JPH10327529A - ディジタル形地絡距離リレー - Google Patents

ディジタル形地絡距離リレー

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JPH10327529A
JPH10327529A JP14863797A JP14863797A JPH10327529A JP H10327529 A JPH10327529 A JP H10327529A JP 14863797 A JP14863797 A JP 14863797A JP 14863797 A JP14863797 A JP 14863797A JP H10327529 A JPH10327529 A JP H10327529A
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JP
Japan
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current
zero
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i0kj
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Application number
JP14863797A
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English (en)
Inventor
Takafumi Maeda
隆文 前田
Hiroshi Yamakawa
寛 山川
Yasuhiro Kurosawa
保広 黒沢
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Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送電線の線路定数の実抵抗分とリアクタンス
分の(零相成分/α成分)の比が異なっても、リアクタ
ンスの計測誤差が生じないようにする。 【解決手段】 平行2回線送電線のa相1線地絡時のa
相電圧をクラーク座標法(サンプリング時系列で展開)
で示すと下記式となる。 【数1】Svam =Rα・Si αm +R0 ・Si0m
0 ′・Si0m+Lα・di αm +L0 ・di0m +L
0 ′・di0m そこで、任意の時系列としてm=kj (j=1〜6)を
入れて6個の方程式を立てて、(α,0,0′)成分に
おける6個の未知数インピーダンス(Rα,Lα),
(R0 ,L0 ),(R0 ′,L0 ′)を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統の地絡事
故点までのインピーダンスを計測する地絡距離リレーに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電力系統の地絡事故点が所定区
間内にあるか否かを検出するのに、事故点までのインピ
ーダンスを計測する方式が採用されている。リレー設置
点と事故点迄の電圧降下分を計測し、その値を当該相電
流で除してインピーダンスを計測することを基本原理と
している。
【0003】しかし、地絡事故の場合、正相インピーダ
ンス(厳密には逆相分があるが正相分と同じとして扱っ
ている)と零相インピーダンスによる降下分がある。そ
して地絡事故相電圧が零相インピーダンスの降下分に依
存しないように正相電流に零相電流を補償して、正相イ
ンピーダンスに比例した降下電圧分を抽出するようにし
ている(「電気工学ハンドブック」1978電気学会、
p947)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】2回線平行送電線の地
絡事故点までの正相インピーダンスを測定する地絡距離
リレーのインピーダンス算出原理は(1) 式に基づいてい
る。なお、(1) 式はa相リレーの例で示す。
【数1】 ただし、Z1 :正相インピーダンス、 Z2 :逆相インピーダンス、 Z0 :零相インピーダンス、 Z0m:零相相互インピーダンス、 I1 :正相電流、 I2 :逆相電流、 I0 :零相電流、 I0 ′:他回線零相電流。
【0005】なお、(1) 式は図5に示すa相1線地絡事
故の対称分等価回路から導出される。ただし、(1) 式に
おける(Z0 −Z1 )/Z1 ,Z0m/Z1 の各項は零相
補償係数である。この値として従来は以下のように、先
ず単位長当たりのインピーダンスを計算した。
