JPH10335173A - コンデンサ用ポリプロピレンフィルム及びそれからなるコンデンサ - Google Patents
コンデンサ用ポリプロピレンフィルム及びそれからなるコンデンサInfo
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- JPH10335173A JPH10335173A JP8230098A JP8230098A JPH10335173A JP H10335173 A JPH10335173 A JP H10335173A JP 8230098 A JP8230098 A JP 8230098A JP 8230098 A JP8230098 A JP 8230098A JP H10335173 A JPH10335173 A JP H10335173A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】長期直流課電耐用性を有するコンデンサ用ポリ
プロピレンフィルムおよびこのフィルムを誘電体として
使用する長期安定性の優れたコンデンサを提供する。 【解決手段】メソペンタッド分率が98%以上、酸素誘
導時間が20分以上、20℃における絶縁抵抗IR1が
1.5×105ΩF以上であり、IR1/IR2 が700
以下であることを特徴とするポリプロピレンフィルムを
コンデンサの誘電体とする(ただし、IR2 は100℃
での絶縁抵抗)。
プロピレンフィルムおよびこのフィルムを誘電体として
使用する長期安定性の優れたコンデンサを提供する。 【解決手段】メソペンタッド分率が98%以上、酸素誘
導時間が20分以上、20℃における絶縁抵抗IR1が
1.5×105ΩF以上であり、IR1/IR2 が700
以下であることを特徴とするポリプロピレンフィルムを
コンデンサの誘電体とする(ただし、IR2 は100℃
での絶縁抵抗)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐電圧性に優れた
コンデンサ用ポリプロピレンフィルム及び該フィルムを
少なくとも誘電体の一部に使用したコンデンサに関する
ものである。
コンデンサ用ポリプロピレンフィルム及び該フィルムを
少なくとも誘電体の一部に使用したコンデンサに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンフィルムは、その電気特
性が優れていることなどの理由から電気用途の内、誘電
体材料や絶縁体材料として広く用いられている。
性が優れていることなどの理由から電気用途の内、誘電
体材料や絶縁体材料として広く用いられている。
【0003】中でもコンデンサ用途における誘電体材料
としての利用範囲は広く、特に最近になってフライバッ
クトランス用コンデンサやフィルター回路用コンデンサ
などの直流用途への需要の伸びが著しい。
としての利用範囲は広く、特に最近になってフライバッ
クトランス用コンデンサやフィルター回路用コンデンサ
などの直流用途への需要の伸びが著しい。
【0004】このようなポリプロピレンフィルムを使用
したコンデンサについて長期課電試験を実施すると期間
の経過に伴い、ポリプロピレンフィルムの絶縁耐力特性
が低下し、最終的には破壊に至る。
したコンデンサについて長期課電試験を実施すると期間
の経過に伴い、ポリプロピレンフィルムの絶縁耐力特性
が低下し、最終的には破壊に至る。
【0005】一般にコンデンサの寿命については「蒸着
ポリプロピレンフィルムコンデンサの寿命について」
(コンデンサ評論1986第116号Vol.39N
O,2狩野ら)などに報告されているようにコンデンサ
の内部放電によるとされている。
ポリプロピレンフィルムコンデンサの寿命について」
(コンデンサ評論1986第116号Vol.39N
O,2狩野ら)などに報告されているようにコンデンサ
の内部放電によるとされている。
【0006】そこで、ポリプロピレンフィルムコンデン
サの寿命延長のためにコンデンサの内部放電を抑制する
べく、種々の提案がなされている。
サの寿命延長のためにコンデンサの内部放電を抑制する
べく、種々の提案がなされている。
【0007】例えば特開昭54−53253号公報で
は、真空状態下でコンデンサ素子を巻き取る方法が提案
されている。また特開昭62−186512号公報で
