JPH10338744A - 新規ポリグリセリン誘導体 - Google Patents

新規ポリグリセリン誘導体

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JPH10338744A
JPH10338744A JP15080597A JP15080597A JPH10338744A JP H10338744 A JPH10338744 A JP H10338744A JP 15080597 A JP15080597 A JP 15080597A JP 15080597 A JP15080597 A JP 15080597A JP H10338744 A JPH10338744 A JP H10338744A
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JP
Japan
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group
compound
substituted
groups
acid
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Application number
JP15080597A
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English (en)
Inventor
Tomohito Kitsuki
智人 木附
Tetsuya Miyajima
哲也 宮島
Tamotsu Kohama
有 小濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリグリセリンのOHのHの一部又は全て
が基-(X)l-(Y)m-Hで置換されていてもよい化合物(A)のO
HのHの一部が、基-Z-Rで置換され〔化合物(B)〕(化合
物(A),(B)は架橋されていてもよい)、かつこの化合物
(B)に残存するOHのHの一部又は全てが、基-(K)n-SO3M
で置換されたポリグリセリン誘導体。〔X及びYはC2
〜3のオキシアルキレン;l及びmは0〜20;Zは-CH2C
H(OH)CH2O-、-CH2CH(OH)-又は-CO-;RはC6〜40のアル
キル又はアルケニル;KはOHが置換してもよいC1〜5の
アルキレン;nは0又は1;MはH、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、アンモニウム基又は置換アンモニウム
基を示す〕 【効果】 透明性の高い水溶液を与え、少量の添加で優
れた増粘効果を示し、塩類の共存や温度による粘度変化
が少なく、優れた分散安定化作用を有し、建築材料等の
増粘剤、分散剤等として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリグリセ
リン誘導体、更に詳しくは、水溶液としたとき透明性に
優れ、しかも低濃度で優れた増粘性を示し、金属塩の共
存や温度の変化による水溶液粘度の変化が少なく、更に
極めて良好な乳化安定性を示す新規ポリグリセリン誘導
体に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧品、スキンケア用品、毛髪化粧料、
トイレタリー製品、外用医薬品、建材の減水剤、水溶性
塗料、糊剤、捺染剤、紙加工サイズ剤等の重要な構成成
分の一つとして、種々のセルロースエーテル類が、増粘
剤、ゲル化剤、賦形剤、エマルジョン安定剤、凝集剤と
して広く利用されている。このようなセルロースエーテ
ルとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒ
ドロキシエチルセルロース等の水溶性非イオン性セルロ
ースエーテル、カルボキシメチルセルロース、カチオン
化セルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース
等のイオン性セルロースエーテルなどが市販され、用い
られている。
【0003】これらセルロースエーテル類は、カーボポ
ール等のポリアクリル酸系の増粘剤に比べて無機金属塩
類、有機金属塩類共存系での水溶液の粘度安定性には比
較的優れてはいるものの、同一水溶液濃度での増粘性が
低く、特に化粧品やトイレタリー製品などの増粘剤ある
いはエマルジョン安定剤として利用する場合、セルロー
スエーテル類の特性を十分に発揮させるためには使用量
を多くする必要があった。しかし、セルロースエーテル
類を多量に配合すると、べたつき、皮膜感等の感触面で
の問題が生じ、しかも、温度変化に伴う変化が大きく、
安定な製品形態を維持しづらいという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、これらセ
ルロースエーテル類やポリアクリル酸系の増粘剤はいず
れも、化粧品、トイレタリー製品、建材、繊維・紙処理
剤、塗料等に用いられる理想的な増粘剤として要求され
