JPH10332297A - 火砲の駐退装置の制御方法及び火砲の駐退装置 - Google Patents

火砲の駐退装置の制御方法及び火砲の駐退装置

Info

Publication number
JPH10332297A
JPH10332297A JP15755797A JP15755797A JPH10332297A JP H10332297 A JPH10332297 A JP H10332297A JP 15755797 A JP15755797 A JP 15755797A JP 15755797 A JP15755797 A JP 15755797A JP H10332297 A JPH10332297 A JP H10332297A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gun
cylinder
pressure chamber
flow path
rear seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15755797A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3842381B2 (ja
Inventor
Akihisa Murakami
晃央 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Steel Works Ltd filed Critical Japan Steel Works Ltd
Priority to JP15755797A priority Critical patent/JP3842381B2/ja
Publication of JPH10332297A publication Critical patent/JPH10332297A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3842381B2 publication Critical patent/JP3842381B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏孔の大きさの変化を砲身の仰角変化に対し
てのみ連動させる構造となつていたため、駐退装置内圧
力に無効な圧力ピークを発生させる。 【解決手段】 駐退装置3が、シリンダ30と、ピスト
ン棒31及びピストン棒31に取り付けたピストン32
と、シリンダ30の第1圧力室33と第2圧力室34と
を連通する流路35と、流路35に設けられ、流路35
の断面積を増減変更するサーボバルブ36とを有し、該
シリンダ30及び流路35内に作動液が充填されると共
に、砲部2の射角、弾丸の重量、発射装薬のガス圧力及
び作動液温度に応じた制御値Aを設定し、砲部2が復座
位置から後座位置に至るまでの間のサーボバルブ36の
開度を制御値Aによつて制御し、流路35を流れる作動
液の流動抵抗を増減調節することによつてシリンダ30
内圧力及び後座距離を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火砲の駐退装置の
制御方法及び火砲の駐退装置に関するものであり、特に
駐退装置内圧力及び後座距離を射撃条件に応じて制御可
能な火砲の駐退装置の制御方法及び火砲の駐退装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来の火砲(例えばりゆう
弾砲)の駐退装置は、図5に示すように砲架部107に
揺動自在に支持される揺架部102と、揺架部102に
設けたシリンダ103(駐退管)と、砲身100を有す
る砲部101にピストン棒106を介して固定され、シ
リンダ103に摺動自在に嵌合するピストン104とを
有し、このシリンダ103内のピストン104の両側を
連通するように、図6に示す少なくとも1個の漏孔10
5を設けた構造を有している。
【0003】砲部101の後座運動に際しては、漏孔1
05がシリンダ103内の作動液(油)の流れを絞り、
駐退装置内の圧力を上昇させることにより、砲部101
に減速力を発生させる。この漏孔105は、一般に、火
砲の運用上で最も大きな衝撃力を生む最大の発射装薬の
ガス圧力に基づいて、所定の後座距離(緩衝長)の範囲
内で後座運動が終了するように、所定の後座抗力が得ら
れることを考慮して設計されている。また、この後座距
離は、射角に応じて変化させることが望ましく、漏孔1
05を可変溝として形成し、短後座距離及び長後座距離
として設定されるようになつている。
【0004】後座距離を短後座距離及び長後座距離とし
