JPH10328838A - コンデンサ充放電式のスタッド溶接装置 - Google Patents
コンデンサ充放電式のスタッド溶接装置Info
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- JPH10328838A JPH10328838A JP9180226A JP18022697A JPH10328838A JP H10328838 A JPH10328838 A JP H10328838A JP 9180226 A JP9180226 A JP 9180226A JP 18022697 A JP18022697 A JP 18022697A JP H10328838 A JPH10328838 A JP H10328838A
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- welding
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- capacitor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コンデンサ充放電式のスタッド溶接装置にお
いて、放電終了後速やかに、放電回路を開いて、装置の
小型化と軽量化を図る。 【解決手段】 直流電源の電源回路にフの字型過電流保
護回路を備え、スタッド(1)と母材(4)間にコンデ
ンサ(C)の電荷を放電させたとき、そのときの放電回
路の短絡により、直流電源の出力電流をサイリスタ(S
CR)の保持電流以下にして、サイリスタ(SCR)を
ターンオフさせて放電回路を開く。
いて、放電終了後速やかに、放電回路を開いて、装置の
小型化と軽量化を図る。 【解決手段】 直流電源の電源回路にフの字型過電流保
護回路を備え、スタッド(1)と母材(4)間にコンデ
ンサ(C)の電荷を放電させたとき、そのときの放電回
路の短絡により、直流電源の出力電流をサイリスタ(S
CR)の保持電流以下にして、サイリスタ(SCR)を
ターンオフさせて放電回路を開く。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンデンサ充放
電式のスタッド溶接装置に関する。
電式のスタッド溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のコンデンサ充放電式のスタッド溶
接装置では、直流電源でコンデンサに充電し、サイリス
タを駆動させて放電させて溶接している。
接装置では、直流電源でコンデンサに充電し、サイリス
タを駆動させて放電させて溶接している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、このような充
放電式のスタッド溶接装置では、コンデンサの放電終了
後も、母材又はスタッドと溶接ガンを離して、両者間を
絶縁状態にしない限り、サイリスタの特性によりターン
オフされずに、直流電源よりのコンデンサ充電電流は短
絡回路となった溶接部に流れている。このため、回路が
発熱するから、電源部と溶接ガンをつなぐ導線を太くす
る必要があるほか、電源部のトランス、コンデンサ、サ
イリスタ等は容量の大なるものを使用する必要があっ
た。このため電源部は大型で携帯できない程度の重量と
なり、溶接箇所から離れた作業場所の床面に設置しなけ
ればならず、溶接ガンと電源部を結ぶ導線が長く、かつ
太いので、その重さと剛性とにより、作業者の溶接作業
時の動作を束縛している。
放電式のスタッド溶接装置では、コンデンサの放電終了
後も、母材又はスタッドと溶接ガンを離して、両者間を
絶縁状態にしない限り、サイリスタの特性によりターン
オフされずに、直流電源よりのコンデンサ充電電流は短
絡回路となった溶接部に流れている。このため、回路が
発熱するから、電源部と溶接ガンをつなぐ導線を太くす
る必要があるほか、電源部のトランス、コンデンサ、サ
イリスタ等は容量の大なるものを使用する必要があっ
た。このため電源部は大型で携帯できない程度の重量と
なり、溶接箇所から離れた作業場所の床面に設置しなけ
ればならず、溶接ガンと電源部を結ぶ導線が長く、かつ
太いので、その重さと剛性とにより、作業者の溶接作業
