JPH10331062A - 連続フイラメント群の開繊方法 - Google Patents

連続フイラメント群の開繊方法

Info

Publication number
JPH10331062A
JPH10331062A JP13970197A JP13970197A JPH10331062A JP H10331062 A JPH10331062 A JP H10331062A JP 13970197 A JP13970197 A JP 13970197A JP 13970197 A JP13970197 A JP 13970197A JP H10331062 A JPH10331062 A JP H10331062A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filament group
corona discharge
contact body
electrode
continuous filament
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13970197A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukihiro Kihara
幸弘 木原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP13970197A priority Critical patent/JPH10331062A/ja
Publication of JPH10331062A publication Critical patent/JPH10331062A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不織ウエブの製造における連続フイラメント
群を均一かつ良好に開繊する方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性重合体からなる連続フイラメン
ト群を連続的あるいは間歇的に移動する曲面の接触体に
衝突させて接触摩擦帯電を発生させると同時に、あるい
はその直後に、該曲面の接触体をターゲツト電極とした
コロナ放電面状ターゲツト電極と、該ターゲツト電極に
対向して配設されたコロナ放電電極とにより形成される
コロナ放電電界中を通過させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続フイラメント
群を帯電させて開繊する方法に関し、詳細には熱可塑性
重合体からなる連続フイラメント群を紡糸口金装置から
溶融紡出し、該紡出フイラメント群を紡糸口金装置の下
流に該口金に対応して配設されたエアーサツカにより牽
引・引き取り、開繊した後、連続して移動式捕集面上に
捕集・堆積して連続フイラメントからなる不織ウエブを
形成する方法において、特に有用なフイラメント群の開
繊方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、スパンボンド法により連続フ
イラメントからなる不織ウエブを製造するに際して、紡
出フイラメント群を紡糸口金装置の下流に該口金に対応
して配設されたエアーサツカにより牽引・引き取り、開
繊した後、連続して移動式捕集面上に捕集・堆積するこ
とが行われている。そして、この連続フイラメント群の
開繊については、種々の方法が提案されており、例えば
連続フイラメント群に電荷を印加して開繊する方法、流
体を利用して開繊する方法あるいは機械力によって開繊
する方法、あるいはそれらを組み合わせた方法等が知ら
れている。これらの方法は、開繊の目的に応じて任意に
採用されるが、連続フイラメントからなる不織ウエブの
製造においては、均一なウエブを得るために、一般には
摩擦乃至接触による接触帯電やコロナ放電によりフイラ
メント群を帯電させて、フイラメント間の静電気的反発
力により開繊する方法が採用されている。
【0003】例えば、特公昭44−21817号公報に
は、フイラメント群をコロナ放電電界中に通過させ、コ
ロナ放電によってフイラメント群を帯電させる方法が提
案されている。しかしながら、この方法では、フイラメ
ント群に印加される電荷量が十分でなく、特にフイラメ
ント群中のフイラメント数を多くしたり、フイラメント
の単糸繊度を小さくした場合等に開繊状態が顕著に悪化
し、満足な開繊状態が得られない。また、フイラメント
