JPH10320858A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH10320858A
JPH10320858A JP9127499A JP12749997A JPH10320858A JP H10320858 A JPH10320858 A JP H10320858A JP 9127499 A JP9127499 A JP 9127499A JP 12749997 A JP12749997 A JP 12749997A JP H10320858 A JPH10320858 A JP H10320858A
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JP
Japan
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magneto
optical recording
recording medium
region
guide groove
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JP9127499A
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English (en)
Inventor
Katsuhisa Araya
勝久 荒谷
Shin Masuhara
慎 増原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高開口数化に十分対応可能とし、基板と反対
側から光を照射して情報を再生する場合においてもトラ
ッキング制御が正確に行われて良好な再生信号を確保す
ることを可能とする。 【解決手段】 同心円状又は渦巻き状の案内溝が形成さ
れた基板上に光磁気記録膜と透明保護膜を順次形成し、
透明保護膜側から光を照射して情報信号を再生すること
とし、上記光磁気記録膜のうち上記案内溝間の領域に対
応する光照射側に凸な領域を情報記録領域とする。な
お、上記案内溝の径方向におけるピッチをP、上記案内
溝間の領域に対応する光照射側に凸な領域の幅をWとし
たときに、W/P<0.7とする、さらにはW/P≦
0.68とする。また、案内溝の境界部分の段差形状を
基板側に凸な湾曲形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同心円状又は渦巻
き状の案内溝が形成された基板上に光磁気記録膜と透明
保護膜が順次形成されてなり、この透明保護膜側から光
が照射され情報信号が再生される光磁気記録媒体に関す
る。詳しくは、情報を記録する領域を規定して良好な再
生信号を得ることを可能とする光磁気記録媒体に係わる
ものである。
【0002】
【従来の技術】オーディオ用或いはビデオ用、その他の
各種情報を記録する光記録媒体としては、その記録及び
/又は再生を光を照射することにより行う、光ディス
ク、光カード、光磁気ディスク、相変化型の光記録媒体
等といった、いわゆる再生専用型、書き換え可能型、追
記型の光記録媒体が挙げられる。
【0003】この中でも、書き換え可能型の光磁気ディ
スクは、以下に示すような構成を有する。すなわち、基
板の一主面にトラッキング信号の検出或いは再生信号の
クロストーク抑制のための案内溝等の凹凸パターンが形
成されている。そして、この凹凸パターン上に真空蒸着
或いはスパッタ等の手法により窒化珪素,窒化アルミニ
ウム,酸化珪素,ZnS等の透明誘電体膜が形成され、
さらに真空蒸着或いはスパッタ等の手法によりTbFe
Co,GdFeCo,DyFeCo,TbFeCoCr
等のアモルファス希土類遷移金属磁性膜或いはPtCo
等の垂直磁化膜といった光磁気記録膜が形成され、さら
にまた上記透明誘電体膜が形成されている。さらには、
真空蒸着或いはスパッタ等の手法によりAl,AlT
i,AlCr等のアルミニウムを主とする金属反射膜が
形成され、さらにスピンコート法により紫外線硬化型樹
脂よりなる保護膜が形成されてなる。
【0004】そして、このような光磁気記録媒体におい
ては、案内溝の底部に情報信号を記録するグルーブ記
録、隣り合う案内溝間に情報信号を記録するランド記
録、或いは案内溝の底部と隣り合う案内溝間の両者に情
報信号を記録するランドグルーブ記録の3つの方式のう
ちいずれかの方式で情報信号の記録が行われており、記
録領域の幅を所定の幅とすることで良好な再生信号特性
が得られる。
【0005】なお、上記光磁気記録媒体が示す情報を再
生するには、基板側から再生光を照射して情報を読み出
す。
【0006】ところで、上記光磁気記録媒体において
