JPH10333177A - アクティブマトリクス型液晶表示装置 - Google Patents

アクティブマトリクス型液晶表示装置

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JPH10333177A
JPH10333177A JP16065297A JP16065297A JPH10333177A JP H10333177 A JPH10333177 A JP H10333177A JP 16065297 A JP16065297 A JP 16065297A JP 16065297 A JP16065297 A JP 16065297A JP H10333177 A JPH10333177 A JP H10333177A
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JP
Japan
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liquid crystal
film
display device
data signal
crystal display
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Application number
JP16065297A
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English (en)
Inventor
Katsunori Nakajima
勝範 中島
Kenichi Kizawa
賢一 鬼沢
Kenichi Chiyabara
健一 茶原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配線の比抵抗および膜応力を小さくすること。 【解決手段】TFT素子と透明画素電極16の周囲に配
線されたゲート配線12およびドレイン配線14を、
(200)面に配向し大きな結晶粒径のCr膜で構成す
るとともに、そのCr膜中にNe原子を含むようにし、
しかもそのCr膜の比抵抗が22μΩcm以下で且つ膜応
力の絶対値が200MPa以下の膜で形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリ
クス型液晶表示装置に係り、特に、薄膜トランジスタ
(TFT)によって液晶を駆動するに好適なアクティブ
マトリクス型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリクス型液晶表示装置と
して、表示品質の高いTFT駆動方式のものが多く採用
されている。この種の液晶表示装置に対する最大の要求
は、低価格化であり、低価格化を実現するためには、ア
モルファスシリコンを適用したTFT−LCD(Liquid
Crystal Display)の製造プロセスコストの低減,製造
工程数の削減,スループットおよび歩留まりの向上を図
ることが必須である。このため、近年、液晶表示装置の
製造ラインでは、スループットの向上を図ることを目的
に、ガラス基板として、10.4 インチパネルが4面と
れるサイズ470mm×370mmのものや、12.1 イン
チパネルが6面とれるサイズ650mm×550mmのもの
が用いられている。この場合、液晶表示装置の軽量化の
ため、従来、ガラス基板としては、その厚さ1.1mm の
ものが用いられていたが、サイズが大きくなっても0.
7mm かそれ以下のものが用いられている。このよう
に、サイズの大きくなったガラス基板を用いた製造プロ
セスにおいては、ガラス基板を搬送する際に、ガラス基
板自体に反りが生じることがある。このガラス基板自体
の反りは、配線膜を初めとした薄膜の応力によるものが
一つの要因となっている。
【0003】また液晶表示装置においては、低価格化だ
けでなく、ディスプレイの高精細化,大画面化が進んで
いる。この場合、配線長の増大および配線幅の低減に伴
って配線抵抗が増大するとともに、配線交差部,配線に
接続されるトランジスタの数の増大に伴って配線容量も
増大する。配線抵抗と配線容量が増大した状態でディス
プレイを構成すると、配線抵抗と配線容量との積で定ま
る時定数が増大し、駆動パルスの波形なまりに起因して
画質が低下する。このため、TFT−LCD用配線には
低抵抗の金属材料が要求される。
【0004】そこで、TFT−LCD用金属配線材料と
して、例えば、特開平6−317814 号公報に記載されてい
るように、20μΩcm程度と低抵抗のMo−W系合金を
用いたものが提案されている。この合金を配線材料に用
いると、ドライエッチング法によって配線端部にテーパ
部が形成され、配線端部にボイド等の突起が形成され
ず、配線上に他の膜を形成するときのカバーレージ性が
向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術で
は、配線材料としてMo−W系合金薄膜を用いているた
め、この合金薄膜を形成するスパッタ法に用いるターゲ
ットの材料費が著しく高価であること、ドライエッチン
グ工程のスループットが低いこと、ドライエッチング装
置が高価であること等の問題点があり、液晶表示装置の
低価格化が困難である。
【0006】なお、AlまたはAl合金は低抵抗で、し
かも安価でスループットの高いウエットエッチング法で
加工できるので、配線材に用いることも考えられるが、
AlまたはAl合金を配線材として用いると、製造プロ
セス中に加わる熱によってヒロック(突起)が発生し、
配線間で短絡が発生することがある。このためAlまた
はAl合金を配線材と用いるには膜を陽極酸化するかあ
るいは他の高融点金属と積層する等の対策が必要であ
り、工程数の増加に伴ってプロセスコストが増加する。
