JPH10339243A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射量の変化や燃料圧送圧力の変化に柔
軟に対応することができ、しかも、広範囲の周波数帯域
に対応することが可能な脈圧低減手段を有する内燃機関
の燃料噴射装置を提供する。 【解決手段】 燃料供給ポンプにより高圧配管内に高圧
燃料を圧送し、上記高圧配管内の高圧燃料を複数の分岐
配管を通じて各々各気筒に設置されたインジェクタに分
配し、上記インジェク夕に圧送された高圧燃料を電磁弁
の開閉によりエンジン内に噴射するようにした燃料噴射
装置を、上記高圧配管または分岐配管に配管内圧力をあ
る幅の範囲内で可変にすることのできるアクチュエータ
を接続し、インジェクタの燃料噴射により発生する圧力
変動に応じてアクチュエータを駆動することにより、ア
クチュエータの発生する圧力波と上記圧力変動を干渉さ
せ圧力変動を低減するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ガソリンエンジ
ンやディーゼルエンジン等の内燃機関に用いられる燃料
噴射装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】昨今のガソリンエンジンにおいては、燃
費や出力向上等のために燃料の筒内直噴化が進んでお
り、それに伴い燃料噴射圧も数ＭＰａもの高圧が要求さ
れる。

【０００３】これらの要求を満たす燃料噴射装置の一形
式としては、燃料供給ポンプにより高圧配管内に高圧燃
料を圧送し、該高圧配管内の高圧燃料を複数の分岐配管
を通じて各々各気筒に設置されたインジェクタに分配
し、該インジェクタに圧送された高圧燃料を電磁弁の開
閉によりエンジン内に噴射するようにしたものが公知で
ある。

【０００４】このような燃料噴射装置においては、イン
ジェクタによる燃料噴射時に、配管内の圧力が一時的に
低下することが引き金となって配管内に圧力変動（脈
圧）が発生し、この脈圧を加振力とする振動や騒音の悪
化を招き、ひいては他気筒の燃料噴射量の変動といった
問題が発生する場合がある。

【０００５】このような問題を解決する一手法として
は、例えば、特開平４−３４２８６８号公報に示す技術
が公知である。

【０００６】この従来技術は、図９に示すように、各イ
ンジェクタ２に燃料を供給する各分岐配管４の夫々にブ
ランチ管２０を接続し、脈圧によりブランチ管２０内で
発生した圧力波を分岐配管４内の脈圧と干渉させて脈圧
を減衰させるように構成されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術にあっては、ブランチ管２０はある特定の周波数
（ｆ，３ｆ）にのみ効く部材であるため、燃料噴射量の
変化や可変燃圧システムにおける燃料圧送圧力の変化等
により脈圧変動の周波数が変化した場合には低減効果が
十分発揮できない。

【０００８】また、成層燃焼による直噴ガソリンエンジ
ンにおいては、筒内への燃料噴射時間は０．１ｍｓｅｃ
と非常に短くなってきており、その結果、燃料噴射によ
る圧力変動も、周波数的に見ると広範囲の周波数成分を
含むようになってきているが、有効周波数が限定される
上記従来技術では、このような状況には十分対応するこ
とができない、という問題を有していた。

【０００９】この発明は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、燃料噴射量の
変化や燃料圧送圧力の変化に柔軟に対応することがで
き、しかも、広範囲の周波数帯域に対応することが可能
な脈圧低減手段を有する内燃機関の燃料噴射装置を提供
しようとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に記載の発明は、燃料供給ポンプにより高
圧配管内に高圧燃料を圧送し、上記高圧配管内の高圧燃
料を複数の分岐配管を通じて各気筒に設置されたインジ
ェクタに分配し、上記インジェクタに圧送された高圧燃
料を電磁弁の開閉によりエンジン内に噴射するように構
成されてなる内燃機関の燃料噴射装置を技術的前提と
し、上記高圧配管または分岐配管に配管内圧力を所要範
囲内で可変できるアクチュエータを接続し、インジェク
タの燃料噴射により発生する圧力変動に応じて上記アク
チュエータを駆動するように構成したことを特徴とする
ものである。

