JPH10319646A - 静電荷現像用正帯電性液体現像剤 - Google Patents

静電荷現像用正帯電性液体現像剤

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JPH10319646A
JPH10319646A JP9133514A JP13351497A JPH10319646A JP H10319646 A JPH10319646 A JP H10319646A JP 9133514 A JP9133514 A JP 9133514A JP 13351497 A JP13351497 A JP 13351497A JP H10319646 A JPH10319646 A JP H10319646A
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JP
Japan
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liquid developer
metal salt
resin
surfactant
metallic
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Application number
JP9133514A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Ogura
克之 小倉
Yoshihiro Sato
義浩 佐藤
Miyuki Saito
みゆき 斎藤
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カブリの少ない改良された正帯電性カラー液体
現像剤を提供する。 【解決手段】着色剤、バインダー樹脂を主成分とするト
ナー粒子を、高絶縁性で低誘電率の担体液に分散してな
る静電荷現像用液体現像剤において、オクチル酸の金属
塩及び/またはナフテン酸の金属塩とリン酸エステル系
界面活性剤とを含むことを特徴とする。 【効果】トナー粒子が強い正帯電性を保持し、かつ、よ
りカブリの少ない、より高画像濃度を出せる優れた現像
特性を有する静電荷現像用正帯電性液体現像剤を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
等において静電荷像を湿式現像する際に使用される静電
荷現像用液体現像剤に関するものであり、特に正帯電の
液体現像剤に関するものであって、その画像特性の改
良、特にカブリの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスにおいて、一様に帯電
させた光導電体を光照射したり、針電極等により誘電体
上に形成した静電荷像を現像する方式には、大別して乾
式現像法と湿式現像法とがある。
【0003】乾式現像法は、取扱い性及び現像剤の保存
性に関して湿式現像法にはない長所を有している。しか
し、電子スチル写真を印画するビデオプリンタ等に見ら
れる様に、近年高まりつつある高品位画像への要望に応
えるためには、湿式現像法に一歩譲らざるを得ないのが
現状である。
【0004】これに対して、湿式現像法は、着色剤を樹
脂、電荷制御剤等とともに電気絶縁性の液体中に分散さ
せた液体現像剤を使用する方式であり、乾式現像剤に比
べて画像の解像度や階調性に優れている等の特徴を有し
ている。
【0005】しかし、一般に液体現像剤は乾式トナーに
比べて定着性が悪く、定着性を上げるために樹脂の量を
増やすとトナー粒子の帯電が弱くなり、現像時に尾引き
やカブリが発生するという問題点があった。これらの問
題点を解決するため、従来技術においては、現像剤の組
成による方法のほか、現像時に印加するバイアス電圧を
印加する方法など現像条件や装置に関するものもある。
現像剤の組成によるものについては、電荷制御剤として
すでにいくつかの提案がなされている。たとえば、特公
昭51ー47625号公報ではアルキルフェノール型リ
ン酸エステルおよびナフテン酸の併用が述べられている
が負荷電性の特性が特徴で負帯電のみを意図したもので
ある。
【0006】一方、正荷電を有するトナー粒子を含有す
