JPH10327807A - スライスされたローストビーフの包装方法及び包装体 - Google Patents

スライスされたローストビーフの包装方法及び包装体

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JPH10327807A
JPH10327807A JP9138689A JP13868997A JPH10327807A JP H10327807 A JPH10327807 A JP H10327807A JP 9138689 A JP9138689 A JP 9138689A JP 13868997 A JP13868997 A JP 13868997A JP H10327807 A JPH10327807 A JP H10327807A
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container
roast beef
sliced
oxygen
nitrogen gas
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JP9138689A
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Kazuhiko Hirose
和彦 広瀬
Mikio Tanaka
幹雄 田中
Masayuki Nakaya
将之 仲矢
Hidenao Hashiguchi
秀直 橋口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライスされたローストビーフを、簡易かつ
効率よく長期間保存することが可能であると共に、消費
者への有効な視覚的アピールをすることが可能な、スラ
イスされたローストビーフの包装方法及び包装体を提供
する。 【解決手段】 包装体1は、トレイ11、酸素ガスバリ
ア性材料から形成されており、トレイ11を包み込む袋
状の容器12及び容器12内に配置された脱酸素剤13
とから構成されている。容器12は、内部を窒素ガス置
換した後に、ヒートシール部14をヒートシールするこ
とにより密封されている。容器12内は、脱酸素剤13
の封入および窒素ガス置換によって、残存酸素濃度が
0.01%以下に維持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スライスされたロ
ーストビーフの品質保持のために用いられる包装方法及
び包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ローストビーフは製造業者によっ
て加工され、品質保持のためにブロックのまま小売業者
に流通されていた。また、小売業者に流通されたロース
トビーフは、小売業者のバックヤードでスライス加工さ
れて消費者の手に渡るか、あるいはブロックのまま消費
者の手に渡り、家庭でスライスされて食されていた。し
かし、昨今の食生活の改善、衛生上の問題の回避、及び
家庭における簡便性の追求により、ローストビーフを製
造業者があらかじめスライスして流通させる必要性が高
まっている。
【0003】スライスされたローストビーフを流通させ
る上での主な問題点は、スライスすることによって外気
との接触面積が大きくなるため、ローストビーフの酸化
が激しくなるという点である。その結果、消費者の手に
渡るまで、色、臭い、味などを維持することが困難にな
る。
【0004】酸化を防止するために、スライス面が外気
に触れないようにスライスしたローストビーフをブロッ
ク状態に維持したまま真空包装する方法などが知られて
いる(特開昭59−149468)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
ライスされたローストビーフをブロック状態を維持した
まま真空包装する方法においては、以下のような問題が
あった。
【0006】まず第一に、上記方法においては、切断面
が外気に触れない状態で切断しなくてはならないため、
特別の装置を用いなくてはならず、多大なコストがかか
る。
【0007】第二に、上記方法においては、ブロック状
態を維持しているため、スライスされたローストビーフ
のスライス面が外部から見えず、ローストビーフの品
質、特に色調を消費者にアピールできない。
【0008】第三に、上記真空包装においては、ロース
トビーフからのドリップが激しくなり、商品価値が著し
く低下する。
【0009】本発明は、上記問題点を解決し、製造業者
によってスライスされたローストビーフを、消費者の手
に渡るまで、具体的には流通温度が0〜5℃において1
週間程度、簡易かつ効率よく保存可能とすると共に、ス
ライス面が外部から見えるようにすることによって、消
費者への有効な視覚的アピールをすることが可能な、ス