【００１１】また、請求項２に記載の発明は、請求項１
に記載の発明において、上記アクチュエータば油密性を
保ちながら高圧燃料内に接する振動面を備え、インジェ
クタの燃料噴射に起因する圧力変動に応じて上記振動面
をソレノイド等で駆動して圧力波を発生させ、上記圧力
変動と干渉させることとした。

【００１２】さらに、請求項３に記載の発明は、請求項
１に記載の発明において、上記アクチュエータは、高圧
配管内に燃料噴射口を有するインジェクタであり、該イ
ンジェクタの燃料噴射に起因する圧力変動に応じて上記
インジェクタから燃料を噴射して圧力波を発生させ、上
記圧力変動と干渉させることとした。

【００１３】請求項４に記載の発明は、請求項１乃至請
求項３に記載された発明において、各インジェクタに接
続される分岐配管の内、２つ以上の分岐配管が共通の配
管で結合され、上記アクチュエータは上記共通配管と上
記高圧配管を接続する中間配管上に設置したことを特徴
とするものである。

【００１４】請求項５に記載の発明は、請求項１乃至請
求項４に記載された発明において、上記アクチュエータ
の駆動は、燃料噴射量に応じた駆動信号波形をコントロ
ーラ内に予め内蔵したマップから呼び出し、その信号に
アクチュエータとインジェクタとの間の配管長等に応じ
た時間遅れを付加し、燃料圧等に応じた振幅倍率を乗じ
て駆動信号として出力するように構成した。

【００１５】請求項６に記載の発明は、請求項１乃至請
求項５に記載された発明において、高圧配管とアクチュ
エータ結合部に形成されるヘルムホルツ共振器を発生圧
力波の倍力装置として利用することとした。

【００１６】請求項７に記載の発明は、請求項１乃至請
求項６に記載された発明において、高圧配管内の脈圧の
進行方向ベクトルとアクチュ工一タが発生する圧力波の
進行方向ベクトルとが鋭角をなすように上記アクチュエ
ータを高圧配管に取り付けて構成した。

【００１７】

【作用】それ故、請求項１に記載された発明にあって
は、燃料供給ポンプにより高圧配管内に高圧燃料を圧送
し、上記高圧配管内の高圧燃料を複数の分岐配管を通じ
て各々各気筒に設置されたインジェクタに分配し、上記
インジェク夕に圧送された高圧燃料を電磁弁の開閉によ
りエンジン内に噴射するようにした燃料噴射装置におい
て、上記高圧配管または分岐配管に配管内圧力をある幅
の範囲内で可変にすることのできるアクチュエータを接
続し、インジェクタの燃料噴射により発生する圧力変動
に応じてアクチュエータを駆動することにより、アクチ
ュエータの発生する圧力波と上記圧力変動を干渉させ圧
力変動を低減する。

【００１８】また、請求項２に記載された発明にあって
は、請求項１に記載された発明において、上記アクチュ
エータは、油密性を保ちながら高圧燃料内に接する振動
面を備え、インジェクタの燃料噴射に起因する圧力変動
に応じて、上記振動面をソレノイド等で駆動して圧力波
を発生させて上記圧力変動と干渉させることにより、簡
易な構造により圧力変動を低減する。

【００１９】さらに、請求項３に記載された発明にあっ
ては、請求項１に記載された発明において、上記アクチ
ュエータは、高圧配管内に燃料噴射口を有するインジェ
クタであり、該インジェクタの燃料噴射に起因する圧力
変動に応じて上記インジェクタから燃料を噴射して圧力
波を発生させて上記圧力変動と干渉させることにより、
圧力変動を低減すると同時に、燃料噴射期間が長い場合
の長周期の圧力変動にも容易に対応できるものとした。

【００２０】請求項４に記載された発明にあっては、請
求項１乃至請求項３に記載された発明において、各イン
ジェクタに接続される分岐配管の内、２つ以上の分岐配
管が共通の配管で結合され、上記アクチュエータは、上
記共通配管と上記高圧配管を接続する中間配管上に設置
されることにより、少ないアクチュエータ数で多数の気
筒に対する脈圧低減効果が得られるようにした。

