JPH10331752A - 直噴火花点火式内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

直噴火花点火式内燃機関の点火時期制御装置

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JPH10331752A
JPH10331752A JP9144173A JP14417397A JPH10331752A JP H10331752 A JPH10331752 A JP H10331752A JP 9144173 A JP9144173 A JP 9144173A JP 14417397 A JP14417397 A JP 14417397A JP H10331752 A JPH10331752 A JP H10331752A
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combustion
cylinder
ignition
stratified
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Yuki Nakajima
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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 均質燃焼時及び成層燃焼時にそれぞれ最適な
方式で、また必要最小限の演算負荷で、点火時期を設定
する。 【解決手段】 均質燃焼要求か成層燃焼要求かを判定し
(S31)、均質燃焼要求のときは、機関運転状態のパ
ラメータに基づき、予め定めたMBT演算式により、均
質燃焼用のMBT相当の点火時期ADVHを演算する
(S32,33)。成層燃焼要求のときは、機関運転状
態のパラメータに基づき、予め定めたマップを参照し
て、成層燃焼用の点火時期ADVHを検索する(S3
4)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直噴火花点火式内
燃機関の点火時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、直噴火花点火式内燃機関が注目さ
れており、このものでは、機関運転条件に応じ、燃焼方
式を切換制御、すなわち、吸気行程にて燃料を噴射する
ことにより、燃焼室内に燃料を拡散させ均質の混合気を
形成して行う均質燃焼と、圧縮行程にて燃料を噴射する
ことにより、点火栓回りに集中的に層状の混合気を形成
して行う成層燃焼とを切換制御するのが一般的である
(特開昭59−37236号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本出願人
は、点火制御に際し、特願平8−183637号や特願
平8−238784号にて提案しているように、機関運
転状態のパラメータに基づいて、予め定めたMBT(最
適点火時期)演算式を用いて、MBT相当の点火時期を
演算することにより、マップ方式に比べ、実験工数やメ
モリ容量の削減を可能にしている。
【0004】しかるに、MBT演算式は、均質燃焼を前
提としているため、成層燃焼時にこれを適用すると、進
角し過ぎとなり、最適な燃焼を実現することはできな
い。また、MBT演算式を用いると、演算負荷が増大す
るため、MBT演算式による点火時期の設定は必要なと
きに限るべきである。本発明は、このような従来の問題
点に鑑み、均質燃焼時及び成層燃焼時にそれぞれ最適な
方式で、また必要最小限の演算負荷で、点火時期を設定
できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明では、機関の燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料
噴射弁を備えると共に、機関運転条件に応じ、吸気行程
にて燃料を噴射させて行う均質燃焼と、圧縮行程にて燃
料を噴射させて行う成層燃焼とを切換制御する燃焼方式
切換制御手段を備える直噴火花点火式内燃機関の点火時
期制御装置において、図1に示すように、機関運転状態
のパラメータに基づき、予め定めたMBT演算式によ
り、均質燃焼用のMBT相当の点火時期を演算する均質
用点火時期演算手段と、機関運転状態のパラメータに基
づき、予め定めたマップを参照して、成層燃焼用の点火
時期を検索する成層用点火時期検索手段と、前記燃焼方
式切換制御手段の切換制御に従って、均質燃焼時に前記
均質用点火時期演算手段による点火時期に制御し、成層
燃焼時に前記成層用点火時期検索手段による点火時期に
制御する点火時期切換制御手段と、を設けたことを特徴
とする。
【0006】請求項2に係る発明では、前記均質用点火
時期演算手段は、前記燃焼方式切換制御手段の切換制御
に従って、均質燃焼時のみ所定の演算間隔で作動するも
のとし、前記成層用点火時期検索手段は、前記燃焼方式
切換制御手段の切換制御に従って、成層燃焼時のみ所定
の演算間隔で作動するものとしたことを特徴とする。請
求項3に係る発明では、前記均質用点火時期演算手段
は、シリンダ内総ガス重量の算出手段と、未燃ガス密度
の算出手段と、火炎速度の算出手段とを有し、これらに
基づいて、MBTを演算するものであることを特徴とす
る。
【0007】請求項4に係る発明では、前記均質用点火
時期演算手段は、シリンダ内総ガス重量を未燃ガス密度
