JPH1033959A - 複合逆浸透膜による処理方法 - Google Patents
複合逆浸透膜による処理方法Info
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- JPH1033959A JPH1033959A JP8197989A JP19798996A JPH1033959A JP H1033959 A JPH1033959 A JP H1033959A JP 8197989 A JP8197989 A JP 8197989A JP 19798996 A JP19798996 A JP 19798996A JP H1033959 A JPH1033959 A JP H1033959A
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Abstract
スキン層を持つ複合逆浸透膜を用いて、カチオン系有機
物および/または両性系有機物を含む溶液を、高い透過
水量でかつ安定して処理できる水処理方法を提供する。 【解決手段】 スキン層の表面が正荷電性基を有する有
機重合体層で被覆されている、2つ以上の反応性のアミ
ノ基を有する多官能性アミン化合物と2つ以上の反応性
の酸ハライド基を有する多官能性酸ハロゲン化物とから
合成された平均面粗さが55nm以上の負荷電性架橋ポ
リアミド系スキン層とこれを支持する微多孔性支持体と
からなる複合逆浸透膜で、カチオン系有機物および/ま
たは両性系有機物を含む塩溶液を脱塩処理する。
Description
および/または両性系有機物を含む溶液中の成分を選択
的に分離するために複合逆浸透膜を利用した処理方法に
関し、詳しくは、処理に使用する複合逆浸透膜が、ポリ
アミド系スキン層の表面を正荷電性基を有する有機重合
体層で被覆されている複合逆浸透膜による溶液の処理方
法に関する。
系有機物および/または両性系有機物を含む溶液の脱塩
を行う場合、酢酸セルロース系逆浸透膜はカチオン系有
機物および/または両性系有機物を吸着しにくいので、
比較的透過水量は安定しているが、現在市販されている
酢酸セルロース系逆浸透膜はいずれも30kgf/cm
2 前後の運転圧力が必要で、電気代等のランニングコス
トが高い。一方15kgf/cm2 前後の運転圧力で運
転が可能なポリアミド系のスキン層を持つ複合逆浸透膜
は一般に若干負荷電性であるために、溶液中のカチオン
系有機物および/または両性系有機物が膜に吸着して透
過水量が著しく低下し運転が不可能であった。特にカチ
オン系界面活性剤および/または両性系界面活性剤を含
むような下水の複合逆浸透膜を使う高度処理において
は、安定して運転することができなかった。また、超純
水製造用途において、アニオン交換樹脂などからのカチ
オン性モノマーの溶出がある液の処理においても、上記
の吸着現象のため透過水量が著しく低下するので、あら
かじめ複合逆浸透膜エレメントの本数を増やしておいて
透過水量の低下分を補うなど高いコストがかかってい
た。従って、ポリアミド系のスキン層を持つ複合逆浸透
膜を用いて、これらのカチオン系有機物および/または
両性系有機物を含む溶液の脱塩あるいは有効成分の濃縮
などの処理を行うことができる処理方法が期待されてい
る。
ランニングコストの安いポリアミド系のスキン層を持つ
複合逆浸透膜を用いて、カチオン系有機物および/また
は両性系有機物を含む溶液を、高い透過水量でかつ安定
して処理できる脱塩や有効成分の濃縮などに有効な水処
理方法を提供することにある。
め、本発明の複合逆浸透膜による処理方法は、カチオン
系有機物および/または両性系有機物を含む溶液を複合
逆浸透膜で処理する方法において、処理に使用する複合
逆浸透膜が、ポリアミド系スキン層とこれを支持する微
多孔性支持体とからなる複合逆浸透膜で、上記ポリアミ
ド系スキン層はその平均面粗さが55nm以上であっ
て、2つ以上の反応性のアミノ基を有する多官能性アミ
ン化合物と、2つ以上の反応性の酸ハライド基を有する
多官能性酸ハロゲン化物から合成された負荷電性架橋ポ
リアミド系スキン層であり、前記スキン層の表面が正荷
電性基を有する有機重合体層で被覆されていることを特
徴とする。
を有する有機重合体層で被覆することにより、カチオン
系有機物および/または両性系有機物が前記ポリアミド
系スキン層に吸着されることを防止でき、複合逆浸透膜
の透過水量の低下がなく、安定して連続運転することが
できる。そしてポリアミド系スキン層の平均面粗さが5
5nm以上、さらに好ましくは60nm以上1000n
m以下とすることにより、比較的低圧でも良好な透過水
量を実現でき好ましい。
理方法に於いては、複合逆浸透膜のポリアミド系スキン
層の自乗平均面粗さが65nm以上であることが好まし
い。さらに好ましくは70nm以上2000nm以下で
ある。自乗平均面粗さが65nm以上のポリアミド系ス
キン層を用いることにより、比較的低圧でも良好な透過
水量を実現でき好ましい。
理方法に於いては、複合逆浸透膜のポリアミド系スキン
層の10点平均面粗さが300nm以上であることが好
ましい。さらに好ましくは305nm以上10000n
m以下である。10点平均面粗さが300nm以上のポ
リアミド系スキン層を用いることにより、比較的低圧で
