JPH10323685A - 生物防臭脱臭方法及び余剰汚泥消化減量方法 - Google Patents

生物防臭脱臭方法及び余剰汚泥消化減量方法

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JPH10323685A
JPH10323685A JP16937897A JP16937897A JPH10323685A JP H10323685 A JPH10323685 A JP H10323685A JP 16937897 A JP16937897 A JP 16937897A JP 16937897 A JP16937897 A JP 16937897A JP H10323685 A JPH10323685 A JP H10323685A
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sludge
tank
aeration
sedimentation
deodorization
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JP16937897A
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Shotei Cho
書廷 張
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ICCM SOGO KENKYUSHO KK
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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃水の微生物処理プロセスにおいて曝気槽前
の嫌気施設では高濃度の臭気を発生すると同時にこの嫌
気施設より曝気槽に流入する廃水は高濃度の硫化水素な
どが含まれるため、汚泥の解体及び沈殿汚泥の脱水性の
悪化が生じる。また、余剰汚泥濃縮槽及び貯留槽でも嫌
気状態にあり、高濃度の臭気を発生し、汚泥の量も多い
ため後処理のコストが高い。このような施設の防臭脱
臭、汚泥解体防止、余剰汚泥の脱水性の向上及び減量化
の方法並びに装置を提供する。 【解決手段】 本発明は曝気した汚泥を曝気槽前の嫌気
施設に返送することによりこの嫌気施設の生物防臭脱臭
を行うと同時に曝気槽内の汚泥解体の防止および汚泥の
脱水性向上の目的を達成する。また、余剰汚泥を曝気し
ながら循環させ沈殿部分から上澄液を返送して処理し、
沈殿させた汚泥を貯蔵又は後処理工程に移すことにより
余剰汚泥の防臭及び汚泥の消化減量の目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は環境関係の防臭およ
び脱臭に関するもので、更に詳しく述べるならは、生活
排水、食品工場、化学工場などの有機質を栄養源とする
廃水、または硫酸イオンなどの物質が存在する廃水では
微生物の嫌気還元反応により、硫化水素、メチルメルカ
プタンなどの臭気が発生するが、本発明は微生物還元抑
制による臭気発生の防止および微生物機能を用いた発生
臭気を除去する方法並びに汚泥解体防止および汚泥脱水
性向上の方法、また、排水処理工程における余剰汚泥を
消化減量し、余剰汚泥の後処理のコストを下げる方法お
よび装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下水、し尿及び有機性産業廃水等は微生
物により硫化水素、メチルメルカプタンなどの硫化物質
の悪臭およびアンモニア、アミン類の悪臭ガスを産出
し、特に硫化水素はその臭気もさることながら人体に対
する毒性、機器に対する腐食性が強く、しばしば悪臭公
害の主原因となっており、この硫化水素をどの程度除去
できるかが悪臭公害防止の重要なポイントとされてい
る。
【0003】現在、この悪臭公害問題を解決する方法は
悪臭ガスの発生を抑制する発生抑制という防止方法と、
発生した臭気を除去する除去方法に大別される。前者に