る性能、すなわち容易に溶解し、増粘効果に優れるこ
と、金属塩、界面活性剤、油剤その他の添加物の共存
や、温度、pHの変化による粘度への影響が少なく、経日
粘度変化が少ないこと、べたつき等が少なく使用感に優
れること、微生物抵抗性に優れることなどの全てを十分
に満たすものではなかった。
【0005】従って、本発明は、上記各性能を十分に満
たす増粘剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、ポリグリセリン又は
そのアルキレンオキシド付加物にアルキル基又はアルケ
ニル基とスルホン酸基とを導入して得られる新規ポリグ
リセリン誘導体が、水溶性に優れ、その水溶液が低濃度
で高い増粘性を示し、しかも無機金属塩、有機金属塩、
界面活性剤、pH、温度等の影響を受けにくく安定な増粘
性を示し、かつ優れた乳化安定化作用を示し、更に化粧
料、トイレタリー製品、外用医薬品、建材、塗料、繊維
・紙処理剤等の製品に使用した場合、良好な使用感を有
することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、ポリグリセリンの水酸
基の水素原子の一部又は全てが次の基(a)
【0008】−(X)l−(Y)m−H (a) 〔式中、X及びYは同一でも異なっていてもよく、−C
2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−又は−CH(C
3)CH2O−を示し、l及びmはそれぞれ0〜20の数
を示す。〕
【0009】で置換されていてもよいポリオール化合物
〔化合物(A)〕の水酸基の水素原子の一部が、次の基(b)
【0010】−Z−R (b) 〔式中、Zは−CH2CH(OH)CH2O−、−CH2
H(OH)−又は−CO−を示し、Rは炭素数6〜40の直
鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【0011】で置換されており〔化合物(B)〕(ここで
化合物(A)又は化合物(B)は、ポリオールポリグリシジル
エーテル類により架橋されていてもよい)、かつこの化
合物(B)に残存する水酸基の水素原子の一部又は全て
が、次の基(c)
【0012】−(K)n−SO3M (c) 〔式中、Kは水酸基が置換していてもよい炭素数1〜5
のアルキレン基を示し、nは0又は1を示し、Mは水素
原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アン
モニウム基又は置換アンモニウム基を示す。〕で置換さ
れていることを特徴とするポリグリセリン誘導体を提供
するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のポリグリセリン誘導体に
おけるポリグリセリン骨格は、グリセリンを公知の方法
により縮合して得られるものであり、その縮合度は特に
限定されるものではないが、縮合度が小さいと少量で良
好な増粘性が得られないため、縮合度5以上が好まし
い。特に、縮合度10程度のものは市販されており、入手
しやすいとともに十分な増粘効果が得られ好ましい。
【0014】また化合物(A)において、基(a)は、上記ポ
リグリセリンにエチレンオキシド及び/又はプロピレン
オキシドを付加させることにより形成されるが、この付
加モル数は、温度変化に対する粘度安定性を低下させる
ことなく水溶性を高める目的から、式(a)中のl及びm
から導かれるように、置換した水酸基当たり0〜40であ
ることが必要であり、0〜20、特に0〜10が好ましい。
【0015】また化合物(A)又は後記化合物(B)はポリオ
ールポリグリシジルエーテル類により架橋していてもよ
いが、この架橋率、すなわち架橋されている水酸基の比
率は、増粘性及び水に対する溶解性の点から、架橋前の
化合物の全水酸基の0.001〜5%、特に0.001〜1%が好
ましい。
【0016】化合物(B)は、上記化合物(A)が有する水酸
基の水素原子の一部が、基(b)で置換されたものであ
る。基(b)におけるRは、炭素数6〜40の直鎖又は分岐
のアルキル基又はアルケニル基であるが、炭素数6〜2
2、特に12〜18の範囲が好ましい。またZとしては、−
CH2CH(OH)CH2O−が特に好ましい。
【0017】本発明のポリグリセリン誘導体における上
記基(b)による置換度は、化合物(A)の一水酸基当たり0.
0001〜0.4、特に0.001〜0.2が好ましい。
【0018】また基(c)は、上記化合物(B)に残存する水
酸基の水素原子の一部又は全てに置換するが、この残存
する水酸基としては、ポリグリセリン骨格が有するも
の、架橋が有するもの、基(b)が有するもののいずれも
が含まれる。基(c)としては、スルホ基、2-スルホエチ
ル基、3-スルホ-2-ヒドロキシプロピル基等、及びそれ
らの塩が挙げられ、2-スルホエチル基、3-スルホ-2-ヒ
ドロキシプロピル基、それらの塩が好ましい。
【0019】本発明のポリグリセリン誘導体における上
記基(c)による置換度は、化合物(A)の一水酸基当たり0.