及び火炎速度で割った値に所定の着火遅れ時間を加算
し、この加算値を機関回転数によってクランク角に単位
変換して、MBTを演算するものであることを特徴とす
る。請求項5に係る発明では、前記成層用点火時期検索
手段は、機関回転数と負荷とを機関運転状態のパラメー
タとして、成層燃焼用の点火時期を定めたマップを参照
して、成層燃焼用の点火時期を検索するものであること
を特徴とする。
【0008】請求項6に係る発明では、前記燃焼方式切
換制御手段は、機関運転条件に応じ、均質燃焼と成層燃
焼とのいずれの燃焼方式を選択するかを判定する燃焼方
式判定手段と、燃焼方式の判定結果に従って、各気筒毎
に、順次、燃焼方式に対応した燃料噴射量及び噴射時期
の燃料噴射方式に制御する気筒別燃料噴射制御手段と、
からなり、前記均質用点火時期演算手段及び前記成層用
点火時期検索手段は、前記燃焼方式判定手段の判定結果
に従って、いずれか一方が作動するものとし、前記点火
時期切換制御手段は、前記気筒別燃料噴射制御手段によ
る各気筒毎の燃料噴射方式に従って、各気筒毎に点火時
期を制御するものとしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、均質燃焼
時には、MBT演算式を用いて、均質燃焼用のMBT相
当の点火時期を演算するが、成層燃焼時には、マップを
用いて、成層燃焼用の点火時期を検索する方式とするこ
とにより、成層燃焼時に進角し過ぎることを防止して、
最適な燃焼を実現することができるという効果が得られ
る。
【0010】請求項2に係る発明によれば、均質燃焼時
には均質用点火時期演算手段のみを作動させ、成層燃焼
時には成層用点火時期検索手段のみを作動させるので、
特に成層燃焼時に、MBT演算式を用いないことで、演
算負荷を低減できる。請求項3に係る発明によれば、シ
リンダ内総ガス重量と、未燃ガス密度と、火炎速度とに
基づいて、MBTを演算することで、MBTを正確に演
算でき、良好な均質燃焼を実現することができる。
【0011】請求項4に係る発明によれば、シリンダ内
総ガス重量を未燃ガス密度及び火炎速度で割った値に所
定の着火遅れ時間を加算し、この加算値を機関回転数に
よってクランク角に単位変換して、MBTを演算するこ
とで、更に正確にMBTを演算できる。請求項5に係る
発明によれば、機関回転数と負荷とをパラメータとし
て、成層燃焼用の点火時期のマップを設定することによ
り、成層燃焼用の点火時期を最適なものとすることがで
きる。
【0012】請求項6に係る発明によれば、燃焼方式の
判定結果に従って、均質用点火時期演算手段と成層用点
火時期検索手段とのいずれかを作動させる一方、各気筒
毎の実際の燃焼方式(燃料噴射方式)に従って、各気筒
毎に点火時期を制御することで、各気筒毎の燃料噴射制
御と点火時期制御とが対応したものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。図2は実施の一形態を示す内燃機関のシス
テム図である。先ず、これについて説明する。車両に搭
載される内燃機関1の各気筒の燃焼室には、エアクリー
ナ2から吸気通路3により、電制スロットル弁4の制御
を受けて、空気が吸入される。また、スワール制御弁5
が設けられており、ポート断面積を制御して燃焼室に吸
入される空気の流動を制御可能である。
【0014】そして、燃焼室内に燃料(ガソリン)を直
接噴射するように、電磁式の燃料噴射弁(インジェク
タ)6が設けられている。燃料噴射弁6は、後述するコ
ントロールユニット20から機関回転に同期して吸気行
程又は圧縮行程にて出力される噴射パルス信号によりソ
レノイドに通電されて開弁し、所定圧力に調圧された燃
料を噴射するようになっている。そして、噴射された燃
料は、吸気行程噴射の場合は燃焼室内に拡散して均質な
混合気を形成し、また圧縮行程噴射の場合は点火栓7回
りに集中的に層状の混合気を形成し、後述するコントロ
ールユニット20からの点火信号に基づき、点火栓7に
より点火されて、燃焼(均質燃焼又は成層燃焼)する。
【0015】機関1からの排気は排気通路8より排出さ
れ、排気通路8には排気浄化用の触媒9が介装されてい
る。また、排気の一部は電制EGR弁10を介してEG
R通路11により吸気通路3のスロットル弁4下流(吸
気マニホールド)に還流される。コントロールユニット
20は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入
出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコ
ンピュータを備え、各種センサからの入力信号を受け、
これに基づいて演算処理して、燃料噴射弁6及び点火栓
7などの作動を制御する。
【0016】前記各種センサとしては、機関1のクラン
ク軸又はカム軸回転を検出するクランク角センサ21,
22が設けられている。これらのクランク角センサ2
1,22は、気筒数をnとすると、クランク角720°
/n毎に、予め定めたクランク角位置(例えば圧縮上死
点前110°)で基準パルス信号REFを出力すると共
に、1〜2°毎に単位パルス信号POSを出力するもの
で、基準パルス信号REFの周期などから機関回転数N
eを算出可能である。また特に、カム軸センサ22はク
ランク角720°毎に予め定めたクランク角位置で特定
気筒に対応する気筒判別信号PHASEを出力し、これ
により気筒判別が可能となる。
【0017】この他、吸気通路3のスロットル弁4上流
で吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ23、
アクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)ACCを検
出するアクセルセンサ24、スロットル弁4の開度TV
Oを検出するスロットルセンサ25(スロットル弁4の
全閉位置でONとなるアイドルスイッチを含む)、機関
1の冷却水温Twを検出する水温センサ26、排気通路
8にて排気空燃比のリッチ・リーンに応じた信号を出力
するO2 センサ27、車速VSPを検出する車速センサ
28などが設けられている。
【0018】次に、コントロールユニット20により行
われる燃料噴射制御及び点火制御について、図3〜図8
のフローチャートにより説明する。図3は燃料噴射量・
噴射時期演算ルーチンであり、10msジョブとして実
行される。ステップ1(図にはS1と記す。以下同様)
では、均質燃焼要求か、成層燃焼要求かを判定する。
【0019】ここで、均質燃焼とするか、成層燃焼とす
るかは、次のように定める。先ず、機関回転数Neと目
標機関トルクtTeとを機関運転状態のパラメータとし
て基本目標当量比TFBYA0を定めたマップを、水温
Tw、始動後時間などの条件別に複数備えていて、これ
らの条件から選択されたマップより、実際の機関運転状
態のパラメータに従って基本目標当量比TFBYA0を
設定する。尚、目標機関トルクtTeは、アクセル開度
ACC及び車速VSPより設定される目標駆動力tTd
をベースとし、変速比及びトルク比を考慮して、定め
る。
【0020】次に、マップから求められた基本目標当量
比TFBYA0を燃焼効率等により補正すると共に、1
次遅れを与えて、実際の燃料噴射量演算に用いる目標当
量比TFBYAを得る。ここでいう目標当量比TFBY
Aは、目標燃空補正係数ともいい、目標空燃比をtAF
とすると、14.6/tAFで表される。そして、この
目標当量比TFBYAが燃焼方式の切換判定用の閾値を
横切ったときに、燃焼方式の切換要求(均質燃焼への切
換要求又は成層燃焼への切換要求)を発生させ、この要
求に基づいて判定する(図9及び図10参照)。
【0021】均質燃焼要求の場合は、ステップ2で、均
質燃焼用の目標当量比TFBYAを演算し、これを用い
て、均質用噴射量CTIHを次式により演算する。 CTIH=Tp×TFBYA×α+Ts 尚、Tpはストイキ相当の基本燃料噴射量であり、Tp
=K×Qa/Ne(Kは定数)により求める。αはO2
センサ信号に基づく空燃比フィードバック補正係数であ
り、リーン運転時は=1にクランプされる。Tsはバッ
テリ電圧に依存する無効噴射時間補正分である。
【0022】そして、ステップ3で、均質燃焼の場合の
吸気行程噴射時期前の気筒に対する制御用の均質用噴射
量TISETHn =CTIHとしてセットする。そし
て、ステップ4で、その気筒の気筒別均質要求フラグF
HDMDn を1にセットする。成層燃焼要求の場合は、
ステップ5で、成層燃焼用の目標当量比TFBYAを演
算し、これを用いて、成層用噴射量CTISを次式によ
り演算する。
【0023】CTIS=Tp×TFBYA×α+Ts 最終的な計算式は、均質燃焼の場合と同じであるが、目
標当量比TFBYAを求める過程で用いるマップ等が異
なるため、別々に演算する。また、成層燃焼の場合、空
燃比フィードバック補正係数αは常に=1にクランプさ
れる。そして、ステップ6で、均質燃焼の場合の吸気行
程噴射時期前の気筒に対する制御用の成層用噴射量TI
SETSn =CTISとしてセットする。
【0024】そして、ステップ7で、その気筒の気筒別
均質要求フラグFHDMDn を0にする。これらの後、
ステップ8,9へ進む。ステップ8では、燃料噴射量
(均質用噴射量CTIH)と機関回転数Neとを機関運
転状態のパラメータとして吸気行程中に均質用噴射時期
TITMHを定めたマップ(図11参照)から、均質用
噴射時期TITMHを検索する。
【0025】ステップ9では、燃料噴射量(成層用噴射
量CTIS)と機関回転数Neとを機関運転状態のパラ
メータとして圧縮行程中に成層用噴射時期TITMSを
定めたマップ(図11参照)から、成層用噴射時期TI
TMSを検索して、本ルーチンを終了する。このよう
に、均質燃焼要求のときは均質用噴射量CTIHのみを
演算して、成層用噴射量CTISの演算を行わず、逆
に、成層燃焼要求のときは成層用噴射量CTISのみを
演算して、均質用噴射量CTIHの演算を行わないよう
にすることで、演算負荷を低減できる。
【0026】これに対し、均質用噴射時期TITMH及
び成層用噴射時期TITMSについては、常に同時に演
算することで、切換えをスムーズに行うことができるよ
うにしている。図4は噴射時期セットルーチンであり、
REFジョブとして、すなわち、基準パルス信号REF
の発生に同期して実行される。
【0027】ステップ11では、均質用噴射時期TIT
MHを読込む。ステップ12では、読込んだ最新の均質
用噴射時期TITMHに基づき、気筒毎に、均質燃焼す
る場合の吸気行程噴射時期までの基準パルス信号REF
の待ち数INJOFHn と、直前の基準パルス信号RE
Fから噴射時期までの単位パルス信号POSの待ち数
(角度)ANGTMHn とを算出し、それぞれの減算カ
ウンタにセットする。
【0028】ステップ13では、成層用噴射時期TIT
MSを読込む。ステップ14では、読込んだ最新の成層
