JPH10330507A - 機能性シュリンク性フィルムおよび被覆体 - Google Patents

機能性シュリンク性フィルムおよび被覆体

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JPH10330507A
JPH10330507A JP9142036A JP14203697A JPH10330507A JP H10330507 A JPH10330507 A JP H10330507A JP 9142036 A JP9142036 A JP 9142036A JP 14203697 A JP14203697 A JP 14203697A JP H10330507 A JPH10330507 A JP H10330507A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すぐれた抗菌性および脱臭性を有し、その機
能は水分の存在などの使用条件に左右されず、また有機
物による汚れ自体が分解されるので常に所期の効果が発
揮される機能性シュリンク性フィルム、およびその機能
性シュリンク性フィルムの収縮体により物品を被覆した
被覆体を提供することを目的とする。 【解決手段】 光触媒作用を有する無機質粒子が配合さ
れたシュリンク可能な延伸フィルムからなる筒状または
袋状あるいはヒートシールにより筒状または袋状に形成
可能な機能性シュリンク性フィルムである。その表面は
微細に粗面化されていることが好ましく、また適当位置
に窓または小孔を設けることが好ましい。被覆体は、こ
の機能性シュリンク性フィルムの収縮体により物品が被
覆された構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌および脱臭機
能を有する機能性シュリンク性フィルム、およびその収
縮体により物品を被覆した被覆体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】抗菌または脱臭の観点からの環境改善
は、現在では、家庭、職場、学校、病院、公共の建物、
交通機関をはじめとするあらゆる場に浸透している。
【0003】シュリンク性を有するフィルムに抗菌性を
持たせるようにすることも提案されている。
【0004】たとえば、特開平9−21255号公報に
は、熱収縮プラスチックフィルムの表面に、バインダー
に抗菌剤を添加混入して形成された抗菌剤混合バインダ
ーを塗布し、且つ該熱収縮プラスチックフィルムを筒状
または袋状に成型して被覆体を形成する一方、該被覆体
をドアノブに被覆し、然る後前記被覆体を熱媒体により
加熱し、該被覆体を収縮せしめることにより被覆体をド
アノブに密着固定せしめるドアノブの抗菌性処理方法が
示されている。そして同公報には、抗菌剤としては、
銀、銅、亜鉛等をゼオライト、アパタイト、リン酸ジル
コニウム等の無機物に担持させてなる無機系抗菌剤、あ
るいは有機系抗菌剤が用いられることが示されている。
【0005】特開平7−60835号公報には、抗菌性
を有する熱収縮チューブ、さらに詳しくは、熱収縮材料
として熱収縮ゴム材を含み、さらに該熱収縮ゴム材に抗
菌剤を添加することによって抗菌性を付与した熱収縮チ
ューブが示されている。そして同公報には、抗菌剤とし
ては、銀・亜鉛置換ゼオライトや、抗菌セラミックスな
どが用いられることが示されている。ここで抗菌セラミ
ックスとは、組成式が、Ag−Cau Znv Alw (P
4x (OH)y であり、結晶質のものとしては、銀
リン酸ジルコニウム、銀トリポリリン酸アルミニウム、
銀ハイドロキシアパタイト、銀リン酸三カルシウム等が
あり、非結晶質のものとしては、銀リン酸塩ガラス、銀
リン酸複塩セラミックス等があるとしている。実施例で
は、Ca x Zny Al2/3 (PO46 (OH)2 にA
gを3重量%とか2重量%添加した抗菌剤を用いてお
り、さらにチタン酸化物を0.01〜8wt%の範囲で添加し
た抗菌剤も好ましいとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−21255
号公報のドアノブの抗菌性処理方法は、 ・抗菌剤がバインダー中に埋まっているため所期の抗菌
性が充分には奏されないこと、 ・抗菌剤入りバインダーの塗布層が母材であるフィルム
の収縮に追随しないため塗布層に浮きを生じる結果、収
縮後のフィルム表面の美麗さが損なわれる上、抗菌剤が
無機系抗菌剤あるときには手で触ると粉体状の抗菌剤が
剥落して清潔感が得られないこと、 ・ドアノブを握って回動する操作を繰り返すと、抗菌剤
