JPH10320859A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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Publication number
JPH10320859A
JPH10320859A JP9127500A JP12750097A JPH10320859A JP H10320859 A JPH10320859 A JP H10320859A JP 9127500 A JP9127500 A JP 9127500A JP 12750097 A JP12750097 A JP 12750097A JP H10320859 A JPH10320859 A JP H10320859A
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JP
Japan
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magneto
optical recording
film
recording medium
metal reflection
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JP9127500A
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English (en)
Inventor
Katsuhisa Araya
勝久 荒谷
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生信号でのノイズを抑えて再生特性の向上
を図り、しかも高記録密度化を可能とする光磁気記録媒
体を提供する。 【解決手段】 光磁気記録媒体1は、基板2上に金属反
射膜3、第1の誘電体膜6、光磁気記録膜7、第2の誘
電体膜8が順次積層形成されてなる。この金属反射膜3
の表面粗さは、8.0nm未満である。また、この金属
反射膜3は、少なくともアルミニウムを含む材料、A
u、Agの中の何れか1種よりなり、かつイオンビーム
スパッタまたはマグネトロンスパッタの何れかの方法に
より形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気記録媒体に
関し、詳しくは、基板上に、金属反射膜、第1の誘電体
膜、光磁気記録膜、第2の誘電体膜が順次積層形成され
てなる光磁気ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光磁気記録媒体は、基板上に第1
の誘電体膜、光磁気記録膜、第2の誘電体膜、金属反射
膜がスパッタ法によりこの順で積層形成されている。そ
して、この光磁気記録媒体においては、上記の誘電体膜
及び光磁気記録膜から記録層が構成され、基板からレー
ザ光を入射させてこの記録層に対して情報信号の記録再
生が行われる。
【0003】ところで、光磁気記録媒体を高密度容量化
する方法として、光学ピックアップの対物レンズの開口
数を大きくして再生光のスポット径を小さくし、これに
合わせて記録を行うことで高記録密度化する方法が提案
されている。
【0004】このように対物レンズの開口数を大きくす
ると、再生光が照射されて透過する基板の厚さを薄くす
る必要がある。これは、光学ピックアップの光軸に対し
てディスク面が垂直からズレる角度(チルト角)の許容
量が小さくなるためであり、このチルト角が基板の厚さ
による収差の影響を受け易いためである。従って、光磁
気記録媒体においては、基板の厚さを極力薄くしてチル
ト角による収差の影響をなるべく小さくするようにして
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今後、
更なる高記録密度化が要求されるものと思われ、基板の
更なる薄型化が必要となってくる。そこで、例えば、一
主面上に凹凸を形成した基板上に金属反射膜を形成し、
この金属反射膜上に記録層として第1の誘電体膜、光磁
気記録膜、第2の誘電体膜を順次積層形成し、さらにこ
の記録層上に光を透過する薄膜である光透過層を設ける
ようにして、この光透過層側からレーザ光を照射して情
報信号を記録再生するような光磁気記録媒体が提案され
