JPH10334816A - ガス放電表示パネル及びその製造方法 - Google Patents

ガス放電表示パネル及びその製造方法

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JPH10334816A
JPH10334816A JP16050297A JP16050297A JPH10334816A JP H10334816 A JPH10334816 A JP H10334816A JP 16050297 A JP16050297 A JP 16050297A JP 16050297 A JP16050297 A JP 16050297A JP H10334816 A JPH10334816 A JP H10334816A
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Fumio Nakajima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲッター材の高温加熱工程が不要であり、ま
た、ゲッター材収納部を小さくすることができるガス放
電表示パネルの実現。 【解決手段】 帯状の陰極20を複数本並設した背面基板
12と、帯状の透明陽極24を複数本並設した前面基板14と
を、各基板の電極が所定の間隙を隔てて交差するように
対向配置すると共に、両基板の周縁を気密封止して外囲
器18となし、該外囲器18内に放電ガスを封入してなるガ
ス放電表示パネル10において、外囲器18と連通するゲッ
ター材収納部34を形成すると共に、該ゲッター材収納部
34内に、無機物にアジ化バリウム溶液を含浸せしめて構
成したゲッター材38を封入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、放電セル内にお
ける放電生成によって生じた放電光を利用して表示を行
うガス放電表示パネル及びその製造方法に係り、特に、
製造過程や動作中に発生する不純ガスを除去するための
ゲッター材を備えたガス放電表示パネル及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、従来のガス放電表示
パネル50は、一面に帯状の陰極52を複数本並設したガラ
ス等の絶縁材からなる背面基板54と、一面に帯状の透明
陽極56を複数本並設したガラス等の透明絶縁材よりなる
前面基板58とを、上記陰極52と透明陽極56とが所定の間
隙を隔てて略直交するように対向配置し、両基板周縁を
封着材60を介して気密封止して外囲器62となし、該外囲
器62の内部空間に希ガス等の放電ガスを封入してなる。
上記内部空間は、前面基板58及び背面基板54の対向面に
格子状に形成された前面側バリアリブ64及び背面側バリ
アリブ66を介して均等に区切られ、陰極52と透明陽極56
との交差部分毎に放電セル68がドット・マトリクス状に
多数形成される。また、前面側バリアリブ64の頂面に
は、スペーサ70が所定の間隔をおいて形成されており、
その結果、前面側バリアリブ64と背面側バリアリブ66と
の間には、スペーサ70の高さに相当する幅を備えた隙間
72が形成され、各放電セル68は、この隙間72を介して連
通されている。
【0003】しかして、上記透明陽極56と陰極52間に選
択的に電圧を印加することにより、所望の放電セル68に
おいて放電が生成され、該放電に基づく放電光が透明陽
極56及び前面基板58を透過して外部に放射される。この
結果、表示面としての前面基板58に任意の文字や図形等
が表示される。
【0004】ところで、ガス放電表示パネル50の製造過
程や動作時には、ガス放電表示パネル50を構成する部材
(背面基板54、前面基板58、陰極52、透明陽極56等)の
素材中に含まれる不純物等から不純ガス(二酸化炭素、
酸素、窒素等)が放出される。この不純ガスが蓄積し、
放電ガスに混入することにより、放電ガスの成分、圧力
が変化し、放電特性の悪化をもたらすことから、ゲッタ
ー材を用いて不純ガスを吸着除去することが行われてい
る。
【0005】図5に示す従来のガス放電表示パネル50に
あっては、背面基板54の外面上に、該背面基板54に設け
た貫通孔74を介して上記外囲器62の内部空間と連通する
ゲッター材収納部76を形成し、該ゲッター材収納部76内
にリングゲッター78を収納している。このゲッター材収
