JPH10335315A - プラズマ発生装置 - Google Patents

プラズマ発生装置

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JPH10335315A
JPH10335315A JP9159190A JP15919097A JPH10335315A JP H10335315 A JPH10335315 A JP H10335315A JP 9159190 A JP9159190 A JP 9159190A JP 15919097 A JP15919097 A JP 15919097A JP H10335315 A JPH10335315 A JP H10335315A
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裕 奥村
Takashi Sato
隆 佐藤
Tetsuo Tokumura
哲夫 徳村
Toshinori Segawa
利規 瀬川
Toshihisa Nozawa
俊久 野沢
Kiyotaka Ishibashi
清隆 石橋
Kazuki Shigeyama
和基 茂山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良質のプラズマを供給。 【解決手段】プラズマ発生空間22がプラズマ処理空間
13に隣接し且つ連通しているプラズマ発生装置におい
て、プラズマ発生空間22が分散等して形成され、且つ
交番電界・磁界をプラズマ処理空間13に印加する第1
印加回路31、及びこの回路31から独立して交番電界
・磁界をプラズマ発生空間22に印加する第2印加回路
32が設けられ、この第2印加回路32は出力が所定周
期で強弱Pc,Pd変化するとともにその強弱の時間割
合Pd:Peが可変制御Paしうる。プラズマ分布の均
一性確保とプラズマ処理空間からプラズマ発生空間への
ガス流入阻止の両立が図れるうえ、プラズマ成分比率の
制御性がよいことに加えて、イオン種の直進速度も独立
に制御可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ICやLCDな
ど高精度の製造工程においてプラズマエッチング処理や
プラズマ成膜処理などのプラズマ処理を効率よく行うと
きに好適なプラズマ発生装置に関し、詳しくは、電界及
び磁界を用いてプラズマを発生させるプラズマ発生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラズマ処理に用いられるプラズ
マ発生装置として、対向電極となる一対の平行平板を設
けておいてこれらの平行平板間にプラズマ処理空間を形
成してシリコンウエハ等の基板を対象にエッチング処理
を行ういわゆる平行平板形エッチャー(RIE)が知ら
れている。図11に縦断面構造図を示したが、平行平板
形のプラズマエッチング装置は、一対の平行平板が真空
チャンバ内に設けられていて、両平板間に形成されたプ
ラズマ処理空間にプラズマを発生させ又は導入するとと
もにそのプラズマ処理空間内に所定の処理ガス等も導入
する。そして、プラズマ処理空間にてプラズマ反応を行
わせ、これによってプラズマ処理空間内の基板表面に対
してエッチング処理を施すものである。
【0003】詳述すると、この装置は、真空チャンバ本
体部2の上に真空チャンバ蓋部3が開閉可能に取着され
た真空チャンバを備えており、被処理物である基板1が
平板状をしていることから、水平に置かれたカソード部
12が真空チャンバ本体部2内のほぼ中央に設けられ、
このカソード部12の上面が平坦に形成されたうえ絶縁
膜が張られて基板1を乗載しておくことが可能なように
なっている。真空チャンバ本体部2の内底中央には筒状
のローアーサポート12aが貫通して立設されており、
カソード部12はこのローアーサポート12aの上端に
固着して支持されており、これらによって構成された基
板支持体は、真空チャンバ内に植設され上面が基板乗載
可能に形成されたものとなっている。
【0004】真空チャンバ蓋部3内のほぼ中央であって
カソード部12の上方にはアノード部11が筒状のアッ
パーサポート11aによって真空チャンバ蓋部3に垂設
されており、アノード部11とカソード部12とを互い
に対向した電極としてRF電源31によって高周波が印
加されると所定の真空圧の下でアノード部11とカソー
ド部12との間にプラズマが発生する。そこに、所定の
処理ガスが供給されるとカソード部12上面に載置され
た基板1にガス状態等に応じたプラズマ処理がなされ
る。これにより、アノード部11は、カソード部12の
上面との間にプラズマ処理空間13を形成するものとな
っている。
【0005】真空チャンバ本体部2には真空チャンバ内
ガスを吸い出して適度な真空度を保つために内外貫通し
た吸引口2aが加工形成され、この吸引口2aに対し順
にゲートバルブ4a、可変バルブ4、真空ポンプ5が連
結されている。ゲートバルブ4aは保守時等に仕切るた
めの手動弁であり通常動作時には開状態にされる。これ
とターボポンプ等の真空ポンプ5とに介挿された可変バ
ルブ4は、バルブ開度を可変駆動するモータ等が付設さ
れていてこれを電気信号で制御することで遠隔制御可能
な通過流体の可変絞りとして機能する。そして、真空チ
ャンバに付設された真空圧計4bによって真空チャンバ
内の真空圧が検出され、この検出値と所定の設定目標値
との差に基づいてPID制御回路4cによって制御信号
が生成出力されると、この制御信号に従って可変バルブ
4による絞り量が可変駆動される。このような真空圧計
4bを圧力検出器としPID制御回路4cを圧力制御回
路とし可変バルブ4を圧力制御機構とする圧力制御手段
によって、真空チャンバ内の真空圧が設定圧力になるよ
うに自動制御される。
【0006】ところで上述のようにプラズマ空間を挟む
平行平板に電界を加えるだけのプラズマ発生ではプラズ
マ密度が不足するので、磁界も加えてプラズマを封じる
ことで高密度プラズマ(HDP)を発生させるようにし
た物も知られている。これは、MRIE(マグネトロン
リアクティブイオンエッチャー)等に応用されており、
プラズマの高密度化に伴ってプラズマ成分におけるイオ
ン種の割合も増加させるものである。このタイプではプ
ラズマが偏在しがちなことに加えて、イオン種の割合が
高くなるとイオンによる被処理物へのダメージも強くな
る傾向がある。そこで、特開平3−79025号公報に
記載の如く平面状コイルを用いた磁場の一様化によって
ダメージを防止しようとした装置もあるが、この方式で
は、依然として、発生中の高密度プラズマに被処理物が
直接曝される。しかし、そのことに起因してのプラズマ
電流による被処理物のチャージアップ等その他の問題つ
いては、言及が無い。
【0007】これに対し、イオンによる被処理物へのダ
メージを低減させるとともに発生中の高密度プラズマに
被処理物が直接曝されないようにするために、プラズマ
空間を互いに連通したプラズマ処理空間とプラズマ発生
空間とに分離しておき、プラズマ発生空間内で高密度プ
ラズマを発生させてそこからプラズマ処理空間へプラズ
マを供給させる際にプラズマ成分のイオン種を抑制して
ラジカル種の割合を増加させるようにしたプラズマ発生
装置も知られている。これには、ラジカルフローを利用
したECR(電子サイクロトロン共鳴)や特開平4−8
1324号公報記載のもの等のように両空間を距離的に
引き離したものや、ICP(インダクティブカップルプ
