JP2001154224A - アクティブマトリクス型液晶表示装置 - Google Patents

アクティブマトリクス型液晶表示装置

Info

Publication number
JP2001154224A
JP2001154224A JP2000291946A JP2000291946A JP2001154224A JP 2001154224 A JP2001154224 A JP 2001154224A JP 2000291946 A JP2000291946 A JP 2000291946A JP 2000291946 A JP2000291946 A JP 2000291946A JP 2001154224 A JP2001154224 A JP 2001154224A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
substrate
liquid crystal
display device
crystal display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000291946A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Kizawa
賢一 鬼沢
Tsutomu Sato
努 佐藤
Takashi Suzuki
隆 鈴木
Koichi Abu
恒一 阿武
Hideaki Yamamoto
英明 山本
Toshiteru Kaneko
寿輝 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2000291946A priority Critical patent/JP2001154224A/ja
Publication of JP2001154224A publication Critical patent/JP2001154224A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】スループットが大きく歩留まりが高いため低コ
スト化が可能なアクティブマトリクス型液晶表示装置を
提供する。 【解決手段】Mo,Nb,Ta及びWから選んだ少なく
とも一つの金属とCrとの合金を電極材料として用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜トランジスタ
(TFT)によって駆動されるアクティブマトリクス型
液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、性能価格比の高いTFT駆動のア
クティブマトリクス型液晶ディスプレイ(LCD)装置
に対する要求が高まっている。これの実現のためには、
アモルファスシリコン(a−Si)を適用したTFT−
LCDの製造プロセスコストの低減、すなわち製造工程
数の低減、スループットの向上及び歩留まりの向上等を
図ることが必要である。このような目的のため、例えば
特開昭62−32651 号公報では、絶縁基板上に形成され、
積層されたゲート電極,絶縁層及び半導体層から成る薄
膜トランジスタにおいて、前記絶縁層及び半導体層は同
一平面パターンを有することを特徴とするアクティブマ
トリクス型表示装置を提案している。このような構造と
することによって、通常5回必要なホトリソグラフィ工
程を4回に低減、すなわち製造工程の簡略化を図ると共
に、絶縁層へのダメージを防止して信頼性向上及び歩留
まり向上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術による素子構造は製造工程の簡略化には有効であ
ったものの、ゲート電極及びドレーン電極に用いる金属
薄膜材料に関する考慮が不十分であったため、スループ
ットが低くまた歩留まりも不安定である等の問題があ
り、大幅な価格低減が困難であった。
【0004】以上のような背景から本発明の目的は、ス
ループット及び歩留まりが高いTFT素子構造、特に、素
子を構成する電極材料とその構造を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の一実施態様によ
れば、一方の表面に複数のゲート配線及びゲート配線と
交差する複数のドレーン配線が形成され、複数のゲート
配線と複数のドレーン配線の各交差部の近傍にはトラン
ジスタが配設され、トランジスタのソース電極はその近
傍に設けられた画素電極に、ドレーン電極は複数のドレ
ーン配線の1つに、ゲート電極は複数のゲート配線の1
つにそれぞれ接続された第1の基板と、第1の基板と対