は、再生光として波長690(nm)のものが一般的に
使用され、光学系としても開口数(NA)が0.50〜
0.60のものが一般的に使用されており、空中分解能
がそれらにより決まり、光学的な制限があることから、
記録密度を大幅に向上させることは困難であった。
【0007】記録密度を大幅に向上させるには、再生光
の波長を短くする、光学系の開口数を大きくする方法が
考えられ、光学系の実効的な開口数を大きくする方法と
して2群レンズを使用する方法が提案されている。
【0008】上記のように光学系の開口数を大きくする
と、再生光が照射されてこれが透過する基板の厚さを薄
くする必要がある。これは、光学系の光軸に対してディ
スク面が垂直からズレる角度(チルト角)の許容量が小
さくなるためであり、このチルト角が基板の厚さによる
収差や複屈折の影響を受け易いためである。従って基板
の厚さを薄くしてチルト角への影響をなるべく小さくす
る必要がある。
【0009】このように開口数が大きい光学系を使用し
た例としては、厚さ0.6(mm)で案内溝を有する基
板上に窒化珪素である透明誘電体膜、TbFeCoであ
る光磁気記録膜、窒化珪素である透明誘電体膜、アルミ
ニウムである金属反射膜、紫外線硬化型樹脂である保護
膜を順次積層形成した光磁気ディスクの情報信号の再生
を開口数0.8の対物レンズを使用した光学系を用いて
行った例が報告されているが、この例においては、開口
数を大きくした場合のディスクの傾きや反り等に対する
考慮はなされていない。
【0010】また、今後、さらなる高記録密度化が要求
されるものと思われ、基板のさらなる薄型化が必要とな
ってくるものと思われる。そこで、例えば基板の一主面
に凹凸を形成し、この上に金属反射膜、光磁気記録膜を
設け、さらにこの上に光を透過する薄膜である透明保護
膜を設けるようにし、透明保護膜側から再生光を照射し
て光磁気記録膜の情報を再生するような光磁気記録媒体
が提案されている。このようにすれば、透明保護膜を薄
型化していくことで対物レンズの高開口数化に対応可能
である。
【0011】上記のような光磁気記録媒体を使用した例
としては、Solid immersion lens
と称される非常に開口数の大きい光学系を用い、平滑な
表面を有する珪素基板上に酸化珪素よりなる誘電体膜、
TbFeCoよりなる光磁気記録膜、窒化珪素よりなる
誘電体膜を形成して光磁気記録媒体とし、窒化珪素より
なる誘電体膜側から光を照射して情報の記録再生を行っ
た例が挙げられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
例においては、光記録媒体で一般的に使用されている基
板に設けられた案内溝、サーボ用ピットからの信号を利
用したサーボ等によるトラッキングの制御は行われてい
ない。このようにトラッキングの制御を行わない場合、
ディスクを交換することのないハードディスクのような
用途においては、特に問題がないものの、ディスクを交
換する用途においては、例えば偏心等が生じた場合に安
定したトラッキングの制御が困難となる。従って、上記
のように誘電体膜側、言い換えれば基板と反対側から光
を照射する光磁気記録媒体においてもトラッキングの制
御が必要と思われる。
【0013】そこで本発明は、従来の実状に鑑みて提案
されたものであり、高開口数化に十分対応可能であり、
基板と反対側から光を照射して情報を再生する場合にお
いてもトラッキング制御が正確に行われて良好な再生信
号を確保することが可能な光磁気記録媒体を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明は、同心円状又は渦巻き状の案内溝が形成さ
れた基板上に光磁気記録膜と透明保護膜が順次形成され
てなり、この透明保護膜側から光が照射され情報信号が
再生される光磁気記録媒体において、上記光磁気記録膜
のうち上記案内溝間の領域に対応する光照射側に凸な領
域が情報記録領域とされていることを特徴とするもので
ある。
【0015】なお、本発明の光磁気記録媒体において
は、上記案内溝の径方向におけるピッチをP、上記案内
溝間の領域に対応する光照射側に凸な領域の幅をWとし
たときに、W/P<0.7であることが好ましく、W/
P≦0.68であることがより好ましい。
【0016】さらに、本発明の光磁気記録媒体において
は、案内溝の境界部分の段差形状が基板側に凸な湾曲形
状とされていることが好ましい。
【0017】本発明の光磁気記録媒体は、同心円状又は
渦巻き状の案内溝が形成された基板上に光磁気記録膜と
透明保護膜が順次形成されてなり、この透明保護膜側か