【数2】Z0 =r0 +jx01 =r1 +jx10m=r0 ′+jx0
【0006】次いで、次式に基づいて補償係数を計算
し、(1) 式へ代入して事故点までの正相インピーダンス
1 を算出するようにしていた。
【数3】(Z0 −Z1 )/Z1 ≒(x0 −x1 )/x10m/Z1 ≒x0 ′/x1
【0007】しかし、上記した補償方式ではインピーダ
ンスの抵抗分もリアクタンスで近似補償しているために
リアクタンス測距誤差が生じることになる。これを是正
するためにa相1線地絡時のa相電圧の電圧降下分を次
式のようにおく。これはa相1線地絡時の(αβ0)回
路方程式(クラーク座標法)で表すと(2) 式となる。
【0008】
【数4】 Va =Rα・Iα+R0 ・I0 +R0 ′・I0 ′ +d{Lα・Iα+L0 ・I0 +L0 ′・I0 ′}/dt …(2) なんとなれば、 Rα=Raa−(Rab+Rac)/2, Lα=Laa−(L
ab+Lac)/2 R0 =Raa+Rab+Rac , L0 =Laa+Lab
+Lac0 ′=Raa′+Rab′+Rac′, L0 ′=Laa′+
ab′+Lac′ ただし、Lα′=Laa′−(Lab′+Lac′)/2=0
【0009】(2) 式においてR,L分の零相補償効果と
その影響を定性的に示すため、隣回線の零相電流分につ
いては省略して以下説明する。省略しても定性的な効果
を説明する上では自回線零相補償と何等変わるところは
ない。この場合、前記した(2) 式は(3) 式となる。
【0010】
【数5】
【0011】(3) 式を複素数表現で示すと(4) 式とな
る。零相補償電流,電圧ベクトルの関係を電流Iαを基
準に図6に示す。
【数6】 Va =RαKR・|Iα|・exp(jθri) +j{Xa KX・|Iα|・exp(jθxi)} =V・exp(jθv) …………………(4)
【0012】ただし、電流Iαを基準に、以下のように
している。 電圧Va の大きさ,位相:V,Qv ,Xα=ωLα 零相電流の位相:θI 電流(Iα+Kr ・I0 )の位相:θri 電流(Iα+Kx ・I0 )の位相:θxi
【0013】又、θri,θxi,KR,KXは次式として
いる。
【数7】
【0014】更に(4) 式の複素数から実数部と虚数部の
関係から(5) ,(6) 式が成立し、(5) ,(6) 式をもとに
α,Xαを算出すると、(7) ,(8) 式が得られる。
【数8】 V・cos(θv )=(Rα・KR・cos(θri) −Xα・KX・sin(θxi))・|Iα| ……(5) V・sin(θv )=(Rα・KR・sin(θri) +Xα・KX・cos(θxi))・|Iα| ……(6) Rα=V・cos(θv −θxi)/{KR・|Iα| ・cos(θri−θxi)} ……(7) Xα=V・sin(θv −θri)/{KX・|Iα| ・cos(θri−θxi)} ……(8)
【0015】(8) 式において従来の補償方法では、θri
=θxiとしていたので、その時のXα′と真値Xαとの
関係は次式で表される。
【数9】Xα′/Xα=sin(θv −θxi)・cos(Δ
θ)/sin(θv −θxi−Δθ) (Δθ=θri−θxi
【0016】従って、送電線の線路定数の実抵抗分とリ
アクタンス分の(零相成分/α成分)の比が異なれば従
来の補償方式ではα成分のリアクタンスの計測誤差が生
じる。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、
送電線の線路定数の実抵抗分とリアクタンス分の(零相
成分/α成分)の比が異なっても、リアクタンスの計測
誤差を生じないディジタル形地絡距離リレーを提供する
ことを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
ディジタル形地絡距離リレーは、サンプリング時点kj
(j=1〜6)の事故相(a相)電圧の積分量Svakj
得る第1の手段と、第1の手段のサンプリング時点と同
様の自回線事故相電流から零相電流を差し引いたα成分
(クラーク座標のα成分)の電流の積分量Si αkjを得
る第2の手段と、第1の手段のサンプリング時点と同様
の自回線零相電流の積分量Si0kjを得る第3の手段と、
第1の手段のサンプリング時点と同様の隣回線零相電流
の積分量Si0kjを得る第4の手段と、第1の手段のサ
ンプリング時点と同様の第2の手段で得られる電流の積
分量と直行する差分量di αkjを得る第5の手段と、第
1の手段のサンプリング時点と同様の第3の手段で得ら
れる電流の積分量と直行する差分量di0kjを得る第6の
