JPH10319889A - シート状展示物の支持脚とその脚骨 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置や撤去が容易に行え、搬送や保管もしや
すく、シート状展示物をきれいに展示することができる
設置手段を提供すること。 【解決手段】 上下に広げたシート状展示物Ｄの背後に
起立し、その重量に抗する撓み力を備えた複数本の脚骨
１と、これらの脚骨１を後方へ傾けた状態で支持し、各
脚骨１の基端部が係脱可能に取り付けられる支持台２と
からシート状展示物の支持脚を構成し、前記脚骨１の先
端部を、前記シート状展示物Ｄの上端部に対して係脱可
能に取り付け、このシート状展示物Ｄの下端部を、前記
支持台２に形成した、前記脚骨１の基端部前方に位置す
る係止部５、５に対して係脱可能に取り付ける。各脚骨
１が前方へ撓められ、この撓み力によりシート状展示物
Ｄの重量に抗して後方へ復帰しようと作用するので、シ
ート状展示物Ｄが上下にぴんと伸ばされる。各脚骨１と
支持台２とが互いに係脱可能とされているので、組み立
てや分解が容易に行える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、主として広告に
供される、垂れ幕などのシート状展示物を広げた状態の
ままで支持する支持脚、およびこの支持脚を構成する脚
骨に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常、可撓性シート材からなるこの種の
展示物は、大きく広げた状態で展示するため、上方から
吊り下げたり壁面に貼り付けたりして使用される。

【０００３】このため、屋内での使用に際しては、室内
の上方位置に吊り下げ用のフックを設けたり、屋外で展
示する場合には、上端部に前記フックを設けた支柱を立
設したりする設置方法が普通に行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
シート状展示物は、その展示期間が短く、短時日にうち
に設置と撤去とを繰り返すものが多いため、仮設的な設
置状況下で使用されることが多い。

【０００５】しかしながら、前述した方法では、その設
置や撤去に手間がかかって煩わしいだけでなく、前記支
柱などの資材は重量物であり、かさばることが多いた
め、搬送や保管に不便であるという問題があった。ま
た、可撓性シート材は皺になりやすいため、ぴんと張っ
た状態できれいに展示するのがむずかしいという問題も
あった。

【０００６】そこで、この発明の課題は、設置や撤去が
容易に行え、搬送や保管もしやすく、しかもシート状展
示物をきれいに展示することができる設置手段を提供す
ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】こうした課題を解決する
ため、この発明では、上下に広げたシート状展示物の背
後に起立し、その重量に抗する撓み力を備えた複数本の
脚骨と、これらの脚骨を後方へ傾けた状態で支持し、各
脚骨の基端部が係脱可能に取り付けられる支持台とから
なり、前記脚骨の先端部が、前記シート状展示物の上端
部に対して係脱可能に取り付けられ、このシート状展示
物の下端部が、前記支持台に形成した、前記脚骨の基端
部前方に位置する係止部に対して係脱可能に取り付けら
れる支持脚を提供したのである。

【０００８】このような支持脚は、前記脚骨の先端部を
前記シート状展示物の上端部に取り付け、このシート状
展示物の下端部を前記支持台の係止部に係止すると、各
脚骨が前方へ撓められ、この撓み力によりシート状展示
物の重量に抗して後方へ復帰しようと作用するので、シ
ート状展示物が上下にぴんと伸ばされる。また、各脚骨
と支持台とが互いに係脱可能とされているので、組み立
てや分解を容易に行うことができる。

【０００９】前記各脚骨同士は、接続部材を介して前記
先端部と基端部の中間部分でつなぎ合わせた構成とする
ことができる。これにより、各脚骨間に、互いに寄り合
う方向に作用する応力が作用するので、支持脚の安定性
が向上する。

【００１０】また、脚骨を、シート状展示物の重量に抗
する撓み力を備えた複数本のパイプと、これら各パイプ
を連通する弾性体からなる連結帯と、前記各パイプ同士
を長さ方向につないだ状態で係脱可能に固定する固定部
材とから構成し、前記連結帯に、その長さ方向の引っ張
りに対する復元力を付与することとしてもよい。

