JPH10332367A - 傾斜角検出器 - Google Patents

傾斜角検出器

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JPH10332367A
JPH10332367A JP14668897A JP14668897A JPH10332367A JP H10332367 A JPH10332367 A JP H10332367A JP 14668897 A JP14668897 A JP 14668897A JP 14668897 A JP14668897 A JP 14668897A JP H10332367 A JPH10332367 A JP H10332367A
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豊 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】気泡管の像の位置を電気的信号に変換して傾斜
角を自動的に検出する従来の傾斜角検出器では、基準点
S近傍に不感領域が存在し、不感領域に気泡の像Bの輪
郭線が掛かると傾斜角を正確に検出できなかった。 【解決手段】気泡の像BをCCD画像素子等の画像セン
サで画像信号に変換し、端から順次スキャンすることに
よって得られる中点Mn+1〜Mn+mを通る直線C1
と、直角方向から同じくスキャンして得られる直線C2
との交点を像Bの中心Cとし、基準点Sからの距離Lを
基に傾斜角を演算するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば測量機の本
体に取り付けられ、本体の傾斜角を電気的に検出する傾
斜角検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の傾斜角検出器として、例
えば特開平2−42310号公報により、上下方向に光
を透過する円形の気泡管の上方に光を照射する投光部を
設けると共に、受光量に比例した信号を出力する、矩形
であって直線上に対向する2組の位置検出用受光素子を
気泡管の下方に各々90度ずつ位相をずらして放射状に
配設し、且つ、気泡の像の影響を受けない位置に参照用
受光素子を取り付けたものが知られている。このもので
は、各組毎における位置検出用受光素子の受光量の差か
ら気泡が基準点からどの程度ずれているかを求めて、傾
斜角を演算する。尚、参照用受光素子の受光量から投光
部の照射強度を検出して演算結果を補正している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の傾斜角検出
器では、2組である4枚の矩形の位置検出用受光素子を
相互に重ならないように放射状に配設するため、放射状
の中心部分に位置検出用受光素子が存在しない不感部分
が生じる。気泡の像の輪郭線が該不感部分に掛かると気
泡の像の位置を正確に検出できなくなり、従って、気泡
の像の輪郭線が不感部分に掛からないようにするため傾
斜角の検出範囲が狭くなる。
【0004】そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、傾
斜角の検出範囲を広くし得る傾斜角検出器を提供するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、少なくとも上下方向に光を透過する円形の
気泡管に、上下方向一方から光を照射する送光部と、気
泡管を透過した光を受光し気泡管内の気泡に対応する画
像信号を出力する画像センサと、該画像信号から気泡の
中心位置を求め、所定の基準点と気泡の中心位置との距
離から傾斜角を演算する演算処理部とを備えた傾斜角検
出器において、上記演算処理部は、画像信号を複数方向
からスキャンし、スキャン線と気泡の輪郭線との交点の
座標を検出し、該交点の座標から気泡の中心位置を求め
ることを特徴とする。
【0006】画像センサによる画像信号から気泡の中心
位置を求めるので、気泡の像が画像信号から外れない限
り気泡の中心位置を求めることができ、従って傾斜角の
検出範囲を広くすることができる。
【0007】尚、互いに直交する2方向から各々所定ピ
ッチで連続して画像信号をスキャンし、1回のスキャン
で得られる2カ所の交点の中点の位置を求め、直交する
各方向毎に連続して求められる中点の位置から演算され
る2本の直線の交点を気泡の中心位置とすると、連続し
て求めた中点の位置を用いるので、1カ所の交点の座標
に誤差等のエラーが生じても該エラーの影響を少なくす
ることができる。
【0008】ところで、気泡管を例えば測量機の本体に
取り付ける際には、傾斜していない状態、すなわち水平
状態で気泡の中心位置が基準点に一致するように調整し
て固定されているが、例えば調整ねじの狂い等の経時変
化が要因となって、傾斜しない状態で基準点と気泡の中
心位置とが一致しない状態になるおそれがある。そのた
め、上記演算処理部により求められた気泡の中心位置
を、上記所定の基準点の位置として記憶する記憶手段を
備え、必要に応じて基準点の位置を校正することが望ま
しい。
【0009】尚、気泡管の形状による制限や測量機等の