【0007】一方、Crはウエットエッチングで加工可
能で、ヒロックが発生しない等の特長があり、しかも他
の膜との密着性,電気的コンタクト特性にも優れる等の
特徴があるところから、例えば、特開平5−188397 号公
報に記載されているように、配線材として用いられてい
る。しかし、Crは比抵抗が高いため、通常のスパッタ
条件の範囲ではどのようにしても膜応力が極めて高いと
いう問題点がある。このため、比抵抗を低くするために
膜厚を大きくすると、膜厚の増加に伴って基板の反りも
大きくなり、基板搬送時に基板に欠陥が発生したり、基
板に傷があるときには基板が割れたりする。このためC
rを単に配線材に用いたのでは、液晶表示装置の高精細
化,大画面化は困難である。なお、特開平6−67214号公
報に記載されているように、スパッタ時に不活性ガスの
Neを用いることも考えられるが、Neを単に用いて
も、比抵抗を小さくしたり、膜応力を小さくしたりする
ことは困難である。
【0008】本発明の目的は、信号伝送路を構成する要
素の比抵抗および膜応力を小さくすることができるアク
ティブマトリクス型液晶表示装置およびこの装置の製造
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、複数の画素を構成する液晶を含む液晶層
と、液晶層を間にして相対向して配置されて少なくとも
一方が透明な一対の絶縁基板と、一対の絶縁基板の一方
の絶縁基板に分散して配置された複数の走査線と、複数
の走査線とマトリクス状に交差するように配置された複
数のデータ信号線とを備えているとともに、複数の走査
線と複数のデータ信号線とにより囲まれた複数の表示領
域に、液晶駆動電圧が印加される補助電極と、走査線と
データ信号線に接続された画素駆動用半導体能動素子と
を備えているアクティブマトリクス型液晶表示装置にお
いて、前記画素駆動用半導体能動素子の駆動に関連する
電気信号を伝送するための信号伝送路を構成する要素が
Cr膜であって、膜厚が200nmから400nmの範
囲で、膜面に垂直方向から見た平均結晶粒径の膜厚に対
する比率が0.18 以上であること、及び膜の(11
0)面に対する(200)面のX線回折強度比が2以上
であることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表
示装置を構成したものである。
【0010】前記液晶表示装置を構成するに際しては、
信号伝送路を構成する要素として、走査線とデータ信号
線のうち少なくとも一方の線にも適用することができ
る。
【0011】前記液晶表示装置を構成するに際しては、
信号伝送路を構成する要素、または走査線とデータ信号
線のうち少なくとも一方の線がCr膜中にNe原子を含
む金属膜で構成され、この金属膜の比抵抗が22μΩcm
以下であり、且つ金属膜の膜応力の絶対膜が200MP
a以下であるようにしても良い。
【0012】さらに前記各液晶表示装置を構成するに際
しては、以下の要素を付加することができる。
【0013】(1)金属膜の端部には60゜以下のテー
パ部が形成されている。
【0014】(2)金属膜の膜厚は250nm以上であ
ること。
【0015】また、本発明は、複数の画素を構成する液
晶を含む液晶層と、液晶層を間にして相対向して配置さ
れて少なくとも一方が透明な一対の絶縁基板と、一対の
絶縁基板の一方の絶縁基板に分散して配置された複数の
走査線と、複数の走査線とマトリクス状に交差するよう
に配置された複数のデータ信号線とを備えているととも
に、複数の走査線と複数のデータ信号線とにより囲まれ
た複数の表示領域に、液晶駆動電圧が印加される補助電
極と、走査線とデータ信号線に接続された画素駆動用半
導体能動素子とを備えているアクティブマトリクス型液
晶表示装置の製造方法において、前記走査線とデータ信
号線のうち少なくとも一方の線の主材料にCrを用い、
このCrをカソードターゲットとして、不活性ガスのN
eあるいはArとNeとの混合ガスを含むスパッタガス
中に挿入し、直流マグネトロンスパッタ法により、膜厚
が200nmから400nmの範囲で、膜面に垂直方向
から見た平均結晶粒径の膜厚に対する比率が0.18 以
上であること、及び膜の(110)面に対する(20
0)面のX線回折強度比が2以上であるものを形成する
ことを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置
の製造方法を採用したものである。
【0016】本発明はさらに、複数の画素を構成する液
晶を含む液晶層と、液晶層を間にして相対向して配置さ
れて少なくとも一方が透明な一対の絶縁基板と、一対の
絶縁基板の一方の絶縁基板に分散して配置された複数の
走査線と、複数の走査線とマトリクス状に交差するよう
に配置された複数のデータ信号線とを備えているととも
に、複数の走査線と複数のデータ信号線とにより囲まれ
た複数の表示領域に、液晶駆動電圧が印加される補助電
極と、走査線とデータ信号線に接続された画素駆動用半
導体能動素子とを備えているアクティブマトリクス型液
晶表示装置の製造方法において、前記画素駆動用半導体
能動素子の駆動に関連する電気信号を伝送するための信
号伝送路を構成する要素の主材料にCrを用い、このC
rをカソードターゲットとして、不活性ガスのNeある
いはArとNeとの混合ガスを含むスパッタガス中に挿
入し、直流マグネトロンスパッタ法により、Cr膜中に
Ne原子を含む金属膜として、この金属膜の比抵抗が2
2μΩcm以下で且つ金属膜の膜応力の絶対値が200M
Pa以下のものを形成することを特徴とするアクティブ
マトリクス型液晶表示装置の製造方法を採用することに
よっても達成できる。
【0017】前記各製造方法を採用するに際しては、以
下の条件を付加することができる。到達真空度を1×
