JPH10320105A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JPH10320105A
JPH10320105A JP12460597A JP12460597A JPH10320105A JP H10320105 A JPH10320105 A JP H10320105A JP 12460597 A JP12460597 A JP 12460597A JP 12460597 A JP12460597 A JP 12460597A JP H10320105 A JPH10320105 A JP H10320105A
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wave
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Katsuhide Hasegawa
勝英 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用条件にかかわらず高精度で座標が検出で
きる座標入力装置を提供する。 【解決手段】 位置指示具5により板状の伝搬体2に入
力された振動が伝搬体の所定箇所に設けられた複数の振
動検出手段10A〜10Dで検出されるまでの伝搬時間
に基づき位置指示具の入力座標が算出される。各振動検
出手段は、異る振動モードのS0波とA0波を検出する
一対の振動センサから構成され、各一対の振動センサ
は、その中心間距離と感度方向が、一つの振動モードの
振動波に対しては、強めあうように、またそれと異る振
動モードの振動波に対しては、弱めあうように、それぞ
れ設定される。このような構成では、A0波かS0波の
いずれか一方は足し合わされ、もう一方は打ち消し合う
ようにでき、両者に対してゲインを大きく異ならせるこ
とができ、感度のよい座標入力装置が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、座標入力装置、更
に詳細には、板状の入力面を伝搬する振動の伝達時間を
計測することにより指示位置の座標を検出する座標入力
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の装置として、ペン態様の位
置指示具から超音波振動を発生させ、板状の伝搬体の四
隅に配した圧電素子からなるセンサで到達時刻を検出し
て距離を求め、三角測量の要領で座標を検出するものが
知られている。
【0003】図9は、このような従来の超音波方式の座
標入力装置の一例の概略平面図であって、センサ部10
A〜10Dが露出するように上蓋を取り除いた状態で図
示されている。図において、1は装置全体のシャーシ、
2はガラスからなる伝搬体、3は入力可能範囲、4は制
御回路、5は位置指示具であるペン、6はペン5と制御
回路4を接続する電線、7は操作者である。
【0004】制御回路4によりペン5内に設けられた不
図示の加振用圧電素子により、ペン5の接触点20から
超音波が21のように広がり、4個のセンサユニット1
0A〜10Dでその到達時刻を計測するよう構成されて
いる。センサは最少2個あれば座標を算出可能である
が、入力面全面にわたって、充分な感度と精度を確保す
るために、本例では4個が使用されている。
【0005】センサユニット10Aの拡大平面図と側面
図を図10、図11に示す。102は圧電素子であっ
て、使用する超音波を効率良く検出できるようにその形
状が定められている。圧電素子102は軸方向に矢印の
ように分極されており、検出用の電極102A、102
Bが金属メッキにより形成されている。一方の電極10
2Aは増幅器105に板バネ103により直接接続さ
れ、もう一方の電極102Bは伝搬体2に印刷等により
設けられた導電材からなる薄い電極パターン101に導
電性接着材により接着され、この電極パターン101に
板バネ104を接触させることにより増幅器105に接
続されている。
【0006】この電極パターン101は、伝搬体から圧
電素子に効率良く超音波のエネルギーを伝達させるため
圧電素子の片側の電極面を伝搬体にできるだけ密着させ
ることと、電気的な接続を行なうことを両立させるた
め、導電性の介在物をできるだけ薄く形成する手段とし
て、カーボン粉や金属粉を混入した樹脂を印刷後、焼成
することによって薄くて密着性の良好な導電膜を形成す
る方法で設けられている。
【0007】電極パターン101及び電極102Aと増