用噴射時期TITMSに基づき、気筒毎に、成層燃焼す
る場合の圧縮行程噴射時期までの基準パルス信号REF
の待ち数INJOFSn と、直前の基準パルス信号RE
Fから噴射時期までの単位パルス信号POSの待ち数
(角度)ANGTMSn とを算出し、それぞれの減算カ
ウンタにセットして、本ルーチンを終了する。
【0029】このように、均質用噴射時期TITMH及
び成層用噴射時期TITMSについては、常に同時に演
算するのみならず、両方をセットしておくことで、切換
えをスムーズに行うことができるようにしている。尚、
INJOFHn 及びINJOFSn の各減算カウンタ
は、その後、基準パルス信号REFをカウントして減算
され、ANGTMHn 及びANGTMSn の各減算カウ
ンタは、対応するINJOFHn 及びINJOFSn の
減算カウンタが0となった後、単位パルス信号POSを
カウントして減算される。
【0030】図5は燃料噴射制御ルーチンであり、PO
Sジョブとして、すなわち、単位パルス信号POSの発
生に同期して実行される。ステップ21では、均質用噴
射時期検出用のANGTMHn の減算カウンタが0にな
ったか否かを判定し、YESの場合に、ステップ22へ
進む。ステップ22では、該当する気筒について、気筒
別均質要求フラグFHDMDn =1か否かを判定し、F
HDMDn =1の場合は、均質燃焼のための燃料噴射を
実行すべく、ステップ23へ進む。
【0031】ステップ23では、その気筒の均質用噴射
量TISETHn を読込んで、セットする。そして、ス
テップ24で、その気筒の燃料噴射弁にTISETHn
に対応するパルス幅の噴射パルス信号を出力して、燃料
噴射を行わせる。そして、ステップ25で、均質噴射実
行フラグFHINJEXn を1にセットする。ステップ
22での判定で気筒別均質要求フラグFHDMDn =0
の場合、すなわち成層要求の場合は、均質噴射をするこ
となく、ステップ26へ進み、均質噴射実行フラグFH
INJEXn を0にする。
【0032】一方、ステップ27では、成層用噴射時期
検出用のANGTMSn の減算カウンタが0になったか
否かを判定し、YESの場合に、ステップ28へ進む。
ステップ28では、該当する気筒について、均質噴射実
行フラグFHINJEXn =1か否かを判定し、FHI
NJEXn =1の場合は、均質燃焼のための燃料噴射を
行ったのであるから、2重噴射避けるべく、成層噴射を
行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0033】FHINJEXn =0の場合は、成層燃焼
のための燃料噴射を実行すべく、ステップ29へ進む。
ステップ29では、その気筒の成層用噴射量TISET
Sn を読込んで、セットする。そして、ステップ30
で、その気筒の燃料噴射弁にTISETSn に対応する
パルス幅の噴射パルス信号を出力して、燃料噴射を行わ
せ、本ルーチンを終了する。
【0034】このように、気筒毎に均質用噴射時期と成
層用噴射時期との両方を設定しておいて、各気筒の均質
用噴射時期(ANGTMHn =0)にて、燃焼方式の判
定結果に従って、気筒別均質要求有り(FHDMDn =
1)の場合にのみ、均質燃焼用の燃料噴射を実行し、各
気筒の成層用噴射時期(ANGTMSn =0)にて、直
前の均質燃焼用の燃料噴射の実行・非実行から、非実行
(FHINJEXn =0)の場合のみ、成層燃焼用の燃
料噴射を実行するようにしている。
【0035】尚、図3〜図5のルーチンが燃焼方式切換
制御手段に相当し、特に、図3のステップ1の部分が燃
焼方式判定手段に相当し、図3のステップ2〜9、図4
のステップ11〜14、図5のステップ21〜30の部
分が気筒別燃料噴射制御手段に相当する。図6は点火時
期演算ルーチンであり、10msジョブとして実行され
る。
【0036】ステップ31では、均質燃焼要求か、成層
燃焼要求かを判定する。均質燃焼要求の場合は、ステッ
プ32,33へ進んで、均質用点火時期ADVHを演算
する。具体的には、ステップ32で、後述する図12の
MBT演算サブルーチンに従い、MBT演算式を用い
て、MBT演算値(MBTCAL)を求め、ステップ3
3で、均質用点火時期ADVH=MBTCALに設定す
る。
【0037】成層燃焼要求の場合は、ステップ34へ進
んで、成層用点火時期ADVSを演算する。具体的に
は、機関回転数Neと基本燃料噴射量Tp(又は目標機
関トルクtTe)とを機関運転状態のパラメータとして
成層用点火時期ADVSを定めたマップから、成層用点
火時期ADVSを検索する。特性的には、均質燃焼の場
合のMBTよりも遅角側の設定となる。
【0038】このように、均質燃焼要求のときは均質用
点火時期ADVHのみを演算して、成層用点火時期AD
VSの演算を行わず、逆に、成層燃焼要求のときは成層
用点火時期ADVSのみを演算して、均質用点火時期A
DVHの演算を行わないようにすることで、演算負荷を
低減できる。また、均質燃焼の場合は、MBT演算式を
適用可能であるが、成層燃焼の場合は、条件が大きく異
なり、MBT演算式を適用すると不都合を生じるので、
マップを用いて、適正な点火時期を演算できるようにし
ている。
【0039】図7は点火時期セットルーチンであり、R
EFジョブとして実行される。ステップ41では、点火
気筒について、均質噴射実行フラグFHINJEXn=
1か否かを判定する。均質噴射実行フラグFHINJE
Xn =1の場合は、均質燃焼のための燃料噴射(吸気行