ラズマ)等のように強力な磁場で高密度プラズマをプラ
ズマ処理空間に隣接したプラズマ発生空間へ閉じこめる
もの、さらにプラズマ処理空間にプラズマ発生空間が隣
接している点では同じであるが特開平4−290428
号公報記載のもの等のようにリングアンテナからの円偏
波電磁波を利用して高密度プラズマを閉じこめるものな
どに分類される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のプラズマ発生装置のうち、上述したECRタイプ
のもの即ち距離的に引き離す方式では、プラズマ処理空
間およびプラズマ発生空間の両空間が適度な距離を保つ
ようにそれらの機構を実装するうえで制約が多い等のこ
とから、イオン種の割合が必要以上に抑制されてしまっ
てラジカル種が増えた割にはプラズマ処理効率の向上が
得られない。しかも、機構の実装等を工夫してプラズマ
におけるラジカル種の成分とイオン種の成分との比率を
プラズマ処理効率の高いところへ近づけたとしても、活
性ガスの種類や圧力さらには被処理物の材質などが変化
すると望ましい比率自体がずれて変動するうえ、両空間
の距離を可変制御しうる機構の具体化が困難なこともあ
って、この方式の下では、適正なプラズマ成分比率で処
理効率が良いというプラズマ発生装置を実現しきれてい
ない。
【0009】一方、ICPのタイプでは、コイルに流す
電流の時間変化に伴う磁界の変化が電子を加速してその
電子が周りの処理ガスを電離させるエネルギーを超える
とイオン化が起こりプラズマが発生し形成される。この
電離メカニズムは、コイルの合成磁界に依存して収束さ
れた状態で形成されるため、イオン化に役立つ高エネル
ギー電子の発生形状はドーナツ状となる。この電子エネ
ルギー分布はほぼボルツマン分布をするから、電離以上
のエネルギーを持つ電子は、プラズマ空間内のガスを電
離させ、それ以下の電子はラジカルを生成させる。この
ように、ICPプラズマではイオン形成とラジカル形成
とが同一のプラズマ形成手段に依存しているため、イオ
ンとラジカルとの密度比率を任意に設定・制御すること
ができない。また、TCPプラズマ(トランスフォーム
ドカップルプラズマ)についても、コイル形状は異なる
が、ほぼ同一のメカニズムとなっている。
【0010】他方、円偏波電磁波を利用する方式では、
強力磁場の利用は避けても、大径の単一リングアンテナ
を用いていること等のため、プラズマ処理空間における
プラズマ分布の均一性を確保するために、プラズマ発生
空間が概ねプラズマ処理空間に匹敵する広がりを持って
おり、少なくとも被処理物以上の広がりを持っており、
その広い状態のまま両空間の隣接面のところで連通する
ものとなっている。
【0011】しかし、両空間連通部の面積が広いと、プ
ラズマ処理空間からプラズマ発生空間へ逆流するガスが
多くなる。このことは、プラズマ処理空間とプラズマ発
生空間とが分離されていても隣接している方式を採って
いる従来のプラズマ発生装置の場合すべてに共通して言
えることである。さらに、このことはECR等について
もほぼ同じと言える。このタイプの場合、一見すると、
TCPやICPプラズマと異なりプラズマ発生空間とプ
ラズマ処理空間とが離れているため、両者が分離されて
いるように見えるが、両空間の連通部における開口径が
大きいので、プラズマ成分に関しては見かけほど分離さ
れていないのである。
【0012】このような逆流ガスには被処理物の処理に
よって発生等した早急に排出すべき成分も一部ではあっ
ても含まれている。そして、かかる排出すべきガスは、
プラズマ発生空間に入ると高密度プラズマによって激し
く分解・電離させられるので、適正な処理を妨げたり装
置内部を汚染させたりする不所望なものに変質しまうこ
とが多い。一応分割されていてもプラズマ成分に関して
は明確に分離しきれていないのである。このため、プラ
ズマ分布の均一性が確保できたとしても、不所望なガス
の逆流を阻止できないのでは、良質の処理を提供するこ
とが難しい。
【0013】なお、両空間が連通する隣接面のところに
連通面積を絞るバッフル板を設置して通過量を抑制する
ことも考えられるが、この場合、流入量が減っても流出
量も同様に減ることから、一旦プラズマ発生空間へ入っ
たガスはなかなか出ていかないので、高密度プラズマに
よって変質させられるガスの割合が高くなってしまう。
このため、単純に特開平4−290428号公報記載の
もの等とバッフル板等とを組み合わせても、ガス変質防
止という最終的な効果は期待できない。
【0014】そこで、プラズマ処理空間からプラズマ発
生空間へのガス流入を有効に阻止することができるよう
に両空間の構造等を工夫することが課題となる。ただ
し、プラズマダメージやチャージアップ低減の観点から
プラズマ空間をプラズマ発生空間とプラズマ処理空間と
に分離するとともに、プラズマにおけるラジカル種の成
分とイオン種の成分との比率を適正化するという観点か
ら、プラズマ発生空間とプラズマ処理空間とを隣接させ
るという条件は維持したい。
【0015】ところで、プラズマ処理に影響する要因に
は多種多様なものが存在し而も複雑に絡み合っており、
上述したラジカル種の成分とイオン種の成分との比率の
他、イオン種が被処理物へ当たるときの直進速度すなわ
ち被処理物表面に対して垂直な速度成分もその要因の一
つである。このイオン速度が小さすぎるとエッチストッ
プ(エッチング途中での進行停止)が起き易くなる一
方、大きすぎるとボーイング(エッチング形状の不所望
な変形態様)が起き易くなる。そこで、イオン種の直進
速度も制御できるのが望ましい。それも、他の要因とは
独立に制御したい。
【0016】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、プラズマ空間をプラズマ発生
空間とプラズマ処理空間とに分離し且つこれらを隣接さ
せるという前提条件の下でプラズマ成分比率の適正化・
制御性を積極的に高めるとともに、プラズマ分布の均一
性確保とプラズマ処理空間からプラズマ発生空間へのガ
ス流入阻止の両立を図ることにより良質のプラズマを供
給することに加えて、イオン種の直進速度も独立に制御
可能なプラズマ発生装置を実現することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1及び第2の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0018】[第1の解決手段]第1の解決手段のプラ
ズマ発生装置は(、出願当初の請求項1に記載の如
く)、真空チャンバ内に対向電極となる一対の平行平板
を具えこれら平行平板間にプラズマ処理空間を形成して
エッチング処理を行うプラズマ発生装置において、前記
一対の平行平板のうち一方の平板に又はその隣接機構部
に、前記プラズマ処理空間に隣接し且つ連通したプラズ
マ発生空間が分散等して形成され、且つ、プラズマの発
生または強化に寄与する交番電界または交番磁界を前記
プラズマ処理空間に印加する第1印加回路、及びこの第
1印加回路から独立してプラズマの発生および強化に寄
与する交番電界または交番磁界を前記プラズマ発生空間
に印加する第2印加回路が設けられ、この第2印加回路
は出力が所定周期で強弱変化するとともにその強弱の時
間割合が可変制御しうるものであることを特徴とする。
【0019】ここで、上記の「分散等」とは、点状に分
かれて散在しているという文字通りの分散の他、密接と