群の溶融紡糸に際して低重合物を生じ易い熱可塑性重合
体を採用する場合、主として紡糸口金装置から気体状で
発生した低重合物が連続走行するフイラメント群とこれ
に随伴する空気流とにより下流方向に流れ、ときには空
気中の塵埃が随伴空気流により下流方向に流れ、連続操
業の時間経過と共にコロナ放電装置のコロナ放電面状電
極上に析出あるいは堆積してコロナ放電作用を徐々に低
下させ、その結果、コロナ放電により電荷を印加された
連続フイラメント群がコロナ放電面状電極に接触、付着
する等により満足な開繊状態が得られない。したがっ
て、フイラメント群が開繊されず束になった状態で堆積
される部分が発生する等、得られる不織布の均一性や品
位が極めて劣るという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの点
に鑑み、連続して走行するフイラメント群を均一かつ良
好に開繊する方法を提供するものである。特に、熱可塑
性重合体からなる連続フイラメント群を紡糸口金から溶
融紡出し、紡出フイラメント群を紡糸口金装置の下流に
該口金に対応して配設されたエアーサツカにより牽引・
引き取り、開繊した後、連続して移動式捕集面上に捕集
・堆積して連続フイラメントからなる不織ウエブを形成
する方法において、連続フイラメント群を極めて均一か
つ良好に、しかも経時的に安定して開繊し得る方法を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記問題を
解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。すなわ
ち、本発明は、以下の構成をその要旨とするものであ
る。熱可塑性重合体からなる連続フイラメント群を紡糸
口金装置から溶融紡出し、該紡出フイラメント群を紡糸
口金装置の下流に該口金に対応して配設されたエアーサ
ツカにより牽引・引き取り、開繊後、連続して移動式捕
集面上に捕集・堆積して連続フイラメントからなる不織
ウエブを形成する方法において、エアーサツカにより牽
引・引き取られた連続フイラメント群を該エアーサツカ
の下流に配設されかつ連続的あるいは間歇的に移動する
曲面の接触体に衝突させて接触摩擦帯電を発生させると
同時に、あるいはその直後に、該連続的あるいは間歇的
に移動する曲面の接触体をターゲツト電極としたコロナ
放電面状ターゲツト電極と、該ターゲツト電極に対向し
て配設されたコロナ放電電極とにより形成されるコロナ
放電電界中を通過させることを特徴とする連続フイラメ
ント群の開繊方法。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
本発明の特徴は、熱可塑性重合体からなる連続フイラメ
ント群を紡糸口金装置から溶融紡出し、該紡出フイラメ
ント群を紡糸口金装置の下流に該口金に対応して配設さ
れたエアーサツカにより牽引・引き取り、接触体と、該
接触体をターゲツト電極としたコロナ放電面状ターゲツ
ト電極と、該ターゲツト電極に対向して配設されたコロ
ナ放電電極とからなる開繊装置により開繊後、連続して
移動式捕集面上に捕集・堆積して連続フイラメントから
なる不織ウエブを形成するに際して、エアーサツカによ
り牽引・引き取られた連続フイラメント群を連続的ある
いは間歇的に移動する曲面の接触体に衝突させて接触摩
擦帯電を発生させると同時に、あるいはその直後に、該
連続的あるいは間歇的に移動する曲面の接触体をターゲ
ツト電極としたコロナ放電面状ターゲツト電極と、該タ
ーゲツト電極に対向して配設されたコロナ放電電極とに
より形成されるコロナ放電電界中を通過させることによ
り連続フイラメント群に極めて高い電荷量を印加してフ
イラメント群を十分かつ均一に開繊し、よって均一性と
品位に優れた不織ウエブを提供する点にある。
【0007】本発明の特徴を作用原理の面から説明す
る。本発明は、走行する連続フイラメント群により多く
の電荷を印加することによって従来得られなかった優れ
た開繊効果を得ようとするものであるが、これは走行フ
イラメント群を単にコロナ放電電極間に通すことにより
帯電させるだけでなく、それと同時に又はその直前にお
いてフイラメント群を接触体に衝突させることにより先
ず接触摩擦帯電させて静電気が蓄積されるためと考えて
いる。また、本発明の特徴は、接触体の形状を曲面とす
ることにより、接触体の下部は接触後のフイラメント群
と距離を保つことになるため、接触体に衝突後、反発し
た連続フイラメント群は再び曲面のターゲツト電極に接