程噴射)を行っているので、ステップ42へ進んで、制
御用の点火時期ADVを均質用点火時期ADVHに設定
する。
【0040】均質噴射実行フラグFHINJEXn =0
の場合は、成層燃焼のための燃料噴射(圧縮行程噴射)
を行っているので、ステップ43へ進んで、制御用の点
火時期ADVを成層用点火時期ADVSに設定する。こ
のように、燃料噴射方式に応じて、点火時期を設定する
のである。次に、ステップ44で、点火時期ADVは圧
縮上死点からの点火進角[°BTDC]であるため、基
準信号REFから圧縮上死点までのクランク角度をCR
SET#(例えば110°)とすると、次式により、基
準信号REF(現時点)から点火時期までのクランク角
度FADVを算出する。
【0041】FADV=CRSET#−ADV そして、ステップ45で、FADVを減算カウンタにセ
ットして、本ルーチンを終了する。尚、FADVの減算
カウンタは、その後、単位パルス信号POSをカウント
して減算される。
【0042】図8は点火制御ルーチンであり、POSジ
ョブとして実行される。ステップ51では、点火時期検
出用のFADVの減算カウンタが0になったか否かを判
定し、YESの場合に、ステップ52へ進む。ステップ
52では、点火気筒に対し、点火信号を出力して、点火
を行わせる。尚、図6のステップ31の部分が燃焼方式
判定手段に相当し、図6のステップ32,33の部分が
均質用点火時期演算手段に相当し、図6のステップ34
の部分が成層用点火時期検索手段に相当する。また、図
7のステップ41〜43の部分が点火時期切換制御手段
に相当する。
【0043】次に、図9及び図10を参照して、燃焼方
式の切換えの様子を説明する。尚、この例は6気筒の場
合で、点火順序で#1〜#4気筒についてのみ示してあ
る。図9は成層燃焼から均質燃焼へ切換える場合であ
る。目標当量比TFBYAが閾値を超えて、均質燃焼へ
の切換要求が判定されると、均質燃焼の場合の吸気行程
噴射時期直前の#4気筒から、均質燃焼へ切換られる。
【0044】すなわち、均質燃焼への切換要求が判定さ
れると、その時点で均質用噴射量CTIHが演算され、
その演算が終了すると、均質燃焼の場合の吸気行程噴射
時期直前の#4気筒から、気筒別均質要求(FHDMD
n =1)がセットされる。このとき、#4気筒では、そ
の直前の基準パルス信号REFの発生時に均質用噴射時
期TITMHと成層用噴射時期TITMSとがセットさ
れていて、均質用噴射時期の減算カウンタ(ANGTM
Hn )は減算途中にあり、その減算カウンタが0になっ
た時点で、気筒別均質要求(FHDMDn =1)が判定
され、均質用噴射がなされる。
【0045】その後、#4気筒では、すでに成層用噴射
時期TITMSもセットされていて、その直前の基準パ
ルス信号REFから、成層用噴射時期の減算カウンタ
(ANGTMSn )も減算を開始するが、その減算カウ
ンタが0になった時点では、均質噴射実行済み(FHI
NJEXn =1)のため、成層用噴射(2重噴射)がな
されることはない。
【0046】点火制御については、均質燃焼への切換要
求が判定されると、その時点から均質用点火時期ADV
Hが演算され、#4気筒の点火時期直前の基準パルス信
号REFの発生時に、均質噴射実行済み(FHINJE
Xn =1)かを判定し、実行済みであるので、点火時期
ADVを最新の均質用点火時期ADVHにセットして、
点火制御を行う。
【0047】一方、成層燃焼の最後となる#3気筒につ
いては、均質燃焼への切換要求が判定された時点では、
均質燃焼の場合の吸気行程噴射時期を過ぎているため、
気筒別均質要求(FHDMDn =1)はセットされず、
その後に、成層用噴射時期の減算カウンタ(ANGTM
Sn )が0になった時点で、成層用噴射がなされる。こ
のとき、成層用噴射量CTISの新たな演算は停止され
ており、保持されている最終の演算値が用いられる。
【0048】#3気筒の点火制御については、#3気筒
の点火時期直前の基準パルス信号REFの発生時に、均
質噴射実行済み(FHINJEXn =1)かを判定し、
実行済みではないので、点火時期ADVを成層用点火時
期ADVSにセットして、点火制御を行う。このとき、
成層用点火時期ADVSの新たな演算は停止されてお
り、保持されている最終の演算値が用いられる。
【0049】図10は均質燃焼から成層燃焼へ切換える
場合である。目標当量比TFBYAが閾値を下回って、
成層燃焼への切換要求が判定されると、均質燃焼の場合
の吸気行程噴射時期直前の#4気筒から、成層燃焼へ切
換られる。すなわち、成層燃焼への切換要求が判定され
ると、その時点で成層用噴射量CTISが演算され、そ
の演算が終了すると、均質燃焼の場合の吸気行程噴射時
期直前の#4気筒から、FHDMDn =0(気筒別成層
要求)となる。
【0050】このとき、#4気筒では、その直前の基準
パルス信号REFの発生時に均質用噴射時期TITMH
と成層用噴射時期TITMSとがセットされていて、均
質用噴射時期の減算カウンタ(ANGTMHn )は減算
途中にあり、その減算カウンタが0になった時点で、気
筒別均質要求(FHDMDn =1)が判定されるが、、
FHDMDn =0(気筒別成層要求)のため、均質用噴
射がなされことはない。
【0051】その後、#4気筒では、すでに成層用噴射
時期TITMSもセットされていて、その直前の基準パ
ルス信号REFから、成層用噴射時期の減算カウンタ