ら光が照射され情報信号が再生されるため、透明保護膜
を薄型化することで高開口数化にも十分対応可能であ
る。また、上記案内溝を利用してトラッキング制御が正
確に行われる。さらに、上記光磁気記録膜のうち上記案
内溝間の領域に対応する光照射側に凸な領域が情報記録
領域とされていることから良好な再生信号が確保され
る。
【0018】さらにまた、本発明の光磁気記録媒体にお
いて、上記案内溝の径方向におけるピッチをP、上記案
内溝間の領域に対応する光照射側に凸な領域の幅をWと
したときに、W/P<0.7とする、さらにはW/P≦
0.68とすればより良好な再生信号が確保される。
【0019】また、本発明の光磁気記録媒体において、
案内溝の境界部分の段差形状を基板側に凸な湾曲形状と
すれば、ノイズがさらに抑えられ、より良好な再生信号
が確保される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】本例の光磁気記録媒体は、図1に示すよう
に、一主面1a側に凹部である案内溝2、隣り合う案内
溝2間を分ける案内溝間部3が境界部分を挟んで同心円
状又は渦巻き状に形成される基板1の上記一主面1a上
に、例えばアルミニウムである金属反射膜4、例えば窒
化珪素である誘電体膜5、例えばTbFeCoである光
磁気記録膜6、例えば窒化珪素である誘電体膜7、例え
ば紫外線硬化型樹脂よりなる透明保護膜8が順次積層形
成されてなるものである。上記各層のうち、透明保護膜
8以外は非常に薄い膜であるので、基板1の案内溝2及
び案内溝間部3に沿った形状に成膜されており、その上
に透明保護膜8が形成されることで表面は平滑な面とさ
れる。なお、情報の再生は、透明保護膜8側から図中矢
印L1 で示すように光を照射して行うようにしている。
【0022】そして、本例の光磁気記録媒体において
は、光磁気記録膜6中の案内溝間部3に対応する領域、
すなわち光照射側に凸な領域が情報記録領域とされてお
り、案内溝2は案内溝として機能することとなる。
【0023】さらに、本例の光磁気記録媒体において
は、案内溝間部3の幅、すなわち、案内溝間部3と案内
溝2の間の左右両側の境界部分において、その深さが案
内溝2の案内溝間部3表面からの深さ(図中dで示す)
の半分となる位置間の幅をWとし、案内溝2の径方向に
おけるピッチ、すなわち所定の案内溝間部3と図中左側
の案内溝2の間の境界部分において、その深さが案内溝
2の案内溝間部3表面からの深さ(図中dで示す)の半
分となる位置と、上記案内溝間部3に対して図中右側に
案内溝2を介して隣り合う案内溝間部3と上記案内溝2
の間の境界部分において、その深さが案内溝2の案内溝
間部3表面からの深さ(図中dで示す)の半分となる位
置間の距離をPとしたとき、W/P<0.7となるよう
になされている。なお、このとき、W/P≦0.68で
あることが好ましい。
【0024】また、本例の光磁気記録媒体においては、
案内溝間部3の形状が、図2に拡大して示すように案内
溝間部3の境界部分9の段差形状が基板1側に凸な湾曲
形状となされている。
【0025】従って、本例の光磁気記録媒体において
は、一主面1a同心円状又は渦巻き状の案内溝2が形成
された基板1上に光磁気記録膜6と透明保護膜8が順次
形成されており、この透明保護膜8側から光が照射され
情報信号が再生されるため、透明保護膜8を薄型化する
ことで高開口数化にも十分対応可能となる。また、本例
の光磁気記録媒体においては、上記案内溝2を利用して
トラッキング制御が正確に行われる。さらに、本例の光
磁気記録媒体においては、上記光磁気記録膜6のうち上
記案内溝間部3の領域に対応する光照射側に凸な領域が
情報記録領域とされていることから良好な再生信号が確
保される。
【0026】さらにまた、本例の光磁気記録媒体におい
ては、上記案内溝2の径方向におけるピッチをP、上記
案内溝間部3の領域に対応する光照射側に凸な領域の幅
をWとしたときに、W/P<0.7とされており、より
良好な再生信号が確保される。
【0027】また、本例の光磁気記録媒体においては、
案内溝2の境界部分9の段差形状を基板1側に凸な湾曲
形状とすれば、ノイズがさらに抑えられ、より良好な再
生信号が確保される。
【0028】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するべく、以下に
示すような実験を行った。
【0029】実験例1 先ず、本実験例においては、一主面に案内溝を有する基
板の上記主面上に光磁気記録膜及び透明保護膜を有する
光磁気記録媒体の光磁気記録膜中の案内溝間に対応する
領域、或いは案内溝の底部に対応する領域にそれぞれ情
