JPH10338882A - 炭化炉 - Google Patents

炭化炉

Info

Publication number
JPH10338882A
JPH10338882A JP9149664A JP14966497A JPH10338882A JP H10338882 A JPH10338882 A JP H10338882A JP 9149664 A JP9149664 A JP 9149664A JP 14966497 A JP14966497 A JP 14966497A JP H10338882 A JPH10338882 A JP H10338882A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
carbonization
main body
valve
burner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9149664A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiichiro Katayama
喜一郎 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HIRUZU KK
Original Assignee
HIRUZU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HIRUZU KK filed Critical HIRUZU KK
Priority to JP9149664A priority Critical patent/JPH10338882A/ja
Publication of JPH10338882A publication Critical patent/JPH10338882A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化炉の能率および生産性ならびに炭の製造
歩留りを向上する。 【解決手段】 金属製の炉本体26の下部にバーナ28
を設け、その上方に均熱部材29と材料収納籠30とを
載置する。炉下部に空気の流量を制御する第1バルブ3
1と、不活性ガス吹込み手段38とを設け、炉上部に排
ガスの流量を制御する第2バルブ33を設ける。炉本体
26の蓋27に排気管路34を接続し、それに開閉手段
35と冷却手段36とを設ける。揮発成分は、排気管路
34に導かれ、冷却されて液化し、回収される。開閉手
段35を閉じて、バルブ操作によって空気および排ガス
の流量を制御すると炭化反応が進行する。炉本体26へ
の空気は、均熱部材29を経て均等に分配され、炭化反
応を均一に進行させて炭化むらを防止する。開閉手段3
5を切換えて、液回収と炭化とを同一の炉で行うことが
できる。金属製の炉本体26と不活性ガスの吹込みと
は、冷却速度を速める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、竹炭および木炭な
どの炭を好適に製造することのできる炭化炉に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、竹炭および木炭などの炭は水の浄
化用、家屋の調湿用、脱臭剤、土壌改良剤等の様々な用
途に広く用いられており、その需要も年々拡大してい
る。このうち竹炭は、放置竹林の活用法としても注目を
集めており、竹炭の製造中に副産物として生成する竹酢
液も有効利用が期待されている。竹炭の製造は、古くか
ら土窯によって行われている。しかしながら、最近近代
的な工業炉による製造も盛んになりつつある。
【0003】図8は、典型的な従来の竹炭製造炉の概略
構成を示す正面図であり、図8(1)は竹酢液回収炉の
概略構成を示す正面図であり、図8(2)は乾留炉の概
略構成を示す正面図である。従来の竹炭製造炉は、竹酢
液回収炉3と乾留炉4とから構成される。竹酢液回収炉
3は、炉本体5とバーナ6とガス冷却器7とから成る。
バーナ6は、燃料ガスとブロア8からの空気とを混合し
て燃焼し、燃焼排ガスを炉本体5内に供給する。ガス冷
却器7は、炉本体5からの排ガスを冷却水によって冷却
し、凝縮液を回収する。冷却水は、ポンプ9によって送
水され、ガス冷却器7および冷却器10を介して循環す
