JPH10330817A - 共晶黒鉛鋳鉄およびその製造方法 - Google Patents

共晶黒鉛鋳鉄およびその製造方法

Info

Publication number
JPH10330817A
JPH10330817A JP15460897A JP15460897A JPH10330817A JP H10330817 A JPH10330817 A JP H10330817A JP 15460897 A JP15460897 A JP 15460897A JP 15460897 A JP15460897 A JP 15460897A JP H10330817 A JPH10330817 A JP H10330817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cast iron
cupola
eutectic graphite
eutectic
graphite cast
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15460897A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Matsukura
勝 松倉
Masaaki Nakanishi
昌昭 仲西
Hiroshi Hotta
博史 堀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AISIN SHINWA KK
Original Assignee
AISIN SHINWA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AISIN SHINWA KK filed Critical AISIN SHINWA KK
Priority to JP15460897A priority Critical patent/JPH10330817A/ja
Publication of JPH10330817A publication Critical patent/JPH10330817A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キュポラ溶湯に、比較的簡単な処理工程を経
ることにより得られる共晶黒鉛鋳鉄およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 キュポラにより得られる普通の溶湯を使
用しても、つまり、溶湯にC:3.0〜3.5%、S
i:1.7〜2.5%、S:0.10%以下をそれぞれ
含む場合でも、Ti,MnおよびMgを添加して共晶黒
鉛鋳鉄が得られる。また、鋳鉄材料をキュポラにより溶
解し、その溶湯を電気炉に入れ、Mn:0.45〜0.
70%、S:0.10%以下、Ti:0.15〜0.1
9%になるように成分調整する一方、昇温を行った後、
溶湯処理として、Sの含有量に応じてMgを漸増して添
加することで得られる。 【効果】 共晶黒鉛鋳鉄の製法については、キュポラ溶
湯を使用し、電気炉溶解において、単に添加による配合
上の工夫により、砂型鋳造法においても、強脱硫という
前工程が不要となり、このことから、共晶黒鉛鋳鉄の製
造コストの低減を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋳造性、被削性、機
械的性質、振動吸収能等に優れているために日用品から
重工業材料として広く用いられているねずみ鋳鉄のうち
の共晶黒鉛鋳鉄およびその製造方法に関する。詳しく
は、キュポラ溶湯を使用し、主にSの影響を抑制するこ
とにより砂型でも得られる共晶黒鉛鋳鉄およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ねずみ鋳鉄には、凝固時に黒鉛が片状に
晶出した片状黒鉛鋳鉄と、黒鉛が均一且つ微細に晶出し
た共晶黒鉛鋳鉄とがある。共晶黒鉛鋳鉄は、片状黒鉛鋳
鉄に比し、被削性、耐摩耗性、気密性等に優れているこ
とが知られている。
【0003】鉄を基盤とする合金は鋼と鋳鉄に大別さ
れ、いずれもC,Si,Mnと、微量のP,Sが含ま
れ、Cの少ないのが鋼、多いのが鋳鉄である(その境界
は2%程度)。鋳鉄中の上記各元素は、精錬の過程で含
まれたものであって、そのうち、SとPは鋼に対して有
害元素であって、Sは黒鉛が均一且つ微細に晶出する共
晶の妨げとなるが、キュポラによる溶解操業では、コー
クスからSが入り込むので、0.03〜0.10%のS
を含有する溶湯性状が一般的である。
【0004】黒鉛が均一且つ微細に晶出させるもう一つ
の要素としては、冷却速度が早いことの条件が挙げられ
る。そこで、従来、キュポラ溶湯を使用する場合の共晶
黒鉛鋳鉄は、一般的には、冷却速度の早い金型鋳造法で
製造されているが、近年では、砂型鋳造法による製造も
