JPH10319309A - カメラの測距装置 - Google Patents

カメラの測距装置

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JPH10319309A
JPH10319309A JP12756097A JP12756097A JPH10319309A JP H10319309 A JPH10319309 A JP H10319309A JP 12756097 A JP12756097 A JP 12756097A JP 12756097 A JP12756097 A JP 12756097A JP H10319309 A JPH10319309 A JP H10319309A
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JP
Japan
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distance
camera
subject
distance measuring
distance measurement
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JP12756097A
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English (en)
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Koichi Nakada
康一 中田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ファインダ光軸と測距光学系光軸の不一致によ
って生じる視野差のために撮影者の意図しない不適当な
領域に存在する被写体への誤測距が防止可能なカメラの
測距装置を提供する。 【解決手段】光軸の異なるファインダ14とラインセン
サ持つAFモジュール内蔵の測距部2とを有するカメラ
において、画面サイズ切り換えやズーミングに連動して
ファインダ14の視野角が切り換えられた場合、光軸の
ずれにより測距エリアの端部が視野画面からはみ出すこ
とがある。そのような状態をCPU1により検出し、そ
のときの測距データを撮影レンズ駆動用として採用しな
いように制御し、撮影対象としている被写体のみを正確
に測距する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラの測距装置に
関し、ファインダ光学系と測距光学系の光軸が一致して
いない構造をもつカメラの測距装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラ等の撮像装置においては、
ファインダ光学系と測距光学系との光軸が異なることに
より生じる視差、即ち、パララックスが存在する場合、
また、撮影レンズの焦点距離が可変であるカメラであっ
て、可変撮影光学系の焦点距離変更動作に連動して視野
倍率を変更する変倍ファインダを有するものにおいて、
そのファインダ視野内での測距光学系視野が、ファイン
ダの変倍動作により変化してしまう場合など、ファイン
ダ視野内における測距範囲が不適当になってしまうこと
が問題とされており、上記問題を解決するための種々の
技術が提案されている。
【0003】例えば、特開平2−293833号公報で
は、可変撮影光学系の焦点距離と被写体距離に応じて測
距用ラインセンサの有効範囲を切換え、さらに、マクロ
撮影時には通常撮影時とは別のマクロ用ラインセンサを
使用することにより、パララックスや変倍ファインダ視
野内における測距視野範囲が不適正な範囲になることを
解決する技術が開示されている。
【0004】また、特開平8−292365号公報で
は、マクロ撮影モード時に測距用ラインセンサの有効範
囲を、マクロ撮影の距離範囲でフォーカスフレーム内の
範囲に設定して、マクロ撮影時のパララックスを補正す
る技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平2−293833号公報に開示された技術では、可
変撮影光学系の焦点距離と被写体距離によるファインダ
と測距部のパララックスや変倍ファインダ視野内におけ
る不適正な測距視野範囲を補正する手段については述べ
られているが、パノラマ撮影やハイビジョン撮影の画面
サイズ切換ができるカメラにおいて、ファインダ画面が
切換られた場合の補正については述べられていない。ま
た、マクロ撮影時の上下方向のパララックスがある場合
にはマクロ撮影用のラインセンサを設ける必要があっ
た。
【0006】また、上記特開平8−292365号公報
に開示された技術では、通常撮影とマクロ撮影を切換え
るスイッチが必要であり、上記切換を行わずに近距離か
ら遠距離まで撮影が行える全域マクロ仕様のカメラに適
用した場合は、パララックスの補正ができなかった。
【0007】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、焦点距離可変のカメラのみならず撮影画面切換機能
を有するカメラ等であって、ファインダ光軸と測距光学
系の光軸が一致しないカメラにおいて、マクロ撮影時測
距用ラインセンサやマクロ撮影切換スイッチを設けるこ
となく、ファインダ光軸と測距光学系光軸の不一致によ
って生じる視野差のために撮影者の意図しない不適当な
領域に存在する被写体を測距することを防止できるカメ
ラの測距装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載のカメラの測距装置は、撮影
画面内の複数の領域を測距可能な測距手段と、上記測距
手段の光学系とは異なる光軸を有する被写体観察手段と
を具備し、撮影画面を切換可能なカメラの測距装置にお
いて、上記カメラの撮影レンズの焦点距離情報と撮影画
面情報と複数の被写体距離情報に基づいて、上記複数の
被写体距離情報の中から撮影に用いる情報を選択する選
択手段を具備する。上記カメラの測距装置においては、
複数の被写体距離情報の中から選択手段により撮影に用
いる被写体距離情報が選択される。
【0009】本発明の請求項2記載のカメラの測距装置
は、請求項1記載のカメラの測距装置において、上記測
距手段の複数の測距領域の並び方向の延長線が上記被写
体観察手段の略画面中央を通るように配置されている。