手段と、第1の手段のサンプリング時点と同様の第4の
手段で得られる電流の積分量と直行する差分量di0kj
を得る第7の手段と、事故発生時近傍のサンプリング時
点をn,Mを任意の整数とし、前記サンプリング時点k
j (j=1〜6)をk1 =n,k2 =n−M,k3 =n
−2M,k4=n−3M,k5 =n−4M,k6 =n−
5Mとして送電線の事故点までのα成分の抵抗Rα,イ
ンダクタンスLα,自回線零相成分の抵抗R0 ,インダ
クタンスL0 ,隣回線零相成分の抵抗R0 ′,インダク
タンスL0 ′を下式から算出する第8の手段と、第8の
手段で得られたインピーダンス値と所定の設定値との大
小を判別して動作判定する第8Aの手段とからなる。
【数10】
【0018】本発明のディジタル形地絡距離リレーは、
1線地絡事故で生じる事故点からリレー設置点までの電
圧降下分を、自回線α成分と零相成分,隣回線相互零相
成分に分解して個別に算出しようとするものである。そ
して請求項1では(2) 式の関係を6個のサンプリング時
系列に分けて未知数6個の方程式を解こうとするもので
ある。
【0019】本発明の請求項2に係るディジタル形地絡
距離リレーは、請求項1において、自回線零相電流と隣
回線零相電流の位相が該当するサンプリング時点全時点
j(j=1〜4)において同位相か否かを検出する第
9の手段と、第9の手段で同位相と判定された時に、第
3の手段で得られる自回線零相電流の積分量Si0kjと第
4の手段で得られる隣回線零相電流の積分量Si0KJ
所定の定数kr ′を乗じて得られる電気量との和電流
(Si0kj+kr ′・Si0KJ)を得る第10の手段と、
第6の手段で得られる自回線零相電流の差分量di0kj
第7の手段で得られる隣回線零相電流の差分量di0kj
に所定の定数kx ′を乗じて得られる電気量との和電流
(di0kj+kx ′・di0kj)を得る第11の手段とか
ら事故点までのα成分の抵抗Rα,インダクタンス
α,自回線零相成分の抵抗R0 ,インダクタンスL0
を下式から算出する第12の手段と、第12の手段で得
られたインピーダンスと所定の設定値との大小を判定し
て動作判定する第8Aの手段とからなる。
【数11】
【0020】請求項2は請求項1で自回線零相電流と隣
回線零相電流の位相が等しいと、自回線零相電流列ベク
トルi0kj と隣回線零相電流列ベクトルi0 kjとの間
がスカラ倍の関係が成立し、その行列式は零となってし
まうので、各インピーダンスが算出できなくなってしま
う。その解決手段として、同位相か否かを検出して、隣
回線零相電流に補償係数を乗じて自回線零相電流に加算
した電流を合成して、未知数4個の方程式を解いて自回
線α,0成分の抵抗分,リアクタンス分を算出しようと
するものである。
【0021】本発明の請求項3に係るディジタル形地絡
距離リレーは、請求項1において、第2の手段で得られ
る電流のα成分の積分量Si αkjと、第3の手段で得ら
れる自回線零相電流の積分量Si0kjと第4の手段で得ら
れる隣回線零相電流の積分量Si0kjに所定の定数
r ′を乗じて得られる電気量との和電流(Si0kj+k
r′・Si0kj)を得る第10の手段とを入力し、これ
らの位相が該当するサンプリング時点全時点kj (j=
1〜3)において同位相か否かを検出する第13の手段
と、第13の手段で同位相を検出した場合、第2の手段
で得られる電流Siαkjと第10の手段で得られる値と
の和電流{Si αkj+kr ′・(Si0kj+kr ′・
i0kj)}を得る第14の手段と、第6の手段で得ら
れる自回線零相電流の差分量di0kjと第7の手段で得ら
れる自回線零相電流の差分量di0kjに所定の定数
x ′を乗じて得られる電気量との和電流(di0kj+k
x ′・di0kj)を得る第11の手段とから事故点まで
のα成分の抵抗Rα,インダクタンスLα及び零相分の
インダクタンスL0 を下式から算出する第15の手段と
からなる。
【数12】
【0022】請求項3はα電流と隣回線零相電流に抵抗
分補償定数を乗じた零相電流に自回線零相電流を加算し
た電流との位相が同位相の場合、請求項2の行列式が零
になってしまうので、α電流と前述の加算した電流を更
に加算して、未知数3個の方程式を解いて、自回線のα
成分の抵抗とリアクタンス及び零相のリアクタンスを算
出しようとするものである。
【0023】本発明の請求項4に係るディジタル形地絡
距離リレーは、請求項1において、第3の手段で得られ
る自回線零相電流の積分量Si0kjと第4の手段で得られ