る。炉本体5内に挿入された割竹材は、排ガスによって
加熱され、揮発成分を発生する。竹材から発生する揮発
成分は、排ガスとともにガス冷却器7に導かれ、冷却さ
れて竹酢液として凝縮する。凝縮した竹酢液はタンク1
1に回収され、排ガスは弁12を介して大気中に放散さ
れる。竹酢液を除去された乾燥竹材は、冷却されて乾留
炉4に移される。
【0004】乾留炉4は、炉本体15とバーナ16とブ
ロア17とから成る。炉本体15は、耐火材料によって
内張りされており、その炉床20には通風孔21が複数
個形成されている。前記乾燥竹材は、炉本体15内に挿
入され、炉床20上に載置される。バーナ16は、燃料
ガスとブロア17からの空気とを混合して燃焼し、前記
乾燥竹材を加熱して着火させる。着火後、バーナ16は
消火され、炉本体15内には、炉床20の下方にブロア
17から自燃用空気が所要流量を吹込まれる。吹込まれ
た空気は、通風孔21によって炉内に分配され、着火し
た竹材を自燃させる。これによって、竹材の炭化反応が
進行し、炉内温度が上昇する。炉内温度が850〜10
00℃に到達すると、自燃用空気の供給が停止され、炭
化反応が停止される。炭化反応停止後、常温まで自然放
冷されて竹炭の製造が終了する。前記炭化反応進行中、
炉本体15からの排ガスは、ダンパ18を介して排出さ
れ、消煙バーナ19によって消煙処理されて大気中に放
散される。このように、従来の竹炭製造炉では、竹酢液
回収炉3と乾留炉4とが別個に設けられているので、竹
酢液回収炉3から取出した乾燥竹材の情況に応じて乾留
炉4の熱処理条件を適正に設定することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の竹炭
製造炉には次のような問題がある。 (1)竹材を竹酢液回収炉3から乾留炉4に移し換える
必要があるので、操業の煩雑さ、時間ロスおよび熱ロス
が多大である。 (2)乾留炉4には耐火れんがが内張りされているの
で、自然放冷の所要冷却時間が長い。 (3)前記(1)および(2)から、従来の竹炭製造炉
の能率および生産性が低い。なお、従来の竹炭製造炉の
1サイクルの操業所要日数は4〜5日である。 (4)自燃用空気は、通風孔21を介して直接竹材に供
給され、自燃用空気を通風孔21全体に均等に分配させ
る手段が設けられていない。したがって、炭化反応を均
一に進行させることが困難であり、炭化むらが発生しや
すい。この結果、空気過剰領域では炭化後の酸化ロスが
増大し、竹炭の製造歩留りが低下する。 なお、前記問題は木炭製造炉においても同様であり、炭
化炉の共通の問題である。
【0006】本発明の目的は、前記問題を解決し、能率
および生産性が良好で、かつ炭の製造歩留りの優れた炭
化炉を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、筒状に形成さ
れ、上下に延びる金属製の炉本体と、炉本体の上部の開
口部を開閉可能に塞ぐ金属製の蓋と、炉本体の下部に設
けられるバーナと、炉本体内でバーナの上方に配置さ
れ、バーナからの排ガスをジグザグに導く経路を形成す
る均熱部材と、炉本体の下部に設けられ、炉本体内に不
活性ガスを吹込む不活性ガス吹込み手段と、炉本体の上
部の開口部を介して装脱可能であって、均熱部材の上部
に載置され、多数の透孔が形成され、炭化すべき材料を
収納する金属製の収納籠と、炉本体の下部に設けられ、
炉本体への空気の流量制御が可能な第1流量制御手段
と、炉本体の上部に設けられ、炉本体からの排ガスの流
量制御が可能な第2流量制御手段と、一端部が蓋に接続
され、少なくとも他端部寄りの部分が他端部に向かって
下方に傾斜して延びる排気管路と、排気管路の一端部に
設けられ、排気管路を開閉する開閉手段と、排気管路の
前記傾斜部分に設けられ、排ガスを冷却する冷却手段
と、排気管路の他端部に接続され、液体を回収する回収
塔とを含んで構成されることを特徴とする炭化炉であ
る。
【0008】本発明に従えば、炉本体が金属製であるの
で、耐火材料たとえば耐火れんがで内張りしないステン
レス鋼板によって炉本体を形成することができる。した
がって、炭化後の冷却過程の冷却速度を速めることがで
き、冷却過程の冷却所要時間を短縮することができる。
また、不活性ガスを炉本体内に吹込むことができるの
で、炭化後の炉内雰囲気を不活性ガスで置換して炭化後