は言えない程度に離れるように分割されている場合や、
線状,破線状,直・曲線状などで複数の又はそれらの混
在するものがプラズマ処理空間との隣接部・連通部に分
布している場合、さらには環状,円状,多角形状、スパ
イラル状のものが同心で若しくは非同心で多数が列設さ
れ又は単独で広く形成されている場合も該当する意味で
ある。また、「独立して制御可能」とは、両回路の出力
を別個に可変したければそのようにできるという意味で
あり、制御の内容が関連しないということまで意味する
訳では無い。例えば、予め或る係数または関数を設定し
ておいて、この係数または関数によって両者が関連付け
られる場合でも、その係数または関数に基づくそれぞれ
の制御目標に対してそれぞれの回路がその出力を対応さ
せるとき、独立して制御可能に含まれる。
【0020】このような第1の解決手段のプラズマ発生
装置にあっては、プラズマ空間の分離および隣接連通と
いう条件を維持することにより、プラズマダメージやチ
ャージアップの低減、及びプラズマにおけるラジカル種
の成分とイオン種の成分との比率適正化という基本的要
請に応えている。
【0021】しかも、プラズマ発生空間が分散等して形
成されているので、プラズマ分布の均一性確保の要請に
応え得るばかりか、プラズマ処理空間との連通隣接面さ
らにはその面に沿ったプラズマ発生空間自身の断面積が
必然的にプラズマ処理空間のそれよりも小さくなる。こ
のことは、全断面についてだけでなく、中央部やその他
の部分断面についてもいえる。このように双方空間の面
積に差があると、連通隣接面の面積とこれに沿ったプラ
ズマ処理空間の断面積との比を第1比とし連通隣接面の
面積とこれに沿ったプラズマ発生空間の断面積との比を
第2比として、第1比が1未満で且つ第2比よりも小さ
いことになる。
【0022】そして、第1比が1未満の場合、プラズマ
処理空間からプラズマ発生空間へ流入するガス量が減少
する。一方、第2比が1の場合、プラズマ発生空間から
プラズマ処理空間へ流出するガス量は減少しない。ま
た、第2比が1未満で流出ガス量が減少する場合であっ
ても、第2比が第1比より大きければ、減少の程度が小
さくて済む。何れにしても、相対的には、プラズマ処理
空間からプラズマ発生空間へ流入するガスの割合よりも
プラズマ発生空間からプラズマ処理空間へ流出するガス
の割合の方が高くなる。これにより、不所望なガスのプ
ラズマ発生空間への流入が抑制されるばかりか、ガスが
プラズマ発生空間へ入ってしまったときでもそのガスは
プラズマ流とともに速やかにプラズマ処理空間へ出され
てしまうので、高密度プラズマによるガス変質を防止・
抑制することができる。
【0023】そこで、所定の前提条件の下でプラズマ成
分比率の適正化・制御性を積極的に高めるとともに、プ
ラズマ分布の均一性確保とプラズマ処理空間からプラズ
マ発生空間へのガス流入阻止という両要請に応えること
で、良質のプラズマを供給することができる。その結
果、良質のプラズマ処理を提供することができる。
【0024】また、第1印加回路の出力パワーを変える
ことでプラズマにおけるイオン種成分の比率を可変制御
しうるばかりか、第2印加回路の出力パワーも変えるこ
とでプラズマにおけるイオン種成分の比率を変えること
なくプラズマ密度を可変制御することも可能となる。こ
れにより、プラズマ成分比率とプラズマ密度とを独立に
設定しうるものとなる。しかも、各印加回路の出力パワ
ーが独立に制御されることにより、プラズマ成分比率と
プラズマ密度とが独立して設定される。換言すればイオ
ン種濃度とラジカル種濃度とが独立に制御・設定され
る。そこで、広い設定範囲の中から自由に処理条件を選
択することができるので、プラズマ処理の効率および質
を一層向上させることができる。
【0025】ところで、第1印加回路の出力にはプラズ
マ処理空間内のイオン種の直進速度を律する働きもある
のだが、上述のようにイオン種・ラジカル種の濃度を第
1,第2印加回路の出力パワーの独立制御によって可変
しようとすると、その第1印加回路の出力によるイオン
種の直進速度の制御性が或る程度の制約を受けざるを得
ない。これに対し、プラズマ発生空間内へ投入される第
2印加回路の出力パワーが所定周期で強弱変化すると、
平均パワーが同一で強弱変化しないときに比べて、イオ
ン種濃度は変わらないがプラズマ膨張に伴ってプラズマ
発生空間からプラズマ処理空間へプラズマの飛び出す速
度が大きくなる。その差は、強弱の時間割合に応じて拡
縮するうえ、プラズマ発生空間の断面積が小さいほど大
きくなる。
【0026】これにより、第2印加回路の出力における
強弱の時間割合を可変制御することで、かなりの程度、
イオン種の直進速度を独立に制御することができる。そ
こで、イオン種・ラジカル種の濃度制御のために制約さ
れた第1印加回路の出力によるイオン種の直進速度の制
御性が、第2印加回路の出力における強弱の時間割合を
制御することで、カバーされる。あるいは、それ以上に
高められることとなる。
【0027】したがって、この発明によれば、良質なプ
ラズマについてイオン種・ラジカル種の濃度制御を独立
に行えることに加えてイオン種の直進速度も独立に制御
しうるプラズマ発生装置を実現することができる。
【0028】[第2の解決手段]第2の解決手段のプラ
ズマ発生装置は(、出願当初の請求項2に記載の如
く)、上記の第1の解決手段のプラズマ発生装置であっ
て、前記第2印加回路は弱状態の出力がプラズマ発生状
態を維持するものであることを特徴とする。
【0029】このような第2の解決手段のプラズマ発生
装置にあっては、プラズマ発生空間に対して第2印加回
路によってその出力が弱状態のときでもプラズマ発生状
態を維持するだけパワーが投入される。そして、強状態
のときにはそれ以上のパワーが投入されるので、プラズ
マ発生空間では、常時、プラズマが発生し続ける。これ
により、第2印加回路の出力を可変させても、プラズマ
発生空間内のプラズマが瞬時たりとも消滅してプラズマ
処理空間からプラズマ発生空間へ処理ガスが流れ込むと
いう不所望な事態を確実に防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明のプラズマ発生装置は、一般に適宜の真空チャン
バに装着して使用される。そのために、プラズマ処理空
間に隣接したプラズマ発生空間が形成される平行平板の
うちの一方の平板やその隣接機構などの各機構部は、真
空チャンバ内への組み込み等の容易性と真空度の必要性
とのバランスを図る等の観点から、別個に形成してから
取着されることが多いが、例えば密着して固設されるこ
とが多いが、一部又は全部が同一・単一の部材たとえば
クラッド材を加工等することで一体的に形成されてもよ
い。
【0031】[第1の実施形態]第1の実施形態は、上
述した解決手段のプラズマ発生装置であって、前記プラ
ズマ発生空間に対して磁気回路が付設され、この磁気回
路用の磁性部材が(少なくとも一部は)前記プラズマ発
生空間によって囲まれた又は挟まれたところに配置され
ていることを特徴とするものである。
【0032】この場合、プラズマ発生空間内にはプラズ
マの発生およびそのイオン化に寄与する電子が磁気回路
によって封じられるが、この磁気回路用の磁性部材が少
なくとも一部はプラズマ発生空間によって囲まれた又は
挟まれたところに配置されているので、磁気回路が局所
化される。そうすると、磁力線の分布状態が凝縮された