時の動作を束縛している。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は直流電源の電源回路に過電流保護回路
を備え、スタッドと母材間にコンデンサの電荷を放電さ
せたとき、そのときの放電回路の短絡により、直流電源
の出力電流をサイリスタの保持電流以下にして、サイリ
スタをターンオフさせて放電回路が開くようにした。
ために、本発明は直流電源の電源回路に過電流保護回路
を備え、スタッドと母材間にコンデンサの電荷を放電さ
せたとき、そのときの放電回路の短絡により、直流電源
の出力電流をサイリスタの保持電流以下にして、サイリ
スタをターンオフさせて放電回路が開くようにした。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のコンデンサ充放電式のス
タッド溶接装置は、溶接ガンに装着したスタッドの先端
を母材表面に接触させたのち、サイリスタをターンオン
させて、スタッドと母材間にコンデンサの電荷を放電さ
せるとともに、そのときの放電回路の短絡により過電流
保護回路を働かせ、直流電源の出力電流をサイリスタの
保持電流以下にして、サイリスタをターンオフさせて放
電回路を開いたのち、コンデンサに充電するようにし
た。
タッド溶接装置は、溶接ガンに装着したスタッドの先端
を母材表面に接触させたのち、サイリスタをターンオン
させて、スタッドと母材間にコンデンサの電荷を放電さ
せるとともに、そのときの放電回路の短絡により過電流
保護回路を働かせ、直流電源の出力電流をサイリスタの
保持電流以下にして、サイリスタをターンオフさせて放
電回路を開いたのち、コンデンサに充電するようにし
た。
【0006】本発明のコンデンサ充放電式のスタッド溶
接装置の溶接ガンが、その先端に溶接する丸棒の両端を
尖鋭化したスタッドを挟持するチャック、そのチャック
の軸線に平行で、軸線を中心とする垂直円周上に等間隔
で突設された3本の脚棒、及びその円周内に突設された
アース棒を備え、各脚棒の先端を母材に当接させたと
き、チャックの軸線が母材に対して垂直に維持され、か
つチャックに挟持されたスタッドの先端及びアース棒の
先端が母材に圧接されるとともに、アース棒とスタッド
及び各脚棒を結ぶアンド回路の整合判定により、溶接ガ
ンのトリガーを引くと、スタッドと母材間にコンデンサ
の電荷の放電による溶接電流が流れる安全機構を備え、
かつ溶接ガンと電源部とを連結する溶接導線とアース導
線を同一の接続ケーブル内に収納したものとすると、電
源部を携帯可能な程度にまで軽量小型化することができ
る。
接装置の溶接ガンが、その先端に溶接する丸棒の両端を
尖鋭化したスタッドを挟持するチャック、そのチャック
の軸線に平行で、軸線を中心とする垂直円周上に等間隔
で突設された3本の脚棒、及びその円周内に突設された
アース棒を備え、各脚棒の先端を母材に当接させたと
き、チャックの軸線が母材に対して垂直に維持され、か
つチャックに挟持されたスタッドの先端及びアース棒の
先端が母材に圧接されるとともに、アース棒とスタッド
及び各脚棒を結ぶアンド回路の整合判定により、溶接ガ
ンのトリガーを引くと、スタッドと母材間にコンデンサ
の電荷の放電による溶接電流が流れる安全機構を備え、
かつ溶接ガンと電源部とを連結する溶接導線とアース導
線を同一の接続ケーブル内に収納したものとすると、電
源部を携帯可能な程度にまで軽量小型化することができ
る。
【0007】また上記した発明において、溶接ガンと電
源部とを連結する接続ケーブル内に溶接制御用導線をも
内蔵させることもできる。
源部とを連結する接続ケーブル内に溶接制御用導線をも
内蔵させることもできる。
【0008】さら上記した各発明において、スタッド
が、黄銅製の丸棒をその軸と50〜70゜の角度で、両
側から断面3角形の刃物で所定長さに切断したものであ
ると特に好ましい。
が、黄銅製の丸棒をその軸と50〜70゜の角度で、両
側から断面3角形の刃物で所定長さに切断したものであ
ると特に好ましい。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を、ダクトやパネル材などの
母材に、断熱材や防音材等の被覆材を添着するため、母
材に先端を尖鋭化したスタッドを立設する溶接装置に基
づいて、図面を参照してその詳細を説明する。図1は本