は、金属化フィルムコンデンサ素子の各層間の密着強度
と外装材を規定する方法が提案されている。
は、真空状態下でコンデンサ素子を巻き取る方法が提案
されている。また特開昭62−186512号公報で
は、金属化フィルムコンデンサ素子の各層間の密着強度
と外装材を規定する方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術では交流用途には有効でも直流用途コンデン
サの寿命延長には充分でなかった。
の従来技術では交流用途には有効でも直流用途コンデン
サの寿命延長には充分でなかった。
【0009】そこで本発明は、ポリプロピレンフィルム
自身の直流下の長期課電耐用性を改良し、ひいては長期
安定性に優れたコンデンサを提供することを課題とする
ものである。
自身の直流下の長期課電耐用性を改良し、ひいては長期
安定性に優れたコンデンサを提供することを課題とする
ものである。
【0010】
【0011】前記課題を達成するために、本発明のコン
デンサ用ポリプロピレンフィルムは、メソペンタッド分
率が98%以上であって酸素吸収誘導時間が20分以
上、20℃における絶縁抵抗IR1が1.5×105ΩF
以上であり、100℃における絶縁抵抗をIR2とする
ときIR1/IR2が700以下であることを特徴とす
る。
デンサ用ポリプロピレンフィルムは、メソペンタッド分
率が98%以上であって酸素吸収誘導時間が20分以
上、20℃における絶縁抵抗IR1が1.5×105ΩF
以上であり、100℃における絶縁抵抗をIR2とする
ときIR1/IR2が700以下であることを特徴とす
る。
【発明の実施の形態】本発明においてポリプロピレンフ
ィルムのメソペンタッド分率は98%以上である必要が
ある。メソペンタッド分率が98%未満では耐電圧性だ
けでなく、高温下で使用されることの多いコンデンサ用
としての重要な特性のひとつである耐熱性についても低
下する場合がある。好ましくは98. 5%以上であり、
より好ましくは、99%以上である。
ィルムのメソペンタッド分率は98%以上である必要が
ある。メソペンタッド分率が98%未満では耐電圧性だ
けでなく、高温下で使用されることの多いコンデンサ用
としての重要な特性のひとつである耐熱性についても低
下する場合がある。好ましくは98. 5%以上であり、
より好ましくは、99%以上である。
【0012】また本発明のポリプロピレンフィルムの酸
素吸収誘導時間は20分以上である必要がある。酸素吸
収誘導時間が20分未満ではコンデンサに用いた場合、
高温下の長期耐用性に支障を及ぼす場合があるので不適
である。
素吸収誘導時間は20分以上である必要がある。酸素吸
収誘導時間が20分未満ではコンデンサに用いた場合、
高温下の長期耐用性に支障を及ぼす場合があるので不適
である。
【0013】さらに高温下で使用される場合を考慮し
て、20℃における絶縁抵抗IR1が1.5×105ΩF
以上であり100℃における絶縁抵抗をIR2とすると
きIR1/IR2は700以下である必要がある。
て、20℃における絶縁抵抗IR1が1.5×105ΩF
以上であり100℃における絶縁抵抗をIR2とすると
きIR1/IR2は700以下である必要がある。
【0014】IR1が1.5×105ΩF未満であったり
IR1/IR2が700を越えるとコンデンサの耐電圧特
性を低下させ、不適当である。
IR1/IR2が700を越えるとコンデンサの耐電圧特
性を低下させ、不適当である。
【0015】IR1が2.0×105ΩF以上であり、I
R1/IR2が500以下であることが好ましい。
R1/IR2が500以下であることが好ましい。
【0016】本発明のポリプロピレンフィルムに含まれ
るフェノール系酸化防止剤としてはテトラキス[メチレ
ン−3(3, 5−ジ−ターシャリブチル−4−ハイドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデ
シル−3−(4’−ハイドロキシ−3’、5’−ジ−タ
ーシャリブチル−フェニル)プロピオネート、2,2−
チオ[ジフェニル−ビス−3(3,5−ジ−ターシャリ
ブチル−4−ハイドロキシフェニル)]プロピオネー
ト、1,3,5トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ−ターシャリ−ブチル−4−ハイドロキシベンジ