向して配置され、画素電極に対向した面に対向電極が形
成された第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間
に挾持された液晶とからなるアクティブマトリクス型液
晶表示装置において、複数のゲート配線及び複数のドレ
ーン配線の少なくともいずれかを、体心立方金属とCr
との合金によって構成するというものである。さらに、
この体心立方金属は、Nb,Ta及びWから選んだ少な
くとも一種の金属であるというものである。
【0006】本発明において、上述したような実施態様
を採用する理由を次に説明する。
【0007】アクティブマトリクス型液晶表示装置にお
けるゲート配線及びドレーン配線材料には、信号パル
スの波形歪を低減するため電気抵抗(比抵抗)が低いこ
と、及び特にドレーン配線はa−Si及び透明電極を
構成するITO(Indium TinOxide)との電気的接触が
良好なこと、がまず要求される。
【0008】次いで、製造プロセスへの適合性、が重
要である。この点について詳しく説明する。各配線材料
は、所望の形状の配線パターンに容易に加工可能である
ことは当然であるが、さらに次のような性質が要求され
る。すなわち、素子基板はプロセス中にエッチング液,
ホトレジスト現像液,ホトレジスト剥離液等様々な溶
液、あるいはエッチングガス等に曝される。配線材料に
は、これらの液やガスによって影響を受けないこと、換
言すれば化学的安定性が要求される。また、他の工程に
おける熱履歴で特性劣化を起こさない耐熱性も必要であ
る。
【0009】具体的には、比抵抗が低い材料であるAl
またはAlを主体とする合金の適用が考えられる。とこ
ろが、Alは耐熱性が不十分(ヒロックが発生)でかつ
a−Si半導体層と反応する等のために、他の金属、例
えばCr,Mo,Ta等とAlとを積層する等の構造が
考案され、実用化されている。しかしながら、このよう
な構造を用いることはプロセスの簡略化という本発明の
主目的に反する。
【0010】単層膜でかつ上記,及びの要求を満
たす材料の候補として、Cr,Mo,Ta,W等の高融
点金属が考えられる。検討の結果、これらの高融点金属
の中でMo及びWは化学的安定性が不十分であり、Ta
は比抵抗が比較的高いことから、Crが最適であること
が判明した。ただし、スパッタリング法で形成されたC
r膜では膜応力(引っ張り応力)が高く、膜堆積あるい
はそれに続くホトリソグラフィ等の工程において、その
膜自身が下地膜から剥がれる,下地膜を引き剥がす,下
地膜にクラックを発生させる等の問題を引き起こした。
また、比抵抗を一層低減させることが要求された。
【0011】本発明では、これらの点について検討した
結果、前述したようにMo,Nb,Ta、及びWから選
んだ少なくとも一種の金属とCrとの合金によって電極
を構成することが有効であることを見出した。
【0012】また、ゲート配線及びドレーン配線材料
は、プロセスの簡略化を始めとした、製造コストを低
減するための対策に適合していることが重要である。例
えば、基板を装置にセット後、膜作製あるいはエッチン
グを終了して装置から搬出するまでの時間が短く(スル
ープットが大)かつ工程間でその時間が一定である(物
流が滞らない)こと、膜作製・エッチング等の工程で使
用する材料が安価かつ材料品種が少ないこと等がある。
前述したように、これらの要求に対しては、ゲート配線
及びドレーン配線は単層膜で構成されていること、いず
れの配線も同一の金属材料で構成されていること、また
同一の膜厚に形成されていること、が有効である。しか
しながら、従来の電極材料は、膜応力が低い,電気抵抗
が低い,プロセス適合性が高い等の要求を同時に満足で
きなかったため、ゲート配線及びドレーン配線を同一膜
厚を有する同一材料の膜で構成することは困難であっ
た。これに対し、様々な実験的検討を進めた結果、本発
明の液晶表示装置は製造コストを低減するための上記対
策に適合していることを確認した。
【0013】さらに液晶表示装置では、素子に発生す
る欠陥を低減することが必要である。配線のパターン端
部に45°以下の角度のテーパが形成されていると、こ
の上に形成される画素電極のカバレージを良好に出来る
ため、点欠陥数を低減できる。このようなテーパは、エ
ッチング液を適当に選ぶ等エッチング方法を工夫するこ
とによって付与できる。本発明では、ゲート配線及びド
レーン配線はMo,Nb,Ta及びWから選んだ少なく
とも一種の金属とCrとの合金で構成されており、さら
にこれらをCrの濃度の高い合金層と低い合金層との積
層膜で構成することにより、容易に角度の小さなテーパ