なされている。この点に関しては、普通鋳鉄の溶湯のS
量は、0.03〜0.10%であり、これを砂型に注湯
すると、冷却速度が小さいので、黒鉛が片状に晶出して
片状黒鉛鋳鉄となるが、0.005〜0.001%にす
ると、砂型に注湯しても共晶黒鉛鋳鉄が得られる(特公
平5−14005号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、砂型鋳造法に
よると、キュポラ溶湯のS含有量をこのように極端に下
げることになるため、一般のキュポラ溶湯(S含有量:
0.03%〜0.10%)を強脱硫する工程が必要であ
るために、設備や燃費等からコスト高となる。
【0006】また、CE値(C%+1/3Si%)を=
3.0〜3.7%、且つSi%/C%=1.0〜1.7
と規定すると(特開平1−195259号公報)、一般
のキュポラ溶湯(C含有量:3.0%〜3.5%、Si
含有量:1.7%〜2.5%)を使用できないことか
ら、これもコスト高となる。
【0007】この発明は、上記問題点を解決するため
に、キュポラ溶湯に、比較的簡単な処理工程を経ること
により得られる共晶黒鉛鋳鉄およびその製造方法を提供
することを目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上記の目
的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、キュポラ
により得られる普通の溶湯を使用しても、つまり、溶湯
にC:3.0〜3.5%、Si:1.7〜2.5%、
S:0.10%以下をそれぞれ含む場合でも、Ti,M
nおよびMgを添加して共晶黒鉛鋳鉄が得られることを
見出した。
【0009】製造方法においては、鋳鉄材料をキュポラ
により溶解し、その溶湯を電気炉に入れ、Mn:0.4
5〜0.70%、S:0.10%以下、Ti:0.15
〜0.19%になるように成分調整する一方、昇温を行
った後、溶湯処理として、Sの含有量に応じてMgを漸
増して添加することが最適であることを見出した。
【0010】また、前記溶湯処理において、Mgの含有
量を0.07%以下とすると(図1参照)、目的の達成
に有効である。
【0011】さらに、電気炉における昇温の温度を15
00度以上とすることが好ましい。
【0012】
【作 用】Tiは、共晶黒鉛生成元素として広く知られ
ており、黒鉛の微細化程度と炭化物生成による被削性低
下を考慮して、含有量を0.15%〜0.19%となる
ように調整する。これは、図2に示すように、最も共晶
黒鉛が晶出しやすい範囲でもある。一方、Sは共晶黒鉛
の成長を妨げる元素であるが、MnやMgをを添加し、
硫化物として生成させることにより、Sの影響を減じ
る。また、これら硫化物が黒鉛核生成を促進する触媒的
効果を示す。
【0013】この発明においては、Mnを上記効果とセ
メンタイト(黒鉛を晶出しない鋳鉄、Fe3C)による
被削性低下を考慮して、含有量を0.45%〜0.7%
となるように調整し、Mgは上記効果と黒鉛球状化を考
慮して、含有量をS含有量に応じて調整する(表1参
照)。また、図1に示すように、普通のキュポラ溶湯で
は、0.10%以下であることが好ましい。
【表1】
【0014】各成分の組成範囲を上記の通り限定した理
由は、以下の通りである。
【0015】1)Ti Tiは黒鉛を微細化する元素である。含有量が0.15
%以下では十分な微細化が得られない(図2参照)。一
方、TiはCとの化学親和力が大きいため、含有量が
0.2%以上では炭化物TiCを生成し、被削性が低下
する。従って、その含有量は0.15%〜0.19%程
度が望ましい。
【0016】2)Mn MnはSとの化学親和力が大きい。Sは共晶黒鉛を生成
する上で悪影響を及ぼす元素であることから、Mnを含
有させることによりSの害を除くことができる。含有量
が0.45%以下では十分な効果が得られない(図3参
照)。一方、Mnはセメンタイト中に固溶しやすく、含
有量が0.7%以上ではセメンタイトを安定化させるた
め、被削性が低下する。従って、その含有量は0.45
%〜0.7%が好ましい。
【0017】3)Mg Mgは、Mn以上にSとの化学親和力が大きい。図1
は、SとMg含有量との関係を示す。これから、含有量
に応じてMg含有量を設定することが好ましいことが分
かる。
【0018】
【実施例】この発明の幾つかの実施例を説明する。
【0019】鋳造工程は図4に示すように、鋳鉄材料を
キュポラにより溶解し、これを電気炉に入れ、Mn:
0.45〜0.70%、S:0.10%以下、Ti:
0.15〜0.19%となるように成分調整し、150
0℃以上に昇温を行った後、溶湯処理としてS含有量に
応じてMgの添加を行い第1表に示す範囲の含有量に調
整し、φ30丸棒鋳型(シェル砂)に注湯し、凝固後解
枠を行って製品とするものである。
