JPH10327972A - 面状弾性体による座面を有するシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 面状弾性体の組付け張設時に、面状弾性体の
テンションを容易に調節可能にし、面状弾性体の座面よ
り隆起する土手部を設けて着座時のホールド性を向上
し、面状弾性体の組付け張設を容易に行えるようにす
る。 【解決手段】 伸縮性のある面状弾性体１を座面に備
え、面状弾性体１の端末を支持プレート３に連結し、当
該面状弾性体１を支持プレート３で引っ張るように支持
プレート３をネジ止め具４ａ，４ｂでシートフレーム２
に締付け固定し、土手部パッド１１ｂをシートフレーム
２に組み付け、その土手部パッド１１ｂを面状弾性体１
の座面より連続する表皮材１１ａで被包して土手部１１
を設け、断面Ｌ字状の山形部材を支持プレート３とし、
面状弾性体１の端末を片辺３ａに連結し、他辺３ｂをネ
ジ止め具４ａ，４ｂでシートフレーム２に締付け固定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮性のある面状
弾性体から座面を形成する面状弾性体による座面を有す
るシートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】既に、伸縮性のある面状弾性体から座面
を形成するシートは知られている（ＵＳＰ５，０１３，
０８９、同５，５３３，７８９、特表平８ー５０７９３
５号）。この種のシートはデザイン的に変り、クッショ
ンパッドやシートスプリング等を省け、通気性を付与で
きると共に軽量化を図れ、面状弾性体が薄いところから
スペース効率もよい。

【０００３】その面状弾性体から座面を形成するシート
においては、面状弾性体を組付け張設するのにあたり、
樹脂枠を面状弾性体の端末に備え、この樹脂枠をシート
フレームの軸線上に設けた凹溝に嵌め込んで固定する。
また、面状弾性体の端末をシートフレームの軸線上に回
し込んで押えプレートと共にねじ止め固定するようにさ
れている。

【０００４】このシートでは面状弾性体の端末をシート
フレームに直接固定するものであるため、面状弾性体の
テンションを張設することができず、テンションを変え
るときには別の寸法のものによらなければならない。ま
た、そのシートでは土手部がほとんどないため、着座時
のホールド性に欠ける。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、面状弾性体
の組付け張設時に、面状弾性体のテンションを容易に調
節可能な面状弾性体による座面を有するシートを提供す
ることを目的とする。

【０００６】また、本発明は面状弾性体の座面より隆起
する土手部を設けて着座時のホールド性を向上可能な面
状弾性体による座面を有するシートを提供することを目
的とする。

【０００７】更に、本発明は面状弾性体の組付け張設を
容易に行える面状弾性体による座面を有するシートを提
供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
面状弾性体による座面を有するシートにおいては、伸縮
性のある面状弾性体を座面に備え、その面状弾性体の端
末を支持プレートに連結し、当該面状弾性体を支持プレ
ートで引っ張るように支持プレートをネジ止め具でシー
トフレームに締付け固定することにより構成されてい
る。

【０００９】本発明の請求項２に係る面状弾性体による
座面を有するシートにおいては、土手部パッドをシート
フレームに組み付け、その土手部パッドを面状弾性体の
座面より連続する表皮材で被包し、面状弾性体の座面よ
り隆起する土手部を設けることにより構成されている。

【００１０】本発明の請求項３に係る面状弾性体による
座面を有するシートにおいては、断面Ｌ字状の山形部材
を面状弾性体の支持プレートとして備え、面状弾性体の
端末を該支持プレートの片辺に連結し、その支持プレー
トの他辺をネジ止め具でシートフレームに締付け固定す
ることにより構成されている。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して説明す
ると、図示実施の形態は図１で示すように車両用シート
においてシートクッションＣ並びにシートバックＢの座
部を面状弾性体１で形成するのに適用されている。その
面状弾性体１は伸縮性のある布地でなり、例えば内装織
物に使用される繊維状ヤーンからなる複数のストランド
で交織された複数のエラストマーモノフィラメントで形
成したもの或いは１０００〜４０００デニールのエラス
トマーモノフィラメントを経糸また緯糸として用いるこ
とにより主たる伸縮性を付与した織物または編物を用い
るようにできる。