の赤熱状態である炭、たとえば竹炭の確実な消火と、さ
らに炉内中のわずかに残留する酸化成分(酸素等)によ
る竹炭の酸化を防止することが可能であり、炭化後の冷
却過程の冷却速度を強制的に速めることができる。さら
にまた、バーナの上方に配置される均熱部材には、バー
ナからの排ガスをジグザグに導く経路が形成されている
ので、排ガスを均等に分配させることができる。したが
って、均熱部材の上方に載置されている収納籠を介して
炭化すべき材料を均一に加熱することができる。
【0009】さらに、第2流量制御手段によって炉本体
からの排ガスの流量制御が可能であり、第1流量制御手
段によって炉本体への空気の流量制御が可能であるの
で、炉本体内を通過する排ガスのドラフト力を適正に制
御して空気の吸込み流量を所要流量に確実に制御するこ
とができる。さらにまた、第1流量制御手段は炉本体の
下部に設けられているので、吸込み空気は均熱部材の下
方から吹込まれる。したがって、吸込み空気は均熱部材
を通過して均等に分配され、炭化反応を均一に進行させ
ることができる。
【0010】さらにまた、排気管路には冷却手段が設け
られているので、排ガス中の揮発成分を凝縮させること
ができる。また排気管路が傾斜しているので、凝縮した
液体を回収塔に確実に回収することができる。また排気
管路には開閉手段が設けられているので、排ガス中の揮
発成分を回収するときには開閉手段を開とし、炭化すべ
き材料を炭化させるときには開閉手段を閉とすることが
できる。したがって、揮発成分の回収と炭化処理とを同
一の炭化炉によって行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
る炭化炉の簡略化された構成を示す正面図であり、図2
は図1に示す炭化炉の平面図である。炭化炉25は炭化
すべき材料、たとえば竹材を炭化して竹炭を製造する炉
であり、炉本体26と、蓋27と、バーナ28と、均熱
部材29と、不活性ガス吹込み手段38と、収納籠30
と、第1流量制御手段31と、第2流量制御手段33
と、排気管路34と、開閉手段35と、冷却手段36
と、回収塔37とを含んで構成される。
【0012】炉本体26は上下に延びるステンレス鋼板
製円筒体であり、炉本体26の下部開口部は、ステンレ
ス鋼板製の炉底板40によって塞がれている。炉本体2
6の周壁下部および炉底板40の内面には、耐火材料た
とえば耐火れんが41が内張りされており、炉本体26
の周壁下部には、複数たとえば4個のガス導入口43が
周方向に等間隔をあけて形成されている。前記周壁下部
内面の耐火れんが41には、それを貫通して半径方向内
方に延びる連通孔46が前記ガス導入口43に対応して
形成されており、前記ガス導入口43と連通孔46とは
相互に連通している。炉本体26の周壁上部には、複数
たとえば4個の排ガス排出口44が周方向に等間隔をあ
けて形成されており、各排ガス排出口44には、煙突6
1がそれぞれ取付けられている。また、前記周壁の排ガ
ス排出口44の上方には、周壁の半径方向外方に周方向
に延びるシール溝47が形成されており、前記周壁の上
下方向途中位置にはサンプリング口45が形成されてい
る。
【0013】蓋27はステンレス鋼板製であり、炉本体
26の上部開口部を開閉可能に塞ぐ。蓋27の下部に
は、周方向に延びるシール突起48が形成されており、
シール突起48はシール溝47内に突出するように構成
される。したがって、シール溝47に砂と水との混合物
を充填すれば、蓋27は炉本体26の上部開口部を気密
に塞ぐことができる。蓋27はクレーン等によって着脱
される。また蓋27の上部には、排気口49が形成され
ており、さらに熱電対などによって実現される上部温度
検出器50が設けられている。バーナ28は、たとえば
ガスバーナであり、燃料ガスとブロア51からの空気と
を混合して燃焼させる。バーナ28は装脱可能に構成さ
れており、加熱時には炉本体26の炉底の耐火れんが4
1上に設けられ、消火時には炉本体26内から取出され
る。
【0014】均熱部材29は、図3および図4に示すよ
うに円板状パンチングメタル53とリング54とから成
る積層体である。均熱部材29は耐火れんが41に乗載
され、バーナ28の上方に配置されている。パンチング
メタル53とリング54とは、ともにステンレス鋼板製
であり、両者を交互に重ねて積層体が形成されている。