る隣回線零相電流の積分量Si0kjに所定の定数kr
を乗じて得られる電気量との和電流(Si0kj+kr ′・
i0kj)を得る第10の手段と、第6の手段で得られ
る自回線零相電流の差分量di0kjと第7の手段で得られ
る自回線零相電流の差分量di0kjに所定の定数kx
を乗じて得られる電気量との和電流(di0kj+kx ′・
i0kj)を得る第11の手段と、第5の手段で得られ
る電流のα成分の差分量di αkjと第11の手段で得ら
れる電流(di0kj+kx ′・di0kj)の位相が該当す
るサンプリング時点全時点kj (j=1〜6)において
同位相か否かを検出する第16の手段と、前記第16の
手段で同位相を検出した場合、第11の手段で得られる
電流に定数kx を乗じて第5の手段で得られる電流d
i αkjとの和電流{di αkj+kx ・(di0kj+kx
・di0kj)}を得る第17の手段とから事故点までの
α成分の抵抗Rα,リアクタンスLα及び零相分の抵抗
0 を下式から算出する第18の手段とからなる。
【数13】
【0024】請求項4はα電流と隣回線零相電流にリア
クタンス分補償定数を乗じた零相電流に自回線零相電流
を加算した電流との位相が同位相の場合、請求項2の行
列式が零になってしまうので、α電流と前述の加算した
電流を更に加算して、未知数3個の方程式を解いて、自
回線のα成分の抵抗とリアクタンス及び零相の抵抗分を
算出しようとうするものである。
【0025】本発明の請求項5に係るディジタル形地絡
距離リレーは、請求項2又は請求項3又は請求項4にお
いて、2つの被検出電気量iAkj とiBkj の位相差は、
下式により2量の電流の瞬時値比の変化に基づいて算出
し、所定のサンプリング時点全時点において位相差εkg
が0近傍か否かを検出するように構成した。
【数14】|(iAkj /iBkj )−(iAkj-1
Bkj-1 )|<εk
【0026】2つの電流の位相が同位相か否かを検出す
る手段を具体的に示したものである。
【0027】
【発明の実施の形態】図7は本発明に係る送電線用ディ
ジタル形地絡距離リレーを説明する実施の形態のハード
ウェアを示す構成図である。図において、1は対象とな
る平行2回線送電線、2は変流器、3は変成器、4は変
流器2の電流出力と電圧変成器3の電圧出力とを入力し
て各々適当なレベルに変換する入力変換器、5は入力変
換器の電流・電圧出力をサンプリングするサンプリング
保持回路、6は5の電流・電圧出力をアナログ・ディジ
タル変換する回路、7は事故前後のデータを記憶する回
路、8は前記電流・電圧データを用いて所定の周期で演
算処理を実行して地絡距離リレーの動作判定を行なう演
算回路(CPU)、9は地絡距離リレーの動作判定結果
を出力するI/Oインターフェース回路である。
【0028】図1は請求項1の演算回路18で行なう地絡
距離リレーの動作判定演算の内容を示す図である。a相
1線地絡事故でa相のリレーに注目する。事故点残り電
圧を無視し、対称線路を想定した場合、Lα′=Laa′
−(Lab′+Lac′)/2=0となり、(2) 式が成立す
ることは前記した通りである。
【0029】この(2) 式の両辺を所定の時間(T)だけ
定積分すると(9) 式となる。
【数15】
【0030】この微分式をサンプリング時系列で表すと
次式となる。
【数16】
【0031】本式に基づいて、(9) 式を表すと(11)式と
なる。
【数17】 Svam =Rα・Si αm +R0 ・Si0m +R0 ′・Si0m +Lα・di αm +L0 ・di0m +L0 ′・di0m …(11)
【0032】ここでSvam は図1の第1の手段11で、S
i αm は第2の手段12で、Si0m は第3の手段13で、S
i0m は第4の手段14で、di αm は第5の手段15で、
i0m は第6の手段16で、di0m は第7の手段17で得
られる電気量である。
【0033】ここで任意の時系列としてm=kj (j=
1〜6)を入れて6個の方程式を立てて、図1の第8の
手段18で(13)式を解いて、未知数(Rα,R0
0 ′,Lα,L0 ,L0 ′)を算出する。又、第8a
の手段18A では、この値を使って例えば(12)式のよう
にα成分のインダクタンスが整定値LSETより小か否
かを判断し、小ならば動作と判定し、従来のリアクタン
スリレーが実現できる。
【数18】 Lα<L SET ……………………(12)
【0034】
【数19】
【0035】図2は請求項2の演算回路22で行なう地絡
距離リレーの動作判定演算の内容を示す図である。図2