も良好な透過水量を実現でき好ましい。
理方法に於いては、複合逆浸透膜のポリアミド系スキン
層の最大高低差が400nm以上であることが好まし
い。さらに好ましくは410nm以上20000nm以
下である。最大高低差が400nm以上のポリアミド系
スキン層を用いることにより、比較的低圧でも良好な透
過水量を実現でき好ましい。
1)で定義される。
記式(数2)で定義される。
下記式(数3)で定義される。
(数4)で定義される。
0点平均面粗さ、最大高低差を求める方法は、一般に表
面粗さを求める手法に従い求めることができる。例え
ば、原子間力顕微鏡(AFM)、摩擦力顕微鏡(FF
M)、非接触原子間力顕微鏡(NC−AFM)、トンネ
ル顕微鏡(STM)、電気化学−原子間力顕微鏡(EC
−AFM)、走査電子顕微鏡(SEM,FE−SE
M)、透過電子顕微鏡(TEM)等が挙げられるが、表
面粗さを求めることができれば特に手法は制限されな
い。
理方法に於いては、前記複合逆浸透膜のポリアミド系ス
キン層が全芳香族架橋ポリアミドであることが好まし
い。前記スキン層として全芳香族架橋ポリアミドからな
るスキン層を用いることにより、脂肪族ポリアミドから
なるスキン層を用いた場合に比べて、耐薬品性等の化学
的耐性が優れており、長期使用などによって付着したス
ライムやスケールなどを化学洗浄によって除去した後、
再使用する場合に性能の低下がなく好ましい。
理方法に於いては、複合逆浸透膜の性能が、操作圧力1
5kgf/cm2 、温度25℃にて塩化ナトリウム15
00ppmを含有するpH6.5の水溶液で評価したと
きに、塩の膜透過阻止率が90%以上、透過水量が1m
3 /m2 ・日以上であることが好ましい。透過水量が高
いほど低圧で運転できるため、電気代等のランニングコ
ストが安くできる為好ましい。更に好ましくは透過水量
が1.2m3 /m2 ・日以上である。
理方法に於いては、前記複合逆浸透膜のポリアミド系ス
キン層の表面を被覆している正荷電性基を有する有機重
合体層が架橋されていることが好ましい。架橋された有
機重合体層とすることにより、連続運転時や薬品による
洗浄時などに、表面を被覆している正荷電性基を有する
有機重合体層の部分的脱落を防止でき、カチオン系有機
物および/または両性系有機物による透過水量低下抑制
効果の低下を防止することができ好ましい。
理方法に於いては、前記複合逆浸透膜のポリアミド系ス
キン層の表面を被覆している正荷電性基を有する有機重
合体層が、4級アンモニウム基および水酸基を有する重
合体の分子内および/または分子間架橋有機重合体層で
あることが好ましい。この架橋有機重合体層は製造が容
易であり、且つ、前述した処理性能を効率よく発揮でき
好ましい。
理方法に於いては、前記複合逆浸透膜のポリアミド系ス
キン層の表面を被覆している正荷電性基を有する有機重
合体層が、ポリエチレンイミンを架橋した有機重合体層
であることが好ましい。この架橋有機重合体層は製造が
容易であり、且つ、前述した性能を効率よく発揮でき好
ましい。
造方法自体は、上記特性を満足する複合逆浸透膜が得ら
れる製法であれば、特に限定されず、例えば、ポリアミ
ド系スキン層を有する複合逆浸透膜の従来知られている
各種の製造法を参照して製造することができる。
のポリアミド系スキン層は、たとえば2つ以上の反応性
のアミノ基を有する多官能性アミン化合物と、2つ以上
の反応性の酸ハライド基を有する多官能性酸ハロゲン化
合物との界面重縮合反応時に、溶解度パラメーターが8
〜14(cal/cm3 )1/2 の化合物、例えばアルコール
類、エーテル類、ケトン類、エステル類、ハロゲン化炭
化水素類、及び含硫黄化合物類などから選ばれる少なく
とも一つの化合物の存在させることにより製造すること
ができる。かかるアルコール類としては、例えば、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、ブチルアルコー
ル、1−ペンタノール、2−ペンタノール、t−アミル
アルコール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、ウンデカノール、2−
エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノ
ール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルア
ルコール、ネオペンチルグリコール、t−ブタノール、
ベンジルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、
3−メチル−2−ブタノール、ペンチルアルコール、ア
リルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール等が挙げられる。
ル、エチルイソアミルエーテル、エチル−t−ブチルエ
ーテル、エチルベンジルエーテル、クラウンエーテル、
クレジルメチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、
ジグリシジルエーテル、シネオール、ジフェニルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジベンジ
ルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、
テトラヒドロフラン、トリオキサン、ジクロロエチルエ
ーテル、ブチルフェニルエーテル、フラン、メチル−t
−ブチルエーテル、モノジクロロジエチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエー
テル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレンクロロヒドリン等が挙げられる。
イルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、メチルイソブ
チルケトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
ル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソ
ブチル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル
等が挙げられる。
ば、アリルクロライド、塩化アミル、ジクロロメタン、
ジクロロエタン等が挙げられる。また含硫黄化合物類と
しては例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チ
オラン等が挙げられる。
ル類が好ましい。これらの化合物は単独であるいは複数
で存在させることができる。これらの溶解度パラメータ
ーが8〜14(cal/cm3 )1/2 の化合物の使用量は、そ
の化合物の種類や界面重縮合に用いられる多官能性アミ
ン化合物、多官能性酸ハロゲン化合物の種類や、前記多
官能性アミン化合物を含む溶液(以下溶液Xと言う)あ
るいは多官能性酸ハロゲン化合物を含む溶液(以下溶液
Yと言う)のいずれの方に添加するかなどによって異な
るので、特に限定するものではないが、溶液Xに溶解度
パラメーターが8〜14(cal/cm3 )1/2 の物質(以下
物質Zと言う)を添加する場合、その好ましい添加量は
溶液Xと物質Zの合計重量に基いて10〜50重量%で
ある。10重量%未満では水透過性を向上させる効果が
十分発揮されない傾向にあり、50重量%を越えると塩
の膜透過阻止率が低下する傾向となる。また溶液Yに物
質Zを添加する場合、その好ましい添加量は溶液Yと物
質Zの合計重量に基いて0.001〜10重量%であ
る。0.001重量%未満では水透過性を向上させる効
果が十分発揮されない傾向にあり、10重量%を越える
と塩の膜透過阻止率が低下する傾向となる。尚、この溶
解度パラメーターが8〜14(cal/cm3 )1/2 の化合物
は前記多官能性アミン化合物を含む溶液あるいは多官能
性酸ハロゲン化合物を含む溶液の少なくとも一方、ある
いは、両方に添加してもよい。
/cm3 )1/2 の化合物の使用量や種類を適宜選定するこ
とにより、ポリアミド系スキン層の前述した表面粗さな
どを調整することができる。
のポリアミド系スキン層は、前述した様に、2つ以上の
反応性のアミノ基を有する多官能性アミン化合物と、2
つ以上の反応性の酸ハライド基を有する多官能性酸ハロ
ゲン化合物との界面重縮合反応によって合成されるが、
用いられる多官能性アミン化合物としては、2つ以上の
反応性のアミノ基を有する多官能アミンであれば特に限
定されず、芳香族、脂肪族、または脂環式の多官能アミ
ンが挙げられる。
ば、炭素数6〜11の芳香族多官能アミンが挙げられ、
具体的には、m−フェニレンジアミン、p−フェニレン
ジアミン、1,3,5-トリアミノベンゼン、1,2,4-トリアミ
ノベンゼン、8,5-ジアミノ安息香酸、2,4-ジアミノトル
エン、2,4-ジアミノアニソール、アミドール、キシリレ
ンジアミン等が挙げられる。
ば、炭素数2〜11の脂肪族多官能アミンが挙げられ、
具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、
トリス(2−アミノエチル)アミン等が挙げられる。
ば、炭素数4〜11の脂環式多官能アミンが挙げられ、
具体的には、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミ
ノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ピペ
ラジン、2,5-ジメチルピペラジン、4-アミノメチルピペ
ラジン等が挙げられる。
2種以上を併用してもよい。これらの多官能性アミン化
合物のうち、特に芳香族多官能アミンが好ましい。また
本発明で用いられる多官能性酸ハロゲン化物としては、
2つ以上の反応性の酸ハライド基を有する多官能性酸ハ
ロゲン化合物であれば特に限定されず、芳香族、脂肪
族、脂環式等の多官能性酸ハロゲン化物が挙げられる。
ては、例えば、炭素数8〜16の芳香族多官能性酸ハロ
ゲン化物が挙げられ、具体的には、トリメシン酸クロラ
イド、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライ
ド、ビフェニルジカルボン酸クロライド、ナフタレンジ
カルボン酸ジクロライド、ベンゼントリスルホン酸クロ