1.0-4Pa以下に、スパッタガスのガス圧を0.4〜
1.0Paに、パワー密度を10W/cm2 以上にそれぞ
れ設定して金属膜を堆積すること。
【0018】前記した手段によれば、信号伝送路,走査
線,データ線の要素を、Cr膜中にNe原子を含む金属
膜として形成するときに、スパッタガスの圧力を最適に
調整することで、金属膜の比抵抗が22μΩcm以下で且
つ金属膜の膜応力の絶対値が200MPa以下のものを
形成するようにしたため、信号伝送路,走査線またはデ
ータ信号線の要素として比抵抗および膜応力が小さいも
のを形成することができる。これにより、基板の反りを
最小限にできるとともに基板製造の歩留まりを向上させ
ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0020】図1はアクティブマトリクス型液晶表示装
置に搭載されたTFT基板の中の1画素の構成を示す平
面模式図であり、図2は図1のII−II線沿う断面図であ
る。図1および図2において、ガラス基板10上には複
数のゲート配線12とドレイン配線14とが絶縁部材を
介してマトリクス状に配列されている。これらの配線
は、パーソナルコンピュータに用いられるVGA(Vide
o Graphics Array)と呼ばれるタイプのディスプレイで
は、480本のゲート配線12が縦方向に配列され、横
方向には640×3(赤,緑,青)本のドレイン配線1
4が配列される。ゲート配線12とドレイン配線14と
で囲まれた表示領域には透明画素電極16が形成されて
いる。また表示領域にはTFT素子(画素駆動用半導体
能動素子)が透明画素電極16と隣接してガラス基板1
0上に形成されている。TFT素子は、ゲート電極1
8,ドレイン電極20,ソース電極22,半導体層24
等を備えており、ゲート電極18がガラス基板10上に
積層されている。ゲート電極18上にはゲート絶縁膜2
6が積層されており、ゲート絶縁膜26上に半導体層2
4,n+ ・a−Si膜28が積層されている。半導体層
24を間にしてドレイン電極20とソース電極22が形
成されている。そしてこれらTFT素子上には保護膜3
0が形成されている。保護膜30上には配向膜32が形
成されている。この配向膜32に相対向して配向膜34
が形成されており、配向膜32と34との間には液晶層
36が挿入されている。配向膜34上には液晶駆動電圧
が印加される対向電極(補助電極)としての透明電極I
TO層38が形成され、ITO層38上には保護膜40
を介してカラーフィルタが形成されている。カラーフィ
ルタは青色42,緑色44,赤色(図示省略)の要素を
備えており、カラーフィルタには遮光用のブラックマト
リクス46が接合されている。このブラックマトリクス
46上にはガラス基板48が積層されている。そして基
板10,48の外側には偏向板50,52が接合されて
いる。ブラックマトリクス46としては、黒色樹脂によ
るもの,金属Crによるもの,金属Crと酸化Crの積
層膜によるものの3種類があるが、いずれもホトリソグ
ラフィによって作成される。またカラーフィルタは、形
成手段によって染色法,顔料分散法,印刷法,電着法の
4種類に分類される。
【0021】LCDパネルを作成するに際しては、ガラ
ス基板10側に配向膜32まで積層し、ガラス基板48
側には配向膜34まで積層し、両者の基板を張り合わせ
る前に、両基板間の距離(セルギャップ)を一定にする
ために、スペーサを基板表面均一に塗布する。その後、
両基板10,48をアライメントして張り合わせる。こ
のとき、周囲をエポキシ系熱硬化型樹脂を用いて接着す
る。次に、基板10,48を切断した後、配向膜32,
34間のセル内に液晶を注入する。この後注入口はエポ
キシ系樹脂でシールされる。続いて、基板10,48の
周囲のゲート配線12,ドレイン配線14,共通電極,
駆動回路とを異方性導電膜等を用いて接続し、セル表面
に偏向板50,52を取付ける。この後、TFT基板の
裏面側にバックライトユニットを設置することによって
液晶表示装置が完成する。
【0022】ここで、本発明は、TFT素子(画素駆動
用半導体能動素子)の駆動に関連する電気信号を伝送す
るための信号伝送路を構成する要素として、例えば、ゲ
ート配線(走査線)12,ドレイン配線(データ信号
線)14をCr膜中にNe原子を含む金属膜で形成した
ことを特徴としており、この特徴点を抽出するための各
種の検討結果について以下に述べる。
【0023】まず、Cr膜の比抵抗に及ぼすスパッタ条
件の影響について説明する。
【0024】膜堆積方法を用いるに際して、簡便で再現
性がよく、高いスループットも期待できる直流マグネト
ロンスパッタ装置を用いた。この装置においては、形成
しようとする材料(ターゲット:陰極)と基板10(陽
極)とを相対向させた空間を真空に排気した後、この空
間内に不活性ガスを導入し、材料と基板の両者に直流電
圧を印加してプラズマを発生させ、生成した陽イオンに
よるターゲットのスパッタリング現象を利用して基板に
膜を堆積する方法を採用している。マグネトロンはプラ
ズマの密度を高め、堆積速度を向上させるものであっ
て、ターゲットの背面に設置されている。そしてここで
は、図3に示すように、ガラス基板10として、550
mm×650mm,厚さ0.7mm のものを用い、基板10上
にCr膜を堆積した。さらに高いスループットでガラス
基板10の処理が可能なように、図4に示すような枚葉
スパッタ装置を用いた。
【0025】ガラス基板10はTFT工程後の液晶工程
(後述)において、図3の破線に沿って切断され、画面
54の対角が12.1 インチのサイズのパネルが6枚製
造される。そしてガラス基板10は、製造ラインにおい
て、自動搬送ロボット60によって移動されるカセット
62内に複数枚収納される。このカセット62はロボッ