ル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−ターシャリ−ブチ
ル−4−ハイドロキシフェニル)イソシアヌレート、
4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−ターシ
ャリ−ブチル−フェノール)、トリス(2,4−ジ−タ
ーシャリ−ブチルフェニル)フォスファイトなどを例示
することができる。
るフェノール系酸化防止剤としてはテトラキス[メチレ
ン−3(3, 5−ジ−ターシャリブチル−4−ハイドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデ
シル−3−(4’−ハイドロキシ−3’、5’−ジ−タ
ーシャリブチル−フェニル)プロピオネート、2,2−
チオ[ジフェニル−ビス−3(3,5−ジ−ターシャリ
ブチル−4−ハイドロキシフェニル)]プロピオネー
ト、1,3,5トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ−ターシャリ−ブチル−4−ハイドロキシベンジ
ル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−ターシャリ−ブチ
ル−4−ハイドロキシフェニル)イソシアヌレート、
4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−ターシ
ャリ−ブチル−フェノール)、トリス(2,4−ジ−タ
ーシャリ−ブチルフェニル)フォスファイトなどを例示
することができる。
【0017】なかでも、良好な電気特性を示すテトラキ
ス[メチレン−3(3, 5−ジ−ターシャリブチル−4
−ハイドロキシフェニル)プロピオネート]メタンまた
は1,3,5トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−ターシャリ−ブチル−4−ハイドロキシベンジ
ル)ベンゼンが好ましく、その含有量は単独での使用、
もしくは併用にて0.05wt%以上0.40wt%以
下が好ましい。
ス[メチレン−3(3, 5−ジ−ターシャリブチル−4
−ハイドロキシフェニル)プロピオネート]メタンまた
は1,3,5トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−ターシャリ−ブチル−4−ハイドロキシベンジ
ル)ベンゼンが好ましく、その含有量は単独での使用、
もしくは併用にて0.05wt%以上0.40wt%以
下が好ましい。
【0018】さらに、本発明のポリプロピレンフィルム
は、テンター法、インフレーション法のいずれで得たも
のでもかまわないが、得られるフィルムの厚みの均一性
や油に対する膨潤性などの観点からテンター法、二軸延
伸が好ましい。
は、テンター法、インフレーション法のいずれで得たも
のでもかまわないが、得られるフィルムの厚みの均一性
や油に対する膨潤性などの観点からテンター法、二軸延
伸が好ましい。
【0019】また本発明のポリプロピレンフィルムを金
属化するには、その方法として真空蒸着法やスパッタリ
ング法が例示され、特に限定されるものではないが、生
産性などの点から真空蒸着法がより好ましい。
属化するには、その方法として真空蒸着法やスパッタリ
ング法が例示され、特に限定されるものではないが、生
産性などの点から真空蒸着法がより好ましい。
【0020】この場合適用される金属としてはアルミニ
ウム、亜鉛、銅、錫、銀、ニッケル、コバルトなどの単
体またはこれらの混合物などが挙げられ、特に限定され
るものではないが、金属層の耐候性、安定性あるいはヒ
ーリング特性の点でアルミニウムがより好ましい。
ウム、亜鉛、銅、錫、銀、ニッケル、コバルトなどの単
体またはこれらの混合物などが挙げられ、特に限定され
るものではないが、金属層の耐候性、安定性あるいはヒ
ーリング特性の点でアルミニウムがより好ましい。
【0021】また金属化される面はそのコンデンサの仕
様により、片面であっても両面であっても差し支えな
い。
様により、片面であっても両面であっても差し支えな
い。
【0022】ポリプロピレンフィルムの金属化される面
には、コロナ放電処理などの表面処理を適宜施せばよ
く、その濡れ指数は34mN/m以上46mN/m以下
が好ましい。
には、コロナ放電処理などの表面処理を適宜施せばよ