る液体現像剤を得るには、特公昭49ー26594号公
報、特開昭55ー95955号公報、特開平4ー341
50号公報などの技術が公開されている。
【0007】しかし、これらは、各々ジイソブチレンー
マレイン酸共重合体の半アルキルアマイド化物、アルキ
ルアミンカルボン酸、含窒素複素環核にアミノ基を有す
る化合物など窒素含有化合物を電荷制御剤に使うことが
必要とされている。われわれは、電荷制御剤として窒素
含有化合物を用いること無く画像特性の優れた正荷電性
液体現像剤を得る技術を開発した。
【0008】特に、最近では、トナー濃度が比較的高い
範囲での液体現像や、スクイズ工程を有しない現像等、
市場においてカブリの少ない液体現像剤への要求は一段
と高いものとなっている。しかしながら、従来公知の技
術では、画像濃度をほとんど低下させることなく、カブ
リの少ない正帯電の液体現像剤を得ることはほとんど困
難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、画像
特性に優れる、特にカブリの少なく、かつ画像濃度に優
れた、改良された正帯電性液体現像剤を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究したところ、オクチル酸の金属
塩及び/またはナフテン酸の金属塩と、リン酸エステル
系界面活性剤を組み合わせることによって、前記目的が
達成されることを見いだし、本発明に至った。
【0011】即ち、本発明は、着色剤、バインダー樹脂
を主成分とするトナー粒子を高絶縁性で低誘電率の担体
液に分散してなる静電荷現像用液体現像剤において、オ
クチル酸の金属塩及び/またはナフテン酸の金属塩とリ
ン酸エステル系界面活性剤とを含むことを特徴とする静
電荷現像用正帯電性液体現像剤を提供する。
【0012】次に本発明を詳細に説明する。本発明にお
ける着色剤としては、有彩色(カラー)又は無彩色の従
来公知の無機顔料、有機顔料、染料及びこれらの混合物
が使用できる。本発明では、有彩色顔料を用いることが
好ましい。
【0013】前記無機顔料としては、例えばクロム系顔
料、カドミウム系顔料、鉄系顔料、コバルト系顔料、群
青、紺青などが挙げられる。また、有機顔料又は染料と
しては、特に制限はなく、具体例としては、例えば、カ
ーボンブラック、スピリットブラック、オイルブラッ
ク、アルカリブルー、フタロシアニンブルー、オイルブ
ルー、フタロシアニングリーン、ブリリアントカーミン
3B、ブリリアントカーミン6B,バリウムレッド2
B、カルシウムレッド2B、ストロンチウムレッド2
B、マンガンレッド2B、カルシウムレッド52、レー
キレッドC、キナクリドンマゼンタ、ジスアゾイエロー
AAA、ジスアゾイエローAAMX、ジスアゾイエロー
AAOT、ジスアゾイエローAAOA等が挙げられる。
これらは単独でも2種以上の混合物としても用いること
ができる。
【0014】また、着色剤と樹脂との接着力を高めるた
めに、シラン系カップリング剤による処理された無機顔
料、有機顔料も用いることができる。
【0015】本発明において特に効果があるのは、着色
剤として顔料をあらかじめ樹脂と溶融混練したものを使
用した場合である。この樹脂は、バインダー樹脂とは異
なり担体液に不溶の熱可塑性樹脂であって、具体例とし
ては例えば、スチレン系樹脂〔エッソ化学工業(株)製
ピコスチックA75,D75,D100等〕、マレイン酸系樹脂
〔荒川化学工業(株)製 エステルガム M-90,100,
マルキードNo1,2,5,6,8,大日本インキ化学工業(株)製
ベッカサイト 1110,1111,F-231,1120等〕、フェノ
ール系樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製 スーパー
ベッカサイト 1001,3011,ベッカサイト 1100,1123
等〕、エポキシ系樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製
エピクロン 1050,4055,7050,シェル石油社製 エピ
コート 1001,1004,1007等〕、ケトン樹脂〔東亜合成化
学工業(株)製 アロンKR−SS等〕、ブチラール樹
