であることを意味する。また、本発明の眼装着用
レンズ材料は、いずれも、光学的に透明であり、ここで
光学的に透明とは、可視光線透過率が85%以上である
場合を意味する。さらに本発明の眼装着用レンズ材料
は、酸素透過性であり、上述のようにシロキサン単位の
含有量により酸素透過性は変化する。酸素透過性を表す
酸素透過係数は、20×10-11cm3(STP)・cm/cm2・sec・mm
Hg以上であり、好ましくは40×10-11cm3(STP)・cm/cm
2・sec・mmHg以上であることが適当である。
【0039】本発明の前記レンズ材料は、いずれも、吸
光特性を改良するため、紫外線吸収剤、色素、顔料等、
耐候性を改良するため、酸化防止剤、着色防止剤等の添
加剤を適宜加えてもよい。
【0040】本発明の眼装着用レンズは、前記の本発明
の眼装着用レンズ材料からなり、好ましくはコンタクト
レンズである。さらに、本発明の眼装着用レンズは、種
々の成形方法により所望の形状に成形することができ
る。成形方法としては、例えば、所望の眼装着用レンズ
形状に対応した型内で、前記塊状重合を行い、必要に応
じて仕上げ研磨するキャスト法や、棒状の材料から切
削、研磨するレースカット法等がある。そのうちキャス
ト法では、モノマー成分の使用量が低減できるととも
に、製造工程が少なくなるという利点がある。
【0041】さらに、前記のごとく成形して得られた眼
装着用レンズに対して、必要に応じて、公知の表面処理
を施してもよい。例えば、プラズマによる表面処理で
は、従来から知られている手法及び装置が用いられ、空
気、酸素、水素、窒素、二酸化炭素等の活性ガスあるい
はヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガスまたはN
−ビニルピロリドン、アセチレン等の有機低分子化合物
の雰囲気下、圧力約0.01ミリから10トール、出力
約2から200ワットの条件下にて、数秒から数十分処
理される。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。なお、実施例及び比較例における各物性の評価
は次の方法で行なった。 (イ) 透明性(光線透過率) 日立製作所製自動分光光度計330型を用いて、厚さ
1.0mmの試料について光線透過率を測定した。 (ロ) 光学歪 シュリーレン法による目視観察を行なった。歪の無いも
のは○、歪のあるものは×とした。 (ハ) 酸素透過性 理化精機工業製気体透過率測定装置K−315−N型を
用いて、35℃の条件下、厚さ0.2mmの試料につい
て測定した。 (ニ) 機械的強度(破壊エネルギー) 東洋精機製作所製ダインスタッドテスターを用いて、厚
さ5mmの試料について測定した。
【0043】実施例1 α−n−ブチル−ω−[3−(2,3−ジヒドロキシプ
ロポキシ)プロピル]ポリジメチルシロキサン(分子量
1700)(略してHPPDMS−1)0.3mol、
ビスフェノールA・プロピレンオキサイド5モル付加体
(BPA5PO)0.15mol、グリセリン・プロピレ
ンオキサイド3モル付加体(GL3PO)0.7mol、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)1.5mol及
びジブチルスズジクロライド(DBTDC)7.5×1
-4molの混合物を、ガラス製成形型に注入し型を密閉
した後、50℃で10時間、その後60℃で5時間、さ
らに120℃で3時間加熱重合させた。その後室温まで
冷却し成形型から取り出すことによりポリウレタンから
なる眼装着用レンズ材料を得た。得られた眼装着用レン
ズ材料の諸物性を表1に示す。また、この眼装着用レン
ズ 材料を通常の加工技術を用いて加工しコンタクトレ
ンズを作製した。作製したコンタクトレンズの諸物性も
表1に示す。表1から、本実施例1の眼装着用レンズ材
料及びコンタクトレンズは、酸素透過性及び機械的強度
が高く、光学的透明性に優れ、光学歪の無いものであっ
た。
【0044】実施例2〜8 表1に示したモノマー組成物及び触媒を使用し、重合条
件及び材料加工方法を適宜変更した以外は実施例1と同
様の操作を行ない、眼装着用レンズ材料及びコンタクト
レンズを得た。これらの諸物性を、実施例1の眼装着用
レンズ材料及びコンタクトレンズの諸物性とともに表1
に示す。表1から、本実施例2〜8の眼装着用レンズ材
料及びコンタクトレンズも、酸素透過性及び機械的強度
が高く、光学的透明性に優れ、光学歪の無いものであっ
た。
【0045】
【表1】
【0046】比較例1 ウレタン系マクロモノマー[化学式A]10部、ヘキサ
フルオロイソプロピルアクリレ ート50部、メチルメ
タクリレート40部、エチレングリコールジメタクリレ
ート0.5部、アゾビスイソブチロニトリル0.3部の
均一混合物を、ガラス製成形型に注入し型を密閉した
後、50℃で10時間、その後60℃で5時間、さらに
120℃で3時間加熱重合させた。その後室温まで冷却
し成形型から取り出すことにより重合体を得た。得られ
た重合体の諸物性を表2に示す。また、このPMMA重