パンチングメタル53は、多数の透孔55が形成された
板材であり、透孔55は打抜き加工によって形成され
る。積層状態におけるパンチングメタル53は、図4に
示すように相互に間隔をあけて積層されており、かつ各
透孔55の軸線56を相互に距離Lだけずらして配列さ
れているので、均熱部材29にはジグザグな経路が形成
される。したがって、バーナ28からの排ガスは図4中
に矢符Fで示すように経路に沿ってジグザグに導かれ、
通過中に均等に分配されて均熱部材29から排出され
る。なお、均熱部材29の前記経路には、熱電対などに
よって実現される下部温度検出器60が設けられてい
る。
【0015】収納籠30は、有底の円筒状収納容器であ
り、縦割りされた竹材を縦方向に収納する。収納籠30
は、図4に示すようにステンレス鋼製パンチングメタル
から成り、その周壁57および底板58には多数の透孔
55が形成されている。収納籠30は、炉本体26の上
部開口部を介して装脱可能であり、炉本体26内に装入
されるときには均熱部材29の上部に載置される。収納
籠30の周壁上部には、図1に示すように吊上げ係止片
59が取付けられている。均熱部材29からの排ガスは
収納籠30の透孔55を介して竹材と接触し、竹材を加
熱する。前記排ガスは、均熱部材29によって均等に分
配されるので、竹材は均一に加熱される。
【0016】再び図1を参照して、第1流量制御手段3
1(以後、第1バルブと称する)は、たとえば電動弁で
あり、前記ガス導入口43に接続される。第1バルブ3
1は、その弁開度の調整によって炉本体26への空気の
流量を制御することが可能である。第2流量制御手段3
3(以後、第2バルブと称する)は、たとえば電動仕切
弁であり、前記煙突61の途中位置に取付けられる。第
2バルブ33は、その弁開度の調整によって炉本体26
からの排ガスの流量を制御することが可能である。な
お、前記煙突61の第2バルブ33の上方には、消煙装
置63と消臭装置64とが下方からこの順序で設けられ
ており、排ガスを消煙バーナによって消煙処理した後、
触媒によって消臭処理して大気中に放出する。
【0017】前記不活性ガス吹込み手段は、炉本体26
内に不活性ガスを吹込むための手段であり、不活性ガス
源80と流量制御弁81とを含んで構成される。不活性
ガス源80は、たとえば窒素ガスボンベで実現され、炉
本体26内に吹込まれる窒素ガスを供給する。流量制御
弁81(以後、第3バルブと称する)は、たとえば電動
弁であり、管路を介して前記ガス導入口43に接続され
る。第3バルブ81は、その弁開度の調整によって炉本
体26に吹込まれる窒素ガスの流量を制御することが可
能である。なお、不活性ガスとして炭酸ガスを用いても
よい。
【0018】排気管路34は、円形の断面形状を有する
管路であり、縦筒66と、湾曲筒67と第1傾斜筒68
aと第2傾斜筒68bとから成る。縦筒66は上下方向
に延びる管路であり、一端部が前記蓋27の排気口49
に接続されており、他端部が湾曲筒67に接続されてい
る。湾曲筒67は、縦筒66と第1傾斜筒68aとを連
結する管路である。第1および第2傾斜筒68a,68
bは、一端部から他端部に向かって下方に傾斜して延び
る管路であり、中間に冷却手段36をはさんで3者同軸
に設けられている。第1傾斜筒68a,冷却手段36お
よび第2傾斜筒68bは湾曲筒67側からこの順序に配
置されており、第2傾斜筒68bの他端部が回収塔37
に接続されている。開閉手段35(以後、第4バルブと
称する)は、たとえばフランジ形電動仕切弁であり、前
記排気管路34の縦筒66に設けられる。第4バルブ3
5は、その開閉によって排気管路34への排ガスの導入
/遮断を制御することができる。
【0019】冷却手段である水冷ジャケット36は、図
5に示すように内筒72aとその半径方向外方に間隔を
あけて設けられる外筒72bとを含んで構成され、内筒
72aの管内を通過する排ガスを冷却する。水冷ジャケ
ット36の外筒72bの外周面には、給水口69と排水
口70とが形成されており、水冷ジャケット36の外筒
72bの内周面と内筒72bの外周面とで形成される空
間には、半径方向に延びる仕切板71が形成されてい
る。前記仕切板71には、部分的に切欠き71aが形成
されているので、前記空間には、給水口69から排水口
70に向かってジグザグに延びる経路が形成される。回