脂〔積水化学工業(株)製 エスレック BM-1,2等〕、
メタクリル系樹脂〔三菱レーヨン(株)製 ダイヤナー
ル BR-64,77,85,90,106等〕、ポリエステル系樹脂等が
挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物とし
ても用いることができる。溶融混練に用いる樹脂は、担
体液を構成する有機溶剤にいずれも不溶で分散性を有す
るものであればよいが、溶解性パラメータが7.5以下
の担体液を用いる場合には、用いる樹脂は溶解性パラメ
ータが8.5以上のものを用いることが好ましい。
【0016】本発明に用いられるバインダー樹脂には、
液体現像剤に用いられる公知のものが特に制限なく用い
られる。例示すればブタジエンゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム、環化ゴム、天然ゴム等のゴム類、スチレン系
樹脂、ビニルトルエン系樹脂、アクリル系樹脂、メタク
リル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等の合成樹脂類、ロジン系
樹脂、水素添加ロジン系樹脂、アマニ油変性アルキド樹
脂等の変性アルキドを含むアルキド樹脂類、ポリテルペ
ン類等の天然樹脂類等が挙げられる。その他、フェノー
ル樹脂類、フェノールホルマリン樹脂等の変性フェノー
ル樹脂類、フタル酸ペンタエリトリット、クマロン−イ
ンデン樹脂類、エステルガム樹脂類、植物油ポリアミド
樹脂類等も有用であるし、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ
プロピレン等の様なハロゲン化炭化水素重合体類、ビニ
ルトルエン−ブタジエン、ブタジエン−イソプレン等の
合成ゴム類、2−エチルエキシルメタクリレート、ラウ
リルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウ
リルアクリレート、オクチルアクリレート等の長鎖アル
キル基を持つアクリル系モノマーの重合体類もしくはそ
れらと他の重合性モノマーとの共重合体類(たとえば、
スチレン−ラウリルメタクリレート共重合体、アクリル
酸−ラウリルメタクリレート共重合体等)、ポリエチレ
ン等のポリオレフィン類、ポリテルペン類、メタクリル
酸メチルとアクリル酸エステルまたはメタクリル酸の長
鎖アルキルエステルとからなる電気絶縁性担体液に可溶
性のアクリル系共重合体(例えば特公昭49ー20996号公報
に記載されたもの。)等も使用できる。
【0017】特に好適なバインダー樹脂としては、水に
分散せず、高絶縁性、低誘電率の担体液に分散し、一分
子中に担体液に可溶な部分と不溶な部分とを両方有す
る、両親媒性の非水分散樹脂が挙げられる。この様な樹
脂としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0018】電気絶縁性担体液に可溶性のビニル重合体
よりなる第1の高分子鎖と担体液に不溶性のビニル重合
体よりなる第2の高分子鎖とがウレタン結合を介して相
互に結合した分子構造を有し、分子全体として上記担体
液に不溶性の非ゲル状のグラフト重合体(例えば特開昭
58ー122557号公報に記載されたもの)。架橋反応性官能
基を分子側鎖中に有するビニル重合体を架橋してなる電
気絶縁性担体液に可溶性の架橋重合体と、分子中に塩基
性窒素原子またはアミド基を有するビニルモノマーと酢
酸ビニルモノマーを共重合してなる担体液に不溶性のビ
ニル共重合体からなり、担体液に不溶性のビニル共重合
体は、前記架橋重合体に捕捉されてなる重合体(例えば
特開昭63ー208866号公報に記載されたもの)。特開平3-9
369号公 報に記載されたメタクリル酸メチルとアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸の長鎖アクリルエステ
ルとからなる電気絶縁性媒体液に可溶性アクリル系共重
合体と、分子中に塩基性窒素原子またはアミド基を有す
るビニルモノマーと酢酸ビニルモノマーを共重合してな
る前記絶縁性担体液に不溶性のビニル共重合体からな