合体を通常の加工技術を用いて加工しコンタクトレンズ
を作製した。作製したコンタクトレンズの諸物性も表2
に示す。表2から、本比較例1のウレタン系マクロモノ
マーを原料とするアクリル重合体及びコンタクトレンズ
は、酸素透過性が高く、光学的透明性に優れ、光学歪の
ないものであったが、機械的強度が本発明の眼装着用レ
ンズ材料に比べ劣るものであった。
【0047】
【化27】〔化学式A〕
【0048】比較例2〜4 表2に示したモノマー組成物及び触媒を使用し、実施例
1と同様の操作を行ない、眼装着用レンズ材料及びコン
タクトレンズを得た。これらの諸物性を表2に示す。比
較例2の眼装着用レンズ材料及びコンタクトレンズは、
光学的透明性に優れ、光学歪のないものであったが、酸
素透過性及び機械的強度が劣るものであった。比較例3
の眼装着用レンズ材料及びコンタクトレンズは、酸素透
過性は高いものであったが、光学的透明性が劣るもので
あった。比較例4の眼装着用レンズ材料及びコンタクト
レンズは、光学的透明性に優れ、光学歪のないものであ
ったが、酸素透過性及び機械的強度が劣るものであっ
た。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明のポリウレタンからなる眼装着用
レンズ材料は、光学的に透明で、酸素透過性と機械的強
度が高いレベルでバランスがとれていることにより、従
来の材料では実現できなかった、肉薄の高酸素透過性眼
装着用レンズの提供が可能となる。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示される繰り返し単位を
    10〜60重量%含有し、一般式(II)で示される繰り返し
    単位を1.5〜30重量%含有し、ウレタン結合濃度が10〜3
    0重量%であり、3次元網目構造を有し、水に対して実
    質的に非膨潤性のポリウレタンからなる眼装着用レンズ
    材料。 【化1】 (式中、R1及びR2は、独立に、炭素数1〜4の炭化水素基
    であり、dは4〜30の整数である。) 【化2】 (式中、Xは-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-S(=O) 2-、
    -S-、または-NH-であり、R3及びR4は、独立に、水素原
    子またはメチル基(但し、どちらか一方は水素原子であ
    る)であり、R5〜 R12は、独立に、水素原子またはフッ
    素原子であり、m及びnは、独立に、0〜5の整数であ
    る。)
  2. 【請求項2】 20kg・cm以上の破壊エネルギーを有する
    請求項1記載のレンズ材料。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で示される繰り返し単位が
    一般式(III)で示される繰り返し単位である請求項1
    または2に記載のレンズ材料。 【化3】 (式中、R1、R2及びdは請求項1と同義であり、Aは一
    般式(IV)で示される繰り返し単位であり、Bは一般式(V)
    で示される繰り返し単位である。) 【化4】 (一般式(IV)中、aは1〜4の整数であり、Yは酸素原子ま
    たは直接結合であり、Zは1つまたは2つの−O基を有する
    炭素数2〜4のアルキル基であり、一般式(V)中、bは1
    〜4の整数であり、Yは酸素原子または直接結合であり、
    Zは一般式(IV)におけるZが1つの−O基を有する場合に
    は、1つの−O基を有する炭素数2〜4のアルキル基であ
    り、一般式(IV)におけるZが2つの−O基を有する場合に
    は、炭素数1〜3のアルキル基である。)
  4. 【請求項4】 一般式(III)において、a及びbがそ
    れぞれ3であり、Y及びYがそれぞれ酸素原子であり、
    Z及びZがそれぞれ1つの−O基を有するエチル基であ
    る請求項3に記載のレンズ材料。
  5. 【請求項5】 一般式(III)において、a及びbがそ
    れぞれ3あり、Yが酸素原子であり、Yが直接結合であ
    り、Zが2つの−O基を有するプロピル基であり、Zが
    メチ レン基である請求項3に記載のレンズ材料。
  6. 【請求項6】 一般式(II)で示される繰り返し単位と
    シロキサン単位とを含み、20kg・cm以上の破壊エネルギ
    ーと20×10-11cm3(STP)・cm/cm2・sec・mmHg以上の酸素
    透過係数とを有する水に対して実質的に非膨潤性のポリ
    ウレタンからなる眼装着用レンズ材料。 【化5】 (式中、Xは-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-S(=O) 2-、
    -S-、または-NH-であり、R3及びR4は、独立に、水素原
    子またはメチル基(但し、どちらか一方は水素原子であ
    る)であり、R5〜 R12は、独立に、水素原子またはフッ