触したり、あるいは付着することなく開繊装置より放出
される点にあり、再接触や付着によるフイラメント群の
走行の乱れが生じないため、捕集面上へのフイラメント
の堆積斑が生じることを防止できる。さらに、本発明の
特徴は、接触体を連続的あるいは間歇的に移動するもの
とすることにより、すなわち接触体を連続的あるいは少
なくとも間歇的に移動させることにより、コナロ放電面
状ターゲツト電極の汚れの部位と、走行フイラメント群
が連続的に接触体に衝突することにより生じる接触体の
磨耗部位あるいは表面粗度の変化した部位を更新する点
にあり、長時間にわたって良好な開繊状態を維持するこ
とができる。
【0008】ここで、本発明の方法を採用し得る熱可塑
性重合体としては、例えばポリエステル系重合体、ポリ
アミド系重合体あるいはポリオレフイン系重合体等の熱
可塑性合成重合体あるいはこれらの共重合体が挙げら
れ、いずれも繊維形成性を有するものであれば、特に限
定されるものではない。また、フイラメントの形態とし
ては、通常の単一重合体からなるものの他に、2種以上
の重合体が種々の形態に複合されたものであってもよ
い。さらに、フイラメントの横断面形状としては、通常
の丸型断面の他に、種々の異形断面あるいは中空断面で
あってもよい。
【0009】次に、図面に基づいて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。図1は、本発明の開繊方法を説明するための一実施
態様を示す模式図で、図2は、図1のターゲツト電極を
部分的に拡大した模式図である。また、図3は、比較の
開繊方法を説明するための模式図である。図1、3にお
いて、Yは紡糸口金装置1から溶融紡出された熱可塑性
重合体からなる連続フイラメント群、2は紡糸口金の下
流に該口金に対応して配設されたエアーサツカ、3はエ
アーサツカ2により牽引・引き取られた連続フイラメン
ト群、4はエアーサツカ2の下流に該エアーサツカ2に
対応して配設された曲面の接触体(ターゲツト電極)、
5は接触体(ターゲツト電極)4に対向して配設された
コロナ放電装置、51はコロナ放電装置5内のコロナ放
電電極、6は開繊・堆積されたフイラメント群、7は移
動式捕集面、aは曲面の接触体4に連続フイラメント群
3が接触する位置(接触点)、bは曲面の接触体4の接
触位置aでの接線である。
【0010】本発明の方法は、紡糸口金装置1から溶融
紡出された熱可塑性重合体からなる複数の連続フイラメ
ント群Yを紡糸口金装置1の下流に該口金に対応して配
設されたエアーサツカ2により牽引・引き取り、接触体
4と、該接触体4をターゲツト電極としたコロナ放電面
状ターゲツト電極と、該ターゲツト電極4に対向して配
設されたコロナ放電装置5内のコロナ放電電極51とか
らなる開繊装置により開繊後、連続して移動式捕集面7
上に捕集・堆積して連続フイラメント6からなる不織ウ
エブを形成するに際し、連続フイラメント群3を連続的
あるいは間歇的に移動する曲面の接触体4に衝突させて
接触摩擦帯電を発生させると同時に、あるいはその直後
に、該連続的あるいは間歇的に移動する曲面の接触体4
をターゲツト電極としたコロナ放電面状ターゲツト電極
と、該ターゲツト電極4に対向して配設されたコロナ放
電電極51とにより形成されるコロナ放電電界中を通過
させることにより連続フイラメント群3に極めて高い電
荷量を印加するのである。このとき、曲面の接触体4に
衝突した連続フイラメント群3は、静電気の反発力によ
り曲面の接触体4より離れ、その後、コロナ放電面状電
極4に再接触することなく開繊装置より放出される。
【0011】本発明における曲面の接触体4は、連続フ
イラメント群を衝突させて接触摩擦帯電を発生させると
共に、コロナ放電のターゲツト電極4として機能する。
接触体4は連続フイラメント群3との接触摩擦帯電が大
きくなる材質であり、耐久性や導電性を備えたものが要
求される。したがって、それら材質は、フイラメントの
素材、フイラメントの走行速度、連続フイラメント群と
接触体との接触角度の条件等により任意に選ぶことがで
き、例えば、ポリエステル系重合体の場合には銅、鉛又
はこれらの合金等、ポリアミド系重合体の場合にはクロ
ム又はクロムを主体とした合金等、ポリオレフイン系重
合体の場合には鉄又はクロム等の合金が用いられる。
【0012】本発明では、接触体4の形状を曲面とする
必要がある。連続フイラメント群には接触摩擦帯電及び
コロナ放電電界により極めて高い電荷を印加すべく、平