入りバインダーの塗布層が徐々に摩滅していくこと、 ・同公報に記載の抗菌剤では、その機能は使用条件に左
右され(水分で湿潤していないと抗菌性が小さい)、ま
た一般に即効性に欠けること、 ・さらには、ある程度の抗菌性は示されても脱臭性ない
し消臭性はほとんど期待できないこと、などの問題点が
ある。
【0007】特開平7−60835号公報の熱収縮チュ
ーブは、抗菌剤がフィルム内部に埋まっているため所期
の抗菌性が充分には奏されないこと、同公報に記載の抗
菌剤では、その機能は使用条件に左右され(水分で湿潤
していないと抗菌性が小さい)、また一般に即効性に欠
け、さらにはある程度の抗菌性は示されても脱臭性ない
し消臭性はほとんど期待できないことなどの問題点があ
る。
【0008】また、特開平9−21255号公報および
特開平7−60835号公報のいずれにあっても、一旦
有機物による汚れが付着、堆積するとその汚れを土台に
してカビが生育するので、物品に被覆された収縮後のチ
ューブを時々洗浄しないと効果が発揮されないという煩
わしさがある。
【0009】本発明は、このような背景下において、す
ぐれた抗菌性および脱臭性を有し、その機能は水分の存
在などの使用条件に左右されず、また有機物による汚れ
自体が分解されるので常に所期の効果が発揮される機能
性シュリンク性フィルム、およびその機能性シュリンク
性フィルムの収縮体により物品を被覆した被覆体を提供
することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の機能性シュリン
ク性チューブは、光触媒作用を有する無機質粒子が配合
されたシュリンク可能な延伸フィルムからなることを特
徴とするものである。この場合、そのシュリンク性フィ
ルムの表面が微細に粗面化されていることが特に好まし
い。
【0011】本発明の被覆体は、上記の機能性シュリン
ク性フィルムの収縮体により物品が被覆された構造を有
するものである。この場合も、そのシュリンク性フィル
ムの表面が微細に粗面化されているものを用いることが
特に好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の機能性シュリンク性フィルムは、
光触媒作用を有する無機質粒子が配合されたシュリンク
可能な延伸フィルムからなる。
【0014】光触媒作用を有する無機質粒子としては、
X線粒径がたとえば100nm以下というような超微細の
酸化チタンが用いられ、その表面を金属(金、銀、銅、
白金、亜鉛、ケイ素、鉄等)または金属化合物(酸化亜
鉛、酸化ケイ素等)で修飾したものも好適に用いること
ができる。
【0015】光触媒作用を有する無機質粒子が配合され
たフィルムは、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、アイオ
ノマー、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステ
ル、フッ素系樹脂、塩酸ゴム、シリコーンゴム、EPD
M、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴムなど
の樹脂またはゴムに、光触媒作用を有する無機質粒子を
配合してフィルム状に成形することにより製造される。
【0016】光触媒作用を有する無機質粒子の配合量
は、配合後の組成物の重量基準で、 0.1〜30重量%、
好ましくは 0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜1
5重量%とすることが望ましく、通常は10重量%以下
で充分である。上記無機質粒子の配合量が余りに少ない
ときは抗菌・脱臭効果が不足し、一方上記無機質粒子の
配合量が余りに多いときは、得られるフィルムの機械的
強度が損なわれる。
【0017】フィルムを成形した後は、これを一軸また
は二軸方向に延伸し、通常は熱セットする。延伸は、配
向がかかるような温度条件で延伸ブロー成形したり延伸
インフレーション成形したりすることにより、フィルム
の成形と同時に行うこともできる。
【0018】光触媒作用を有する無機質粒子が配合され
たシュリンク可能な延伸フィルムは、その表面が微細に
粗面化処理されていることが特に好ましい。粗面化処理
は、上記の延伸の前に行ってもよく、延伸の後に行って
もよい。
【0019】粗面化処理方法としては、電気的処理、光
学的処理、機械的処理、化学的処理などがあげられる。
【0020】これらの処理方法の中では、電気的処理、
特にプラズマ処理が好適である。プラズマ処理には、コ