り、前記電気絶縁性担体液に不溶性のビニル重合体は分
子鎖相互のもつれによって前記重合体に捕捉されてなる
連鎖重合体等が挙げられる。
【0019】本発明においては使用される、ナフテン酸
の金属塩及び/またはオクチル酸の金属塩は、従来から
液体現像剤の電荷制御剤としてよく知られており、本発
明においても、それらの中から単独あるいは2種以上を
混合して使用できる。具体的には、ナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸銅、ナフテン酸
鉄、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸ジルコニウム、
ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸クロム、オクチル酸コバル
ト、オクチル酸銅、オクチル酸鉄、オクチル酸ジルコニ
ウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸クロム等が挙げられ
る。これら電荷制御剤の中で、特に、金属塩の金属元素
が亜鉛、銅、ジルコニウム、コバルト、クロムであるも
のが、本発明の目的を達成するためには特に好適であ
る。
【0020】本発明におけるリン酸エステル系界面活性
剤は、アニオン活性剤の一種として知られているもの
は、いずれも使用できる。例えば、下記構造式で示され
るようなリン酸モノエステル、ジエステル及びトリエス
テルなどはいずれも使用できる。下記式中、nは酸化エ
チレンの平均付加モル数2〜10、Rは炭素数8〜30
のアルキル基または、アルキルフェノール基を表す。
【0021】本発明においては、リン酸エステル系界面
活性剤はリン酸(金属塩でない)の形をとったものが有
効であり、金属塩の形、たとえばNa塩のものは不均一な
カブリの発生を招きやすいので、好ましくない。
【0022】
【化1】モノエステル
【0023】
【化2】ジエステル
【0024】
【化3】トリエステル
【0025】このようなリン酸エステル系界面活性剤
は、たとえば、フォスファノールML-220,RD-510Y,RS-41
0,RS-610,RS-710,RL-210,RL-310,RB-410,RE-410,PE-51
0,RE-610,RA-600,RM-410,RM-510,RM-710,LP-700などの
商品名で東邦化学工業社より市販されており、上記モノ
エステルとジエステル及び微量のトリエステルからなる
ものが好適に使用することができる。
【0026】本発明においては、液体現像剤中のトナー
粒子を安定かつ一様に正に帯電させるためには公知の手
法が採用できる。簡便には例えば、前記オクチル酸の金
属塩及び/またはナフテン酸の金属塩と前記リン酸エス
テル系界面活性剤の比率を、質量比(前者:後者)で1
対1以上10:1未満の範囲とするのが望ましい。前記
リン酸エステル系界面活性剤の質量1に対してオクチル
酸の金属塩及び/またはナフテン酸の金属塩質量が1未
満になるとトナー粒子の正帯電性が弱くなり、カブリが
発生しやすくなる。また、オクチル酸の金属塩及び/ま
たはナフテン酸の金属塩の質量が10以上になると前記
リン酸エステル系界面活性剤の量が相対的に少なくな
り、カブリが発生しやすくなる。
【0027】また、オクチル酸の金属塩及び/またはナ
フテン酸の金属塩とリン酸エステル系界面活性剤の合計
としての添加量は、液体現像剤が正帯電性となるに十分
な量であれば良いが、着色剤100質量部に対し2〜2
0質量部が望ましい。
【0028】本発明の目的は、オクチル酸の金属塩及び
/またはナフテン酸の金属塩単独あるいは前記リン酸エ
ステル系界面活性剤単独の添加では、達成することがで
きず、前記2つの化合物を、前記した正帯電性となる割
合で必要量添加することではじめて達成することができ
るのである。たとえば、前記リン酸エステル系界面活性
剤を単独で添加した場合は、明瞭な正帯電を付与するこ
とが困難で、本発明の目的を達成することはできない。
【0029】本発明において、オクチル酸の金属塩及び
/またはナフテン酸の金属塩と、リン酸エステル系界面
活性剤のほかに、本発明の効果が失われない範囲で、従