面の接触体を用いる場合は帯電後の連続フイラメント群
にコロナ放電面状ターゲツト電極の近傍を走行させる必
要があり、その結果、フイラメント群はコロナ放電面状
ターゲツト電極への接触あるいは付着を起こし、かえっ
て開繊性を低下させることになる。これを防止するた
め、本発明では、連続フイラメント群3が接触体4に衝
突後、連続フイラメント群と接触体4との距離が保てる
曲面の接触体を用いることが必要である。接触後、フイ
ラメント群が継続してターゲツト電極に接触したり付着
が起こるとフイラメント群の開繊性が低下し、またフイ
ラメント群の走行が乱れて、捕集面上でフイラメント群
の堆積が不均一になる。曲面の形状は連続フイラメント
群の開繊性を決定する上で重要であり、フイラメント群
の素材、連続フイラメント群3の接触体4への衝突速
度、接触帯電後のコロナ放電方法等により任意に選択す
ることができるが、ここでいう曲面とは、断面形状が
円、円の一部あるいは円の一部の組み合わせによりでき
た円柱状の曲面である。接触体4の表面粗度も任意であ
るが、望ましい開繊状態を得るには、平滑な方が好まし
い。
【0013】本発明では、連続フイラメント群の曲面の
接触体4への衝突速度はフイラメント群の素材、フイラ
メント群と接触体4との接触角度等の条件により任意に
設定するが、接触帯電により連続フイラメント群に高い
電荷を印加するためには、フイラメント群の衝突速度は
3000m/分以上が好ましい。連続フイラメント群と
この曲面の接触体4との接触角度は、連続フイラメント
群の接触摩擦帯電及び連続フイラメント群の走行状態等
を決定する上で重要であり、フイラメント群の接触体4
への衝突速度条件、フイラメント群の素材及び接触帯電
後のコロナ放電方法等により異なり、5〜80度の範囲
で任意に設定するが、操業性やフイラメント群の接触帯
電を効果的に行うには、15〜50度が好ましい。ここ
での接触角度とは、曲面の接触体4に連続フイラメント
群3が衝突する位置aにおける、曲面の接触体4の接線
bとその接触する連続フイラメント群3とがなす角度を
いい、図3に示したθである。
【0014】本発明において、接触体は、連続的あるい
は間歇的に移動するものとすることが必要である。連続
フイラメント群3の開繊状態は、フイラメント群の素
材、接触体4の曲面形状、連続フイラメント群3の接触
体4への衝突速度、接触帯電後のコロナ放電方法等の条
件により決定されるが、経時的に安定して開繊性を維持
するためには、接触体4の表面粗度が重要である。この
接触体4の表面粗度は、フイラメント群の素材、連続フ
イラメント群3の接触体4への衝突速度、連続フイラメ
ント群3とこの曲面の接触体4との接触角度等の条件に
より任意に選ばれるが、曲面の接触体4に連続フイラメ
ント群3が接触する位置(接触点)aとターゲツト電極
部の表面とは、細かな粗さが均一に連続していることが
望ましい。このために、かかる表面は、適当な研磨材で
均一に研磨しておくのがよい。
【0015】また、長時間にわたって良好な開繊状態を
維持するためには、曲面の接触体4に連続フイラメント
群3が接触する位置(接触点)aとターゲツト電極部の
表面とが上記の表面形態を維持することが必要となる。
このためには、コナロ放電面状ターゲツト電極の汚れの
部位と、走行フイラメント群が連続的に接触体に衝突す
ることにより生じる接触体の磨耗部位あるいは表面粗度
の変化した部位を、かかる曲面の接触体4を連続的ある
いは少なくとも間歇的に移動させることによって細かな
粗さを維持している部位と置換するとよい。このような
接触体4は、その形態を円柱型とし、例えば電動駆動式
ロール装置等の一般的な手段を採用すればよい。なお、
この接触体4の回転方向は、連続フイラメント群の走行
方向と同方向又は逆方向のいずれであってもよい。接触
体4の移動速度は、フイラメントの素材、フイラメント
の形態、接触体の材質と表面粗度等により任意に設定す
るが、通常、10mm/時間以上とすると本発明の効果
が顕著である。ここでの接触体4の移動速度とは、曲面
の接触体4に連続フイラメント群3が接触する位置(接
触点)aにおいて、接触体4が移動する速度である。ま
た、接触体4の移動は、一定速度とするのが好ましく、
間歇的移動の場合には、接触体4の停止時間帯に開繊状
態が低下しない程度での間歇的移動が望ましい。これ
は、接触体4の停止時間が長くなると開繊状態が変動す
るためであり、したがって接触体4の停止時間は極力短