【００１１】この場合、各パイプ同士を長さ方向に引っ
張ると、パイプと固定部材との結合を解除することがで
きるので、前記分解した各脚骨をさらに小さくまとめる
ことができる。このとき、前記各パイプの内部には弾性
体からなる連結帯が設けられているので、分解してもば
らばらにならず、しかも、この連結帯の引っ張り力が各
パイプに作用するので、脚体の組み立て時には、各パイ
プ同士を簡単につなぎ合わせることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１に示すシート状展示物の支持
脚は、グラスファイバー製の複数本の脚骨１と、これら
の脚骨１を支持する鉄製の支持台２とから構成されてお
り、上下に広げた前記シート状展示物Ｄを背後から支持
している。

【００１３】脚骨１は、やや後方へ傾けた状態で、前記
支持台２の左右両側部に取り付けられており、その先端
部はシート状展示物Ｄの上端部に連結され、前方へ撓め
られている。これら各脚骨１の先端部は、前記シート状
展示物Ｄの上端部に取り付けられた係止軸３と連結され
ており、シート状展示物Ｄの下端部に取り付けられた係
止軸４は、前記支持台２に形成された、前記脚骨１の基
端部前方に位置する係止部５、５に対して係脱可能に取
り付けられている。上端部の係止軸３には、前記脚骨１
の先端部との嵌め入れ孔を形成した連結部材６、６が一
対設けられている。

【００１４】各脚骨１は、前記支持台２に取り付けられ
る長尺なものと、前記シート状展示物Ｄ上端部の連結部
に取り付けられる短尺なものとを各二本ずつ、それぞれ
の端部を突き合わせた状態で、図２に示すように、円形
の接続部材７を介して前記先端部と基端部との中間部分
でつなぎあわせた構成とされており、互いに寄り合う方
向に撓められた状態で支持されている。接続部材７に
は、前記連結部材６と同様に、脚骨１との嵌め入れ孔が
形成されている。

【００１５】これら各脚骨１は、図３（ａ）および図３
（ｂ）に示すように、それぞれ前記シート状展示物Ｄの
重量に抗する撓み力を備えた複数本のグラスファイバー
製パイプ８を、円形の固定部材９に形成された嵌め入れ
孔１０に対し、長さ方向に嵌め入れることにより、係脱
可能に連結されている。各パイプ８と固定部材９との連
結は、パイプ８を長さ方向に引っ張ることにより解除さ
れる。各パイプ８の内部には、ゴム紐からなる連結帯１
１が連通されており、この連結帯１１は、その長さ方向
に引っ張った状態で、パイプ８内部に粘着材を塗布して
形成された固着部１２、１２を脚骨１の両端それぞれに
設けることにより、パイプ８内部に固着されている。

【００１６】支持台２は、図４（ａ）乃至図４（ｃ）に
示すように、前記シート状展示物Ｄの前後方向に伸びる
一対の脚部材１３、１３と、これら脚部材１３、１３間
に渡されるアングル部材１４とからなる。

【００１７】脚部材１３は、頂部から前後それぞれの裾
部へかけてなだらかに湾曲する頂壁１３ａと、この頂壁
１３ａから下方へ垂下する垂直壁１３ｂとを有する。前
記係止部５は、この脚部材１３の前端部の一部を切り欠
いて形成されており、後端部には、頂壁１３ａと垂直壁
１３ｂとを上下に貫通する、前記脚骨１を挿し入れる軸
挿通孔１３ｃが設けられている。

【００１８】アングル部材１４は、扁平な金属板の前後
左右の各端部を下方に屈曲して、上壁１４ａ、前壁１４
ｂ、後壁１４ｃおよび左右の両端壁１４ｄ、１４ｄを形
成してなる。両端壁１４ｄ、１４ｄの下端部は、前後両
壁１４ａ、１４ｂよりも下方に突出しており、前記垂直
壁１３ｂの対向面それぞれに、切り起こしにより形成さ
れた取付部１５、１５に対して係脱可能に嵌め合わせる
ことができるようになっている。

【００１９】この支持脚の使用に際しては、図５に示す
ように、シート状展示物Ｄの上下両端部に設けられた軸
挿通部１６、１６に係止軸３、４をそれぞれ挿通する。
軸挿通部１６には、その左右両端部の一部を切り欠いた
切欠部１７、１７が各一対形成されており、前記上端部
に挿通した係止軸３の連結部６、６を、この切欠部１
７、１７から露出させる。

【００２０】ついで、この連結部６、６の嵌め入れ孔に
前記短尺な脚骨１、１の先端部を嵌め入れ、これら短尺
な脚骨１、１を、支持台２の軸挿通孔１３ｃ、１３ｃに
挿し入れた前記長尺な脚骨１、１と、接続部材７を介し
てつなぎ合わせる。そして、シート状展示物Ｄの下端部
の係止軸４を前記支持台２の係止部５に係止すると、図
６に示すように、各脚骨１が前方へ撓められ、この撓み
力により、各脚骨１はシート状展示物Ｄの重量に抗して
後方へ復帰しようと作用する。

