JPH10323869A - 熱可塑性樹脂吸引装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂吸引装置

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JPH10323869A
JPH10323869A JP9136979A JP13697997A JPH10323869A JP H10323869 A JPH10323869 A JP H10323869A JP 9136979 A JP9136979 A JP 9136979A JP 13697997 A JP13697997 A JP 13697997A JP H10323869 A JPH10323869 A JP H10323869A
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resin
floating piston
cylinder
thermoplastic resin
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JP9136979A
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English (en)
Inventor
Masato Matsumoto
正人 松本
Satoru Funakoshi
覚 船越
Shigeyoshi Matsubara
重義 松原
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型キャビティ内より樹脂を
排出する動作において、排出能力に優れた熱可塑性樹脂
排出装置を提供すること 【解決手段】 気密状態に保たれた樹脂通路
を介して金型キャビティと連通したシリンダーおよび、
該シリンダーの軸方向に進退可能な遊動ピストンおよ
び、該ピストンの位置決め装置および駆動装置とからな
り、該シリンダー内の遊動ピストンの反樹脂通路側の空
間が真空状態に保たれており、該遊動ピストンの後退に
より熱可塑性樹脂を吸引することを特徴とする熱可塑性
樹脂吸引装置

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】熱可塑性樹脂成形体の製造に
おいて、溶融状態の熱可塑性樹脂を吸引する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、一旦金型内に供給された溶融
状態の熱可塑性樹脂をキャビティ外に排出する技術は発
泡成形や中空成形で行われてきた。例えば、発泡成形に
おいては、USP3211605で示されるように、射出機よ
り金型内に供給された発泡剤を含有した熱可塑性樹脂を
プランジャーにより加圧し、表面層を形成した後、プラ
ンジャーを後退させ、発泡する容積を確保しつつ溶融状
態にある成形体中心層を発泡させる技術がある。あるい
は、USP3218375に示されるように、一旦ショッティ
ングチャンバー内に貯えられた発泡剤を含有した熱可塑
性樹脂を型内に射出し、表面層を形成後チャンバー内の
ピストンを後退させ、内部の溶融樹脂を発泡させる技術
がある。これらの発泡成形では、表面層は発泡せず内部
層のみが発泡した成形体を得ることが望ましく、そのた
めに、溶融樹脂を一旦高圧で型内に充填し、発泡しない
表面層を形成した後、溶融樹脂内の圧力を除去すること
で、溶融樹脂中に含有した発泡ガス圧力で内部を発泡さ
せる必要がある。
【0003】一方、これらの発泡成形の技術を応用した
中空成形についても種々開示されており、例えば特開平
57-91241がある。これは、発泡剤を含有した熱可塑性樹
脂を金型キャビティ内に射出し、発泡していない表面層
を形成した後、直ちに射出機のスクリューを後退させ、
発泡ガス圧により射出機内に熱可塑性樹脂を押戻すと同
時に、成形体内に中空部を形成する技術である。この中
には成形体内に圧縮流体を注入し、中空部の形成を補助
する技術についても開示されている。また、特開平2-29
5714には、ほぼ同様な形態で発泡剤を含有しない技術お
よび、開閉可能な副キャビティを設けて、中空形成分の
溶融樹脂を副キャビティに追い出す技術について開示さ
れている。更には、特許公報59-383においては、熱可塑
性樹脂内に圧縮流体を注入し、表面層を固化させた後内
部の流体を抜き取る技術を示し、この流体について、そ
の粘度を規定し、良好な発泡体や中空体を得ることを可
能としている。
【0004】これらの発泡成形や、中空成形はいずれも
一旦金型キャビティ内に供給した溶融樹脂あるいは流体
をキャビティ外に排出し、所望の発泡体や中空体を得る
ことを目的としているが、その溶融樹脂あるいは流体を
排出するための装置については何ら開発されておらず、
十分な能力を有していなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らは、金型キャビティ内より樹脂を排出する動
作において、排出能力に優れた熱可塑性樹脂排出装置に
ついて検討を行い、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、気
密状態に保たれた樹脂通路を介して金型キャビティと連