を形成できることを見出した。これは、Crの濃度の高
い合金層と低い合金層とのエッチングレートの差を利用
するものである。例えば、Mo,Nb,Ta及びWから
選んだ少なくとも一種の金属の添加量の少ない(Crの
濃度の高い)合金層を下層に、Mo,Nb,Ta及びW
から選んだ少なくとも一種の金属の添加量の多い(Cr
の濃度の低い)合金層を上層に配置する構成とすること
により、容易にテーパ状の端面構造を実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例を
図面を用いて説明する。 〔実施例1〕作製したTFT基板表面のTFT素子の断
面図を図1に、またこのTFT基板の作製プロセスを図
2に示す。
【0015】よく洗浄したガラス基板1上にマグネトロ
ンスパッタリング法を用い基板温度160℃でCr−M
o膜を堆積した。ターゲットのMo組成は15.0% 、
膜厚は120nmとした。そのシート抵抗は1.6 Ω/
□であった。このCr−Mo膜2をホトエッチングによ
ってゲート電極2に加工した。この際、エッチング液と
して硝酸第二セリウムアンモニウム水溶液にHNO3
適量添加した溶液を用い40℃でエッチングした。HN
3 添加量を調節することによりテーパ角を制御でき
る。素子断面をSEM観察した結果、Cr−Moゲート
電極端部のテーパ角は約10°であった。このような角
度とすることによりこの上に積層する膜のカバレージを
良好にできる。
【0016】次に、作製した基板をRFプラズマCVD
装置に設置し、ゲート絶縁膜3を構成するSiN層を形
成した。基板温度を280℃とし、SiH4,NH3
びN2の混合ガスを原料ガスとして用い、300nmの
膜厚に作製した。次いで、同じRFプラズマCVD装置
内の別チャンバで半導体層のa−Si:H膜4を形成し
た。基板温度を250℃とし、モノシランSiH4 を原
料ガスに用いて作製した。膜厚は220nmとした。引
き続いて別チャンバに移し、この上にPを過剰にドープ
したn+・a−Si層5を形成した。基板温度を230
℃としSiH4,PH3及びH2の混合ガスを原料ガスと
して用い、50nmの膜厚に作製した。
【0017】次に、ドライエッチング法によってn+
a−Si 層5及び半導体層a−Si:H膜4をTFT
形状にパターニングした。続いて同様にゲート絶縁膜を
ドライエッチング法によって加工し、画素電極及びゲー
ト電極端子取り出し部のためのスルーホールを形成し
た。この上に、ゲート電極の形成に用いたものと同じ材
料及び装置によって、Cr−Mo膜を堆積した。マグネ
トロンスパッタリング法で、基板温度を160℃とし、
120nmの膜厚に堆積した。このCr−Mo膜をゲー
ト電極と同様ホトエッチングによってソース・ドレーン
電極6に加工した。引き続き、ドライエッチング法によ
ってn+・a−Si 層5を除去しTFTのチャネルを形
成した。なお、実際にはドライエッチング法では、加工
裕度を考慮してn+・a−Si 層50nmのみでなく
(図示せず)半導体層a−Si:H膜4も約100nm
オーバエッチされる。
【0018】次にマグネトロンスパッタリング法を用い
基板温度200℃で透明導電膜のITO膜を堆積後、ホ
トエッチングによって画素電極7をパターニングした。
なお、図示していないが、この工程では同時にパネル周
囲のゲート電極2及びソース・ドレーン電極6端部(パ
ネル外部への配線の引出し部分)も透明導電膜ITOで
被覆される。この理由は、パネルと外部の駆動回路との
接続の信頼性を確保するためである。この上に保護性絶
縁膜8を構成するSiN膜をRFプラズマCVD法によっ
て形成した。基板温度は250℃とし、SiH4,NH3
及びN2 の混合ガスを原料ガスとして用い、300nm
の膜厚に作製した。その後、ドライエッチング法によっ
てパネル周囲の保護性絶縁膜SiNを除去し、電極端子
を露出させると共に画素電極部分にスルーホールを形成
した。
【0019】以上述べた工程によってTFT基板が形成
されるが、工程の途中、基板割れ,膜剥がれ等の従来し
ばしば生じていた問題は全く発生しなかった。
【0020】作製したTFT基板と、一方の表面全面に
対向電極を形成した対向基板との間に液晶材料を封入
し、LCDパネルを完成させた。LCDパネルの点灯状
態を調べた結果、画素欠陥はほとんどないことを確認し
た。
【0021】CVDによるn+・a−Si/a−Si:
H/SiN積層膜の形成は1台の装置で連続的に堆積し
て行われるので工程数は1である。従って、本発明にお
けるTFT基板の製造プロセスは、従来通り5回の膜堆
積工程と6回のホトリソグラフィー工程から構成され