て設定する理由について説明する。火砲が図5に示すよ
うに仰角0°の水平射撃を行なうと、砲部101に連結
されたピストン104が、図6に矢印で示すようにシリ
ンダ103内を後座方向へと移動し、作動液が漏孔10
5を通つて押し出される。このとき、漏孔105が作動
液の流れを絞るため、流動抵抗を生じて緩衝され、これ
に伴つて作動液の温度が上昇する。このような仰角0°
の射撃では、砲部101の後座運動が支障され難いた
め、漏孔105を大きめに設定し、長後座距離を確保す
ると共にシリンダ103内圧力(駐退装置内圧力)を低
下させることができる。
【0005】他方、同じ大きさの漏孔105を有する火
砲が図7に示すような仰角45°の射撃を行なつた場
合、砲部101が砲架部107又は地面と干渉を生じ
る。そこで、この砲部101の射角変化に対し、漏孔1
05の大きさを追従変化させ、無効な圧力ピークを抑制
しつつ後座距離を調節している。しかして、漏孔105
が射撃条件に適して設計されていると、駐退装置内圧力
は、後座距離に対して理想的な曲線を描くことになる。
【0006】しかしながら、このような従来の火砲の駐
退装置にあつては、漏孔の大きさは、砲身100の仰角
変化に対してのみ連動させて変化させる構造となつてい
たため、駐退装置内圧力に無効な圧力ピークひいては過
大な後座抗力を発生させ、或いは後座距離が長くなつて
砲部101が砲架部107又は地面と干渉を生じる恐れ
があるという技術的課題があつた。
【0007】すなわち、漏孔105は、砲身100が所
定の仰角を採る状態において、その設計時に設定した作
動液特性、弾丸重量、発射装薬のガス圧力等の射撃条件
を充足する場合においてのみ有効であるが、これらの射
撃条件は射撃毎に異なつている。従来の火砲の駐退装置
にあつては、このような射撃条件の変動分を調整する機
能がないために駐退装置内圧力を正確に制御することが
できず、設計時と異なる射撃条件の下で図4に破線Nで
示すように駐退装置内圧力のピークが発生し、後座距離
の全てが緩衝作用に有効活用されない状態となつてい
た。
【0008】駐退装置に使用されている作動液は、温度
によつて粘性が変化する。従つて、周囲の気温、射撃の
繰り返しにより、駐退装置内圧力が変動する。また、弾
丸重量及び装薬の種類又は量の変動によつて後座抗力が
変化し、これに伴つて駐退装置内圧力も変動する。従つ
て、従来の火砲にあつては、高い後座抗力の発生を考慮
して砲部101の支持箇所の強度を増加させる必要性が
生じ、この強度増加及び火砲の安定性の確保に伴つて火
砲全体の重量を必要以上に増加させる結果となつてい
る。
【0009】そこで、ピストンの両側を連通する流路
と、流路の断面積を増減変更するサーボバルブとを設け
ると共に、火砲の射撃条件に合わせてサーボバルブの開
度を増減変更させ、駐退装置内圧力を制御し、無効に高
い後座抗力の発生を抑制すると共に、適正な後座距離を
確保することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたもので、その構成は、
次の通りである。請求項1の発明は、砲架部10に揺動
自在に支持される揺架部1に、砲部2が駐退装置3を介
して移動自在に支持され、砲部2に発射装薬及び弾丸を
装填し、復座位置を採る砲部2に所定の射角を与えて射
撃を行ない、駐退装置3によつて緩衝させながら砲部2
に後座位置を採らせる火砲の駐退装置の制御方法であつ
て、揺架部1及び砲部2の一方に設けたシリンダ30
と、揺架部1及び砲部2の他方に固設したピストン棒3
1及びピストン棒31に取り付けたピストン32とを有
し、ピストン32がシリンダ30に摺動自在に嵌合して
シリンダ30内が第1圧力室33と第2圧力室34とに
区画され、かつ、シリンダ30の第1圧力室33と第2
圧力室34とを連通する流路35と、流路35に設けら
れ、流路35の流路断面積を増減変更するサーボバルブ
37とを有し、該シリンダ30及び流路35内に作動液
が充填される駐退装置3を備えると共に、砲部2の射
角、弾丸の重量、発射装薬のガス圧力及び作動液温度に
応じた制御値Aを設定し、砲部2が復座位置から後座位
置に至るまでの間のサーボバルブ37の開度を制御値A
によつて制御し、流路35を流れる作動液の流動抵抗を
増減調節することによつてシリンダ30内圧力及び後座
距離を調節することを特徴とする火砲の駐退装置の制御
方法である。請求項2の発明は、砲架部10に揺動自在
に支持される揺架部1に、砲部2が駐退装置3を介して
移動自在に支持され、砲部2に発射装薬及び弾丸を装填
し、復座位置を採る砲部2に所定の射角を与えて射撃を
行ない、駐退装置3によつて緩衝させながら砲部2に後