発明のコンデンサ充放電式のスタッド溶接装置の概略を
説明するための系統図であり、装置は電源部、溶接ガン
及び接続ケーブルとからなる。
母材に、断熱材や防音材等の被覆材を添着するため、母
材に先端を尖鋭化したスタッドを立設する溶接装置に基
づいて、図面を参照してその詳細を説明する。図1は本
発明のコンデンサ充放電式のスタッド溶接装置の概略を
説明するための系統図であり、装置は電源部、溶接ガン
及び接続ケーブルとからなる。
【0010】電源部は、商用100V交流電源を整流し
て、直流84V電源とし、22,000μFのコンデン
サ(C)に充電している。その直流電源には、それ自体
公知のスイッチングレギュレータ回路とフの字型過電流
保護回路が組み込まれている。
て、直流84V電源とし、22,000μFのコンデン
サ(C)に充電している。その直流電源には、それ自体
公知のスイッチングレギュレータ回路とフの字型過電流
保護回路が組み込まれている。
【0011】そしてコンデンサー(C)の放電は、サイ
リスタ(SCR)をターンオンさせることにより行われ
る。使用されるサイリスタは、例えば定格実効電流値が
50Aで、その保持電流値は約150mAである。そし
て図示していないが、後に詳述するように、スタッド1
の先端及びアース63棒の先端が母材4に圧接されて、
アース棒63とスタッド1及び各脚棒を結ぶアンド回路
の整合判定により、溶接ガン6のトリガーを引くと、サ
イリスタのゲート(G)に電流が流れ、サイリスタがタ
ーンオンして、コンデンサに充電されていた電荷が、ス
タッド1と母材4間に放電され、スタッド1が母材4に
溶着される。
リスタ(SCR)をターンオンさせることにより行われ
る。使用されるサイリスタは、例えば定格実効電流値が
50Aで、その保持電流値は約150mAである。そし
て図示していないが、後に詳述するように、スタッド1
の先端及びアース63棒の先端が母材4に圧接されて、
アース棒63とスタッド1及び各脚棒を結ぶアンド回路
の整合判定により、溶接ガン6のトリガーを引くと、サ
イリスタのゲート(G)に電流が流れ、サイリスタがタ
ーンオンして、コンデンサに充電されていた電荷が、ス
タッド1と母材4間に放電され、スタッド1が母材4に
溶着される。
【0012】スタッド1と母材4間にコンデンサの電荷
を放電させたとき、そのときの放電回路の短絡により、
充電電源回路に設けたフの字型過電流保護回路が作動し
て、出力電圧は1.2Vとなり、その垂下特性ととも
に、放電後のコンデンサの低インピーダンスによる分流
で、サイリスタの端子電圧は約0.2Vにまで低下す
る。このときサイリスタを含む放電回路の抵抗値は2.
15Ωであり、サイリスタ回路を流れる計算電流値は約
93mAで、サイリスタの保持電流値150mA以下と
なるので、サイリスタがターンオフして放電回路が開
く。
を放電させたとき、そのときの放電回路の短絡により、
充電電源回路に設けたフの字型過電流保護回路が作動し
て、出力電圧は1.2Vとなり、その垂下特性ととも
に、放電後のコンデンサの低インピーダンスによる分流
で、サイリスタの端子電圧は約0.2Vにまで低下す
る。このときサイリスタを含む放電回路の抵抗値は2.
15Ωであり、サイリスタ回路を流れる計算電流値は約
93mAで、サイリスタの保持電流値150mA以下と
なるので、サイリスタがターンオフして放電回路が開
く。
【0013】このように放電回路の通電時間が極めて短
く、溶接ガンと電源部とを連結する溶接導線とアース導
線の接続ケーブルが1.5mと短いため、サイリスタや
接続ケーブル69の発熱が少ないので、サイリスタの容
量を小さくすることができ、また接続ケーブル69も小
径の導線からなるもので対応できる。
く、溶接ガンと電源部とを連結する溶接導線とアース導
線の接続ケーブルが1.5mと短いため、サイリスタや
接続ケーブル69の発熱が少ないので、サイリスタの容
量を小さくすることができ、また接続ケーブル69も小
径の導線からなるもので対応できる。
【0014】この実施例において、フの字型過電流保護
回路の垂下特性を利用しているが、逆L字型過電流保護
回路の垂下特性や、その他の過電流保護回路の垂下特性
も利用することが可能である。
回路の垂下特性を利用しているが、逆L字型過電流保護