くするのがよく、1回の停止時間を1分間以下とするの
が望ましい。
【0016】本発明では、曲面の接触体4に衝突した連
続フイラメント群3は、それと同時に、あるいはその直
後にコロナ放電電界中を通過するが、このコロナ放電方
法は従来公知の任意の方法を採用してよく、例えば針状
電極と面状ターゲツト電極とからなるコロナ放電方法で
もよい。両電極間に印加する電圧は、走行するフイラメ
ントの量やフイラメントの走行速度さらに電場の面積
(対向する電極の面積)等により適切に選ばれるべきで
あるが、一般には10〜100kv、好ましくは20〜
60kvを印加してコロナ放電が発生する状態を作り、
フイラメントに印加される電荷密度が30〜60μc/
2 、好ましくは40〜55μc/m2 となるように選
ばれる。両電極間の距離は、一般には10〜80mm、
好ましくは15〜35mmが選ばれる。本発明では、両
電極のうち、ターゲツト電極は既に説明したように上記
接触体を兼ねており、曲面形状に限られる。そして、両
電極間の距離や印加電圧を調整すると共に、針状電極の
数や配列を適宜変更することにより、各種の電界を形成
することとが可能である。
【0017】
【作用】本発明の方法は、熱可塑性重合体からなる連続
フイラメント群を紡糸口金装置から溶融紡出し、該紡出
フイラメント群を紡糸口金装置の下流に該口金に対応し
て配設されたエアーサツカにより牽引・引き取り、接触
体4と、該接触体4をターゲツト電極としたコロナ放電
面状ターゲツト電極と、該ターゲツト電極4に対向して
配設されたコロナ放電電極51とからなる開繊装置によ
り開繊後、連続して移動式捕集面上に捕集・堆積して連
続フイラメントからなる不織ウエブを形成するに際し、
エアーサツカにより牽引・引き取られた連続フイラメン
ト群を細かな表面粗さが連続しておりかつ連続的あるい
は間歇的に移動する曲面の接触体4に衝突させて接触摩
擦帯電を発生させると同時に、あるいはその直後に、該
連続的あるいは間歇的に移動する曲面の接触体4をター
ゲツト電極としたコロナ放電面状ターゲツト電極と、該
ターゲツト電極4に対向して配設されたコロナ放電電極
51とにより形成されるコロナ放電電界中を通過させる
ことにより連続フイラメント群に極めて高い電荷量を印
加してフイラメント群を十分にかつ均一に開繊し、また
該接触体4の表面が常時更新されることから、長時間に
わたって経時的に安定して開繊状態が維持される。本発
明の方法では、上述したような曲面の接触体による接触
摩擦帯電法と、それをターゲツト電極としたコロナ放電
帯電法を採用し、従来から公知のコロナ放電帯電法やそ
の他の帯電法あるいはそれらの組み合わせによっても得
られなかった高い電荷を印加することができ、また高い
電荷量を有する連続フイラメント群においてもコロナ放
電面状電極に再接触することとなく通過し、それに伴い
良好な開繊状態が得られる。しかも、本発明の方法で得
られる不織ウエブの均一性や品位は、極めて良好であ
り、その効果は大きい。
【0018】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。なお、実施例における各種特性の測定及び評価
は、次の方法により実施した。 エアーサツカの吸引速度(m/分):溶融重合体の単孔
吐出量(g/分)に9000を乗じ、次いで別途求めた
単糸繊度(正量繊度)(デニール)で除し、得られた値
をエアーサツカの吸引速度(m/分)とした。 電荷量(μc/m2 ):連続フイラメント群の電荷量を
春日電機株式会社製静電電荷量計KQ−431B型を用
いて測定した。なお、電荷量を試料の単位面積(m2
当たりのマイクロクーロン量で表示した。 開繊性:不織ウエブ中のフイラメントの開繊性を次の方
法により評価した。すなわち、得られた不織ウエブに圧
着部が丸型で温度が250℃に加熱された熱エンボスロ
ールを用い、熱圧着面積率が20%、ロール線圧が30
kg/cmの条件で部分熱圧着処理を施して不織布を作
成し、次いでこの不織布から幅方向に100cm、長手
方向に100cmの試料片を採取し、目視観察の後、開
繊性を下記の4段階で評価した。 ◎:極めて良好、○:良好、△:やや不良、×:不良
【0019】実施例1〜2 ポリエチレンテレフタレート重合体のチツプを通常の溶
融紡糸装置を用いて温度285℃で溶融した後、紡糸孔
径が0.40mm、紡糸孔数が64の紡糸口金を通し単
孔吐出量を1.7g/分として紡出し、紡出フイラメン
ト群を冷却装置を用いて冷却し、連続してエアーサツカ