納部76は、ガス放電表示パネル50の製造過程で使用され
た排気管を利用したものであり、内部にリングゲッター
78を収納したガラス製の排気管の一端を上記貫通孔74を
覆うように背面基板54の外面54a上に接続した後、外囲
器62及び排気管の一端を400〜450℃の温度で加熱
しつつ真空排気を行ってガス放電表示パネル50の構成部
材を脱気して不純ガスを放出させた後、該排気管を通じ
て外囲器62内に放電ガスを封入し、然る後、排気管の中
途部を封じ切ることにより形成することができるもので
ある。
【0006】上記リングゲッター78は、金属リング80の
上方を開口して内部にゲッター材としてのバリウム82を
被着させたものであり、該リングゲッター78を高周波コ
イル84により千数百度の高温で加熱し、バリウム粒子を
放射させることにより外囲器62内の不純ガスの吸着除去
を行っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のガス放電表示パネル50にあっては、リングゲッター
78を千数百度の高温で加熱するための特別な工程が必要
であり、また、リングゲッター78加熱時の高温によって
外囲器62が変形することを防止するため、外囲器62とリ
ングゲッター78との離間距離を大きく確保しなければな
らないと共に、リングゲッター78自体が比較的大きな固
体形状と成されていることから、これを収納するゲッタ
ー材収納部76も大きく確保する必要があった。そのた
め、上記の如く排気管を利用してゲッター材収納部76を
形成する場合には、排気のために必要とされる径や長さ
以上に、大径且つ長尺な排気管を特別に用意しなければ
ならなかった。
【0008】この発明は、上記従来例の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、ゲッタ
ー材の高温加熱工程が不要であり、また、ゲッター材収
納部を小さくすることができるガス放電表示パネル及び
その製造方法を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るガス放電表示パネルは、一面に帯状
の電極を複数本並設した絶縁材よりなる背面基板と、一
面に帯状の透明電極を複数本並設した透明絶縁材よりな
る前面基板とを、各基板の電極が所定の間隙を隔てて交
差するように対向配置すると共に、両基板の周縁を気密
封止して外囲器となし、該外囲器内に放電ガスを封入し
てなるガス放電表示パネルにおいて、上記外囲器と連通
するゲッター材収納部を形成すると共に、該ゲッター材
収納部内に、無機物にアジ化バリウム溶液を含浸せしめ
て構成したゲッター材を封入したことを特徴とする。
【0010】また、本発明に係るガス放電表示パネルの
製造方法は、一面に帯状の電極を複数本並設した絶縁材
よりなる背面基板と、一面に帯状の透明電極を複数本並
設した透明絶縁材よりなる前面基板とを、各基板の電極
が所定の間隙を隔てて交差するように対向配置すると共
に、両基板の周縁を気密封止して外囲器となし、さら
に、該外囲器と連通するゲッター材収納部を上記外囲器
に封着した後、無機物にアジ化バリウム溶液を含浸せし
めて構成したゲッター材を上記ゲッター材収納部内に封
入し、その後、上記外囲器を加熱すると共に真空排気し
た後、放電ガスを外囲器内に封入したことを特徴とす
る。
【0011】さらに、本発明に係る他のガス放電表示パ
ネルの製造方法は、一面に帯状の電極を複数本並設した
絶縁材よりなる背面基板と、一面に帯状の透明電極を複
数本並設した透明絶縁材よりなる前面基板とを、各基板
の電極が所定の間隙を隔てて交差するように対向配置す
ると共に、両基板の周縁を気密封止して外囲器となし、
さらに、該外囲器と連通し、その内部に無機物を収納し
て成るゲッター材収納部を上記外囲器に封着した後、上
記ゲッター材収納部内にアジ化バリウム溶液を注入し、
上記無機物にアジ化バリウム溶液を含浸せしめてゲッタ
ー材を構成し、その後、上記外囲器を加熱すると共に真
空排気した後、放電ガスを外囲器内に封入したことを特
徴とする。
【0012】尚、上記無機物としては、例えば、活性ア
ルミナ又はガラスウールが望ましい。
【0013】アジ化バリウム(Ba(N32)は粉末状
であるが、水或いはエタノールに簡単に溶けるため溶液
化し易いものである。本発明のガス放電表示パネルにあ