【００２１】請求項５に記載された発明にあっては、請
求項１乃至請求項４に記載された発明において、上記ア
クチュエータの駆動駆動については、燃料噴射量に応じ
た駆動信号波形をコントローラ内に予め内蔵したマップ
から呼び出し、その信号にアクチュエータとインジェク
タとの間の配管長等に応じた時間遅れを付加し、燃料圧
等に応じた振幅倍率に乗じて駆動信号として出力するこ
とにより、簡易演算によりアクチェエータ制御信号を高
速に出力し、状態変化に迅速に追随できるようにした。

【００２２】請求項６に記載された発明にあっては、請
求項１乃至請求項５に記載された発明において、高圧配
管とアクチュエータ結合部に形成されるヘルムホルツ共
振器を発生圧力波の倍力装置として利用することによ
り、限定された周波数領域においては低出力のアクチュ
エータで高出力の圧力波が送り出せるようにした。

【００２３】請求項７に記載された発明にあっては、請
求項１乃至請求項６に記載された発明において、高圧配
管内の脈圧の進行方向ベクトルとアクチュエータが発生
する圧力波の進行方向ベクトルが鋭角となるように上記
アクチュエータを高圧配管に取り付けることにより、圧
力変動低減効果を高めると共に、アクチュエータが発生
する圧力波のインジェクタ側への伝達を抑制することと
した。

【００２４】

【発明の実施の形態例】以下、添付図面に示す発明の実
施の形態例に基づき、この発明を詳細に説明する。

【００２５】図１乃至図７は、この発明の実施の第１形
態例を示しており、図１は、本形態例に係る燃料噴射装
置の構成を簡略化して示しており、直列４気筒の直噴ガ
ソリンエンジン等に適用されるものである。

【００２６】図中符号１は燃料タンク、符号２は燃料を
高圧ポンプ３へ送り込むためのフィードポンプ、符号３
は燃料を昇圧するための、例えば、斜板式プランジャポ
ンプ等からなる高圧ポンプを夫々示している。

【００２７】この高圧ポンプ３により数ＭＰａまで昇圧
された燃料は、高圧配管４に圧送されて中間配管５から
共通配管６を経て各気筒の分岐配管７ａ，７ｂ，７ｃ，
７ｄからインジェクタ８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄに供給さ
れる。

【００２８】各インジェクタ８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄ
は、エンジン９の燃焼室内に直接燃料を噴射する。噴射
に使用されない燃料はプレッシャーレギュレータ１０に
よって減圧され、低圧配管１１を経て高圧ポンプ３に還
流される。

【００２９】脈圧低減用のアクチュエータ１２は、中間
配管５の途中に配置される。このような配管構成の場合
は、１つのアクチュエータで４気筒分の脈圧を低減する
ことができる。

【００３０】また、上記アクチュエータ１２の構造とし
ては、例えば、図２に示す構造が考えられる。この図２
は、アクチュエータ１２周りの断面図を示したもので、
シリンダ２１とシリンダ２２はＯリング２３を介してネ
ジ結合等の手段で結合され、両者に挟まれた空間が燃料
室を形成する。

【００３１】シリンダ２２の天面は、ダイヤフラムのよ
うに往復運動が可能な面で構成されており、その中心部
にピストン２４が結合される。そして、このピストン２
４の外周に配置されているのがインナシリンダ２５であ
り、このインナシリンダ２５は、ピストン２４のガイド
並びにピストン押し出し方向のストッパーとソレノイド
２６の保持の機能を兼ね備えている。

【００３２】また、上記アクチュエータ１２の後端は、
蓋２７で閉じられる。この蓋２７はピストン２４の引き
込み方向のストッパーの役目も兼ねている。尚、同図に
おいて符号２８は、ソレノイドに制御信号と電力を供給
するケーブルである。