により速度4300m/分で牽引・引き取り、該エアー
サツカの下流15mmの位置に配設した図1に呈示の銅
製円柱形接触体(直径100mm)と、その接触体をタ
ーゲツト電極としたコロナ放電面状電極と、コロナ放電
面状電極に対向して配設されたコロナ放電電極とからな
る開繊装置により開繊した後、連続して移動式捕集面上
に捕集・堆積し、単糸繊度が3.0デニールの連続フイ
ラメントからなる不織ウエブを作成した。なお、銅製円
柱形の接触体の表面は、不織布研磨材としてベルスター
研磨材工業株式会社性の研磨材ベルテツクスサンド♯1
80を用い、押し圧10kg/cm2 の条件で研磨処理
を施した。このとき、回転する円柱形の接触体を連続フ
イラメント群と接触角度が45度で接触し、かつその接
触体をターゲツト電極としたコロナ放電面状電極とコロ
ナ放電面状電極に対向して配設されたコロナ放電電極と
の電極間距離を20mmとなるように配設し、両電極間
に30kvの電圧を印加してコロナ放電電流が発生する
状態を作り、その両電極間に、円柱形の接触体との接触
摩擦で電荷を印加された連続フイラメント群を通過させ
た。この際、接触体を表1に記載の2水準の表面移動速
度で連続的に移動させ、各々80時間の連続操業を行っ
た。得られた開繊性の評価結果を表1に示す。
【0020】実施例3 円柱形の接触体を20mm/時間の表面移動速度で5秒
間隔で移動・停止を繰り返す間歇移動をさせた以外は実
施例1と同様にして、80時間の連続操業を行った。得
られた開繊性の評価結果を表1に示す。
【0021】比較例1 円柱形の接触体を停止状態に保持した以外は実施例1と
同様にして、80時間の連続操業を行った。得られた開
繊性の評価結果を表1に示す。
【0022】比較例2 ポリエチレンテレフタレート重合体のチツプを通常の溶
融紡糸装置を用いて温度285℃で溶融した後、紡糸孔
径が0.40mm、紡糸孔数が64の紡糸口金を通し単
孔吐出量を1.7g/分として紡出し、紡出フイラメン
ト群を冷却装置を用いて冷却し、連続してエアーサツカ
により速度4300m/分で牽引・引き取り、該エアー
サツカの下流15mmの位置に配設した図3に呈示の板
状の接触体4′をターゲツト電極としたコロナ放電面状
電極と、コロナ放電面状電極に対向して配設されたコロ
ナ放電電極とからなる開繊装置により開繊した後、連続
して移動式捕集面上に捕集・堆積し、単糸繊度が3.0
デニールの連続フイラメントからなる不織ウエブを作成
した。このとき、板状接触体をターゲツト電極としたコ
ロナ放電面状電極とコロナ放電面状電極に対向して配設
されたコロナ放電電極との電極間距離を20mmとなる
ように配設し、両電極間に30kvの電圧を印加してコ
ロナ放電電流が発生する状態を作り、その両電極間のタ
ーゲツト電極近傍に連続フイラメント群を通過させた。
この際、80時間の連続操業を行った。得られた開繊性
の評価結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1に示したところから明らかなように、
銅製円柱形接触体と、その接触体をターゲツト電極とし
たコロナ放電面状電極と、コロナ放電面状電極に対向し
て配設されたコロナ放電電極とからなる開繊装置により
開繊した実施例1〜3では、連続フイラメント群の帯電
量は80時間の連続操業後も極めて高く、開繊状態も良
好で、得られた不織ウエブの均一性も極めて良好であっ
た。これに対し、上記円柱形接触体を停止状態に保持し
た比較例1では、連続フイラメント群の帯電量は操業開
始の初期には高いものの、1時間経過後には急激に低下
してしまい、開繊状態も悪化した。また、板状接触体を
ターゲツト電極としたコロナ放電面状電極と、コロナ放
電面状電極に対向して配設されたコロナ放電電極とから
なる開繊装置により開繊した比較例2では、連続フイラ
メント群の帯電量は操業開始時点から低く、開繊状態も
不良で、得られた不織ウエブの均一性も劣ったものであ
った。
【0025】
【発明の効果】本発明の連続フイラメント群の開繊方法
は、従来から公知のスパンボンド法すなわち熱可塑性重
合体からなる連続フイラメント群を紡糸口金装置から溶
融紡出し、該紡出フイラメント群を紡糸口金装置の下流
に該口金に対応して配設されたエアーサツカにより牽引
・引き取り、開繊後、連続して移動式捕集面上に捕集・
堆積して連続フイラメントからなる不織ウエブを形成す
る方法にいて、該連続フイラメント群を該エアーサツカ
の下流に配設されかつ連続的あるいは間歇的に移動する