ロナ放電処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、プ
ララズマジェット処理などが含まれ、コロナ放電処理お
よび低温プラズマ処理が重要である。このうちコロナ放
電処理は、装置コストおよびランニグコストの点でも特
に好ましいものである。
【0021】上記のうちコロナ放電処理は、高電圧発生
機に接続した電極と、金属ロールとの間に 0.5〜 0.6mm
程度の間隔を設け、数100KC/Sの高周波で数千〜数万
Vの高電圧をかけ、間隙に高圧コロナを発生させると共
に、その間隙にフィルムを走らせて処理する方法であ
る。これによりフィルム表面が活性化される。
【0022】上記のうち低温プラズマ処理方法として
は、直流放電、交流の低周波放電、高周波およびマイク
ロ波放電などがあげられる。プラズマを構成するイオン
種としては、空気、窒素、酸素、水素、アルゴン、ヘリ
ウム、ネオン、亜酸化窒素、一酸化窒素、二酸化窒素、
一酸化炭素、二酸化炭素、フッ素、塩素、臭素、シアン
化臭素、亜硫酸ガス、硫化水素、アンモニア、メタン、
エタン、プロパンをはじめとする種々の無機または有機
のガスが用いられるが、通常は空気で充分である。低温
プラズマ処理時の真空度は、たとえば0.01〜10Torr程
度に設定する。処理時間は、真空度によっても大きく異
なるが、通常は数秒ないし10分程度までとする。長時
間の低温プラズマ処理は、フィルムの強度低下を招くお
それがあるからである。
【0023】粗面化処理方法のうち光学的処理方法、化
学的処理方法、機械的処理方法としては、紫外線照射処
理、オゾン処理、スパッタエッチング処理、イオンビー
ム処理、クロム酸処理、アルカリ処理、サンドブラスト
処理、刃・針・やすり等による傷つけ処理などがあげら
れる。
【0024】このようにして得たシュリンク可能な延伸
フィルムは、物品(物品の部分を含む)の被覆に供する
ために、筒状または袋状であるか、あるいはヒートシー
ルにより筒状または袋状に形成可能であるようにする。
成形の段階で筒状物を得てもよく、延伸後に筒状または
袋状物に形成してもよい。
【0025】上記のシュリンク可能な延伸フィルムに
は、収縮時にエアを逃がすためにピンホールやミシン目
などの小孔を設けることが特に好ましい。収縮は急激に
なされるので、小孔を設けないと破裂することがあるか
らである。小孔の数は少数個で充分である。また操作キ
ーや操作ボタンなどの操作部がある物品を被覆するとき
には、小孔に代えまたは小孔と共に、操作に支障のない
ように窓を設けることができる。
【0026】この延伸フィルムを物品にかぶせ、必要に
応じヒートシールを行ってから加熱すれば、フィルムが
収縮し、機能性シュリンク性フィルムの収縮体により物
品が被覆された被覆体が得られる。吸湿により収縮する
タイプの場合には、フィルムの材質に制限があるもの
の、水分を適用するだけで収縮が図られるので便利であ
る。
【0027】物品としては、電話機、便座、ドアのノブ
や取手、瓶・ボトル、みやげ物、吊り革、歯刷子、マイ
クロホン、筆記具、鞄の取手、飲料ポットの持手、傘の
柄、医療器具、歯科器具、文房具(筆記具等)、日用品
(物干し竿等)、トイレタリー用品、浴室用具、台所用
品・家庭用品の柄部をはじめ、家庭用、産業用、公共
用、病院用、園芸用、農業用、畜産用、水産加工用を問
わず、シュリンク性フィルムで被覆することができる多
種多様の物品があげられる。
【0028】〈作用〉光触媒作用を有する無機質粒子が
配合されたシュリンク可能な延伸チューブからなる本発
明の機能性シュリンク性チューブを物品にかぶせ、つい
で収縮させれば、容易に物品を被覆することができる。
この被覆は、メーカーや加工・包装業者の段階において
のみならず、家庭においても乾燥器、オーブン、ドライ
ヤー、スチームアイロンなどを用いて簡単に行うことが
できる。
【0029】この機能性シュリンク性チューブの収縮体
により被覆された被覆体にあっては、フィルムにより汚
れの防止、傷付きの防止、バージンシールが図られるの
みならず、機能性シュリンク性チューブの収縮体中の光
触媒作用を有する無機質粒子により、すぐれた抗菌、脱
臭作用が奏される。なお光触媒作用を有する無機質粒子
は、それ自体でも酸化作用を奏するが、抗菌、脱臭に用
いながら光照射するか、抗菌、脱臭に用いた後に光照射
すれば、抗菌、脱臭能力が回復するので、繰り返し再使
用することができる。このときの光源は、蛍光灯、白色
光、太陽光線、紫外線ランプなど任意である。
【0030】また光触媒作用を有する無機質粒子は有機