(ANGTMSn )も減算を開始し、その減算カウンタ
が0になった時点で、均質噴射実行済み(FHINJE
Xn =1)か判定され、実行済みではないため、成層用
噴射がなされる。
【0052】点火制御については、成層燃焼への切換要
求が判定されると、その時点から成層用点火時期ADV
Sが演算され、#4気筒の点火時期直前の基準パルス信
号REFの発生時に、均質噴射実行済み(FHINJE
Xn =1)かを判定し、実行済みではないので、点火時
期ADVを最新の成層用点火時期ADVSにセットし
て、点火制御を行う。
【0053】一方、均質燃焼の最後となる#3気筒につ
いては、成層燃焼への切換要求が判定された時点では、
均質燃焼の場合の吸気行程噴射時期を過ぎて、均質用噴
射を終了しているため、その後に、成層用噴射時期の減
算カウンタ(ANGTMSn)が0になった時点は、均
質噴射実行済み(FHINJEXn =1)のため、成層
用噴射がなされことはない。
【0054】#3気筒の点火制御については、#3気筒
の点火時期直前の基準パルス信号REFの発生時に、均
質噴射実行済み(FHINJEXn =1)かを判定し、
実行済みであるので、点火時期ADVを均質用点火時期
ADVHにセットして、点火制御を行う。このとき、均
質用点火時期ADVHの新たな演算は停止されており、
保持されている最終の演算値が用いられる。
【0055】最後に、図12のMBT演算サブルーチン
について説明する。尚、これは特願平8−183637
号や特願平8−238784号にて提案されているもの
である。ステップ101では、シリンダ吸入空気量相当
の基本燃料噴射量Tpを用いて、次式により、充填効率
ITACを計算する。
【0056】 ITAC=Tp/Tp100 ・・・(1) 但し、Tp100は、100%の充填効率に相当するT
pの適合固定値である。ステップ102では、目標当量
比TFBYAを用いて、次式により、燃料重量相当係数
FUELGを計算する。
【0057】 FUELG=TFBYA0/14.6 ・・・(2) 例えば理論空燃比のときは、FUELG=1.0/1
4.6となり、リーン空燃比のときは、1.0/14.
6より小さな値となる。ステップ103では、シリンダ
内ガス重量(新規空気重量GAIR と自己残留ガス重量G
REG との合計)と新規空気重量(GAIR )との比である
新気割合ITANを計算する。具体的には、充填効率I
TACと機関回転数Neより所定のマップを検索して求
める。
【0058】ステップ104では、充填効率ITACよ
り、所定のテーブルを検索して、未燃ガス密度基本値D
ENSを求める。この未燃ガス密度基本値DENSはI
TACが大きくなるにつれて大きくなる値である。ステ
ップ105では、充填効率ITACと機関回転数Neよ
り、所定のマップを検索して、層流火炎速度基本値FL
MLを求める。層流火炎速度とはガスが静止している場
合の火炎伝播速度、すなわち流動(乱れ)がない場合の
火炎伝播速度のことである。従って、この層流火炎速度
基本値FLMLは機関回転数Nが一定の条件ではITA
Cが大きくなるほど大きくなり、またITACが一定の
ときは機関回転数Nが高くなるほど大きくなる値であ
る。
【0059】ステップ106では、先ず、スワール制御
弁開度より、所定のテーブルを検索して、スワール制御
弁開度係数SCADMPを求める。次に、このスワール
制御弁開度係数SCADMPを用いて、次式により、ス
ワール修正係数SCVTFを計算する。 SCVTF=SCADMP×SCVK+1.0 ・・・(3) 但し、SCVKは適合係数。
【0060】このスワール修正係数SCVTFは、スワ
ール制御弁の全閉時に乱れが強くなることによって火炎
速度が速くなる割合を示す値である。この値はスワール
制御弁開度により定まるので、スワール制御弁の全開位
置で0、全閉位置で1となり、中間開度では線形補間に
より計算される値を、スワール制御弁開度係数SCAD
MPとして用いる。また、機関の吸気ポートの形状によ
って異なるので、適合係数SCVKは機関ごとに定め
る。
【0061】ステップ107では、水温Twより、所定
のテーブルを検索して、水温補正係数TWHOS1、T
WHOS2を求める。ステップ108では、目標当量比
TFBYAより、所定のテーブルを検索して、当量比補
正係数RMDHS1、RMDHS2を求める。ステップ
109では、先ず、充填効率ITACと機関回転数Ne
より、所定のマップを検索して、設定EGR率RATE
GRを求める。この設定EGR率RATEGRは、EG
Rガス流量/(新規空気流量+EGRガス流量)として
定義される値である。次に、この設定EGR率RATE
GRを用いて、次式により、修正EGR値EGRCを計
算する。
【0062】 EGRC=RATEGR×HK ・・・(4) ここで、HKは補正係数(一定値)で、実際のEGR率
と設定EGR率とのずれを修正するために、機関ごとに
適合される。ステップ110では、充填効率ITAC、
修正EGR値EGRC、燃料重量相当係数FUELG、
新気割合ITANを用いて、次式により、シリンダ内総
ガス質量(正確には単位シリンダ容積当たりの値)MA
SSCを計算する。
【0063】 MASSC=ITAC ×〔1+EGRC+FUELG+(1−ITAN)/ITAN〕 ・・・(5) この式において、右辺第2項、第3項、第4項はそれぞ
れEGR、空燃比、自己残留ガスがシリンダ内総ガス質
量に及ぼす影響を考慮したものである。
【0064】ステップ111では、層流火炎速度基本値