001〜0.6、特に0.01〜0.5が好ましい。
【0020】本発明のポリグリセリン誘導体は、例え
ば、ポリグリセリン又はそのアルキレンオキシド付加物
〔未架橋の化合物(A)〕の水酸基の水素原子の部分的疎
水化(疎水性置換基(b)の導入)及び必要な架橋化を行
った後、残りの水酸基の全て又は一部をスルホン化(ス
ルホアルキル基(c)の導入)することにより製造するこ
とができる。
【0021】疎水化反応及び架橋化反応は、未架橋の化
合物(A)を、アルカリ又は酸の存在下、疎水化剤及び架
橋剤と反応させることにより実施することができる。
【0022】疎水化剤としては、前記基(b)のRに対応
するアルキル基又はアルケニル基を有するα-エポキシ
アルカン(又はアルケン)、アルキル(又はアルケニ
ル)グリシジルエーテル、アルキル(又はアルケニル)
エステル等が挙げられる。これら疎水化剤は、単独で又
は2種以上を組み合わせて使用することができる。また
疎水化剤の使用量は、ポリグリセリンへの基(b)の導入
量に応じて適宜調整できるが、通常、化合物(A)の水酸
基数に対し0.0001〜1.5当量、特に0.001〜1.0当量の範
囲が好ましい。
【0023】架橋剤であるポリオールポリグリシジルエ
ーテル類としては、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリ
グリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエ
ーテル、エリスリトールジグリシジルエーテル、エリス
リトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトー
ルジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグ
リシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシ
ジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル、ソ
ルビトールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテト
ラグリシジルエーテル、ソルビトールペンタグリシジル
エーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル等が
挙げられる。これらのうち、十分な水溶性を付与する目
的からは、エチレングリコールジグリシジルエーテル及
びポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが好ま
しい。これらポリオールポリグリシジルエーテル類は、
単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ
る。またその使用量は、所望の架橋度に応じて適宜調整
することができるが、架橋前の化合物の全ての水酸基に
対して0.001〜20モル%、特に0.001〜5モル%が好まし
い。
【0024】疎水化反応及び架橋化反応をアルカリの存
在下で行う場合に用いられるアルカリとしては特に限定
されないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸
化物、炭酸塩、重炭酸塩等が挙げられ、なかでも水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸
化マグネシウム等が好ましい。アルカリの使用量は、用
いる疎水化剤及び架橋化剤に対して0.01〜10モル倍量、
特に0.1〜0.5モル倍量が良好な結果を与え、好ましい。
【0025】アルカリ存在下で反応を行う場合、反応温
度は0〜200℃、特に30〜100℃の範囲が好ましい。反応
終了後は、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸、又は酢酸等
の有機酸を用いてアルカリを中和するが、次のスルホン
化反応においてビニルスルホン酸塩や、3-クロロ-2-ヒ
ドロキシプロパンスルホン酸塩等のハロアルカンスルホ
ン酸塩を用いる場合には、中和することなくそのままス
ルホン化反応に付することもできる。
【0026】また疎水化反応及び架橋化反応を酸の存在
下で行う場合、酸としては特に限定されないが、硫酸、
塩酸等の鉱酸や、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、
塩化亜鉛、四塩化チタン、四塩化スズ等のルイス酸な
ど、いずれも用いることができるが、反応試剤を多量に
用いることなく、マイルドに反応を進行させる目的から
は、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛等のルイス酸を用いるこ
とが好ましい。酸の使用量は、用いる疎水化剤及び架橋
剤に対して0.01〜1.0モル倍量、特に0.03〜0.1モル倍量
が良好な結果を与え、好ましい。
【0027】酸存在下で反応を行う場合、反応温度は用
いる酸によって異なるが、-78〜150℃、特に0〜120℃