物を分解する作用があるので、有機物の汚れ(手垢、喫
煙時のニコチンやヤニ、線香のヤニ、調理時の油煙等)
が付着してもそれを効果的に分解し、汚れを土台として
その上にカビが生育するおそれがない。
【0031】光触媒作用を有する無機質粒子が配合され
たシュリンク性可能な延伸フィルムの表面を延伸の前ま
たは後にコロナ放電処理、低温プラズマ処理等により微
細に粗面化処理しておくと、フィルム表面の薄い油膜が
除去されたり、活性なラジカルや官能基が発生したり、
フィルム表面に微細な凹凸や亀裂が形成されたりする結
果、光触媒作用を有する無機質粒子がフィルム表面に露
われて有効表面積が著しく増大する上、粗面化された表
面が微生物や臭気成分を一時的に吸着捕捉してその無機
質粒子による作用が発揮されやすくなり、そのような粗
面化処理を行わない場合に比し抗菌および脱臭能力が格
段に向上する。
【0032】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0033】実施例、比較例 〈機能性シュリンク性チューブ〉光触媒作用を有する無
機質粒子の一例として、石原産業株式会社製の光触媒用
酸化チタン「ST−31」を準備した。「ST−31」
は、カタログの記載によれば、結晶形はアナタース、形
状は粉体、TiO2 含量(110℃乾燥品)は81重量
%、X線粒径は7nm、比表面積(簡易BET法)は26
0m2/gである。
【0034】この光触媒用酸化チタン5部をポリ塩化ビ
ニル95部に混合し、押出機に供給して線状に溶融押出
すると共にペレット化し、ついでこのペレットを用いて
インフレーション成形法により成形し、筒状のインフレ
ーションフィルムを得た。続いてこのフィルムを、イン
フレーション法により同時二軸延伸してから、熱セット
した。これにより、シュリンク可能な延伸されたチュー
ブ状フィルムが得られた。
【0035】このチューブ状の延伸フィルム(サンプル
1)の扁平二つ折りの片側の外面および反対側の外面
を、春日電機株式会社製のコロナ放電処理装置を用いて
コロナ放電処理した(サンプル2)。また同様に両外面
を、低温プラズマ処理装置を用いて、気体:空気、処理
電力:100W、処理時間:1分、真空度: 0.2Torrの
条件で低温プラズマ処理した(サンプル3)。
【0036】比較のため、市販の銀ゼオライト5部をポ
リ塩化ビニル95部に混合し、実施例1と同様にしてシ
ュリンク可能な延伸されたチューブ状フィルムを得た
(比較サンプル1)。同様に、市販の銀ハイドロキシア
パタイト5部をポリ塩化ビニル95部に混合し、実施例
1と同様にしてシュリンク可能な延伸されたチューブ状
フィルムを得た(比較サンプル2)。
【0037】〈被覆体〉上述のサンプル1〜3および比
較サンプル1〜2のチューブ状の延伸フィルムに計4個
のピンホール状の小孔をあけてから、円筒状のABS樹
脂成形品の胴部にかぶせ、加熱収縮させることにより被
覆体1〜3、比較被覆体1〜2を得た。収縮後のフィル
ムの外表面積は100cm2 であった。
【0038】〈脱臭試験〉ブラックライトを内側に配置
した容量5リットルのガラス容器内に、上記の各サンプ
ルを入れてから、蓋をして密閉した。なお太陽光や室内
灯を光源とせずにブラックライトを用いたのは、経時的
な臭気成分濃度を正確に測定すべく光量を一定にするた
めである。
【0039】ガラス容器の上部から臭気ガス(アンモニ
ア、アセトアルデヒド、トリメチルアミンまたは酢酸)
を注入し、ブラックライトを照射して、直後および4時
間後にヘッドスペースガスをサンプリングし、臭気成分
の濃度を検知管で測定した。結果を表1に示す。表1中
の数値はppm である。
【0040】
【表1】 NH3 CH3CHO N(CH2CH3)3 CH3COOH 初期 4hr 初期 4hr 初期 4hr 初期 4hr 被覆体1 53 35 35 21 122 81 30 19 被覆体2 54 20 33 12 120 55 30 13 被覆体3 55 22 32 13 120 54 31 13 比較被覆体1 53 50 32 30 123 119 31 29 比較被覆体2 54 49 34 31 121 118 30 29
【0041】表1から、銀ゼオライトや銀ハイドロキシ
アパタイトを配合した比較被覆体1および2にあって
は、脱臭作用は事実上期待できないことがわかる。これ
に対し、光触媒用酸化チタンを配合した被覆体1〜3に
あっては、有効な脱臭作用が示され、特に光触媒用酸化
チタンを配合しかつコロナ放電処理や低温プラズマ処理
を行った被覆体2および3においてはすぐれた脱臭作用