る。しかしながら、本プロセスは従来のプロセスと異な
り、ゲート電極及びソース・ドレーン電極にCr−Mo
材料を用いると共に、膜堆積及び加工を両電極について
全く同一の工程で行えることが特長である。このように
することにより、スループットを向上できると共に、設
備投資及びメンテナンス費も大幅に低減できるので、L
CD製品のコスト低減が可能となる。 〔実施例2〕作製したTFT基板表面のTFT素子の断
面図を図3に示す。
【0022】よく洗浄したガラス基板1上に〔実施例
1〕と同様にマグネトロンスパッタリング法を用い基板
温度160℃でCr−Mo膜を堆積した。ターゲットの
Mo組成は15.0% 、膜厚は120nmとした。この
Cr−Mo膜をホトエッチングによってソース・ドレー
ン電極6に加工した。加工方法も〔実施例1〕と全く同
様とした。
【0023】次に、作製した基板をRFプラズマCVD
装置に設置し、まずソース・ドレーン電極との電気的接
触をとるためPH3 プラズマ処理を加えた後、半導体層
のa−Si:H膜4を形成した。基板温度を250℃と
し、モノシランSiH4 を原料ガスに用いて作製した。
膜厚は18nmとした。このように膜厚を薄くする理由
は、パネルを完成させた時、半導体層を流れトランジス
タのオフ電流を増大させる原因となる光電流を抑制する
ためである。引き続いて同一チャンバ内でこの上にゲー
ト絶縁膜3のSiN層を形成した。基板温度は活性層と
同じ250℃としSiH4,NH3、及びN2 の混合ガス
を原料ガスとして用い、300nmの膜厚に作製した。
次いで、ゲート電極2のCr−Mo膜をソース・ドレー
ン電極と同一の方法、すなわちマグネトロンスパッタリ
ング法で、基板温度160℃,膜厚120nmとして作
製した。この後ゲート電極を加工したが、ソース・ドレ
ーン電極とやや異なる点は、Cr−Mo膜をオーバエッ
チングすることであり、具体的にはエッチング時間を長
めに設定すれば良い。引き続き(ホトレジスト剥離をし
ないで)、ドライエッチング法によって活性層及びゲー
ト絶縁膜をパターニングした。測定した結果、ゲート電
極Cr−Moの活性層及びゲート絶縁膜パターン幅に対
する(オーバエッチングによる)後退量は片側約1.5
μm であった。この後退量はゲート電極とソース・ド
レーン電極間のショートを防止するのに必要十分な距離
である。
【0024】この上に、マグネトロンスパッタリング法
を用い基板温度200℃で透明導電膜ITO膜を堆積
後、ホトエッチングによって画素電極7をパターニング
した。
【0025】なお、図には示していないが、このパター
ニングにおいては同時にパネル周囲のゲート電極2及び
ソース・ドレーン電極6端部も透明導電膜ITOで被覆
している。さらに、この上に保護性絶縁膜8のSiN膜
をRFプラズマCVD法によって形成した。基板温度は
250℃としSiH4,NH3、及びN2 の混合ガスを原
料ガスとして用い、300nmの膜厚に作製した。その
後、ドライエッチング法によってパネル周囲の保護性絶
縁膜SiNを除去し電極端子を露出させると共に画素電
極部分にスルーホールを形成した。
【0026】以上の工程において、基板割れ,膜剥がれ
等の従来しばしば生じていた問題は全く発生しなかっ
た。作製したTFT基板を液晶工程に投入し、LCDパ
ネルを完成させた。点灯状態を調べた結果、画素欠陥は
ほとんどないことを確認した。 〔実施例3〕前述した実施例では、15wt%の組成の
Moを添加したCr−Mo合金ターゲットを用いた。こ
の組成のターゲットを用いると、形成された膜の比抵抗
及び膜応力はともに純Crの場合に比べて低減するの
で、本発明の目的は達成できる。本実施例では、Crへ
添加するMo量の影響について広範囲に検討した。
【0027】スパッタリング法を用い合金組成の影響を
簡便に検討するため、純金属ターゲット上に添加金属の
チップ(小片)を置き、その面積率で組成を制御する方
法を採用した。具体的には、Crターゲット(4″φ)
の上に、5×5×1mmのMoチップを5〜30個を、あ
るいはMoターゲット(4″φ)の上に、5×5×1mm
のCrチップを5〜30個設置し、スパッタリングし
た。作製したCr−Mo合金薄膜の組成は、誘導結合プ
ラズマ分光法を用い精密に分析した。その結果、チップ
面積と組成はほぼ比例することがわかった。なお、この
場合のスパッタリング条件は、純Crターゲットを用
い、比抵抗及び膜応力が最小となると共にプラズマが安
定に維持できるよう、スパッタリング圧力(Arガス圧
力):1.4mTorr,パワー:500Wとした。また、
基板温度はスループット等の量産性を考慮して130℃
とした。膜厚はほぼ120nmとした。なお、到達真空