ついては有効な方法がまだ確立されず、実施が困難であ
るので、現在は後者が主である。悪臭ガスの除去方法と
しては現在次のような方法が用いられる。 (1)酸、アルカリ等を用いる薬品洗浄法。 (2)活性炭、イオン交換樹脂を用いる吸着法。 (3)直接燃焼法、触媒燃焼法などの燃焼法。 (4)酸化剤等を用いる薬品添加法。
【0004】これらの内(1)〜(3)の方法は高濃度
臭気の処理に適した方法であるが臭気をダクトで吸引収
集して、処理装置に送る必要がある。薬品添加法では添
加した瞬間は効果があるが脱臭効果の持続性が乏しい他
に、高濃度の薬品添加が要求されるので大量の下水と廃
水の処理における応用は困難である。微生物を利用した
廃水処理の前処理工程の沈殿槽などのような大量の廃水
が通過し、有機質栄養分が高くて嫌気状態にある施設は
高濃度の臭気発生源であるが、酸化剤を廃水に添加すれ
ば後工程における微生物による処理に支障が生じる外、
酸化剤のコストも高く、応用は不可能である。また、余
剰汚泥の濃縮槽及び貯留槽では微生物濃度が高いのです
ぐ嫌気状態になり高濃度の臭気が発生する。臭気をダク
トで吸引収集して、処理するとしても余剰汚泥の脱水処
理工程において、悪臭は作業にとって大きな問題とな
る。酸化剤を添加すると後の処理工程に支障が生じる。
なお、浄化槽及び農村集落廃水処理施設などのような分
散、小型装置の場合は、臭気を収集して脱臭するには設
備費用とメンテナンス費用がかかりすぎで脱臭設備の設
置は不可能である。従って有効な防臭または脱臭方法が
強く要望されている。
【0005】活性汚泥法廃水処理プロセスにおける曝気
槽は嫌気処理槽或いは前の施設の嫌気条件により生成す
る硫化水素が廃水中に大量に含まれることが起因となる
汚泥の解体が起こり、汚泥の沈降性と汚泥の脱水性が低
下することがある。この問題を解決することが求められ
ている。
【0006】通常の余剰汚泥はフロック中に微生物菌体
の密度が低いので体積が大きく多量の水が含まれ、後処
理にコストがかかる。嫌気消化による減量の方法が用い
られるが臭気成分が多量に発生する他に消化時間も長
い。従って、臭気を発生しないで余剰汚泥を速やかに消
化減量できる方法と装置が要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記硫化水素
などの臭気を発生する施設に従来の技術が抱えている脱
臭処理コスト、敷地面積、後工程への影響などの問題を
解決し、臭気発生メカニズムの解明に基づいた臭気の発
生抑制型、低コスト、高対応性、取り扱いの容易な新し
い防臭脱臭方法、汚泥の解体防止方法及び脱水性向上の
方法、ならびに臭気を発生しないで余剰汚泥を速やかに
消化減量できる方法と装置を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明には以下の内容が
含まれている。
【0009】第一の発明の生物防臭脱臭方法は曝気槽前
の嫌気施設を対象とする汚泥曝気嫌気施設返送生物防臭
脱臭方法である。即ち、微生物の機能を利用した廃水処
理プロセスにおいて最終沈殿した汚泥又は曝気槽の汚泥
又は嫌気処理槽の汚泥を曝気した後、又は曝気槽の汚泥
を直接廃水処理の沈砂槽、最初沈殿槽、調整槽、嫌気処
理槽又はこれらの施設の一部分に返送することによる生
物防臭脱臭方法である。
【0010】第二の発明の曝気槽及び最終沈殿槽におけ
る汚泥解体の防止及び汚泥の脱水性の向上方法は第一の
発明の汚泥曝気嫌気施設返送生物防臭脱臭方法による、
硫化水素起因の汚泥解体の防止方法及び余剰汚泥の脱水
性向上の方法である。
【0011】第三の発明は余剰汚泥を対象とする汚泥曝
気沈殿循環法又は汚泥曝気沈殿法による余剰汚泥防臭脱
臭方法である。
【0012】第四の発明は余剰汚泥を対象とする汚泥曝
気沈殿循環法または汚泥曝気沈殿法による余剰汚泥の消
化減量方法である。
【0013】第五の発明は余剰汚泥を対象とする汚泥曝
気沈殿循環法に応用される汚泥曝気沈殿循環装置であ
る。
【0014】以下、本発明について詳しく説明する。こ