収塔37は上下に延びる略円筒状の塔であり、スタンド
75によって支えられている。回収塔37の上下方向の
途中位置には前記第2傾斜筒68bの他端部が接続され
ている。回収塔37は、排気筒37aとその下部に設け
られる貯留筒37bとを含んで構成される。貯留筒37
bの下部には回収弁73が設けられており、排気筒37
aには前記消臭装置64が設けられている。なお、給水
口69および排水口70にはフレキシブル管が接続され
ている。
【0020】排気管路34に導入された排ガスは、水冷
ジャケット36によって冷却されるので、排ガス中の揮
発成分が凝縮し、排ガスから液体(以後、竹酢液と呼
ぶ)が回収される。また第1傾斜筒68a、水冷ジャケ
ット36および第2傾斜筒68bが下方に傾斜している
ので、竹酢液は、傾斜に沿って回収塔37に確実に流入
し、回収塔37の下部に貯留された後、回収弁73を介
して回収タンク74に回収される。竹酢液を除去された
排ガスは、消臭装置64を介して大気中に放出される。
【0021】図6は、図1に示す炭化炉の電気的構成を
示すブロック図である。上部温度検出器50および下部
温度検出器60は、ガスの温度を検出して出力信号を処
理装置であるプロセスコンピュータ76に送信する。プ
ロセスコンピュータ76は、上部温度検出器50および
下部温度検出器60の出力に応答し、後述のようにバー
ナ28、第1〜第4バルブ31,33,81,35に制
御信号を送信してそれらを制御する。
【0022】図7は図1に示す炭化炉の操炉方法を説明
するためのタイミングチャートである。炭化炉25の自
動運転による操業に先立って操業準備が行われる。操業
準備は、炭化すべき材料である竹材を縦方向に八つ割に
し、割竹材を縦にして収納籠30内に挿入し、割竹材を
収納した収納籠30を炉本体26内に挿入し、蓋27を
炉本体26に乗載することによって行われる。なお、こ
の段階では、第1〜第4バルブ31,33,81,35
はすべて全閉状態である。
【0023】炭化炉25の操業は時刻t1において開始
され、第4バルブ35が開とされ、バーナ28が着火さ
れ、温度測定が開始される。温度測定は上部温度検出器
50および下部温度検出器60によって行われ、上部温
度T2および下部温度T1がそれぞれ連続測定される。
バーナ28からの燃焼排ガスは、均熱部材29のジグザ
グの経路を通過して均等に分配され、割竹材を均一に加
熱する。竹材から発生した揮発成分は、排ガスとともに
排気管路34に第4バルブ35を介して導入され、水冷
ジャケット36によって冷却されて凝縮し、竹酢液とし
て回収される。
【0024】時刻t2では、上部温度T2が設定温度T
20に到達し、竹酢液の回収が終了したと判定される。
前記設定温度T20は、たとえば300℃であり、操業
実績値に基づいて予め定められる。前記終了判定後第4
バルブ35が完全に閉じられ第2バルブ33が徐々に開
かれる。
【0025】時刻t3では、下部温度T1が設定温度T
11に到達し、竹材が着火したと判断される。前記設定
温度T11は、たとえば450℃であり、操業実績に基
づいて予め定められる。前記着火判定後バーナ28の消
火が行われ、第1バルブ31が徐々に開かれる。消火
後、バーナ28は炉本体26内から炉外に取出される。
【0026】このように、時刻t3以降では第1バルブ
31および第2バルブ33とも開いているので、前記煙
突61のドラフト力によって、炉本体26内からの排ガ
スが第2バルブ33を介して大気中に排出され、炉本体
26内へ空気が第1バルブ31およびガス導入口43を
介して吸引される。吸引された空気は着火した竹材を自
燃させ、炭化反応を進行させる。したがって、炭化反応
速度は前記第1および第2バルブ31,33の弁開度に
よって律速される。また、吸引空気は、前記均熱部材2
9のジグザグな経路を通過して均等に分配されるので、
着火した竹材に均等に供給され、炭化反応を均一に進行
させる。なお、炭化反応の進行に伴って上部温度T2お
よび下部温度T1はともに上昇するけれども、炭化反応
が下方から上方に向かって進行するので、上部温度T2
は下部温度T1よりも遅れて上昇する。
【0027】時刻t4では、上部温度T2が設定温度T
21に到達し、炭化反応がピークに達したと判定され
る。前記設定温度T21は、たとえば850℃であり、
操業実績値に基づいて予め定められる。前記ピーク判定