度は2×10-6Torr以下である。
【0028】Cr−Mo合金のMo組成に対する膜比抵
抗の測定結果を図4に示す。CrへのMo添加量を増加
すると約35%までは比抵抗は低下するが、それ以上で
増大傾向を示し、約80%で極大を示した後再び低下す
る。Mo組成に対する膜応力を調べた結果を図5に示
す。約15%で極小,約35%で極大を示した後低下
し、約65%で応力の方向が引っ張りから圧縮に転じ、
その絶対値が上昇する。
【0029】これらの図から、CrへMoを5wt%以
上添加すると効果が発生する。一方、MoへのCrの添
加量が約5wt%程度では応力が改善されず比抵抗が上
昇するので好ましくない。MoへのCr添加量は10w
t%以上で効果が現われる。従って、Cr−Mo合金中
のMo量は5から90wt%の範囲が好ましい。
【0030】ここで、注目すべきことは、約65wt%
のMo組成で膜応力がほぼゼロとなることであって、本
合金系ではこの組成近傍即ち55〜70wt%が最も適
切な範囲である。膜応力が小さければ膜厚を厚くでき、
結果としてシート抵抗を小さくできるので、素子設計上
有利である。また、特にゲート配線とドレーン配線に同
一の金属を用いデバイス構造の簡略化を図る場合、膜応
力が低いことが有効である。 〔実施例4〕本実施例ではCrへの添加元素の影響につ
いて検討した。
【0031】電気抵抗が低く(目安としてバルク抵抗が
20μΩcm以下)、a−Si,ITOとの電気的接触が
良好で、かつ量産に適している(低い原材料費,良好な
加工性等)点から、添加元素としてMoの他にNb,T
a,Wを選んだ。これらはいずれも体心立方金属(BC
C:Body centered cubic)である特徴がある。互いに
固溶しやすいこと、換言すれば第2相の析出による構造
の不均一が生じないことが期待される。
【0032】図6及び図7にCr,Mo,Nb及びMo
−Ta合金について、スパッタリング圧力を変えた場合
の比抵抗及び膜応力の測定結果を示す。ここで、Mo−
Ta合金を用いた理由は、純Taでは結晶構造が正方晶
(Tetragonal)となり、比抵抗が非常に高く(〜200
μΩcm)なってしまうためである。Moとの合金とする
ことによってBCCできる。Mo組成は55wt%(7
0at%)とした。図6では、Mo−Taでやや傾向が
異なるものの、圧力増大に伴って比抵抗は増大する。図
7から、いずれの場合も圧力の上昇に伴って膜応力は増
大し、極大を示した後低下する傾向であることがわか
る。検討範囲内でCrは引張り、他は圧縮から引張りへ
と変化する。Cr,Mo,Nb及びMo−Ta合金の原
子量はそれぞれ52.01,95.95,92.91,1
21.6(算術平均)であり、原子量の順に曲線が右に
移行していることがわかる。スパッタされて基板に到達
する粒子のエネルギーは圧力が低い方が大きく、成長す
る膜表面に入射する粒子のエネルギーが大きい方が、圧
縮応力が大きいと説明される。このことから、入射粒子
の原子量が大きくなる場合も同様に入射エネルギーが増
大するため圧縮応力となりやすいものと考えられる。図
7から、1.4mTorr の圧力に注目すると、〔実施例
3〕で示したように、CrとMoとを合金化することに
よって、膜応力をほぼゼロにできることが理解できる。
すなわち、Moをはじめとした原子量の比較的大きい元
素をCrに添加することによって、Crの膜応力をほぼ
ゼロに制御できる。
【0033】膜応力が小さければ膜厚を厚くでき、結果
としてシート抵抗を小さくできるので、素子設計上有利
である。また、特にゲート配線とドレーン配線に同一の
金属を用いデバイス構造の簡略化を図る場合、膜応力が
低いことが有効である。 〔実施例5〕よく洗浄したガラス基板上にマグネトロン
スパッタリング法を用い基板温度130℃でCr−35
%Mo膜を堆積した。膜厚は100nmとした。同じス
パッタリング条件で、続けてこの上にCr−15%Mo
膜を膜厚20nmとして堆積した。このCr−Mo2層
膜をホトエッチングによってゲート電極に加工した。こ
の際、エッチング液として硝酸第二セリウムアンモニウ
ム水溶液を用い40℃でエッチングした。〔実施例1〕
ではエッチング液として硝酸第二セリウムアンモニウム
水溶液にHNO3を適量添加した溶液を用いた。本実施
例において、HNO3 を添加しないエッチング液でもC
r−Moゲート電極端部に45°以下のテーパ角を付与
できることを確認した。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明による配線材料及
び構造を採用することによって、良好な表示品質と共