の範囲が好ましい。反応終了後は、アルカリを用いて酸
を中和するが、次のスルホン化反応においてクロルスル
ホン酸、三酸化硫黄、硫酸等を用いる場合には、中和す
ることなくそのままスルホン化反応に付することもでき
る。
【0028】また、疎水化・架橋化反応は、無溶媒で実
施することもできるが、適宜溶媒を用いることもでき
る。アルカリを用いる場合の溶媒としては、水及びイソ
プロピルアルコール、tert-ブチルアルコール等の低級
アルコールが挙げられ、また低級アルコールに対し、1
〜50重量%の水を加えた混合溶媒を用いることもでき
る。酸を用いる場合の溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶媒;塩化メチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;ヘキサン、シ
クロヘキサン、デカン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イ
ミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒が挙げられ
る。
【0029】次に、スルホン化反応は、上記反応で得ら
れた疎水化ポリグリセリンを、アルカリもしくは酸の存
在下又は不存在下に、スルホン化剤と反応させることに
より実施することができる。
【0030】スルホン化剤としては、ビニルスルホン
酸、水酸基が置換していてもよいハロC1〜C5アルカン
スルホン酸、その塩等、アルカリ触媒を用いてスルホン
化できるもの、クロルスルホン酸、三酸化硫黄、硫酸
等、酸触媒を用いて又は触媒を用いることなくスルホン
化できるもののいずれも用いることができる。水酸基が
置換していてもよいハロC1〜C5アルカンスルホン酸と
しては、3-ハロ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、2-
ハロ-2-(ヒドロキシメチル)エタンスルホン酸、3-ハロ
プロパンスルホン酸、2-ハロエタンスルホン酸等が挙げ
られ、置換ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原
子、臭素原子等が挙げられる。特に好ましいスルホン化
剤として、ビニルスルホン酸塩、3-クロロ-2-ヒドロキ
シプロパンスルホン酸塩が挙げられる。これらスルホン
化剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。スルホン化剤の使用量は、ポリグリセリン
への基(c)の導入量に応じて適宜調整できるが、通常、
疎水化ポリグリセリンの水酸基数に対し0.001〜5当量
の範囲が好ましい。
【0031】スルホン化反応の際に用いられるアルカリ
触媒及び酸触媒としては、疎水化・架橋化反応において
述べたものと同様のものを挙げることができる。アルカ
リの使用量は、用いるスルホン化剤に対して1.0〜3.0モ
ル倍量、特に1.05〜1.5モル倍量が好ましく、酸の使用
量は、用いるスルホン化剤に対して0〜0.1モル倍量、
特に0〜0.05モル倍量が好ましい。
【0032】アルカリ存在下で反応を行う場合、反応温
度は0〜150℃、特に30〜100℃の範囲が好ましい。酸存
在下又は触媒不存在下で反応を行う場合、-78〜150℃、
特に0〜100℃の範囲が好ましい。
【0033】また、スルホン化反応は、無溶媒で実施す
ることもできるが、適宜疎水化・架橋化反応と同様の溶
媒を用いて実施することもできる。
【0034】スルホン化反応後、アルカリを用いた場合
は酸により、酸を用いた場合はアルカリにより中和し、
ろ過などによる分別後、必要に応じて洗浄等を行った
後、乾燥することにより本発明のポリグリセリン誘導体
を精製品として得ることができるが、用途によっては、
簡単な中和処理のみで使用することもできる。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】実施例1 500mlのセパラブルフラスコに、ポリグリセリン#750
(重量平均分子量750,阪本薬品社製)100g、ステアリ
ルグリシジルエーテル20g、苛性ソーダ5g及び水50g
を入れ、80℃にて5時間反応を行った。その後、水200
g、3-クロロ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリ
ウム(東京化成社製)70g及び苛性ソーダ20gを加え、
50℃にて3時間反応を行った。反応終了後、得られたゲ
ルを塩酸にて中和し、大量のイソプロピルアルコールを
加えて沈殿させ、更に85%イソプロピルアルコール水溶
液にて3回洗浄し、デカンテーションを行い、真空乾燥
器にて70℃で8時間乾燥して、ポリグリセリン誘導体
(本発明品1)62gを得た。
【0037】得られたポリグリセリン誘導体の3-ステア
リルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は、ヨウ
化水素によるヨウ化ステアリル化とそのガスクロマトグ
ラフィー定量の結果から0.14であり、スルホ-2-ヒドロ
キシプロピル基の置換度は、コロイド滴定の結果から0.