来公知の正帯電用の電荷制御剤も併用することもできる
が、スルホン酸金属塩のような負帯電用の電荷制御剤は
本発明の液体現像剤の帯電極性を弱める方向に働くた
め、併用は望ましくない。
【0030】本発明が、良好な結果を示す理由について
は明確にはなっていないが、正帯電トナー粒子のごく近
傍にリン酸エステル系界面活性剤が存在することによっ
て、トナー粒子が静電記録紙等に付着するのを妨げるも
のと推察される。
【0031】高絶縁性で、低誘電率の担体液としては、
例えば、ヘキサン、ペンタン、オクタン、ノナン、デカ
ン、ウンデカン、ドデカンのほか、エクソン化学社製の
アイソパーG,H,K,L,M等の商品名の下に販売さ
れている有機溶剤のように溶解性パラメータが7.5以
下で、100〜250℃の温度範囲に沸点を有し、かつ
109Ω・cm以上の体積比抵抗と3未満の誘電率を有
する各種の脂肪族炭化水素溶剤を使用することができ
る。
【0032】本発明の液体現像剤を得るには、上記着色
剤と、バインダー樹脂と、前記オクチル酸の金属塩及び
/またはナフテン酸の金属塩と前記リン酸エステル系界
面活性剤とをそれらが所定濃度となる様に、電気絶縁性
担体液に均一になる様に分散させれば得られるが、たと
えばボールミル,サンドミル,アトライター等でこれら
を均一に練肉して濃縮トナーを作り、さらに電気絶縁性
担体液で希釈して現像剤を調製するような、二段法で調
製するのが好ましい。
【0033】本発明では、例えば帯電、画像露光により
形成された支持体上の静電潜像を当該液体現像剤で現像
した後、定着することにより、可視化することができ
る。即ち、本発明の液体現像剤を用いて静電荷を現像す
るには、従来知られている有機光導電体もしくは無機光
導電体からなる感光基材に静電荷像を形成した後、本発
明の液体現像剤を接触させ、さらに余剰現像液を除去す
ることによって静電潜像に対応した画像を得ることがで
きる。さらに、こうして得られたトナー画像は、紙、あ
るいはプラスチックフィルムなどの記録媒体を介して、
トナーと逆極性の一様帯電を行うことによって、各種記
録媒体(紙、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムなど)へ静電的に転写することが
できる。
【0034】上記有機光導体としては、周知の有機光導
電体が挙げられ、例えば、ポリ-N-ビニルカルバゾール
系電子写真感光基材、有機顔料を主成分とする電子写真
感光基材、染料と樹脂からなる共晶錯体を主体とする電
子写真感光基材などが例示される。無機光導電体として
は、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫化カドミウム、セレン、セ
レン-テルル-砒素合金、非晶質珪素系材料などが挙げら
れる。
【0035】また、本発明の液体現像剤は感光体以外の
手段、例えば、静電記録法の様に、帯電針電極やイオン
フローヘッドなどにより、静電記録紙やイオンフロー用
記録紙、フッ素処理したプラスチックフィルムのような
離型性を有する誘電体上に生じさせた静電潜像を現像す
る際にも適用できる。この場合の現像は、上記感光体の
場合と同様にして実施することができる。さらに、得ら
れた画像を紙やプラスチックシートに転写するには、上
記感光体の場合と同様に静電的方法により実施すること
ができる。あるいは、上記静電潜像を形成させた誘電体
が、離型性を有する誘電体の場合は、現像画像を上記転
写媒体を介して加熱により熱転写させることもできる。
【0036】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の実施
令に限定されるものではない。以下の実施例中、「部」
および「%」はおのおの「質量部」及び、「質量%」で
表わす。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明は次の実施形態を含む。 (1)着色剤、バインダー樹脂を主成分とするトナー粒
子を高絶縁性で低誘電率の担体液に分散してなる静電荷
現像用液体現像剤において、オクチル酸の金属塩及び/
またはナフテン酸の金属塩と、リン酸エステル系界面活
性剤とを含むことを特徴とする静電荷現像用正帯電性液