ライスされたローストビーフの包装方法及び包装体を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のスライスされたローストビーフの包装方法
は、スライスされたローストビーフを、脱酸素剤と共
に、酸素ガスバリア性材料からなる容器内に配置し、容
器内を窒素ガス及び/または二酸化炭素ガス雰囲気に置
換した後、容器を密封して、容器内の残存酸素濃度が
0.01%(容量%、以下同じ)以下に維持されるよう
にすることを特徴としている。
【0011】また、上記課題を解決するために、本発明
のスライスされたローストビーフの包装体は、酸素ガス
バリア性材料からなり、内部が窒素ガス及び/または二
酸化炭素ガス雰囲気に置換されている容器と、該容器内
に配置された脱酸素剤とを備え、前記容器内の残存酸素
濃度が0.01%以下に維持されていることを特徴とし
ている。
【0012】脱酸素剤と窒素ガス及び/または二酸化炭
素ガス置換とを併用することにより容器内の残存酸素濃
度を0.01%以下に維持することが簡易かつ確実にな
り、また、容器内の残存酸素濃度を0.01%以下に維
持することにより、スライスされたローストビーフの酸
化を十分に防止することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスライスされたロ
ーストビーフの包装方法並びに包装体の好適な実施形態
について説明する。
【0014】まず、本発明の実施形態にかかるスライス
されたローストビーフの包装体について説明する。図1
は、本実施形態にかかるスライスされたローストビーフ
の包装体の断面図である。包装体1は、トレイ11、ト
レイ11を包み込む袋状の容器12及び容器12内に配
置された脱酸素剤13から構成されている。スライスさ
れたローストビーフ2は、トレイ11内に並べられてい
る。容器12は、内部を窒素ガス置換された状態でヒー
トシール部14をヒートシールすることにより密封され
ている。
【0015】容器12は、温度が30℃かつ相対湿度が
80%の条件下において酸素ガス透過度が1500ml
/m2・day・atm以下である酸素ガスバリア性材
料から形成されていることが望ましく、温度が30℃か
つ相対湿度が80%の条件下において酸素ガス透過度が
400ml/m2・day・atm以下である酸素ガス
バリア性材料から形成されていることが特に望ましい。
容器12を形成する材料の酸素ガス透過度が1500m
l/m2・day・atmを越えると、容器12内に酸
素が侵入し、スライスされたローストビーフ2の酸化の
程度が激しくなる傾向にある。
【0016】また、容器12は、上記条件を満たす酸素
ガスバリア性材料から形成されていれば、材質、厚み、
構成は特に問わない。ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、
ポリビニルアルコールなどの単層フィルムから構成され
ているものや、ナイロン/ポリオレフィン、ポリ塩化ビ
ニリデンコートナイロン/ポリオレフィン、ポリオレフ
ィン/ポリ塩化ビニリデン/ポリオレフィンなどの積層
フィルムから構成されているものなどから任意に選択で
きる。尚、上記のポリオレフィンの中には、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレンなどが
含まれる。
【0017】また、本実施形態において、容器12内の
残存酸素濃度を必要レベル(0.01%以下)まで確実
に下げるためには、窒素ガス置換のみでは十分でなく、
脱酸素剤13を容器12内に封入する必要がある。脱酸
素剤13は、容器容積の0.25倍以上の酸素吸収能力
を持つことが望ましく、容器容積の0.5倍以上の酸素
吸収能力を持つことが特に望ましい。酸素吸収能力が容
器容積の0.25倍未満である場合は、容器内の残留酸
素濃度を、0.01%以下に維持することが難しくなる
傾向にある。このような脱酸素剤13としては、例えば
三菱ガス化学(株)製、商品名:エージレスSS−20
0が挙げられる。
【0018】トレイ11は、容器12内の残存酸素濃度
の維持に悪影響を及ぼさない材質のものであれば良く、
発泡性材料以外の材料で形成されていることが望まし
い。これらの材料にはポリプロピレン、ポリスチレンな
どが挙げられる。
【0019】包装対象となるローストビーフは、家庭に
おいて加工を必要としないように、あらかじめスライス
されたものである。スライスされる厚みは、通常1〜2
mmくらいである。また、スライスされたローストビー
フ2は、切り口が外部から見えるような状態でトレイ1
1上に並べられている。これにより、消費者に対して、
有効な視覚的アピールをすることが可能となっている。
【0020】容器12内は、脱酸素剤13の封入および
窒素ガス置換によって、残存酸素濃度が0.01%以下
に維持されている必要があり、0.007%以下である
ことが好ましく、特に0.002%以下であることが好
適である。容器12内の残存酸素濃度が0.01%より