回路の垂下特性や、その他の過電流保護回路の垂下特性
も利用することが可能である。
【0015】図2はスタッド溶接装置の溶接ガン6を、
母材4に近づけた状態を示す一部断面の側面図である。
溶接ガン6の先端に、溶接するスタッド1を挟持するチ
ャック61、そのチャック61の軸線に平行で、軸線を
中心とする垂直円周上に等間隔で突設された金属製の3
本の脚棒62,62,62及びその円周内に突設された
アース棒63を備えている。すなわち、溶接電流の給電
点であるチャック61を母材4の溶接点に近づけてスタ
ッド1による電気抵抗を小さくし、かつ母材4の溶接点
にアース棒63の先端64を近接させることにより母材
による電気抵抗を小さくして、溶接電流の損失を少なく
している。
母材4に近づけた状態を示す一部断面の側面図である。
溶接ガン6の先端に、溶接するスタッド1を挟持するチ
ャック61、そのチャック61の軸線に平行で、軸線を
中心とする垂直円周上に等間隔で突設された金属製の3
本の脚棒62,62,62及びその円周内に突設された
アース棒63を備えている。すなわち、溶接電流の給電
点であるチャック61を母材4の溶接点に近づけてスタ
ッド1による電気抵抗を小さくし、かつ母材4の溶接点
にアース棒63の先端64を近接させることにより母材
による電気抵抗を小さくして、溶接電流の損失を少なく
している。
【0016】そして、図3に示すように溶接ガン6を母
材4に押しつけたとき、各脚棒62,62,62の先端
が母材4に当接し、チャック61の軸線が母材4に対し
て垂直に維持されるようになっている。従って、溶接時
にスタッド1の溶融した先端は、確実に母材4の溶融し
た部分の中心に押しつけられ、スタッド1は母材4に強
固に溶着される。
材4に押しつけたとき、各脚棒62,62,62の先端
が母材4に当接し、チャック61の軸線が母材4に対し
て垂直に維持されるようになっている。従って、溶接時
にスタッド1の溶融した先端は、確実に母材4の溶融し
た部分の中心に押しつけられ、スタッド1は母材4に強
固に溶着される。
【0017】そのうえ、溶接ガン6を母材4に押しつけ
たとき、アース棒6とスタッド1及び各脚棒62,6
2,62を結ぶアンド回路により、ガン6のトリガー6
5を引くことにより、スタッド1と母材4間に溶接電流
が流れるように安全機構が設けられている。このとき、
アンド回路が整合を判定したとき、発光ダイオード、ラ
ンプ、ブザーなどの信号により、作業者が確認できるよ
うにしておくことが好ましい。したがって、アース棒6
3とスタッド1及び各脚棒62,62,62のいずれか
が、母材4から離れていると、トリガー65を引いても
溶接電流が流れない。もちろん人体が介在したり或いは
母材表面に塗装皮膜などが施されていて、120Ω以上
の抵抗値がある場合も、トリガー65を引いても溶接電
流は流れない安全機構が設けられている。
たとき、アース棒6とスタッド1及び各脚棒62,6
2,62を結ぶアンド回路により、ガン6のトリガー6
5を引くことにより、スタッド1と母材4間に溶接電流
が流れるように安全機構が設けられている。このとき、
アンド回路が整合を判定したとき、発光ダイオード、ラ
ンプ、ブザーなどの信号により、作業者が確認できるよ
うにしておくことが好ましい。したがって、アース棒6
3とスタッド1及び各脚棒62,62,62のいずれか
が、母材4から離れていると、トリガー65を引いても
溶接電流が流れない。もちろん人体が介在したり或いは
母材表面に塗装皮膜などが施されていて、120Ω以上
の抵抗値がある場合も、トリガー65を引いても溶接電
流は流れない安全機構が設けられている。
【0018】なお、溶接ガン6を母材4に押しつけたと
き、チャック61に挟持されたスタッド1は、チャック
61の後方に設けられた図示していないバネにより、母
材4に対して0.5〜1.5kgの圧接力で接触するよ
うになっている。同様にアース棒63の先端64も0.
8〜2kgの圧接力で接触するようになっており、かつ
その先端64部分はアークにより変形や汚染し易いの
で、簡単に交換できるようになっている。
き、チャック61に挟持されたスタッド1は、チャック
61の後方に設けられた図示していないバネにより、母
材4に対して0.5〜1.5kgの圧接力で接触するよ
うになっている。同様にアース棒63の先端64も0.