ている。これにより、光透過層を薄型化することで対物
レンズの大開口数化に対応可能となる。
【0006】ところで、上述の光磁気記録媒体において
は、誘電体膜の材料として、窒化珪素、窒化アルミニウ
ム、酸化珪素等が用いられ、光磁気記録膜の材料とし
て、TbFeCo、DyfeCo、GdFeCo等の希
土類遷移金属が用いられている。これらの材料は、アモ
ルファス構造を有し、しかもスパッタリング法により膜
形成された場合に粒子径が小さくなるため、再生信号で
のノイズ等へ影響を及ぼさない。
【0007】ところが、金属反射膜は、通常スパッタリ
ング法により成膜されるため、表面が粗くされる傾向に
ある。このように金属反射膜の膜表面が粗くされると、
上述したような光磁気記録媒体においては、レーザ光が
光透過層から照射されて記録層を通って誘電体膜と金属
反射膜との接面上で反射されることから、再生信号のノ
イズが増加してしまい、再生特性が劣化してしまうとい
った問題があった。
【0008】そこで、本発明は、従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、再生信号でのノイズを抑えて再生
特性の向上を図り、しかも高記録密度化を可能とする光
磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために完成された本発明に係る光磁気記録媒体は、基板
上に、金属反射膜、第1の誘電体膜、光磁気記録膜、第
2の誘電体膜が順次積層形成されてなり、金属反射膜の
表面粗さが、8.0nm未満であることを特徴とする。
【0010】ここで、上記金属反射膜は、少なくともア
ルミニウムを含む材料、Au、Agの中の何れか1種よ
りなり、この金属反射膜が、イオンビームスパッタまた
はマグネトロンスパッタの何れかの方法により形成され
ていることが好ましい。
【0011】また、特に上記少なくともアルミニウムを
含む材料中には、Fe、Cr、Ti、Siのうちの少な
くとも1種が含まれていると好ましい。
【0012】また、本発明に係る光磁気記録媒体は、基
板上に形成された金属反射膜が、第1の金属反射膜と第
2の金属反射膜とから形成された2層構造であり、しか
も第1の金属反射膜の表面粗さが第2の金属反射膜の表
面粗さよりも小さくなされていると好ましい。
【0013】以上のように構成された本発明に係る光磁
気記録媒体では、金属反射膜の表面粗さが8.0nm未
満となされていることにより、光透過層側からレーザ光
を入射させても金属反射膜の膜表面の粗さが十分抑えら
れているため、再生信号のノイズを抑えることができ
て、再生特性の向上を図ることができ、また高記録密度
化をも可能となる。
【0014】また、金属反射膜が、少なくともアルミニ
ウムを含む材料、Au、Agの中の何れか1種よりな
り、この金属反射膜が、イオンビームスパッタまたはマ
グネトロンスパッタの何れかの方法により形成されてい
ることによって、金属反射膜の膜表面の粗さを十分抑え
ることができて、その結果効果的に再生信号のノイズを
抑えることが可能となり、再生特性の向上を図ることが
できる。
【0015】特に、本発明に係る光磁気記録媒体におけ
る金属反射膜が、第1の金属反射膜と第2の金属反射膜
との2層構造となされ、しかも第1の金属反射膜の表面
粗さが第2の金属反射膜の表面粗さよりも小さくされて
いることにより、光学的に必要とされる厚さを十分確保
しながらも、金属反射膜の膜表面の粗さを効果的に抑え
ることができて、その結果反射率の低下を抑えて、信号
劣化を防ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0017】本発明を適用した光磁気記録媒体1は、図
1に示すように、基板2上に、金属反射膜3、記録層
4、光透過層5がこの順で積層形成されてなる。
【0018】基板2は、図1に示すように、溝状の凹部
である案内溝2aと、丘状の凸部2bとを有する。基板
2の材料としては、ポリカーボネート樹脂やメタクリル
樹脂が主に用いられる。さらに熱的特性の良い材料とし
ては、変性したポリカーボネート樹脂が用いられる。そ
の他の材料としては、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹
脂、エポキシ樹脂等のプラスチック材料や、ガラス材料
が用いられる。
【0019】金属反射膜3は、基板2に形成された案内