座位置を採らせる火砲の駐退装置であつて、揺架部1及
び砲部2の一方に設けたシリンダ30と、揺架部1及び
砲部2の他方に固設したピストン棒31及びピストン棒
31に取り付けたピストン32とを有し、ピストン32
がシリンダ30に摺動自在に嵌合してシリンダ30内が
第1圧力室33と第2圧力室34とに区画され、かつ、
シリンダ30の第1圧力室33と第2圧力室34とを連
通する流路35と、流路35に設けられ、流路35の流
路断面積を増減変更するサーボバルブ37とを有し、該
シリンダ30及び流路35内に作動液が充填される駐退
装置3を備えると共に、砲部2の射角を検出する射角検
出手段40と、作動液の温度を検出する作動液温度検出
手段41と、発射装薬の条件を設定する発射装薬設定手
段(42)と、弾丸の条件を設定する弾丸設定手段(4
2)と、射角検出手段40及び作動液温度検出手段41
による各検出信号T1 ,T2 並びに発射装薬設定手段
(42)及び弾丸設定手段(42)による各設定信号T
3 ,T4 に基づいた制御値Aを設定する制御値設定手段
44とを有し、砲部2が復座位置から後座位置に至るま
での間のサーボバルブ37の開度を制御値Aによつて制
御し、流路35を流れる作動液の流動抵抗を増減調節す
ることによつてシリンダ30内圧力及び後座距離を調節
することを特徴とする火砲の駐退装置である。請求項3
の発明は、ピストン32とシリンダ30との間に、第1
圧力室33と第2圧力室34とを連通する少なくとも1
個の漏孔36が形成されていることを特徴とする請求項
2の火砲の駐退装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1,図2は、本発明に係
る火砲の駐退装置の1実施の形態を示す。図中において
符号1は揺架部を示し、揺架部1は、図外の脚を備える
砲架部10に揺動自在に支持され、この揺架部1には砲
部2が支持されている。砲部2は、その砲身2aが揺架
部1の支持部1a,1bに摺動自在に受け入れられて前
後の移動が自在である。
【0012】この揺架部1と砲部2との間に、駐退装置
3が設けられる。駐退装置3は、揺架部1に設けたシリ
ンダ30と、砲部2に形成したブラケット20と、ブラ
ケット20に固設したピストン棒31の先端に取り付け
たピストン32とを有し、ピストン32がシリンダ30
に摺動自在に嵌合することにより、シリンダ30内を第
1圧力室33と第2圧力室34とに区画している。そし
て、シリンダ30とピストン32との間には、図2に示
すように少なくとも1個の漏孔36が形成され、漏孔3
6によつて第1圧力室33と第2圧力室34とが連通さ
れている。
【0013】更に、シリンダ30の第1圧力室33と第
2圧力室34とを連通する流路35が形成され、この流
路35に、漏孔36と同様に絞りとして機能するサーボ
バルブ37を設けてある。流路35は、シリンダ30の
外部に形成され、第1圧力室33及び第2圧力室34に
常時開口している。このシリンダ30及び流路35内に
は、作動液(油)が充填されている。
【0014】図2では、ピストン32の直径方向に漏孔
36,36が形成され、シリンダ30の内面には中心軸
線方向に次第に高さが変化する凸条30a,30bが形
成されている。この各漏孔36にそれぞれ凸条30a,
30bが係合することにより、ピストン32の後座運動
時の各漏孔36の流路断面積が増減変化するようになつ
ている。火砲が復座位置を採る状態では、図2に示すよ
うに漏孔36が大きく絞られた状態にあり、後座移動を
開始すると直ぐに漏孔36が大きく開放された状態とな
り、後座運動の中間点から漏孔36が次第に絞られた状
態となり、最も後退した後座位置では復座位置を採る場
合とほぼ同様に漏孔36が大きく絞られた状態となる。
なお、この漏孔36,36は、射角に応じて変化させる
可変溝として形成する必要は必ずしもなく、固定溝によ
つて形成することができる。
【0015】サーボバルブ37の開度は、砲身2aの仰
角つまり射角値、作動液の温度、弾丸の重量並びに発射
装薬の種類及び量によつて定まるガス圧力等の射撃条件
に応じて制御する。このため、砲架部10に対して揺動
する箇所としての揺架部1に射角検出手段40が取り付
けられ、作動液が収容されている箇所としてのシリンダ
30の第1圧力室33に作動液温度検出手段41が取り
付けられている。射角検出手段40は、砲身2aを含む
揺架部1の傾斜角度を検出するセンサーで構成され、ア
ナログの検出信号T1 を出力する。作動液温度検出手段
41は、温度を検出するセンサーで構成され、アナログ
の検出信号T2 を出力する。この射角検出手段40及び
作動液温度検出手段41は、それぞれA/D変換器4