8〜2kgの圧接力で接触するようになっており、かつ
その先端64部分はアークにより変形や汚染し易いの
で、簡単に交換できるようになっている。
【0019】本発明で使用されるスタッド1としては、
丸棒の両端を尖鋭化したものが好ましいが、特に好まし
いスタッド1の形状について、図4を参照して説明す
る。スタッド1用の丸棒51の径は、被覆材の重量や厚
さにより異なるが、1〜2mm程度である。黄銅製の丸
棒をその軸と60゜の角度で、両側から断面3角形の刃
物、例えばニッパーのような刃先角80゜のもので、所
定長さに切断したものである。丸棒51の長さは30〜
150mm程度であり、母材4に添着する被覆材の厚さ
により適宜選択される。なお、丸棒51の両端の先端角
を同一にしておくと、いずれの側も溶接する側に使用で
きる。このようなスタッド1は、単純な工程で製作する
ことができるので、価格的に極めて有利である。
丸棒の両端を尖鋭化したものが好ましいが、特に好まし
いスタッド1の形状について、図4を参照して説明す
る。スタッド1用の丸棒51の径は、被覆材の重量や厚
さにより異なるが、1〜2mm程度である。黄銅製の丸
棒をその軸と60゜の角度で、両側から断面3角形の刃
物、例えばニッパーのような刃先角80゜のもので、所
定長さに切断したものである。丸棒51の長さは30〜
150mm程度であり、母材4に添着する被覆材の厚さ
により適宜選択される。なお、丸棒51の両端の先端角
を同一にしておくと、いずれの側も溶接する側に使用で
きる。このようなスタッド1は、単純な工程で製作する
ことができるので、価格的に極めて有利である。
【0020】つぎに上記した丸棒51から作られたスタ
ッド1を用いて、母材4に被覆材を添着する方法を、図
2及び図3に従って説明する。スタッド1をガン6の頭
部中央のチャック61内に挿入して、チャック61に挟
持させる。このときスタッド1の後端は、チャック61
に付属するパイプ内に挿入されたストッパー66で係止
される。スタッド1の長さに応じて異なる長さのストッ
パー66を用意しておけば、チャック61に装着された
スタッド1の先端位置は常に一定となる。
ッド1を用いて、母材4に被覆材を添着する方法を、図
2及び図3に従って説明する。スタッド1をガン6の頭
部中央のチャック61内に挿入して、チャック61に挟
持させる。このときスタッド1の後端は、チャック61
に付属するパイプ内に挿入されたストッパー66で係止
される。スタッド1の長さに応じて異なる長さのストッ
パー66を用意しておけば、チャック61に装着された
スタッド1の先端位置は常に一定となる。
【0021】スタッド1をチャック61に装着し、3本
の脚棒62,62,62の先端を母材4に当接した状態
で溶接ガン6のトリガー65を引くと、スタッド1の先
端と母材4間に瞬間的に溶接電流が流れてアークが発生
し、スタッド1の先端と母材4の接点の周りが溶融し、
圧接力によりスタッド1は母材4に溶着される。溶接が
完了し、溶接ガン6を母材4から離すと、スタッド1は
母材4に強固に立設される。ついでスタッド1の尖鋭化
した他端より被覆材を押し込み、被覆材から突出したス
タッド1部分にワッシャをはめたのち、その部分を折り
曲げると、被覆材はダクトの母材4に添着される。
の脚棒62,62,62の先端を母材4に当接した状態
で溶接ガン6のトリガー65を引くと、スタッド1の先
端と母材4間に瞬間的に溶接電流が流れてアークが発生
し、スタッド1の先端と母材4の接点の周りが溶融し、
圧接力によりスタッド1は母材4に溶着される。溶接が
完了し、溶接ガン6を母材4から離すと、スタッド1は
母材4に強固に立設される。ついでスタッド1の尖鋭化
した他端より被覆材を押し込み、被覆材から突出したス
タッド1部分にワッシャをはめたのち、その部分を折り
曲げると、被覆材はダクトの母材4に添着される。
【0022】本発明のコンデンサ充放電式のスタッド溶
接装置は上記したように、放電回路の通電時間が極めて
短いほか、スタッド1の先端を尖鋭化し、溶接電流の供
給点やアース棒63の先端64を母材4の溶接点に接近
させて配置し、電気抵抗を減らして溶接電流のロスを少
なくすることにより、電源部を大幅に軽量小型化するこ
とができる。その結果に基づき電源部を肩掛け式で携帯
可能とし、電源部とガン6を連結する溶接導線とアース
導線を短縮することができたので、導線のインピーダン
スが下がり、必要な溶接電流値をさらに低くすることが
可能となった。このことによりさらに電源部とガン6を