っては、無機物にアジ化バリウム溶液を含浸せしめて構
成したゲッター材を用いており、このアジ化バリウムは
比較的低い温度でも化学吸着作用を奏するものであるこ
とから、ゲッター材を高温加熱することなく、不純ガス
を吸着することができる。また、液体であるアジ化バリ
ウム溶液を無機物に含浸せしめることでゲッター材を構
成することができるため、アジ化バリウム溶液を含浸す
る無機物の大きさを小さくすることにより、容易に小さ
なゲッター材を形成することができ、従って、該ゲッタ
ー材を収納するためのゲッター材収納部も小さくするこ
とが可能となる。
【0014】
【発明の実施の態様】以下に、この発明に係るガス放電
表示パネル及びその製造方法を、図1乃至図3に基づい
て説明する。図1は、本発明に係るガス放電表示パネル
10を示す概略断面図、図2及び図3は、ガス放電表示パ
ネルの製造過程を示す概略断面図である。このガス放電
表示パネル10は、平板ガラス等の絶縁材よりなる背面基
板12と、同じく平板ガラス等の透明絶縁材よりなる前面
基板14とを、所定の間隙を隔てて対向配置し、両基板周
縁を低融点ガラス等の封着材16を介して気密封止して外
囲器18を形成し、該外囲器18の内部空間にNe,Ar,
He,Xe等の希ガスを主体とした放電ガスを封入する
ことを基本構成としている。
【0015】背面基板12の対向面12aには、銀・パラジ
ウム(Ag・Pd)等よりなる帯状の陰極20が複数本並
設されている。また、この背面基板12の対向面12aに
は、背面側バリアリブ22が形成されている。この背面側
バリアリブ22は、低融点ガラスを印刷・焼成等して形成
され、各陰極20間を仕切る複数の第1の隔壁22aと、各
陰極20を所定の長さ毎に区切る複数の第2の隔壁22bと
を有する格子形状を備えている。
【0016】前面基板14の対向面14aには、NESA膜
(SnO2)やITO膜(In23・SnO2)等の透明
導電膜よりなる帯状の透明陽極24が被着形成されてい
る。なお、図1に現れていないが、実際には複数本の透
明陽極24が前面基板14の対向面14a上に並設されてい
る。前面基板14の対向面14aには、さらに前面側バリア
リブ26が配置されている。この前面側バリアリブ26は、
上記背面側バリアリブ22と同様に、低融点ガラスを印刷
・焼成等して形成され、各透明陽極24間を仕切る複数の
第1の隔壁26aと、各透明陽極24を所定の長さ毎に区切
る複数の第2の隔壁26bとを有する格子形状を備えてい
る。また、前面側バリアリブ26の第1の隔壁26aと第2
の隔壁26bとの交点部分の端面には、ガラス等の絶縁材
よりなるスペーサ28が突設されている。
【0017】上記背面基板12と前面基板14とは、各基板
の陰極20及び透明陽極24が所定の間隙を隔てて略直交す
るよう対向配置されており、両電極の交差部分毎に、背
面側バリアリブ22及び前面側バリアリブ26によって囲繞
された放電セル30が、ドット・マトリクス状に多数形成
される。なお、上記スペーサ28の端面が背面側バリアリ
ブ20の端面に当接しているため、両バリアリブ20,26間
にはスペーサ28の高さに相当する隙間32が形成されてお
り、各放電セル30はこの隙間32を介して連通されてい
る。
【0018】而して、図示しない電源より、上記透明陽
極24−陰極20間に放電開始電圧以上の直流電圧を印加す
ると、放電セル30内における上記透明陽極24と陰極20と
の間で放電が生成し、所定の発光色を有する光が、透明
陽極24及び前面基板14を透過して外部に放射される。こ
の電圧印加を、図示しない制御・駆動回路を介して選択
的に実行することにより、所望の放電セル30において放
電発光を生成させ、前面基板14の表示面14bに任意の文
字や図形を表示することができる。なお、放電に際して
は、上記隙間32を通じて、各放電セル30間のイオンの流
通が確保されるようになっている。
【0019】図1において、34は、後述する排気管を利
用して形成したゲッター材収納部であり、該ゲッター材
収納部34は、背面基板の外面12b上に、該背面基板12に
形成した貫通孔36を覆うように形成されており、上記貫
通孔36を介して外囲器18の内部空間と連通している。該
ゲッター材収納部34内には、ゲッター材38及び該ゲッタ
ー材38が外囲器内に侵入するのを防止するため、ガラス
ウールより成るストッパ40が封入されている。