こで、微生物の機能を利用した廃水処理プロセス及び施
設は場合によって名称が多少異なるがそのプロセスにお
ける役割が同じならば本発明の応用対象になる。
【0015】先ず、第一の発明について説明する。曝気
槽前における嫌気施設の生物防臭脱臭を行う汚泥曝気嫌
気施設返送法のフローシートを図1に示した。最終沈殿
した汚泥を取り出し、酸素移動効率の高い汚泥曝気槽に
送り込み、空気を通気して曝気した後に沈砂槽、最初沈
殿槽、調整槽及び嫌気処理槽に送る。汚泥曝気槽におい
て溶存酸素濃度、滞留時間及び返送量が重要である。実
際の処理システム、廃水特性及び季節によって、溶存酸
素濃度、曝気滞留時間、返送量及び送り込む嫌気施設も
防臭脱臭効果と動力の消費から最適の方式を選択するこ
とができる。また、場合によって、嫌気処理槽及び曝気
槽から汚泥を取り出し、曝気した後に前記の曝気槽前の
嫌気施設に送り込むこと並びに、直接曝気槽から汚泥を
取り出し、前記の曝気槽前の嫌気施設に送り込むことに
よっても生物防臭脱臭の目的を達成することができる。
しかし、廃水処理システム全体の効率から見ると最終沈
殿した汚泥を取り出し、酸素移動効率の高い汚泥曝気槽
に送り込み、空気を通気して曝気した後に曝気槽前の嫌
気施設に送る仕組みが望ましい。尚、汚泥を曝気した後
の返送先の嫌気施設も特定することもできる。このよう
に場合によって最適の組み合わせができる選択ラインは
図1にバルブ9を設けて表示した。
【0016】汚泥曝気槽内の溶存酸素濃度が高ければ、
曝気滞留時間を短くしても目的を達成できるが溶存酸素
濃度を低く制御すれば、曝気滞留時間を長くする必要が
ある。一般に酸素濃度を2mg/L以上に、30分間以
上保つことが望ましい。
【0017】第二の発明を説明する。汚泥曝気嫌気施設
返送法により曝気槽に流入した廃水は硫化水素濃度をゼ
ロ或いは非常に低いレベルまで押さえることができる。
従って、硫化水素起因の汚泥解体を防止することができ
る。更に、流入水の水質、微生物相及び曝気槽内の微生
物相の変化により余剰汚泥の脱水性を改善することがで
きる。
【0018】第三の発明を説明する。余剰汚泥曝気沈殿
循環防臭脱臭法のフローシートを図2に示す。最終沈殿
槽より余剰汚泥を取り出し汚泥曝気沈殿循環槽に送り込
み、汚泥を曝気しながら循環させ沈殿部分から上澄液を
返送して処理し、沈殿させた汚泥を貯蔵又後処理工程に
移す。曝気強度と循環速度は余剰汚泥の特性、汚泥の滞
留時間及びこの汚泥循環曝気沈殿槽から取り出した後の
処理工程などを総合的に考慮して決めることができる。
【0019】余剰汚泥の防臭脱臭には汚泥曝気沈殿循環
槽の曝気機能と沈殿分離機能を曝気槽と沈殿分離槽に分
けて操作する汚泥曝気沈殿法を用いても目的を達成する
ことができる。即ち、最終沈殿槽より余剰汚泥を取り出
し汚泥曝気槽に送り込み、汚泥を曝気した後に沈殿分離
槽に送り込み沈殿分離させる。上澄液を返送して処理
し、沈殿させた汚泥を貯蔵又は後処理工程に移す。汚泥
曝気槽における曝気強度と滞留時間は余剰汚泥の特性、
汚泥の処理量およびその後の処理工程などを総合的に考
慮して決めることができる。
【0020】第四の発明を説明する。上記余剰汚泥の曝
気工程においては汚泥内の栄養分がほぼ消費された状態
での曝気のため、微生物の自己消化が進む。従って、汚
泥内の菌糸体が破壊され、溶解され、汚泥量が減少する
と同時に沈殿汚泥の密度が増加し、汚泥の容量が減少す
る。即ち、余剰汚泥の減量化を実現することができる。
【0021】上記第三と第四の発明では余剰汚泥の防臭
脱臭及び減量化の目的の達成には汚泥曝気沈殿循環槽を
用いても、曝気槽と沈殿分離槽の組み合わせ装置を用い
てもかなうが、沈殿汚泥の滞留時間及び酸化還元電位の
コントロール、並びに操作などから見ると図2に示した
余剰汚泥曝気沈殿循環槽を用いた方法が望ましい。
【0022】第五の発明の装置を説明する。図3に汚泥
曝気沈殿循環槽の基本構造を示した。この槽は曝気部
分、沈殿分離部分及び循環通路部分からなる。曝気部分