に、高いスループット及び歩留まりのTFT−LCDパ
ネルを提供できるので、最終的に液晶表示装置の低コス
ト化が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における液晶表示装置のTF
T部分の断面図。
【図2】本発明の実施例1における液晶表示装置のTF
T基板の作製プロセスを示す図。
【図3】本発明の実施例2における液晶表示装置のTF
T部分の断面図。
【図4】Cr−Mo合金の比抵抗とMo組成との関係を
示す図。
【図5】Cr−Mo合金の膜応力とMo組成との関係を
示す図。
【図6】各種金属の比抵抗とスパッタリング圧力との関
係を示す図。
【図7】各種金属の膜応力とスパッタリング圧力との関
係を示す図。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…ゲート電極、3…ゲート絶縁膜、
4…半導体層(a−Si:H膜)、5…n+・a−Si
膜、6…ソース・ドレーン電極、7…画素電極、8…保
護性絶縁膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 617M (72)発明者 鈴木 隆 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 阿武 恒一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 山本 英明 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 金子 寿輝 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の表面に複数のゲート配線及び前記ゲ
    ート配線と交差する複数のドレーン配線が形成され、前
    記複数のゲート配線と複数のドレーン配線の各交差部の
    近傍にはトランジスタが配設され、前記トランジスタの
    ソース電極はその近傍に設けられた画素電極に、ドレー
    ン電極は前記複数のドレーン配線の1つに、ゲート電極
    は前記複数のゲート配線の1つにそれぞれ接続された第
    1の基板と、前記第1の基板と対向して配置され、前記
    画素電極に対向した面に対向電極が形成された第2の基
    板と、前記第1の基板と第2の基板との間に挾持された
    液晶とからなるアクティブマトリクス型液晶表示装置に
    おいて、 前記複数のゲート配線及び前記複数のドレーン配線の少
    なくともいずれかは、体心立方金属とCrとの合金によ
    って構成されていることを特徴とするアクティブマトリ
    クス型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】前記体心立方金属は、Nb,Ta及びWか
    ら選んだ少なくとも一種の金属であることを特徴とする
    請求項1に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装
    置。
JP2000291946A 2000-09-21 2000-09-21 アクティブマトリクス型液晶表示装置 Pending JP2001154224A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000291946A JP2001154224A (ja) 2000-09-21 2000-09-21 アクティブマトリクス型液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000291946A JP2001154224A (ja) 2000-09-21 2000-09-21 アクティブマトリクス型液晶表示装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28475594A Division JP3132310B2 (ja) 1994-11-18 1994-11-18 アクティブマトリクス型液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001154224A true JP2001154224A (ja) 2001-06-08

Family