ト60の搬送によって移載ステージ64に設置されたあ
と、移載ロボット66によって第1仕込/取出室68ま
たは第2仕込/取出室70に搬送される。これらの室内
は真空状態に排気され、その後、この室内のガラス基板
10は1枚ずつ加熱室72に移動される。ガラス基板1
0は加熱室72で所定の温度に加熱された後、第1成膜
室74に搬送される。第1成膜室74に搬送されたガラ
ス基板10にはスパッタリングによりCr膜が堆積され
る。このときスパッタリングの不活性ガスとして、従来
Arが用いられたが、本実施形態では、Neが用いられ
る。
【0026】スパッタリングが終了すると、ガラス基板
10は加熱後第2成膜室76に搬送され、スパッタリン
グによって膜が堆積される。このあと同様に第3成膜室
78でもスパッタリングによって膜が堆積される。この
間の移動は真空搬送ロボット80によって行われ、各成
膜室ごとに、ゲート配線12,ドレイン配線14,TF
T素子の電極等が成膜される。そして膜堆積後、基板1
0は第1仕込/取出室68または第2仕込/取出室70
に戻され、移載ロボット66によって移載ステージ64
に移動された後、自動搬送ロボット60によって他の工
程に移動される。
【0027】図4に示す枚葉スパッタ装置を用いると、
複数種類のターゲットに対応することができ、スループ
ットを高めることができるとともに、装置の占有面積を
小さくすることができるとともに、メンテナンスが容易
となる。さらにターゲットの背面に設置したマグネット
を移動する構造であるため、従来のインライン型スパッ
タ装置に比べて高いパワー密度を装置内に投入すること
ができる。
【0028】次に、スパッタリングによって堆積された
金属膜の膜応力と比抵抗を測定したところ、図5および
図6に示すような測定結果が得られた。この測定では、
電気抵抗(シート抵抗)を4端針式抵抗測定法によって
求め、膜をエッチングして形成した段差部の高さを測定
して得た膜厚によって比抵抗を換算した。また、5イン
チのシリコンウエハ(厚さ0.55mm)を基板に用い、そ
の基板に膜が堆積された前後の反り量の差δを求め、こ
の値と膜応力σとの関係を表わす次式を用いて膜応力を
計算した。
【0029】 δ=3(1−γ)/L2dσ/E・b2 …(1) ここで、E:ヤング率、γ:基板のポアソン比、L:基
板の長さ、b:基板の厚さ、d:膜厚である。
【0030】スパッタリングの不活性ガスにArを用い
た場合、Crの比抵抗を22μΩcm程度以下にはできる
が、膜堆積条件をどのようにしても、膜には、最低でも
700〜800MPaの引っ張り応力が発生し、それによ
ってガラス基板が反り、ハンドリングに支障をきたすこ
とが分かった。最悪の場合、基板が割れ、歩留まりの低
下と稼働停止を引き起こす。また反り量が大きい基板で
は、スパッタリング工程後の露光,現像工程でもパター
ン精度が悪化する等の問題点が発生した。さらに膜の乗
り越えの多いソース/ドレインでは、応力が高いため、
パターンニング後に断線不良が多発した。なお、図5に
示すように、スパッタガス圧の低下に伴い、膜応力は低
下するが、プラズマが発生する限界の0.2Pa までス
パッタガス圧は約700MPaと高いことが分かる。な
お、圧力を0.2Pa より低くすれば応力を700MP
a以下にできると期待されるが、実際は存在するガス分
子の密度が低すぎるためプラズマが発生しないのであ
る。
【0031】一方、スパッタガスにNeを用いたときの
検討結果として、膜特性に及ぼす大きなスパッタガス圧
をパラメータとした場合の結果を図5および図6に示し
た。なお、この際真空系およびマスフローコントローラ
はNeに感度が校正されたものを用いた。これらの結果
は、基板温度200℃(スパッタリング開始直前の実測
値)、到達真空度1×10-4Pa以下,パワー密度10
W/cm2 で膜厚200mmに堆積したデータである。
【0032】図6から、Cr膜の比抵抗は圧力を下げる
ことで、徐々に下がる傾向にあることが分かる。なお、
この実施範囲では、比抵抗の絶対値は全て約20μΩcm
以下と小さいが、この理由は、枚葉スパッタ装置を用い
てパワー密度を高くしたことおよび到達真空度を低く制
御したことによる。
【0033】一方、図5から、膜応力は圧力を下げると
低下することが分かる。その際、圧力が1.0Pa 以下
になると、スパッタガス圧力は200MPa以下であ
り、0.5Pa にすると、応力はほとんど0に近づく。
また圧力に対する膜応力の変化が小さく、プロセスにお
ける制御性が高いこと、すなわち圧力が多少ずれても得
られる特性の変化が少ないことも分かる。なお、図6に
は示されていないが、圧力0.5Pa において、基板温
度を調整すると、膜応力はあまり変化しないが、比抵抗
は低下すること、パワー密度を低下すると比抵抗および
膜応力ともに上昇することが判明した。またパワー密度
を10W/cm2 以上に制御すれば、ほぼ検討した全範囲
で後述する膜応力を、要求される200MPa以下にす
ることができる。また到達真空度を上げると、応力はほ
とんど変化しないが、比抵抗が増加するので、真空到達
度は1×10-4Pa以下とすることが必要である。な
お、図には示されていないが、ArとNeとの混合ガス
を用いて、Neガスの濃度を上げると、同様に応力を下
げることができる。
【0034】ここで、ガス圧力およびガス種を変えるこ
とにより、Crの膜応力が変化する理由は次のように考
えられる。スパッタガス圧力を下げることによって平均
自由工程が長くなり、スパッタ粒子(Cr)とスパッタ
ガス(ArまたはNe)との衝突回数が減少するため、
基板に入射するスパッタ粒子のエネルギが増大する。ま
た、スパッタガスをArから軽元素であるNeガスにす
ることによって、スパッタ粒子(Cr)とスパッタガス