幅器105との接続が板バネ104、103によって行
なわれているのは、圧電素子102が安定して効率良く
振動を検出するためには、その拘束条件すなわち固定方
法や質量、応力状態などが一定していることが望ましい
ためであって、電線を半田付けする方法では、半田の量
の管理など工程管理が困難なためである。またこの接続
作業は、電極パターン101に圧電素子102を接着し
てから行なう必要があるので、伝搬体の大きさを扱う設
備が必要であり、板バネによる簡単な組立方法が望まし
いためでもある。加えて、伝搬体2はガラスでありシャ
ーシ1は樹脂(金属でもよい)を使用しており、熱膨張
係数が異なるため、温度湿度の変化によりわずかながら
相対位置が変化する。これを吸収する意味でも板バネに
よる接続は有効である。
【0008】ところで、よく知られているように板状の
伝搬体を伝達する弾性波のなかで、板波と呼ばれるもの
は、板全体が振動を伝搬するので、座標入力装置のよう
に表面に使用者の手や原稿などが接触しても振動の減衰
が小さく、好適である。また、傷や汚れが伝搬体に付着
した場合なども影響されることが少なく、表面波に比べ
て都合がよい。板波には周波数と厚さの積によって変化
する各種のモードが存在するが、比較的小さな積の領域
の基本モードとしては、速度の大きく異なる二つの振動
モード、即ちS0波とA0波があり、どちらを検出する
かわかっていないと座標値を求められない。上述した従
来例の場合、ガラス製の伝搬体の板厚1.5ミリ周波数
500kHzであり、S0波は約5000m/sec、
A0波は約2500m/secであるが、得られるセン
サの出力は実際にはA0波の成分のほうが、S0波に比
べて数倍大きいため、あらかじめ定めたレベル以上の出
力を用いることで、A0波のみを用いた距離の計算が行
なえる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来例の構成では、下記のような問題があった。
【0010】第1に、得られるセンサの出力はA0波の
成分のほうが、S0波に比べて数倍大きいことを利用し
て、A0波のみを用いた距離の計算を行なっているが、
このために温度や湿度などの環境条件や最小必要筆圧、
最大許容筆圧、ペンの傾き許容範囲などの使用条件があ
る範囲に制限され、この範囲外では入力できないだけで
なく、場合によってはS0波を検出してしまい、誤差の
大きい座標値を出力してしまうことがあった。
【0011】第2に、伝搬体の周囲の端面からの反射波
によって波形が歪んで、精度を悪化するのを防止するた
め、伝搬体の外形は入力範囲より大きくする必要があ
り、この周囲の部分に振動吸収部材を張り付けねばなら
ず、装置の外形が大きくなり、デザイン上の制約ともな
っていた。
【0012】本発明の課題は、A0波あるいはS0波に
対する感度差がより大きいセンサを実現することによっ
て、温度や湿度などの環境条件や最小必要筆圧、最大許
容筆圧、ペンの傾き許容範囲などの使用条件を拡げ、よ
り使いやすく、しかも高精度で座標を検出することが可
能な座標入力装置を提供することである。
【0013】本発明の他の課題は、反射波に対するゲイ
ンを抑圧することで、伝搬体の外形を小さくでき、デザ
イン上の制約の少ない座標入力装置を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明では、位置指示具により板状の伝搬体に入力
された振動が伝搬体の所定箇所に設けられた複数の振動
検出手段で検出されるまでの伝搬時間に基づき位置指示
具の入力座標を算出する座標入力装置において、前記各
振動検出手段は、伝搬体を伝搬する異る振動モードの振
動波を検出する一対の振動センサから構成され、各一対
の振動センサは、その中心間距離と感度方向が、一つの
振動モードの振動波に対しては、強めあうように、また
それと異る振動モードの振動波に対しては、弱めあうよ
うに、それぞれ設定されている構成を採用している。
【0015】異る振動モードの振動波は、S0波あるい
はA0波であり、伝搬体に設けられる振動検出手段は、
一対の振動センサからなり、各一対の振動センサの中心
間距離は、A0波またはS0波の半波長の略自然数倍の
長さとなるように設定されるとともに、伝搬体の材質と
厚さ、及び使用する振動の周波数をS0波の速度がA0
波の約2倍あるいはそれ以上となるように設定される。
【0016】このような構成においては、一対の振動セ
ンサ(圧電素子)が検出する振動に位相差が生じるた