【００３３】一方、上記シリンダ２１の喉部と中間配管
５の分岐枝５ａは、Ｏリング２９を介してネジ結合等の
手段で結合されている。インジェクタ８ａ，８ｂ，８
ｃ，８ｄの噴射時に発生する脈圧は、上記共通配管６を
経由して中間配管５から高圧配管４に伝達されるため、
脈圧を打ち消すためにアクチュ工一タ１２で発生する圧
力波の進行方向は上記脈圧の進行方向にできるだけ一致
させるのが望ましい。

【００３４】また、アクチュエータ１２で発生する圧力
波は、インジェクタ８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄ側にできる
だけ進行しないことが望ましい。そのため、本形態例で
はアクチュエータ１２を取り付ける分岐枝に角度を持た
せている。尚、アクチュエータ１２の燃料室と分岐枝の
首部はヘルムホルツの共振器を形成する。その共振を倍
力装置として利用することもできるが、制御を簡略化す
る場合には、その共振周波数を脈圧変動の主要周波数よ
り上に外しておく必要がある。

【００３５】図３は、本形態例に係る燃料噴射装置の制
御部を示している。コントローラ４１には、エンジン回
転速度４２やスロットル開度４３等の情報が入力され、
その情報は、インジェクタ制御ユニット４４で処理され
て各気筒のインジェクタ制御信号４５及びプレッシャー
レギュレータ１０の圧力制御信号４６が出力される。こ
れらの制御信号は同時にアクチュエータ制御ユニット４
７に入力され、そこからアクチュエータ制御信号４８が
出力される。

【００３６】アクチュエータ１２の制御の一例を図４の
フローチャートに示す。先ず、ステップ１０２でインジ
ェクタ制御信号を入力する。この信号には、噴射気筒位
置＃ｘ、噴射タイミングＴｉ、噴射期間Ｔの情報が含ま
れている。

【００３７】次に、ステップ１０３でプレッシャーレギ
ュレータ圧の制御信号を入力する。本形態例ではアクチ
ュエータ制御信号は、図５に示すように、時間遅れ(del
ay)、駆動波形(envelope)及び振幅(magnitude) の３要
素で定義している。これらの要素のうち時間遅れ量をス
テップ１０４で決定する。この時間遅れは、各気筒のイ
ンジェクタとアクチュエータとの間の圧力伝播時間やア
クチュエータ信号入力から作動までのタイムラグ等を考
慮して決定する。

【００３８】駆動波形は、ステップ１０５で決定する。
制御ユニット内には、予め燃料噴射時間に応じた駆動波
形を加振実験等で求めて、図６に示すようなマップの形
で内蔵しておき、噴射期間に対応する駆動波形をマップ
から呼び出す形で駆動波形を決定する。振幅倍率はステ
ップ１０６にて決定する。燃料圧が高くなるほど強い駆
動力が要求されるため、振幅倍率はプレッシャーレギュ
レータ設定圧の値を元に決定する。

【００３９】このようにして求めた３要素をステップ１
０７で合成して制御信号を求め、ステップ１０８で出力
する。このような制御を実施することにより、燃料噴射
量や燃料圧の変化といった状況の変化に対してもアクチ
ュエータによる脈圧変動低減効果を常に高く保つことが
できる。

【００４０】図７に本形態例の脈圧低減効果を示す。こ
のグラフは、あるエンジン運転条件における高圧配管内
の脈圧変動についてアクチュエータｏｎ／ｏｆｆによる
脈圧変動レベルの比較を示している。このグラフからア
クチュエータ作動により脈圧変動が大幅に低減している
ことが解る。

【００４１】図８は、この発明の第２形態例を示してお
り、本第２形態例の構成は前記第１形態例とほぼ同様で
あるが、第１形態例では高圧配管４からの燃料を、１本
の中間配管５から共通配管６を経て４本のインジェクタ
に供給していたのに対し、本第２形態例では中間配管と
共通配管を２本として、夫々２本のインジェクタに燃料
を供給すると共に、アクチュエータを夫々の中間配管に
１つづつ取り付けた点で第１形態例とは異なる。

【００４２】このように構成することにより、アクチュ
エータ個数は１個増加するが、インジェクタへの燃料供
給はより安定したものとなる。尚、アクチュエータの構
造及び制御ロジックは第１形態例と同様である。