において図1と同一部分については同一符号を付して説
明を省略する。ここで(13)式の自回線零相電流と隣回線
零相電流の位相が同位相の場合、次式の関係が成立す
る。
【数20】Si0m =k・Si0m , Si0m =k・
i0m (m=kj (j=1〜6)) ここにkはスカラー定数である。従って行列式の2つの
定理から(14)式の関係が成立する。
【0036】<行列式の定理> (a)1つの行(列)の要素をc倍すると、行列式はc
倍になる。 (b)1つの行(列)の要素が互いに等しければ、その
行列式は0となる。
【0037】
【数21】
【0038】従って(14)式で示される行列の行列式は零
となり、その逆行列(15)式は求まらない。即ち、(13)式
の解が存在しないことになる。
【数22】 [A]-1=[A]T /|A| ………………(15) 従って、本実施の形態では第9の手段19にて自回線零相
電流と隣回線零相電流の位相が同位相か否かをチェック
する。
【0039】その結果、同位相であると判定したとき、
第10の手段20と第11の手段21とを活かし、単位長当
たりの自回線零相インピーダンスと隣回線零相相互イン
ピーダンスの抵抗分、リアクタンス分の各々の比が既知
として定数を予め設定して、以下の演算を行なう。
【0040】先ず、第10の手段20ではSi0KJ+kr
・Si0kjを、又、第11の手段21ではdi0kj+kx
・di0kjを作成し、第12の手段22にて(16)式に基づ
いて定数(Rα,R0 ,Lα,L0 )を算出し、第18
aの手段18にて所望の動作判定を行なう。又、第9の手
段19にて所定の時系列の中で何れか1つでも同位相でな
ければ図1の判定を行なう。
【0041】
【数23】
【0042】図3は請求項3の演算回路25で行なう地絡
距離リレーの動作判定演算の内容を示す図である。図3
において、図1,図2と同一部分については同一符号を
付して説明を省略する。
【0043】本実施の形態で新たに付加したものは第1
3の手段23と第14の手段24とであり、これらの手段を
第2の手段12と第10の手段20に接続する構成とした。
そして、第10の手段20で得られた電気量(Si0kj+R
r ′・Si0kj)と第2の手段12で得られた電気量S
i αkjとの位相が同位相か否かを第13の手段23でチェ
ックする。
【0044】そして同位相ならば単位長当たりの自回線
α成分インピーダンスと自回線零相インピーダンスの抵
抗分の比が既知として定数を予め設定して、第14の手
段24で{Si αkj+kr ・(Si0kj+kr ′・
i0kj)}を作成する。そして第15の手段25にて、
(17)式に基づいて定数(Rα,Lα,L0 )を算出し、
図1の場合と同様に動作判定をする。
【0045】
【数24】
【0046】図4は請求項4の演算回路28で行なう地絡
距離リレーの動作判定演算の内容を示す図である。図4
において、図1,図2,図3と同一部分については同一
符号を付して説明を省略する。
【0047】本実施の形態で新たに付加したものは第1
6の手段26と第17の手段27とであり、これらの各手段
を第5の手段15と第11の手段21に接続する構成とし
た。そして、第11の手段21で得られた電気量(di0kj
+kx ′・di0kj)と第5の手段15で得られた電気量
i αkjとの位相が同位相か否かをチェックする。
【0048】そして同位相ならば単位長当たりの自回線
α成分インピーダンスと自回線零相インピーダンスの比
が既知として定数を予め設定して、第17の手段27で
{diαkj+kx ・(di0kj+kx ′・di0kj)}を
作成する。そして第18の手段28にて、(18)式に基づい
て定数(Rα,R0 ,Lα)を算出し、図1の場合と同
様に動作判定をする。又、第16の手段26で、所定の時
系列の中で何れか1つでも同位相でなければ、図2の判
定を行なう。
【0049】
【数25】
【0050】なお、請求項5は2つの交流量の位相差を
算出するアルゴリズムそのものであり、図2の第9の手
段,図3の第13の手段,図4の第6の手段のアルゴリ
ズムを具体的に示したものである。これは次のようなア
ルゴリズムにしてもよい。
【0051】2量の電流の瞬時値比の変化を見る。
【数26】|(iAkj /iBkj )−(iAkj-1
Bkj-1 )|<εk ただし、iAkj ,iBkj はA,B各回線の同一サンプリ
ング時点kj の電流の値。 iAkj-1 /iBkj-1 は前記kj 時点よりも1サンプリン
グ前の電流の値。
【0052】又、図2,図3,図4で示した第9の手段