体現像剤。
【0038】(2)前記(1) のリン酸エステル系界
面活性剤が、金属塩でないモノおよび/又はジエステル
界面活性剤である請求項1記載の正帯電性液体現像剤。
【0039】(3)前記(1)の前記オクチル酸の金属
塩及び/またはナフテン酸の金属塩と、リン酸エステル
系界面活性剤との比率が質量比(前者:後者)で1:1
〜10:1の範囲にある請求項1の正帯電性液体現像
剤。
【0040】(4)前記着色剤が、少なくとも染料及び
/または顔料と、樹脂とを溶融混練したものであり、溶
融混練時に使用する樹脂が前記担体液に不溶である
(1)記載の正帯電性液体現像剤。
【0041】次に、本発明の好適な実施態様を示す。着
色剤は、有彩色顔料と溶解性パラメータ8.5以上の樹
脂を加圧ニーダーで溶融混練し、これをさらに粉砕機で
微粉末として使用する。樹脂は、バインダー樹脂とは異
なる、担体液に不溶な熱可塑性樹脂が望ましい。当該顔
料と樹脂との質量比は両者合計を100質量部としたと
き当該顔料15〜40質量部、当該樹脂85〜60質量
部とすることが望ましい。
【0042】液体現像剤を調整する方法の概要を以下に
記す。 着色剤 100質量部 非水分散樹脂 50〜100質量部 オクチル酸の金属塩及び/またはナフテン酸の金属塩 1〜10質量部 リン酸エステル系界面活性剤 1〜10質量部 担体液(溶解性パラメータ7.5以下の脂肪族炭化水素溶剤) 150〜250質量部 尚、上記金属塩と界面活性剤は、全体として正帯電性と
なる割合で併用する。上記混合物をボールミルなどで均
一に混合練肉し、この分散液を5〜15質量%になるよ
うに担体液で希釈し,液体濃縮トナーとする。さらに、
実使用時に、この液体濃縮トナーを担体液で15〜30
倍前後に希釈し、正帯電性液体現像剤とする。
【0043】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。以下の実施例中、「部」
及び「%」は各々『質量部』及び『質量%』を表わす。
【0044】樹脂の合成例 両親媒性非水分散樹脂A メタクリル酸ラウリル80部、 メタクリル酸-2-ヒドロキ
シエチル10部、N-ビニルピロリドン10部、ジ-tert-ブチ
ルパーオキサイド1部及び「アイソパーG」 148部を、
窒素ガス導入管、撹拌機及び冷却管のついた反応容器に
仕込み、 130℃に昇温し、 130℃にて6時間反応させて
第1重合体の溶液を得た。次に、温度を80℃に下げ、イ
ソホロンジイソシアネート1.5部、ジラウリル酸ジ-n-ブ
チル錫0.03部及び「アイソパーG」2部を加え、80℃で
2時間ウレタン化反応を行なった後、冷却し、不揮発分
38.2%の架橋重合体の溶液を得た。
【0045】前記架橋重合体 131部を前記と同様の反応
容器に仕込み、さらに「アイソパーG」 152部、メタク
リル酸-2-ヒドロキシプロピル 5部、メタクリル酸メチ
ル40部、フタル酸-β-メタクリロキシエチル5部及びア
ゾビスイソブチロニトリル0.25部加えた後、80℃に昇温
し、80℃で6時間反応させて、不揮発分30%の白色の定
着剤分散液を得た。このようにして得られた非水分散樹
脂を「非水分散樹脂A」とした。
【0046】 (着色剤の製造例) (着色剤1) フジレッド5R−769 〔富士色素(株)製〕 20質量部 エピコート1004 〔シェル石油社製〕 54質量部 エピコート1007 〔シェル石油社製〕 26質量部 上記配合組成を持つ混合物を加圧ニーダーを用いて溶融
混練し、得られた着色練肉物をロートプレックスを用い
て粉砕し、1mmパスのマゼンタ色の着色剤微粉末を得
た。このようにして得られた着色剤を着色剤1とする。
【0047】(着色剤2)上記(着色剤1)において、
フジレッド5R−769の代わりに、ファーストゲンブ
ルーTGR(大日本インキ化学工業(株)製)を使用し
た以外は、前記着色剤1の製造例と同様な方法で製造
し、シアン色の着色剤微粉末を得た。このようにして得
られた着色剤を着色剤2とする。