【００４３】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に記載さ
れた内燃機関の燃料噴射装置によれば、燃料供給ポンプ
により高圧配管内に高圧燃料を圧送し、上記高圧配管内
の高圧燃料を複数の分岐配管を通じて各々各気筒に設置
されたインジェクタに分配し、該インジェクタに圧送さ
れた高圧燃料を電磁弁の開閉によりエンジン内に噴射す
るようにした燃料噴射装置を技術的前提とし、上記高圧
配管または分岐配管に、配管内圧力をある幅の範囲内で
可変にすることのできるアクチュエータを接続し、イン
ジェクタの燃料噴射により発生する圧力変動に応じてア
クチュ工一タを駆動するように構成されているため、ア
クチュエータの発生する圧力波と上記圧力変動を干渉さ
せて圧力変動を低減することができる、という効果が得
られる。

【００４４】また、請求項２に記載された内燃機関の燃
料噴射装置によれば、請求項１に記載された発明におい
て、上記アクチュエータは油密性を保ちながら高圧燃料
内に接する振動面を備え、インジェクタの燃料噴射に起
因する圧力変動に応じて上記振動面をソレノイド等で駆
動し圧力波を発生させて、上記圧力変動と干渉させるよ
うに構成したため、簡易な構造により圧力変動を低減す
ることができる、という効果が得られる。

【００４５】請求項３に記載された内燃機関の燃料噴射
装置によれば、請求項１に記載された発明において、上
記アクチュエータは、高圧配管内に燃料噴射口を有する
インジェクタであり、該インジェクタの燃料噴射に起因
する圧力変動に応じて上記インジェクタから燃料を噴射
して圧力波を発生させて、上記圧力変動と干渉させるよ
うに構成したため、圧力変動を低減すると同時に、燃料
噴射期間が長い場合の長周期の圧力変動にも容易に対応
することができる、という効果が得られる。

【００４６】請求項４に記載された内燃機関の燃料噴射
装置によれば、請求項１乃至請求項３に記載された発明
において、各インジェクタに接続される分岐配管の内、
２つ以上の分岐配管が共通の配管で結合され、上記アク
チュエータは、上記共通配管と上記高圧配管を接続する
中間配管上に設置されているため、少ないアクチュエー
タ数で多数の気筒に対する脈圧低減効果が得られる。

【００４７】請求項５に記載された内燃機関の燃料噴射
装置によれば、請求項１乃至請求項４に記載された発明
において、上記アクチュエータの駆動については、燃料
噴射量に応じた駆動信号波形をコントローラ内に予め内
蔵したマップから呼び出し、その信号にアクチュエータ
とインジェクタとの間の配管長等に応じた時間遅れを付
加し、燃料圧等に応じた振幅倍率を乗じて駆動信号とし
て出力するように構成されているので、簡易演算により
アクチュエータ制御信号を高速に出力し、状態変化に迅
速に追随できる、という効果が得られる。

【００４８】請求項６に記載された内燃機関の燃料噴射
装置によれば、請求項１乃至請求項５に記載された発明
において、高圧配管とアクチュエータ結合部に形成され
るヘルムホルツ共振器を発生圧力波の倍力装置として利
用するように構成したので、限定された周波数領域にお
いては低出力のアクチュエータで高出力の圧力波が送り
出せる、という効果が得られる。

【００４９】請求項７に記載された内燃機関の燃料噴射
装置によれば、請求項１乃至請求項６に記載された発明
において、高圧配管内の脈圧の進行方向ベクトルとアク
チュエータが発生する圧力波の進行方向ベクトルが鋭角
となるように上記アクチュエータを高圧配管に取り付け
たので、圧力変動低減効果を高めると共に、アクチュエ
ータが発生する圧力波のインジェクタ側への伝達を抑制
することができる、という効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の第１形態例に係る内燃機関の
燃料噴射装置の構成を概略的に示す説明図である。