通したシリンダーおよび、該シリンダーの軸方向に進退
可能な遊動ピストンおよび、該ピストンの位置決め装置
および駆動装置とからなり、該シリンダー内の遊動ピス
トンの反樹脂通路側の空間が真空状態に保たれており、
該遊動ピストンの後退により熱可塑性樹脂を吸引するこ
とを特徴とする熱可塑性樹脂吸引装置である。
【0007】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置は、図1に
示すように、シリンダー(1)、遊動ピストン(2)お
よび樹脂通路(3)からなり、金型内に充填された溶融
状態の熱可塑性樹脂を、金型に設けられた樹脂排出口よ
り金型外に排出することに用いる。熱可塑性樹脂の排出
は遊動ピストン(2)の後退によりシリンダー内に溶融
樹脂を吸引することにより行われ、排出された溶融樹脂
はシリンダー内に蓄えられる。シリンダー(1)と金型
間は樹脂通路(3)により連通している。この熱可塑性
樹脂吸引装置は一般的な射出成形や圧縮成形等の金型と
組み合わせて使用され、金型キャビティに設けた溶融樹
脂排出口と接続されている。金型に設けた溶融樹脂排出
口はキャビティ形状や、用いる樹脂等によって適当な大
きさ、形状が選択され、本装置は、この溶融樹脂排出口
より樹脂を導くための樹脂通路(3)を有している。樹
脂通路内は常に溶融状態の熱可塑性樹脂(4)で満たさ
れており、溶融樹脂が固化しないように用いる熱可塑性
樹脂の溶融温度以上、分解温度未満に温度管理されてい
る。樹脂通路(3)の温度は用いる熱可塑性樹脂の種類
や粘度によって適宜選択されるが、通常樹脂通路の温度
は、金型キャビティ内に溶融樹脂を供給する際の樹脂温
度程度に保持される。これは用いる熱可塑性樹脂が適度
な流動性を持ちしかも熱分解を生じない温度であること
に加え本装置に排出した熱可塑性樹脂を再び金型キャビ
ティ内に供給する時に、種々の不良現象を防止するため
である(後述)。また、この樹脂通路(3)は、空気、水
蒸気、水、および油等の不純物(5)を通路内に吸い込
まないように、管壁や接続部など各部の気密性が保たれ
ている。通路内に吸い込まれた不純物(5)は、溶融樹
脂中に混入しさまざまな悪影響を及ぼす。溶融樹脂排出
時に、通路内が負圧となったとき気密漏れを生じると、
流動抵抗の小さい通路外の空気等の不純物(5)を吸い
込んでしまい、樹脂通路内およびシリンダー内に空気な
どの不純物(5)が存在し、金型キャビティ内の溶融樹
脂(4)を排出することが不可能となる。また、通路内
の溶融樹脂(4)とそれ以外の流体等の不純物(5)が
混ざり込み、正確な溶融樹脂の排出量の制御が不可能と
なり、得られた成形体の製品重量等に影響を及ぼすこと
になる。更には、吸い込んだ不純物が、樹脂通路中の溶
融樹脂に影響を及ぼし、樹脂の劣化や変質、変色の原因
となり、排出した熱可塑性樹脂の再使用が不可能とな
る。
【0008】この樹脂通路は、キャビティ内から排出し
た熱可塑性樹脂を、シリンダーまで導くためのものであ
るので、当然、樹脂通路とシリンダー間および樹脂通路
と金型間の接続部においても気密性を保つ必要がある。
樹脂通路(3)の断面形状は円形、方形、三角形あるい
は特殊な異形形状等どのような形状であっても構わない
が、通常は円形断面を用いるのが加工性、温度管理、あ
るいは溶融樹脂の流れ性の面で好適である。通路の断面
積は、通常大きくするほど溶融樹脂の流動抵抗は小さく
なり樹脂の排出面では良好となるが、溶融樹脂の通路近
傍と内部の温度分布が生じるなどの温度管理が難しくな
ったり、樹脂の排出量にもよるが、排出された熱可塑性
樹脂が樹脂通路内に長時間滞留する等の問題を生じる。
又、樹脂通路の断面積が小さくなるほど溶融樹脂の流動
抵抗が大きくなり溶融樹脂の排出能力が低下するが、樹
脂通路内での溶融樹脂の滞留時間が短くなる点では断面
積が小さい方が良好である。通常樹脂通路の断面積は円
形断面の場合、50mm2〜700mm2程度が望ましい。樹脂通
路内の容積は可能な限り小さい方が望ましく、従って、
樹脂通路は短い方が適している。そのために、できるだ
け樹脂通路を短くできるように成形体配置を考慮して金
型設計を行ったり、樹脂排出口の位置を工夫することも
重要である。
【0009】樹脂通路は、通常できるだけ直線状とする
ことが樹脂の排出の面からは最も適しているが、場合に
よっては、屈曲していたり、円弧を描いていてもよく、
また、複数の組み合わせからなっていてもよい。更に
は、鋼材等の金属材質からなるように定まった形状であ
る必要もなく、自由に形状を変化できるようなフレキシ
ブルパイプを応用することも可能である。この場合、溶
融樹脂に生じた負圧によってその内容積が減少しないよ
うな材質を用いることが重要である。樹脂通路は、通
常、シリンダーと金型キャビティとを連通状態としてい
るが、樹脂を流通する時以外は、樹脂通路(3)を遮断
する開閉弁(6)機構を有していてもよい。これは、必
要としない時に、金型キャビティ内の溶融樹脂(4)が
シリンダー内(1)に押し出されたり、反対に、シリン
ダー内の溶融樹脂が金型キャビティ内に押し出されたり
するのを防ぐためであり、この開閉弁(6)は成形体の
製造方法によって必要なときに制御される。この開閉弁
(6)も気密性が必要なことや、用いる熱可塑性樹脂の