5,46を介してマイクロコンピュータ50に接続され
ている。
【0016】また、マイクロコンピュータ50には、発
射装薬設定手段及び弾丸設定手段として機能する設定器
42が接続されている。この設定器42において、弾丸
の重量並びに発射装薬の種類及び量の条件に応じた設定
を手動で行なうことにより、設定信号T3 ,T4 がデジ
タル信号として出力され、これがマイクロコンピュータ
50に入力される。この射角検出手段40及び作動液温
度検出手段41並びに設定器42により、射撃緒元設定
部51を形成している。
【0017】マイクロコンピュータ50は、制御値設定
手段44としての機能を有し、記憶装置に予め多種類記
憶させた制御値A1 ,A2 ,A3 ,A4 ・・・の中か
ら、射角検出手段40及び作動液温度検出手段41によ
る各検出信号T1 ,T2 並びに設定器42による各設定
信号T3 ,T4 に基づいて、所定の制御値Aを選び出
す。この制御値Aにより、サーボバルブ37の開度が後
座運動するピストン32の位置に応じて増減変更され、
後座運動時に高圧側となるシリンダ30の第1圧力室3
3に所定の駐退装置内圧力が設定される。
【0018】制御値Aによつて制御されるサーボバルブ
37の開度は、漏孔36,36の流路断面積との和によ
り、所定の後座距離を確保した状態において、駐退装置
内圧力が無効に高い圧力ピークの無い理想的な曲線を描
くように設定される。所定の後座距離を確保することに
より、砲部2と砲架部10又は地面との干渉を避けるこ
とができる。このような、サーボバルブ37の開度は、
射角値、作動液温、弾丸重量及び発射装薬の種類及び量
の射撃条件に応じて、一般的には次のように制御する。
【0019】すなわち、砲身2aの仰角つまり射角値が
大きい場合には、砲部2が砲架部10又は地面と干渉す
るのを避けるために、後座距離が短くなるように、仰角
が小さい場合と比較してサーボバルブ37の開度を減ず
る。作動液温が高い場合には、作動液の流動抵抗が減じ
られて後座距離が長くなる傾向を呈するので、後座距離
が短くなるように、作動液温が低い場合と比較してサー
ボバルブ37の開度を減ずる。
【0020】また、砲部2と砲架部10又は地面との干
渉を避けながら、次の事柄も考慮する。すなわち、弾丸
重量が大きい場合には、大きな後座抗力が生ずるため、
後座距離が長くなるように、弾丸重量が小さい場合と比
較してサーボバルブ37の開度を可及的に増加する。発
射装薬が大量である場合には、大きなガス圧力に基づく
大きな後座抗力が生ずるため、後座距離が長くなるよう
に、発射装薬が少量である場合と比較してサーボバルブ
37の開度を可及的に増加する。発射装薬の種類も、大
きなガス圧力が生ずる種類の場合には、後座距離が長く
なるようにサーボバルブ37の開度を可及的に増加す
る。
【0021】次に、作用について説明する。射撃に際し
ては、先ず、設定器42において、弾丸重量及び発射装
薬のガス圧を設定し、設定信号T3 ,T4 をマイクロコ
ンピュータ50に読み込む。また、射角検出手段40及
び作動液温度検出手段41による射角値及び作動液温に
応じた各検出信号T1 ,T2 をマイクロコンピュータ5
0に読み込む。これにより、各検出信号T1 ,T2 及び
設定信号T3 ,T4 に基づいて、制御値設定手段44に
おいて所定の制御値Aが設定される。
【0022】砲部2に発射装薬及び弾丸を装填し、砲部
2が復座位置を採る状態で射撃が行なわれると、砲部2
が後座運動をしながらサーボバルブ37の開度が制御値
Aに基づいて増減変更される。砲部2の後座運動によ
り、ブラケット20、ピストン棒31及びピストン32
が後退し、第1圧力室33に圧力上昇を生ずると共に、
漏孔36及びサーボバルブ37を作動流体が流れ、緩衝
作用が発揮される。サーボバルブ37の開度は、漏孔3
6の流路断面積との和により、駐退装置内圧力が後座位
置に対して理想的な曲線を描くように設定されている。
これにより、射撃が開始された後、各種の射角、作動液
温、弾丸重量及び発射装薬のガス圧に応じた適正な圧力
が第1圧力室33に生じ、サーボバルブ37及び漏孔3
6において所定の流動抵抗を生じ、適正な緩衝作用が発
揮される。この制御値Aに基づく後座距離−駐退装置内
圧力の特性が得られることにより、無効な圧力ピークの
発生が無い理想的な駐退装置内圧力が得られると共に、
砲部2と砲架部10又は地面との干渉が防止された理想
的な後座距離が得られる。
【0023】いま、図1に示すように仰角0°の射撃が
行なわれる場合には、制御値Aに基づく第2圧力室34
内の圧力の制御により、図3に実線Lで示す駐退装置内
圧力が与えられ、緩衝作用が発揮される。また、仰角4