19,第13の手段23,第16の手段26で記載した2つの
交流量の位相差が零か否かを検出する条件手段を設けず
に、そのまま第12の手段22,第15の手段25,第18
の手段28で線路のインピーダンスを算出する方法であっ
てもよい。
【0053】その場合、逆行列を求める際に分母の行列
式が零近傍となり不定と判定されることになる。その様
なケースになったならば先の位相差検出の結果と同様な
処理をすればよい。又、(2) 式に示す微分方程式は事故
時高調波が重畳しても原理的に成立するので、精度よく
線路のインダクタンスが算出できる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば送
電線の抵抗分の零相成分,α成分のリアクタンス,抵抗
分を複数の零相電流,α電流,事故相電圧の時系列デー
タから直接算出し、事故時高調波等が重畳しても精度良
く測距できるディジタル形地絡距離リレーを実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディジタル形地絡距離リレーの実施の
形態を示す図。
【図2】本発明のディジタル形地絡距離リレーの他の実
施の形態を示す図。
【図3】本発明のディジタル形地絡距離リレーの更に他
の実施の形態を示す図。
【図4】本発明のディジタル形地絡距離リレーの更に他
の実施の形態を示す図。
【図5】送電線の1線地絡時の対称分等価回路。
【図6】本発明が解決しようとする現行リレーの零相補
償誤差を定性的に説明するベクトル図。
【図7】本発明が適用される平行2回線送電線の一方端
に設けた保護装置を説明する図。
【符号の説明】
1 送電線 2 変流器 3 変成器 4 入力変換器 5 S/H 6 A/D 7 RAM 8 CPU 9 I/Oインターフェース 11 第1の手段 12 第2の手段 13 第3の手段 14 第4の手段 15 第5の手段 16 第6の手段 17 第7の手段 18 第8の手段 18A 第8Aaの手段 19 第9の手段 20 第10の手段 21 第11の手段 22 第12の手段 23 第13の手段 24 第14の手段 25 第15の手段 26 第16の手段 27 第17の手段 28 第18の手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒沢 保広 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の2回線送電線の電流,電圧を
    所定の周期でサンプリングして取り込んで、地絡事故点
    を検出するディジタル形地絡距離リレーにおいて、サン
    プリング時点kj (j=1〜6)の事故相(a相)電圧
    の積分量Svakjを得る第1の手段と、前記第1の手段の
    サンプリング時点と同様の自回線事故相電流から零相電
    流を差し引いたα成分(クラーク座標のα成分)の電流
    の積分量Si αkjを得る第2の手段と、前記第1の手段
    のサンプリング時点と同様の自回線零相電流の積分量S
    i0kjを得る第3の手段と、前記第1の手段のサンプリン
    グ時点と同様の隣回線零相電流の積分量Si0kjを得る
    第4の手段と、前記第1の手段のサンプリング時点と同
    様の第2の手段で得られる電流の積分量と直行する差分
    量di αkjを得る第5の手段と、前記第1の手段のサン
    プリング時点と同様の第3の手段で得られる電流の積分
    量と直行する差分量di0kjを得る第6の手段と、前記第
    1の手段のサンプリング時点と同様の第4の手段で得ら
    れる電流の積分量と直行する差分量di0kjを得る第7
    の手段と、事故発生時近傍のサンプリング時点をn,M
    を任意の整数とし、前記サンプリング時点kj (j=1
    〜6)をk1 =n,k2 =n−M,k3 =n−2M,k
    4 =n−3M,k5 =n−4M,k6 =n−5Mとして
    送電線の事故点までのα成分の抵抗Rα,インダクタン
    スLα,自回線零相成分の抵抗R0 ,インダクタンスL
    0 ,隣回線零相成分の抵抗R0 ′,インダクタンス
    0 ′を下式から算出する第8の手段と、前記第8の手
    段で得られたインピーダンス値と所定の設定値との大小
    を判別して動作判定する第8Aの手段とからなることを
    特徴とするディジタル形地絡距離リレー。 【数1】
  2. 【請求項2】 自回線零相電流と隣回線零相電流の位相