【0010】本発明の請求項3記載のカメラの測距装置
は、被写体像を一対の光学系を介して一列上に配置され
た多数の受光素子を有する一対のラインセンサ上に結像
させ、その結像した被写体像のずれ量から被写体距離を
求める複数方向の領域を測距可能な測距手段と、上記測
距手段の光学系とは異なる光軸を有する被写体観察手段
とを有する撮影画面を切換可能なカメラの測距装置にお
いて、上記カメラの撮影レンズ焦点距離情報と撮影画面
情報と複数の被写体距離情報とから、上記複数方向の測
距領域での被写体距離情報のそれぞれが有効であるかど
うかを判定する判定手段と、上記ラインセンサを構成す
る多数の受光素子の中から結像された被写体像の積分中
に所定の出力である受光素子の出力をモニタするモニタ
手段と、上記所定の出力である受光素子を抽出する範囲
を選択するモニタ範囲選択手段とを具備する。上記カメ
ラの測距装置においては、第1の積分に基づく被写体距
離情報の上記判定手段の判定結果に基づいて、所定の出
力である受光素子を抽出する範囲を切り換えて第2の積
分を行い、この第2の積分に基づいて撮影に用いる被写
体距離情報を演算する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の実施の
形態を説明する。本発明の第1の実施の形態の測距装置
を内蔵するカメラについて詳細に説明するに先立って、
本カメラの測距装置の概要から説明する。上記カメラの
測距装置は、測距光学系とは異なる光軸を有する被写体
を観察するためのファインダ光学系と、上記ファインダ
光学系と共にカメラに搭載され、被写体の像を一対の光
学系を介して複数の受光範囲に分割可能な一対のライン
センサ上にそれぞれ結像させ、複数に分割された受光範
囲毎に結像された被写体像のずれ量から被写体までの距
離を演算する複数範囲を測距可能な測距部と、撮影時の
可変撮影光学系の焦点距離情報と撮影画面情報と被写体
距離情報に基づいて、撮影画面範囲外、及び、撮影画面
内であっても不適当である範囲の領域の被写体の測距情
報以外の測距情報のみを有効であると判定する判定制御
部と、上記不適当な範囲以外の距離データの中から撮影
に用いる距離データを選択する選択制御部とを具備して
いる。
【0012】上記測距装置においては、測距部により、
被写体像を一対の光学系を介して一対のラインセンサ上
にそれぞれ結像させ、複数に分割された受光範囲毎に一
対のラインセンサの対応する受光範囲に結像された像の
ずれ量から複数の測距領域の被写体距離が演算される。
その被写体距離と、可変撮影光学系の焦点距離情報と、
撮影画面情報とに基づいて、撮影画面外の測距領域と、
撮影画面内の不適当な測距領域が削除され、残った測距
領域より最至近選択等の所定のアルゴリズムによって、
撮影に用いる距離データが選択制御部により選択され
る。その選択された距離データに基づいて撮影レンズの
駆動が実行される。
【0013】以下、本発明の第1の実施の形態に係る測
距装置を内蔵するカメラについて詳細に説明する。図1
は、本実施の形態のカメラの構成を示すブロック図であ
る。本カメラは、カメラのシーケンス制御及び演算等を
行うコントローラであって、被写体距離情報が有効であ
るかどうかを判定する判定手段や撮影に用いる被写体距
離情報を選択する選択手段や測距部の受光素子を抽出す
る範囲を選択するモニタ範囲選択手段等を内蔵するCP
U1と、被写体距離測定用パッシブ方式AFモジュール
内蔵の測距手段である測距部2と、被写体の明るさを測
定するセンサである測光部3と、被写体観察手段である
ファインダ14と、撮影レンズ10のズーミングと連動
してファインダ14の視野倍率の変更を行うファインダ
駆動部4と、撮影レンズ10と、測距によって得られた
距離データに基づいたピント合わせの駆動やズーミング
駆動等の撮影レンズ10の駆動を行う撮影レンズ駆動部
5と、測光部3で得られた被写体の明るさを基に適正露
光で撮影を行うシャッタ駆動部7と、フィルム巻き上げ
で巻戻しを行うフィルム給送部8と、LCDなどを使用
し、カメラのモード、コマ数表示等を行う表示部6と、
CPU1に接続された1stレリーズスイッチ1Rおよ
び2ndレリーズスイッチ2Rからなる2段式レリーズ
スイッチ15を有している。但し、本実施の形態のカメ
ラとしては、上記構成に限定されるわけではなく、他の
ブロックが追加されたカメラであってもよい。
【0014】また、図2は、本実施の形態のカメラの外
観の正面図である。カメラ本体1の上部にレリーズスイ
ッチ15が配設され、前面には、撮影レンズ10と、フ
ァインダ光軸O1 を持つファインダ14と、測距部2の
AFモジュール光軸(以下、測距光軸と記載する)O2
を持つ一対の測距用結像レンズ11a,11bが配設さ
れている。なお、上記ファインダ光軸O1 と測距光軸O
2 とを結ぶ線は、カメラ本体1の水平方向の面、すなわ
ち、給送方向に沿う面とほぼ平行になっている。結像レ
ンズ11a,11bの後方に配置される後述のラインセ
ンサ12a,12bのライン方向Ds1も上記ファインダ
光軸O1 を通るものとする。
【0015】図3は、測距部2のブロック構成図であ
る。上記測距部2は、上述したようにパッシブ方式のA
Fモジュールが内蔵されており、所定の基線長だけ離し
て配置した一対の結像レンズ11a,11b、および、
上記結像レンズを介して被写体像が結像される、多数の
受光素子からなる一対のラインセンサ12a,12bを
備え、さらに、センサ出力モニタ用のモニタ手段であっ
て、上記ラインセンサの積分制御や積分データの量子化
データの演算等を行う制御回路13を備えており、該制
御回路13の出力はCPU1に取り込まれる。なお、上
記結像レンズ11a,11bの光軸の中心が測距光軸O
2 となる。
【0016】上記ラインセンサ12a,12bは、それ
ぞれ単一列上に配置される多数の受光素子からなり、そ
れぞれの受光素子であるセンサユニットが図4(A),
(B),(C)のように列方向に複数の受光領域A1 〜
A5 、または、B1 〜B5 、または、C1 〜C5 のよう
に分割することが可能である。それぞれラインセンサ1
2a,12bの互いのラインセンサの対応する受光領域
での被写体像の像ずれ量を求めることにより複数方向の
測距を行うことができる。
【0017】上述の構成を有する本実施の形態のカメラ
では、測距光軸O2 とファインダ光軸O1 とが異なって
いることから、図5のカメラの平面図上のファインダお
よび測距光路図のようにファインダ視野とAFモジュー