ものとなり、漏れ磁束も少なくなる。これにより、電子
がプラズマ発生空間内に高い確度で封じられる。そし
て、電子がプラズマ処理空間へ迷い出てそこの低温プラ
ズマをランダムにイオン化したり、逆にその電子等と入
れ替わりにプラズマ処理空間から不所望な処理ガスがプ
ラズマ発生空間に混入してきたりすることが少なくな
る。つまり、制御不能な混合が減少することとなる。
【0033】その結果、イオン種比率の高いプラズマを
適度にプラズマ処理空間へ送給してそこのイオン種比率
の低いプラズマと混合させる際して、プラズマ処理に供
するプラズマにおけるイオン種成分比率が適正値になる
ように広い範囲に亘って制御することが可能となる。ま
た、局所的な磁気回路は、並列化等によって容易に均一
化の要請にも応える。しかも、局所化によって磁気回路
全体としては磁力が弱くて済むので、個々の磁性部材に
小形・簡易なものが使えて実装が容易になるという利点
がある。さらに、プラズマ発生空間の分散等形成という
上述の構成と組み合わせた場合には、プラズマ発生空間
へ逆流して高密度プラズマによってイオン化された不所
望なガスがさらなる変質をする前に高密度プラズマと一
緒になってプラズマ処理空間へ速やかに押し戻されると
いう相乗効果も期待できる。
【0034】[第2の実施形態]第2の実施形態は、上
述した解決手段または実施形態のプラズマ発生装置であ
って、前記プラズマ発生空間は、前記プラズマ処理空間
に連通する又は開口するところの面積が(前記一対の平
行平板と平行な断面における)前記プラズマ発生空間の
面積よりも小さいものであることを特徴とするものであ
る。この場合、プラズマ発生空間とプラズマ処理空間と
の連通部分が絞られて、単にプラズマ発生空間をプラズ
マ処理空間に開口させた場合よりも第1の解決手段につ
いて述べた第1比が小さくなるので、不所望なガスのプ
ラズマ発生空間への流入が一層抑制される。さらに、こ
れに加えて、プラズマ発生空間内で発生し膨張したプラ
ズマが面積比に応じた適度な速度でプラズマ処理空間へ
送り出されるので、そのプラズマ特にイオン種に対して
鉛直方向の速度成分を加味することもできる。
【0035】[第3の実施形態]第3の実施形態は、上
述した解決手段または実施形態のプラズマ発生装置であ
って、前記プラズマ発生空間にプラズマ用ガスを導入す
る第1のガス導入路と、前記プラズマ処理空間に処理ガ
スを導入する第2のガス導入路とが個別に設けられてい
るものである。この場合、プラズマ用ガスが第1のガス
導入路を介してプラズマ発生空間に導入される一方、処
理ガスは、それとは別個に、第2のガス導入路を介して
プラズマ処理空間に導入される。そして、高密度プラズ
マの発生に必要なプラズマ用ガスと高密度プラズマに入
ると好ましくない処理ガスとが分離され、特に処理ガス
はプラズマ発生空間を経ることなくプラズマ処理に供さ
れ、これらは最終段階に至って初めて混合される。これ
により、処理ガスがエッチング処理に供される前に高密
度プラズマによって変質させられるのを確実に回避する
ことができる。
【0036】[第4の実施形態]第4の実施形態は、上
述した解決手段または実施形態のプラズマ発生装置であ
って、前記第2のガス導入路へは反応ガス成分を含むガ
スを供給するとともに前記第1のガス導入路へは非反応
性ガスのみを供給するものである。この場合、処理ガス
にはエッチング処理に必要な反応ガス成分が含まれるこ
ととなる一方、プラズマ用ガスには、高密度プラズマの
発生に役立ち且つ高密度プラズマとなっても不所望に変
質することの無い非反応性ガスのみが用いられる。これ
により、反応ガス供給をプラズマ発生空間経由で行った
場合に比べて、より質の良いプラズマを提供することが
でき、延いては反応ガスの変質を気にすることなく高密
度プラズマそしてイオン種を所望量任意に例えば大量に
生成することができる。
【0037】[第5の実施形態]第5の実施形態は、上
述した解決手段または実施形態のプラズマ発生装置であ
って、前記一対の平行平板を基準とした前記プラズマ処
理空間の開口部分を覆う形状の可動壁体と、前記可動壁
体が前記開口部分を覆う位置と前記可動壁体が前記開口
部分を解放する位置との両位置に亘って前記可動壁体を
進退させる壁体駆動機構とを備え、前記一対の平行平板
のうち他方の平板は、前記真空チャンバの内底に直接又
はサポート部材を介して間接的に植設され上面が基板乗
載可能に形成されたものであることを特徴とするもので
ある。
【0038】ここで、上記の「一対の平行平板を基準と
したプラズマ処理空間の開口部分」とは、両平行平板を
両端面とする筒状空間の側面部分を意味する。また、
「開口部分を覆う」とは、完全に密閉して覆うのではな
く、少なくとも処理済みのプラズマやガス等を排気して
プラズマを維持しうる程度の隙間は残すようにして覆う
という意味である。
【0039】このような実施形態のプラズマ発生装置に
あっては、真空チャンバの内部空間において他方の平板
の上面に基板が乗載させられその上方にプラズマ処理空
間が形成されそこでその基板に対するプラズマ処理が施
されるが、プラズマ処理空間の開口部分が可動壁体によ
って覆われることから、プラズマ処理空間は真空チャン
バ内で一対の平行平板と可動壁体とによって概ね囲まれ
ることとなる。そこで、真空チャンバ内空間の一部がプ
ラズマ処理空間に分割され、両者の圧力状態もほぼ分離
されることとなる。その分離の程度は、可動壁体による
覆いから残された隙間の大きさに依存する。
【0040】そして、可動壁体を壁体駆動機構によって
進退させると、その隙間が広狭変化して、プラズマ処理
空間内圧力は素早く真空チャンバ内の真空圧に近づいた
りこれから離れて高くなったりするので、可動壁体の進
退駆動に基づいてプラズマの圧力状態を制御することが
可能となる。また、可動壁体の形状を平行平板の形状に
整合させてそれらとの間隙を出来るだけ一様に分散させ
ることでプラズマ処理空間から流出する流れの形態にお
ける偏りも減ることとなる。なお、基板を真空チャンバ
から出し入れする際には、プラズマ処理空間の開口部分
が解放される位置まで可動壁体を壁体駆動機構によって
進退移動させておけば、可動壁体を真空チャンバ内に設
けたことの不都合は何も無い。
【0041】これにより、直接の圧力制御対象がチャン
バ内圧力からその一部のプラズマ処理空間に分離されて
応答性の劣る大容積の物から応答性の優れた小容積の物
に絞り込まれる一方で、流れの形態が、真空チャンバ壁
の吸引口による支配を外れて、中心を基準に対称にする
等の一様分散化が比較的容易な可動壁体によってほとん
ど決せられるので、プラズマ処理空間内の圧力制御性を
向上させると同時にプラズマ処理空間内における流れの
状態を一様にさせることも容易となる。したがって、こ
の場合、均一で質の良いプラズマの供給に加えて圧力制
御性にも優れたプラズマ発生装置を実現することができ
る。
【0042】[第6の実施形態]第6の実施形態は、上
述した解決手段または実施形態のプラズマ発生装置であ
って、前記可動壁体は、前記開口部分を覆う位置に在る
とき前記他方の平板との間に通過流体の絞りとなる間隙
を生じさせる形状のものであることを特徴とするもので
ある。この場合、プラズマ処理に際して、一般に基板の
無い一方の平板側からプラズマ処理空間へ供給される処
理ガス等が同じ一方の平板側からでなく別の他方の平板
側の隙間を経由してプラズマ処理空間から流出する。こ
れにより、流れが上方から下方へ揃い易くなるので、逆