(Ne)との衝突時のエネルギ損失が減少し、その結
果、基板に到達するCr粒子のエネルギが増大する。C
r膜は本質的に大きな引っ張り応力を有しているもので
あるが、基板に到達するCr粒子のエネルギが増大する
と、打ち込み効果により結晶格子が拡大するように作用
する。すなわち圧縮応力が加わるように働き、引っ張り
応力が緩和されたものと考えられる。なお、この際、ス
パッタガスであるNe原子がCr膜の堆積時に粒界中に
取り込まれる。またこのことは、軽元素で不活性のHe
にも効果があるが、Heは軽すぎるため、スパッタレー
トが極端に遅いという問題点がある。
【0035】次に、Neガスを用いてスパッタした膜の
構造上の特徴を調べた結果を示しておく。比較のために
Arを用いて作製した膜も調べた。Ar及びNeとも応
力が最も低下する条件でスパッタした。膜厚200,4
00,600nmの3種類について調べた。得られたC
r膜の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結
果を図8に示す。観察条件は、加速電圧5kV,倍率5
万倍とした。この図から、どの膜厚においてArの場合
に比べてNeの方が、結晶粒径が大きいことがわかる。
定量的に比較するため、図8の写真から平均の結晶粒径
を求め図9に示した。この図から、結晶粒径はArに比
べてNeの方が明らかに大きいこと、及び膜厚の増大に
伴って結晶粒径は増大することがわかる。括弧内に、結
晶粒径の膜厚に対する比率を示す。その値はArに比べ
てNeの方が大きく、TFT−LCDで一般に用いられ
る膜厚範囲である200〜400nmの範囲ではArの
場合最大でも0.17であるのに、Neの場合0.18以
上であることがわかる。また、膜厚200nmの両者の
膜をX線回折で評価した。すなわち、Arスパッタによ
る応力が約800MPaのCr膜、及びNeスパッタに
よる応力が約100MPaのCr膜の二つである。測定
したX線回折パターン及びJCPDSの標準粉末パター
ンを図10に示す。この図から、Neスパッタによる低
応力Cr膜では(200)回折線が(110)に比べて
非常に強いことがわかる。標準粉末パターンでは(11
0)に対する(200)の回折強度化が0.16である
のに対し、Neによる膜ではその比は約10と大きい。
Arの場合には約1.5である。スパッタ条件を広範囲
で検討した結果、ある程度この比率を変えることができ
るが、Arを用いた場合には約1.5 以上にすることは
困難であった。(200)面の回折強度が強いことは、
膜が(200)配向を示していること、すなわち体心立
方構造であるCrの(200)方位が膜面に垂直方向を
向いている結晶粒の存在比率が高いことを示している。
また、(200)配向をとることによって、膜の応力を
緩和しているものと推定される。換言すれば、(20
0)配向を示し、X線回折によって求められる(11
0)に対する(200)の回折強度比が高いことは、膜
の応力が低いことを表わしているといえる。検討の結
果、(110)に対する(200)の回折強度比は2.
0 以上であることが低応力(<500MPa)の条件
であると判断された。
【0036】さらに、X線回折法で膜を詳細に評価した
結果、膜応力が低いものは高いものに比べ(膜に垂直方
向の)格子定数が伸長していることが判明した。前記2
者については、Neによる膜の方が、Arによる膜に比
べ0.003 オングストローム長い結果であった。
【0037】Cr膜をNeガスを用いてスパッタした場
合、膜中にNeが含有されていることは、組成分析の1
種である分析法を用いれば容易に明らかにできる。
【0038】例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS:The
rmal Desorption Spectroscopy)を用いれば、試料を高
真空中で昇温加熱(この場合には900℃まで、最高は
1000℃)することによって放出される脱離ガスの質量を
分析することができる。X線マイクロアナライザ(XM
A:X-ray Microprobe Analyzer)を用いた場合には、
試料に高エネルギの電子を衝突させ、固体を構成する元
素に特有なエネルギのオージェ電子と特性X線が放送さ
れたときに、特性X線の波長とその強度を測定し、この
測定結果からその元素を分析することができる。また2
次イオン質量分析計(SIMS:Secondary Ion Mass Sp
ectrometer)を用いた場合には、試料にイオンビームを
照射し、イオンビームの照射に伴って放出される2次イ
オンの質量を分析することができる。これらの分析の方
法を用いて組成を分析したところ、Arスパッタでは、
Cr膜中のAr量は成膜厚力が2Paで0.02 原子%
であり、成膜厚力を0.2Pにすると0.03原子%にな
る結果が得られた。
【0039】一方、Neスパッタでは、成膜厚力が1P
aおよび0.5Pa の場合に、Ne量はそれぞれ0.2
原子%および0.8原子%の結果が得られた。これは、
Cr膜中にある量のNe原子を含むと前述の膜応力にな
ることを示している。
【0040】次に、基板の反りと膜抵抗の関係について
説明する。
【0041】前述したように、ディスプレイの大画面
化,高精細化に伴って生じる信号遅延を抑制するために
は、配線の低抵抗化が必要になる。そこで、画面サイ
ズ:14インチ,画素数:1024×768までのTF
T−LCDを実現するのに必要なゲート配線抵抗をシミ
ュレーションによって求めた結果、配線のシート抵抗は
0.7Ω/□以下である必要があることが判明した。
【0042】ここで、最大14インチサイズを考慮した
理由は、650mm×550mmサイズの基板からは12イ
ンチパネルが6面取れるとともに、14インチパネルが
4面取れることおよび14インチパネルがCRTモニタ