ルのラインセンサ視野とのずれ、いわゆる、パララック
スが生じる。なお、図5において角度θtは、撮影レン
ズ10がテレ位置にあるときのファインダ視野角を示
し、角度θwは、撮影レンズ10がワイド位置にあると
きのファインダ視野角を示し、角度θsrは、ラインセ
ンサ12a,12bの視野角を示し、このラインセンサ
視野角度θsrが測距エリアに対応する。
【0018】図6は、ファインダ視野画面と測距エリア
の関係を示す図であって、図6(A)は、テレ状態にて
距離L1 の被写体に対するファインダ視野角θtのとき
のファインダ視野画面21に対して、ラインセンサ視野
角θsrの測距エリア24が入っている状態を示す。ま
た、図6(B)は、ワイド状態にて距離L2 の被写体に
対するファインダ視野角θwのときのファインダ画面視
野22に対して、ラインセンサ視野角θsrの測距エリ
ア25が入っている状態を示す。また、図6(C)は、
テレ状態にて距離L2 の被写体に対して、ファインダ視
野角θtのときのファインダ視野画面23に対するライ
ンセンサ視野角θsrの測距エリア26の領域を示して
いる。この場合、上記測距エリア26の斜線で示す端部
26aが画面23からはみ出しており、端部26aの測
距ポイント部分により撮影者の意図しない被写体を測距
してしまう可能性があった。
【0019】そこで、本第1の実施の形態のカメラで
は、上記図6(C)のようにファインダ視野外にはみ出
した不適当な範囲の測距ポイントの測距データを選択し
ないように処理され、適正な測距データのみを採用し、
その測距データに基づいて撮影レンズのフォーカス駆動
するようにしている。
【0020】以下、図7〜図10のフローチャートを参
照して本第1の実施の形態のカメラの処理動作を説明す
る。図7は、カメラのパワースイッチのオンに伴い処理
が実行される撮影シーケンスのメインルーチンのフロー
チャートを示す。まず、CPU1は表示部6を点灯させ
(ステップS1)、表示用タイマのカウントを開始する
(ステップS2)。
【0021】なお、上記表示用タイマは、カメラの各種
スイッチ入力などの操作が行われた場合にカウントを再
び開始して表示を続行し、何も操作が行われない場合は
エネルギーの消費を抑えるために表示部6の表示をオフ
するためのタイマである。
【0022】そこで、ステップS3でスイッチ入力等の
操作が行われたかの判定を行って、操作がなかった場
合、ステップS4に進み、タイマのカウントが終了をチ
ェックする。カウント終了の場合、CPU1は表示部6
の表示をオフし(ステップS5)、スタンバイモード状
態となり(ステップS6)、スイッチ入力等が行われる
とステップS1に戻り、表示部6が再点灯される。一
方、カウントが終了していない場合、パワースイッチの
オンオフ状態を判定する(ステップS11)。パワース
イッチオフの場合には、本ルーチンを終了する。パワー
スイッチオンの場合、ステップS3に戻る。
【0023】上記ステップS3にてスイッチ入力等の操
作が検出された場合、その操作されたスイッチがレリー
ズスイッチ15であるかどうかを判定し(ステップS
7)、レリーズスイッチ15以外が操作された場合、他
のスイッチ処理を行う(ステップS10)。レリーズス
イッチ15が操作されたのであれば、後述するサブルー
チンのレリーズ処理を行う(ステップS8)。上記レリ
ーズ処理が終了すると表示用タイマのカウントを再び開
始し(ステップS9)、上記ステップS4に進む。
【0024】次に、図8のフローチャートを参照して、
上記メインルーチンのステップS8(図7参照)にて呼
び出されるサブルーチンのレリーズ処理の動作を説明す
る。まず、1stレリーズスイッチ1Rが押されると測
光部3により測光を行い(ステップS20)、露出演算
が行われる(ステップS21)。続いて、測距部2にて
AF積分を行い、各測距ポイントの測距データを求める
(ステップS22)。すなわち、ラインセンサ12a,
12b中のモニタしているセンサ出力に応じて積分を制
御し、積分終了後、ラインセンサ12a,12bの各セ
ンサの積分量に基づき、各測距ポイントの範囲毎に相関
演算を行って、ずれ量を求め、各測距ポイントの測距デ
ータを求める。
【0025】さらに、後述するサブルーチンの測距演算
処理(図9参照)により最終的な距離データを決定する
(ステップS23)。このとき、測距不能や至近エラー
等のエラーフラグがセットされているかどうかの判定を
行う(ステップS24)。上記エラーフラグがセットさ
れている場合、1stレリーズスイッチ1Rが押されて
いる間、表示用LEDを点滅させる等の警告を行う(ス
テップS30,ステップS31)。1stレリーズスイ
ッチ1Rのオフで本サブルーチンを終了する。一方、上
記エラーフラグがセットされていなかった場合には、2
ndレリーズスイッチ2Rの入力待ちの状態となる(ス
テップS25)。
【0026】そこで、2ndレリーズ2Rが押される
と、上記露出演算および測距演算結果に基づいてピント
調節のためのレンズ駆動とシャッタ駆動が行われる(ス
テップS26,ステップS27)。その後、フィルム巻
き上げを行って(ステップS28)、本サブルーチンの
レリーズ処理を終了する。なお、上記ステップS30の
警告中、および、ステップS25の2ndレリーズスイ
ッチ2Rの入力待ちの間に1stレリーズスイッチ1R
が離された場合には、そのまま本サブルーチンのレリー
ズ処理が終了する(ステップS31、ステップS2
9)。
【0027】次に、上記図8のレリーズ処理中のステッ
プS23にて呼び出されるサブルーチンの測距演算処理
の動作を図9のフローチャートを参照して説明する。ま
ず、CPU1は、撮影レンズ駆動部5より撮影レンズ1
0の焦点距離を読み出し(ステップS40)、さらに、
ファインダ駆動部4あるいはシャッタ駆動部7より撮影
画面情報を読み出す(ステップS41)。
【0028】上記撮影画面情報とは、例えば、縦横比を
9対16とするハイビジョン画面と縦横比を2対3とす
る標準画面など設定された撮影画面のサイズを与える撮
影画面サイズ情報である。また、撮影画面情報を読み出
す処理を行うのは、例えば、ハイビジョン画面と標準画
面とを切り換えた場合、画面の縦横比が変わり、ファイ
ンダの水平方向の視野角が変更されるため、図11のフ
ァインダ視野画面に示すように、ハイビジョン画面31
では全てファインダ視野画面内にあったラインセンサ視
野の測距エリア33が、標準画面32では一部ファイン