溶融温度以上、分解温度未満に温度管理されていること
はいうまでもない。このような開閉弁(6)としては、
スライドピン式の開閉機構を持ったものや、ニードルバ
ルブ式、ボールバルブ式等の一般的な機構のもので良
く、油圧や圧空、ソレノイドや電動モーター等の制御手
段によって開閉を制御することが望ましい。開閉弁が開
いたときの流路面積は、樹脂通路と同等か、流路の形状
によってはそれ以上の断面積を有していることが望まし
い。
【0010】遊動ピストン(2)を持つシリンダー
(1)は、金型キャビティ内の溶融樹脂(4)を吸引す
る働きをし、遊動ピストン(2)の位置によって金型キ
ャビティ内より溶融樹脂の排出量を調整できる。このシ
リンダー(1)の温度も用いる熱可塑性樹脂の溶融温度
以上、分解温度未満に保たれているが、通常は熱可塑性
樹脂を金型に供給する際の溶融樹脂の温度とほぼ同等に
制御されてる。遊動ピストン(2)はシリンダー(1)
の軸方向に対して自由に移動できるようになっており、
遊動ピストンとシリンダー間の隙間は、溶融樹脂(4)
がもれない程度に調整されている。シリンダー内は遊動
ピストンを境にして樹脂通路側、すなわち、吸引された
溶融樹脂を溜め込むスペース(7)(遊動ピストンの前
とする)と反樹脂通路側、すなわち真空状態のスペース
(8)(遊動ピストンの後ろとする)に分けられてお
り、遊動ピストン(2)が最も前進した位置にあっても
遊動ピストン後方は真空状態に保たれ、シリンダー内に
空気や水蒸気等の不純物(5)を除去するようになって
いる。遊動ピストン(2)の後方の真空状態はシリンダ
ー(1)に接続された真空装置、例えば、真空タンク
(10)を有する真空ポンプ(11)によって得るのが
一般的であり、最も容易な手法である。
【0011】遊動ピストン(2)は、遊動ピストン自体
で後退する機能は有せず、遊動ピストン後方(8)の真
空状態と遊動ピストン前方(7)の溶融樹脂(4)の圧
力差△Pによって後退できる。つまり、遊動ピストン前
方(7)(樹脂通路側)に何らかの圧力がかかり、か
つ、その圧力が、遊動ピストンの移動抵抗力Wを遊動ピ
ストン後方(8)(反樹脂通路側)の有効断面積(遊動ピ
ストンが真空空間に接している面積)で除した値よりも
大きくなったときに、遊動ピストンは後退する。したが
って、遊動ピストン前方(7)に溶融樹脂(4)が吸い
込まれた量に応じて遊動ピストンが後退する動作とな
る。これは、遊動ピストンの前に空洞(12)が生じる
のを防止することが目的であり、空洞(12)の発生に
より、空洞分の溶融樹脂がキャビティ内から排出されな
くなる現象を防止することができる。もしかりに、外力
によって強制的にピストンを後退させる構造を取った場
合、ピストンの前に負圧による空洞が生じるため、ピス
トンの前に吸引される溶融樹脂の量に応じてピストンの
後退量を制御する必要が出てくる。これには、非常に正
確なフィードバック技術が必要となり、装置自体も複雑
な機構となってしまう。また、遊動ピストン(2)とシ
リンダー(1)間のしゅう動抵抗は、遊動ピストンの移
動抵抗力Wに大きく影響を及ぼすので、遊動ピストン
(2)とシリンダー(1)間は、しゅう動抵抗が大きく
ならないように、かつ、樹脂漏れを生じない程度の隙間
にする必要がある。しゅう動抵抗を低減するために、シ
リンダー(1)や遊動ピストン(2)に硬質のメッキ処
理を施したり、遊動ピストンとシリンダーの接触面積を
小さくするように、ピストンリングを設ける等が効果的
である。また、遊動ピストン(2)とシリンダー(1)
の材質の組み合わせで、熱膨張によるしゅう動抵抗の増
加や、隙間の増加が生じないように、材料の線膨張係数
を考慮しておくことも重要である。
【0012】シリンダー(1)の容積は、成形体の大き
さや、用いる射出成形機等の大きさを考慮して決定され
れば良く、特に制限はされない。シリンダー径と遊動ピ
ストンの移動ストロークについても特に制限されないが
シリンダー径が小さくなるほど、遊動ピストンの単位移
動量当たりの吸引量が小さくなるため、溶融樹脂(4)
の吸引量の精度が良くなることは明白である。しかし、
極端にシリンダー径が小さく、ストロークが長いシリン
ダーの加工は困難であり、また、極端にシリンダー径が
大きくなると吸引量の精度が悪化するだけでなく、温度
管理が困難となる問題が生じる。通常シリンダー径と遊
動ピストンストロークの比率は、シリンダー径/ピスト
ンストローク=0.5〜15程度である。
【0013】金型キャビティ内からの溶融樹脂(4)の
排出量(吸引量)は、シリンダー(1)内の遊動ピスト
ン前方(7)の容積であり、遊動ピストン(2)の後退
量で決定するが、前述したように遊動ピストン(2)の
後退動作は、遊動ピストン後方(8)の真空状態とピス
トン前方(7)の溶融樹脂(4)の圧力バランスのみに
依存するため、遊動ピストン自体では所定の後退量で停
止することは不可能である。従って、シリンダー(1)
には遊動ピストン(2)を所定の後退量で停止させるた
めの位置決め装置(13)を必要とする。位置決め装置
(13)は、遊動ピストン後面を機械的に支える構造の
ものが最も簡易的でありかつ確実である。例えば、シリ
ンダー後端(14)にシリンダー(1)の内外に貫通し
たロッド(15)を設け、このロッド(15)をシリン
ダー内に突き出す長さにより遊動ピストン(2)の後退