の画面サイズ約17インチに相当するもので、需要が大
きいからである。換言すれば、同一の製造ラインにおい
ては、同一の基板サイズから複数のパネルを製造する必
要があるが、全てのサイズを同じ材料,プロセスで製造
できることが効率の点から最も好ましく、その場合、最
大サイズとして、画面サイズ14インチ(画素数:10
24×768)を考えておけば十分だからである。
【0043】次に、配線膜の比抵抗を変化した場合に、
シート抵抗を0.7Ω/□ とできる膜厚d=0.7 との
関係を図7に示す。図7から、比抵抗が低減すれば、シ
ート抵抗を0.7Ω/□ とできる膜厚は薄くなることが
分かる。スパッタガスにArを用いたときに、Cr膜の
比抵抗は30μΩcm以上と高かったため、0.7Ω/□
とするには、400mm以上の膜厚となり、膜堆積と膜の
エッチングに時間を必要とし、スループットが低下する
とともに、膜応力に起因して基板の反りが増大する等の
問題が生じ、到底実現できなかった。
【0044】また、膜応力が一定な場合には、膜厚の増
大に伴って基板の反り量が増大するという問題点があ
る。実際には、膜厚が150nm以上では膜応力はほぼ
一定である。なお、膜厚,膜応力および基板の反り量の
間の関係は前述した(1)式から定量化できる。そして
実測によれば、搬送および露光,現像工程におけるトラ
ブルが増加し始める基板の反り量は約2mmであることが
分かった。このことから、基板の反り量を2mm以下の抑
える応力値でなくてはならないといえる。
【0045】図7からは、例えば、比抵抗22μΩcmの
場合を考えると、シート抵抗0.7Ω/□を与える膜厚
は314nmである。この場合、(1)式から膜応力を
約400MPa以下に抑えないと、370mm×470mm
×0.7mmサイズ(長尺の)基板の反りが2mm以上とな
る。また550mm×650mm×0.7mm サイズの場合に
は、(1)式から、膜応力を200MPa以下にする必
要がある。逆に、膜応力が300MPa程度に上昇して
も、550mm×650mm×0.7mm サイズの場合には反
り量を2mm以下にできる膜厚は250nmである。な
お、基板の板厚は、厚くなれば膜応力値が一定では板厚
に逆比例して反り量は小さくなる。実際、実験した範囲
では、基板の厚さが1.0mm 以上になると、基板の反り
によるトラブルは激減した。
【0046】以上のことを考慮すると、膜堆積,膜のエ
ッチングの各工程のスループットから、必要とされるC
r膜の膜厚は約300nmである。したがって、図7か
ら、比抵抗は22μΩ程度以下である必要がある。さら
に、基板温度を上げたり、到達真空度を低圧力にする等
の方法によって低抵抗化が可能であるが、いずれの方法
もスループットは低下する方向なので、現実の製造プロ
セスでは約18μΩcmが下限と考えられる。なお、Ne
スパッタしたCr膜のエッチング速度はArスパッタし
たCr膜とほぼ同等であることを確認した。すなわち、
膜のエッチング工程においてはスループットの低下は生
じなかった。
【0047】次に、上述した結果に基づいてTFT基板
を作成した結果について説明する。まず、直流マグネト
ロンスパッタ法により、よく洗浄したガラス基板を20
0℃に加熱してガラス基板上にCrを堆積する。この堆
積条件は前述した範囲内とする。また膜厚は250nm
とし、そのシート抵抗は0.8Ω/□ である。Cr膜を
ホトエッチングによってゲート配線12に加工した。こ
の際、エッチングは、エッチャントとして、硝酸第2セ
リウムアンモニウムと過塩素酸とを添加した水溶液に硝
酸を添加したものを用いた。テーパ角は硝酸第2セリウ
ムアンモニウム濃度と硝酸添加量で制御できる。この場
合、Crゲート電極端部のテーパ角は45゜であった。
このようなテーパ角度にすることにより、基板上に積層
する膜のカバレージ性を良好にできる。なお、予備検討
により、ゲート電極のテーパ角とこの上に形成する絶縁
膜(SiN)のカバレージ性について調べた。具体的に
は、テーパ角を10〜80゜の範囲で調整し、それぞれ
この上に、後述する方法でSiN膜,引き続きCr膜を
形成し、MIM素子を作成してSiN膜の絶縁耐圧を求
めた。この結果、テーパ角が60゜を越えると、絶縁耐
圧が低い素子が増加する傾向にある。またゲート配線1
2は、他にもドライエッチング法によって、Cl2 とO
2 との混合ガスでエッチングし、テーパ角はCl2 とO
2 との流量比で制御できる。
【0048】次に、ゲート配線12で加工した基板をR
FプラズマCVD装置に設置し、ゲート絶縁膜26のS
iNを形成した。基板温度は280℃として、SiH4
で、NH3 およびN2 の混合ガスを原料ガスとして用
い、300nmの膜厚に作成した。次いで、RFプラズ
マCVD装置内の別のチャンバで半導体層のa−Siを
形成した。このとき基板温度は250℃とし、モノシラ
ンSiH4 を原料ガスに用いて作成した。膜厚は220
nmとした。引き続いて別チャンバに移し、この上にリ
ン(P)をドープしたn+ ・a−Si層28を形成した。
基板温度は230℃とし、SiH4 ,PH3 およびH2
の混合ガスを用い、50nmの膜厚に作成した。
【0049】次に、ドライエッチング法によって、n+
・a−Si層28と半導体層24のa−SiをTFT形
状にパターニングした。続いてゲート絶縁膜26を同様
にドライエッチング法によって加工し、画素電極16と
ゲート電極18の端子取り出し部のためのスルーホール
を形成した。この上にゲート電極18と同一の材料,装
置および条件において、Cr膜を堆積した。このCr膜
を同様にホトエッチングによってドレイン配線14を加
工した。引き続き、ドライエッチング法によって、n+
・a−Si層28を除去し、TFTのチャネルを形成し