溝2aや凸部2bを覆うように形成されている。
【0020】特に、本発明に用いられる金属反射膜3の
表面粗さは、8.0nm未満である。また、表面粗さが
8.0nm以上であると、再生信号のノイズが増加し、
再生特性の劣化が起こってしまう。
【0021】なお、ここで表面粗さとは、以下に示すよ
うに測定した値と定義する。先ず、金属反射膜3上の傷
や付着物のない表面上2×2mm2の範囲内に対して、
スキャニングトンネリングマイクロスコープを用いて、
表面上に形成された凹凸の高さを測定する。そして、高
さが10〜100nmの凹凸が形成されている粗さのう
ち、特にその高さ、つまり粗さが大きいもの10箇所の
平均値を、金属反射膜3の表面粗さと定義した。
【0022】このように、本発明に用いられる金属反射
膜3においては、表面粗さを所定範囲に抑えているた
め、光透過層5からレーザ光が入射して金属反射膜3の
表面で反射しても、その反射光が金属反射膜3の表面粗
さから受ける影響が小さくて済むことから、その結果再
生信号のノイズを抑えることができて、再生特性の向上
を図り、しかも高記録密度化を実現することができる。
【0023】ここで、金属反射膜3の膜厚は、光学的に
十分な厚さである45nm以上となされていることが好
ましい。
【0024】また、この金属反射膜3は、少なくともア
ルミニウムを含む材料、Au、Agの中の何れか1種よ
りなる。さらに、金属反射膜3は、この材料をイオンビ
ームスパッタまたはマグネトロンスパッタの何れかの方
法により形成されている。
【0025】ここで、特に、反射特性の観点からは、少
なくともアルミニウムを含む材料を用いることが好まし
い。また、この少なくともアルミニウムを含む材料は、
Fe、Cr、Ti、Siのうちの少なくとも1種が含ま
れていても良い。このような少なくともアルミニウムを
含む材料を用いることによって、表面粗さを抑制するこ
とができ、その結果再生信号のノイズをより効果的に低
減することができる。また、特に、マグネトロンスパッ
タにより成膜する場合、アルミニウムを含む材料にF
e、Cr、Ti、Siのうちの少なくとも1種を含有さ
せて用いるようにした方が、表面粗さの抑制の点からよ
り好ましい。
【0026】しかしながら、アルミニウムを含む材料
に、Fe、Cr、Ti、Si等を過剰に添加すると、反
射率の低下や熱伝導率の低下が生じてしまい、キャリア
レベルが低下して信号品質の劣化問題が生じることがあ
る。
【0027】そこで、金属反射膜3を、基板2上に第1
の金属反射膜3aと第2の金属反射膜3bとが順次積層
形成された2層構造とし、かつ、第1の金属反射膜3a
の表面粗さを第2の金属反射膜3bの表面粗さよりも小
さくすることにより、上述の問題を解決することができ
る。つまり、上述の2層構造を有する金属反射膜3は、
その膜表面の粗さを極力抑えることができて、その結果
反射率の低下や熱伝導率の低下を抑えることができて、
キャリアレベルの低下を防ぎ、信号品質の劣化を回避す
ることができる。ここで、特に、表面粗さの小さい材料
を用いて第1の金属反射膜3aを形成し、反射率及び熱
伝導率が高い材料を用いて第2の金属反射膜3bを形成
すると、上述の効果を顕著に実現することができて、好
ましい。
【0028】具体的には、第1の金属反射膜3aは、少
なくともアルミニウムを含む材料、Cr、Ti、Au、
Ptのうちの何れか1種よりなり、かつ第2の金属反射
膜3bは、少なくともアルミニウムを含む材料、少なく
ともAgを含む材料のうちの何れか1種よりなることが
好ましい。ここで、上記少なくともアルミニウムを含む
材料中には、Fe、Cr、Ti、Siのうちの少なくと
も1種が含まれていても良い。
【0029】通常、表面粗さの観点からは、金属反射膜
の膜厚が薄いほうが望ましいが、膜厚が薄くなるに伴っ
て、ノイズレベルが増加する傾向にある。ここで増加す
るノイズとは、表面粗さに起因するノイズではなく、金
属反射膜の膜厚が光学的に十分な厚さではないため、膜
厚の微少な変化や微少な表面酸化の影響により、局所的
に反射率が不均一であることに起因するノイズである。
【0030】したがって、本発明に使用される金属反射
膜3は、表面粗さの異なる第1及び第2の金属反射膜3
a、3bを順次積層させて形成し、このとき表面粗さの
小さい方を第1の金属反射膜3aとした2層構造とし、