ライド、ベンゼンジスルホン酸クロライド、クロロスル
ホニルベンゼンジカルボン酸クロライド等が挙げられ
る。
は、例えば、炭素数4〜12の脂肪族多官能性酸ハロゲ
ン化物が挙げられ、具体的には、プロパントリカルボン
酸クロライド、ブタントリカルボン酸クロライド、ペン
タントリカルボン酸クロライド、グルタリルハライド、
アジポイルハライド等が挙げられる。
は、例えば、炭素数6〜14の脂環式多官能性酸ハロゲ
ン化物が挙げられ、具体的には、シクロプロパントリカ
ルボン酸クロライド、シクロブタンテトラカルボン酸ク
ロライド、シクロペンタントリカルボン酸クロライド、
シクロペンタンテトラカルボン酸クロライド、シクロヘ
キサントリカルボン酸クロライド、テトラハイドロフラ
ンテトラカルボン酸クロライド、シクロペンタンジカル
ボン酸クロライド、シクロブタンジカルボン酸クロライ
ド、シクロヘキサンジカルボン酸クロライド、テトラハ
イドロフランジカルボン酸クロライド等が挙げられる。
く、2種以上の混合物として用いてもよい。これらの多
官能性酸ハロゲン化物のうち、特に芳香族多官能性酸ハ
ロゲン化物が好ましい。
ていることが必要であるので、多官能性アミン化合物お
よび多官能性酸ハロゲン化物の一方もしくは両方の少な
くとも一部として3官能以上の多官能性アミン化合物お
よび/または3官能以上の多官能性酸ハロゲン化物を使
用することが必要である。もちろん多官能性アミン化合
物および多官能性酸ハロゲン化物の一方もしくは両方が
3官能以上の化合物であってもよい。3官能以上の多官
能性アミン化合物および/または3官能以上の多官能性
酸ハロゲン化物の使用量は目的とする架橋の程度によっ
て適宜選択すればよいが、通常、使用する多官能性アミ
ン化合物または多官能性酸ハロゲン化物の各量に対して
10モル%〜100モル%の範囲、より好ましくは20
モル%〜100モル%の範囲で用いられる。
ド系スキン層の負荷電性架橋ポリアミドとは、pHが7
の時のポリアミド系スキン層からなる膜の荷電が負を示
すものを言う。一般にポリアミドは−NH2 基と−CO
OH基とを有しており、酸性領域に於いては−NH2 基
が−NH3 +になるため正荷電性を示す傾向が強くなり、
アルカリ性領域に於いては−COOH基が−COO- に
なるため負荷電性を示す傾向が強くなる。通常のポリア
ミドではpH7の領域では、負の荷電性が強い。
合物と前記多官能性酸ハロゲン化物とを、微多孔性支持
体上で、界面重合させることにより、微多孔性支持体上
に架橋ポリアミドを主成分とする薄膜、すなわち、ポリ
アミド系スキン層が形成された複合逆浸透膜が得られ
る。
を支持する微多孔性支持体は、ポリアミド系スキン層か
らなる薄膜を支持し得る物であれば特に限定されず、複
合逆浸透膜の微多孔性支持体として使用されている各種
のものが用いられる。例えば、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホンのようなポリアリールエーテルスルホン、
ポリイミド、ポリフッ化ビニリデンなど種々のものを挙
げることができるが、特に、化学的、機械的、熱的に安
定である点から、ポリスルホン、ポリアリールエーテル
スルホンからなる微多孔性支持膜が好ましく用いられ
る。かかる微多孔性支持体は、通常、約25〜125μ
m、好ましくは約40〜75μmの厚みを有するが、必
ずしもこれらに限定されるものではない。
多官能性アミン化合物(アミン成分)を含有する溶液
(通常水溶液が用いられる。)からなる第1の層を形成
し、次いで前記多官能性酸ハロゲン化物(酸ハライド成
分)を含有する溶液(通常有機溶媒溶液が用いられ
る。)からなる層を前記第1の層上に形成し、界面重縮
合を行って、架橋ポリアミドからなる薄膜(ポリアミド
系スキン層)を微多孔性支持体上に形成させることによ
って得ることができる。
製膜を容易にし、あるいは得られる複合逆浸透膜の性能
を向上させるために、さらに、例えば、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の重
合体や、ソルビトール、グリセリン等のような多価アル
コールを少量含有させることもできる。
載のアミン塩、例えばテトラアルキルアンモニウムハラ
イドやトリアルキルアミンと有機酸とによる塩等も、製
膜を容易にする、アミン溶液の微多孔性支持体への吸収
性を良くする、縮合反応を促進する等の点で好適に用い
られる。
ウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム等の界面活性剤を含有させることもできる。これらの
界面活性剤は、多官能アミン化合物を含有する溶液の微
多孔性支持体への濡れ性を改善するのに効果がある。
るために、界面重縮合反応にて生成するハロゲン化水素
を除去するための水酸化ナトリウムやリン酸三ナトリウ
ムを用い、あるいは触媒として、アシル化触媒等を用い
ることも有益である。
液及び多官能性アミン化合物を含有する溶液において、
多官能性酸ハロゲン化物及び多官能性アミン化合物の濃
度は、特に限定されるものではないが、多官能性酸ハロ
ゲン化物は、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.