め、たとえば、S0波の半波長(A0波の1波長に相
当)とした場合には、A0波に対しては同位相、S0波
に対しては逆位相の振動が各振動センサに加わる。した
がって、振動センサの分極方向を変えることで、A0波
かS0波のいずれか一方は足し合わされ、もう一方は打
ち消し合うようにでき、両者に対してゲインを大きく異
ならせることが可能となる。これにより、A0波かS0
波のいずれか一方のみを検出できる条件範囲が大幅に拡
がり、より軽い筆圧で入力できたり、ペンを傾けても誤
動作なく入力できる等、非常に使い勝手がよい座標入力
装置が実現できる。
【0017】また本発明では、一対の振動センサを並べ
る方向を入力範囲の中心に対して横列にしている。これ
により、反射波に対するゲインを低くすることが可能に
なる。
【0018】また、上記のいずれの場合にも、一対の振
動センサを使うことで、電極への接続を片側の同一面に
並べることができるため、伝搬体に接着する前にユニッ
ト化しやすく、伝搬体に電極パターンを印刷することを
不要とすることもできる。また、これら一対の振動セン
サは直列接続状態となるので、増幅器で検出される電圧
が足し合わされて一個の振動センサを用いるより大きな
出力が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づき本発明を詳細に説明する。
【0020】(第1の実施形態)図1は本発明の特徴を
最もよく表す平面図であって、センサ部10A〜10D
が露出するように上蓋を取り除いた状態で図示されてい
る。図1において、1は装置全体のシャーシ、2はガラ
スからなる伝搬体、3は入力可能範囲、4は制御回路、
5は位置指示具であるペン、6はペン5と制御回路4を
接続する電線、7は操作者である。
【0021】制御回路4によりペン5内に設けられた不
図示の加振用圧電素子により、ペン5の接触点20から
超音波が21のように広がり、4個のセンサユニット1
0A〜10Dでその到達時刻を計測するよう構成されて
いる。センサは最少2個あれば座標を算出可能である
が、入力面全面にわたって、充分な感度と精度を確保す
るために、本実施形態では4個が使用されている。以上
の全体の構成は前述の従来例と同様であるが、センサユ
ニット10A〜10Dの部分に大きな違いがあるので、
その詳細について以下に説明する。なお、センサユニッ
トは4個あるが、同一機能のものであるので、10Aの
みについて示す。
【0022】図2、図3はセンサユニット10Aの拡大
平面図と側面図である。102X、102Yは一対の圧
電素子であって、使用する波長の超音波を効率良く検出
できるようにその形状が定められており、軸方向に図中
矢印のように分極されている。これら一対の圧電素子1
02X、102Yは片側の電極面102XB、102Y
Bに金属製の板状部材106を固着し、また樹脂製の補
強部材107により、一体化された上で、前記金属製の
板状部材106側を伝搬体2上の所定の位置に接着固定
されている。
【0023】もう一方の電極102XA、102YAは
増幅器105に金属端子103X、103Yにより各々
接続されている。金属端子103X、103Yは樹脂性
のホルダ104にて一定の間隔を保持するように固定さ
れているので、一対の圧電素子を板状部材106、補強
部材107により一体化する工程でスポット溶接や半田
付け等により取り付けておくことができる。したがっ
て、小さな共通ユニットとして、各種のサイズの伝搬体
に使用できるので、設備が簡単ですむ。
【0024】もちろん、このホルダ104にて保持され
た金属端子103X、103Yは増幅器105側にあら
かじめ取り付けておいてもかまわないが、その場合は伝
搬体に組み込む際に結線作業が必要になるので、このた
めの設備が必要となってしまう。しかし、その場合でも
本発明によって、一対のセンサを用いて性能を改善する
効果は同様であることは言うまでもないことである。
【0025】尚、一対の圧電素子102X、102Yと
金属製の板状部材106を固着する方法としては、接着
以外に溶接や圧接、ロー付けなども可能である。また、
補強部材107は必ずしも必要ではなく、板状部材10
6が充分な強度を有していれば、省略可能である。逆
に、補強部材107によって、一体化したのち、メッキ
やスパッタ等により板状部材106を形成するようにし
ても良い。補強部材107としては、樹脂以外に低融点
ガラスなどの絶縁物を用いてもよい。また、補強部材1