く、その濡れ指数は34mN/m以上46mN/m以下
が好ましい。
【0023】また本発明のポリプロピレンフィルムの面
粗さRaは特に限定されるものではないが、耐電圧特性
の観点から0.20μm以下、作業性の観点から0.0
1μm以上が好ましい。
粗さRaは特に限定されるものではないが、耐電圧特性
の観点から0.20μm以下、作業性の観点から0.0
1μm以上が好ましい。
【0024】また本発明のポリプロピレンフィルムの熱
収縮率は特に限定されるものではないが、コンデンサ製
造過程における種々の加熱工程において寸法や形態の保
持性を考慮すると、長さ方向では4.0%以下、幅方向
では1.5%以下であることが好ましい。
収縮率は特に限定されるものではないが、コンデンサ製
造過程における種々の加熱工程において寸法や形態の保
持性を考慮すると、長さ方向では4.0%以下、幅方向
では1.5%以下であることが好ましい。
【0025】また本発明のポリプロピレンフィルムの灰
分は、耐電圧特性の観点から、30ppm以下であるこ
とが好ましい。
分は、耐電圧特性の観点から、30ppm以下であるこ
とが好ましい。
【0026】また本発明のポリプロピレンフィルムから
なるコンデンサの仕様は特に限定されるものではなく、
例えば乾式であっても含浸式であっても、扁平型であっ
ても丸型であっても、あるいは他誘電体材料との合わせ
巻きであってもかまわない。
なるコンデンサの仕様は特に限定されるものではなく、
例えば乾式であっても含浸式であっても、扁平型であっ
ても丸型であっても、あるいは他誘電体材料との合わせ
巻きであってもかまわない。
【0027】次に本発明の好ましいフィルム及びコンデ
ンサの製造方法の一例を示すが、特に限定されるもので
はない。
ンサの製造方法の一例を示すが、特に限定されるもので
はない。
【0028】メソペンタッド分率が98%以上であるポ
リプロピレン樹脂を200〜280℃の温度の押し出し
機に供給して溶融し、スリットを施したTダイよりシー
ト状に押し出し、20〜100℃の温度の冷却ロールで
冷却固化する。このとき、一般に冷却ロール温度が高い
ほど面粗さが大きくなる関係にあるので、適宜冷却ロー
ル温度を選択すればよい。
リプロピレン樹脂を200〜280℃の温度の押し出し
機に供給して溶融し、スリットを施したTダイよりシー
ト状に押し出し、20〜100℃の温度の冷却ロールで
冷却固化する。このとき、一般に冷却ロール温度が高い
ほど面粗さが大きくなる関係にあるので、適宜冷却ロー
ル温度を選択すればよい。
【0029】次に100〜150℃の温度で長さ方向に
3〜6倍に延伸する。この場合も延伸温度を選択するこ
とにより面粗さを調節することができる。次いで、14
0〜165℃の温度で幅方向に6〜12倍に延伸する。
その後、150〜170℃の温度で熱処理を施す。
3〜6倍に延伸する。この場合も延伸温度を選択するこ
とにより面粗さを調節することができる。次いで、14
0〜165℃の温度で幅方向に6〜12倍に延伸する。
その後、150〜170℃の温度で熱処理を施す。
【0030】こうして得られたポリオレフィンフィルム
の片面にコロナ放電処理を施した後、ワインダーで巻き
取る。
の片面にコロナ放電処理を施した後、ワインダーで巻き
取る。
【0031】このポリプロピレンフィルムを真空蒸着機
で片面を金属化し、所定の幅に裁断した後、素子巻き機
で巻き取り、コンデンサ素子を形成してコンデンサケー
スに収納する。このとき適宜充填剤を充填する。
で片面を金属化し、所定の幅に裁断した後、素子巻き機
で巻き取り、コンデンサ素子を形成してコンデンサケー
スに収納する。このとき適宜充填剤を充填する。
【0032】次に、本発明で使用した測定方法及び評価
方法について説明する。
方法について説明する。
【0033】(1)メソペンタッド分率(mmmm) 試料をo−ジクロロベンゼン/ベンゼン−D6に溶解
し、日本電子株式会社(JEOL)製JNM−GX27
0装置を用い、共鳴周波数67.93MHzで、13C−
NMRを測定した。得られたスペクトルの帰属及びペン
タッド分率の計算については、T.Hayashiらが
行なった方法[Polymer,29,138(198
8)]に基づき、メチル基由来のスペクトルについてm
mmmmmピークを21.885ppmとして各ピーク
の帰属を行い、ピーク面積を求めてメチル基由来全ピー