後、第1バルブ31および第2バルブ33が徐々に閉じ
られる。これによって、時刻t4以降、炭化反応速度は
徐々に低下し、上部温度T2および下部温度T1は低下
に転ずる。
【0028】時刻t5では、炭化反応が終了したと判定
される。炭化反応の終了判定は、予め定める経過時間ま
たは温度推移に基づいて行われる。炭化反応終了後、第
1バルブ31が完全に閉じられ、第3バルブ81が開か
れて炉本体26内に窒素ガスが吹込まれる。なお、第2
バルブ33は全開にされないで一定開度に保たれる。こ
れによって空気が遮断されるとともに、炉内雰囲気が窒
素ガスによって置換されるので、火種が完全に消され、
竹炭の酸化が防止される。さらに、窒素ガスの吹込みに
よって炉本体26は、赤熱状態にある竹炭の消火が促進
されると同時に強制冷却されるので、下部温度T1およ
び上部温度T2が急速に低下する。
【0029】時刻t6では、窒素ガスが所定量吹込ま
れ、吹込みが終了する。窒素ガスの吹込み量は、たとえ
ば炉内容積の2〜10倍である。吹込み終了後、第2お
よび第3バルブ33,81が完全に閉じられる。時刻t
6以降、炭化炉25は自然放冷される。前述のように、
炉本体26はステンレス鋼板製であり、炉底部付近を除
いて耐火れんが41の内張りが施されていないので、竹
炭は従来よりも急速に冷却される。
【0030】時刻t7では、下部温度T1および上部温
度T2がいずれも常温に達し、蓋27が開放される。蓋
27の開放は、図1に仮想線で示すようにワイヤロープ
78をフック79に玉掛けしてクレーンで吊上げること
によって行われる。蓋27の開放後、収納籠30の取出
しが行われる。収納籠30は、竹炭を収納した状態でク
レーンで吊上げられて取出される。これによって、炭化
炉25の1サイクルの操業が完了する。前記1サイクル
の操業所要時間はたとえば36時間である。
【0031】以上述べたように、本実施の形態では炭化
後に窒素ガスが吹込まれ、かつ炉本体26の大部分に耐
火れんが41の内張りが施されていないので、耐火材料
の内張りが施されている従来技術に比べて炭化後の冷却
過程の冷却速度が速く、冷却所要時間を大幅に短縮する
ことができる。また竹酢液の回収と竹炭の製造とを同一
の炉で行うことができるので、それらが別々の炉で行わ
れる従来技術のように材料を移し換える必要がない。し
たがって、竹炭の全製造所要時間が従来技術に比べて大
幅に短縮され、炭化炉の能率および生産性が大幅に向上
する。なお竹酢液の回収と竹炭の製造とが同一の炉で行
われるので、それらが別々の炉で行われる従来技術のよ
うに、竹酢液を回収した後の竹材の情況に応じて、後続
して行われる炭化のための熱処理条件を設定することが
できない。しかしながら、本実施の形態では前記設定温
度を操業実績に基づいて予め適正に定めることができる
ので、この問題を解決することができる。
【0032】さらに本実施の形態では、均熱部材29が
設けられているので、均熱部材29の設けられていない
従来技術に比べて均一に炭化反応を進行させることがで
きる。これによって炭化むらの発生が防止され、また炭
化後の不活性ガス吹込みにより、炉冷が促進されると同
時に酸化ロスも低減する。また第1バルブ31によって
吸込み空気流量の制御を行うことができるので、過剰な
空気の吸込みを防止することができ、酸化ロスを大幅に
低減することができる。したがって、竹炭の製造歩留り
が従来技術に比べて大幅に向上する。
【0033】本発明の他の実施の形態として、前記自動
運転に代わって手動運転によって炭化炉を操炉するよう
に構成してもよい。本実施の形態では、測定された上部
温度T2および下部温度T1などの温度情報に基づいて
作業者が前記第1〜第4バルブ31,33,81,35
およびバーナ28の操作を行ってもよく、サンプリング
口45から観察した炉内情況およびサンプリング口45
から排出される排ガスの色など目視情報に基づいて作業
者が前記操作を行ってもよい。後者の場合には、たとえ
ば炭化反応の終了判定は、サンプリング口45から排出
される排ガスの色の変化に基づいて行われ、排ガスの色
が白黒から紫に変化したときに炭化反応が終了したと判
定される。さらに前記温度情報に目視情報を加味して総
合的に作業者が前記操作を行ってもよい。これによって
本実施の形態は、前記自動運転によって操業される炭化