大きいと、周囲温度が5℃の状態において、スライスさ
れたローストビーフの鮮度を1週間以上維持することが
できなくなり、スライスされたローストビーフの流通に
おいて必要なシェルフライフを満たすことができなくな
る。
【0021】次に、本発明の実施形態に係るスライスさ
れたローストビーフの包装方法について説明する。本実
施形態に係るスライスされたローストビーフの包装方法
の第1の工程では、トレイ11上にスライスされたロー
ストビーフ2を並べる。第2の工程では、第1の工程に
てスライスされたローストビーフ2を並べられたトレイ
11と、脱酸素剤13とを袋状の容器12に挿入する。
第3の工程では、ガス置換兼用真空包装機を用いて、容
器12内を窒素ガスで置換し、容器12を密封して完了
する。
【0022】本実施形態において、容器12内の残存酸
素濃度を必要レベル、つまり0.01%以下まで確実に
下げるためには、脱酸素剤13の封入のみでは十分では
なく、脱酸素剤13の封入と窒素ガス置換との併用が必
要である。容器12内の残存酸素濃度を低減するため
に、脱酸素剤13と窒素ガス置換とを併用するため、窒
素ガス置換直後の容器12内の残存酸素濃度は0.08
%以下であれば良く、残りは、脱酸素剤13によって残
存酸素濃度が必要レベルまで低減される。
【0023】窒素ガス置換方法としては、容器12内を
減圧せずに窒素ガスを吹き込んだ後に密封する方法や、
容器12内を減圧して窒素ガスを吹き込んだ後に密封す
る方法などがある。この場合、減圧および窒素ガス吹き
込みの回数は特に制限されない。
【0024】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。すな
わち、例えば上記実施形態において、スライスされたロ
ーストビーフはトレイ11上に並べられていたが、図2
に示すように、台紙15上に並べられていても良い。こ
の場合、台紙15は、容器12内の残存酸素濃度の低減
に悪影響を及ぼさない材質のものであれば良い。
【0025】また、上記実施形態において、容器12と
しては袋状のものを用いて、スライスされたローストビ
ーフ2の並べられたトレイ11全体を覆って密封してい
たが、図3に示すように、容器本体12aを、上記容器
12と同様な、酸素ガスバリア性材料から形成し、容器
本体12aの内部を窒素ガスで置換した後、容器本体1
2aの上部に、同様の酸素ガスバリア性材料から形成さ
れた容器蓋部12bを張り付けて容器12を形成し、密
封しても良い。
【0026】さらに、容器12内を置換するガスは窒素
ガスに限らず、二酸化炭素ガスでも良いし、また窒素ガ
スと二酸化炭素ガスとの混合ガスでも良い。窒素ガスと
二酸化炭素ガスとの混合ガスの場合は、混合比を任意に
設定できる。容器12内を置換するガスとして窒素ガス
を用いた場合は、スライスされたローストビーフ2の
色、味が特に高水準な状態で保存できる傾向にある。一
方、窒素ガスと二酸化炭素ガスとの混合ガス、または二
酸化炭素ガスを用いた場合は、容器12内の静菌効果を
向上させることができる。
【0027】これらのような形態にしても、簡易かつ確
実に、容器12内の残存酸素濃度を0.01%以下に維
持することができ、上記実施形態と同様の効果が得られ
る。
【0028】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。
【0029】実施例1および比較例1〜3 容器12内を窒素ガス置換すると共に、容器12内に脱
酸素剤13を封入した状態(実施例1)、容器12内を
窒素ガス置換せずに含気包装し、脱酸素剤13も使用し
ない状態(比較例1)、容器12内を窒素ガス置換せず
に含気包装し、容器12内に脱酸素剤13を封入した状
態(比較例2)、容器12内を窒素ガス置換し、脱酸素
剤13を使用しない状態(比較例3)で、それぞれスラ
イスされたローストビーフ2を保存し、スライスされた
ローストビーフ2の色、臭い、味、ドリップ発生量及び
スライスされたローストビーフ2を含む包装体1の外観
の評価を実施した。
【0030】上記実施例及び比較例における包装体1
は、図1に示すものを用いた。トレイ11はポリプロピ
レンで形成されており、内容積420cm3の大きさの
ものを用いている。袋状の容器12は、温度が30℃か
つ相対湿度が80%の条件下において酸素ガス透過度が
60ml/m2・day・atmの酸素ガスバリア性材
料である、エチレンビニルアルコール共重合体/ポリオ
レフィン/ポリオレフィンの積層フィルムから構成され
ているものを選択した。脱酸素剤13としては、三菱ガ
ス化学(株)製、商品名:エージレスSS−200を使
用し、酸素吸収能力が容器容積の0.5倍となるように
した。
【0031】評価対象のスライスされたローストビーフ
2は、1枚の厚みが1mm程度に切断されているもの用
いた。全部で7〜8切れ、重量にして約40gのスライ
スされたローストビーフ2をトレイ11に並べ、そのト