05〜1重量%であり、多官能性アミン化合物は、通常
0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%であ
る。
能性アミン化合物を含有する溶液を被覆し、次いでその
上に多官能性酸ハロゲン化物を含有する溶液を被覆した
後、それぞれ余分の溶液を除去し、次いで、通常約20
〜150℃、好ましくは約70〜130℃で、約1〜1
0分間、好ましくは約2〜8分間加熱乾燥して、負荷電
性架橋ポリアミドからなる水透過性の薄膜、即ち負荷電
性架橋ポリアミド系スキン層を形成させる。この薄膜
は、その厚さが、通常約0.05〜2μm、好ましくは
約0.10〜1μmの範囲にある。
アミド系スキン層の表面が、正荷電性基を有する有機重
合体層で被覆されていなければならない。正荷電性基を
有する有機重合体層で被覆されていないと、カチオン系
有機物および/または両性系有機物を含む溶液を処理し
た時に透過水量が著しく低下する。
負荷電性架橋ポリアミド系スキン層の表面が、正荷電性
基を有する有機重合体層で被覆されたものであればよ
く、その正荷電性基を有する有機重合体の化学構造は特
に限定されるものではない。但し、耐久性、長期安定性
の面から、当該有機重合体は架橋するものが好ましい。
から、当該有機重合体自体は溶媒に可溶であることが望
ましく、そのため複合逆浸透膜のポリアミド系スキン層
上に被覆後に3次元架橋するものが好ましい。このよう
な有機重合体としては、分子内に正荷電性基と、架橋反
応を起こす官能基を持つもので、それ自体は溶媒に可溶
なものが用いられる。例えば一例として、正荷電性基と
共に分子内に少なくとも2つの水酸基及び/またはアミ
ノ基を有する重合体(以下重合体Aという)や、正荷電
性基と共に分子内に少なくとも2つの水酸基及び/また
はアミノ基と2つの保護されたイソシアネート基を有す
る重合体(以下重合体Bという)などが挙げられる。
基、ホスホニウム基、スルホニウム基などを挙げること
ができる。また、保護されたイソシアネート基とは、ブ
ロック化剤を用いてブロックされたイソシアネート基、
またはアミンイミド基の形で保護されているイソシアネ
ート基などをいう。
ロック化剤は、種々のものが知られており、例えば、フ
ェノール、クレゾールなどのフェノール類、メタノー
ル、エタノール、メチルセロソルブなどのアルコール
類、メチルエチルケトオキシム、アセトアルデヒドオキ
シムなどのオキシム類を挙げることができる。
酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ドの単独重合体および他の重合可能なモノマーとの共重
合体、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロ
ライドとメタクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体、
4−ビニルピリジンとメタクリル酸ヒドロキシエチルと
の共重合体の4級化物などを挙げることができる。
メタクリロイルオキシエチレンイソシアネートを適宜の
ブロック化剤でブロックしてなるイソシアネート単量体
とメタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロライドとの共重合体、上記ブロック化イソシア
ネートと4−ビニルピリジンおよびメタクリル酸ヒドロ
キシエチルとの共重合体の4級化物、1,1−ジメチル
−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミンメタクリルイ
ミドのようなアミンイミド基を有するビニル単量体とメ
タクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム
クロライドとの共重合体などを挙げることができる。
アルコールに可溶性である。したがって、本発明におい
て正荷電性基を有する有機架橋重合体層は、例えば次の
ような種々の方法によって複合逆浸透膜のポリアミド系
スキン層の上に形成することができる。
成するには、重合体Aの水溶液またはアルコール溶液を
複合逆浸透膜のポリアミド系スキン層上に塗布した後、
乾燥し、多官能架橋剤としてのポリイソシアネート化合
物を溶解させた溶液を接触させ、必要に応じて加熱し
て、重合体Aを分子間にて架橋させればよい。
たはアルコール溶液に前記したようなブロック剤にてブ
ロック化した多官能ポリイソシアネート化合物を加え、
得られた溶液を複合逆浸透膜のポリアミド系スキン層上
に塗布した後、このブロック化ポリイソシアネートの解
離温度以上の温度に加熱し、ポリイソシアネート化合物
を遊離させ、重合体Aと架橋反応させてもよい。
ネート化合物は、特に限定されるものではないが、例え
ば、トリレンジイソシアネートやジフェニルメタンジイ
ソシアネート、それらの多量体、イソホロンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリフェニ
ルメタントリイソシアネート、トリス(p−イソシアネ
ートフェニル)チオフォスファイト、トリメチロールプ
ロパンとトリレンジイソシアネートとの付加体、トリメ
チロールプロパンとキシリレンジイソシアネートとの付
加体などを挙げることができる。
逆浸透膜のポリアミド系スキン層上に形成するには、例
えば重合体Bの水またはアルコール溶液をポリアミド系
スキン層上に塗布し、ブロック化イソシアネートの解離
温度以上の温度に加熱し、イソシアネート基を遊離させ
て、分子間及び/または分子内で架橋させればよい。
による架橋反応を促進するために、架橋反応に際して、
必要に応じて、3級アミンや有機スズ化合物などの触媒
を用いることもできる。
能基を持たなくても、複合逆浸透膜のポリアミド系スキ
ン層上に正荷電性基を有する有機重合体を被覆後、電子
線を照射したり、あるいは有機重合体溶液中に過酸化物
を混入し、複合逆浸透膜のポリアミド系スキン層上に被
覆後加熱するなどの方法によって、この有機重合体骨格
上にラジカルを生じさせ、3次元架橋させることもでき
る。
る正荷電性基を有する架橋有機重合体層の膜厚は、通常
10オングストローム(1nm)乃至10μmの範囲が
好ましい。
ポリエチレンイミンを用い、グルタルアルデヒドを架橋
剤として用いた場合、下記式(化1)のような反応によ
りポリエチレンイミン架橋層が形成される。
の好ましい平均分子量は、300以上、さらに好ましく
は500以上である。ポリエチレンイミンの平均分子量
の上限は特に限定されるものではないが、通常500,
000程度である。また得られたポリエチレンイミン架
橋層の好ましい厚さは1nm〜10μmの範囲である。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。なお、下記の実施例中、前記式
(数1)で定義される平均面粗さ(Ra)、前記式(数
2)で定義される自乗平均面粗さ(Rms)、前記式
(数3)で定義される10点平均面粗さ(Rz)、前記
式(数4)で定義される最大高低差(PV)は、原子間
力顕微鏡(AFM)を用いて測定した値を使って算出し
た。
601で定義されている中心線平均粗さRaを、測定面
に対して適用できるよう三次元に拡張したもので、基準
面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値である。
ここで測定面とは全測定データの示す面をいい、指定面
とは粗さ計測の対象となる面で、測定面のうち測定装置
のクリップで指定した範囲の面をいい、基準面とは指定
面の高さの平均値をZ 0 とするとき、Z=Z0 で表され
る平面をいう。
線に対するRmsを、測定面に対して適用できるようR
aと同様に三次元に拡張したもので、基準面から指定面
までの偏差の自乗を平均した値の平方根である。
B0601で定義されているRzを三次元に拡張した
もので、指定面における、最高から5番目までの山頂の
標高の平均値と最深から5番目までの谷底の標高の平均
値の差である。
て、最も高い山頂の標高Zmax と最も低い谷底の標高Z
min の差である。なお、以上の測定方法そのものは良く
知られた方法であり、測定装置の取り扱い説明書などに
も説明されている。
体形成用モノマーの一成分の合成例。メチルエチルケト
キシム29gをベンゼン50gに溶解し、この溶液に2
5℃の温度で2−メタクロイルオキシエチレンイソシア
ネート51.6gを約40分を要して滴下し、さらに4
5℃で2時間攪拌した。得られた反応生成物をプロトン
NMRにて分析して、2−メタクロイルオキシエチレン
イソシアネートにほぼ定量的にメチルエチルケトキシム
が付加しているブロック化物であることを確認した。
体の合成例。メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロライド16gと参考例1で得たブロ
ック化イソシアネート化合物8gとをメタノール60g
に溶解させ、これにアゾビスイソブチロニトリル0.4
gを加え、窒素ガス雰囲気下に60℃で6時間攪拌し
て、4級アンモニウム基及び水酸基を有する共重合体を
得た。
3.0重量%、ラウリル硫酸ナトリウム 0.15重量
%、トリエチルアミン 3.0重量%、カンファースル
ホン酸 6.0重量%、イソプロピルアルコール 10
重量%を含有した水溶液を溶液Aとして、微多孔性ポリ
スルホン支持膜に接触させて、余分の溶液Aを除去して
支持膜上に上記溶液Aの層を形成した。
ン酸クロライド 0.20重量%を含むヘキサン溶液を
溶液Bとして調整し、溶液Aと接触させ、その後120
℃の熱風乾燥機の中で3分間保持して、支持膜上に重合
体薄膜(ポリアミド系スキン層)を形成させ、複合逆浸
透膜を得た。(複合逆浸透膜A) 得られた複合逆浸透膜の一部を水洗し、乾燥後、原子間
力顕微鏡(AFM)にて複合逆浸透膜表面のポリアミド
系スキン層の表面粗さを測定したところ、Raは76.