曲面の接触体に衝突させて接触摩擦帯電を発生させると
同時に、あるいはその直後に、該連続的あるいは間歇的
に移動する曲面の接触体をターゲツト電極としたコロナ
放電面状ターゲツト電極と、該ターゲツト電極に対向し
て配設されたコロナ放電電極とにより形成されるコロナ
放電電界中を通過させるというものであって、本発明に
よれば、連続フイラメント群を極めて均一かつ良好に、
しかも経時的に安定して開繊することができ、よって均
一性と品位に優れた不織ウエブが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を説明するための一実施態様を
示す略図である。
【図2】 本発明の方法を説明するための図1を部分的
に拡大した模式図である。
【図3】 従来の方法を説明するための一実施態様を示
す略図である。
【符号の説明】
Y 連続フイラメント群 1 紡糸口金装置 2 エアーサツカ 3 牽引・引き取られた連続フイラメント群 4 曲面の接触体(ターゲツト電極) 4′ 板状の接触体(ターゲツト電極) 5 コロナ放電装置 51 コロナ放電装置5内のコロナ放電電極 6 開繊・堆積されたフイラメント群 7 移動式捕集面 a 曲面の接触体4に連続フイラメント群3が接触する
位置(接触点) b 曲面の接触体4の接触位置aでの接線 θ 曲面の接触体4と連続フイラメント群3との接触角

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性重合体からなる連続フイラメン
    ト群を紡糸口金装置から溶融紡出し、該紡出フイラメン
    ト群を紡糸口金装置の下流に該口金に対応して配設され
    たエアーサツカにより牽引・引き取り、開繊後、連続し
    て移動式捕集面上に捕集・堆積して連続フイラメントか
    らなる不織ウエブを形成する方法において、エアーサツ
    カにより牽引・引き取られた連続フイラメント群を該エ
    アーサツカの下流に配設されかつ連続的あるいは間歇的
    に移動する曲面の接触体に衝突させて接触摩擦帯電を発
    生させると同時に、あるいはその直後に、該連続的ある
    いは間歇的に移動する曲面の接触体をターゲツト電極と
    したコロナ放電面状ターゲツト電極と、該ターゲツト電
    極に対向して配設されたコロナ放電電極とにより形成さ
    れるコロナ放電電界中を通過させることを特徴とする連
    続フイラメント群の開繊方法。
JP13970197A 1997-05-29 1997-05-29 連続フイラメント群の開繊方法 Pending JPH10331062A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13970197A JPH10331062A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 連続フイラメント群の開繊方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13970197A JPH10331062A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 連続フイラメント群の開繊方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10331062A true JPH10331062A (ja) 1998-12-15

Family

ID=15251416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13970197A Pending JPH10331062A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 連続フイラメント群の開繊方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10331062A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2935991A1 (fr) * 2008-09-16 2010-03-19 Rieter Perfojet Procede et installation de production d'un voile de non tisse avec depoussierage.