炉と同様の効果を得ることができる。
【0034】なお本発明の炭化炉は、竹炭の製造に適応
できるばかりでなく、建築廃材などの木材を材料とする
木炭の製造にも好適に適応することができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、炭化後の
冷却過程の冷却時間を短くすることができ、かつ1つの
炭化炉で液体の回収と炭化処理とを行うことができるの
で、炭化炉の能率および生産性を向上させることができ
る。また、空気を均等に分配して炭化反応を均一に進行
させることができるので、炭化むらが防止され、炭の製
造歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である炭化炉の簡略化さ
れた構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す炭化炉の平面図である。
【図3】図1に示す均熱部材の構成を簡略化して示す斜
視図である。
【図4】図1に示す均熱部材の設置状態における構成と
均熱部材内のガスの流動情況とを簡略化して示す断面図
である。
【図5】図1の切断面線V−Vから見た断面図である。
【図6】図1に示す炭化炉の電気的構成を示すブロック
図である。
【図7】図1に示す炭化炉の操炉方法を説明するための
タイミングチャートである。
【図8】典型的な従来の竹炭製造炉の概略構成を示す正
面図である。
【符号の説明】
25 炭化炉 26 炉本体 27 蓋 28 バーナ 29 均熱部材 30 収納籠 31 第1バルブ 33 第2バルブ 34 排気管路 35 第4バルブ 36 水冷ジャケット 37 回収塔 45 サンプリング口 50 上部温度検出器 53 パンチングメタル 54 リング 60 下部温度検出器 61 煙突 63 消煙装置 64 消臭装置 81 第3バルブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状に形成され、上下に延びる金属製の
    炉本体と、 炉本体の上部の開口部を開閉可能に塞ぐ金属製の蓋と、 炉本体の下部に設けられるバーナと、 炉本体内でバーナの上方に配置され、バーナからの排ガ
    スをジグザグに導く経路を形成する均熱部材と、 炉本体の下部に設けられ、炉本体内に不活性ガスを吹込
    む不活性ガス吹込み手段と、 炉本体の上部の開口部を介して装脱可能であって、均熱
    部材の上部に載置され、多数の透孔が形成され、炭化す
    べき材料を収納する金属製の収納籠と、 炉本体の下部に設けられ、炉本体への空気の流量制御が
    可能な第1流量制御手段と、 炉本体の上部に設けられ、炉本体からの排ガスの流量制
    御が可能な第2流量制御手段と、 一端部が蓋に接続され、少なくとも他端部寄りの部分が
    他端部に向かって下方に傾斜して延びる排気管路と、 排気管路の一端部に設けられ、排気管路を開閉する開閉
    手段と、 排気管路の前記傾斜部分に設けられ、排ガスを冷却する
    冷却手段と、 排気管路の他端部に接続され、液体を回収する回収塔と
    を含んで構成されることを特徴とする炭化炉。
JP9149664A 1997-06-06 1997-06-06 炭化炉 Pending JPH10338882A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9149664A JPH10338882A (ja) 1997-06-06 1997-06-06 炭化炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9149664A JPH10338882A (ja) 1997-06-06 1997-06-06 炭化炉

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10338882A true JPH10338882A (ja) 1998-12-22

Family

ID=15480158