    が該当するサンプリング時点全時点kj (j=1〜4)
    において同位相か否かを検出する第9の手段と、前記第
    9の手段で同位相と判定された時に、第3の手段で得ら
    れる自回線零相電流の積分量Si0kjと第4の手段で得ら
    れる隣回線零相電流の積分量Si0KJに所定の定数
    r ′を乗じて得られる電気量との和電流(Si0kj+k
    r ′・Si0KJ)を得る第10の手段と、前記第6の手
    段で得られる自回線零相電流の差分量di0kjと第7の手
    段で得られる隣回線零相電流の差分量di0kjに所定の
    定数kx ′を乗じて得られる電気量との和電流(di0kj
    +kx ′・di0kj)を得る第11の手段とから事故点
    までのα成分の抵抗Rα,インダクタンスLα,自回線
    零相成分の抵抗R0 ,インダクタンスL0 を下式から算
    出する第12の手段と、前記第12の手段で得られたイ
    ンピーダンスと所定の設定値との大小を判定して動作判
    定する第8Aの手段とからなることを特徴とする請求項
    1記載のディジタル形地絡距離リレー。 【数2】
  3. 【請求項3】 第2の手段で得られる電流のα成分の積
    分量Si αkjと、第3の手段で得られる自回線零相電流
    の積分量Si0kjと第4の手段で得られる隣回線零相電流
    の積分量Si0kjに所定の定数kr ′を乗じて得られる
    電気量との和電流(Si0kj+kr ′・Si0kj)を得る
    第10の手段とを入力し、これらの位相が該当するサン
    プリング時点全時点kj (j=1〜3)において同位相
    か否かを検出する第13の手段と、第13の手段で同位
    相を検出した場合、第2の手段で得られる電流Si αkj
    と第10の手段で得られる値との和電流{Si αkj+k
    r ′・(Si0kj+kr ′・Si0kj)}を得る第14の
    手段と、第6の手段で得られる自回線零相電流の差分量
    i0kjと第7の手段で得られる自回線零相電流の差分量
    i0kjに所定の定数kx ′を乗じて得られる電気量と
    の和電流(di0kj+kx ′・di0kj)を得る第11の
    手段とから事故点までのα成分の抵抗Rα,インダクタ
    ンスLα及び零相分のインダクタンスL0 を下式から算
    出する第15の手段とからなることを特徴とする請求項
    1記載のディジタル形地絡距離リレー。 【数3】
  4. 【請求項4】 第3の手段で得られる自回線零相電流の
    積分量Si0kjと第4の手段で得られる隣回線零相電流の
    積分量Si0kj に所定の定数kr′を乗じて得られる電
    気量との和電流(Si0kj+kr ′・Si0kj)を得る第
    10の手段と、第6の手段で得られる自回線零相電流の
    差分量di0kjと第7の手段で得られる自回線零相電流の
    差分量di0kjに所定の定数kx ′を乗じて得られる電
    気量との和電流(di0kj+kx ′・di0kj)を得る第
    11の手段と、第5の手段で得られる電流のα成分の差
    分量di αkjと第11の手段で得られる電流(di0kj
    x ′・di0kj)の位相が該当するサンプリング時点
    全時点kj (j=1〜6)において同位相か否かを検出
    する第16の手段と、前記第16の手段で同位相を検出
    した場合、第11の手段で得られる電流に定数kx を乗
    じて第5の手段で得られる電流di αkjとの和電流{d
    i αkj+kx ・(di0kj+kx ′・di0kj)}を得る
    第17の手段とから事故点までのα成分の抵抗Rα,リ
    アクタンスLα及び零相分の抵抗R0 を下式から算出す
    る第18の手段とからなることを特徴とする請求項1記
    載のディジタル形地絡距離リレー。 【数4】
  5. 【請求項5】 2つの被検出電気量iAkj とiBkj の位
    相差は、下式により2量の電流の瞬時値比の変化に基づ
    いて算出し、所定のサンプリング時点全時点において位
    相差εkgが0近傍か否かを検出するように構成すること
    を特徴とする請求項2又は請求項3又は請求項4記載の
    ディジタル形地絡距離リレー。 【数5】|(iAkj /iBkj )−(iAkj-1
    Bkj-1 )|<εk
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