EP2381141A1 (en) 2010-04-21 2011-10-26 JATCO Ltd Automatic transmission and hydraulic control method therefor
CN107723817A (zh) * 2017-11-28 2018-02-23 江苏神鹤科技发展有限公司 一种高强高模聚乙烯纤维静电展丝装置
KR20220033011A (ko) * 2020-09-08 2022-03-15 코오롱인더스트리 주식회사 잔류 유해물을 함유하지 않고 향상된 개섬 품위를 가지는 스펀본드 부직포, 그 제조 방법 및 제조 장치
CN115366397A (zh) * 2022-07-20 2022-11-22 上海缘源印刷有限公司 一种用于薄膜表面处理的电晕机
CN117187969A (zh) * 2023-11-08 2023-12-08 中润科技股份有限公司 一种聚酯纤维纺丝的防断成型工艺

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2935991A1 (fr) * 2008-09-16 2010-03-19 Rieter Perfojet Procede et installation de production d'un voile de non tisse avec depoussierage.
WO2010031912A2 (fr) * 2008-09-16 2010-03-25 Rieter Perfojet Procede et installation de production d'un voile de non tisse avec depoussierage
WO2010031912A3 (fr) * 2008-09-16 2010-05-14 Rieter Perfojet Tour spunbond avec dépoussiérage
EP2381141A1 (en) 2010-04-21 2011-10-26 JATCO Ltd Automatic transmission and hydraulic control method therefor
CN107723817A (zh) * 2017-11-28 2018-02-23 江苏神鹤科技发展有限公司 一种高强高模聚乙烯纤维静电展丝装置
KR20220033011A (ko) * 2020-09-08 2022-03-15 코오롱인더스트리 주식회사 잔류 유해물을 함유하지 않고 향상된 개섬 품위를 가지는 스펀본드 부직포, 그 제조 방법 및 제조 장치
CN115366397A (zh) * 2022-07-20 2022-11-22 上海缘源印刷有限公司 一种用于薄膜表面处理的电晕机
CN117187969A (zh) * 2023-11-08 2023-12-08 中润科技股份有限公司 一种聚酯纤维纺丝的防断成型工艺
CN117187969B (zh) * 2023-11-08 2024-01-30 中润科技股份有限公司 一种聚酯纤维纺丝的防断成型工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5051159A (en) Non-woven fiber sheet and process and apparatus for its production
JP2825514B2 (ja) 配向された溶融吹付繊維、その製造方法およびそのウェブ
US3338992A (en) Process for forming non-woven filamentary structures from fiber-forming synthetic organic polymers
US4230650A (en) Process for the manufacture of a plurality of filaments
US4592815A (en) Method of manufacturing an electret filter
US20050104258A1 (en) Patterned electrospinning
US4623438A (en) Electret making process using corona discharge
US4944854A (en) Electret process and products
JPH0424458B2 (ja)
JP2005029931A (ja) 不織布及びその製造方法
JPH10331062A (ja) 連続フイラメント群の開繊方法
KR100388871B1 (ko) 다층부직웹라미네이트
EP1528132A1 (en) Method and apparatus for production of nonwoven webs
US3414444A (en) Method of making a parallel fiberweb
JP3819129B2 (ja) スパンボンド不織布の製造装置および製造方法
JPH10183456A (ja) 連続フィラメント群の開繊方法
JP2612203B2 (ja) 繊維の配列したウェブの製法
JP2988052B2 (ja) 不織布の製造方法及び装置
JP3273667B2 (ja) メルトブロー熱可塑性樹脂不織布の製造方法
JPH0633571B2 (ja) エレクトレット不織布の製造方法
JPH1161618A (ja) 極細繊維不織布及びその製造方法
JPH10245772A (ja) メルトブロー不織布
JPH05279948A (ja) 異形断面メルトブローン繊維不織布の製造方法
US20230135016A1 (en) Improved spunbond system and process
JPH11323713A (ja) 不織布の製造方法およびその装置