【0020】具体的な実施例を比較例とともに表2、表
3に示す。丸棒破断面の顕微鏡組織の観察については、
図5に示すように、丸棒の中心部(一点鎖線)を切断
後、切断面をメエリー研磨により表面粗さを細かく、さ
らにバフ研磨により鏡面仕上げする。その後、顕微鏡に
より組織観察した。撮った写真については後記する。
【表2】
【表3】
【0021】表2はキュポラ溶湯(高S溶湯)に対し
て、表1に示した設定範囲内で鋳込んだ場合を実施例1
で示し、設定範囲外で鋳込んだ場合を比較例1,比較例
2で示す。その丸棒破断面の顕微鏡組織については、図
6〜図8で示すように、実施例1(図6)では黒鉛は完
全に共晶状に晶出しており、比較例1(図7)では片状
黒鉛と共晶状黒鉛が混在し、比較例2(図8)ではいも
虫状黒鉛になっている。
【0022】表3はキュポラ溶湯(低S溶湯)に対し
て、表1に示した設定範囲内で鋳込んだ場合を実施例2
で示し、設定範囲外で鋳込んだ場合を比較例3、比較例
4で示す。また、その丸棒破断面の顕微鏡組織について
は、図9〜図11で示すように、実施例2(図9)では
黒鉛は完全に共晶状に晶出しており、比較例3(図1
0)では片状黒鉛と共晶状黒鉛が混在し、比較例4(図
11)ではいも虫状黒鉛になっている。
【0023】また、共晶黒鉛鋳鉄を砂型鋳造法により、
一般キュポラ溶湯に対し、上記成分調整のみで製造する
ことができるため、製造コストを低減できるとともに、
表4に示すように、高S溶湯(実施例1)が低S溶湯
(実施例2)に比し、共晶セル数が多く、その結果被削
性が向上する。
【表4】
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、共晶黒鉛鋳鉄の製法については、キュポラ溶湯を使
用し、電気炉溶解において、単に添加による配合上の工
夫により、砂型鋳造法においても、強脱硫という前工程
が不要となり、このことから、共晶黒鉛鋳鉄の製造コス
トの低減を図る上に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るS量、Mg量と黒鉛形態の関係
を示す図である。
【図2】この発明に係るTi量と共晶黒鉛占有率との関
係を示す図である。
【図3】この発明に係るMn量と共晶黒鉛占有率との関
係を示す図である。
【図4】この発明の製造方法を示すフローチャート図で
ある。
【図5】丸棒破断面の顕微鏡組織を観察する手順を示す
参考図である。
【図6】実施例1における丸棒破断面の顕微鏡組織の写
真である。
【図7】実施例1に対し比較例として示す丸棒破断面の
顕微鏡組織の写真である。
【図8】実施例1に対し比較例として示す他の丸棒破断
面の顕微鏡組織の写真である。
【図9】実施例2における丸棒破断面の顕微鏡組織の写
真である。
【図10】実施例2に対し比較例として示す丸棒破断面
の顕微鏡組織の写真である。
【図11】実施例2に対し比較例として示す他の丸棒破
断面の顕微鏡組織の写真である。
【表5】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:3.0〜3.5%、Si:1.7〜
    2.5%、S:0.10%以下をそれぞれ含むキュポラ
    溶湯に、Ti,MnおよびMgを添加してなることを特
    徴とする共晶黒鉛鋳鉄。
  2. 【請求項2】 鋳鉄材料をキュポラにより溶解し、その
    溶湯を電気炉に入れ、Mn:0.45〜0.70%、
    S:0.10%以下、Ti:0.15〜0.19%にな
    るように成分調整する一方、昇温を行った後、溶湯処理
    として、Sの含有量に応じてMgを漸増して添加するこ
    とを特徴とする共晶黒鉛鋳鉄の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記溶湯処理において、Mgの含有量を
    0.07%以下とすることを特徴とする請求項2記載の
    共晶黒鉛鋳鉄の製造方法。
  4. 【請求項4】 電気炉における前記昇温の温度を150
    0度以上とすることを特徴とする請求項2または3記載
    の共晶黒鉛鋳鉄の製造方法。
JP15460897A 1997-05-28 1997-05-28 共晶黒鉛鋳鉄およびその製造方法 Pending JPH10330817A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15460897A JPH10330817A (ja) 1997-05-28 1997-05-28 共晶黒鉛鋳鉄およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15460897A JPH10330817A (ja) 1997-05-28 1997-05-28 共晶黒鉛鋳鉄およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10330817A true JPH10330817A (ja) 1998-12-15