量を決定する事ができる。ロッド(15)はボールネジ
を用いたサーボモーターや油圧シリンダー等(16)に
よって突き出し量を制御する事ができるが、位置決め精
度の面からはボールネジを用いたサーボ制御が好適であ
る。位置決めは、遊動ピストンの後退端にロッド(1
5)を固定し、遊動ピストンがロッド(15)に到達す
るのを待ってもよいし、必要により、あらかじめロッド
(15)を遊動ピストン(2)に接触させておき、後退
速度を制御しながらロッド(15)を後退させ、所定の
位置にきたときに停止する動作であっても構わない。
【0014】シリンダー内に吸引された溶融樹脂はシリ
ンダー外へ押し出され、廃棄または再使用される。前述
したように、遊動ピストン自体は移動する力を持ってい
ないので、シリンダー(1)には、遊動ピストン(2)
を前方に押し出す駆動装置(17)が必要となる。ここ
で駆動装置は、位置決め装置でも述べたように、遊動ピ
ストン後方から遊動ピストン(2)を前方に突き出すよ
うな構造が最も簡単であり、また、移動力も得やすい。
移動力は通常用いられる油圧や空気圧によるシリンダー
を用いてもよいし、モーターでボールネジを回転させ、
ボールネジによる推進力を得てもよい。溶融樹脂(4)
をシリンダー外に押し出すためには、少なくとも真空吸
引により遊動ピストンに掛かっている後退力(真空圧×
遊動ピストン面積)よりも大きい移動力を必要とし、ま
た、シリンダー内に貯えられている溶融樹脂(4)が内
圧を有する場合、その内圧×遊動ピストン面積の移動力
を余分に必要とすることになる。シリンダー内に貯えら
れた溶融樹脂(4)を大気中に廃棄する場合は、それほ
ど大きな移動力を必要としないが、再利用のために、例
えば、再び溶融樹脂(4)を金型内に供給したり、金型
内に溶融樹脂を供給するための射出機内に溶融樹脂を押
戻したりする場合は、それぞれの抵抗力よりも大きな移
動力を必要とする。
【0015】この駆動装置(17)は、先に述べた位置
決め装置(13)と兼用することも可能であり、例え
ば、ボールネジを用いた場合には正確な位置決め性と、
大きな移動力を両立することができるので、装置を簡略
化する点では非常に有効な手法である。
【0016】位置決め装置(13)と駆動装置(17)
の両方に共通するが、油圧や空圧あるいはモーター等の
位置決めや駆動を制御する装置(13、17)は通常シ
リンダー(1)外に設けられ、これらの装置からロッド
やボールネジを介してシリンダー内の遊動ピストン
(2)はコントロールされる。遊動ピストン後方のシリ
ンダー内(8)は常に真空状態に保たれているため、シ
リンダー後端を貫通するロッドやボールネジとシリンダ
ー後端の隙間の気密性を確保することが必要である。
【0017】以下に、本発明の熱可塑性樹脂吸引装置の
発泡成形への使用例を、図を用いて詳細に説明する。図
2に示されるような樹脂通路(3)に開閉弁(6)を備
えた熱可塑性樹脂吸引装置が金型(18)に接続されて
いる。キャビティ内(19)には溶融樹脂供給口(2
0)を設けてあり、溶融樹脂(4)を供給するための射
出機(9)に接続されている。熱可塑性樹脂吸引装置の
樹脂通路(3)は、キャビティ内(19)の樹脂排出口
(21)から金型外へ伸びた樹脂排出管(22)に接続
されている。樹脂排出管(22)は、一旦キャビティ内
(19)に供給された溶融状態の熱可塑性樹脂(4)を
キャビティ外に排出する通路となり、熱可塑性樹脂吸引
装置の樹脂通路(3)と同様、熱可塑性樹脂の溶融温度
以上分解温度未満に保たれ、更には気密性を有してい
る。樹脂通路(3)の先端は樹脂排出管(22)と緻密
に接続され、接続部においてもその気密性は保たれてい
る。ここで、樹脂通路と排出管の固定方法は特に複雑な
ものでなくてもよく、一般的なフランジ形状のボルト締
めであってもよいし、ねじ込み式であってもよいし、単
純なはめ込み式であってもよいが、気密性を保てること
が重要である。また、耐熱性のパッキンを使用すると気
密性の確保が容易となる。
【0018】樹脂通路(3)の途中には、シリンダー
(1)と樹脂排出口(21)の間を遮断する開閉弁
(6)と樹脂通路(3)と大気中とを遮断する開閉弁
(23)を有している。前者の開閉弁(6)は、溶融樹
脂(4)が流通する時以外は樹脂通路(3)を遮断して
おき、一旦キャビティ外に排出した溶融樹脂(4)がキ
ャビティ内(19)に逆流するのを防止したり、キャビ
ティ内(19)の樹脂からの過大な圧力がシリンダー
(1)や遊動ピストン(2)に掛かるのを防ぐ働きをす
る。一方、後者は、一旦シリンダー内に吸引した熱可塑
性樹脂を廃棄するための開閉弁(23)である。一旦吸
引した熱可塑性樹脂(4)は、吸引装置の駆動装置(1
7)により廃棄される。これらの開閉弁は、その目的に
応じて適宜選択され用いられるが、開閉弁より空気を吸
い込んだりしないような気密性の保たれたものを用いる
必要がある。このような開閉弁として、スライドピン式
の開閉弁や、ニードル弁あるいはボール弁等が挙げられ
るが、通常、スライドピン式が構造面、操作面で好適に
用いられる。これらの開閉弁においても、用いる熱可塑
性樹脂の溶融温度以上分解温度未満に保たれている。
【0019】シリンダー(1)前端は樹脂通路(3)と
一体化されており、シリンダー後端には位置決め装置