しかも光学的に十分厚くなされることにより、表面粗さ
が十分抑えられ、上述のようなノイズが少なく、反射率
が高いものとなる。その結果、再生出力を向上すること
が可能となる。
【0031】記録層4は、図1に示すように、第1の誘
電体膜6、光磁気記録膜7、第2の誘電体膜8がこの順
で基板2を覆うように積層形成されてなる。また、光磁
気記録媒体1は、この記録層4に対して、情報信号の記
録再生が行われる。
【0032】この記録層4を形成する光磁気記録膜7の
材料としては、TbFeCo系材料等が用いられる。
【0033】また、第1の誘電体膜6や第2の誘電体膜
8の材料としては、SiN等が用いられる。
【0034】また、光透過層5は、この記録層4、詳し
くは第2の誘電体膜8を被覆するように積層形成され
る。そして、この光透過層5からレーザ光を入射させて
情報信号の記録再生が行われる。ここで、光透過層5の
材料としては、紫外線硬化樹脂が挙げられる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果に基づいて説明する。
【0036】実施例1 先ず、トラックピッチTpが0.70μm、案内溝の深
さdが53nmであるガラス製の基板を用意した。
【0037】次に、この基板上に、Alをイオンビーム
スパッタリングによって成膜して、膜厚が60nmであ
り、表面粗さRmaxが6.0nmである金属反射膜を
形成した。
【0038】そして、この金属反射膜上に、Si34
らなる膜厚35nmの第1の誘電体膜、TbFeCoか
らなる膜厚17nmの光磁気記録膜、Si34からなる
膜厚90nmの第2の誘電体膜を順次マグネトロンスパ
ッタリングによって成膜した。 次に、この第2の誘電
体膜上に紫外線硬化樹脂からなる膜厚100μmの光透
過層を形成し、光磁気記録媒体を作製した。ここで、こ
の光磁気記録媒体においては、記録再生領域を案内溝間
である凸部2bとする。
【0039】このようにして作製した光磁気記録媒体に
対して、波長640nm、NA0.80である光学系を
用いて、線速度を4.3m/sとし、分解能帯域幅を3
0kHzとし、周波数を1.6MHzとした測定条件に
て、光磁気記録媒体のノイズレベルの測定を行った。こ
の結果を表1に示す。
【0040】実施例2 基板上に、Auをマグネトロンスパッタリングによって
成膜して、膜厚が60nmであり、かつ表面粗さRma
xが5.9nmである金属反射膜を形成した以外は、実
施例1と同様にして光磁気記録媒体を作製した。そし
て、この光磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にし
てノイズレベルを測定した。この結果を表1に示す。
【0041】実施例3 基板上に、Agをマグネトロンスパッタリングによって
成膜して、膜厚が60nmであり、かつ表面粗さRma
xが5.7nmである金属反射膜を形成した以外は、実
施例1と同様にして光磁気記録媒体を作製した。そし
て、この光磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にし
てノイズレベルを測定した。この結果を表1に示す。
【0042】比較例1 基板上に、Alをマグネトロンスパッタリングによって
成膜して、膜厚が60nmであり、かつ表面粗さRma
xが8.2nmである金属反射膜を形成した以外は、実
施例1と同様にして光磁気記録媒体を作製した。そし
て、この光磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にし
てノイズレベルを測定した。この結果を表1に示す。
【0043】比較例2 基板上に、AlTi0.9(原子%)をマグネトロンスパ
ッタリングによって成膜して、膜厚が60nmであり、
かつ表面粗さRmaxが8.0nmである金属反射膜を
形成した以外は、実施例1と同様にして光磁気記録媒体
を作製した。そして、この光磁気記録媒体に対して、実
施例1と同様にしてノイズレベルを測定した。この結果
を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】<実施例1〜実施例3、比較例1及び比較
例2の結果の検討>表1の結果から、表面粗さRmax
が8.0nm未満である金属反射膜を有する実施例1〜
実施例4の光磁気記録媒体は、表面粗さRmaxが8.