構造に起因する制限により、傾斜角検出器の検出範囲が
決まる。検出範囲を外れたスキャンは演算時間を不必要
に長くするだけである。そこで、スキャンする範囲を設
定し得るようにして、不必要なスキャンを行わなくてよ
いようにすることが望まれる。
【0010】気泡管内の温度が上がると内部の圧力が上
がり気泡が小さくなる。ところが、気泡管内の圧力を一
定にすると、温度が上がるにつれ気泡も膨張し、気泡の
大きさと温度は一定の関係を有する。そこで、気泡管内
の圧力を一定に保つ圧力調節手段を有すると共に、上記
画像信号から気泡の大きさを求め、該気泡の大きさから
温度を演算することができる。このようにして演算した
温度は、例えば測量機であれば測量結果に対する補正に
用いる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1を参照して、1は円形の気泡
管であり、透明なケーシング10内にアルコールやエー
テルからなる液体11と気泡12とが封入されている。
また、該気泡管1に圧力調節手段である等圧機構5を設
けた。等圧機構5の構造は図1の(b)に示すように、
ケーシング10の底部であって、気泡管1の中心から可
能な限り外側に離れた位置に筒状の開口10aを形成
し、該開口10aをケーシング10の内部からゴムの薄
膜からなるシール51で閉塞した。そして、開口10a
内に摺動自在のピストン52を設けると共に、ばね53
の付勢力でピストン52をシール51に押接し、ケーシ
ング10内を一定の圧力に保持したまま気泡12の膨張
及び収縮を許容し得るようにした。気泡管1の上方には
気泡管1に対して平行光線を照射する投光部2が設けら
れている。また、気泡管1の下方には投光部から照射さ
れ気泡管1を通過した光を受光し、気泡12の像を画像
信号に変換するCCD受光素子からなる画像センサ3が
配設されている。尚、投光部2及び画像センサ3は図示
しないが適宜の光学系を備えている。画像センサ3へ変
換された画像信号は演算処理部4に入力される。
【0012】演算処理部4に画像信号が入力されると、
演算処理部4は画像信号を所定の閾値により2値化す
る。図2に示すように、演算処理部4内には予め基準点
Sを原点とするX−Y直交座標が規定されている。該基
準点Sの座標は演算処理部4内の記憶部41に記憶され
ており、気泡管1が傾いていない状態で気泡12の像B
の中心Cに一致するように予め設定されている。記憶部
41に記憶されている基準点Sの座標は外部からの操作
により書き換えることが可能で、外部からの操作により
気泡の像Bの中心Cの座標を基準点Sの座標として取り
込むように構成されている。
【0013】画像信号を2値化すると、次にY軸に平行
であって、互いに一定のピッチを存するスキャン線(・
・・,X=n,X=n+1,・・・,X=n+m,X=
n+m+1)で、スキャンする。本実施の形態の場合に
は図において左側から右側へと順次スキャンしていく。
スキャン線X=nに沿ってスキャンした場合には像Bの
輪郭とスキャン線X=nとは交差しないが、次のスキャ
ン線X=n+1に沿ってスキャンすると2つの交点Hn
+1,Ln+1が生じる。両交点Hn+1,Ln+1の
Y座標を求め、平均すると両交点Hn+1,Ln+1の
中点Mn+1のY座標が求められる。該中点Mn+1の
Y座標をYn+1とすると、スキャン線X=n+mに沿
ってスキャンして求められる中点Mn+mのY座標Yn
+mまで、各スキャン線に沿ってスキャンして求められ
るm個の各中点のY座標の平均値を求める。該平均値を
Ycとすると、Ycは、 Yc=((Yn+1)+・・・・+(Yn+m))/m により求められる。尚、スキャン線X=n+m+1に沿
ってスキャンしても交点が生じないので、それ以上のス
キャンは行わない。
【0014】同様にして、X軸に平行なスキャン線(・
・・,Y=n,・・・,Y=n+m+1)について、図
において下方から上方に向かって順次スキャンし、各中
点のX座標の平均値Xcを求める。
【0015】そして、各平均値により規定される点を像
Bの中心C(Xc,Yc)とする。尚、該中心Cは2直
線C1(Y=Yc),C2(X=Xc)の交点である。
上記実施の形態では、演算処理の簡素化のためにX軸及
びY軸に平行な2方向に沿ってスキャンを行ったが、両
座標軸に対して所定の角度で交わる互いに異なる2方向
に沿ってスキャンを行い、各方向でのスキャンにより求
められる中点を通る2本の直線を演算し、両直線の交点
として中心Cの座標を求めるようにしてもよい。
【0016】また、例えば上記スキャン線X=n+1に
沿ってスキャンし交点Hn+1,Ln+1を得ると、中
点Mn+1を通りスキャン線X=n+1に直角な直線
(C1に相当する)に沿ってスキャンを行う。すると、
そのスキャンで得られる中点を通り、かつそのスキャン
方向に対して直角方向にスキャンし、交点を求める。こ
の操作を数回繰り返すことにより収束する点を中心Cと
してもよい。また、像Bの輪郭線上の点の座標を3点以
上求め、円の方程式から中心座標を演算してもよい。
【0017】中心Cの座標が求められると基準点Sと中
心Cとの距離Lを求める。上記気泡管1について予め単
位傾斜角での中心Cの移動距離Luを求めておき、その