【0020】上記ゲッター材38は、無機物としての活性
アルミナにアジ化バリウム溶液を含浸せしめて構成した
ものであり、ガス放電表示パネル10の製造過程や動作時
にガス放電表示パネル10を構成する部材(背面基板12、
前面基板14、陰極20、透明陽極24等)の素材中に含まれ
る不純物等から放出される不純ガス(二酸化炭素、酸
素、窒素等)を吸着除去するものである。アジ化バリウ
ム(Ba(N32)は粉末状であるが、水或いはエタノ
ールに簡単に溶けるため溶液化し易く、しかも、比較的
低い温度でも化学吸着作用を奏するものである。また、
活性アルミナは、その多孔質構造によって250m2
gの比表面積を有しており、200〜700℃程度の加
熱で気孔内に物理的に吸着しているガス成分や水分を放
出して活性化し、物理吸着作用を発揮するものである。
【0021】図2及び図3に基づいて、上記ガス放電表
示パネル10の製造方法を説明する。先ず、上記背面基板
12の陰極20と前面基板14の透明陽極24とが略直交する状
態で、背面側バリアリブ22の端面と前面側バリアリブ26
のスペーサ28の端面とを当接させると共に、上記背面基
板12の貫通孔36上にストッパ40を配置した後、上記貫通
孔36、ストッパ40を覆うように排気管42を被せる。次
に、約450℃の温度で加熱しつつ、低融点ガラス等の
封着材16を介して、両基板周縁を気密封止して外囲器18
を形成すると共に、排気管42の一端を背面基板12の外面
12b上に封着する。
【0022】そして、粒状の活性アルミナを、粉末状の
アジ化バリウム(Ba(N32)を水或いはエタノール
で溶かしたアジ化バリウム溶液中に浸すことにより構成
したゲッター材38を乾燥させた後、上記排気管42の他端
から排気管42内へ封入し、ストッパ40上へ載置するので
ある(図2)。アジ化バリウムは、空気中においては約
219℃の温度で発火し、分解してしまうため、上記ゲ
ッター材38は、排気管42を背面基板12の外面12b上へ封
着した後に封入する必要がある。
【0023】尚、背面基板12の貫通孔36上にストッパ40
を配置し、更に、該ストッパ40上に粒状の活性アルミナ
を載置した後、上記貫通孔36、ストッパ40及び活性アル
ミナを覆うように排気管42を被せて該排気管42を背面基
板12の外面12b上に封着後、アジ化バリウム溶液を排気
管42の他端から排気管42内に注入して活性アルミナに含
浸せしめることによりゲッター材38を構成するようにし
ても良い。このとき、注入したアジ化バリウム溶液の一
部が上記活性アルミナに含浸しない場合があっても、活
性アルミナに含浸されなかったアジ化バリウム溶液は、
ガラスウールで構成したストッパ40に吸収されるため、
アジ化バリウム溶液が貫通孔36を通って外囲器18内に侵
入することはない。尚、図示は省略するが、ストッパ40
上に載置された活性アルミナの位置と、貫通孔36の位置
とが重ならないように配置すれば、活性アルミナに含浸
されなかったアジ化バリウム溶液が、貫通孔36を通って
外囲器18内に侵入することを、より一層防止することが
できる。
【0024】上記方法で、ゲッター材38を排気管42内に
封入後、上記排気管42の他端を図示しない真空排気装置
に接続し、外囲器18及び排気管42の一端を400〜45
0℃の温度で加熱しつつ真空排気を行うことにより、ガ
ス放電表示パネル10の構成部材を脱気して不純ガスを放
出させた後、該排気管42を通じて外囲器18内に放電ガス
を封入する。然る後、排気管42の中途部を図3に示す如
く、バーナー44で加熱溶融させて封じ切ることによっ
て、排気管42はゲッター材収納部34と成され、図1に示
すガス放電表示パネル10が製造されるのである。尚、上
記のように、外囲器18及び排気管42の一端を400〜4
50℃の温度で加熱しても、これと並行して行われる真
空排気によって排気管内は略真空状態と成されることか
ら、アジ化バリウムが発火して分解することはない。
【0025】而して、ガス放電表示パネル10の構成部材
から放出された不純ガスは、ゲッター材38を構成する活
性アルミナに含浸せしめたアジ化バリウムの化学吸着作
用によって吸着除去することができる。また、上記の通
り、外囲器18及び排気管42の一端を400〜450℃の
温度で加熱するので、ゲッター材38を構成する活性アル
ミナも、気孔内の水分やガス成分を放出して活性化し、