ク面積に対する比率を百分率で表示した。
し、日本電子株式会社(JEOL)製JNM−GX27
0装置を用い、共鳴周波数67.93MHzで、13C−
NMRを測定した。得られたスペクトルの帰属及びペン
タッド分率の計算については、T.Hayashiらが
行なった方法[Polymer,29,138(198
8)]に基づき、メチル基由来のスペクトルについてm
mmmmmピークを21.885ppmとして各ピーク
の帰属を行い、ピーク面積を求めてメチル基由来全ピー
ク面積に対する比率を百分率で表示した。
【0034】 測定濃度:15〜20wt% 測定溶媒:o−ジクロロベンゼン(90wt%)/ベン
ゼン−D6(10wt%) 測定温度:120〜130℃ 共鳴周波数:67.93MHz パルス幅:10μsec(45゜パルス) パルス繰り返し時間:7.091sec データ点:32K 積算回数:8168 測定モード:ノイズデカップリング
ゼン−D6(10wt%) 測定温度:120〜130℃ 共鳴周波数:67.93MHz パルス幅:10μsec(45゜パルス) パルス繰り返し時間:7.091sec データ点:32K 積算回数:8168 測定モード:ノイズデカップリング
【0035】(2)酸素吸収誘導時間 細片に切断されたポリプロピレンフィルム3gを1気圧
の酸素雰囲気中に入れ、184℃で加熱する。経時的に
酸素圧力を測定しておき、この圧力が急激に減少し始め
るまでの時間を酸素吸収誘導時間とする。
の酸素雰囲気中に入れ、184℃で加熱する。経時的に
酸素圧力を測定しておき、この圧力が急激に減少し始め
るまでの時間を酸素吸収誘導時間とする。
【0036】(3)表面粗さRa JIS−B−0601に従い、カットオフ0.25mm
で求めた中心線平均粗さで表わす。測定は小坂研究所
(株)製の三次元粗さ測定機ET−30HKを用いた。
で求めた中心線平均粗さで表わす。測定は小坂研究所
(株)製の三次元粗さ測定機ET−30HKを用いた。
【0037】(4)濡れ指数 JIS−K−6768による。
【0038】(5)熱収縮率 JIS−C−2330による。
【0039】(6)絶縁抵抗 日本電子機械工業会規格 EIAJ RC−3666A
による。
による。
【0040】(7)コンデンサ課電耐用性 厚さ5μmの試料フィルムの片面をアルミニウムで金属
化し、素子巻き機で巻き取ってコンデンサ素子とし、プ
ラスチックケースに充填剤であるエポキシ樹脂とともに
収納して試料コンデンサを作成した。コンデンサの静電
容量は60μFであった。このコンデンサを85℃の雰
囲気温度中で1000Vの直流電圧を100時間課電
し、課電前後の絶縁欠陥数の変化を調べた。
化し、素子巻き機で巻き取ってコンデンサ素子とし、プ
ラスチックケースに充填剤であるエポキシ樹脂とともに
収納して試料コンデンサを作成した。コンデンサの静電
容量は60μFであった。このコンデンサを85℃の雰
囲気温度中で1000Vの直流電圧を100時間課電
し、課電前後の絶縁欠陥数の変化を調べた。
【0041】次に、本発明を実施例に基づき説明する。
【0042】
実施例1 酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3(3,5−
ジ−ターシャリブチル−4−ハイドロキシフェニル)プ
ロピオネート]メタンを使用しその含有率が0. 3wt
%で、メソペンダット分率が99.0%であるポリプロ
ピレン樹脂を265℃の温度の押し出し機に供給して溶
融し、スリットを施したTダイよりシート状に押し出
し、70℃の温度の冷却ロールで冷却固化した。
ジ−ターシャリブチル−4−ハイドロキシフェニル)プ
ロピオネート]メタンを使用しその含有率が0. 3wt
%で、メソペンダット分率が99.0%であるポリプロ
ピレン樹脂を265℃の温度の押し出し機に供給して溶
融し、スリットを施したTダイよりシート状に押し出
し、70℃の温度の冷却ロールで冷却固化した。
【0043】次に130℃の温度で長さ方向に5倍に延
伸し、次いで、160℃の温度で幅方向に10倍に延伸
し、165℃の温度で熱処理を施した。
伸し、次いで、160℃の温度で幅方向に10倍に延伸
し、165℃の温度で熱処理を施した。
【0044】こうして得られたポリオレフィンフィルム
の片面にコロナ放電処理を施した後、ワインダーで巻き
取った。