【００１２】その面状弾性体１を組付け張設するには、
面状弾性体１の端末を金属製のパイプ部材でなるシート
フレーム２（以下、「パイプフレーム」という。）に取
り付けることが行なわれている。また、面状弾性体１の
端末を支持プレート３に連結させてパイプフレーム２に
取り付けることが行なわれている。更に、支持プレート
３はネジ止め具４ａ，４ｂでパイプフレーム２に締付け
固定することが行なわれている。

【００１３】支持プレート３としては、鉄鋼，ステンレ
ス等の金属材料から形成した断面Ｌ字状の山形部材が用
いられている。この支持プレート３は、パイプフレーム
２との間に間隔を保って片辺３ａを外向きに向けると共
に、ボルト４ａ，ナット４ｂ等をネジ止め具として他辺
３ｂをパイプフレーム２に締付け固定することによりパ
イプフレーム２に取り付けられている。

【００１４】その支持プレート３に対し、面状弾性体１
は図２で示すようにポリプロピレン等の合成樹脂から形
成されたトリムコード５を面状弾性体１の端末に縫着
し、このトリム部材５を外向きに向かう片辺３ａに掛け
止めることにより端末を連結することができる。そのト
リムコード５には、釣り針状の断面形状を有するものを
用いるとよい。このトリムコード５では、内端側に設け
られた突起５ａを支持プレート３の片辺３ａに係止する
ことにより面状弾性体１に加わる張力に耐えられるよう
支持プレート３に強固に掛け止めることができる。

【００１５】それに代えて、面状弾性体１は図３で示す
如くトリコット等の強度的に強い布材６を端末に縫着
し、この布材６をポップリベット７やボルト，ナット等
の止め具で支持プレート３の片辺３ａにあてがい固定す
ることにより端末を支持プレート３に連結することがで
きる。その止め具７によるときには、熱間圧延材料でな
る座金８を軸線上に介在させるとよい。また、布材６に
はワイヤー９を内側に巻き込んで止め具７の取付位置外
側に配置すれば、面状弾性体１に加わる張力によるズレ
止めを図ることができる。

【００１６】図２，３で示す場合は、支持プレート３の
片辺３ａをシートの外方に向けて他辺３ｂをパイプフレ
ーム２の軸内側にあてがうことによりボルト４ａ，ナッ
ト４ｂで締め付け固定されている。この場合には、ナッ
ト４ｂがパイプフレーム２の軸内側に溶接固定されてい
る。

【００１７】上述した実施の形態の他、図４で示すよう
に支持プレート３の片辺３ａをシートの内方に向けて他
辺３ｂをパイプフレーム２の軸外側面にあてがうことに
よりボルト４ａ，ナット４ｂで締め付け固定することも
できる。この場合には、ボルト４ａのねじ軸部をシート
の外方に向けてパイプフレーム２の軸線上から支持プレ
ート３の他辺３ｂに貫通させることによりナット４ｂで
締付け固定すればよい。また、面状弾性体１は図３で示
すと同様に端末を布材６に連結し、ポップリベット７等
で支持プレート３の片辺３ａに連結すればよい。その
他、ボルト４ａは頭部をパイプフレーム２の軸内側面に
溶接固定するようにできる。

【００１８】このように構成するシートでは面状弾性体
１の端末を支持プレート３の片辺３ａに連結し、その支
持プレート３の他辺３ｂをパイプフレーム２にねじ止め
固定するべく、面状弾性体１を支持プレー３で引っ張
る，即ち、支持プレート３をパイプフレーム２にボルト
４ａ，ナット４ｂで締め付けることにより、面状弾性体
１のテンションをネジ止め具４ａ，４ｂのねじ込み度合
いで調整するようにできる。この他に、図２，３で示す
ようにスペーサ１０を支持プレート３とナット４ｂとの
間に介在させ、また、図４で示すように支持プレート３
の他辺３ｂとパイプフレーム２の軸外側面との間に介在
することにより面状弾性体１のテンションを強弱調整す
るようにもできる。

【００１９】その面状弾性体１は端末を予め支持プレー
ト３の片辺３ａに連結するため、当該端末を支持プレー
ト３に容易に連結することができる。また、支持プレー
ト３の締付けの際には、面状弾性体１の端末を連結した
支持プレート３の片辺３ａより直角方向に屈曲位置する
他辺３ｂの板面に向けてボルト４ａのねじ込処理を行え
るから、このボルト４ａを他の構成部材により何も邪魔
されないで容易にねじ込み固定することができる。