FLML、当量比補正係数RMDHS2、水温補正係数
TWHOS2、スワール修正係数SCVTFなどを用い
て、次式により、火炎伝播速度FLVを計算する。 FLV=FLML×RMDHS2×TWHOS2×(1−A2×EGR0) +FLMT×SCVTF×A3 ・・・(6) 但し、A2:火炎速度補正係数 A3:火炎速度補正係数 EGR0:EGR補正係数 FLMT:乱流火炎速度基本値(固定値)。
【0065】この式において、右辺第1項はスワールが
ないときの火炎速度、右辺第2項はスワールによる火炎
速度の改善分である。右辺第1項において、RMDHS
2は空燃比(目標当量比TFBYA)が層流火炎速度に
与える影響を、またTWHOS2は冷却水温Twが層流
火炎速度に与える影響をそれぞれ考慮するものである。
【0066】また、右辺第1項のEGR補正係数EGR
0はEGRを行うときに火炎速度が遅くなるために必要
となる値で、設定EGR率と新気割合より算出する。係
数A2は一定値で機関ごとに適合する。右辺第2項の乱
流火炎速度基本値FLMTはスワール制御弁の全閉状態
でフィッシュフック実験を行って定めた値(固定値)で
ある。従って、スワール制御弁が全閉位置にない中間開
度にあるときは、スワール修正係数SCVTFによりF
LMTを減量補正するようにしている。係数A3は機関
回転数Neに比例する値である。
【0067】ステップ112では、未燃ガス密度基本値
DENS、当量比補正係数RMDHS1、水温補正係数
TWHOS1を用いて、次式により、未燃ガス密度RO
Uを計算する。 ROU=DENS×RMDHS1×TWHOS1 ・・・(7) この式において、TWHOS1は冷却水温Twが未燃ガ
ス密度に与える影響を、また RMDHS1は空燃比
(目標当量比TFBYA)が未燃ガス密度に与える影響
を考慮するものである。
【0068】このようにして、シリンダ内総ガス質量M
ASSC、火炎速度FLV、未燃ガス密度ROUを計算
したら、ステップ113へ進む。ステップ113では、
これらを用いて、次式により、MBT演算値MBTCA
L[°BTDC]を計算する。 MBTCAL=〔B1+A1×MASSC/(ROU×FLV)〕 ×B2−B3 ・・・(8) 但し、B1:着火遅れ時間 B2:時間よりクランク角への換算変数 B3:MBTCAL演算用クランク角補正係数。
【0069】また、A1=ρ0×Vcyl で、ρ0は標準
空気密度、Vcyl は行程容積である。従って、A1×M
ASSCは、シリンダ内総空気重量である。燃焼時のシ
リンダ内圧力が最大となるクランク角位置が圧縮上死点
後所定のクランク角(10°〜15°)の位置にくるよ
うに設定したときの点火時期がMBTである。この場合
に、従来一般にはMBTを基本点火時期として採用し、
機関回転数と負荷とをパラメータとする基本点火時期の
マップを適合実験により予め定めておくのに対して、こ
こでは演算式によりMBTを定量化したものである。
【0070】この(8)式において、シリンダ内総ガス
重量であるA1×MASSCを未燃ガス密度ROUと火
炎速度FLVとの積で割った値はシリンダ内の未燃ガス
の全てに火炎が達する時間(燃焼時間)で、ロジック上
は[ms]の単位となる。この燃焼時間に着火遅れ時間
B1[ms]を加えた値を換算変数B2によりクランク
角単位に換算することによって、MBTが得られる点火
進角値を決定しているのである。
【0071】この式により、火炎速度FLVが一定のと
きは、シリンダ内総ガス重量が多くなるほど燃焼に要す
る時間が長くなるので、その分MBTCALの値が進角
側に、またシリンダ内総ガス重量が一定のときは火炎速
度FLVが速くなるほど燃焼に要する時間が短くなり、
その分MBTCALの値が遅角側に移動する。さらに燃
焼に要する時間が一定であっても、その時間に対応する
クランク角区間は回転数により変化し、回転数が速いほ
どMBTCALを進角側にしなければならないので、換
算変数B2を機関回転数Neに比例させている。B1、
B3は一定値で、機関ごとに適合する。
【0072】ここで、基本点火時期マップを用いたMB
T制御方式では、機関回転数及び負荷の代表点に対応し
て多大な適合実験を必要とするのに対して、独自の演算
式によるMBT制御方式では、少ない実験によりMBT
演算式の適合が可能であり、開発期間を短縮化すること
ができると共に、コントロールユニットのメモリが削減
されるため、低コスト化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の実施の一形態を示す内燃機関のシス
テム図
【図3】 燃料噴射量・噴射時期演算ルーチンのフロー
チャート
【図4】 噴射時期セットルーチンのフローチャート
【図5】 燃料噴射制御ルーチンのフローチャート
【図6】 点火時期演算ルーチンのフローチャート
【図7】 点火時期セットルーチンのフローチャート
【図8】 点火制御ルーチンのフローチャート
【図9】 成層燃焼から均質燃焼への切換えの様子を示
す図
【図10】 均質燃焼から成層燃焼への切換えの様子を示
す図
【図11】 噴射時期設定用マップを示す図
【図12】 MBT演算サブルーチンのフローチャート
【符号の説明】