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9149664A Pending JPH10338882A (ja) 1997-06-06 1997-06-06 炭化炉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10338882A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009161651A (ja) * 2008-01-07 2009-07-23 Naomasa Horisawa 木酢液生成装置
KR100921170B1 (ko) 2007-12-17 2009-10-13 강원대학교산학협력단 목초액 분사방식을 이용한 유해배기가스 저감 숯 제조장치.
JP2010150468A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Kyokubu Netsushori Kk 炭化炉,炭化システム,及び炭,並びに炭の製造方法
JP2015021663A (ja) * 2013-07-18 2015-02-02 株式会社三育 磁気燃焼装置およびそれを用いた炭化方法
KR20210133686A (ko) * 2020-04-29 2021-11-08 주영길 숯가마의 유해 배기가스 제거장치 및 그 제거방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100921170B1 (ko) 2007-12-17 2009-10-13 강원대학교산학협력단 목초액 분사방식을 이용한 유해배기가스 저감 숯 제조장치.
JP2009161651A (ja) * 2008-01-07 2009-07-23 Naomasa Horisawa 木酢液生成装置
JP2010150468A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Kyokubu Netsushori Kk 炭化炉,炭化システム,及び炭,並びに炭の製造方法
JP2015021663A (ja) * 2013-07-18 2015-02-02 株式会社三育 磁気燃焼装置およびそれを用いた炭化方法
KR20210133686A (ko) * 2020-04-29 2021-11-08 주영길 숯가마의 유해 배기가스 제거장치 및 그 제거방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10338882A (ja) 炭化炉
RU2069828C1 (ru) Кольцевая секционная печь для обжига углеродных заготовок
KR100639192B1 (ko) 하향연소식 연탄난로의 난방시스템
US8758673B2 (en) Portable oven
JP2004339327A (ja) 炭化装置
JP2013194942A (ja) 金属溶解炉および金属溶解方法
JPH0247679B2 (ja)
CN210892688U (zh) 一种新型煅烧炉
CN107931526B (zh) 一种焙烧炉
JPH0376788A (ja) コークス乾式消火設備の乾燥昇温方法
CN211575845U (zh) 一种鼓风式氧化焙烧马弗炉
CN105020716B (zh) 中线落渣式烟风热解炉
CN209960971U (zh) 一种木炭烧制用窑炉
CN220083083U (zh) 一体式窑炉
JP3477572B2 (ja) 炭化炉を兼ねたストーブ及びボイラー
CN2226201Y (zh) 自调喷出口温度的煤气烧嘴
JPS5991191A (ja) コ−クス乾式消火設備の操業初期における乾燥昇温方法
CN214582468U (zh) 一种具有火枪的小电热窑炉
RU2328685C2 (ru) Установка парогазовой очистки металлоизделий
JPH0542359A (ja) 取鍋の加熱乾燥方法
CN106017089A (zh) 焦炭充分燃烧的焦炭坩埚炉
US20140151943A1 (en) Valuable metal recovery apparatus
CN200989725Y (zh) 一种马弗炉
JP2023035761A (ja) 熱処理装置及び熱処理方法
JPS589198Y2 (ja) イブシカワラシヨウセイガマ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070327