(13)を兼ねた電動モーターにより回転するボールネ
ジ式の駆動装置(17)を有している。シリンダー内に
は遊動ピストン(2)が収められ、シリンダー内壁に沿
って自由に遊動できるようになっている。シリンダー後
端には更に真空吸引口(25)が設けられており、真空
タンク(10)を有する真空ポンプ(11)に接続され
ている。
【0020】シリンダー内のピストンの後方(8)は常
に真空状態に保たれており、従って、遊動ピストン
(2)はピストン後方に吸い寄せられ、常時位置決め用
のボールネジもしくはロッド状の物(15)に突き当た
った状態で停止していることになる。この遊動ピストン
(2)の先端は、円形であったり、円錐形であったりし
てもよく、シリンダー(1)も遊動ピストン形状に応じ
て加工される。遊動ピストン(2)の位置決めあるいは
移動用のロッド(15)は、円形断面が加工しやすく、
また、気密性の面でも最も適している。油圧や空圧等、
ロッド自体がスライド運動する場合は、比較的容易に位
置決め装置(13)および駆動装置(17)とロッド
(15)の連動は可能であるが、ボールネジ等を用いる
場合は回転運動を一旦直線運動に変換し、ロッド(1
5)に連結する必要がある。回転運動からスライド運動
への変換方法は特に限定されず、必要とする位置決め精
度や移動力に応じて適宜選択される。ボールネジを回転
させる電動モーターは一般的に用いられる制御用のサー
ボモーターで十分であり、本例のように樹脂を廃棄する
ための遊動ピストン(2)の駆動源も兼ねる場合は、そ
の移動力に応じたボールネジピッチやモーター出力を選
択すればよい。また、モーターの制御も一般的なシーケ
ンス制御、パルス制御やフィードバック制御などを用い
ることができる。ここでは、ピストンの位置決め装置と
駆動装置を兼用する機構について例示したが、もちろ
ん、他の油圧や空圧を利用したり、それぞれを専用の機
構としてもよく何ら限定されない。
【0021】このような熱可塑性樹脂吸引装置および、
射出成形や圧縮成形あるいは射出圧縮成形等に用いるよ
うな一組の金型(18)を用いる。金型(18)を閉鎖
した状態で所望の形状のキャビティ(19)を形成する
ようになっており、一端に溶融樹脂供給口(20)を備
え、他端に溶融樹脂排出口(21)を備えている。この
樹脂供給口(20)は通常の熱可塑性樹脂(4)を用い
る射出成形などと同様の形状でよく、一般的なランナー
やスプルによって射出機(9)から溶融樹脂(4)が導
かれる。
【0022】熱可塑性樹脂吸引装置の遊動ピストン
(2)が前進端に有り、樹脂通路内(3)の開閉弁
(6)が閉鎖状態にあるときに、金型キャビティ内(1
9)に溶融した熱可塑性樹脂(4)を充填する。溶融樹
脂(4)の充填は、閉鎖したキャビティ内(19)に射
出機等(9)によって供給してもよいし、開放状態の金
型間に押し出し機等によって溶融樹脂(4)を供給し、
型締めによってキャビティ内(19)に溶融樹脂(4)
を充填してもよい。(図3)
【0023】本発明に使用される熱可塑性樹脂(4)
は、通常、押し出し成形、射出成形、プレス成形に用い
られている熱可塑性樹脂であればいずれも使用可能であ
り、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、アクリロニトリル・スチレン。ブタジエン共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリエチレンテレフタレート、等の一般的な熱可塑性樹
脂、これらの混合物、あるいはこれらの熱可塑性樹脂を
用いたポリマーアロイ等があげられ、必要に応じて各種
添加剤、ガラスなどの強化繊維また、タルク等の充填剤
を含んでいてもよい。
【0024】ここで例示する発泡成形においては、この
ような一般的な熱可塑性樹脂に化学的発泡剤を含有する
必要がある。発泡剤としては、通常熱可塑性樹脂の発泡
に用いられているものを使用することができ、重曹等の
無機系発泡剤やアゾジカルボンアミド系等の有機系発泡
剤をあげることができる。発泡剤の混合量は目的とする
発泡体の比重(発泡倍率)やマトリックスとなる熱可塑
性樹脂の種類や粘度によって異なるが、通常、熱可塑性
樹脂に対し1〜10wt%程度の割合で混合すれば十分であ
る。
【0025】キャビティ内(19)に熱可塑性樹脂
(4)を充填し、成形体が表面(27)より冷却され、
表面近傍固化し内部(28)が溶融状態にあるとき、溶
融樹脂排出口(21)に接続された樹脂通路(3)の開
閉弁(6)を開放すると同時にシリンダー(1)に設け
た位置決め装置(13)を所定の位置に後退させ(図
4)、成形体内部の溶融樹脂(4)を熱可塑性樹脂吸引
装置のシリンダー内(7)に排出する。この時、熱可塑
性樹脂中に含有された発泡剤の分解ガス圧力により、成
形体の見かけ上の体積が増加し、内部が発泡した成形体
を得ることができる。ここで、シリンダー内(1)の遊
動ピストン(2)はその背後の負圧により後退する力を
受け、金型キャビティ内(19)の熱可塑性樹脂(4)
の発泡ガス圧力とあいまって、遊動ピストン前方の樹脂
通路(3)に存在している溶融樹脂(4)は遊動ピスト
ン(2)の後退とともにシリンダー内(7)に吸引され
る。(図5)
【0026】この時、遊動ピストン(2)の位置決め性