1 内燃機関 3 吸気通路 4 電制スロットル弁 5 スワール制御弁 6 燃料噴射弁 7 点火栓 8 排気通路 10 電制EGR弁 20 コントロールユニット 21,22 クランク角センサ 23 エアフローメータ 24 アクセルセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G05B 11/36 501 G05B 11/36 501F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関の燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料
    噴射弁を備えると共に、機関運転条件に応じ、吸気行程
    にて燃料を噴射させて行う均質燃焼と、圧縮行程にて燃
    料を噴射させて行う成層燃焼とを切換制御する燃焼方式
    切換制御手段を備える直噴火花点火式内燃機関におい
    て、 機関運転状態のパラメータに基づき、予め定めたMBT
    演算式により、均質燃焼用のMBT相当の点火時期を演
    算する均質用点火時期演算手段と、 機関運転状態のパラメータに基づき、予め定めたマップ
    を参照して、成層燃焼用の点火時期を検索する成層用点
    火時期検索手段と、 前記燃焼方式切換制御手段の切換制御に従って、均質燃
    焼時に前記均質用点火時期演算手段による点火時期に制
    御し、成層燃焼時に前記成層用点火時期検索手段による
    点火時期に制御する点火時期切換制御手段と、 を設けたことを特徴とする直噴火花点火式内燃機関の点
    火時期制御装置。
  2. 【請求項2】前記均質用点火時期演算手段は、前記燃焼
    方式切換制御手段の切換制御に従って、均質燃焼時のみ
    所定の演算間隔で作動するものとし、前記成層用点火時
    期検索手段は、前記燃焼方式切換制御手段の切換制御に
    従って、成層燃焼時のみ所定の演算間隔で作動するもの
    としたことを特徴とする請求項1記載の直噴火花点火式
    内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 【請求項3】前記均質用点火時期演算手段は、シリンダ
    内総ガス重量の算出手段と、未燃ガス密度の算出手段
    と、火炎速度の算出手段とを有し、これらに基づいて、
    MBTを演算するものであることを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の直噴火花点火式内燃機関の点火時期
    制御装置。
  4. 【請求項4】前記均質用点火時期演算手段は、シリンダ
    内総ガス重量を未燃ガス密度及び火炎速度で割った値に
    所定の着火遅れ時間を加算し、この加算値を機関回転数
    によってクランク角に単位変換して、MBTを演算する
    ものであることを特徴とする請求項3記載の直噴火花点
    火式内燃機関の点火時期制御装置。
  5. 【請求項5】前記成層用点火時期検索手段は、機関回転
    数と負荷とを機関運転状態のパラメータとして、成層燃
    焼用の点火時期を定めたマップを参照して、成層燃焼用
    の点火時期を検索するものであることを特徴とする請求
    項1〜請求項4のいずれか1つに記載の直噴火花点火式
    内燃機関の点火時期制御装置。
  6. 【請求項6】前記燃焼方式切換制御手段は、機関運転条
    件に応じ、均質燃焼と成層燃焼とのいずれの燃焼方式を
    選択するかを判定する燃焼方式判定手段と、燃焼方式の
    判定結果に従って、各気筒毎に、順次、燃焼方式に対応
    した燃料噴射量及び噴射時期の燃料噴射方式に制御する
    気筒別燃料噴射制御手段と、からなり、 前記均質用点火時期演算手段及び前記成層用点火時期検
    索手段は、前記燃焼方式判定手段の判定結果に従って、
    いずれか一方が作動するものとし、 前記点火時期切換制御手段は、前記気筒別燃料噴射制御
    手段による各気筒毎の燃料噴射方式に従って、各気筒毎
    に点火時期を制御するものとしたことを特徴とする請求
    項1〜請求項5のいずれか1つに記載の直噴火花点火式
    内燃機関の点火時期制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6371078B1 (en) 1999-08-23 2002-04-16 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Method of controlling a direct fuel injection engine and storage medium storing the same
US6510835B1 (en) 1999-01-12 2003-01-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Device and method for controlling engines
JP2012233456A (ja) * 2011-05-09 2012-11-29 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関の制御装置
US8457866B2 (en) 2007-12-20 2013-06-04 Honda Motor Co., Ltd. Ignition timing control system for internal combustion engine

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