JPH10323769A - オープン管誘導加熱装置 - Google Patents

オープン管誘導加熱装置

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JPH10323769A
JPH10323769A JP13352097A JP13352097A JPH10323769A JP H10323769 A JPH10323769 A JP H10323769A JP 13352097 A JP13352097 A JP 13352097A JP 13352097 A JP13352097 A JP 13352097A JP H10323769 A JPH10323769 A JP H10323769A
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Kingo Sawada
欣吾 澤田
Masahiro Kagawa
正弘 香川
Yoshinori Sugie
善典 杉江
Toshio Onishi
寿雄 大西
Nobuki Tanaka
伸樹 田中
Masaaki Shoji
雅朗 正司
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 スクイズロールにより衝合圧接されるオー
プン管の両エッジ部を該スクイズロール入側で2段階に
誘導加熱するオープン管誘導加熱装置において、前段加
熱区間と後段加熱区間との間の冷却区間長さを容易に変
更可能とする。 【解決手段】 スクイズロール3により衝合圧接される
オープン管1の両エッジ部1Eを該スクイズロール入側
で順次2段階に誘導加熱する第1、第2のワークコイル
52、62を備えたオープン管誘導加熱装置において、第1
のワークコイル52Aを支持し通管方向に移動するコイル
搬送手段10を備えた装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オープン管誘導加
熱装置に関し、詳しくは、オープン管の両エッジ部を接
合可能温度域に誘導加熱しスクイズロールで衝合圧接す
ることによって溶接鋼管を得る溶接鋼管製造法に用いて
好適なオープン管誘導加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接鋼管は、鋼板または鋼帯(帯鋼)を
管状に成形しその継目を溶接したもので、小径から大径
まで各種の製造法によりつくられているが、主な製造法
として、電気抵抗溶接(電縫)、鍛接、電弧溶接による
ものが挙げられる。小径〜中径鋼管用としては、高周波
誘導加熱を利用した電気抵抗溶接法(電気抵抗溶接鋼
管、電縫管)が主として利用されている。この方法は、
連続的に帯鋼を供給し、成形ロールで管状に成形してオ
ープン管とし、続いて高周波誘導加熱によりオープン管
の両エッジ部端面を鋼の融点以上に加熱した後、スクイ
ズロールで両エッジ部端面を衝合溶接して鋼管を製造す
る方法である(例えば、第3版鉄鋼便覧第III 巻(2)
1056〜1092頁)。
【0003】上記した高周波誘導加熱を利用した電縫管
の製造方法では、オープン管の両エッジ部端面を鋼の融
点以上に加熱するため、電磁力の影響により溶鋼が流動
し、生成された酸化物が衝合溶接部に噛み込まれペネト
レータ等の溶接欠陥あるいは、溶鋼飛散(フラッシュ)
が発生しやすいという問題があった。この問題に対し、
例えば、特開平2-299782号公報には、2つの加熱装置を
有する電縫鋼管の製造法が提案されている。すなわち、
第1の加熱装置でオープン管の両エッジ部の温度をキュ
リー点以上に加熱し、第2の加熱装置で更に融点以上に
加熱し、すぐ下流に設けたスクイズロールで両エッジ部
を衝合溶接して鋼管を製造する。また、特開平2-299783
号公報には、第1の加熱装置で周波数45〜250kHzの電流
を流し、両側エッジ部を予熱し、第2の加熱装置で更に
融点以上に加熱し、スクイズロールで両エッジ部を衝合
圧接して鋼管を製造する電縫管製造装置が提案されてい
る。
【0004】この電縫管製造装置は図4(A)に示すよ
うに、スクイズロール3の入側で上流側から順に、第1
のワークコイル52、第2のワークコイル62を設け、それ
ぞれに第1の加熱電源51、第2の加熱電源61を接続して
なる第1の加熱装置5、第2の加熱装置6で構成され、
オープン管1の内部には加熱効果を大とし溶接効率を向
上させるためのフェライトコアまたは珪素鋼板よりなる
インピーダ7が挿入される。なお、1Eはエッジ部であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の電縫管製造装置には以下のような問題がある。オー
プン管1は外面から誘導加熱されるので、一般に、図4
(D)に示すエッジ部外表面1EOのほうがエッジ部内
表面1EIよりも温度が高くなる傾向がある。この温度
差(内外面温度差)は管の肉厚が厚いほど大きくなる。
【0006】そのため、厚肉管の場合、図4(B)に示
すように、第1の加熱装置5による誘導加熱(前段加
熱)で生じた大きな内外面温度差が、第1、第2の加熱
装置間の冷却区間7で十分縮まらず、第2の加熱装置6
による誘導加熱(後段加熱)後まで残って内面未溶接等
の溶接欠陥となる。そこで、冷却区間7は厚肉管がそこ
を通過する間に内外面温度差が十分縮まるような長さに
設定される。