ダ視野画面外に出てしまうという場合を検出するためで
ある。
【0029】図9のフローチャートに戻って、上述の撮
影レンズの焦点距離、撮影画面情報の読み出した後、ラ
インセンサの測距ポイント数に応じたループカウンタが
セットされ(ステップS42)、最初に読み出す測距ポ
イントの測距データが格納されている測距部2内のアド
レスがセットされる(ステップS43)。
【0030】そして、CPU1は、上記セットされたア
ドレスに格納されている測距データを読み出し(ステッ
プS44)、信頼性演算を行う(ステップS45)。こ
の信頼性演算は、従来、いろいろな方法が提案されてい
るが、基本的には相関関数の傾きによってコントラスト
の大小を評価する等の方法を用いる。この信頼性判定で
どの方法を適用するかは問題にしないが、少なくとも何
らかの方法で信頼性演算を行う。
【0031】次いで、上記信頼性演算の結果を判定する
(ステップS46)。この判定は、CPU1内のROM
あるいはEEPROM等の不揮発性メモリに記憶されて
いる判定値と上記演算結果とを比較して行われる。そし
て、信頼性無と判定された場合にはデフォルトフラグを
セットし(ステップS52)、ステップS50に進む。
信頼性有と判定された場合には測距有効範囲演算を行う
(ステップS47)。
【0032】上記測距有効範囲演算とは、ラインセンサ
12a,12b上の測距ポイントの視野がファインダ画
面内にあるかどうかの判定を行うための判定値を求める
演算であり、図12のファインダと測距光路図に示すよ
うに、ラインセンサ視野角を与える光線とファインダ視
野角を与える光線との交点距離を上記判定値Lsとして
求る。
【0033】図12に示すようにカメラ本体1との傾斜
角で示すラインセンサ視野傾斜角θs,ファインダ視野
傾斜角θf、および、ファインダ光軸O1 と測距光軸O
2 とのカメラ上での基線長S0 から交点距離である判定
値Lsは、 Ls=(S0 ・tanθs・tanθf)/(tanθs−tanθf)…(1) により求められる。
【0034】ここで、単純化するためにファインダ光軸
O1 がカメラ本体1に対して垂直であるとして、ファイ
ンダ視野角をθfr、ラインセンサ視野角をθsr、フ
ァインダ光軸O1 と測距光軸O2 のなす角をθfsとす
ると、上述の各傾斜角θs,θfは、 θs=90°−{(θsr/2)−θfs}…(2) θf=90°−(θfr/2) …(3) となる。
【0035】上記(1)〜(3)式とステップS40,
S41で読み出した撮影レンズ焦点距離、撮影画面情報
より、測距ポイントの上記交点距離が判定値Lsとして
求められる(ステップS47)。
【0036】続いて、上記演算結果により各測距ポイン
トで測距されたデータが有効であるかどうかの判定を行
う(ステップS48)。この判定は、上記測距有効範囲
演算により求められた各測距ポイントに対応の上記交点
距離である判定値Lsと各測距ポイントの測距データの
値を比較し、測距データが上記判定値Lsより遠いデー
タである場合、その測距データを有効であるとし、判定
値Lsより近いデータである場合にはその測距データは
無効であるとして無効フラグをセットする(ステップS
49)。
【0037】そして、全ての測距ポイントについて、上
記ステップS44〜ステップS49およびステップS5
2の処理が行われたかどうかを判定し(ステップS5
0)、上記各処理が終了していない測距ポイントがある
場合は、測距データの格納アドレスを次の測距ポイント
のアドレスに更新して(ステップS53)、上記ステッ
プS44〜ステップS49、ステップS52の処理を繰
り返す。全ての測距ポイントに対して処理が終了した場
合は、ステップS51の処理に移行し、最終的な距離デ
ータを選択し、本サブルーチンを終了する。
【0038】なお、上記測距有効範囲演算の処理では
(1)〜(3)式を用いて交点距離の判定値Lsを算出
するように説明したが、上記判定値を撮影レンズ焦点距
離と撮影画面情報とによって参照される各測距ポイント
毎のテーブルデータとしてCPU1内のROMあるいは
EEPROM等の不揮発性メモリに記憶させておき、テ
ーブル参照によって判定値Lsを求めるようにしてもよ
いことは言うまでもない。
【0039】次に、上記図9のステップS51にて呼び
出されるサブルーチンの測距データ選択の動作を図10
のフローチャートを参照して説明する。まず、CPU1
は、測距ポイント数に応じてループカウンタをセットし
(ステップS60)、最初に読み出す測距データが格納
されているCPU1内のRAMアドレスをセットする
(ステップS61)。
【0040】そして、セットされたアドレスの測距デー
タと共にそれに対応するデフォルトフラグ、及び、無効
フラグを読み出す(ステップS62)。上記2つのフラ
グがセットされているかどうかを判定して、セットされ
ていなければ、続いて、最至近データ(値MAXと記載
する)と読み出された測距データとを比較する(ステッ
プS64)。測距データの方が近距離である場合には、
その測距データを最至近データとして値MAXを更新し
て(ステップS65)、ステップS66に進む。デフォ
ルトフラグ、あるいは、無効フラグがセットされている
場合や、測距データが最至近データよりも遠距離である
場合は、最至近データは更新しない。
【0041】ステップS66で全ての測距ポイントにつ
いて上記ステップS62〜ステップS65の処理が終了
したかどうかを判定し、処理が終了していない測距ポイ
ントがある場合には、測距データ格納アドレスを次の測
距ポイントのアドレスに更新して(ステップS70)、
上記ステップS62〜ステップS65の処理を繰り返
す。
【0042】そして、全ての測距ポイントについての処
理が終了したら、全ての測距ポイントがデフォルトであ
るかどうかの判定(ステップS67)と最至近データが
撮影至近より近いかどうかの判定を行い(ステップS6
8)、全てデフォルトが最至近データが撮影至近より近
い場合にはエラーフラグをセットし(ステップS7
1)、全てデフォルトでなく最至近データが撮影至近よ
り遠い場合には、最至近データを最終的な距離データと
してCPU1内のRAMの所定領域に格納し(ステップ
S69)このサブルーチンの動作を終了する。
【0043】上述の測距データ選択のサブルーチンでは
有効な測距ポイントについて最至近選択で最終的な距離
データの選択を行っているが、これは必ずしも最至近選
択による選択である必要はなく、ファインダ視野の中央