ID=18774956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000291946A Pending JP2001154224A (ja) 2000-09-21 2000-09-21 アクティブマトリクス型液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001154224A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022111230A (ja) * 2012-09-14 2022-07-29 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022111230A (ja) * 2012-09-14 2022-07-29 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
JP7449980B2 (ja) 2012-09-14 2024-03-14 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
US11935944B2 (en) 2012-09-14 2024-03-19 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and method for fabricating the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3132310B2 (ja) アクティブマトリクス型液晶表示装置
US6420282B1 (en) Passivation of copper with ammonia-free silicon nitride and application to TFT/LCD
JP4458563B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法およびこれを用いた液晶表示装置の製造方法
US5777702A (en) Liquid crystal display device and method of fabricating the same by patterning semiconductor, insulator, and gatelines with single mask
US6731364B2 (en) Liquid crystal display device
US20040126608A1 (en) Electronic device, method of manufacture of the same, and sputtering target
JP4272272B2 (ja) 配線用組成物、この組成物を用いた金属配線およびその製造方法、この配線を用いた表示装置およびその製造方法
JP2004163901A (ja) 液晶表示装置用アレイ基板及びその製造方法
KR20080114573A (ko) 표시 장치 및 표시 장치의 제조 방법
US6190951B1 (en) Method for manufacturing a liquid crystal display apparatus
JP2008123002A (ja) 低抵抗配線を有する液晶ディスプレイパネル
JP2000314897A (ja) 液晶表示装置
JP2001166336A (ja) 液晶表示装置の製造方法、及び液晶表示装置の配線形成方法
KR20010085521A (ko) 액정 표시 장치 및 그 배선 구조
KR100430744B1 (ko) 고집적도대면적lcd디스플레이용tft패널과그제조방법및액정표시장치
US6184947B1 (en) Thin film transistor matrix with repairable bus line
JPH10173191A (ja) 薄膜トランジスタおよびその製造方法並びにこれを搭載した液晶表示装置
JP2001154224A (ja) アクティブマトリクス型液晶表示装置
JPH0926598A (ja) アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ装置
KR100441839B1 (ko) Tft기판
JP2000199912A (ja) アクティブマトリクス型液晶表示装置およびその製造方法
JPH1195248A (ja) 表示装置用アレイ基板及びその製造方法
JPH10307303A (ja) 液晶表示基板、その製造方法および液晶表示装置
JPH11194361A (ja) 薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法及び液晶表示装置
KR20010113266A (ko) 액정표시장치 어레이기판 및 그의 제조방법