連結する溶接導線とアース導線を同一の2芯の接続ケー
ブル内に収納することができた。そのうえ溶接電流によ
る誤作動を防ぐ手段を設けることにより、さらに溶接制
御用導線をも同一の4芯のキャプタイヤケーブル内に収
納することもできる。
接装置は上記したように、放電回路の通電時間が極めて
短いほか、スタッド1の先端を尖鋭化し、溶接電流の供
給点やアース棒63の先端64を母材4の溶接点に接近
させて配置し、電気抵抗を減らして溶接電流のロスを少
なくすることにより、電源部を大幅に軽量小型化するこ
とができる。その結果に基づき電源部を肩掛け式で携帯
可能とし、電源部とガン6を連結する溶接導線とアース
導線を短縮することができたので、導線のインピーダン
スが下がり、必要な溶接電流値をさらに低くすることが
可能となった。このことによりさらに電源部とガン6を
連結する溶接導線とアース導線を同一の2芯の接続ケー
ブル内に収納することができた。そのうえ溶接電流によ
る誤作動を防ぐ手段を設けることにより、さらに溶接制
御用導線をも同一の4芯のキャプタイヤケーブル内に収
納することもできる。
【0023】このように溶接導線とアース導線とを、近
接平行する細い同一接続ケーブル96内に収納できたの
は、コンデンサ成分、導線のコイル成分、放電時間との
間に、LC共振現象が起こって導線のインピーダンスが
低下するため力率が改善されたものと思われる。なお、
電源部とガン6を連結する溶接導線とアース導線を、接
続ケーブル69として長さ1.5mの導体断面積2mm
2の2芯キャプタイヤケーブルを用い、両端を尖鋭化し
た直径1.6mmのスタッド1を溶接するに必要な電流
値、すなわち1880アンペア秒を千分の1秒間、6秒
サイクルで20万回通電するテストを実施したが、接続
ケーブル69の温度上昇は20゜C以下であり、実用的
には全く問題がないと思われる。
接平行する細い同一接続ケーブル96内に収納できたの
は、コンデンサ成分、導線のコイル成分、放電時間との
間に、LC共振現象が起こって導線のインピーダンスが
低下するため力率が改善されたものと思われる。なお、
電源部とガン6を連結する溶接導線とアース導線を、接
続ケーブル69として長さ1.5mの導体断面積2mm
2の2芯キャプタイヤケーブルを用い、両端を尖鋭化し
た直径1.6mmのスタッド1を溶接するに必要な電流
値、すなわち1880アンペア秒を千分の1秒間、6秒
サイクルで20万回通電するテストを実施したが、接続
ケーブル69の温度上昇は20゜C以下であり、実用的
には全く問題がないと思われる。
【0024】上記の実施例では、ダクトやパネル材など
の母材に、断熱材や防音材等の被覆材を添着するため、
母材に先端を尖鋭化したスタッドを立設する溶接装置に
基づいて説明しているが、本発明はその他のコンデンサ
充放電式のスタッド溶接装置においても実施することが
できる。
の母材に、断熱材や防音材等の被覆材を添着するため、
母材に先端を尖鋭化したスタッドを立設する溶接装置に
基づいて説明しているが、本発明はその他のコンデンサ
充放電式のスタッド溶接装置においても実施することが
できる。
【0025】また、スタッド1として、実施例では黄銅
製の丸棒51をその軸と60゜の角度で両側から、刃先
角80゜の3角形の刃物で所定長さに切断したものを使
用した場合を挙げているが、軸との角度は50〜70゜
の範囲であれば利用することができる。しかし、丸棒5
1の軸との角度が70゜を超すと、スタッド1と母材4
との接触抵抗値が下がり、放電時に短絡状態となりアー
クが飛びにくくなり、50゜に満たないときは溶接強度
が低下する。なお丸棒51の棒径は1〜2mm程度であ
る。
製の丸棒51をその軸と60゜の角度で両側から、刃先
角80゜の3角形の刃物で所定長さに切断したものを使
用した場合を挙げているが、軸との角度は50〜70゜
の範囲であれば利用することができる。しかし、丸棒5
1の軸との角度が70゜を超すと、スタッド1と母材4
との接触抵抗値が下がり、放電時に短絡状態となりアー
クが飛びにくくなり、50゜に満たないときは溶接強度
が低下する。なお丸棒51の棒径は1〜2mm程度であ
る。
【0026】スタッド1としてそのほか、丸棒51の先
端の角度を30〜90゜の範囲で、円錐状に尖鋭化した
ものや、四つ目きりや三つ目きりの先端のように角錐状
に尖鋭化したものでもよく、またはナイフ状に尖鋭化し
たものでもよい。このようにスタッド1の先端を尖鋭化
することにより、低い溶接電流値でも充分なアークを発
生させることができるのである。丸棒51の材質は、溶