に最も近い被写体を測距している測距ポイントの測距デ
ータを選択する手法等、その他の選択手法であっても何
ら問題ない。
【0044】また、本第1の実施の形態のカメラの場合
は、ファインダ視野外を不適当な領域としているが、フ
ァインダ画面の周辺部での雑被写体の存在確率が主要被
写体よりも高いことから、ファインダ画面の外周部の所
定の領域を測距無効範囲として、その内部の測距有効範
囲の判定値を求めるようにし、例えば、ファインダ視野
の80%より外側を不適当な領域として測距有効範囲の
判定値を求めるようにしてもよい。さらに、カメラ個体
毎のファインダ光軸と測距光軸とのずれ量を生産工程の
検査で検出し、その値をEEPROM等の不揮発性メモ
リに記憶しておき、これを加味して測距有効範囲の判定
を行うようにしてもよい。また、ファインダ視野からラ
インセンサ視野がはみ出す側に対して反対側の測距範囲
が狭くなるのを防ぐために図13のファインダ視野画面
34に示すように十分に長いラインセンサを用い、その
検出エリア35のデータにより上記各処理動作を行うよ
うに構成してもよい。
【0045】上述のように第1の実施の形態のカメラの
測距装置によれば、ラインセンサ12a,12b上の受
光範囲を複数に分割して複数方向を測距し、その複数の
測距データに対して、撮影レンズ焦点距離と撮影画面情
報とにより求められる判定値から有効な測距データを被
写体距離とし、撮影レンズの駆動を行うので、撮影者の
意図しない撮影画面内外の被写体の誤測距データを採用
してしまうことを防止できる。
【0046】次に、本発明の第2の実施の形態に係る測
距装置を内蔵するカメラについて説明する。例えば、図
23に示した外観を有する従来のカメラを考えた場合、
すなわち、ファインダ14のファインダ光軸O1 とAF
モジュールの結像レンズ101a,101bの測距光軸
O11がカメラ本体100の同一水平面上になく、しか
も、結像レンズ101a,101b後方に配置されるラ
インセンサのライン方向DS0がファインダ14の光軸O
1 と交叉しない方向にあるカメラを考えると、図24の
ファインダ視野画面に示すように、ファインダ視野画面
102上のラインセンサ視野の測距エリア103は、被
写体距離が近い状態では、ファインダ視野画面に示すよ
うに水平方向と垂直方向とにパララックスが生じ、測距
に際して具合が悪い。
【0047】そこで、本第2の実施の形態のカメラで
は、測距光学系と上記ファインダ光学系の光軸がカメラ
の水平方向と直交する上下方向のずれを有するように配
置されているものにあって、上記ラインセンサの並び方
向がファインダ視野画面中央を向くように上記一対の測
距光学系と一対のラインセンサとを傾けて配置すること
を特徴とする。
【0048】すなわち、図14に示したカメラ本体51
の正面図のようにAFモジュール用の結像レンズ52
a,52b、および、その後方に配設されるラインセン
サのライン方向Ds2をファインダ14のファインダ光軸
O1 方向に傾けて配置するようにする。したがって、図
15(A)のファインダ視野画面に示すように、被写体
距離が近く、垂直方向のパララックスが発生する場合で
あっても、ラインセンサの複数に分割された受光範囲の
一部でファインダ光軸O1 を視ることができる。
【0049】そして、本実施の形態のカメラにおいて
は、前記第1の実施の形態で説明した処理動作と同様な
処理が行われ、図15(A)のファインダ視野画面53
にて斜線で示したような測距エリア55のファインダ視
野外にはみ出した端部55a上の測距ポイントでの測距
データを選択しないよう制御することができる。
【0050】また、本第2の実施の形態のカメラのよう
にラインセンサのライン方向Ds2を傾けるようにしてA
Fモジュールを配置した場合、通常撮影画面が、例え
ば、縦横比が1対3のパノラマ画面に設定変更される
と、ファインダ画面が図15(B)のように通常のファ
インダ視野画面53から、パノラマ視野画面54に変化
する。したがって、ファインダ視野の垂直方向が狭くな
るため、ラインセンサの測距エリアがファインダ視野の
垂直方向にはみ出す可能性がある。
【0051】そこで、本第2の実施の形態のカメラで
は、前記第1の実施の形態にて説明した測距有効範囲演
算の処理(図9参照)で適用した撮影レンズ焦点距離、
撮影画面情報より求める測距ポイントの上記交点距離が
判定値Lsについて、後述するように水平方向のみでは
なく垂直方向成分も加味した測距有効範囲の判定値L
s′を求めるようにしている。
【0052】次に、上記測距有効範囲の判定値について
具体的に説明する。図16(A),(B)は、本カメラ
の平面図と側面図であって、ファインダと測距光路を示
す。図16(A)に示される水平方向に関して、結像レ
ンズ52a,52bの水平方向の基線長Sh,カメラ本
体51の前面に対する水平方向のファインダ視野傾斜角
θfhおよびラインセンサ視野傾斜角θsh,その交点まで
の距離Lhとする。それらの値を前記(1)式のS0 、
θs、θfに代入して水平方向の交点までの距離である
判定値Lhを求める。
【0053】同様に図16(B)に示される垂直方向に
関しても、結像レンズ52a,52bの垂直方向の基線
長Sv,カメラ本体51の前面に対する垂直方向のファ
インダ視野傾斜角θfvおよびラインセンサ視野傾斜角θ
svとする。それらの値を前記(1)式のS0 、θs、θ
fに代入して垂直方向の交点までの距離である判定値L
vを求める。
【0054】その後、上記判定値LhとLvとを比較
し、遠距離の値を示す方を判定値Ls′として採用し、
前記第1の実施の形態の場合と同様に測距有効範囲の判
定を行う。なお、第1の実施例でも述べたが上記判定値
Lh,Lvを求める場合、テーブル参照等の方法を用い
ても良いことは勿論である。
【0055】上述のように本第2の実施の形態のカメラ
によれば、ファインダとAFモジュールが垂直方向のパ
ララックスが生じるように配置されているカメラであっ
ても、近距離用のセンサやマクロモードスイッチを用い
ることなく撮影者の意図しない被写体を誤測距すること
なく撮影を行うことができる。
【0056】次に、本発明の第3の実施の形態の測距装
置を内蔵するカメラについて説明する。一般的にライン
センサの積分制御は、ラインセンサを構成する複数のセ
ンサの中から代表的なセンサ、例えば、被写体像の最も
明るい部分を積分しているセンサの出力をモニタし、そ