【0007】一方、薄肉管の場合、図4(C)に示すよ
うに、前段加熱による内外面温度差はつきにくく、冷却
区間を通過するときにほとんど解消されるのであるが、
冷却区間は厚肉管の内外面温度差が十分縮まる長さに設
定されているので、エッジ部1E全体が温度低下し、後
段加熱で接合可能温度域に昇温できなくなる。このよう
に、厚肉管と薄肉管とでは、最適な冷却区間長さが異な
るのであるが、従来の電縫管製造装置ではこの点が考慮
されていないので、肉厚に応じて冷却区間長さを変更し
て適正な誘導加熱条件を設定することが困難であるとい
う問題があった。
【0008】そこで、本発明は、スクイズロールにより
衝合圧接されるオープン管の両エッジ部を該スクイズロ
ール入側で2段階に誘導加熱するオープン管誘導加熱装
置において、前段加熱区間と後段加熱区間との間の冷却
区間長さを容易に変更可能なオープン管誘導加熱装置を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、スクイズロー
ルにより衝合圧接されるオープン管の両エッジ部を該ス
クイズロール入側で2段階に誘導加熱する第1、第2の
ワークコイルを備えたオープン管誘導加熱装置におい
て、第1のワークコイルを支持し通管方向に移動するコ
イル搬送手段を備えたことを特徴とするオープン管誘導
加熱装置であり、前記第1のワークコイルが、オープン
管両エッジ部に対向して配置されるのが好ましく、ま
た、磁心を有することが好ましい。
【0010】また、本発明は、前記オープン管誘導加熱
装置とスクイズロールとを通管の向きに順次配置してな
ることを特徴とする複合溶接機である。また、本発明
は、帯鋼を払いだすアンコイラと、帯鋼を継ぎ溶接する
継ぎ溶接機と、帯鋼を蓄えるルーパと、帯鋼をオープン
管にロール成形するロール成形機と、前記複合溶接機
と、鋼管を加熱する鋼管加熱装置と、鋼管を絞り圧延す
る絞り圧延機とが順次配列されてなることを特徴とする
鋼管製造ラインである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のオープン管誘導
加熱装置(本発明装置)の(A)、(C)は模式的側面
図、(B)、(D)は(A)、(C)に対応するエッジ
部の温度変化図である。図1において、10はコイル搬送
手段、52Aは第1のワークコイル、52Bは磁心であり、
図4の従来例と同一または相当部分にはこれと同じ符号
を付し、説明を省略する。
【0012】図示のように、本発明は、スクイズロール
3により衝合圧接されるオープン管1の両エッジ部1E
を該スクイズロール3入側で順次2段階に誘導加熱する
第1、第2のワークコイル52A、62を備えたオープン管
誘導加熱装置8において、第1のワークコイル52Aを支
持し通管方向に移動するコイル搬送手段10を備えたこと
を要旨とする。
【0013】これにより、コイル搬送手段10を用いて第
1のワークコイル52Aを、厚肉管の場合は、図1(A)
に示すように第2のワークコイル62から遠ざけて冷却区
間7を長くし、薄肉管の場合は、図1(C)に示すよう
に第2のワークコイル62に近づけて冷却区間7を短くす
ることができ、その結果、図4(B)、(C)と対応す
る表示形式の図1(B)、(D)に示す通り、広い肉厚
範囲で圧接時におけるエッジ部1Eの内外面温度差を小
さくでき、かつエッジ部1E全体を接合可能温度域に到
達させ得るようになる。
【0014】なお、第1、第2の加熱電源51、52の好適
周波数範囲は、それぞれ1〜3kHz、10〜50kHz であ
る。図2は、コイル搬送手段10の具体例を示す模式図で
ある。この例は、第1のワークコイル52Aを車輪13付き
の枠体11で保持し、車輪13を通管方向に敷いたレール12
で移動可能に支持し、枠体11に設けたラック14にモータ
16により回転するピニオン15を係合させたものである。
なお、枠体11にはコイル位置固定用にレール12を挟圧す
るクランプ17を取り付けてある。
【0015】ところで、第1のワークコイル52Aは、オ
ープン管1両エッジ部に対向して配置するほうが好まし
い。なぜなら、オープン管1の外径は通管方向に沿って
変化しているから、コイル移動に伴いコイルとオープン
管との相対位置が変化するところ、図4の第1のワーク
コイル52は管体を囲むように配置されるため、コイル移
動に伴って変化する管径に合うものに交換する必要が生
じるのに対し、図1に示した第1のワークコイル52Aの
ように両エッジ部1Eの上方に配置すれば、コイルの高
さ位置を調節するだけでコイル移動に伴う管径変化に追
従できるから、多サイズのコイルを準備する必要がなく
経済的である。
【0016】また、管体を囲む従来型のコイルを第1の
ワークコイルに用いると、前段加熱において両エッジ部
以外の管周部分が過加熱されて、スクイズロール3で両
エッジ部1Eを十分接合させるだけのアップセット量を
付与する際に管周剛性が不足がちとなる欠点があるが、
両エッジ部1Eの上方に配置されるコイルを第1のワー
クコイルとする本発明好適形態ではこの欠点がない。
【0017】なお、前段での加熱効率をより一層高める
には、図1に示すように、磁束密度を高める意味で第1
のワークコイル52Aにフェライト、珪素鋼等からなる磁
心52Bを抱かせるのがよい。また、前記オープン管誘導
加熱装置8とスクイズロール3とを通管の向きに順次配