0nm以上である金属反射膜を有する比較例1及び比較
例2よりも、ノイズレベルが低く、信号対ノイズ比CN
Rが大きくなっている。このことから、金属反射膜の表
面粗さRmaxを8.0nm未満とすることによって、
ノイズを抑えることができ、その結果再生特性の向上を
図ることができると判明した。
【0046】また、成膜手段として、マグネトロンスパ
ッタリングだけでなく、イオンビームスパッタリング等
のように通常のスパッタ法に比べて基板上へ入射する原
子エネルギーを高くする成膜方法を用いても、上述の効
果を実現することが可能であるとわかった。
【0047】さらに、金属反射膜の材料として、Alに
限らず、例えばAuやAg等を用いても、上述の効果を
実現することが可能であるとわかった。
【0048】実施例4 基板上に、AlTi3.0(原子%)をマグネトロンスパ
ッタリングによって成膜して、膜厚が60nmであり、
かつ表面粗さRmaxが6.7nmである金属反射膜を
形成した以外は、実施例1と同様にして光磁気記録媒体
を作製した。そして、この光磁気記録媒体に対して、実
施例1と同様にしてノイズレベルを測定した。この結果
を表2に示す。
【0049】実施例5 基板上に、AlTi10(原子%)をマグネトロンスパッ
タリングによって成膜して、膜厚が60nmであり、か
つ表面粗さRmaxが3.7nmである金属反射膜を形
成した以外は、実施例1と同様にして光磁気記録媒体を
作製した。そして、この光磁気記録媒体に対して、実施
例1と同様にしてノイズレベルを測定した。この結果を
表2に示す。
【0050】実施例6 基板上に、AlCr3.0(原子%)をマグネトロンスパ
ッタリングによって成膜して、膜厚が60nmであり、
かつ表面粗さRmaxが5.9nmである金属反射膜を
形成した以外は、実施例1と同様にして光磁気記録媒体
を作製した。そして、この光磁気記録媒体に対して、実
施例1と同様にしてノイズレベルを測定した。この結果
を表2に示す。
【0051】実施例7 基板上に、AlCr10(原子%)をマグネトロンスパッ
タリングによって成膜して、膜厚が60nmであり、か
つ表面粗さRmaxが3.6nmである金属反射膜を形
成した以外は、実施例1と同様にして光磁気記録媒体を
作製した。そして、この光磁気記録媒体に対して、実施
例1と同様にしてノイズレベルを測定した。この結果を
表2に示す。
【0052】実施例8 基板上に、AlFe3.0(原子%)をマグネトロンスパ
ッタリングによって成膜して、膜厚が60nmであり、
かつ表面粗さRmaxが6.1nmである金属反射膜を
形成した以外は、実施例1と同様にして光磁気記録媒体
を作製した。そして、この光磁気記録媒体に対して、実
施例1と同様にしてノイズレベルを測定した。この結果
を表2に示す。
【0053】実施例9 基板上に、AlFe10(原子%)をマグネトロンスパッ
タリングによって成膜して、膜厚が60nmであり、か
つ表面粗さRmaxが3.2nmである金属反射膜を形
成した以外は、実施例1と同様にして光磁気記録媒体を
作製した。そして、この光磁気記録媒体に対して、実施
例1と同様にしてノイズレベルを測定した。この結果を
表2に示す。
【0054】実施例10 基板上に、AlFe10(原子%)からなる膜厚30nm
の第1の金属反射膜と、この第1の金属反射膜上にAl
からなる膜厚30nmの第2の金属反射膜とを、マグネ
トロンスパッタリングによって成膜して、表面粗さRm
axが3.5nmである金属反射膜を形成した以外は、
実施例1と同様にして光磁気記録媒体を作製した。そし
て、この光磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にし
てノイズレベルを測定した。この結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】<実施例4〜実施例10、比較例1及び比
較例2の結果の検討>表2の結果から、金属反射膜が、
表面粗さRmax8.0nm以下であり、かつFe、C
r、Ti、Siのうち少なくとも1種が含まれたアルミ
ニウムを含有する実施例5〜実施例10は、ノイズレベ
ルが低減し、信号対ノイズ比が大きいことがわかった。
このことから、金属反射膜がFe、Cr、Ti、Siの
少なくとも1種類をアルミニウムを含有することによ
り、ノイズレベルの低減が図れることが判明した。ここ
で、上記Fe、Cr、Ti、Siの少なくとも1種類の
含有量が、アルミニウムに対して3.0原子%以上であ
れば、ノイズレベル低減の効果があるとわかった。
【0057】しかしながら、実施例4〜実施例9に示す
ように、Fe、Cr、Ti、Siの添加量の増加に伴
い、反射率の低下、または、熱伝導率の低下による再生
時の温度上昇により、キャリアレベルが低下するため、
信号対ノイズ比や、信号品質の劣化が生じる。
【0058】そこで、実施例10のように、金属反射膜
を第1及び第2の金属反射膜の2層構造とし、しかも第
1の金属反射膜の表面粗さが第2の表面粗さよりも小さ
くされていることにより、このキャリアレベルの低下を
防ぐことができる。金属反射膜を第1及び第2の金属反
射膜の2層構造とした実施例4は、比較例1及び比較例
2よりも、ノイズレベルが低く、信号対ノイズ比CNR
が大きくなっている。しかも、2層構造の金属反射膜を
有する実施例10は、金属反射膜が2層構造でない実施
例9と同量の金属不純物を含有するにもかかわらず、信