の出力状態に応じて積分の継続、終了等を制御してい
る。しかし、本第3の実施の形態のカメラでは、ライン
センサ上のモニタすべきセンサの範囲を1回目の第1の
測距結果に基づいて選択し、切換えて最終の2回目の第
2の測距を行う。その第2の測距結果を撮影レンズ駆動
用として適用することを特徴とする。なお、本カメラの
構成は、図1および図3のブロック構成図に示したもの
と同様であり、同一の符号を適用して説明する。但し、
図3中の制御回路13は、センサ出力のモニタ検出範囲
を変更できるモニタ検出範囲選択機能を有している。
【0057】本第3の実施の形態のカメラにおける撮影
シーケンスを次に説明する。本カメラのパワースイッチ
がオンされたときにスタートする撮影シーケンスのメイ
ンルーチンの処理は、前記第1の実施の形態における図
7のフローチャートの処理と同様である。しかし、ステ
ップS7の判別で1stレリーズ1Rが押されこととが
検出されると、ステップS8に進むが、そのとき、図1
7のフローチャートに示すサブルーチンのレリーズ処理
が呼び出される。
【0058】まず、測光部3により測光を行い(ステッ
プS100)、露出演算を行われる(ステップS10
1)。続いて、測距部2においてサブルーチンの第1の
積分であるAF積分(1)処理を呼び出し、実行する
(ステップS102)。続いて、サブルーチンの第1の
測距演算である測距演算(1)が実行され、第1の測距
結果である上記AF積分(1)の結果に基づいてライン
センサ12a,12b上のモニタ検出範囲の選択を行う
(ステップS103)。
【0059】そして、ステップS103の処理で選択さ
れたセンサ出力のモニタ検出範囲に基づいてサブルーチ
ンの第2の積分であるAF積分(2)を実行する(ステ
ップS104)。続いて、サブルーチンの第2の測距演
算である測距演算(2)が実行され、第2の測距結果で
ある測距データに基づいて、最終的な距離データを決定
する(ステップS105)。
【0060】ステップS106以降のステップS113
までの処理については、前記第1の実施の形態における
図8のフローチャートのステップS24以降、ステップ
S31までの処理と同様である。
【0061】次に、上記ステップS102〜ステップS
105(図17参照)で実行される各サブルーチンのA
F積分(1),(2)、測距演算(1),(2)の処理
動作を図18〜19のフローチャートを参照して説明す
る。
【0062】上記ステップS102にて呼び出される図
18に示すAF積分(1)の処理では、まず、CPU1
はセンサ出力のモニタ検出範囲をラインセンサ12a,
12bの全センサ範囲に設定し(ステップS120)、
積分リミット用のタイマのカウントを開始する(ステッ
プS121)。上記積分リミット用のタイマは、暗黒中
での撮影時やAFモジュールの何らかの異常等により積
分が終了しない場合に所定時間で積分を終了させるため
のものである。
【0063】続いて、積分を開始し(ステップS12
2)、モニタしているセンサの出力レベルが所定レベル
に達したかどうかを判定する(ステップS123)。所
定レベルに達していれば、積分を終了する(ステップS
125)。このとき、上記タイマのカウント終了の判定
も同時に行い(ステップS124)、モニタの出力レベ
ルが所定レベルに達していなくてもタイマのカウントが
終了した場合は、積分を終了する(ステップS12
5)。
【0064】積分終了後、ラインセンサ12a,12b
の各センサデータを読み出し(ステップS126)、各
測距ポイントの範囲毎に相関演算を行い、各測距ポイン
トの測距データを求める(ステップS127)。この相
関演算方法については、従来、さまざまな方法が提案さ
れており、ここでは特に限定しない。いずれにせよ何ら
かの方法で相関演算を行い測距データを求め、本ルーチ
ンを終了する。
【0065】次に、ステップS103(図17参照)で
呼び出される図19のサブルーチンの測距演算(1)の
処理について説明する。但し、ステップS140〜ステ
ップS152の処理は、前記第1の実施の形態のカメラ
で説明した図9のフローチャートにおいて、ステップS
51の測距データ選択処理を除いたステップS40〜ス
テップS53の処理と同様である。
【0066】ステップS150に続いてステップS15
3にて、現在実行している処理が測距演算(1)でこの
サブルーチンに入ってきたかどうかを判定し、測距演算
(1)である場合には、センサ出力のモニタ検出範囲の
選択を行う(ステップS154)。
【0067】上記センサ出力のモニタ検出範囲の選択
は、ステップS148において、例えば、図20のファ
インダ視野画面61に示すようにラインセンサ視野の測
距エリア62の複数の測距ポイントの中で有効であると
判定された斜線部分62aのような測距ポイントのセン
サ範囲を選択する方法や、有効と判定された測距ポイン
トの中で測距データが最至近である測距ポイントのセン
サ範囲を選択する方法、あるいは、各測距ポイントの測
距データが図21(A)のカメラ平面図上のファインダ
と測距光路図にて○印で示したようなポイント63a〜
63eのデータであった場合に、最もファインダ光軸O
1 の中央に近い被写体を測距している測距ポイント63
bに対応する図21(B)の測距エリア64上の斜線部
分64bのセンサ範囲を選択する方法等を適用すること
ができる。
【0068】前記ステップS104(図17参照)で呼
び出される図18のサブルーチンのAF積分(2)は、
まず、前記ステップS154で選択されたモニタ検出範
囲を設定し(ステップS128)、再度積分を行って、
第2の測距データを求める。
【0069】前記ステップS105(図17参照)で呼
び出される図19のサブルーチンの測距演算(2)は、
前記第1の実施の形態でのサブルーチンの測距演算処理
(図9参照)と同様の処理を行い。最終的な距離データ
を決定する。
【0070】なお、本第3の実施の形態では第1の積分
および測距演算を行う際に、センサ出力のモニタ検出範
囲をラインセンサ12a,12bの全センサ範囲とした
が、必ずしも全センサ範囲である必要はなく、所定のセ
ンサ範囲を設定するようにしてもよい。また、第1の積
分,測距演算の各測距ポイントの測距データが全て有効
である場合には第2の積分,測距演算は行わずに、第1
の測距結果に基づいて最終的な距離データを決定する等
の変形例が提案できることは勿論である。
【0071】上述したように本第3の実施の形態のカメ
ラの測距装置によれば、測距の有効なセンサ範囲のみの