が示されることがわかる。
【0042】〈抗菌試験〉上述の被覆体1〜3、比較被
覆体1〜2から被覆されている収縮体を切り裂いて取り
出し、30mm×60mmの大きさのサンプルを作成した。
【0043】市販培地 0.1重量%を含む水(自然落下菌
を含む)40mlに上述のサンプルを入れて密封し、室内
自然光下に静置することにより行った。菌の繁殖は、9
6時間後に600nmの透過率を測定することにより判定
した。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】 96時間後の サンプル 透過率(%T) 状態 備 考 ブランク 84.3 白濁、腐敗臭 被覆体1 91.0 透明、無臭 光触媒用TiO2配合 被覆体2 99.2 透明、無臭 同上TiO2配合/コロナ放電処理 被覆体3 99.0 透明、無臭 同上TiO2配合/低温プラズマ処理 比較被覆体1 88.6 透明、無臭 銀ゼオライト配合 比較被覆体2 89.3 透明、無臭 銀ハイドロキシアパタイト配合
【0045】表2から、被覆体2〜3においては特にす
ぐれた抗菌性が奏され、被覆体1および比較被覆体1〜
2においてはそれに次ぐ抗菌性が奏されることがわか
る。
【0046】なお、被覆体1〜3および比較被覆体1〜
2を喫煙室や調理場など有機物による汚染を受けやすい
場所に置いたときは、長期間放置すると、比較被覆体1
〜2においては汚れが目立ち、条件が悪いときはその汚
れの上にカビがはえることがあった。これに対し、被覆
体1〜3、殊に被覆体2〜3にあっては、付着した汚れ
自体が分解し、常に抗菌性(脱臭性も)が発揮されるこ
とが判明した。
【0047】
【発明の効果】作用の項でも述べたように、本発明の機
能性シュリンク性チューブの収縮体により被覆された被
覆体にあっては、フィルムにより汚れの防止、傷付きの
防止、バージンシールが図られるのみならず、機能性シ
ュリンク性チューブの収縮体中の光触媒作用を有する無
機質粒子により、すぐれた抗菌、脱臭作用が奏される。
【0048】また光触媒作用を有する無機質粒子は有機
物を分解する作用があるので、有機物の汚れ(手垢、喫
煙時のニコチンやヤニ、線香のヤニ、調理時の油煙等)
が付着してもそれを効果的に分解し、汚れを土台として
その上にカビが生育するおそれがない。
【0049】光触媒作用を有する無機質粒子が配合され
たシュリンク性可能な延伸フィルムの表面を延伸の前ま
たは後にコロナ放電処理、低温プラズマ処理等により微
細に粗面化処理しておくと、そのような粗面化処理を行
わない場合に比し抗菌および脱臭能力が格段に向上す
る。
【0050】本発明の機能性シュリンク性チューブによ
る物品の被覆は、メーカーや加工・包装業者の段階にお
いてのみならず、家庭においても乾燥器、オーブン、ド
ライヤー、スチームアイロンなどを用いて簡単に行うこ
とができるので、快適な環境を作ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29C 61/06 B29C 61/06 63/42 63/42 B32B 5/18 B32B 5/18 // B29K 105:02 B29L 7:00 9:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光触媒作用を有する無機質粒子が配合され
    たシュリンク可能な延伸フィルムからなることを特徴と
    する機能性シュリンク性フィルム。
  2. 【請求項2】光触媒作用を有する無機質粒子が配合され
    たシュリンク可能な延伸フィルムからなりかつその表面
    が微細に粗面化されていることを特徴とする機能性シュ
    リンク性フィルム。
  3. 【請求項3】筒状または袋状であるか、あるいはヒート
    シールにより筒状または袋状に形成可能である請求項1
    または2記載の機能性シュリンク性フィルム。
  4. 【請求項4】窓または小孔が設けられている請求項1〜
    3のいずれかに記載の機能性シュリンク性フィルム。
  5. 【請求項5】粗面化がコロナ放電処理または低温プラズ
    マ処理によりなされている請求項2記載の機能性シュリ
    ンク性フィルム。
  6. 【請求項6】請求項1の機能性シュリンク性フィルムの
    収縮体により物品が被覆された構造を有する被覆体。
  7. 【請求項7】請求項2の機能性シュリンク性フィルムの
    収縮体により物品が被覆された構造を有する被覆体。
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