報の記録を行った場合の再生信号を調査した。
【0030】すなわち、先に図1に示したような光磁気
記録媒体を案内溝となる案内溝2の深さdが53(n
m)、ピッチP(トラックピッチ)が0.55(μm)
となるように作成した。なお、金属反射膜4はアルミニ
ウム、誘電体膜5,7はSi34 、光磁気記録膜6は
TbFeCo、透明保護膜8は紫外線硬化型樹脂により
形成することとした。
【0031】そして、光磁気記録膜6中の案内溝間部3
に対応する領域に光変調記録により波長640(nm)
の光を使用し、開口数が0.80の光学系を使用し、線
速度3.8(m/s)でマーク長0.29(μm)で光
磁気記録膜6の案内溝間部3に対応する領域、言い換え
れば光照射側に凸な領域に情報の記録を行い、これをサ
ンプル1とした。なお、このときの分解能帯域幅は30
(kHz)である。また、案内溝2の深さを65(n
m)に変更して光磁気記録媒体を作成し、上述のように
して情報を記録し、これをサンプル2とした。
【0032】また、比較のために、上述と同様にして案
内溝となる案内溝2の深さが異なる2種類の光磁気記録
媒体を作成し、図3に示すように、光磁気記録膜6の案
内溝2の底部に対応する領域に上述のようにして情報の
記録を行い、これらをそれぞれサンプル3及びサンプル
4とした。
【0033】そして、これらサンプル1〜4の再生信号
特性としてCNR(dB)を測定した。その結果、サン
プル1は41.7(dB)、サンプル2は42.0(d
B)、サンプル3は40.4(dB)、サンプル4は3
7.5(dB)であった。
【0034】すなわち、光磁気記録膜の隣り合う案内溝
間の領域に対応する領域に情報の記録が行われたサンプ
ル1及びサンプル2の方が、光磁気記録膜の案内溝底部
となる領域に情報の記録が行われたサンプル3及びサン
プル4よりも良好な結果が得られ、良好な再生信号が確
保されることがわかった。
【0035】従って、本発明の光磁気記録媒体のよう
に、同心円状又は渦巻き状の案内溝が形成された基板上
に光磁気記録膜と透明保護膜が順次形成されてなり、こ
の透明保護膜側から光が照射され情報信号が再生される
光磁気記録媒体において、上記光磁気記録膜のうち上記
案内溝間の領域に対応する光照射側に凸な領域を情報記
録領域とすれば、良好な再生信号が確保されることが確
認された。
【0036】実験例2 本実験例においては、案内溝間の領域に対応する光照射
側に凸な領域の幅をW、案内溝の径方向におけるピッチ
をPとしたときのW/Pを変化させて光磁気記録媒体を
作成し、これらの再生信号を調査した。
【0037】すなわち、先ず、図1に示したような光磁
気記録媒体を、案内溝間部3の幅、すなわち、案内溝間
部3と案内溝2の間の左右両側の境界部分において、そ
の深さが図中dで示す案内溝2の案内溝間部3表面から
の深さの半分となる位置間の幅をWとし、案内溝間部3
の径方向におけるピッチ、すなわち所定の案内溝間部3
と図中左側の案内溝2の間の境界部分において、その深
さが図中dで示す案内溝2の案内溝間部3表面からの深
さの半分となる位置と、上記案内溝間部3に対して図中
右側に案内溝2を介して隣り合う案内溝間部3と上記案
内溝2の間の境界部分において、その深さが図中dで示
す案内溝2の案内溝間部3表面からの深さの半分となる
位置間の距離をPとしたときのW/Pを変化させて光記
録媒体を作成した。ただし、ピッチP(トラックピッ
チ)は0.55(μm)に固定することとした。
【0038】そして、磁界変調記録により波長640
(nm)の光を使用し、開口数が0.80の光学系を使
用し、線速度2.9(m/s)でマーク長0.29(μ
m)で上記光磁気記録媒体の光磁気記録膜6の案内溝間
部3に対応する光照射側に凸な領域に情報の記録を行っ
た。なお、このときの分解能帯域幅は30(kHz)で
ある。そして、この光磁気記録媒体の再生信号特性とし
てCNR(dB)を測定した。
【0039】さらに、比較のために、案内溝が同心円状
又は渦巻き状に形成されたガラス基板上に従来の光磁気
記録媒体のように、Si3 4 である誘電体膜、TbF
eCoである光磁気記録膜、Si3 4 である誘電体
膜、アルミニウムよりなる反射膜、紫外線硬化型樹脂よ
りなる保護膜を順次積層形成して光磁気記録媒体を用意
した。このとき、ガラス基板の一主面側の案内溝及び案
内溝間部の幅を変化させて基板側から見た場合に案内溝
間の領域の幅と案内溝の径方向におけるピッチの比(こ
こでは便宜上、W/Pとする。)を変更して作成するも
のとした。ただし、ここでもピッチ(トラックピッチ)
は0.55(μm)とする。
【0040】なお、基板側から見た場合に案内溝間とな