モニタデータにより積分制御を行うことができるので、
精度の高い測距の行える測距装置を提供することができ
る。
【0072】なお、上述の各実施の形態では外光式の多
点パッシブAFモジュールを適用したものについて説明
したが、本発明の測距データの有効範囲判定は、パッシ
ブAFに限るものではなく、図22のファインダ視野画
面71に示したように撮影画面内の複数領域に赤外光を
投射し、複数ポイント72a〜72eの測距を行うアク
ティブ方式の多点AFについても応用が可能であること
は勿論である。
【0073】(付記)上述の実施の形態により以下に示
す構成を有するカメラの測距装置を提案することができ
る。すなわち、 (1) 撮影画面内の複数の領域を測距可能な測距手段
と、上記測距手段の光学系とは異なる光軸を有する被写
体観察手段とを具備し、撮影画面を切換可能なカメラの
測距装置において、上記カメラの撮影レンズの焦点距離
情報と撮影画面情報と複数の被写体距離情報とから複数
の測距領域での被写体距離情報のそれぞれが有効である
かどうかを判定する判定手段と、上記判定手段による判
定結果が有効であると判定された複数の被写体距離情報
より、撮影に用いる被写体距離情報を選択する選択手段
と、を具備することを特徴とするカメラの測距装置。
【0074】(2) 上記測距手段は、被写体像を一対
の光学系を介して、一列上に配置された多数の受光素子
を有する一対のラインセンサ上に結像し、結像された被
写体像のずれ量から被写体距離を求めるパッシブ方式の
測距を行うものであることを特徴とする付記(1)に記
載のカメラの測距装置。
【0075】(3) 上記測距手段は、被写体に向けて
赤外光を投射する投射手段と、投射された赤外光の被写
体からの反射光を信号光として受光し、被写体距離に応
じた信号を出力する受光手段とにより測距を行うアクテ
ィブ方式の測距を行うものであることを特徴とする付記
(1)に記載のカメラの測距装置。
【0076】(4) 上記測距手段は、複数方向に赤外
光を投射して、複数方向を測距することが可能であり、
上記複数方向に投射される赤外光の並び方向は、上記被
写体観察手段のほぼ画面中央を通る直線上であることを
特徴とする付記(3)に記載の測距装置。
【0077】(5) 被写体像を一対の光学系を介して
一列上に配置された多数の受光素子を有する一対のライ
ンセンサ上に結像し、結像させた被写体像のずれ量から
被写体距離を求める複数方向を測距可能な測距手段と、
上記測距手段の光学系とは異なる光軸を有する被写体観
察手段とを有する撮影画面を切換可能なカメラの測距装
置において、上記カメラの撮影レンズ焦点距離情報と撮
影画面情報と複数の被写体距離情報とから複数の測距領
域での被写体距離情報のそれぞれが有効であるかどうか
を判定する判定手段と、上記ラインセンサを構成する多
数の受光素子の中から結像された被写体像の積分中に所
定の出力である受光素子の出力をモニタするモニタ手段
と、上記所定の出力である受光素子を抽出する範囲を選
択するモニタ範囲選択手段とを具備し、第1の積分に基
づく被写体距離情報の上記判定手段の判定結果に基づい
て、所定の出力である受光素子を抽出する範囲を切り換
えて第2の積分を行い、この第2の積分に基づいて撮影
に用いる被写体距離情報を演算することを特徴とするカ
メラの測距装置。
【0078】(6) 上記判定手段の判定結果が全ての
測距領域で有効であるときには、上記第2の積分を行わ
ず、上記第1の積分に基づく複数の被写体距離情報より
撮影に用いる被写体距離情報を決定することを特徴とす
る付記(5)に記載のカメラの測距装置。
【0079】(7) 上記第2の積分に基づく複数の被
写体距離情報を上記判定手段により再度判定することを
特徴とする付記(5)に記載のカメラの測距装置。
【0080】(8) 上記第1および第2の積分に基づ
く複数の被写体距離情報の幅で上記判定手段によって有
効であると判定された複数の被写体距離情報より撮影に
用いる被写体距離情報を選択する選択手段を具備するこ
とを特徴とする付記(5)に記載のカメラの測距装置。
【0081】(9) 上記有効である測距領域は、上記
被写体観察手段の画面内であることを特徴とする付記
(1)、または、(5)に記載のカメラの測距装置。
【0082】(10) 上記有効である測距領域は、上
記被写体観察手段の画面内の所定範囲内であることを特
徴とする付記(1)または(5)に記載のカメラの測距
装置。
【0083】(11) 上記選択手段は、最至近選択を
行うことを特徴とする付記(1)、または、(8)に記
載のカメラの測距装置。
【0084】(12) 上記選択手段は、上記被写体観
察手段の画面中央に最も近い被写体を測距している測距
領域の被写体距離情報を選択することを特徴とする付記
(1)、または、(8)に記載のカメラの測距装置。
【0085】(13) 上記測距手段の光学系光軸と上
記被写体観察手段の光学系光軸とのカメラ個体毎のずれ
量を記憶する記憶手段を具備し、上記判定手段の行う判
定に上記記憶手段に記憶されたずれ量情報も加味するこ
とを特徴とする付記(1)、または、(5)に記載のカ
メラの測距装置。
【0086】(14) 上記カメラの撮影レンズは焦点
距離変更可能であることを特徴とする付記(1)、また
は、(5)に記載のカメラの測距装置。
【0087】(15) 上記ラインセンサは、上記カメ
ラの諸状態によらず、上記被写体観察手段の画面内の所
定範囲の被写体像が受光可能であることを特徴とする付
記(2)または(5)に記載のカメラの測距装置。
【0088】(16) 上記ラインセンサは、ラインセ
ンサを構成する受光素子の並び方向の延長線が、上記被
写体観察手段のほぼ画面中央を通るように配置されたこ
とを特徴とする付記(2)、または、(5)に記載のカ
メラの測距装置。
【0089】(17) 上記ラインセンサは、複数の受
光範囲に分割可能で、分割された受光範囲毎に被写体距
離を求めることが可能であることを特徴とする付記
(2)、または、(5)に記載のカメラの測距装置。
【0090】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の請求項1
記載のカメラの測距装置によれば、被写体観察手段の光
軸と測距光学系の光軸が一致していないカメラにおい
て、被写体観察手段の光軸と測距光学系の光軸の不一致
によって生じる視野差のために撮影者の意図しない不適
当な領域に存在する被写体を誤測距するのを防ぐことが