Family

ID=15587908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15460897A Pending JPH10330817A (ja) 1997-05-28 1997-05-28 共晶黒鉛鋳鉄およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10330817A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100404765B1 (ko) * 2001-09-19 2003-11-12 엘지전자 주식회사 미량원소 첨가에 따른 페라이트기지 미세분산형 흑연회주철의제조방법
JP2011208205A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Tomita Chukosho:Kk 耐熱性に優れたフェライト系鋳鉄
CN106498265A (zh) * 2015-09-07 2017-03-15 哈尔滨理工大学 一种球墨铸铁炉前精确调C调Si方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100404765B1 (ko) * 2001-09-19 2003-11-12 엘지전자 주식회사 미량원소 첨가에 따른 페라이트기지 미세분산형 흑연회주철의제조방법
JP2011208205A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Tomita Chukosho:Kk 耐熱性に優れたフェライト系鋳鉄
CN106498265A (zh) * 2015-09-07 2017-03-15 哈尔滨理工大学 一种球墨铸铁炉前精确调C调Si方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2449027C2 (ru) Добавки, уменьшающие размер зерна стали, способы изготовления и использование
EP3478859B1 (en) Cast iron inoculant and method for production of cast iron inoculant
JP3435162B2 (ja) 高クロム過共晶白鋳鉄である合金の製造方法
AU721510B2 (en) Composition for inoculating low sulphur grey iron
CN108203786B (zh) 一种硅固溶高强度塑性铁素体球墨铸铁、制造方法和铁路机车零部件
JPH10330817A (ja) 共晶黒鉛鋳鉄およびその製造方法
CN108384972B (zh) 一种联合细化变质剂的制造方法
CN106555066A (zh) 一种用微量复合添加剂制备高性能富铁再生铝的方法
JPH10317093A (ja) 高剛性球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法
CN114525374A (zh) 一种高强度灰铸铁用含钪钇的钒锰铬孕育剂及制备方法
JP2634707B2 (ja) 球状黒鉛鋳鉄の製造方法
JP2000001731A (ja) 過共晶Al−Si系合金ダイカスト部材及びその製造方法
JP3695935B2 (ja) Fe−Si−C系アモルファス合金と該合金利用の粉末冶金部材
JPH03130344A (ja) 球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法
JPS61133361A (ja) 球状黒鉛鋳鉄およびその製造方法
WO2013094904A1 (ko) 고강도 편상 흑연 주철의 제조방법 및 그 방법에 의해 제조된 편상 흑연 주철, 상기 주철을 포함하는 내연기관용 엔진바디
CN111036868B (zh) 一种保护渣在高拉速连铸包晶钢中的应用
RU2069702C1 (ru) Модификатор для обработки чугуна
JP3658488B2 (ja) 共晶黒鉛鋳鉄の製造方法
JP4318481B2 (ja) 片状黒鉛鋳鉄
JPS6238408B2 (ja)
JP4732280B2 (ja) 耐熱性および耐食性に優れた鋳鉄
KR100404765B1 (ko) 미량원소 첨가에 따른 페라이트기지 미세분산형 흑연회주철의제조방법
JP2000256722A (ja) 球状黒鉛鋳鉄用接種剤及びその製造方法
JPH10158777A (ja) 高強度鋳鉄の製造方法及び高強度鋳鉄