流や滞留の発生が抑制される。したがって、プラズマ状
態の均一性を一層高めることができる。
【0043】[第7の実施形態]第7の実施形態は、上
述した解決手段または実施形態のプラズマ発生装置であ
って、前記プラズマ処理空間の圧力に応じて前記壁体駆
動機構による前記可動壁体の進退量を制御する圧力制御
手段を備えたことを特徴とするものである。この場合、
プラズマ処理空間の圧力が圧力制御手段によって所望の
真空圧になるよう自動制御される。しかも、その際に、
プラズマ処理空間に対する圧力制御性の良い可動壁体の
進退量を制御することで自動制御がなされるので、プラ
ズマ発生装置の処理レシピ等の設定目標に対してプラズ
マの圧力状態が速やかに且つ正確に追従する。これによ
り、従来より木目細かな処理条件を設定しても確実に設
定通りのプラズマ反応が行われる。したがって、より精
密なプラズマエッチング処理を基板に施すことができ
る。
【0044】
【実施例】本発明のプラズマ発生装置の一実施例として
のプラズマエッチング装置について、その具体的な構成
を、図面を引用して説明する。図1は、その主要部の縦
断面図であり、図2は、そのプラズマ発生チャンバ周り
の縦断面斜視図であり、図3は、その中の一のプラズマ
発生空間についての拡大図であり、図5は、真空チャン
バへの装着状態を示す断面図である。
【0045】このプラズマエッチング装置は、概ね、プ
ラズマ処理空間を確保するための平行平板部と、プラズ
マ発生空間を確保するための隣接機構部およびその付加
部と、各プラズマに電界又は磁界を印加するための印加
回路部とで構成されている。平行平板部は、一対の平行
平板となる共に金属製のアノード部11及びカソード部
12を有していて、アノード部11が上方に配置され、
エッチング対象のウエハ等の基板1を乗載するために上
面の絶縁処理された基板支持体となるカソード部12が
下方に配置されて、これらによって挟まれたところに低
温プラズマ10用のプラズマ処理空間13が形成される
ものとなっている。また、アノード部11は、予め、多
数の連通口14が貫通して穿孔されるとともに、プラズ
マ処理空間13へ向けて開口した第2のガス導入路とし
ての処理ガス供給口15も形成されたものとなってい
る。この例では、連通口14の横断面積とプラズマ処理
空間13の有効な横断面積との比すなわち第1比が0.
05になっている。なお、処理ガス供給口15を介して
プラズマ処理空間13へ供給される処理ガスBとして
は、シランガス等の反応ガスに適量の希釈ガスを混合さ
せたもの等が供給されるようにもなっている。
【0046】隣接機構部すなわち一対の平行平板のうち
の一方の平板11に隣接する機構は、絶縁物製のプラズ
マ発生チャンバ21が主体となっており、このプラズマ
発生チャンバ21には、プラズマ発生空間22となる複
数の(図では4個の)環状溝が同心に彫り込まれて形成
されている。これにより、プラズマ発生空間22が分散
等したものとなっている。そして、プラズマ発生チャン
バ21は、プラズマ発生空間22の開口側(図では下
面)をアノード部11の上面に密着した状態で固設され
る。その際、プラズマ発生空間22の開口がアノード部
11の連通口14に重なるように位置合わせがなされ
る。これにより、プラズマ発生空間22とプラズマ処理
空間13とが互いに隣接し且つ連通しているものとな
る。この例では、連通口14の横断面積とプラズマ発生
空間22の横断面積との比すなわち第2比が0.5にな
っている。これにより、プラズマ発生空間22がプラズ
マ処理空間13に連通するところの面積がプラズマ発生
空間22の面積よりも小さくて少し絞られた状態とな
る。なお、これらの比の値は大小関係が逆転しない限り
自由に変えてよいものである。
【0047】また、プラズマ発生チャンバ21は、プラ
ズマ発生空間22のさらに奥に第1のガス導入路として
のプラズマ用ガス送給路23がやはり環状に形成され、
両者が多数の小穴またはノズルで連通されていて、プラ
ズマ発生空間22は底部(図では上方)からアルゴン等
の非反応性ガス成分だけのプラズマ発生用ガスAの供給
を受けて高密度プラズマ20を発生させ連通口14を介
してプラズマ処理空間13へそれを送り込むものとなっ
ている。さらに、プラズマ発生チャンバ21は、プラズ
マ発生空間22を囲む側壁と底部とを残すようにしてプ
ラズマ発生空間22開口側の裏の面(図では上面)が削
り取られる。そして、プラズマ発生空間22の両側壁を
挟むようにして、コイル24及び永久磁石片25が環状
に付加される。
【0048】永久磁石片25は、縦の長さがプラズマ発
生空間22のそれにほぼ等しくされ、且つ横のプラズマ
発生空間22方向へ磁極が向くようにされ、さらに環状
の不所望な誘起電流を断つために小片に分けて形成され
ている。そして、多数の永久磁石片25がプラズマ発生
空間22側壁に沿って列設されることで、プラズマ発生
空間22に対応した環状の磁気回路が構成される。これ
により、磁気回路用の磁性部材25は最外周以外のもの
がプラズマ発生空間22によって挟まれたところに配置
されたものとなっている。この磁気回路の磁力は、質量
の小さい電子を補足可能な程度の強さで十分であり、質
量の大きいイオンまで補足する程度の強さは不要であ
る。
【0049】この磁気回路の一断面について詳述すると
(図3参照)、縦長の永久磁石片25のほぼ上半分から
出た磁束線26は永久磁石片25の上端近くを中心とし
た略同心円を描いて戻ることから、永久磁石片25のほ
ぼ上端を頂上とする磁気の山ができる。永久磁石片25
の下端のところにもほぼ同様の磁気の山ができる。永久
磁石片25はプラズマ発生空間22を挟んで両側に付設
されているので、プラズマ発生空間22の周りには磁気
の山が4つできる。そこで、プラズマ発生空間22に
は、磁気の山に囲まれた言わば磁気の盆地ができる。そ
して、ここに電子が補足されることとなる。なお、ポテ
ンシャル場風に説明したが実際はベクトル場なので正確
に述べると複雑になるが、要するに全体としては環状の
プラズマ発生空間22の中でドーナツ状に電子が封じら
れるようになっているのである。なお、磁極が上下にな
った永久磁石片を上下に並べることによっても(図4参
照)プラズマ発生空間22の断面を囲む4つの磁気の山
を作ることが可能である。また、図示は割愛したが、5
つ以上の磁気の山で囲むようにしてもよい。
【0050】印加回路部は、RF電源31を中心とする
第1印加回路と、RF電源32を中心とする第2印加回
路とに分かれる。RF電源31は、その出力パワーが可
変のものであり、接地されたアノード部との間に交番電
界を印加するとともにバイアス電圧も発生させるため
に、その出力はブロッキングキャパシタを介してカソー
ド部12へ送給される。また、これには、周波数500
KHz〜2MHzのものがよく用いられる。これによ
り、第1印加回路は、低温プラズマ10の強化に或る程
度寄与する電界をプラズマ処理空間13に印加するもの
となっている。
【0051】RF電源32は、やはり出力パワーが可変
のものであり、プラズマ発生空間22を挟む両コイル2
4を駆動してプラズマ発生空間22に交番磁界を印加す
るようになっている。その最大出力パワーは大きく、そ
の周波数は13MHz〜100MHzとされることが多
い。これにより、第2印加回路は、高密度プラズマ20
の発生および強化に寄与する磁界をプラズマ発生空間2
2に印加するものとなっている。