5°の射撃が行なわれる場合には、図4に実線Mで示す
駐退装置内圧力が与えられ、緩衝作用が発揮される。こ
のようにして、各種の仰角に応じた適正な駐退装置内圧
力が与えられ、緩衝作用が発揮される。例えば、仰角4
5°の射撃が行なわれ、作動液温、弾丸重量及び発射装
薬のガス圧に応じた制御がなされない場合、これらの射
撃条件の変動によつて図4に破線Nで示すように無効な
圧力ピークを伴い、後座運動に伴つて高圧となる第1圧
力室33に最大圧力x2 を生ずる。これに対し、作動液
温、弾丸重量及び発射装薬のガス圧に応じた制御を行な
うことにより、図4に実線Mで示すように後座距離y2
を適正距離としながら適宜に低減させた最大圧力x3
生じさせることができる。なお、最後退して後座位置を
採つた砲部2は、その後、図外の復座機が作動して復座
位置に戻される。
【0024】ところで、上記の1実施の形態にあつて
は、マイクロコンピュータ50の記憶装置に予め多種類
記憶させた制御値A1 ,A2 ,A3 ,A4 ・・・から、
射角検出手段40及び作動液温度検出手段41による各
検出信号T1 ,T2 並びに設定器42による各設定信号
3 ,T4 に基づいて、制御値設定手段44によつて所
定の制御値Aを選び出した。しかしながら、射角検出手
段40の検出信号T1 にのみ基づく基本的制御値を選び
出した後、この基本的制御値を作動液温度検出手段41
による検出信号T2 及び設定器42による各設定信号T
3 ,T4 に基づいて補正を行つて制御値を得、この補正
後の制御値によつてサーボバルブ37の開度を増減調節
し、駐退装置内圧力に無効な圧力ピークが発生すること
を防止すると共に、所定の後座距離を与えることも可能
である。
【0025】また、上記の1実施の形態にあつては、第
1圧力室33と第2圧力室34とを連通する漏孔34を
有するものについて説明したが、漏孔34を省略し、第
1圧力室33と第2圧力室34との間の作動液の流動の
ほぼ全てをサーボバルブ37の開度によつて増減調節す
ることも可能である。また、砲部2にシリンダ30を設
け、揺架部1にピストン棒31を介してピストン32を
固定しても、駐退装置3として同様の作用を得ることが
できる。
【0026】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係る火砲の駐退装置の制御方法及び火砲の駐退
装置によれば、次の効果を奏することができる。すなわ
ち、砲部が復座位置から後座位置に至るまでの後座運動
の間のサーボバルブの開度を射撃条件に応じて設定され
た制御値によつて制御し、流路を流れる作動液の流動抵
抗を増減調節することにより、シリンダ内圧力及び後座
距離を調節した。これにより、後座距離が長くなつて砲
部が砲架部又は地面と干渉を生じることを防止しなが
ら、無効に高い後座抗力の発生を抑制することができ
る。その結果、従来の駐退装置に比して射撃時の反動が
低減されることになり、火砲の強度を低下させることが
できるのみならず、火砲の安定化及び火砲全体の重量の
軽減につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施の形態に係る火砲を一部断面
で示す図。
【図2】 同じく駐退装置を示す断面図。
【図3】 仰角0°の射撃における後座距離−駐退装置
内圧力の特性を示す線図。
【図4】 仰角45°の射撃における後座距離−駐退装
置内圧力の特性を示す線図。
【図5】 従来の火砲を一部断面で示す図。
【図6】 同じく駐退装置の要部を示す断面図。
【図7】 同じく仰角45°の射撃を行なう火砲を一部
断面で示す図。
【符号の説明】
1:揺架部、2:砲部、3:駐退装置、10:砲架部、
30:シリンダ、31:ピストン棒、32:ピストン、
33:第1圧力室、34:第2圧力室、35:流路、3
6:漏孔、37:サーボバルブ、40:射角検出手段、
41:作動液温度検出手段、42:設定器(発射装薬設
定手段、弾丸設定手段)、44:制御値設定手段、A:
制御値、T1 ,T2 :検出信号、T3 ,T4 :設定信
号。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砲架部(10)に揺動自在に支持される
    揺架部(1)に、砲部(2)が駐退装置(3)を介して
    移動自在に支持され、砲部(2)に発射装薬及び弾丸を
    装填し、復座位置を採る砲部(2)に所定の射角を与え
    て射撃を行ない、駐退装置(3)によつて緩衝させなが
    ら砲部(2)に後座位置を採らせる火砲の駐退装置の制
    御方法であつて、揺架部(1)及び砲部(2)の一方に