置してなる本発明の複合溶接機によれば、肉厚が広範囲
にわたるオープン管両エッジ部を肉厚に応じた適正な誘
導加熱条件で加熱でき、引き続き適量のアップセットの
下で衝合圧接できるから製品管のシーム品質が向上し、
また、肉厚フリーの連続造管が可能となるから生産性も
高まる。
【0018】そして、例えば図3に示すように、通管の
向きに沿って、この複合溶接機24の入側に、帯鋼30を払
いだすアンコイラ20と、帯鋼30を継ぎ溶接する継ぎ溶接
機21と、帯鋼30を蓄えるルーパ22と、帯鋼30をオープン
管1にロール成形するロール成形機23とを順次配列し、
かつ、出側に、鋼管31を加熱する鋼管加熱装置25と、鋼
管31を絞り圧延する絞り圧延機26とを順次配列した本発
明の鋼管製造ラインによれば、広範囲の肉厚、外径の溶
接鋼管を同一ラインで連続的に製造することができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、スクイズロールにより
衝合圧接されるオープン管の両エッジ部を該スクイズロ
ール入側で2段階に誘導加熱する際に、前段加熱区間と
後段加熱区間との間の冷却区間長さを容易に変更できる
ようになるから、肉厚が広範囲にわたるオープン管両エ
ッジ部を肉厚に応じた適正な誘導加熱条件で加熱できて
製品管のシーム品質が向上し、また、肉厚フリーの連続
造管が可能となるから生産性も高まるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の(A)、(C)は模式的側面図、
(B)、(D)は(A)、(C)に対応するエッジ部の
温度変化図である。
【図2】コイル搬送手段の具体例を示す模式図である。
【図3】本発明の鋼管製造ラインの例を示す模式図であ
る。
【図4】従来の電縫管製造装置の問題点の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 オープン管 1E エッジ部 1EI エッジ部内表面 1EO エッジ部外表面 3 スクイズロール 5 第1の加熱装置 6 第2の加熱装置 7 冷却区間 8 オープン管誘導加熱装置 10 コイル搬送手段 11 枠体 12 レール 13 車輪 14 ラック 15 ピニオン 16 モータ 17 クランプ 20 アンコイラ 21 継ぎ溶接機 22 ルーパ 23 ロール成形機 24 複合溶接機 25 鋼管加熱装置 26 絞り圧延機 30 帯鋼 31 鋼管 51 第1の加熱電源 52 第1のワークコイル(従来) 52A 第1のワークコイル(本発明) 52B 磁心 61 第2の加熱電源 62 第2のワークコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉江 善典 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 大西 寿雄 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 田中 伸樹 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 正司 雅朗 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクイズロールにより衝合圧接されるオ
    ープン管の両エッジ部を該スクイズロール入側で2段階
    に誘導加熱する第1、第2のワークコイルを備えたオー
    プン管誘導加熱装置において、第1のワークコイルを支
    持し通管方向に移動するコイル搬送手段を備えたことを
    特徴とするオープン管誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のワークコイルが、オープン管
    両エッジ部に対向して配置された請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のワークコイルが磁心を有する
    請求項1または2に記載の装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のオープ
    ン管誘導加熱装置とスクイズロールとが通管の向きに順
    次配置されてなることを特徴とする複合溶接機。
  5. 【請求項5】 帯鋼を払いだすアンコイラと、帯鋼を継
    ぎ溶接する継ぎ溶接機と、帯鋼を蓄えるルーパと、帯鋼
    をオープン管にロール成形するロール成形機と、請求項
    4記載の複合溶接機と、鋼管を加熱する鋼管加熱装置
    と、鋼管を絞り圧延する絞り圧延機とが順次配列されて
    なることを特徴とする鋼管製造ライン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012074358A (ja) * 2010-09-27 2012-04-12 Chung Yuan Christian Univ 誘導加熱装置及びその制御方法
WO2014027564A1 (ja) 2012-08-17 2014-02-20 新日鐵住金株式会社 電縫管溶接装置
CN110891342A (zh) * 2019-12-24 2020-03-17 上海应用技术大学 一种连续管道水冷感应加热装置

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