【0052】また、このRF電源32は、数KHz程度
で繰り返すパルス波形の制御信号Paに従ってそのRF
出力の包絡線波形が変化する(図1,図2の左上におけ
る波形図を参照)。すなわち、制御信号Paにパルスの
無い期間PeにはRF出力が小振幅Pbとなり、制御信
号Paにパルスが存在している期間PdにはRF出力が
大振幅Pcとなる。小振幅PbのRF出力によってプラ
ズマ発生空間22内のプラズマは弱いながらも発生を継
続するのに対し、大振幅PcのRF出力によってプラズ
マ発生空間22内のプラズマは激しく発生しその急膨張
に伴ってカソード部12へ向けて加速され噴出される。
これにより、第2印加回路は、プラズマ発生状態を維持
しつつ出力が所定周期で強弱変化(Pb〜Pc)すると
ともにその強弱の時間割合(Pd:Pe)が制御信号P
aに応じて可変制御しうるものとなっている。さらに、
弱状態の出力がプラズマ発生状態を維持するものともな
っている。
【0053】圧力制御手段については、従来装置(図1
1参照)における可変バルブ4が省かれ、その代わり
に、可動壁体40、及びこれを上下動させる壁体駆動機
構41〜44が設けられている(図5参照)。
【0054】可動壁体40は、金属製の筒状体からな
り、内径がカソード部12の外径より僅かに大きくて内
腔にカソード部12が緩く上下動可能に嵌合されるよう
になっている。その上端はアノード部11に接近したと
きに全周縁のところにほぼ同一の隙間ができるようにな
っている。そして、そのときに、可動壁体40は上部が
プラズマ処理空間13の側面周辺を塞ぐとともに下部が
カソード部12との嵌合が外れないところまで届くよう
な長さに形成されている。これにより、可動壁体40
は、真空チャンバ2,3内に設けられ一対の平行平板1
1,12を基準としたプラズマ処理空間13の開口部分
を覆う形状のものとなっている。なお、この可動壁体4
0は不所望にチャージアップしないように接地等される
ようにもなっている。
【0055】壁体駆動機構は、気密性及び伸縮性を持っ
たベローズ41が吸引口2aと重ならない位置で真空チ
ャンバ本体部2の底面と可動壁体40とを連結し、この
ベローズ41内にボールネジ42が縦に遊挿され、その
上端が可動壁体40に連結されていて、可動壁体40を
上下動可能に支持するものである。さらに、ボールネジ
42は、サポート43によって真空チャンバ本体部2に
対して固定されたモータ44の回転軸に対して下端が連
結されている。そして、モータ44が回転すると、これ
に応じてボールネジ42が進退駆動され、それに伴って
可動壁体40が上下に駆動されて、上はアノード部11
にほぼ当接するまで下はカソード部12の上面より低い
ところまで可動壁体40が移動する。これにより、壁体
駆動機構41〜44は、可動壁体40がプラズマ処理空
間13の開口部分を覆う上方位置と、可動壁体40がプ
ラズマ処理空間13の開口部分を解放する下方位置との
両位置に亘って、可動壁体40を上下に進退させるもの
となっている。
【0056】また、図示は割愛したが、真空圧計4bは
可動壁体40に取着されてプラズマ処理空間13内の圧
力を直接検出するようになっており、その検出信号はベ
ローズ41内腔等を介して真空を破らずに取り出せるよ
うになっている。そして、その検出信号を受けたPID
制御回路4cによってモータ44の回転量や回転速度が
制御される。これにより、このプラズマエッチング装置
は、プラズマ処理空間13の圧力に応じて壁体駆動機構
41〜44による可動壁体40の進退量を制御する圧力
制御手段を備えたものとなっている。
【0057】この実施例のプラズマエッチング装置につ
いて、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明す
る。図5は、真空チャンバへの装着状態を示す断面図で
あり、図6は、プラズマ内電子のエネルギー分布を示す
グラフであり、図7は、プラズマにおけるイオン比率の
制御可能範囲を示す図である。
【0058】使用に先だって、プラズマエッチング装置
のカソード部12は、上が解放した箱状の真空チャンバ
本体部2の中央にローアーサポート12aを介して植設
される。真空チャンバ本体部2は、プラズマ発生チャン
バ21やアノード部11が取着され、水冷も可能であ
り、これを閉めると、真空チャンバ本体部2の内部さら
にはプラズマ処理空間13及びプラズマ発生空間22も
密閉される。それから、可動壁体40がカソード部12
よりも下方へ下げられ、その状態で真空チャンバ2,3
内へ横から水平状態の基板1が搬入され、この基板1が
カソード部12の上面に載置される。そして、基板搬入
口等が閉められると同時に真空ポンプ5による真空引き
が行われる。このとき、ゲートバルブ4aは開状態にさ
れたままであり、可変バルブ4も存在しないので、真空
チャンバ2,3内は速やかに真空状態となる。
【0059】それから、モータ44を回転させて可動壁
体40をアノード部11に当接しない程度に上昇させ、
さらにプラズマ用ガス送給路23を介するプラズマ用ガ
スAの供給,さらに処理ガス供給口15を介する処理ガ
スBの供給などを適宜に開始すると、可動壁体40の上
端とアノード部11の下面との間に形成される絞り部4
9によってプラズマ処理空間13内の圧力が適度に保た
れる。すなわち、可動壁体40に付設された真空圧計4
bによってプラズマ処理空間13内の真空圧が検出さ
れ、この検出値と所定の設定目標値との差に基づいてP
ID制御回路4cによって制御信号が生成出力され、こ
の制御信号に従ってモータ44が回転してボールネジ4
2を進退させることで可動壁体40が上下動する。
【0060】具体的には、プラズマ処理空間13の真空
度が低下して絶対圧力が上がり過ぎると、可動壁体40
が下降するように駆動されて、絞り部49が開き気味に
なってプラズマ処理空間13の圧力が速やかに下がって
所定圧になる。逆に、プラズマ処理空間13の真空度が
高くなって絶対圧力が下がり過ぎると、可動壁体40が
上昇するように駆動されて、絞り部49が閉まり気味に
なってプラズマ処理空間13の圧力が速やかに上がって
所定圧になる。こうして、可動壁体40及び壁体駆動機
構41〜44を圧力制御機構とする圧力制御手段によっ
て、真空チャンバ内の真空圧が速やかに設定圧力になる
よう自動制御される。
【0061】また、絞り部49はプラズマ処理空間13
の上部周辺にほぼ一様に展開して形成され、プラズマ処
理空間13内圧力とその外側の真空チャンバ内圧力との
差に応じて、絞り部49の何処でもガス等の通過流体の
流れが概ね同様の状態となるので、プラズマ処理空間1
3内のガス状態はほぼ対称形で均一性の高いものとな
る。さらに、このような圧力制御状態はプラズマ処理空
間13にプラズマが形成されたときにも継続するので、
以下に述べるエッチング処理における低温プラズマ10
の状態も、ほぼ対称形で均一性の高いものとなる。これ
で、カソード部12上に乗載された基板1に対するプラ
ズマエッチング処理の準備が調う。
【0062】次に、RF電源32を作動させると、プラ
ズマ発生空間22内にコイル24を介してRF電磁界が
印加され、プラズマ用ガスAの電子が激しく運動させら
れる。このとき、電子は、永久磁石片25による磁気回
路の働きによってプラズマ発生空間22に長く留まり、
環状空間内を螺旋運動しながら飛び回ってプラズマ用ガ
スAを励起させる。こうして、高密度プラズマ20が発
生するが、プラズマ発生空間22に封じられた電子には