該活性アルミナの物理吸着作用によっても不純ガスを吸
着除去することができるようになっている。
【0026】図4は、本発明に係る他のガス放電表示パ
ネル10を示すものである。このガス放電表示パネル10に
あっては、背面基板12に形成した貫通孔36を覆うよう
に、該背面基板12の上方にガラス板46を配置すると共
に、該ガラス板46の周縁と背面基板12とを低融点ガラス
等の封着材16で気密封止することによりゲッター材収納
部34を形成している。該ゲッター材収納部34内には、無
機物としてのガラスウールにアジ化バリウム溶液を含浸
せしめて構成したゲッター材38が収納されている。ま
た、ゲッター材収納部34のガラス板46には貫通孔48が形
成されており、さらにガラス板46の外面46a上には、上
記貫通孔48を覆う残存排気管部50が配置されている。
尚、図4において、52は、ゲッター材38が移動するのを
防止するためのストッパである。
【0027】このガス放電表示パネル10は、以下の方法
で製造される。すなわち、背面基板12の陰極20と前面基
板14の透明陽極24とが略直交する状態で、背面側バリア
リブ22の端面と前面側バリアリブ26のスペーサ28の端面
とを当接させる。そして、上記背面基板12の外面上にガ
ラス等の絶縁材よりなるストッパ52を突設形成すると共
に、ガラスウールを配置する。また、背面基板12の貫通
孔36を覆うように、該背面基板12の上方にガラス板46を
配置すると共に、該ガラス板46に形成された貫通孔48を
覆うように排気管を被せる。次に、約450℃の温度で
加熱しつつ、低融点ガラス等の封着材16を介して、両基
板周縁を気密封止して外囲器18を形成すると共に、ガラ
ス板46の周縁と背面基板12とを気密封止してゲッター材
収納部34を形成し、さらに、排気管をガラス板46の外面
46a上に封着する。
【0028】その後、排気管の他端からアジ化バリウム
溶液をゲッター材収納部34内に注入し、アジ化バリウム
溶液を上記ガラスウールに含浸せしめることにより、ゲ
ッター材38を構成する。尚、ガラスウールは、背面基板
12の貫通孔36と重ならない位置に配置されていることか
ら、注入したアジ化バリウム溶液の一部が上記ガラスウ
ールに含浸しない場合があっても、含浸されなかったア
ジ化バリウム溶液が貫通孔36を通って外囲器18内に侵入
することが防止される。、
【0029】上記ゲッター材38の乾燥後、排気管の他端
を真空排気装置に接続し、外囲器18、ゲッター材収納部
34及び排気管の一端を400〜450℃の温度で加熱し
つつ真空排気を行うことにより、ガス放電表示パネル10
の構成部材を脱気して不純ガスを放出させた後、排気管
及びゲッター材収納部34を通じて外囲器18内に放電ガス
を封入する。然る後、排気管の中途部をバーナーで加熱
溶融させて封じ切り、残存排気管部50と成すことによっ
て、図4に示すガス放電表示パネル10が製造されるので
ある。
【0030】而して、ガス放電表示パネル10の構成部材
から放出された不純ガスは、ゲッター材38を構成するガ
ラスウールに含浸せしめたアジ化バリウムの化学吸着作
用によって吸着除去することができるのである。
【0031】本発明のガス放電表示パネル10にあって
は、無機物である活性アルミナやガラスウールにアジ化
バリウム溶液を含浸せしめて構成したゲッター材38を用
いていることから、該ゲッター材自身を高温加熱するこ
となく不純ガスの吸着除去を行うことができる。また、
液体であるアジ化バリウム溶液を活性アルミナやガラス
ウールに含浸せしめることでゲッター材38を構成するこ
とができるので、アジ化バリウム溶液を含浸する活性ア
ルミナやガラスウールの大きさを小さくすれば、小さな
ゲッター材を形成することができ、これを収納するゲッ
ター材収納部34も小さくすることが可能となる。従っ
て、排気管42を利用してゲッター材収納部34を形成する
場合にも、排気のために必要とされる最小限の径や長さ
を備えた排気管を使用することができ、図5に示した従
来のガス放電表示パネルにように、大径且つ長尺な排気
管を特別に用意する必要がない。
【0032】
【発明の効果】本発明に係るガス放電表示パネルにあっ
ては、比較的低い温度でも化学吸着作用を奏するアジ化
バリウムの溶液を無機物に含浸せしめて構成したゲッタ
ー材を用いたことから、ゲッター材を高温加熱すること