は非常に重要であり、例えば、遊動ピストン(2)を後
退させすぎると成形体内部(28)の発泡樹脂の排出量
が多くなり、成形体にひけなどの形状不良を来たし、逆
に、遊動ピストン(2)の後退量が不足し排出量が少な
すぎると十分な発泡状態が得られなくなる。また、遊動
ピストンの後退速度も重要であり、通常、遊動ピストン
(2)の後退速度は、遊動ピストン後方(8)の真空状
態による自然速度程度が最も適しており、それより早く
遊動ピストン(2)を後退させてもひけなどの形状不良
が出る可能性が高くなる。遊動ピストン(2)の後退速
度が速いほど成形体内部(28)の溶融樹脂温度が高い
うちに溶融樹脂を排出完了できるので、発泡ガスの発生
量が多く、比重の低い良好な発泡体を得られやすくな
る。しかし、遊動ピストンの後退速度が早すぎても発泡
体内部(28)の体積増加速度よりも、吸引による溶融
樹脂排出速度が早くなり、ひけや成形品の破れが生じ、
遅すぎると体積増加する前に成形体が固化してしまい十
分な発泡状態が得られない。
【0027】遊動ピストン(2)が所定の位置まで後退
した後、樹脂通路(3)の開閉弁(6)は遮断され、成
形体は冷却される。(図6)成形体冷却中に樹脂通路
(3)に設けた空気と連通する開閉弁(23)を開放
し、シリンダー後端に設けた駆動装置(17)により遊
動ピストンを前進させ、シリンダー内(1)に排出され
た熱可塑性樹脂(4)を廃棄し(図7)、再び、開閉弁を
閉じておく(図8)。通常、一旦キャビティ内(19)
より排出された発泡剤を含有した熱可塑性樹脂の発泡ガ
スはほとんど抜けてしまっているため、そのまま再びキ
ャビティ内(19)に供給することは不可能な場合が多
い。シリンダー内(1)に排出された溶融樹脂(4)
を、再び射出機内(9)に回収するには、空気中に開放
された樹脂通路(3)を射出機側に接続すればよい。こ
の際、射出機内(9)に溶融樹脂(4)を押し返すに
は、空気中に廃棄する場合に比べ相当大きな遊動ピスト
ン移動力を要することになる。金型内で冷却された発泡
成形体(29)は、金型(18)を解放後取り出され、
次のサイクルに入っていく。(図9)
【0028】以上は、本発明の熱可塑性樹脂吸引装置
を、発泡成形に適用した例を示したが、本装置は中空成
形体の製造にも適している。つまり、図10に示すよう
な金型キャビティ内(19)の所定の位置に圧縮流体注
入口(30)を設けておき、溶融樹脂(4)をキャビテ
ィ内(19)に充填(図11)後、成形体表面(27)
が冷却し内部が溶融状態(28)にあるとき、溶融樹脂
排出口(21)に接続された樹脂通路(3)の開閉弁
(6)を開放すると同時にシリンダー(1)に設けた位
置決め装置(13)を所定の位置に後退させ(図12)、
成形体内部(28)の溶融樹脂(4)を熱可塑性樹脂吸
引装置のシリンダー内に排出する(図13)。この時、圧
縮流体注入口(30)より溶融樹脂中に圧縮流体を注入
し、シリンダーに排出した分の中空部が成形体内に形成
される。遊動ピストン(2)が所定の位置間で後退し、
成形体内に中空部が形成された後、開閉弁(6)が閉じ
られる。(図14)
【0029】中空成形体の製造に熱可塑性樹脂吸引装置
を適用した場合、溶融樹脂を積極的に吸引する効果は形
成される中空容積に大きく作用し、流体圧力8kg/cm2以
下の圧縮エアーであっても十分な中空容積を得ることが
できる。(図17) 中空成形においては、キャビティ内(19)より排出さ
れた溶融樹脂(4)は再び射出機内(9)に回収され、
再使用することが可能である(図16)。しかし、排出さ
れた熱可塑性樹脂中に空気や水分等の不純物(5)を含
むと樹脂の劣化や変色を生じるため、装置各部は気密構
造を採り、樹脂通路(3)やシリンダー内(1)に不純
物(5)を吸い込まないことは必須となる。また、中空
成形では中空内部に不純物となりうるエアーなどの圧縮
流体(31)を注入するため、この圧縮流体(31)が
樹脂排出口(21)を介して樹脂通路(3)やシリンダ
ー内(1)に入らないように、かつ、樹脂排出口(2
1)付近まで中空が形成されるように正確に排出樹脂量
を制御しなければならない。従って、中空成形において
もピストンの位置決め性は重要であり、ピストンを後退
させすぎると樹脂通路内に圧縮流体が入り込み樹脂の劣
化や変色の問題点が発生し、樹脂の再使用が不可能とな
る。また、ピストンの後退量が不足していると完全な中
空体が得られなくなる。シリンダー内(1)に排出され
た熱可塑性樹脂(4)は、樹脂通路(3)と射出機
(9)を遮断する開閉弁(23)を開放し、再び射出機
内に押戻され、(図15)次の成形に使用される。
【0030】
【発明の効果】かくして本発明の熱可塑性樹脂吸引装置
によれば、軽量な発泡成形体や中空成形体を容易に安定
して製造することができ、また、中空成形においては熱
可塑性樹脂の再利用を可能とできる。
【0031】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明がこれによって限定されるものでないことはいうまで
もない。 (実施例1)図2に示される金型および熱可塑性樹脂吸
引装置を使用し、図3〜図8に示される工程に従って、
図9に示される発泡成形体の製造を行った。金型(1
8)は通常の射出成形機(図示せず)に取り付けられ、熱