では空気を送り込み、酸素を汚泥液に溶け込ませる機能
を持ち、沈殿分離部分は汚泥を沈殿させ、上澄液と沈殿
汚泥に分ける役割を果たす。また、循環通路部分は曝気
部分と沈殿分離部分を連結して汚泥が曝気部分と沈殿分
離部分の間を循環できるような通路を提供する。ここで
は一つの槽にこの3つの機能部分を設けたが二つのタン
クおよびタンクの間に循環通路を設けるシステムも上記
汚泥曝気沈殿循環槽と同じ機能を持つことができる。
【0023】
【作用】本発明は大きく分けると次の二つの部分を対象
している。即ち、曝気槽前の嫌気施設と最終沈殿池後の
嫌気施設(余剰汚泥濃縮槽、余剰汚泥貯蔵槽及び余剰汚
泥消化槽など)である。第一及び第二の発明の方法は前
者を対象とし、第二及び第三の発明の方法並びに第四の
発明の装置は後者を対象としている。
【0024】先ず、曝気槽前の嫌気施設について検討す
る。これらの施設は次の特徴を持っている。 (1)生物法処理プロセスにおいて曝気槽の前に沈砂
槽、最初沈殿槽、調整槽、嫌気処理槽などの前処理工程
を設ける場合が多い。これらの施設には有機質栄養分が
高く嫌気状態にあるので高濃度の硫黄系臭気を発生す
る。 (2)沈砂槽、最初沈殿槽、調整槽では全体的に微生物
の濃度が薄いが、底部では微生物濃度が相対的に高い。
微生物の濃度が極めて薄い部分は流動状態で短時間に通
過するが、濃度の高い部分が固定状態にあり、長期間滞
留する。 このような特徴、特に底部にある長期滞留層の硫酸還元
菌などの微生物による還元で発生した臭気は上部へ移動
する。もし、この上部にある液層に脱臭機能があれば容
易にシステムの防臭ができる。一方、活性汚泥には好気
性菌、通性嫌気性菌及び絶対嫌気性菌が存在するが硫酸
還元菌は絶対嫌気性菌に属すると言われている。この絶
対嫌気性菌である硫酸還元菌は酸素の存在する環境では
抑制される。溶存酸素濃度が高い環境に長時間晒されれ
ば晒されるほど活性が出るまでの時間も長いと考えられ
る。また、汚泥にベギアトア(Beggiatoa)の
ような硫黄細菌が存在し、残留酸素Oも認められると
同時にHSも生産されるような処に硫黄細菌が発育
し、HSとOが存在する条件で次の化学式で示す生
理作用を起こす。 HS+1/2O=HO+S 従って腐敗に傾いた活性汚泥などは最も硫黄細菌の発育
条件がよい。このようなことに着目して、沈殿した汚泥
を曝気することにより硫酸還元菌の活性が強く抑制さ
れ、溶存酸素が高められた汚泥を廃水処理の沈砂槽、最
初沈殿槽、調整槽、嫌気処理槽に返送することにより硫
黄系臭気の発生を抑制すると同時に生物脱臭を行う生物
防臭脱臭の目的を達成する。即ち、この方法は次の原理
により生物防臭と生物脱臭の目的を達成する。再曝気さ
れた返送汚泥中の硫酸還元菌の活性が強く抑制されるこ
とにより生物防臭に寄与し、残留酸素を送り込むことに
よりベギアトア(Beggiatoa)のような硫黄細
菌は残存酸素と施設底部から発生した少量の硫化水素を
利用して成長し、生物脱臭に寄与する。
【0025】また、活性汚泥法の廃水処理施設において
は曝気槽に流入する廃水中の硫化水素濃度が5ppM以
上に達すると汚泥の解体現象が起こり、汚泥の沈降性が
悪くなるので放流水の透視度が劣化すると同時に、曝気
槽内の微生物相と汚泥物理特性の変化により余剰汚泥の
脱水性も劣化する。従って、この汚泥曝気嫌気施設返送
生物防臭脱臭方法を用いた廃水処理システムでは、曝気
槽に流入する廃水に含まれる硫化水素濃度をゼロ或いは
非常に低いレベルまで押さえることは硫化水素起因の汚
泥解体を防止することに寄与する。更に、流入水の水質
及び微生物相並びに曝気槽内の微生物相の変化により余
剰汚泥の脱水性を改善することができる。
【0026】次に最終沈殿槽後の嫌気施設(余剰汚泥濃
縮槽、余剰汚泥貯蔵槽及び余剰汚泥消化槽など)につい
て検討する。
【0027】余剰汚泥を脱水する前の貯留槽では微生物
濃度が高いのですぐ嫌気状態になり高濃度の臭気が発生
する。本発明の第三の発明は余剰汚泥を再曝気し、酸素
を溶け込ませて硫酸還元菌の活性を押さえると同時にベ