イオン種生成に大きく寄与する10〜15eV以上の高
いエネルギーのものが多く含まれているので(図6
(a)の二点鎖線グラフを参照)、高密度プラズマ20
はイオン種成分の比率が高い。そして、プラズマ発生空
間22で膨張した高密度プラズマ20は、特にそのラジ
カル種およびイオン種成分は、膨張圧力によって速やか
にプラズマ処理空間13へ運ばれる。
【0063】また、RF電源31を作動させると、プラ
ズマ処理空間13にもアノード部11及びカソード部1
2を介してRF電界が印加される。こちらには電子を封
じ込める磁気回路等がないので、処理ガスB等が励起さ
れても高密度プラズマができないで、低温プラズマ10
となる。RF電源31からのパワーだけの場合、低温プ
ラズマ10は、10〜15eV以上のエネルギーを持っ
た電子が少ないので(図6(a)の一点鎖線グラフを参
照)、ラジカル種成分の比率が高くなる。もっとも、こ
の装置における低温プラズマ10の場合は、上述の高密
度プラズマ20が混合されるので、実際のラジカル種成
分とイオン種成分との比率は、両者の中間における何れ
かの比率となる。
【0064】そして、RF電源32の出力をアップさせ
ると、プラズマ発生空間22内における10〜15eV
以上の電子が増える(図6(b)参照)。そして、高密
度プラズマ20の生成量が増加する。その混合の結果、
低温プラズマ10は、イオン種成分の割合が引き上げら
れる。一方、RF電源32の出力をダウンさせると、プ
ラズマ発生空間22内における10〜15eV以上の電
子が減ってくる(図6(c)参照)。そして、高密度プ
ラズマ20の生成量が減少する。その混合の結果、低温
プラズマ10は、イオン種成分の割合が引き下げられ
る。
【0065】さらに、RF電源31の出力をアップさせ
る一方でRF電源32の出力を少しダウンさせると、次
のようになる。先ずRF電源31の出力アップによって
プラズマ処理空間13における電子密度が高密度および
高エネルギー側に移行し(図6(d)一点鎖線参照)、
プラズマ処理空間13内の低温プラズマが増える。これ
によってそこのラジカル濃度が上がるのだが、同時にイ
オン比率も少し上がる。次に、RF電源32の出力ダウ
ンによってプラズマ発生空間22における電子密度が低
密度および低エネルギー側に移行し(図6(d)二点鎖
線参照)、プラズマ発生空間22内の高密度プラズマが
少し減る。これによってそこのラジカル濃度およびイオ
ン比率が下がるが、こちらは高エネルギー成分が元々大
きいので少しの出力ダウンであってもイオン比率が大き
く下がる。そして、このような高密度プラズマ20がプ
ラズマ処理空間13内の低温プラズマ10に混合される
と、イオン比率の増減が概ね相殺される一方ラジカル濃
度は増加する。すなわち、低温プラズマ10は、ラジカ
ル種成分とイオン種成分との比率があまり変わらずにプ
ラズマ濃度が引き上げられる。同様にして、RF電源3
1,32の出力を逆方向にアップ・ダウンさせると、低
温プラズマ10のプラズマ濃度が引き下げられる。
【0066】こうして、低温プラズマ10は、容易にラ
ジカル種成分とイオン種成分との比率が可変制御され、
その可変範囲が従来のほとんど総ての機種をカバーしう
るほど広範に亘っている(図7参照、なお、この図7や
上述の図6は定性的・相対的な性質を説明するための模
式図的なものである)。そして、そのときのエッチング
にとって最適な条件の下で即ち従来では設定困難だった
条件下で効率よくエッチング処理が進む(図7における
a点を参照)。さらに、処理ガスBの成分変更などによ
って最適条件が変化した場合は、RF電源31,32の
出力を適宜調節する。しかも、この調節はいわゆるレシ
ピとして予め設定しておけば自動的に行われる。その結
果、再び最適条件下で効率よくエッチング処理が進む
(図7におけるb点を参照)。これで、エッチング処理
を常に効率よく行うことができる。
【0067】また、この装置では、プラズマ発生空間2
2の断面積がプラズマ処理空間13の断面積よりも遥か
に小さくなっていて、第1比が第2比より桁違いに小さ
いことから、高密度プラズマ20がプラズマ発生空間2
2からプラズマ処理空間13へ速やかに送り出されるう
えに、そもそもプラズマ処理空間13からプラズマ発生
空間22へ逆流して入り込むガス量が少ないので、処理
ガスBが高密度プラズマ20で直接に励起されて不所望
なまで分解・電離するということはほとんど無くなる。
【0068】そして、このような条件下でプラズマ処理
が効率良く進むにも拘わらず処理完遂前にエッチストッ
プが発生してしまうような場合には、制御信号Paのパ
ルスを高く且つ狭くする。そうすると、RF電源32に
よって出力されるRF波形について、小振幅Pb及びそ
の期間Peは変わらないが、大振幅Pcが更に大きくな
る一方でその期間Pdが短くなる。このようにRF電源
32のRF出力波形が変わると、イオン種の生成割合は
最適状態に保ったままで、アノード部11からカソード
部12へ向けたイオン種の速度つまりイオン種の直進速
度だけが増大する。こうして、この場合も、効率良くプ
ラズマ処理が完全に遂行される。
【0069】逆にプラズマ処理が最後まで効率良く進ん
でも被処理部にボーイングが見られるような場合には、
制御信号Paのパルスを低く且つ広くする。そうする
と、RF電源32によって出力されるRF波形につい
て、小振幅Pb及びその期間Peは変わらないが、大振
幅Pcが小さくなる一方でその期間Pdが長くなる。こ
のようにRF電源32のRF出力波形が変わると、イオ
ン種の生成割合は最適状態に保ったままで、イオン種の
直進速度だけが抑制される。こうして、この場合も、ボ
ーイング等の発生を回避しながら、プラズマ処理が効率
良く完遂される。
【0070】このようにして良質なプラズマによるエッ
チング処理が効率よく進むと、低温プラズマ10が基板
1と反応してできる反応生成物の発生速度すなわち単位
時間当たりに発生する反応生成物の量も増加する。そし
て、これが真空チャンバ内に滞留するとこの反応生成物
と処理ガスとの反応等によってプラズマ処理の質が低下
してしまいかねないが、上述したようにプラズマエッチ
ング処理に必要なガス圧とされる範囲がアノード部11
とカソード部12と可動壁体40とによる最小限の空間
に絞り込まれていて、その周りを取り囲む真空チャンバ
2,3内は十分に吸引されて真空状態となっていること
から、反応生成物は発生量が増加してもプラズマ処理空
間13に長く留まることなく速やかに排気される。こう
して、プラズマ発生空間等からの良質なプラズマの供給
と、可動壁体等による反応生成物の速やかな排出とが相
まって、質も処理速度も優れたプラズマエッチング処理
が継続されるのである。
【0071】最後に、本発明のプラズマ発生装置につい
ての他の構成例を説明する。図8〜図10に示したプラ
ズマエッチング装置は、上述の装置における可動壁体4
0についての各種変形例であり、何れも、可動壁体40
が、上昇させられてプラズマ処理空間13の開口部分を
覆う位置に在るときにカソード部(基板支持体)12と
の間に通過流体の絞りとなる間隙を生じさせるような形
状に加工されたものである。なお、アノード部11もカ
ソード部12と外径が同一にされて可動壁体40の内腔
に嵌挿されるものとなっている。
【0072】図8に示した第1変形例の可動壁体40a
は、内腔の下方が広げられて段付き状態に形成されてお
り、ボールネジ42等がカソード部12と干渉し合わな