    素原子であり、m及びnは、独立に、0〜5の整数であ
    る。)
  7. 【請求項7】 一般式(II)において、Xが-C(CH3)2-で
    あり、R5〜R12が水素である請求項1〜6のいずれか
    1項に記載のレンズ材料。
  8. 【請求項8】 一般式(II)において、m+nが0〜5
    の整数である請求項1〜7のいずれか1項に記載のレンズ
    材料。
  9. 【請求項9】 一般式(II)で示される繰り返し単位に
    含まれる環状構造以外に環状構造を有する請求項1〜8
    のいずれか1項に記載のレンズ材料。
  10. 【請求項10】 一般式(II)で示される繰り返し単位
    に含まれる環状構造以外の環状構造がシクロアルキル基
    またはフェニル基である請求項9に記載のレンズ材料。
  11. 【請求項11】 下記A、B、C及びD成分を含有する
    モノマー混合物を重付加反応させることにより得られ
    る、水に対して実質的に非膨潤性のポリウレタンからな
    ることを特徴とする眼装着用レンズ材料。 成分A:一般式(VI)を分子内に有するジオール化合物 成分B:一般式(VII)で示されるジオール化合物 成分C:水酸基1個あたりの分子量が75〜300であ
    る3価以上のポリオール化合物 成分D:ポリイソシアネート化合物 【化6】 (式中、R1及びR2は、独立に、炭素数1〜4の炭化水素基
    であり、dは4〜30の整数である。) 【化7】 (式中、Xは-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-S(=O) 2-、
    -S-、または-NH-であり、R3及びR4は、独立に、水素原
    子またはメチル基(但し、どちらか一方は水素原子であ
    る)であり、R5〜 R12は、独立に、水素原子またはフッ
    素原子であり、m及びnは、独立に、0〜5の整数であ
    る。)
  12. 【請求項12】 成分Aのジオール化合物が、一般式
    (VIII)の構造である請求項11に記載のレンズ材料。 【化8】 (式中、R1、R2及びdは請求項10と同義であり、Aは
    一般式(IX)で示される単位であり、Bは一般式(X)で示さ
    れる単位である。) 【化9】 (一般式(IX)中、aは1〜4の整数であり、Yは酸素原子ま
    たは直接結合であり、Zは1つまたは2つのOH基を有する
    炭素数2〜4のアルキル基であり、一般式(X)中、bは1
    〜4の整数であり、Yは酸素原子または直接結合であり、
    Zは一般式(IX)におけるZが1つのOH基を有する場合に
    は、1つのOH基を有する炭素数2〜4のアルキル基であ
    り、一般式(IX)におけるZが2つのOH基を有する場合に
    は、炭素数1〜3のアルキル基である。)
  13. 【請求項13】 一般式(VIII)において、a及びbが
    それぞれ3であり、Y及びYがそれぞれ酸素原子であ
    り、Z及びZがそれぞれヒドロキシエチル基である請求
    項12に記載のレンズ材料。
  14. 【請求項14】 一般式(VIII)において、a及びbが
    それぞれ3であり、Yが酸素原子であり、Yが直接結合
    であり、Zがジヒドロキシプロピル基であり、Zがメチ
    ル基である請求項12に記載の眼装着用レンズ材料。
  15. 【請求項15】 成分Bの一般式(VII)において、X
    が−C(CH3)2−であり、R5〜R12が水素である請求項1
    1〜14のいずれか1項に記載のレンズ材料。
  16. 【請求項16】 成分Bの一般式(VII)において、m
    +nが0〜5である請求項15に記載のレンズ材料。
  17. 【請求項17】 成分Dのポリイソシアネート化合物
    が、環状構造を有する請求項11〜16のいずれか1項
    に記載のレンズ材料。
  18. 【請求項18】 成分A、B、C及びDからなるモノマ
    ー混合物中における、一般式(I)で表される部位の占
    める割合が10〜60重量%である請求項11〜17の
    いずれか1項に記載のレンズ材料。
  19. 【請求項19】 光学的に透明である請求項1〜18の
    いずれか1項に記載のレンズ材料。
  20. 【請求項20】 ポリウレタンが硬質である請求項1〜
    19のいずれか1項に記載のレンズ材料。
  21. 【請求項21】 請求項1〜20のいずれか1項に記載
    のレンズ材料からなることを特徴とする眼装着用レン
    ズ。
  22. 【請求項22】 コンタクトレンズである請求項21記
    載のレンズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022033940A (ja) * 2016-03-11 2022-03-02 イノベーガ,インコーポレイテッド コンタクトレンズ

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