ギアトア(Beggiatoa)のような硫黄細菌を活
性化させ、汚泥の防臭と脱臭の目的を達成する。また、
汚泥を曝気部分と沈殿部分の間に循環させることによ
り、溶け込んだ酸素が消費され嫌気状態になった汚泥を
曝気部分に送り込で再度酸素を溶け込ませ、酸化還元電
位を高めることができる。このように一定の時間間隔を
持って再曝気することにより酸化還元電位をある値例え
ば0mV以上に保つことができ、硫酸還元菌の活性を押
さえると同時にベギアトア(Beggiatoa)のよ
うな硫黄細菌を活性化させ、汚泥の防臭と脱臭の目的を
達成することことができる。更に沈殿部分において汚泥
を沈殿させることができ、上澄液を返送して処理し、沈
殿させた汚泥を貯蔵又は後処理工程に移すことによりプ
ロセス全体の操作はスムーズに機能する。
【0028】通常の余剰汚泥はフロック中に微生物菌体
の密度が低いので体積が大きくて多量の水が含まれ、後
処理にコストがかかる。余剰汚泥に対する曝気で微生物
菌糸体が破壊され、嵩密度が増加する。また、酸素の存
在する条件では微生物の自己消化が進んで、菌糸体が少
なくなる。このように第三の発明の方法により余剰汚泥
を減量できる。
【0029】第五の発明の装置は第三及び第四の発明の
方法の目的を達成する為に提供する装置である。この装
置はポンプを使わずに曝気の動力により汚泥を循環さ
せ、一定の時間間隔で汚泥を曝気し、防臭脱臭と沈殿分
離のバランスを取り、プロセスの機能をスムーズに発揮
することができる。
【0030】以下,実施例をあげて本発明を更に詳細に
説明する。
【0031】
【実施例】
[実施例1]汚泥曝気嫌気施設返送法の応用の一例を図
4に示し、その効果を確認した。廃液はGlucose
8g/L,KHPO2.0g/L、(NH
SO1.0g/L、MgSO0.2g/L、L−C
ysteine0.3g/L、ポリペプトン 2g/L
の人工廃水を使用した。実験は室温(20−25℃)の
条件で行った。最初沈殿槽、嫌気処理槽は密閉型装置に
大気に放散する口を設け、サンプリング口を兼ねた。曝
気槽と最終沈殿槽は開放式を用いた。各槽における滞留
時間はそれぞれ初期沈殿槽2時間、嫌気処理槽5時間、
曝気槽6時間と最終沈殿槽3時間に設定した。また、汚
泥曝気槽における滞留時間を4時間に設定し、溶存酸素
濃度を5mg/L以上コントロールした。汚泥曝気槽か
ら初期沈殿槽と嫌気処理槽に送り込む汚泥の量は沈殿槽
からできた汚泥の30%に設定した。種汚泥は上記の廃
液を曝気して48時間微生物を増殖させたものを用い
た。最初沈殿槽と嫌気処理槽の臭気濃度は簡易型硫化水
素検知管を用いて8時間ごとに測定した。効果を確認す
るために同じシステムを用いて、最終沈殿汚泥を嫌気部
分である最初沈殿槽と嫌気処理槽に返送しない条件で対
照実験も行った。その結果、対照実験では運転開始して
8時間で検知管の変色が観測され、24時間で5ppM
以上の硫化水素が認められた。これに対して、汚泥曝気
嫌気施設返送法を用いた実験系では硫化水素検知管の変
色が認められなかった。この結果から、汚泥曝気嫌気施
設返送法は曝気槽前の嫌気施設の硫化水素の発生を抑制
することに効果的あることが確認された。
【0032】[実施例2]実施例1の装置を用いて最終
沈殿槽より余剰汚泥を取り出し、図3に示した余剰汚泥
曝気沈殿循環装置に送り込み曝気し、沈殿分離部分から
上澄液を最初沈殿槽に返送し、沈殿汚泥を取り出し、そ
の性状を調べた。ここでは、図4に使用された汚泥曝気
嫌気施設返送防臭脱臭を行わなかった。他の実験条件は
実施例1と同じである。通気速度は3.5L/minで
あった。比較の為に図4の装置への通気を行わないが、
他の条件は実施例1と同じ条件で対照実験を行った。そ
の結果、対照実験では余剰汚泥が入った時点から8時間
で硫化水素の発生が認められ、16時間で5ppM以上
の硫化水素が観測された。これに対して、余剰汚泥曝気
沈殿循環防臭脱臭法を用いた系は硫化水素検知管の変色
が観測されずシステムの運転もスムーズであった。この
結果から余剰汚泥曝気沈殿循環防臭脱臭法が余剰汚泥の