いように最下端のところがボールネジ42によって支持
されるとともに、内腔の小径部下端部分とカソード部1
2の上辺縁部分とによって流体に対する絞り部49aが
形成されるようになっている。
【0073】図9に示した第2変形例の可動壁体40b
は、カソード部12の上辺縁に対応した高さのところに
開口49bが多数穿孔形成されていて、それらの開口4
9bのところに分散して絞りが形成されるものである。
【0074】図10に示した第3変形例の可動壁体40
cは、さらに可動壁体内側面49cに丸みを持たせるこ
とで、プラズマ処理空間13の角張ったところが少なく
なるようにしたものであり、これによって開口49b近
傍における流れの急激な変化によってプラズマ処理空間
13内部にまで及びうる不均一性の影響が緩和されるこ
とを期したものである。
【0075】以上、プラズマエッチング装置を例に説明
してきたが、本発明のプラズマ発生装置は、プラズマエ
ッチング装置に限らず、プラズマ成膜装置などの他のプ
ラズマ処理装置にも適用可能である。その場合、本発明
のプラズマ発生装置の制御範囲の広さを活用して、それ
ぞれのプラズマ処理における最適条件に適合させればよ
い。
【0076】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段のプラズマ発生装置にあっては、プラ
ズマ発生空間とプラズマ処理空間との断面積比を変えて
プラズマ発生空間にイオン種が長時間止まらないで済む
ようにするとともに、イオン種・ラジカル種の濃度制御
のために制約された第1印加回路の出力によるイオン種
の直進速度の制御性を第2印加回路の出力における強弱
の時間割合の制御によってカバーするようにしたことに
より、良質なプラズマについてイオン種・ラジカル種の
濃度制御を独立に行えることに加えてイオン種の直進速
度も独立に制御しうるプラズマ発生装置を実現すること
ができたという有利な効果が有る。
【0077】また、本発明の第2の解決手段のプラズマ
発生装置にあっては、プラズマ発生空間でのプラズマ発
生が常に継続されるようにしたことにより、プラズマ発
生空間へ処理ガスが流れ込むのを確実に防止することが
できたという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラズマ発生装置の一実施例につい
て、その主要部の縦断面図である。
【図2】 そのプラズマ発生空間周りの縦断面斜視図で
ある。
【図3】 そのうち一のプラズマ発生空間についての拡
大図である。
【図4】 磁気回路の変形例である。
【図5】 真空チャンバへの装着状態を示す断面図であ
る。
【図6】 プラズマ内電子のエネルギー分布である。
【図7】 プラズマにおけるイオン比率の制御可能範囲
を示す。
【図8】 可動壁体の第1変形例である。
【図9】 可動壁体の第2変形例である。
【図10】 可動壁体の第3変形例である。
【図11】 従来のプラズマ発生装置である。
【図12】 チャンバ縮小時の予想構造図である。
【符号の説明】
1 基板(被処理物、ウエハ) 2 真空チャンバ本体部(真空チャンバ) 2a 吸引口 2b バッフル板 3 真空チャンバ蓋部(真空チャンバ) 4 可変バルブ(可変絞り、圧力制御機構、圧力制
御手段) 4a ゲートバルブ(仕切弁) 4b 真空圧計(圧力検出器、圧力制御手段) 4c PID制御回路(圧力制御回路、圧力制御手
段) 5 真空ポンプ 10 低温プラズマ 11 アノード部(平行平板の一方、第1印加回路) 11a アッパーサポート 12 カソード部(平行平板の他方、第1印加回路、
基板支持体) 12a ローアーサポート 13 プラズマ処理空間 14 連通口 15 処理ガス供給口(第2のガス導入路) 20 高密度プラズマ 21 プラズマ発生チャンバ(隣接機構部) 22 プラズマ発生空間 23 プラズマ用ガス送給路(第1のガス導入路) 24 コイル(第2印加回路) 25 永久磁石片(磁気回路用の磁性部材) 26 磁束線(磁気回路) 31 RF電源(第1印加回路) 32 RF電源(第2印加回路) 40,40a,40b,40c 可動壁体(可変絞り) 41 ベローズ(蛇腹、壁体駆動機構) 42 ボールネジ(進退駆動軸、壁体駆動機構) 43 サポート(支柱、壁体駆動機構) 44 モータ(電動機、壁体駆動機構) 49,49a 絞り部 49b 開口 49c 可動壁体内側面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 隆 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3−1 株 式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 徳村 哲夫 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3−1 株 式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 瀬川 利規 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3−1 株 式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 野沢 俊久 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5−5 株 式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 石橋 清隆 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5−5 株 式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 茂山 和基 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5−5 株 式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空チャンバ内に対向電極となる一対の平
    行平板を具えこれら平行平板間にプラズマ処理空間を形
    成してエッチング処理を行うプラズマ発生装置におい
    て、前記一対の平行平板のうち一方の平板に又はその隣
    接機構部に、前記プラズマ処理空間に隣接し且つ連通し
    たプラズマ発生空間が分散等して形成され、且つ、プラ
    ズマの発生または強化に寄与する交番電界または交番磁
    界を前記プラズマ処理空間に印加する第1印加回路、及
    びこの第1印加回路から独立してプラズマの発生および
    強化に寄与する交番電界または交番磁界を前記プラズマ
    発生空間に印加する第2印加回路が設けられ、この第2
    印加回路は出力が所定周期で強弱変化するとともにその
    強弱の時間割合が可変制御しうるものであることを特徴
    とするプラズマ発生装置。
  2. 【請求項2】前記第2印加回路は弱状態の出力がプラズ
    マ発生状態を維持するものであることを特徴とする請求
    項1記載のプラズマ発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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