号対ノイズ比CNRが著しく大きいかった。
【0059】このように、金属反射膜が、表面粗さが小
さい材料からなる第1の金属反射膜と、反射率や熱伝導
率の高い材料からなる第2の金属反射膜とを基板上に順
次成膜することによって形成された2層構造とされ、し
かも光学的に十分な厚さが確保されていることにより、
金属反射膜の表面粗さが十分抑えられ、その結果反射率
の低下や熱伝導率の低下を抑えることができて、キャリ
アレベルの低下を抑えることができる。さらに、信号対
ノイズ比CNRを大きくし、信号品質の劣化を防ぐこと
ができると判明した。
【0060】実施例11 基板上に、Alをマグネトロンスパッタリングによって
成膜して、膜厚が45nmであり、かつ表面粗さRma
xが6.3nmである金属反射膜を形成した以外は、実
施例1と同様にして光磁気記録媒体を作製した。そし
て、この光磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にし
てノイズレベルを測定した。この結果を表3に示す。
【0061】実施例12 基板上に、Alをマグネトロンスパッタリングによって
成膜して、膜厚が60nmであり、かつ表面粗さRma
xが8.2nmである金属反射膜を形成した以外は、実
施例1と同様にして光磁気記録媒体を作製した。そし
て、この光磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にし
てノイズレベルを測定した。この結果を表3に示す。
【0062】比較例3 基板上に、Alをマグネトロンスパッタリングによって
成膜して、膜厚が15nmであり、かつ表面粗さRma
xが3.0nmである金属反射膜を形成した以外は、実
施例1と同様にして光磁気記録媒体を作製した。そし
て、この光磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にし
てノイズレベルを測定した。この結果を表3に示す。
【0063】比較例4 基板上に、Alをマグネトロンスパッタリングによって
成膜して、膜厚が30nmであり、かつ表面粗さRma
xが3.8nmである金属反射膜を形成した以外は、実
施例1と同様にして光磁気記録媒体を作製した。そし
て、この光磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にし
てノイズレベルを測定した。この結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】<実施例11、実施例12、比較例3及び
比較例4の結果の検討>表3の結果から、金属反射膜の
膜厚が45nm以上である実施例11及び実施例12
は、膜厚が45nm以下である比較例3及び比較例4よ
りも、ノイズレベルが低減されている。
【0066】このように、金属反射膜の膜厚が45nm
以上であることによって、光学的に十分な厚みが確保さ
れるため、膜厚の微少な変化や微少な表面酸化によって
局所的に反射率が不均一となることに起因するノイズ
を、防止することができるとわかった。つまり、本発明
を適用した光磁気記録媒体の金属反射膜の膜厚は、45
nm以上であることが、光学的な観点から好ましいとい
えた。
【0067】実施例13 トラックピッチが1.1μmである基板を用い、波長6
90nm、NA0.55である光学系を用いた以外は、
実施例1と同様にして、光磁気記録媒体を作製してノイ
ズレベルを測定した。この結果を表4に示す。
【0068】実施例14 トラックピッチが1.1μmである基板を用い、波長6
90nm、NA0.55である光学系を用いた以外は、
実施例2と同様にして、光磁気記録媒体を作製してノイ
ズレベルを測定した。この結果を表4に示す。
【0069】実施例15 トラックピッチが1.1μmである基板を用い、波長6
90nm、NA0.55である光学系を用いた以外は、
実施例3と同様にして、光磁気記録媒体を作製してノイ
ズレベルを測定した。この結果を表4に示す。
【0070】実施例16 トラックピッチが1.1μmである基板を用い、波長6
90nm、NA0.55である光学系を用いた以外は、
実施例10と同様にして、光磁気記録媒体を作製してノ
イズレベルを測定した。この結果を表4に示す。
【0071】比較例5 トラックピッチが1.1μmである基板を用い、波長6
90nm、NA0.55である光学系を用いた以外は、
比較例1と同様にして、光磁気記録媒体を作製してノイ
ズレベルを測定した。この結果を表4に示す。
【0072】比較例6 トラックピッチが1.1μmである基板を用い、波長6
90nm、NA0.55である光学系を用いた以外は、
比較例2と同様にして、光磁気記録媒体を作製してノイ
ズレベルを測定した。この結果を表4に示す。
【0073】
【表4】
【0074】<実施例13〜実施例16、比較例5及び
比較例6の結果の検討>表4の結果から、実施例13〜
実施例16、比較例5及び比較例6は、表1の結果に示
される実施例1〜実施例3、比較例1及び比較例2より
も、ノイズレベルが表面粗さに依存していないことがわ
かった。これは、ビームスポットが小さくなるに伴っ
て、ビームスポット径に対する金属反射膜表面の粒子の
相対的な大きさが大きくなるためである。通常、ビーム
スポット径は、λ/NAに比例する。そこで、本発明の
ように表面粗さを規定してノイズレベルを低減する光磁
気記録媒体においては、このλ/NAが0.64/0.