29であった。
【0038】実施例2 1000mlのセパラブルフラスコに、ポリグリセリン#750
(重量平均分子量750,阪本薬品社製)100g、ステアリ
ルグリシジルエーテル10g、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル1.5g、苛性ソーダ5g及び水50gを入
れ、80℃にて25時間反応を行った。その後、水200g、2
5%ビニルスルホン酸ナトリウム水溶液(アルドリッチ
社製)200g及び苛性ソーダ20gを加え、50℃にて6時
間反応を行った。反応終了後、得られたゲルを塩酸にて
中和し、大量のイソプロピルアルコールを加えて沈殿さ
せ、更に85%イソプロピルアルコール水溶液にて4回洗
浄し、デカンテーションを行い、真空乾燥器にて70℃で
9時間乾燥して、ポリグリセリン誘導体(本発明品2)
70gを得た。
【0039】得られたポリグリセリン誘導体の3-ステア
リルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は、ヨウ
化水素によるヨウ化ステアリル化とそのガスクロマトグ
ラフィー定量の結果から0.06であり、スルホエチル基の
置換度は、コロイド滴定の結果から0.20であった。
【0040】実施例3 500mlのセパラブルフラスコに、ポリグリセリンポリオ
キシエチレン(重量平均分子量1400)200g、ステアリ
ルグリシジルエーテル9g、苛性ソーダ5g及び水100
gを入れ、80℃にて8時間反応を行った。その後、水20
0g、3-クロロ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリ
ウム(東京化成社製)70g及び苛性ソーダ20gを加え、
50℃にて5時間反応を行った。反応終了後、得られたゲ
ルを塩酸にて中和し、大量のイソプロピルアルコールを
加えて沈殿させ、更に85%イソプロピルアルコール水溶
液にて3回洗浄し、デカンテーションを行い、真空乾燥
器にて70℃で8時間乾燥して、ポリグリセリン誘導体
(本発明品3)132gを得た。
【0041】得られたポリグリセリン誘導体の3-ステア
リルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は、ヨウ
化水素によるヨウ化ステアリル化とそのガスクロマトグ
ラフィー定量の結果から0.02であり、スルホ-2-ヒドロ
キシプロピル基の置換度は、コロイド滴定の結果から0.
32であった。
【0042】実施例4 1000mlのセパラブルフラスコに、ポリグリセリンポリオ
キシエチレン(重量平均分子量1400)200g、ステアリ
ルグリシジルエーテル10g、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル1.5g、苛性ソーダ5g及び水100gを入
れ、80℃にて8時間反応を行った。その後、水200g、3
-クロロ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム
(東京化成社製)70g及び苛性ソーダ20gを加え、50℃
にて5時間反応を行った。反応終了後、得られたゲルを
塩酸にて中和し、大量のイソプロピルアルコールを加え
て沈殿させ、更に85%イソプロピルアルコール水溶液に
て3回洗浄し、デカンテーションを行い、真空乾燥器に
て70℃で8時間乾燥して、ポリグリセリン誘導体(本発
明品4)159gを得た。
【0043】得られたポリグリセリン誘導体の3-ステア
リルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は、ヨウ
化水素によるヨウ化ステアリル化とそのガスクロマトグ
ラフィー定量の結果から0.01であり、スルホ-2-ヒドロ
キシプロピル基の置換度は、コロイド滴定の結果から0.