07とホルダ104を一体のものとして、形状が複雑に
なるが、部品点数を削減するようにしてもよい。また、
本実施形態においては、補強部材107の上部を電極1
02XA、102YAより突出した形状とすることで、
接続用の板バネ103、104をガイドして、ショート
しないようにしており、絶縁体しか使えないが、電極間
をショートさせない形状とすれば、金属を用いることも
可能である。
【0026】この一体化の工程について、さらに補足す
るならば、圧電素子に熱的、化学的にダメージを与えな
い範囲で、各種の方法が可能であることはいうまでもな
い。また磁気ヘッドなどでよく行なわれているように、
細長い棒状の圧電素子の一対を一体化した後、スライサ
ーで切り離すようにすれば、多数の部品が一挙に得られ
るので生産効率を高くすることができる。したがって、
前述の従来例の電極パターンの形成に比較してはるかに
容易かつ安価に生産可能である。
【0027】次に、検出波形について説明する。本実施
形態においては、伝搬体2は板厚1.5mmのガラスを
用いて超音波の周波数としては、500kHzを用い、
位相速度約2500m/secのA0波を使って、測距
を行なう。S0波の位相速度は約5000m/secで
あり、波長は約2倍である。図3のように、一対の圧電
素子102X、102Yの中心間距離をA0波の約半波
長とし、分極方向を逆方向になるよう直列接続にする
と、各圧電素子には物理的にはA0波は逆位相、S0波
は約90度位相差の振動がつたわり、電気的にはA0波
は約2倍になり、S0波は約70%に抑圧される。した
がって、従来例に比べて両者の出力電圧の比は約2.8
倍改善される。実際には、入力点が中心方向以外の場
合、振動の位相差が変わってしまうので、中心間距離は
若干長めにするほうがよく、その場合を考慮すると改善
比は1.5〜2倍程度である。
【0028】このように、検出電圧の出力比が改善され
ると、たとえば、最大許容筆圧でのS0波の振幅が変わ
らないとすると、A0波の振幅が1.5〜2倍程度とな
っているので、最低許容筆圧を従来ならA0波の振幅が
50〜70%の出力となる値まで下げることができる。
もちろん、この改善代を環境や製造上のばらつきによる
出力のバラツキに対するマージンとしてもよい。このよ
うに、使用条件の範囲や、信頼性の向上、低コスト化な
どに多大な効果がえられる可能性がある。
【0029】(第2の実施形態)図4は本発明の第2の
実施形態のセンサユニット10Aの側面図である。圧電
素子の形状がS0波を効率良く検出するように定められ
ていることと分極方向が異なること以外は、第1の実施
形態と同様である。このように、分極方向を変えると、
A0波は抑圧されS0波が90度位相差で足し合わされ
る。したがって、本例では、S0波を検出して測距を行
なうことになる。この場合、A0波は1/5程度まで抑
圧できるので、従来例のように一個の圧電素子でS0波
を検出する場合に比較すると大きく改善される。
【0030】(第3の実施形態)図5は本発明の第3の
実施形態のセンサユニット10Aの側面図である。本例
は圧電素子の中心間距離がS0波の半波長とされ、分極
方向が異なること、補強部材107の高さを低くしたこ
と以外は、第2の実施形態と同様である。この場合もS
0波はほぼ2倍に強調され、A0波は抑圧されることは
明らかである。第1の実施形態のところで述べたように
補強部材107をこの例のように低くすれば、金属性と
することもできる。
【0031】(第4の実施形態)図6は本発明の第4の
実施形態のセンサユニット10Aの側面図である。本例
は圧電素子の形状がA0波を効率良く検出するように定
められていることと分極方向が異なること、補強部材1
07に固定された板状部材106とホルダ104に固定
された金属端子103X、103Yにてはさみこむこと
で、圧電素子を一体化するようにしたこと以外は、第3
の実施形態と同様である。
【0032】この場合、A0波は約2倍に強調され、S
0波はかなり良く抑圧されるため、前記第1の実施形態
よりも大きな改善が可能である。ただし、センサ部の大
きさがおおきくなることなどの不都合もある。また、中
心方向からはずれた場合の位相差の変化も大きくなるの
で、実際の改善比は2〜3倍程度である。この例のよう
に圧電素子間の距離が比較的大きい場合には本実施形態
のように補強部材107とホルダ104を用いて一体化
の作業を容易にする構成が有効である。また、板状部材
106の中央部を図のように伝搬体2から離れるように