【0048】 実施例1 前記着色剤1 100質量部 前記非水分散樹脂A 81質量部 オクチル酸ジルコニウム (大日本インキ化学工業(株)製 不揮発分50%) 10質量部 フォスファノールRB−410(東邦化学工業(株)製リン酸エステル) 3質量部 アイソパーG(エクソン化学社製) 175質量部 上記混合物をボールミルで均一に混合練肉した。この分
散液を不揮発分が10質量%になるようにアイソパーG
で希釈し、液体濃縮トナーを調製した。このようにして
調製された液体濃縮トナーを液体現像剤として使用する
には、この液体濃縮トナーをアイソパーGで20倍に希
釈して用いる。
【0049】実施例2 実施例1で、オクチル酸ジルコニウムの代わりにナフテ
ン酸クロムを2.0質量部 、フォスファノールRB-4
10を1.5質量部使用した以外は、実施例1と同様に
して液体濃縮トナーと現像剤を調製した。
【0050】 実施例3 前記着色剤2 100質量部 前記非水分散樹脂A 67質量部 ナフテン酸ジルコニウム 〔大日本インキ化学工業(株)製 不揮発分40%〕 10質量部 フォスファノールRS−410(東邦化学工業(株)社製リン酸エステル) 2質量部 アイソパーG(エクソン化学社製) 237質量部 実施例1と同様にして上記混合物をボールミルで均一に
混合練肉して液体濃縮トナーを調製した。さらに、実施
例1と同様にしてアイソパーGで希釈して、現像液を調
製した。
【0051】(比較例1)実施例1において、オクチル
酸ジルコニウムを除いた以外は、実施例1と同様にして
液体濃縮トナーと現像剤を調製した。
【0052】(比較例2)実施例1において、フォスフ
ァノールRB−410を除いた以外は、実施例1と同様
にして液体濃縮トナーと現像剤を調製した。
【0053】(比較例3)実施例1において、オクチル
酸ジルコニウムの代わりに、ステアリン酸アルミニウム
塩4質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして液体
濃縮トナーと現像剤を調製した。
【0054】(液体現像剤の評価)上記実施例及び比較
例で得た液体現像剤の評価結果を表1に示した。ゼ−タ
電位及びトナ−粒子の帯電極性は、PENKEM社製ゼータ電
位測定装置501型を用いて測定した。
【0055】現像は、松下電送製静電プロッターEP-101
を用いて、静電記録紙上に形成した静電潜像を、接地さ
れた現像電極の存在下で、20秒間現像剤に接触させるこ
とによって行なった。画像濃度は、画像濃度計マクベス
RD-918を用いて測定した。カブリは、非画像部の画像濃
度の値から液体現像剤に未接触の静電記録紙の画像濃度
値を引いた値とした。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明の液体現像剤は、オクチル酸の金属塩及び/または
ナフテン酸の金属塩と、リン酸エステル系界面活性剤と
を含むのでトナー粒子が強い正帯電を保持し、かつ、よ
りカブリの少ない、より高画像濃度を出せる優れた現像
特性を持つ静電荷現像用正帯電性液体現像剤を得ること
ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤、バインダー樹脂を主成分とする
    トナー粒子を高絶縁性で低誘電率の担体液に分散してな
    る静電荷現像用液体現像剤において、オクチル酸の金属
    塩及び/またはナフテン酸の金属塩と、リン酸エステル
    系界面活性剤とを含むことを特徴とする静電荷現像用正
    帯電性液体現像剤。
  2. 【請求項2】 請求項1のリン酸エステル系界面活性剤
    が金属塩でないモノおよび/又はジエステル界面活性剤
    である請求項1記載の正帯電性液体現像剤。
  3. 【請求項3】 前記オクチル酸の金属塩及び/またはナ
    フテン酸の金属塩と、リン酸エステル系界面活性剤との
    比率が質量比(前者:後者)で1:1〜10:1の範囲
    にある請求項1の正帯電性液体現像剤。
  4. 【請求項4】 前記着色剤が、少なくとも染料及び/ま
    たは顔料と、樹脂とを溶融混練したものであり、溶融混
    練時に使用する樹脂が前記担体液に不溶である請求項1
    記載の正帯電性液体現像剤。 【0000】
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