時点での傾斜角aを、 a=L/Lu として求める。また、図2に示すθから傾斜方向を求め
ることができる。
【0018】上記気泡管1には等圧機構5が設けられて
いるので、気泡12は温度の上昇下降により膨張収縮す
る。各温度における直径Dの値を例えばテーブル値とし
て上記記憶部41に予め記憶させておく。一方、像Bの
中心Cの位置と像Bの輪郭線上の1つまたは複数の点の
座標から像Bの直径Dを求める。そして、演算により求
めた直径Dを記憶部41に記憶したテーブル値と照合す
れば、そのときの温度を求めることができる。
【0019】尚、画像センサ3の大きさは、気泡の像B
の移動し得る範囲を完全に包含する大きさである必要が
あり、それ以上大きければ特に大きさを制限する必要は
ない。但し、スキャンする場合に、画像センサ3が大き
いと無駄なスキャンをしなければならず、演算に時間を
要する。そこで、図3に示すように、基準点Sを中心と
して所定の範囲Eを設定し、範囲Eの中でのみ上記のス
キャンを行うようにした。該範囲Eは本発明の傾斜角検
出器が取り付けられる測量機等の構造から定まる傾斜限
界や気泡管1の測定可能限界等により決定されるもの
で、予め設定しておくが、傾斜角検出器を取り付けた後
でも外部から設定し直し得るように構成されている。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、基準点近傍に不感領域が存在しないので、気泡の像
を検出する範囲を従来のものより広く設定することがで
き、そのため傾斜角の検出範囲を広く設定できる。ま
た、圧力調節手段を設けたことにより、外部温度の影響
を気泡の大きさの変化として捉えることができ、外部温
度の変化による誤差を補正することができ、かつ気泡の
大きさから外部温度を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】画像処理の方法を説明する図
【図3】画像信号中のスキャン範囲を説明するための図
【符号の説明】
1 気泡管 2 投光部 3 画像センサ 4 演算処理部 5 等圧機構 41 記憶部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも上下方向に光を透過する円
    形の気泡管に、上下方向一方から光を照射する送光部
    と、気泡管を透過した光を受光し気泡管内の気泡に対応
    する画像信号を出力する画像センサと、該画像信号から
    気泡の中心位置を求め、所定の基準点と気泡の中心位置
    との距離から傾斜角を演算する演算処理部とを備えた傾
    斜角検出器において、上記演算処理部は、画像信号を複
    数方向からスキャンし、スキャン線と気泡の輪郭線との
    交点の座標を検出し、該交点の座標から気泡の中心位置
    を求めることを特徴とする傾斜角検出器。
  2. 【請求項2】 互いに直交する2方向から各々所定ピ
    ッチで連続して画像信号をスキャンし、1回のスキャン
    で得られる2カ所の交点の中点の位置を求め、直交する
    各方向毎に連続して求められる中点の位置から各々演算
    される2本の直線の交点を気泡の中心位置とすることを
    特徴とする請求項1記載の傾斜角検出器。
  3. 【請求項3】 上記演算処理部により求められた気泡
    の中心位置を、上記所定の基準点の位置として記憶する
    記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の傾斜角検出器。
  4. 【請求項4】 上記スキャンする範囲を外部からの操
    作により変更し得るようにしたことを特徴とする請求項
    1乃至請求項3記載の傾斜角検出器。
  5. 【請求項5】 上記気泡管内の圧力を一定に保つ圧力
    調節手段を有すると共に、上記画像信号から気泡の大き
    さを求め、該気泡の大きさから温度を演算することを特
    徴とする請求項1乃至請求項4記載の傾斜角検出器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007298356A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Matsushita Electric Works Ltd 水平センサ
CN103206947A (zh) * 2012-01-16 2013-07-17 中国科学院声学研究所 一种基于水准泡的倾角测量方法及其装置

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JP2007298356A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Matsushita Electric Works Ltd 水平センサ
CN103206947A (zh) * 2012-01-16 2013-07-17 中国科学院声学研究所 一种基于水准泡的倾角测量方法及其装置

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