80(=0.8)以下であるときに、特に顕著な効果が
生じるといえる。
【0075】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る光磁気記録媒体では、金属反射膜、第1の誘電体
膜、光磁気記録膜、第2の誘電体膜が積層形成されてな
り、この金属反射膜の表面粗さが8.0nm未満となさ
れていることにより、光透過層側からレーザ光を入射さ
せても金属反射膜の膜表面の粗さが十分抑えられている
ため、再生信号のノイズを抑えることができて、再生特
性の向上を図ることができ、また高記録密度化をも可能
となる、高品質な光磁気記録媒体とすることができる。
【0076】また、金属反射膜が、少なくともアルミニ
ウムを含む材料、Au、Agの中の何れか1種よりな
り、かつ、イオンビームスパッタまたはマグネトロンス
パッタの何れかの方法により形成されているため、効果
的に金属反射膜の表面粗さを抑えることができて、その
結果再生信号のノイズを抑えることができ、再生特性の
向上を図ることができる。
【0077】特に、本発明に係る光磁気記録媒体によれ
ば、金属反射膜が、第1の金属反射膜と第2の金属反射
膜との2層構造となされ、しかも第1の金属反射膜の表
面粗さが第2の金属反射膜の表面粗さよりも小さくされ
るとともに、光学的に必要とされる厚さを十分確保する
ことにより、反射率の低下を抑えることができて、信号
劣化を防ぐことができ、高品質な光磁気記録媒体を提供
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光磁気記録媒体の一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 光磁気記録媒体、2 基板、3 金属反射膜、4
記録層、5 光透過層、6 第1の誘電体膜、7 光磁
気記録膜、8 第2の誘電体膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、金属反射膜、第1の誘電体
    膜、光磁気記録膜、第2の誘電体膜が順次積層形成され
    てなり、 上記金属反射膜の表面粗さが、8.0nm未満であるこ
    とを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記金属反射膜は、少なくともアルミニ
    ウムを含む材料、Au、Agの中の何れか1種よりな
    り、 上記金属反射膜が、イオンビームスパッタまたはマグネ
    トロンスパッタの何れかの方法により形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記少なくともアルミニウムを含む材料
    中に、Fe、Cr、Ti、Siのうちの少なくとも1種
    が含まれていることを特徴とする請求項2記載の光磁気
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記金属反射膜は、基板上に、第1の金
    属反射膜と第2の金属反射膜とが順次積層形成されてな
    り、 上記第1の金属反射膜の表面粗さは、上記第2の金属反
    射膜の表面粗さよりも小さいことを特徴とする請求項1
    記載の光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記第1の金属反射膜は、少なくともア
    ルミニウムを含む材料、Cr、Ti、Au、Ptのうち
    の何れか1種よりなり、 上記第2の金属反射膜は、少なくともアルミニウムを含
    む材料、少なくともAgを含む材料のうちの何れか1種
    よりなることを特徴とする請求項4記載の光磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 上記少なくともアルミニウムを含む材料
    中に、Fe、Cr、Ti、Siのうちの少なくとも1種
    が含まれていることを特徴とする請求項5記載の光磁気
    記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記金属反射膜の膜厚が45nm以上で
    あることを特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
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