接する母材の金属の種類やその金属の表面処理の方法な
どに応じて、軟鉄、ステンレス、銅、黄銅、アルミニウ
ムなどから選択して使用することができる。
端の角度を30〜90゜の範囲で、円錐状に尖鋭化した
ものや、四つ目きりや三つ目きりの先端のように角錐状
に尖鋭化したものでもよく、またはナイフ状に尖鋭化し
たものでもよい。このようにスタッド1の先端を尖鋭化
することにより、低い溶接電流値でも充分なアークを発
生させることができるのである。丸棒51の材質は、溶
接する母材の金属の種類やその金属の表面処理の方法な
どに応じて、軟鉄、ステンレス、銅、黄銅、アルミニウ
ムなどから選択して使用することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明のコンデンサ充放電式スタッド溶
接装置は、直流電源の電源回路に過電流保護回路を備
え、スタッドと母材間にコンデンサの電荷を放電させた
とき、そのときの放電回路の短絡により、直流電源の出
力電流をサイリスタの保持電流以下にして、サイリスタ
をターンオフさせて放電回路が開くようにした。従っ
て、放電回路の通電時間が極めて短く、かつ溶接の完了
とともに直ちにコンデンサの充電が始まるので、限られ
た溶接サイクルタイム内で充電時間を長くとることがで
きるほか、溶接装置の電源部のトランス、コンデンサ、
サイリスタ等の容量を小さくすることができて、電源部
の小型化及び軽量化、並びに接続ケーブルの発熱が少な
いので、小径の導線での対応が可能となった。
接装置は、直流電源の電源回路に過電流保護回路を備
え、スタッドと母材間にコンデンサの電荷を放電させた
とき、そのときの放電回路の短絡により、直流電源の出
力電流をサイリスタの保持電流以下にして、サイリスタ
をターンオフさせて放電回路が開くようにした。従っ
て、放電回路の通電時間が極めて短く、かつ溶接の完了
とともに直ちにコンデンサの充電が始まるので、限られ
た溶接サイクルタイム内で充電時間を長くとることがで
きるほか、溶接装置の電源部のトランス、コンデンサ、
サイリスタ等の容量を小さくすることができて、電源部
の小型化及び軽量化、並びに接続ケーブルの発熱が少な
いので、小径の導線での対応が可能となった。
【0028】前記の電源部の小型化及び軽量化により、
電源部を携帯することができるようになった結果、電源
部を溶接ガンに近接させることにより、接続ケーブルを
短縮することが可能となり、さらに電源部の小型化と軽
量化を計ることができた。
電源部を携帯することができるようになった結果、電源
部を溶接ガンに近接させることにより、接続ケーブルを
短縮することが可能となり、さらに電源部の小型化と軽
量化を計ることができた。
【0029】また、スタッドを、黄銅製の丸棒の両端を
その軸と50〜70゜の角度で、両側から断面3角形の
刃物で、所定長さに切断したものとすると、製造費が安
いので価格的に極めて有利である。
その軸と50〜70゜の角度で、両側から断面3角形の
刃物で、所定長さに切断したものとすると、製造費が安
いので価格的に極めて有利である。
【図1】本発明のコンデンサ充放電式のスタッド溶接装
置の概略を説明するための系統図である。
置の概略を説明するための系統図である。
【図2】本発明の溶接ガンを、母材に近づけた状態を示
す一部断面の側面図である。
す一部断面の側面図である。
【図3】本発明の溶接ガンを、母材に押しつけた状態を
示す一部断面の側面図である。
示す一部断面の側面図である。
【図4】スタッドの一例を示す側面図である。
1 スタッド 4 母材 6 溶接ガン 61 チャック 62 脚棒 63 アース棒 65 トリガー 69 接続ケーブル C コンデンサ SCR サイリスタ
Claims (4)
- 【請求項1】 溶接ガンに装着したスタッドの先端を母
材表面に接触させたのち、サイリスタをターンオンさせ
て、スタッドと母材間にコンデンサの電荷を放電させる
とともに、そのときの放電回路の短絡により過電流保護
回路を働かせ、直流電源の出力電流をサイリスタの保持
電流以下にして、サイリスタをターンオフさせて放電回
路を開いたのち、コンデンサに充電することを特徴とす
る、コンデンサ充放電式のスタッド溶接装置。 - 【請求項2】 溶接ガンが、その先端に溶接する丸棒の
両端を尖鋭化したスタッドを挟持するチャック、そのチ
ャックの軸線に平行で、軸線を中心とする垂直円周上に
等間隔で突設された3本の脚棒、及びその円周内に突設
されたアース棒を備え、各脚棒の先端を母材に当接させ