た。なお、実際には、ドライエッチング法では、加工裕
度を考慮して、n+ ・a−Si層28を50mmのみでな
く、半導体層24も約100nmオーバーエッチングさ
れる。次に、直流マグネトロンスパッタリング法を用
い、基板温度200℃で、透明電極陽ITO膜を堆積
後、ホトエッチングによって画素電極16をパターニン
グした。なお、図1は示されていないが、このパターニ
ングにおいては、同時にパネル周囲のゲート電極18,
ソース電極22,ドレイン電極20もITO膜で被覆し
ている。これは、パネル駆動回路(外部駆動回路)との
接続の信頼性を確保するためである。そしてこの上に、
保護膜30のSiN膜をRFプラズマCD法によって形
成した。また基板温度は250℃として、SiH4 ,N
3 およびH2 の混合ガスを原料ガスとして用い、30
0nmの膜厚に作成した。その後、ドライエッチング法
によって、パネル周囲の保護性絶縁膜SiNを除去し、
電極端子を露出させるとともに、画素電極部にスルーホ
ールを形成した。
【0050】以上までの工程において、Neをスパッタ
ガスとして用い、Cr膜を作成した場合、基板割れ,膜
はがれを始めとした製造プロセス上の不具合は全く発生
しなかった。そして作成したTFT基板から一部を液晶
工程に投入し、LCDパネルを完成させた。そして表示
結果を調べたところ、画素欠陥は全く発生しないことを
確認した。このことは、ゲート配線12,ドレイン配線
14の断線不良,配線と透明電極ITO膜とのコンタク
トも良好であることを示している。これに対し、スパッ
タガスにArを用いた従来方法では、ゲート配線膜堆積
工程ですでに搬送トラブルが発生したため、基板割れに
つながることを予想して後の工程を中止した。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
信号伝送路,走査線またはデータ信号線をCr膜で形成
し、その膜面に垂直方向から見た平均結晶粒径の膜厚に
対する比率が0.18 以上、及び膜の(110)面に対
する(200)面のX線回折強度比が2以上であるよう
にし、Cr膜中にはNe原子を含むように形成するとと
もに、この膜の比抵抗が22μΩcm以下で且つ膜応力の
絶対値が200MPa以下であるようにしたため、信号
を伝送する要素の抵抗および膜応力を小さくすることが
でき、歩留まりの向上および信頼性の向上に寄与するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す液晶表示装置の1画
素分の構成を示す平面模式図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】ガラス基板の構成図である。
【図4】枚葉スパッタ装置の構成を示す斜視図である。
【図5】スパッタガス圧力と応力との関係を示す特性図
である。
【図6】成膜圧力と比抵抗との関係を示す特性図であ
る。
【図7】比抵抗とシート抵抗を与える膜厚との関係を示
す特性図である。
【図8】Cr膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真
である。
【図9】膜厚と平均粒径との関係を示す特性図である。
【図10】Cr膜のX線回折パターンである。
【符号の説明】
10…ガラス基板、12…ゲート配線、14…ドレイン
配線、16…透明画素電極、18…ゲート電極、20…
ドレイン電極、22…ソース電極、36…液晶層。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の画素を構成する液晶を含む液晶層
    と、液晶層を間にして相対向して配置されて少なくとも
    一方が透明な一対の絶縁基板と、一対の絶縁基板の一方
    の絶縁基板に分散して配置された複数の走査線と、複数
    の走査線とマトリクス状に交差するように配置された複
    数のデータ信号線とを備えているとともに、 複数の走査線と複数のデータ信号線とにより囲まれた複
    数の表示領域に、 液晶駆動電圧が印加される補助電極と、走査線とデータ
    信号線に接続された画素駆動用半導体能動素子とを備え
    ているアクティブマトリクス型液晶表示装置において、 前記画素駆動用半導体能動素子の駆動に関連する電気信
    号を伝送するための信号伝送路を構成する要素がCr膜
    であって、膜厚が200nmから400nmの範囲で、
    膜面に垂直方向から見た平均結晶粒径の膜厚に対する比
    率が0.18 以上であること、及び膜の(110)面に
    対する(200)面のX線回折強度比が2以上であるこ
    とを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】複数の画素を構成する液晶を含む液晶層
    と、液晶層を間にして相対向して配置されて少なくとも
    一方が透明な一対の絶縁基板と、一対の絶縁基板の一方
    の絶縁基板に分散して配置された複数の走査線と、複数
    の走査線とマトリクス状に交差するように配置された複
    数のデータ信号線とを備えているとともに、 複数の走査線と複数のデータ信号線とにより囲まれた複
    数の表示領域に、 液晶駆動電圧が印加される補助電極と、走査線とデータ
    信号線に接続された画素駆動用半導体能動素子とを備え
    ているアクティブマトリクス型液晶表示装置において、 前記走査線とデータ信号線のうち少なくとも一方の線が
    Cr膜であって、膜厚が200nmから400nmの範
    囲で、膜面に垂直方向から見た平均結晶粒径の膜厚に対
    する比率が0.18 以上であること、及び膜の(11
    0)面に対する(200)面のX線回折強度比が2以上
    であることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表