可塑性樹脂吸引装置は樹脂通路を介して金型(18)の
樹脂排出管(22)に接続した。樹脂通路(3)には樹
脂排出口(21)とシリンダー(1)を遮断する位置に
スライドピン式の開閉弁(6)を設け、また、大気中に
溶融樹脂(4)を廃棄するようにスクリュー弁式の開閉
弁(23)を設けた。シリンダー(1)に設けた遊動ピ
ストン(2)の位置決め装置(13)と駆動装置(1
7)は電動モーターによるボールネジを用い両者を兼用
とした。遊動ピストンは円形断面のロッド(15)を介
して制御した。用いた材料は、一般的な熱可塑性樹脂で
あるポリプロピレン(AZ564、住友化学工業(株)
社製)に市販の発泡剤(三協化成社製、セルマイクMB
6023)をマスターバッチとしてマトリックス樹脂に
対し3wt%混合した物である(以下、溶融樹脂とす
る)。この材料を240℃に溶融し、ついで、金型キャビテ
ィ内(19)にキャビティを完全に充填する量の溶融樹
脂(4)を供給し、直ちにスライドピン式の開閉弁
(6)を開放すると同時に位置決め装置(13)および
ロッド(15)を所定の位置に後退した。遊動ピストン
(2)はキャビティ内(19)の溶融樹脂(4)の排出
量に応じて後退し、ロッド(15)に突き当たったとこ
ろで停止した。直ちに、スライドピン式の開閉弁(6)
を閉鎖し、スクリュー式の開閉弁(23)を開放し、位
置決め装置を兼ねた駆動装置(17)により、シリンダ
ー内の溶融樹脂(4)を廃棄した。廃棄が完了すると同
時に、再びスクリュー式の開閉弁(23)を閉じた。こ
の間、成形体を冷却し、溶融樹脂充填完了から60秒後に
金型を開放して発泡成形体を取り出した。得られた成形
体は、外観上のひけも無く、成形体の内部が良好に発泡
し、非常に軽量であった。 (実施例2)図10に示される金型および熱可塑性樹脂
吸引装置を使用し、図11〜図14に示される工程に従
って、図15に示される中空成形体の製造を行った。金
型(18)は通常の射出成形機(図示せず)に取り付けら
れ、熱可塑性樹脂吸引装置は樹脂通路を介して金型(1
8)の樹脂排出管(22)に接続した。樹脂通路(3)
には樹脂排出口(21)とシリンダー(1)を遮断する
位置にスライドピン式の開閉弁(6)を設け、また、大
気中に溶融樹脂(4)を廃棄するようにスクリュー弁式
の開閉弁(23)を設けた。シリンダー(1)に設けた
遊動ピストン(2)の位置決め装置(13)と駆動装置
(17)は電動モーターによるボールネジを用い両者を
兼用とした。遊動ピストンは円形断面のロッド(15)
を介して制御した。圧縮流体(31)はコンフ゜レッサーにより
加圧した圧縮空気(8kgf/cm2)を用い、キャビティに設
置した流体注入口(30)より流体を注入した。用いた
材料は、一般的な熱可塑性樹脂であるポリプロピレン
(AZ564、住友化学工業(株)社製)である。この
材料を一般的な射出機で240℃に溶融した。ついで、
金型キャビティ内(19)にキャビティを完全に充填す
る量の溶融樹脂(4)を供給し、直ちにスライドピン式
の開閉弁(6)を開放すると同時に位置決め装置(1
3)およびロッド(15)を所定の位置に後退し、圧縮
空気を注入した。遊動ピストン(2)はキャビティ内
(19)の溶融樹脂(4)の排出量に応じて後退し、ロ
ッド(15)に突き当たったところで停止した。直ち
に、スライドピン式の開閉弁(6)を閉鎖し、射出機に
通じる開閉弁(23)を開放し、位置決め装置と兼ねた
駆動装置(17)により、シリンダー内の溶融樹脂
(4)を射出機内に回収した。(この際、キャビティに
設けられた溶融樹脂供給口は完全にシールされているの
で、成形体内への樹脂の流入はない。)回収が完了する
と同時に、再び射出機に通じる開閉弁(23)を閉じ
た。この間、圧縮空気の注入を保持しつつ成形体を冷却
し、溶融樹脂充填完了から60秒後に金型を開放して中空
成形体を取り出した。得られた成形体は、外観上のひけ
も無く、成形体の内部に中空が形成され、樹脂排出口へ
の圧縮空気の流入も無く、非常に軽量であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置の一例を示す
【図2】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置および発泡成形
体を製造する金型の一例を示す。
【図3】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた発泡成
形体の製造工程の一例であり、金型キャビティ内に溶融
樹脂を充填した状態を示す。
【図4】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた発泡成
形体の製造工程の一例であり、樹脂通路の設けた開閉弁
を開放し、遊動ピストンの位置決め装置を所定の位置ま
で後退させた状態を示す。
【図5】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた発泡成
形体の製造工程の一例であり、溶融樹脂を排出している
状態を示す。
【図6】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた発泡成
形体の製造工程の一例であり、金型キャビティ内の溶融
樹脂の排出を完了し、開閉弁を閉じた状態を示す。