の片面にコロナ放電処理を施した後、ワインダーで巻き
取った。
【0045】このフィルムの厚さは5μm、面粗さRa
は0.05μm、濡れ指数は40mN/m、長さ方向の
熱収縮率は2.0%、幅方向の熱収縮率は0.1%であ
った。またこのフィルムの酸素吸収誘導時間は70分で
あった。
は0.05μm、濡れ指数は40mN/m、長さ方向の
熱収縮率は2.0%、幅方向の熱収縮率は0.1%であ
った。またこのフィルムの酸素吸収誘導時間は70分で
あった。
【0046】このポリプロピレンフィルムをULVAC
製真空蒸着機でコロナ放電処理を施した面にアルミニウ
ムを膜抵抗値が8Ω/sqになるように真空蒸着した
後、金属化フィルム幅100mm(マージン幅2.5m
m)にてスリットした。
製真空蒸着機でコロナ放電処理を施した面にアルミニウ
ムを膜抵抗値が8Ω/sqになるように真空蒸着した
後、金属化フィルム幅100mm(マージン幅2.5m
m)にてスリットした。
【0047】こうして得た金属化ポリプロピレンフィル
ムを素子巻き機で巻き取ってコンデンサ素子とし、プラ
スチックケースに充填剤であるエポキシ樹脂とともに封
入してコンデンサを10個作成した。コンデンサの静電
容量は60μFであり20℃における絶縁破壊抵抗は2
70,000ΩF、100℃で900ΩFであった。
ムを素子巻き機で巻き取ってコンデンサ素子とし、プラ
スチックケースに充填剤であるエポキシ樹脂とともに封
入してコンデンサを10個作成した。コンデンサの静電
容量は60μFであり20℃における絶縁破壊抵抗は2
70,000ΩF、100℃で900ΩFであった。
【0048】このコンデンサを85℃の雰囲気温度中で
1000Vの直流電圧で100時間課電し、絶縁破壊個
数を数えた。
1000Vの直流電圧で100時間課電し、絶縁破壊個
数を数えた。
【0049】また前述の試験で破壊しなかったコンデン
サを巻きほぐして得た金属化ポリプロピレンフィルム、
課電していない金属化ポリプロピレンフィルムの絶縁欠
陥数をおのおの測定し、課電後の絶縁欠陥数の増加状況
を調べた。
サを巻きほぐして得た金属化ポリプロピレンフィルム、
課電していない金属化ポリプロピレンフィルムの絶縁欠
陥数をおのおの測定し、課電後の絶縁欠陥数の増加状況
を調べた。
【0050】なお、絶縁欠陥は試験電極としての金属化
フィルムと銅製平板間に試料である金属化ポリプロピレ
ンフィルムをはさみ、1.25KVの直流電圧を1分間
引加して生ずる破壊個数(欠陥個数)をカウントした。
試料面積は0.2m2とした。その結果を表1に示す。
フィルムと銅製平板間に試料である金属化ポリプロピレ
ンフィルムをはさみ、1.25KVの直流電圧を1分間
引加して生ずる破壊個数(欠陥個数)をカウントした。
試料面積は0.2m2とした。その結果を表1に示す。
【0051】コンデンサの絶縁破壊はなく、絶縁欠陥も
課電前後共に生じなかった。
課電前後共に生じなかった。
【0052】実施例2 メソペンタッド分率が98.0%であるポリプロピレン
樹脂を使用した以外は、実施例1に同じ。結果を表1に
示す。絶縁破壊が1個みられ、絶縁欠陥数も増えていた
が実用上問題のないものであった。
樹脂を使用した以外は、実施例1に同じ。結果を表1に
示す。絶縁破壊が1個みられ、絶縁欠陥数も増えていた
が実用上問題のないものであった。
【0053】実施例3 酸化防止剤の含有率が0.1wt%であるポリプロピレ
ン樹脂を使用した以外は、実施例1に同じ。結果を表1
に示す。実施例1に比べてIR1/IR2が小さく、課電
による絶縁破壊も絶縁欠陥の増加も無かった。
ン樹脂を使用した以外は、実施例1に同じ。結果を表1
に示す。実施例1に比べてIR1/IR2が小さく、課電
による絶縁破壊も絶縁欠陥の増加も無かった。
【0054】実施例4 酸化防止剤として1,3,5トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−ターシャリ−ブチル−4−ハイド
ロキシベンジル)ベンゼンを使用し、その含有率が0.
2wt%であるポリプロピレン樹脂を使用した以外は、
実施例1に同じ。結果を表1に示す。実施例3と同様
に、絶縁抵抗の優れたものであった。絶縁破壊が1個発
生したが、実用上問題ない。
トリス(3,5−ジ−ターシャリ−ブチル−4−ハイド
ロキシベンジル)ベンゼンを使用し、その含有率が0.