たとき、チャックの軸線が母材に対して垂直に維持さ
れ、かつチャックに挟持されたスタッドの先端及びアー
ス棒の先端が母材に圧接されるとともに、アース棒とス
タッド及び各脚棒を結ぶアンド回路の整合判定により、
溶接ガンのトリガーを引くと、スタッドと母材間にコン
デンサの電荷の放電による溶接電流が流れる安全機構を
備え、かつ溶接ガンと電源部とを連結する溶接導線とア
ース導線を同一の接続ケーブル内に収納したものである
請求項1に記載のコンデンサ充放電式のスタッド溶接装
置。 - 【請求項3】溶接ガンと電源部とを連結する接続ケーブ
ル内に溶接制御用導線をも内蔵した請求項1又は2に記
載のコンデンサ充放電式のスタッド溶接装置。 - 【請求項4】スタッドが、黄銅製の丸棒をその軸と50
〜70゜の角度で、両側から断面3角形の刃物で、所定
長さに切断したものである請求項1〜3のいずれか1項
に記載のコンデンサ充放電式のスタッド溶接装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9180226A JPH10328838A (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | コンデンサ充放電式のスタッド溶接装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9180226A JPH10328838A (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | コンデンサ充放電式のスタッド溶接装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10328838A true JPH10328838A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=16079597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9180226A Pending JPH10328838A (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | コンデンサ充放電式のスタッド溶接装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10328838A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003519575A (ja) * | 2000-01-14 | 2003-06-24 | エムハート リミテッド ライアビリティ カンパニー | 多段階アーク溶接法及び装置 |
JP2007014967A (ja) * | 2005-07-05 | 2007-01-25 | Asia Giken:Kk | スタッド溶接方法 |
CN104682794A (zh) * | 2015-02-11 | 2015-06-03 | 上海广为焊接设备有限公司 | 由枪控制的带短路保护的电机控制系统及电机系统 |
JP2023136458A (ja) * | 2022-03-17 | 2023-09-29 | Necプラットフォームズ株式会社 | 電源システム、処理方法、およびプログラム |
-
1997
- 1997-06-02 JP JP9180226A patent/JPH10328838A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003519575A (ja) * | 2000-01-14 | 2003-06-24 | エムハート リミテッド ライアビリティ カンパニー | 多段階アーク溶接法及び装置 |
JP2007014967A (ja) * | 2005-07-05 | 2007-01-25 | Asia Giken:Kk | スタッド溶接方法 |
CN104682794A (zh) * | 2015-02-11 | 2015-06-03 | 上海广为焊接设备有限公司 | 由枪控制的带短路保护的电机控制系统及电机系统 |
JP2023136458A (ja) * | 2022-03-17 | 2023-09-29 | Necプラットフォームズ株式会社 | 電源システム、処理方法、およびプログラム |
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