することで、振動の減衰が問題となる場合にはこれを避
けることができる。また、板状部材106の補強にも有
効である。
【0033】(第5の実施形態)図7は本発明の第5の
実施形態のセンサユニット10Aの側面図である。本実
施形態は圧電素子を2個用いるのではなく、スリットを
設けることで一対の圧電素子を構成したものである。い
うまでもなく、ここまでに述べた各実施形態に対して適
用可能である。この場合、圧電素子の材料が余分に必要
であるが、板状部材106が不要になるので、工程を省
略でき、また、中心間距離が加工で決められるため、高
精度にしやすい利点がある。また、電極102B側に設
けた凹みは、前述の第4の実施形態で述べたように振動
の減衰が問題になる場合に有効であるが、なくてもよ
い。
【0034】(第6の実施形態)図8は本発明の第6の
実施形態の平面図である。本実施形態は一対の圧電素子
を入力面の中心方向に向けて縦列に並べるのではなく、
ほぼ横列にならべている。本実施形態では、ペン5から
の直接波の成分比を改善するのではなく、周囲の端面か
らの反射波を抑圧するために一対の圧電素子の特性を用
いている。
【0035】すなわち、直接波(矢印201)はほぼ同
位相で到着するため、第2及び第4の実施形態のような
分極方向とすることで、約2倍の出力が得られるが、S
0波とA0波の比の改善はない。しかし、端部からの反
射波(矢印201など)に対して、S0波かA0波の少
なくとも一方を抑圧できる。反射波の大きさは入力面の
外周部に振動吸収部材を張り付けるなどして抑圧できる
が、それだけ伝搬体の外形が大きくなってしまうので、
装置の小型化やデザイン上の制約になるという問題を改
善することが可能である。
【0036】なお、以上の各実施形態の説明において
は、伝搬体2は厚さ、材質及び振動周波数については、
S0波の位相速度がA0波の約2倍となる場合について
述べたが、これより大きな倍率の場合でも同様に感度差
を持たせることができることは明らかである。要は、一
対の振動センサが検出する振動の位相がいずれかの波長
に対して強め合うように中心間距離と分極方向を定め、
このとき他方の波長に対しては干渉によって減衰するよ
うになればよい。
【0037】また、上記各実施形態においては、いずれ
も一対の圧電素子を一体化したのち、伝搬体2に固着す
るようにしているが、従来例のように電極パターンを印
刷して一個づつ接着する方法でもよいことはいうまでも
ない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、振動
検出手段が、伝搬体を伝搬する異る振動モードの振動波
を検出する一対の振動センサから構成され、各一対の振
動センサは、その中心間距離と感度方向が、一つの振動
モードの振動波に対しては、強めあうように、またそれ
と異る振動モードの振動波に対しては、弱めあうよう
に、それぞれ設定されるので、温度や湿度などの環境条
件や最小必要筆圧、最大許容筆圧、ペンの傾き許容範囲
などの使用条件にかかわらず、使いやすく、検出座標の
精度の良い座標入力装置を提供することができる。
【0039】あるいは、条件範囲を拡げるのでなく、製
造上のマージンを大きくすることも可能であり、その場
合には低コスト化が可能である。
【0040】また、一対の振動センサを入力範囲の中心
方向にたいして横列に並べ、入力方向の中心からほぼ等
距離になるように配置する構成では、反射波の影響を軽
減して伝搬体の外形を小さくできるので、装置の小型化
が可能になりデザイン上の制約も軽減されるという効果
がある。
【0041】さらには、伝搬体に接着固定される振動検
出手段を各々一対の振動センサ(圧電素子)で構成した
ので、センサの電極への接続が片側から行なえるためユ
ニット化したのち伝搬体に接着することが可能になり、
伝搬体に電極パターンを印刷することを不要とすること
もできる。これにより製造に必要な設備が簡単になり、
かつ共通な部品を異なる大きさの伝搬体に接着して使え
るため、多種類の製品を安価に生産可能となる。
【0042】また、これら一対の振動センサは直列接続
状態となるので、増幅器で検出される電圧が足し合わさ
れて一個の振動センサを用いるより大きな出力が得られ
るため、動作が安定になる、等種々の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る座標入力装置の
平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るセンサユニット