2wt%であるポリプロピレン樹脂を使用した以外は、
実施例1に同じ。結果を表1に示す。実施例3と同様
に、絶縁抵抗の優れたものであった。絶縁破壊が1個発
生したが、実用上問題ない。
【0055】比較例1 メソペンタッド分率が94.0%であるポリプロピレン
樹脂を使用した以外は、実施例1に同じ。結果を表1に
示す。IR1が低く、かつコンデンサ9個が絶縁破壊し
た。
樹脂を使用した以外は、実施例1に同じ。結果を表1に
示す。IR1が低く、かつコンデンサ9個が絶縁破壊し
た。
【0056】比較例2 酸化防止剤の含有率が0.5wt%であるポリプロピレ
ン樹脂を使用した以外は、実施例2に同じ。結果を表1
に示す。IR2が低い上に、コンデンサの絶縁破壊が4
個発生し、絶縁欠陥もかなり増加していた。
ン樹脂を使用した以外は、実施例2に同じ。結果を表1
に示す。IR2が低い上に、コンデンサの絶縁破壊が4
個発生し、絶縁欠陥もかなり増加していた。
【0057】比較例3 酸化防止剤の含有率が0.02wt%であるポリプロピ
レン樹脂を使用した以外は、実施例4に同じ。結果を表
1に示す。絶縁抵抗は良好であっが、コンデンサの絶縁
破壊が5個発生し、絶縁欠陥も増加していた。
レン樹脂を使用した以外は、実施例4に同じ。結果を表
1に示す。絶縁抵抗は良好であっが、コンデンサの絶縁
破壊が5個発生し、絶縁欠陥も増加していた。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明のコンデンサ用ポリプロピレンフ
ィルムは、長期直流課電耐用性に優れており、コンデン
サに用いたことにより、長期安定性に優れたコンデンサ
を得ることができる。
ィルムは、長期直流課電耐用性に優れており、コンデン
サに用いたことにより、長期安定性に優れたコンデンサ
を得ることができる。
【0060】したがって、フライバックトランス用コン
デンサやフィルター回路用コンデンサなどの直流用途に
優れた性能を発揮し、車両用コンデンサやディスプレイ
用コンデンサとして好適である。
デンサやフィルター回路用コンデンサなどの直流用途に
優れた性能を発揮し、車両用コンデンサやディスプレイ
用コンデンサとして好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 恵 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内
Claims (4)
- 【請求項1】メソペンタッド分率が98%以上で、酸素
吸収誘導時間が20分以上、20℃における絶縁抵抗I
R1が1.5×105ΩF以上であり、100℃における
絶縁抵抗をIR2とするときIR1/IR2が700以下
であることを特徴とするコンデンサ用ポリプロピレンフ
ィルム。 - 【請求項2】酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−
3(3, 5−ジ−ターシャリブチル−4−ハイドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタンまたは1,3,5ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−ターシャ
リ−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)ベンゼンを単
独で使用、もしくは併用し、その含有量が0.05wt
%以上0.40wt%以下であることを特徴とする請求
項1記載のコンデンサ用ポリプロピレンフィルム。 - 【請求項3】フィルムの少なくとも片面に金属層を設け
たことを特徴とする請求項1または2に記載のコンデン
サ用金属化ポリプロピレンフィルム。 - 【請求項4】少なくとも誘電体の一部に請求項3に記載
の金属化コンデンサ用ポリプロピレンフィルムを使用し
たことを特徴とする直流コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8230098A JPH10335173A (ja) | 1997-03-31 | 1998-03-27 | コンデンサ用ポリプロピレンフィルム及びそれからなるコンデンサ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-81740 | 1997-03-31 | ||
JP8174097 | 1997-03-31 | ||
JP8230098A JPH10335173A (ja) | 1997-03-31 | 1998-03-27 | コンデンサ用ポリプロピレンフィルム及びそれからなるコンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10335173A true JPH10335173A (ja) | 1998-12-18 |
Family
ID=26422742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8230098A Pending JPH10335173A (ja) | 1997-03-31 | 1998-03-27 | コンデンサ用ポリプロピレンフィルム及びそれからなるコンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10335173A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002226610A (ja) * | 2001-02-07 | 2002-08-14 | Toray Ind Inc | 離型用ポリプロピレンフィルム |
JP2002234958A (ja) * | 2001-02-08 | 2002-08-23 | Toray Ind Inc | 両面蒸着用ポリプロピレンフィルム及びそれを用いてなるコンデンサ |
-
1998
- 1998-03-27 JP JP8230098A patent/JPH10335173A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002226610A (ja) * | 2001-02-07 | 2002-08-14 | Toray Ind Inc | 離型用ポリプロピレンフィルム |
JP2002234958A (ja) * | 2001-02-08 | 2002-08-23 | Toray Ind Inc | 両面蒸着用ポリプロピレンフィルム及びそれを用いてなるコンデンサ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060224 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060307 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060704 |