【００２０】そのシートにおいては、面状弾性体１によ
る座面より大きく隆起する土手部１１を組み付けること
ができる。この土手部１１は表皮材１１ａの端末を面状
弾性体１による座面の臨界線に縫着させて表皮材１１ａ
を面状弾性体１と連続状に備え、軟質フォームまたは綿
状物を土手部パッド１１ｂとし、断面Ｌ字状のアングル
部材１１ｃを土手部パッド１１ｂの受け部材としてパイ
プフレーム２の外側面に溶接固定し、土手部パッド１１
ｂをアングル部材１１ｃに組み付けて土手部パッド１１
ｂを表皮材１１ａで被包することにより組み立てること
ができる。

【００２１】その土手部１１の表皮材１１ａは、ポリプ
ロピレン等の合成樹脂から形成されたフック状のトリム
コード１２を端末に縫着し、このトリムコード１２をパ
イプフレーム２または支持プレート３に取り付けられる
ワイヤーフレーム１３に掛け止めることにより端末止着
することができる。このトリムコード１３を含めて、支
持プレート３，トリムコード５並びに座金８，ワイヤー
９は面状弾性体１の一辺において連続した一本ものを備
え、または複数個の分割成形ものを定間隔毎に備え付け
るようにもできる。

【００２２】上述した実施の形態は車両用シートに基づ
いて説明したが、一般家具用のシートにも同様に適用す
ることができる。

【００２３】

【発明の効果】以上の如く、本発明の請求項１に係る面
状弾性体による座面を有するシートに依れば、伸縮性の
ある面状弾性体を座面に備え、その面状弾性体の端末を
支持プレートに連結し、当該面状弾性体を支持プレート
で引っ張るように支持プレートをネジ止め具でシートフ
レームに締付け固定することにより、面状弾性体の組付
け張設時に面状弾性体のテンションを容易に調節するこ
とができる。

【００２４】本発明の請求項２に係る面状弾性体による
座面を有するシートに依れば、土手部パッドをシートフ
レームに組み付け、その土手部パッドを面状弾性体の座
面より連続する表皮材で被包し、面状弾性体の座面より
隆起する土手部を設けることにより、着座時のホールド
性を面状弾性体の座面より隆起する土手部で向上するこ
とができる。

【００２５】本発明の請求項３に係る面状弾性体による
座面を有するシートに依れば、断面Ｌ字状の山形部材を
面状弾性体の支持プレートとして備え、面状弾性体の端
末を該支持プレートの片辺に連結し、その支持プレート
の他辺をネジ止め具でシートフレームに締付け固定する
ことにより、面状弾性体の端末を支持プレートに容易に
連結でき、また、この面状弾性体の端末を連結した支持
プレートの片辺より直角方向に屈曲位置する他辺の板面
に向けてネジ止め具をねじ込処理できるから他の構成部
材により何も邪魔されないで容易にねじ込み固定するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る面状弾性体による座面を有するシ
ートを示す外様斜視図である。

【図２】同シートにおける面状弾性体の端末止着構造を
示す部分断面図である。

【図３】同シートにおける面状弾性体の別の形態に係る
端末止着構造を示す部分断面図である。

【図４】同シートにおける面状弾性体の更に別の形態に
係る端末止着構造を示す部分断面図である。

【符号の説明】

１ 面状弾性体 ２ シートフレーム ３ 支持プレート ３ａ 支持プレートの片辺 ３ｂ 支持プレートの他辺 ４ａ，４ｂ ネジ止め具 １１ 土手部 １１ａ 土手部表皮材 １１ｂ 土手部パッド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 直弘 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 伸縮性のある面状弾性体を座面に備え、
   その面状弾性体の端末を支持プレートに連結し、当該面
   状弾性体を支持プレートで引っ張るように支持プレート
   をネジ止め具でシートフレームに締付け固定したことを
   特徴する面状弾性体による座面を有するシート。
2. 【請求項２】 土手部パッドをシートフレームに組み付
   け、その土手部パッドを面状弾性体の座面より連続する
   表皮材で被包し、面状弾性体の座面より隆起する土手部
   を設けたことを特徴とする請求項１に記載の面状弾性体
   による座面を有するシート。
3. 【請求項３】 断面Ｌ字状の山形部材を面状弾性体の支
   持プレートとして備え、面状弾性体の端末を該支持プレ
   ートの片辺に連結し、その支持プレートの他辺をネジ止
   め具でシートフレームに締付け固定したことを特徴する
   面状弾性体による座面を有するシート。