の拡大図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るセンサユニット
の側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るセンサユニット
の側面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るセンサユニット
の側面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係るセンサユニット
の側面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係るセンサユニット
の側面図である。
【図8】本発明の第6の実施形態に係る座標入力装置の
平面図である。
【図9】従来例に係る座標入力装置の平面図である。
【図10】従来例に係るセンサユニットの拡大図であ
る。
【図11】従来例に係るセンサユニットの側面図であ
る。
【符号の説明】
1 座標入力装置のシャーシ 2 伝搬体 3 入力可能範囲 4 回路基板 5 ペン 10A〜10D センサユニット 102X、102Y 圧電素子 106 板状部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置指示具により板状の伝搬体に入力さ
    れた振動が伝搬体の所定箇所に設けられた複数の振動検
    出手段で検出されるまでの伝搬時間に基づき位置指示具
    の入力座標を算出する座標入力装置において、 前記各振動検出手段は、伝搬体を伝搬する異る振動モー
    ドの振動波を検出する一対の振動センサから構成され、
    各一対の振動センサは、その中心間距離と感度方向が、
    一つの振動モードの振動波に対しては、強めあうよう
    に、またそれと異る振動モードの振動波に対しては、弱
    めあうように、それぞれ設定されていることを特徴とす
    る座標入力装置。
  2. 【請求項2】 前記異る振動モードの振動波はそれぞれ
    位相速度が約1対Nの振動波であることを特徴とする請
    求項1に記載の座標入力装置。
  3. 【請求項3】 前記各一対の振動センサの中心間距離
    が、いずれかの振動モードの振動波の半波長のぼほ自然
    数倍の長さに設定されることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の座標入力装置。
  4. 【請求項4】 前記各一対の振動センサの感度方向を、
    いずれの振動モードの振動波を強めるかに従って、同じ
    方向あるいは逆方向にすることを特徴とする請求項1か
    ら3までのいずれか1項に記載の座標入力装置。
  5. 【請求項5】 前記各一対の振動センサは、前記伝搬体
    の入力範囲の中心方向に並べられていることを特徴とす
    る請求項1から4までのいずれか1項に記載の座標入力
    装置。
  6. 【請求項6】 前記各一対の振動センサは、前記伝搬体
    の入力範囲の中心からほぼ等距離となるように並べられ
    ていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか
    1項に記載の座標入力装置。
  7. 【請求項7】 前記異る振動モードの振動波は、S0波
    あるいはA0波であることを特徴とする請求項1から6
    までのいずれか1項に記載の座標入力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009543205A (ja) * 2006-07-06 2009-12-03 タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション 音響タッチシステムの自動利得スイッチングモジュール

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009543205A (ja) * 2006-07-06 2009-12-03 タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション 音響タッチシステムの自動利得スイッチングモジュール
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