    設けたシリンダ(30)と、揺架部(1)及び砲部
    (2)の他方に固設したピストン棒(31)及びピスト
    ン棒(31)に取り付けたピストン(32)とを有し、
    ピストン(32)がシリンダ(30)に摺動自在に嵌合
    してシリンダ(30)内が第1圧力室(33)と第2圧
    力室(34)とに区画され、かつ、シリンダ(30)の
    第1圧力室(33)と第2圧力室(34)とを連通する
    流路(35)と、流路(35)に設けられ、流路(3
    5)の流路断面積を増減変更するサーボバルブ(37)
    とを有し、該シリンダ(30)及び流路(35)内に作
    動液が充填される駐退装置(3)を備えると共に、砲部
    (2)の射角、弾丸の重量、発射装薬のガス圧力及び作
    動液温度に応じた制御値(A)を設定し、砲部(2)が
    復座位置から後座位置に至るまでの間のサーボバルブ
    (37)の開度を制御値(A)によつて制御し、流路
    (35)を流れる作動液の流動抵抗を増減調節すること
    によつてシリンダ(30)内圧力及び後座距離を調節す
    ることを特徴とする火砲の駐退装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 砲架部(10)に揺動自在に支持される
    揺架部(1)に、砲部(2)が駐退装置(3)を介して
    移動自在に支持され、砲部(2)に発射装薬及び弾丸を
    装填し、復座位置を採る砲部(2)に所定の射角を与え
    て射撃を行ない、駐退装置(3)によつて緩衝させなが
    ら砲部(2)に後座位置を採らせる火砲の駐退装置であ
    つて、揺架部(1)及び砲部(2)の一方に設けたシリ
    ンダ(30)と、揺架部(1)及び砲部(2)の他方に
    固設したピストン棒(31)及びピストン棒(31)に
    取り付けたピストン(32)とを有し、ピストン(3
    2)がシリンダ(30)に摺動自在に嵌合してシリンダ
    (30)内が第1圧力室(33)と第2圧力室(34)
    とに区画され、かつ、シリンダ(30)の第1圧力室
    (33)と第2圧力室(34)とを連通する流路(3
    5)と、流路(35)に設けられ、流路(35)の流路
    断面積を増減変更するサーボバルブ(37)とを有し、
    該シリンダ(30)及び流路(35)内に作動液が充填
    される駐退装置(3)を備えると共に、砲部(2)の射
    角を検出する射角検出手段(40)と、作動液の温度を
    検出する作動液温度検出手段(41)と、発射装薬の条
    件を設定する発射装薬設定手段(42)と、弾丸の条件
    を設定する弾丸設定手段(42)と、射角検出手段(4
    0)及び作動液温度検出手段(41)による各検出信号
    (T1 ,T2 )並びに発射装薬設定手段(42)及び弾
    丸設定手段(42)による各設定信号(T3 ,T4)に
    基づいた制御値(A)を設定する制御値設定手段(4
    4)とを有し、砲部(2)が復座位置から後座位置に至
    るまでの間のサーボバルブ(37)の開度を制御値
    (A)によつて制御し、流路(35)を流れる作動液の
    流動抵抗を増減調節することによつてシリンダ(30)
    内圧力及び後座距離を調節することを特徴とする火砲の
    駐退装置。
  3. 【請求項3】 ピストン(32)とシリンダ(30)と
    の間に、第1圧力室(33)と第2圧力室(34)とを
    連通する少なくとも1個の漏孔(36)が形成されてい
    ることを特徴とする請求項2の火砲の駐退装置。
JP15755797A 1997-05-30 1997-05-30 火砲の駐退装置 Expired - Lifetime JP3842381B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15755797A JP3842381B2 (ja) 1997-05-30 1997-05-30 火砲の駐退装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15755797A JP3842381B2 (ja) 1997-05-30 1997-05-30 火砲の駐退装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10332297A true JPH10332297A (ja) 1998-12-15
JP3842381B2 JP3842381B2 (ja) 2006-11-08