レイ11の外側を、袋状の容器12で覆った。その後、
Multivac(株)製、Multivac AG2
000型ガス置換兼真空包装機を用いて、容器12内を
窒素ガスで置換した。容器12内におけるスライスされ
たローストビーフ2の容積占有率は10容量%程度であ
る。
【0032】上記それぞれの状態で、外気温5℃の暗所
に7日間保存後、スライスされたローストビーフ2の
色、臭い、味、ドリップ発生量及びスライスされたロー
ストビーフ2を含む包装体1の外観の評価と総合評価を
以下のように実施した。評価結果を表1に示す。
【0033】(色の評価)包装体を開封して30分後
に、日本電色工業(株)製SE2000型分光式測色色
差計を用いて、スライスされた2枚のローストビーフ2
の中心部のそれぞれ3カ所、計6カ所のa値を測定し、
平均値を求めた。a値とは、色差表示方法(JIS Z
8730)の「ハンターの色差式による色差」の項に
示されているように、JIS Z 8722に規定され
る色の三刺激値から計算された値であり、この数値が大
きいほどスライスされたローストビーフ2の赤みが強
く、変色度合いが小さいことを意味する。なお、評価と
しては、上記のように測定したa値の平均値に基づき、
下記の評価基準: 5:7.0<a値の平均値 4:6.0<a値の平均値≦7.0 3:5.0<a値の平均値≦6.0 2:3.0<a値の平均値≦5.0 1: a値の平均値≦3.0 に従って5段階に評価した。
【0034】(臭いの評価)3人のパネラーによる官能
検査を行った。具体的には、包装体1を開封して直後
に、各パネラーに、スライスされたローストビーフ2の
臭いを嗅いでもらい、下記の評価基準: 5:保存前と比較して全く臭いの劣化が認められず、商
品として大変優れている 4:保存前と比較してほとんど臭いの劣化が認められ
ず、商品として問題はない 3:保存前と比較してわずかに臭いの劣化が認められ、
商品としては若干問題がある 2:保存前と比較して著しい臭いの劣化が認められ、商
品としては明らかに問題がある 1:異臭、特に酸化臭が強く感じられ、商品価値は無い に従って5段階に評点してもらい、平均点(四捨五入)
を求めた。
【0035】(味の評価)3人のパネラーによる官能検
査を行った。具体的には、包装体1を開封して10分後
に、各パネラーに、スライスされたローストビーフ2を
1枚食してもらい、下記の評価基準: 5:保存前と比較して全く味の劣化が認められず、商品
として大変優れている 4:保存前と比較してほとんど味の劣化が認められず、
商品として問題はない 3:保存前と比較してわずかに味の劣化が認められ、商
品としては若干問題がある 2:保存前と比較して著しい味の劣化が認められ、商品
としては明らかに問題がある 1:外観の変化、異臭が強く食べられない に従って5段階に評点してもらい、平均点(四捨五入)
を求めた。
【0036】(ドリップ発生量の評価)包装体1を開封
して直後に、トレイ11内に蓄積しているドリップ量
を、下記の評価基準: 5:全く認められない 4:ほとんど認められない 3:少し認められる 2:多く認められる 1:非常に多く認められる に従って5段階に目視評価した。
【0037】(外観の評価)3人のパネラーによる官能
検査を行った。具体的には、包装体1を開封直前に、各
パネラーに、スライスされたローストビーフ2の乾燥度
合い、包装体1の減圧による変形度合いの観点からスラ
イスされたローストビーフ2及び包装体1の外観を目視
してもらい、下記の評価基準: 5:保存前と比較して全く変化が認められず、商品とし
て大変優れている 4:保存前と比較してほとんど変化が認められず、商品
として問題はない 3:保存前と比較してわずかに変化が認められ、商品と
しては若干問題がある 2:保存前と比較して著しい変化が認められ、商品とし
ては明らかに問題がある 1:保存前の状態をとどめておらず、商品価値は無い に従って5段階に評点してもらい、平均点(四捨五入)
を求めた。
【0038】(総合評価)上記の色、臭い、味、ドリッ
プ発生量、外観の評価結果を総合し、下記の評価基準: ◎:商品として優れている ○:商品として問題なし △:商品として若干問題がある ×:商品として明らかに問題がある に従って、4段階に評価した。
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果からわかるように、比較例1に
示す含気包装においては、スライスされたローストビー
フ2の色、臭い、味ともに著しく劣化し、スライスされ
たローストビーフ2の鮮度を維持することができない。
比較例2の如く脱酸素剤13のみを用いて容器12内を
脱酸素した場合、開封直前の容器12内の残存酸素濃度
は0.013%程度になる。この場合は、色の保持は可
能であるが、臭い、味の劣化が認められる。また、比較
例3の如く窒素ガス置換のみを用いて容器12内を脱酸
した場合、開封直前の容器12内の残存酸素濃度は0.