8nm、Rmsは93nm、Rzは324nm、PVは
555nmであった。これは溶液Aにイソプロピルアル
コールを添加したことにより、界面重縮合反応の際に逆
浸透膜の表面形状が変化したものである。イソプロピル
アルコール以外であっても溶解度パラメーターが8〜1
4(cal/cm3 )1/2 の化合物を界面重縮合反応の際に存
在させると、同様に逆浸透膜の表面形状が変化すること
を本発明者らは確認している。
せ、1重量%水溶液を作製した。これに架橋触媒として
1,4−アザビシクロ(2,2,2)オクタン0.00
5gを加えた。このようにして得られた溶液を、上記の
複合逆浸透膜Aのポリアミド系スキン層の上に塗布し、
150℃で10分間加熱し、前記共重合体を架橋させて
正荷電性基を有する複合逆浸透膜を得た(複合逆浸透膜
B)。
ppmを含有するpH6.5の水溶液で操作圧力15k
gf/cm2 、温度25℃にて評価したところ、塩の膜
透過阻止率は99%、透過水量は1.5m3 /m2 ・日
であった。この評価液にカチオン系界面活性剤を100
0ppm混合し、更に1hr運転した。1hr後、評価
液を同様の組成の新しい評価液と入れ換え透過水量を測
定したところ、1.3m3 /m2 ・日と初期値に対し、
約1割透過水量が低下するものの、十分に高い透過水量
を示した。
同様に、塩化ナトリウム1500ppmを含有するpH
6.5の水溶液を用いて初期評価したところ、塩の膜透
過阻止率は99%、透過水量は2.2m3 /m2 ・日で
あった。続いてこの評価液に更にカチオン系界面活性剤
を1000ppm混合した評価液を用いて実施例1と同
様に運転した後、透過水量を測定したところ、0.6m
3 /m2 ・日と初期値に対し、約7割透過水量が著しく
低下した。
加しない以外は、実施例1の複合逆浸透膜Aと同様にし
て複合逆浸透膜を得た。(複合逆浸透膜C) 得られた複合逆浸透膜Cの一部を水洗し、乾燥後、原子
間力顕微鏡(AFM)にて複合逆浸透膜表面のポリアミ
ド系スキン層の表面粗さを測定したところ、Raは50
nm、Rmsは61nm、Rzは294nm、PVは3
41nmであった。
重合体1gを水に溶解させ、1重量%水溶液を作製し、
これに架橋触媒として1,4−アザビシクロ(2,2,
2)オクタン0.005gを加えた。このようにして得
られた溶液を、上記の複合逆浸透膜Cのポリアミド系ス
キン層の上に塗布し、150℃で10分間加熱し、前記
共重合体を架橋させて正荷電性基を有する複合逆浸透膜
を得た(複合逆浸透膜D)。
ナトリウム1500ppmを含有するpH6.5の水溶
液を用いて初期評価したところ、塩の膜透過阻止率は9
9%、透過水量は0.6m3 /m2 ・日であった。続い
てこの評価液に更にカチオン系界面活性剤を1000p
pm混合した評価液を用いて実施例1と同様に運転した
後、透過水量を測定したところ、0.5m3 /m2 ・日
と初期値に対し、約1割透過水量が低下した。透過水量
の低下は、小さいものの、初期の透過水量そのものが低
いため、高圧運転もしくは膜面積を多く必要とするなど
のため経済性がない。
ンイミン1重量%を供給純水中に添加し、逆浸透処理し
た後、系内を水洗し、供給純水中にグルタルアルデヒド
を1重量%を添加し、処理を行いポリエチレンイミンを
架橋させて、正荷電性基を有する複合逆浸透膜を得た
(複合逆浸透膜E)。
ナトリウム1500ppmを含有するpH6.5の水溶
液を用いて初期評価したところ、塩の膜透過阻止率は9
9%、透過水量は1.2m3 /m2 ・日であった。続い
てこの組成の評価液にカチオン系界面活性剤を1000
ppm混合した評価液を用いて実施例1と同様に運転し
た後、透過水量を測定したところ、1.1m3 /m2 ・
日と十分に高い透過水量を示した。以上の様に、透過水
量が著しく低下するカチオン系有機物および/または両
性系有機物を含む溶液の脱塩処理においても、本発明の
複合逆浸透膜を用いる処理方法であれば、透過水量が著
しく低下することもなく安定して運転することができ
る。
は、運転ランニングコストの安いポリアミド系のスキン
層を持つ複合逆浸透膜を用いて、カチオン系有機物およ