【００２１】この結果、シート状展示物Ｄが上下にぴん
と伸ばされるので、しわを生じることなくきれいにシー
ト状展示物Ｄを展示できる。また、各脚骨１が、互いに
寄り合う方向に撓められた状態で支持されるので、この
寄り合う方向に作用する応力が各脚骨間に作用して、支
持脚の安定性も良くなる。

【００２２】さらに、各脚骨１と支持台２とが互いに係
脱可能とされているので、その組み立てや分解を容易に
行うことができ、設置時や撤去時における作業性が向上
する。また、脚骨１を構成する各パイプ８同士を長さ方
向に引っ張ると、パイプ８と固定部材９との結合が解除
され、前記分解した各脚骨１をさらに小さくまとめるこ
とができる。したがって、これらの脚骨１を、脚部材１
３、１３とアングル部材１４とに分解した支持脚２や、
ロール状に巻回したシート状展示物Ｄとともに図７に示
すようなバッグＢに収納すると、搬送がしやすくなり、
保管時でも場所をとらない。

【００２３】さらに、脚骨１には、弾性体からなる連結
帯１１が設けられているので、折り畳んでも各パイプ８
同士がばらばらにならず、しかも、この連結帯１１が各
パイプ８を長さ方向に引っ張るので、再度組み立てると
きには、各パイプ８同士を簡単につなぎ合わせることが
できる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る支
持脚は、撓み力を備えた脚骨により、上下に広げたシー
ト状展示物をぴんと張った状態できれいに展示できるだ
けでなく、分解や組み立てを容易に行うことができるの
で、設置や撤去の際にも作業しやすく、搬送性や保管性
にも優れたものとなる。

【００２５】また、使用に際しても、設置場所に載置す
るだけでよいので、必要に応じて適宜移動させることが
容易で、しかも、フックや支柱を必要としないので、天
井や床、壁などを傷付けることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る支持脚の使用状態を示す後方よ
りの斜視図

【図２】脚骨の取付状態を示す説明図

【図３】（ａ）は、同上の各パイプ同士の接続状態を示
す一部断面図、（ｂ）は、同斜視図

【図４】（ａ）は、支持台を示す分解斜視図、（ｂ）
は、同縦断面図、（ｃ）は、同側面図

【図５】シート状展示物の使用状態を示す斜視図

【図６】図１の側面図

【図７】バッグに収納した状態を示す同上の斜視図

【符号の説明】

１ 脚骨 ２ 支持台 ３、４ 係止軸 ５ 係止部 ６ 連結部材 ７ 接続部材 ８ パイプ ９ 固定部材 １０ 嵌め入れ孔 １１ 連結帯 １２ 固着部 １３ 脚部材 １３ａ 頂壁 １３ｂ 垂直壁 １３ｃ 軸挿通孔 １４ アングル部材 １４ａ 上壁 １４ｂ 前壁 １４ｃ 後壁 １４ｄ 端壁 １５ 取付部 １６ 軸挿通部 １７ 切欠部 Ｂ バッグ Ｄ シート状展示物

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下に広げたシート状展示物の背後に起
   立し、その重量に抗する撓み力を備えた複数本の脚骨
   と、これらの脚骨を後方へ傾けた状態で支持し、各脚骨
   の基端部が係脱可能に取り付けられる支持台とからな
   り、前記脚骨の先端部が、前記シート状展示物の上端部
   に対して係脱可能に取り付けられ、このシート状展示物
   の下端部が、前記支持台に形成した、前記脚骨の基端部
   前方に位置する係止部に対して係脱可能に取り付けられ
   るシート状展示物の支持脚。
2. 【請求項２】 前記各脚骨同士を、接続部材を介して前
   記先端部と基端部の中間部分でつなぎ合わせた請求項１
   に記載のシート状展示物の支持脚。
3. 【請求項３】 シート状展示物の重量に抗する撓み力を
   備えた複数本のパイプと、これら各パイプを連通する弾
   性体からなる連結帯と、前記各パイプ同士を長さ方向に
   つないだ状態で係脱可能に固定する固定部材とから構成
   され、前記連結帯に、その長さ方向の引っ張りに対する
   復元力を付与した請求項１または２に記載の支持脚の脚
   骨。