042%程度になる。この場合は、味の劣化は認められ
なかったが、変色の度合いが大きくなる。
【0041】以上の結果より、スライスされたロースト
ビーフ2を最低7日間保存するためには、容器12内の
残存酸素濃度を0.01%以下に維持することが必要で
あることが分かる。また、残存酸素濃度が0.01%以
下のレベルを確実に実現するための脱酸素方法として
は、窒素ガス置換と脱酸素剤13との併用が必要である
ことも分かる。
【0042】比較例4 参考のため、容器12内を窒素ガス置換し、かつ、脱酸
素剤13を使用する代わりに、容器12内を真空にした
状態(比較例4)について、上記実施例1と同様の実験
を行った。容器12内を窒素ガス置換し、かつ、脱酸素
剤13を使用する代わりに、容器12内を真空にしたこ
と以外の条件は実施例1と同様である。
【0043】比較例4のように真空包装した場合は、ス
ライスされたローストビーフ2の臭い、味は比較的良好
な状態で保存されるが、スライスされたローストビーフ
2が圧迫されて、ドリップが多く(約2g程度)発生す
るため、商品価値が無くなる。
【0044】実施例2〜5 容器12内に脱酸素剤13を封入すると共に、容器12
内を窒素ガスで置換した状態(実施例2)、容器12内
に脱酸素剤13を封入すると共に、容器12内を窒素ガ
ス70%(容量%、以下同じ)と二酸化炭素ガス30%
との混合ガスで置換した状態(実施例3)、容器12内
に脱酸素剤13を封入すると共に、容器12内を窒素ガ
ス30%と二酸化炭素ガス70%との混合ガスで置換し
た状態(実施例4)、容器12内に脱酸素剤13を封入
すると共に、容器12内を二酸化炭素ガスで置換した状
態(実施例5)を作り、スライスされたローストビーフ
2の保存状態を調べた。
【0045】容器12内を置換するガスとして、窒素ガ
スの代わりに上記の組成の置換ガスを用いたこと以外
は、実施例1と同様な条件で実験を行った。
【0046】また、実施例1と実施例2における相違点
は、実施例2においては、容器12を密封した直後の容
器12内の残存酸素濃度が実施例1と比較して小さい点
である。以下、結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2から分かるように、容器12内を窒素
ガスで置換する場合と同様に、二酸化炭素ガス、あるい
は窒素ガスと二酸化炭素ガスとの混合ガスで置換するこ
とによっても、スライスされたローストビーフ2の品質
を必要な期間維持することが可能である。また、密封直
後の残存酸素濃度を小さくしておけば、容器12内の酸
素濃度をより低く維持することができ、保存状態が良く
なる傾向にある。
【0049】
【発明の効果】本発明のスライスされたローストビーフ
の包装方法および包装体により、製造業者によってスラ
イスされたローストビーフを、流通温度が0〜5℃にお
いて1週間程度、簡易かつ効率よく保存することが可能
となる。また、スライス面が外部から見えるようにする
ことによって、消費者への有効な視覚的アピールをする
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるスライスされたロー
ストビーフの包装体の一例の断面図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるスライスされたロー
ストビーフの包装体の他の例の断面図である。
【図3】本発明の実施形態にかかるスライスされたロー
ストビーフの包装体の更に他の例の断面図である。
【符号の説明】
1…包装体、11…トレイ、12…容器、12a…容器
本体、12b…容器蓋部、13…脱酸素剤、14…ヒー
トシール部、15…台紙、2…スライスされたロースト
ビーフ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライスされたローストビーフを、脱酸
    素剤と共に、酸素ガスバリア性材料からなる容器内に配
    置し、前記容器内を窒素ガス及び/または二酸化炭素ガ
    ス雰囲気に置換した後、該容器を密封して、該容器内の
    残存酸素濃度が0.01%以下に維持されるようにする
    ことを特徴とする、スライスされたローストビーフの包
    装方法。
  2. 【請求項2】 酸素ガスバリア性材料からなり、内部が
    窒素ガス及び/または二酸化炭素ガス雰囲気に置換され
    ている容器と、該容器内に配置された脱酸素剤とを備
    え、前記容器内の残存酸素濃度が0.01%以下に維持
    されていることを特徴とする、スライスされたロースト
    ビーフの包装体。
JP9138689A 1997-05-28 1997-05-28 スライスされたローストビーフの包装方法及び包装体 Pending JPH10327807A (ja)

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