【図7】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた発泡成
形体の製造工程の一例であり、大気中に通じる開閉弁を
開放し、シリンダー内に排出された溶融樹脂を廃棄して
いる状態を示す。
【図8】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた発泡成
形体の製造工程の一例であり、大気中に通じる開閉弁を
閉鎖し、待機している状態を示す。
【図9】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた発泡成
形体の一例を示す。
【図10】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置および中空成
形体を製造する金型の一例を示す。
【図11】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた中空
成形体の製造工程の一例であり、金型キャビティ内に溶
融樹脂を充填した状態を示す。
【図12】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた中空
成形体の製造工程の一例であり、樹脂通路の設けた開閉
弁を開放し、遊動ピストンの位置決め装置を所定の位置
まで後退させた状態を示す。
【図13】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた中空
成形体の製造工程の一例であり、流体注入口より圧縮流
体を注入しつつ溶融樹脂を排出している状態を示す。
【図14】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた中空
成形体の製造工程の一例であり、金型キャビティ内の溶
融樹脂の排出を完了し、開閉弁を閉じた状態を示す。
【図15】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた中空
成形体の製造工程の一例であり、射出機に通じる開閉弁
を開放し、シリンダー内に排出された溶融樹脂を射出機
内に回収している状態を示す。
【図16】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた中空
成形体の製造工程の一例であり、射出機内に通じる開閉
弁を閉鎖し、待機している状態を示す。
【図17】本発明の熱可塑性樹脂吸引装置を用いた発泡
成形体の一例を示す。
【符号の説明】
1:シリンダー 3:遊動ピストン 4:樹脂通路 5:溶融樹脂(溶融状態の熱可塑性樹脂) 6:開閉弁 7:遊動ピストン前方空間(遊動ピストンの前) 8:遊動ピストン後方空間(遊動ピストンの後) 9:射出機 10:真空タンク 11:真空ポンプ 12:空洞 13:位置決め装置 14:シリンダー後端 15:突き出しロッド(ロッド) 16:移動源あるいは駆動源 17:駆動装置 18:金型 19:金型キャビティ 20:溶融樹脂供給口(樹脂供給口) 21:溶融樹脂排出口(樹脂排出口) 22:樹脂排出管(排出管) 23:開閉弁 24:シリンダー前端 25:真空吸引口 26:ボールネジ 27:成形体表面 28:成形体内部 29:発泡体 30:圧縮流体注入口 31:圧縮流体 32:中空体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気密状態に保たれた樹脂通路を介して金型
    キャビティと連通したシリンダーおよび、該シリンダー
    の軸方向に進退可能な遊動ピストンおよび、該ピストン
    の位置決め装置および駆動装置とからなり、該シリンダ
    ー内の遊動ピストンの反樹脂通路側の空間が真空状態に
    保たれており、該遊動ピストンの後退により熱可塑性樹
    脂を吸引することを特徴とする熱可塑性樹脂吸引装置。
  2. 【請求項2】前記遊動ピストンの反樹脂通路側と樹脂通
    路側との圧力差△Pが、該遊動ピストンの移動抵抗力W
    を該遊動ピストンの反樹脂通路側の有効断面積Aで除し
    た値よりも大きくなる状態で、該遊動ピストンが後退す
    ることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂吸引
    装置。
  3. 【請求項3】前記樹脂通路に、金型キャビティと熱可塑
    性樹脂吸引装置とを遮断する開閉弁を有することを特徴
    とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂吸引装置。
JP9136979A 1997-05-27 1997-05-27 熱可塑性樹脂吸引装置 Pending JPH10323869A (ja)

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EP98109469A EP0881051A1 (en) 1997-05-27 1998-05-25 A method and system for gas injection moulding a hollow article
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