び/または両性系有機物を含む溶液を、高い透過水量で
かつ安定して処理できる溶液の処理方法を提供できる。
例えば、カチオン系有機物および/または両性系有機物
を含む溶液の脱塩やTOC(全有機炭素 Total organi
c carbon)などの有機物の除去などに好適に用いられ、
また染色排水や電着塗料排水などの公害発生原因である
汚れ等から、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質
を除去回収し、ひいては処理された溶液が再使用できる
ので排水を少なくする排水のクローズ化に寄与すること
ができる。また食品用途等での有効成分の濃縮等や、浄
水や下水用途等での有害成分の除去などの高度処理に用
いることができる。
は、従来の複合逆浸透膜では透過水量が著しく低下し運
転が不可能であったカチオン系有機物および/または両
性系有機物を含む溶液での運転が可能である。例えば、
カチオン系界面活性剤や両性界面活性剤を含む排水の処
理や、アニオン交換樹脂などからのカチオン性モノマー
の溶出がある液の処理などに好適に用いることができ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 カチオン系有機物および/または両性系
有機物を含む溶液を複合逆浸透膜で処理する方法におい
て、処理に使用する複合逆浸透膜が、ポリアミド系スキ
ン層とこれを支持する微多孔性支持体とからなる複合逆
浸透膜で、上記ポリアミド系スキン層はその平均面粗さ
が55nm以上であって、2つ以上の反応性のアミノ基
を有する多官能性アミン化合物と、2つ以上の反応性の
酸ハライド基を有する多官能性酸ハロゲン化物から合成
された負荷電性架橋ポリアミド系スキン層であり、前記
スキン層の表面が正荷電性基を有する有機重合体層で被
覆されていることを特徴とする複合逆浸透膜による処理
方法。 - 【請求項2】 複合逆浸透膜のポリアミド系スキン層の
自乗平均面粗さが65nm以上である請求項1に記載の
複合逆浸透膜による処理方法。 - 【請求項3】 複合逆浸透膜のポリアミド系スキン層の
10点平均面粗さが300nm以上である請求項1〜2
のいずれかに記載の複合逆浸透膜による処理方法。 - 【請求項4】 複合逆浸透膜のポリアミド系スキン層の
最大高低差が400nm以上である請求項1〜3のいず
れかに記載の複合逆浸透膜による処理方法。 - 【請求項5】 複合逆浸透膜のポリアミド系スキン層が
全芳香族架橋ポリアミドからなる請求項1〜4のいずれ
かに記載の複合逆浸透膜による処理方法。 - 【請求項6】 複合逆浸透膜の性能が、操作圧力15k
gf/cm2 、温度25℃にて塩化ナトリウム1500
ppmを含有するpH6.5の水溶液で評価したとき
に、塩の膜透過阻止率が90%以上、透過水量が1m3
/m2 ・日以上である請求項1〜5のいずれかに記載の
複合逆浸透膜による処理方法。 - 【請求項7】 ポリアミド系スキン層の表面を被覆して
いる正荷電性基を有する有機重合体層が、架橋された有
機重合体膜である請求項1〜6のいずれかに記載の複合
逆浸透膜による処理方法。 - 【請求項8】 正荷電性基を有する有機重合体層が、4
級アンモニウム基および水酸基を有する重合体の分子内
および/または分子間架橋有機重合体層である請求項1
〜7のいずれかに記載の複合逆浸透膜による処理方法。 - 【請求項9】 正荷電性基を有する有機重合体膜が、ポ
リエチレンイミンを架橋した有機重合体層である請求項
1〜7のいずれかに記載の複合逆浸透膜による処理方
法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN110871040A (zh) * | 2018-08-31 | 2020-03-10 | 湖州欧美新材料有限公司 | 一种复合纳滤膜及其制备方法 |
-
1996
- 1996-07-26 JP JP19798996A patent/JP3587937B2/ja not_active Expired - Lifetime
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