る領域の幅は、案内溝と案内溝間部の左右両側の境界部
分において、その深さが案内溝の案内溝間部表面からの
深さの半分となる位置間の幅とし、ピッチは所定の案内
溝と例えば左側の案内溝間部の間の境界部分において、
その深さが案内溝の案内溝間部表面からの深さの半分と
なる位置と、上記案内溝に対して右側に案内溝間部を介
して隣り合う案内溝と上記案内溝間部の間の境界部分に
おいて、その深さが案内溝の案内溝間部表面からの深さ
の半分となる位置間の距離とした。
【0041】そして、これら光磁気記録媒体に、基板側
から上述と同様の条件で情報の記録を行い、基板側から
再生して再生信号特性としてCNR(dB)を測定し
た。
【0042】結果を図4に示す。図4中横軸はW/Pを
示し、縦軸はCNR(dB)を示し、図中○は透明保護
膜側から再生を行った光磁気記録媒体の結果を示し、図
中●は基板側から再生を行った光磁気記録媒体の結果を
示す。
【0043】さらに、比較のために、これら光磁気記録
媒体にマーク長を1.16(μm)とする以外は条件を
変更することなく情報の記録を行い、これら光磁気記録
媒体における再生信号特性としてクロストークを測定し
た。
【0044】結果を図5に示す。図5中横軸はW/Pを
示し、縦軸はクロストーク(dB)を示し、図中○は透
明保護膜側から再生を行った光磁気記録媒体の結果を示
し、図中●は基板側から再生を行った光磁気記録媒体の
結果を示す。
【0045】図4の結果から、従来のように基板側から
再生を行う場合においては、W/Pが大きい程、CNR
が良好な結果を示すものの、本発明のように透明保護膜
側から再生を行う場合においては、W/Pが0.67程
度で極大値を示し、0.7以上となると、CNRが極端
に低下してしまうことがわかる。
【0046】図5の結果から、従来のように基板側から
再生を行う場合においては、W/Pが大きくなるに従
い、クロストークが穏やかに減少するものの、本発明の
ように透明保護膜側から再生を行う場合においては、W
/Pが増加すると逆に増加してしまい、0.7以上とな
ると著しく増加する。
【0047】ところで、このような光磁気記録媒体にお
いてデジタル信号を記録する際の変調方式として一般的
であるRLL(1,7)というコードを考慮すると、C
NR(dB)としては40(dB)以上、クロストーク
(dB)としては−30(dB)以下であれば実用範囲
となされている。
【0048】従って、これらのことから、本発明のよう
に透明保護膜側から再生光を照射する場合においては、
W/Pを0.7未満とすることが好ましいことが確認さ
れた。さらには、これらの結果からW/Pを0.68以
下とすることが好ましいことが確認された。
【0049】実験例3 本実験例においては、隣り合う案内溝を分ける案内溝間
部の形状を変更して光磁気記録媒体を形成し、再生信号
特性としてCNR(dB)及びクロストーク(dB)を
測定した。
【0050】先ず、実験例1と同様にして案内溝の深さ
が65nmでピッチP(トラックピッチ)が0.55μ
mの光磁気記録媒体を形成するが、図2に示すように案
内溝2の境界部分9の段差形状が基板1側に凸な湾曲形
状となされているものと、図6に示すように案内溝2の
境界部分9の段差形状が基板1側に凹な湾曲形状となさ
れているものを形成することとした。
【0051】通常、この種の光磁気記録媒体を製造する
際には、ガラス原盤上にポジ型のフォトレジストを塗布
し、案内溝に相当する部分を露光した後、現像を行い、
この表面にニッケルめっきを行ってスタンパーとし、こ
れを用いて2P法或いは射出成型法により作成する。
【0052】このようにして作成すると、案内溝間部は
図6中に示すように案内溝間部3と案内溝2の境界部分
9が基板1側に凹な湾曲形状となるため、後者の光磁気
記録媒体はこのようにして製造すれば良い。
【0053】一方、例えば上記のようにして得られたス
タンパーから再度めっき等により表面形状を転写させた
スタンパーを使用したり、スタンパーを製造する際にネ
ガ型のフォトレジストを使用するようにする、或いはガ
ラス原盤をそのままスタンパーとして用いれば、図2に
示したように案内溝2の境界部分9の段差形状が基板1
側に凸な湾曲形状となるため、前者の光磁気記録媒体は
このようにして製造すれば良い。
【0054】なお、本例においては、通常のスタンパー
によって形成されたガラス2Pディスクをスタンパーと
して使用したガラス2Pディスクとして前者の光磁気記
録媒体を作成することとした。
【0055】そして、これらの光磁気記録媒体に対し、
光変調記録により波長640(nm)の光を使用し、開
口数が0.80の光学系を使用し、線速度3.8(m/