29であった。
【0044】比較例1 ポリアクリル酸ナトリウム(カーボポール941,グッド
リッチ社製)をそのまま用いて比較品1とした。
【0045】試験例1 増粘性試験 本発明品1〜4及び比較品1を、水及び0.3重量%NaCl
水溶液のそれぞれに0.5重量%溶解して水溶液を調製し
た。これらの粘度をB型粘度計(12rpm,1分)により
測定した。この結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】試験例2 乳化安定性試験 本発明品1〜4及び比較品1の0.2重量%水溶液に対
し、20重量%のパルミチン酸イソプロピル(エステル
油)を加え、ホモジナイザー(6,000rpm,1分)により
攪拌して乳化液を調製した。この乳化液を40℃にて1ヵ
月間保存した場合の安定性を目視により判定した。この
結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】本発明の新規ポリグリセリン誘導体は、上
記増粘性試験(試験例1:表1)及び乳化安定性試験
(試験例2:表2)から明らかなように、優れた増粘性
及び乳化安定性を発揮し、かつ塩の存在にも増粘性を損
なうことがなく、増粘剤、乳化剤として極めて優れてい
るものである。
【0050】
【発明の効果】本発明の新規ポリグリセリン誘導体は、
少量の添加で優れた増粘・乳化効果を示し、塩類の共存
や温度による粘度変化が少なく、しかも極めて安定性に
優れたエマルジョンを与える。従って、本発明の新規ポ
リグリセリン誘導体は、化粧品、トイレタリー製品、外
用医薬品、建材、水溶性塗料、糊剤、捺染剤、紙加工サ
イズ剤等の増粘剤、ゲル化剤、エマルジョン安定剤等と
して広く利用することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリグリセリンの水酸基の水素原子の一
    部又は全てが次の基(a) −(X)l−(Y)m−H (a) 〔式中、X及びYは同一でも異なっていてもよく、−C
    2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−又は−CH(C
    3)CH2O−を示し、l及びmはそれぞれ0〜20の数
    を示す。〕で置換されていてもよいポリオール化合物
    〔化合物(A)〕の水酸基の水素原子の一部が、次の基(b) −Z−R (b) 〔式中、Zは−CH2CH(OH)CH2O−、−CH2
    H(OH)−又は−CO−を示し、Rは炭素数6〜40の直
    鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕で
    置換されており〔化合物(B)〕(ここで化合物(A)又は化
    合物(B)は、ポリオールポリグリシジルエーテル類によ
    り架橋されていてもよい)、かつこの化合物(B)に残存
    する水酸基の水素原子の一部又は全てが、次の基(c) −(K)n−SO3M (c) 〔式中、Kは水酸基が置換していてもよい炭素数1〜5
    のアルキレン基を示し、nは0又は1を示し、Mは水素
    原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アン
    モニウム基又は置換アンモニウム基を示す。〕で置換さ
    れていることを特徴とするポリグリセリン誘導体。
  2. 【請求項2】 化合物(A)の一水酸基当たりの置換度
    が、置換基(b)が0.0001〜0.4であり、置換基(c)が0.001
    〜0.6である請求項1記載のポリグリセリン誘導体。
  3. 【請求項3】 ポリオールポリグリシジルエーテル類
    が、エチレングリコールジグリシジルエーテル又はポリ
    エチレングリコールジグリシジルエーテルである請求項
    1又は2記載のポリグリセリン誘導体。
  4. 【請求項4】 基(b)におけるRが、炭素数6〜22のア
    ルキル基又はアルケニル基であり、Zが、−CH2CH
    (OH)CH2O−である請求項1〜3のいずれかに記載
    のポリグリセリン誘導体。
  5. 【請求項5】 基(c)が、2-スルホエチル基、3-スルホ-
    2-ヒドロキシプロピル基又はその塩である請求項1〜4
    のいずれかに記載のポリグリセリン誘導体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200046070A (ko) * 2017-08-30 2020-05-06 에보니크 오퍼레이션즈 게엠베하 다공성 플라스틱 코팅을 제조하기 위한 폴리올에테르의 용도
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