できるので、撮影者が撮影対象としている被写体の測距
情報を得ることができる。
【0091】本発明の請求項2記載のカメラの測距装置
によれば、カメラの正位置に対して垂直方向のパララッ
クスが生じてしまうような場合でも、別センサを設ける
ことなく、請求項1記載のカメラの測距装置と同様の効
果を得ることができる。
【0092】本発明の請求項3記載のカメラの測距装置
によれば、第1の積分による被写体距離情報の判定結果
に基づいて選択された撮影被写体の存在確率の高いモニ
タ範囲に関して第2の積分を行い、最終的な被写体距離
情報を決定することから、精度の高い測距を効果的に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる測距装置を
内蔵するカメラのブロック構成図。
【図2】図1のカメラの正面図。
【図3】図1のカメラに適用される測距部のブロック構
成図。
【図4】図3の測距部を構成するラインセンサの分割例
を示す図であって、図4(A),(B)は、ラインセン
サを重複することなく分割した例を示し、図4(C)
は、一部重複させて分割した例を示す。
【図5】図1のカメラの平面図で示されるファインダお
よび測距光路図。
【図6】図1のカメラのファインダ視野画面と測距エリ
アの関係を示す図であって、図6(A)は、テレ状態、
図6(B)は、ワイド状態でのファインダ視野画面を示
し、図6(C)は、測距エリアがファインダ視野画面か
らはみ出した状態を示す図。
【図7】図1のカメラにおける撮影シーケンスのメイン
ルーチンのフローチャート。
【図8】図7のメインルーチンで呼び出されるサブルー
チンのレリーズ処理のフローチャート。
【図9】図8のレリーズ処理で呼び出されるサブルーチ
ンの測距演算処理のフローチャート。
【図10】図9の測距演算処理で呼び出されるサブルー
チンの測距データ選択処理のフローチャート。
【図11】図1のカメラにおける通常サイズ撮影時とパ
ノラマ撮影時におけるファインダ視野画面と測距エリア
を示す。
【図12】図1のカメラにおけるファインダと測距光路
図。
【図13】図1のカメラのラインセンサの変形例におけ
るファインダ視野画面と測距エリアを示す図。
【図14】本発明の第2の実施の形態の測距装置を内蔵
するカメラの正面図。
【図15】図14のカメラにおけるファインダ視野画面
と測距エリアを示す図であって、図15(A)は、ファ
インダ視野画面から測距エリアの一部がはみ出した状態
を示し、図15(B)は、通常撮影状態とパノラマ撮影
状態におけるファインダ視野画面と測距エリアを示す。
【図16】図14のカメラの平面図と側面図上のファイ
ンダと測距光路を示し、図16(A)は、平面図上の光
路を示し、図16(B)は、側面図上の光路を示す。
【図17】本発明の第3の実施の形態の測距装置を内蔵
するカメラにおけるメインルーチンで呼び出されるサブ
ルーチンのレリーズ処理のフローチャート。
【図18】図17のカメラのレリーズ処理で呼び出され
てるサブルーチンのAF積分(1)とAF積分(2)の
フローチャート。
【図19】図17のカメラのレリーズ処理で呼び出され
てるサブルーチンの測距演算(1)と測距演算(2)の
フローチャート。
【図20】図17のカメラにおけるファインダ視野画面
であって、測距エリアの一部がはみ出しているときの状
態を示す。
【図21】図17のカメラのファインダと測距光路図お
よび測距エリアのパターン図であって、図21(A)
は、光路図であり、図21(B)は、測距エリアのパタ
ーン図である。
【図22】本発明の各実施の形態の測距装置を内蔵する
カメラの変形例におけるファインダ視野画面と測距ポイ
ントを示す図。
【図23】従来のカメラの正面図。
【図24】図23のカメラにおけるファインダ視野画面
と測距エリアを示す図。
【符号の説明】
1 ……CPU(判定手段,選択手段,モニタ範囲選択
手段) 2 ……測距部(測距手段) 11a,11b……結像レンズ(測距手段) 12a,12b……ラインセンサ(測距手段) 13……制御回路(測距手段,受光素子出力モニタ手
段) 14……ファインダ(被写体観察手段) O1 ……ファインダ光軸(被写体観察手段の光軸) O2 ……測距光軸(測距光学系の光軸)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影画面内の複数の領域を測距可能な測
    距手段と、上記測距手段の光学系とは異なる光軸を有す
    る被写体観察手段とを具備し、撮影画面を切換可能なカ
    メラの測距装置において、 上記カメラの撮影レンズの焦点距離情報と撮影画面情報
    と複数の被写体距離情報に基づいて、上記複数の被写体
    距離情報の中から撮影に用いる情報を選択する選択手段
    を具備することを特徴とするカメラの測距装置。
  2. 【請求項2】 上記測距手段の複数の測距領域の並び方
    向の延長線が上記被写体観察手段の略画面中央を通るよ
    うに配置されていることを特徴とする請求項1記載のカ
    メラの測距装置。
  3. 【請求項3】 被写体像を一対の光学系を介して、一列
    上に配置された多数の受光素子を有する一対のラインセ
    ンサ上に結像させ、その結像した被写体像のずれ量から
    被写体距離を求める複数方向の領域を測距可能な測距手
    段と、上記測距手段の光学系とは異なる光軸を有する被
    写体観察手段とを有する撮影画面を切換可能なカメラの
    測距装置において、 上記カメラの撮影レンズ焦点距離情報と撮影画面情報と
    複数の被写体距離情報とから、上記複数方向の測距領域
    での被写体距離情報のそれぞれが有効であるかどうかを
    判定する判定手段と、 上記ラインセンサを構成する多数の受光素子の中から結
    像された被写体像の積分中に所定の出力である受光素子
    の出力をモニタするモニタ手段と、 上記所定の出力である受光素子を抽出する範囲を選択す
    るモニタ範囲選択手段とを具備し、 第1の積分に基づく被写体距離情報の上記判定手段の判
    定結果に基づいて、所定の出力である受光素子を抽出す
    る範囲を切り換えて第2の積分を行い、この第2の積分
    に基づいて撮影に用いる被写体距離情報を演算すること
    を特徴とするカメラの測距装置。
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