Family

ID=15652294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15755797A Expired - Lifetime JP3842381B2 (ja) 1997-05-30 1997-05-30 火砲の駐退装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3842381B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2490848A (en) * 2010-03-08 2012-11-14 Bosch Gmbh Robert Motor system having an electronically commutated electrical machine
KR101222460B1 (ko) 2010-07-27 2013-01-15 국방과학연구소 래치기구 및 이를 구비하는 발사장치
KR101280687B1 (ko) * 2011-05-12 2013-07-01 현대위아 주식회사 송탄장치용 주퇴복좌 시험기
KR101289534B1 (ko) * 2011-12-27 2013-07-24 현대위아 주식회사 주퇴복좌기 조립체의 완충기 조립분해 장치

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2490848A (en) * 2010-03-08 2012-11-14 Bosch Gmbh Robert Motor system having an electronically commutated electrical machine
KR101222460B1 (ko) 2010-07-27 2013-01-15 국방과학연구소 래치기구 및 이를 구비하는 발사장치
KR101280687B1 (ko) * 2011-05-12 2013-07-01 현대위아 주식회사 송탄장치용 주퇴복좌 시험기
KR101289534B1 (ko) * 2011-12-27 2013-07-24 현대위아 주식회사 주퇴복좌기 조립체의 완충기 조립분해 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP3842381B2 (ja) 2006-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4693454A (en) Air pressure shock absorber
US4702146A (en) Gas pressure adjusting device in gas-operated auto-loading firearm
US7681351B2 (en) Hydraulic recoil buffer assembly
US4307653A (en) Fluidic recoil buffer for small arms
ITBS20000042U1 (it) Dispositivo a presa di gas migliorato per armi a caricamento automatico
JP2010106851A (ja) 燃料噴射装置内の装置
US4706543A (en) Upwardly swinging pinile mounting for a gun barrel for a combat vehicle
US3650177A (en) Device for controlling the firing frequency in automatic firearms
US4867038A (en) Recoil brake for a gun
US4335644A (en) Fluidic recoil buffer for small arms
JPH10332297A (ja) 火砲の駐退装置の制御方法及び火砲の駐退装置
AU2004316168B2 (en) Action rate control system
US4745841A (en) Liquid propellant gun
US2484998A (en) Means for controlling shot patterns
US4693165A (en) Liquid propellant gun
US4502366A (en) Hydraulic recoil brake system for braking the gun barrel recoil movement after the firing traverse
JPH0371640B2 (ja)
US6575266B1 (en) Tube barrel weapon
US3698284A (en) Buffer system for decelerating a reciprocating gun
USH1010H (en) Recoil mechanisms
US4576086A (en) Hydropneumatic energy-recuperating recoil brake for artillery pieces and firearms
US3363509A (en) Recoil booster
EA037134B1 (ru) Глушитель для огнестрельного оружия
US2352197A (en) Automatic valve
FR2588370A1 (fr) Support amortisseur antirecul pour lunettes de visee d'armes a feu

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051011

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060810

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090818

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100818

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100818

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110818

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110818

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130818

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term