s)でマーク長0.29(μm)で光磁気記録膜の案内
溝間部3に対応する光照射側に凸な領域に情報の記録を
行った。そして、この光記録媒体の再生信号特性として
CNR(dB)及びクロストーク(dB)を測定した。
【0056】その結果、前者の光磁気記録媒体において
は、CNR(dB)が44.0(dB)であり、クロス
トーク(dB)が−31.2(dB)であった。一方、
後者の光磁気記録媒体においては、CNR(dB)が4
2.0(dB)であり、クロストーク(dB)が−3
1.0(dB)であった。すなわち、前者の光磁気記録
媒体の方がCNR(dB)で2(dB)良好な結果とな
った。なお、キャリアレベルには差が見られず、ノイズ
レベルに2(dB)の差が見られた。
【0057】従って、本発明の光磁気記録媒体におい
て、案内溝の境界部分の段差形状を基板側に凸な湾曲形
状とすれば、ノイズがさらに抑えられ、より良好な再生
信号が確保されることが確認された。
【0058】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の光磁気記録媒体は、同心円状又は渦巻き状の案内溝
が形成された基板上に光磁気記録膜と透明保護膜が順次
形成されてなり、この透明保護膜側から光が照射され情
報信号が再生されるため、透明保護膜を薄型化すること
で高開口数化にも十分対応可能である。また、上記案内
溝を利用してトラッキング制御が正確に行われる。さら
に、上記光磁気記録膜のうち上記案内溝間の領域に対応
する光照射側に凸な領域が情報記録領域とされているこ
とから良好な再生信号が確保される。
【0059】さらにまた、本発明の光磁気記録媒体にお
いて、上記案内溝の径方向におけるピッチをP、上記案
内溝間の領域に対応する光照射側に凸な領域の幅をWと
したときに、W/P<0.7とする、さらにはW/P≦
0.68とすればより良好な再生信号が確保される。
【0060】また、本発明の光磁気記録媒体において、
案内溝の境界部分の段差形状を基板側に凸な湾曲形状と
すれば、ノイズがさらに抑えられ、より良好な再生信号
が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光磁気記録媒体を示す要部拡
大断面図である。
【図2】本発明を適用した光磁気記録媒体の案内溝間部
近傍を示す要部拡大断面図である。
【図3】光磁気記録媒体を示す要部拡大断面図である。
【図4】W/PとCNRの関係を示す特性図である。
【図5】W/Pとクロストークの関係を示す特性図であ
る。
【図6】本発明を適用した光磁気記録媒体の案内溝間部
近傍を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 基板、1a 一主面、2 案内溝、3 案内溝間
部、6 光磁気記録膜、8 透明保護膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同心円状又は渦巻き状の案内溝が形成さ
    れた基板上に光磁気記録膜と透明保護膜が順次形成され
    てなり、この透明保護膜側から光が照射され情報信号が
    再生される光磁気記録媒体において、 上記光磁気記録膜のうち上記案内溝間の領域に対応する
    光照射側に凸な領域が情報記録領域とされていることを
    特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記案内溝の径方向におけるピッチを
    P、上記案内溝間の領域に対応する光照射側に凸な領域
    の幅をWとしたときに、W/P<0.7であることを特
    徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 W/P≦0.68であることを特徴とす
    る請求項2記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 案内溝の境界部分の段差形状が基板側に
    凸な湾曲形状とされていることを特徴とする請求項1記
    載の光磁気記録媒体。
JP9127499A 1997-05-16 1997-05-16 光磁気記録媒体 Withdrawn JPH10320858A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020069789A (ko) * 2001-02-28 2002-09-05 캐논 가부시끼가이샤 자구벽변위형 자기광학매체 및 그 제조방법

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