なく、不純ガスを吸着することができる。また、液体で
あるアジ化バリウム溶液を無機物に含浸せしめることで
ゲッター材を構成することができるため、アジ化バリウ
ム溶液を含浸する無機物の大きさを小さくすることによ
り、小さなゲッター材を形成することができ、該ゲッタ
ー材を収納するゲッター材収納部も小さくすることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス放電表示パネルの実施の形態
を示す概略断面図である。
【図2】上記ガス放電表示パネルの製造過程を示す概略
断面図である。
【図3】上記ガス放電表示パネルの製造過程を示す概略
断面図である。
【図4】本発明に係るガス放電表示パネルの他の実施の
形態を示す概略断面図である。
【図5】従来のガス放電表示パネルを示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
10 ガス放電表示パネル 12 背面基板 12a 背面基板の対向面 12b 背面基板の外面 14 前面基板 14a 前面基板の対向面 16 封着材 18 外囲器 20 陰極 22 背面側バリアリブ 24 透明陽極 26 前面側バリアリブ 28 スペーサ 30 放電セル 32 隙間 34 ゲッター材収納部 36 貫通孔 38 ゲッター材 40 ストッパ 42 排気管 44 バーナー 46 ガラス板 48 貫通孔 50 残存排気管部 52 ストッパ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面に帯状の電極を複数本並設した絶縁
    材よりなる背面基板と、一面に帯状の透明電極を複数本
    並設した透明絶縁材よりなる前面基板とを、各基板の電
    極が所定の間隙を隔てて交差するように対向配置すると
    共に、両基板の周縁を気密封止して外囲器となし、該外
    囲器内に放電ガスを封入してなるガス放電表示パネルに
    おいて、上記外囲器と連通するゲッター材収納部を形成
    すると共に、該ゲッター材収納部内に、無機物にアジ化
    バリウム溶液を含浸せしめて構成したゲッター材を封入
    したことを特徴とするガス放電表示パネル。
  2. 【請求項2】 上記無機物が、活性アルミナ又はガラス
    ウールであることを特徴とする請求項1に記載のガス放
    電表示パネル。
  3. 【請求項3】 一面に帯状の電極を複数本並設した絶縁
    材よりなる背面基板と、一面に帯状の透明電極を複数本
    並設した透明絶縁材よりなる前面基板とを、各基板の電
    極が所定の間隙を隔てて交差するように対向配置すると
    共に、両基板の周縁を気密封止して外囲器となし、さら
    に、該外囲器と連通するゲッター材収納部を上記外囲器
    に封着した後、無機物にアジ化バリウム溶液を含浸せし
    めて構成したゲッター材を上記ゲッター材収納部内に封
    入し、その後、上記外囲器を加熱すると共に真空排気し
    た後、放電ガスを外囲器内に封入したことを特徴とする
    ガス放電表示パネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 一面に帯状の電極を複数本並設した絶縁
    材よりなる背面基板と、一面に帯状の透明電極を複数本
    並設した透明絶縁材よりなる前面基板とを、各基板の電
    極が所定の間隙を隔てて交差するように対向配置すると
    共に、両基板の周縁を気密封止して外囲器となし、さら
    に、該外囲器と連通し、その内部に無機物を収納して成
    るゲッター材収納部を上記外囲器に封着した後、上記ゲ
    ッター材収納部内にアジ化バリウム溶液を注入し、上記
    無機物にアジ化バリウム溶液を含浸せしめてゲッター材
    を構成し、その後、上記外囲器を加熱すると共に真空排
    気した後、放電ガスを外囲器内に封入したことを特徴と
    するガス放電表示パネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記無機物が、活性アルミナ又はガラス
    ウールであることを特徴とする請求項3又は4に記載の
    ガス放電表示パネルの製造方法。
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