硫化水素発生を抑制することに有効であることが確認さ
れた。また、余剰汚泥曝気沈殿循環装置から出た汚泥及
び上澄液をそれぞれ1時間サンプリングして混ぜた後に
1時間沈殿させ、汚泥の体積を測った。比較の為に余剰
汚泥曝気沈殿循環装置から出た汚泥及び上澄液の体積の
総量と同じ体積の対照実験の余剰汚泥をサンプリングし
て同じ時間沈殿させた後に汚泥の体積を測った。その結
果、余剰汚泥曝気沈殿循環法の汚泥量は対照実験の汚泥
の3分の2の体積に収まった。この結果より、余剰汚泥
曝気沈殿循環法の汚泥減量化の効果が実証された。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、第一の発明の生物
防臭脱臭方法は曝気槽前の嫌気施設を対象とする汚泥曝
気嫌気施設返送生物防臭脱臭方法を用いることにより曝
気槽前の嫌気施設である沈砂槽、最初沈殿槽、調整槽、
嫌気処理槽における硫化水素などの硫黄系臭気の発生を
防止し、除去することができる。
【0034】第二の発明の曝気槽及び最終沈殿槽におけ
る汚泥解体の防止、並びに余剰汚泥の脱水性向上の方法
は第一の発明の汚泥曝気嫌気施設返送生物防臭脱臭方法
により、流入廃水に含まれる硫化水素起因の汚泥解体の
防止及び余剰汚泥の脱水性向上に効果的である。
【0035】第三の発明は余剰汚泥を対象とする汚泥曝
気沈殿循環法または汚泥曝気沈殿法により余剰汚泥防臭
脱臭の目的を達成することができる。
【0036】第四の発明は余剰汚泥を対象とする汚泥曝
気沈殿循環法または汚泥曝気沈殿法により余剰汚泥の消
化減量を実現することができる。
【0037】第五の発明は余剰汚泥を対象とする汚泥曝
気沈殿循環法に応用される汚泥循環曝気沈殿分離装置で
余剰汚泥防臭脱臭及び消化減量の実現に効果的な装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、曝気槽前の嫌気施設を対象とする汚
泥曝気嫌気施設返送生物防臭脱臭方法を示す。
【図2】この図は余剰汚泥を対象とする汚泥曝気沈殿循
環法を示す。
【図3】この図は余剰汚泥を対象とする汚泥曝気沈殿循
環法に応用される汚泥曝気沈殿循環装置の基本構造を示
した図である。
【図4】この図はこの発明の実施例1のフローシート図
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物の機能を利用した排水処理プロセ
    スにおいて最終沈殿した汚泥又は曝気槽の汚泥又は嫌気
    処理槽の汚泥を取り出し曝気した後、又は曝気槽の汚泥
    を直接廃水処理の沈砂槽、最初沈殿槽、調整槽、嫌気処
    理槽又はこれらの施設の一部分に返送することを特徴と
    する生物防臭脱臭方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法による汚泥解体の防止及
    び汚泥の脱水性向上の方法。
  3. 【請求項3】 最終沈殿槽より余剰汚泥を取り出しこの
    汚泥を曝気しながら循環させ沈殿部分から上澄液を返送
    して処理し、沈殿させた汚泥を貯蔵又は後処理工程に移
    すこと、又は最終沈殿槽より余剰汚泥を取り出し曝気し
    た後に、沈殿させ、上澄液を返送して処理し、沈殿させ
    た汚泥を貯蔵又は後処理工程に移すことを特徴とする余
    剰汚泥の防臭脱臭方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の方法による余剰汚泥の消化減
    量方法。
  5. 【請求項5】 請求項3において余剰汚泥の曝気沈殿循
    環に応用される通気部分、沈殿分離部分及び汚泥循環通
    路からなる汚泥曝気沈殿循環装置。
JP16937897A 1997-05-23 1997-05-23 生物防臭脱臭方法及び余剰汚泥消化減量方法 Pending JPH10323685A (ja)

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