【図２】同燃料噴射装置のアクチュエータの詳細な構成
を示すを説明図である。

【図３】同燃料噴射装置の制御信号の流れを説明する図
である。

【図４】同燃料噴射装置におけるアクチュエータの制御
ロジックを示すフローチャートである。

【図５】同アクチュエータ制御信号の基本構成を説明す
る図である。

【図６】同燃料噴射装置における燃料噴射期間に対応す
るアクチュエータ駆動波形のマップを示す図である。

【図７】同燃料噴射装置の脈圧低減効果を説明する図で
ある。

【図８】この発明の実施の第１形態例に係る内燃機関の
燃料噴射装置の構成を概略的に示す説明図である。

【図９】従来の燃料噴射装置の概略的な構成を示す説明
図である。

【符号の説明】 １ 燃料タンク ２ フィードポンプ ３ 高圧ポンプ ４ 高圧配管 ５ 中間配管 ６ 共通配管 ７ 分岐配管 ８ インジェクタ ９ エンジン本体 １０ プレッシャーレギュレータ １１ 低圧配管 １２ アクチュエータ ２１ シリンダ ２４ ピストン ２５ インナシリンダ ２６ ソレノイド ４１ コントローラ ４２ エンジン回転速度信号 ４３ スロットル開度信号 ４４ インジェクタ制御信号演算ユニット ４５ インジェクタ制御信号 ４６ プレッシャーレギュレータ制御信号 ４７ アクチュエータ制御信号演算ユニット ４８ アクチュエータ制御信号

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料供給ポンプにより高圧配管内に高圧
   燃料を圧送し、上記高圧配管内の高圧燃料を複数の分岐
   配管を通じて各気筒に設置されたインジェクタに分配
   し、上記インジェクタに圧送された高圧燃料を電磁弁の
   開閉によりエンジン内に噴射するように構成されてなる
   内燃機関の燃料噴射装置において、上記高圧配管又は分
   岐配管に配管内圧力を所要範囲内で可変できるアクチュ
   エータを接続し、インジェクタの燃料噴射により発生す
   る圧力変動に応じて上記アクチュエータを駆動するよう
   に構成したことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
2. 【請求項２】 前記アクチュエータは、油密性を保ちな
   がら高圧燃料内に接する振動面を備え、インジェクタの
   燃料噴射に起因する圧力変動に応じて、上記振動面をソ
   レノイド等で駆動して圧力波を発生させ、上記圧力変動
   と干渉させることを特徴とする請求項１に記載の内燃機
   関の燃料噴射装置。
3. 【請求項３】 前記アクチュエータは、高圧配管内に燃
   料噴射口を有するインジェクタであり、該インジェクタ
   の燃料噴射に起因する圧カ変動に応じて、上記インジェ
   クタから燃料を噴射して圧カ波を発生させて上記圧力変
   動と干渉させることを特徴とする請求項１に記載の内燃
   機関の燃料噴射装置。
4. 【請求項４】 前記各インジェクタに接続される分岐配
   管の内、２つ以上の分岐配管が共通の配管で結合され、
   前記アクチュエータは、上記共通配管と上記高圧配管と
   を接続する中間配管上に設置されていることを特徴とす
   る請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の内燃機関の
   燃料噴射装置。
5. 【請求項５】 前記アクチュエータの駆動は、燃料噴射
   量に応じた駆動信号波形をコントローラ内に予め内蔵し
   たマップから呼び出し、この駆動信号にアクチュエータ
   とインジェクタ間の配管長等に応じた時間遅れを付加
   し、燃料圧等に応じた振幅倍率を乗じて駆動信号として
   出力することを特徴とする請求項１乃至請求項４のいず
   れかに記載の内燃機関の燃料噴射装置。
6. 【請求項６】 前記高圧配管とアクチュエータ結合部に
   形成されるヘルムホルツ共振器を発生圧カ波の倍力装置
   として利用することを特徴とする請求項乃至請求項５の
   いずれかに記載の内燃機関の燃料噴射装置。
7. 【請求項７】 前記高圧配管内の脈圧の進行方向ベクト
   ルとアクチュエータが発生する圧カ波の進行方向ベクト
   ルが鋭角をなすように上記アクチュエータを高圧配管に
   取り付けることを特徴とする請求項１乃至請求項６のい
   ずれかに記載の内燃機関の燃料噴射装置。