    示装置。
  3. 【請求項3】複数の画素を構成する液晶を含む液晶層
    と、液晶層を間にして相対向して配置されて少なくとも
    一方が透明な一対の絶縁基板と、一対の絶縁基板の一方
    の絶縁基板に分散して配置された複数の走査線と、複数
    の走査線とマトリクス状に交差するように配置された複
    数のデータ信号線とを備えているとともに、 複数の走査線と複数のデータ信号線とにより囲まれた複
    数の表示領域に、 液晶駆動電圧が印加される補助電極と、走査線とデータ
    信号線に接続された画素駆動用半導体能動素子とを備え
    ているアクティブマトリクス型液晶表示装置において、 前記走査線とデータ信号線のうち少なくとも一方の線が
    Cr膜中にNe原子を含む金属膜で構成され、この金属
    膜の比抵抗が22μΩcm以下であり、且つ金属膜の膜応
    力の絶対値が200MPa以下であることを特徴とする
    アクティブマトリクス型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】金属膜の端部には60゜以下のテーパ部が
    形成されていることを特徴とする請求項1または2また
    は3記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  5. 【請求項5】金属膜の膜厚は250nm以上であること
    を特徴とする請求項1または2または3記載のアクティ
    ブマトリクス型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】複数の画素を構成する液晶を含む液晶層
    と、液晶層を間にして相対向して配置されて少なくとも
    一方が透明な一対の絶縁基板と、一対の絶縁基板の一方
    の絶縁基板に分散して配置された複数の走査線と、複数
    の走査線とマトリクス状に交差するように配置された複
    数のデータ信号線とを備えているとともに、 複数の走査線と複数のデータ信号線とにより囲まれた複
    数の表示領域に、 液晶駆動電圧が印加される補助電極と、走査線とデータ
    信号線に接続された画素駆動用半導体能動素子とを備え
    ているアクティブマトリクス型液晶表示装置の製造方法
    において、 前記走査線とデータ信号線のうち少なくとも一方の線の
    主材料にCrを用い、このCrをカソードターゲットと
    して、不活性ガスのNeあるいはArとNeとの混合ガ
    スを含むスパッタガス中に挿入し、直流マグネットロン
    スパッタ法により、膜厚が200nmから400nmの
    範囲で、膜面に垂直方向から見た平均結晶粒径の膜厚に
    対する比率が0.18 以上であること、及び膜の(11
    0)面に対する(200)面のX線回折強度比が2以上
    であるものを形成することを特徴とするアクティブマト
    リクス型液晶表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】複数の画素を構成する液晶を含む液晶層
    と、液晶層を間にして相対向して配置されて少なくとも
    一方が透明な一対の絶縁基板と、一対の絶縁基板の一方
    の絶縁基板に分散して配置された複数の走査線と、複数
    の走査線とマトリクス状に交差するように配置された複
    数のデータ信号線とを備えているとともに、 複数の走査線と複数のデータ信号線とにより囲まれた複
    数の表示領域に、 液晶駆動電圧が印加される補助電極と、走査線とデータ
    信号線に接続された画素駆動用半導体能動素子とを備え
    ているアクティブマトリクス型液晶表示装置の製造方法
    において、 前記走査線とデータ信号線のうち少なくとも一方の線の
    主材料にCrを用い、このCrをカソードターゲットと
    して、不活性ガスのNeあるいはArとNeとの混合ガ
    スを含むスパッタガス中に挿入し、直流マグネットロン
    スパッタ法により、Cr膜中にNe原子を含む金属膜と
    して、この金属膜の比抵抗が22μΩcm以下で且つ金属
    膜の膜応力の絶対膜が200MPa以下のものを形成す
    ることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装
    置の製造方法。
  8. 【請求項8】到達真空度を1×1.0-4Pa以下に、ス
    パッタガスのガス圧を0.4〜1.0Paに、パワー密度
    を10W/cm2 以上にそれぞれ設定して金属膜を堆積す
    ることを特徴とする請求項5または6記載のアクティブ
    マトリクス型液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6798476B2 (en) 2000-05-25 2004-09-28 Seiko Epson Corporation Liquid crystal device, method for making the same, and electronic apparatus

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US6798476B2 (en) 2000-05-25 2004-09-28 Seiko Epson Corporation Liquid crystal device, method for making the same, and electronic apparatus
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