JPH10318052A - 蒸発燃料供給系の故障診断装置 - Google Patents

蒸発燃料供給系の故障診断装置

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JPH10318052A
JPH10318052A JP12430797A JP12430797A JPH10318052A JP H10318052 A JPH10318052 A JP H10318052A JP 12430797 A JP12430797 A JP 12430797A JP 12430797 A JP12430797 A JP 12430797A JP H10318052 A JPH10318052 A JP H10318052A
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太 西岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高地の運転時等における誤判定を防止しつ
つ、蒸発燃料供給系の故障を適正に診断できるようにす
る。 【解決手段】 FTPセンサ39からなる圧力検出手段
の検出圧力に基づいて蒸発燃料供給系が故障しているか
否かを判定する故障判定手段43と、スロットル開度セ
ンサ16からなるエンジン負荷検出手段とを有し、この
エンジン負荷検出手段により検出されたエンジン負荷と
軽負荷判定用の基準値とを比較してエンジン負荷が基準
値以上であることが確認された場合に、上記故障判定手
段43による故障判定を禁止する判定禁止手段44と、
上記故障判定手段43による故障判定中に、エンジン負
荷が上記基準値未満の状態から基準値以上となったこと
が確認された場合に、この状態が予め設定された基準時
間を経過するまで上記故障判定を継続する判定継続手段
45とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載されて
いるエンジンの蒸発燃料供給系が故障しているか否かを
診断する蒸発燃料供給系の故障診断装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平6−117332号
公報に示されるように、大気圧を検出する大気圧検出手
段と、エバポ系(パージ通路)の内部圧力を検出する圧
力検出手段と、この圧力検出手段により検出された圧力
値に基づいて上記エバポ系の内部圧力の変化状態を測定
し、その測定値と判定値との比較結果からエバポパージ
システム(蒸発燃料供給系)の故障の有無を判定する判
定手段とを備えた故障診断装置において、大気圧検出手
段により検出された大気圧に応じて上記判定手段の判定
値、つまり故障判定用の基準圧力を可変し、あるいはエ
バポ系内の検出圧力を補正することにより、この判定値
または圧力値から大気圧の影響を排除するとともに、上
記大気圧検出手段により検出された大気圧が所定値以下
であることが確認された場合等に、故障診断を中止する
ことが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように大気圧が
所定値以下であることが確認された場合に故障診断を中
止するように構成された上記故障診断装置は、吸気通路
に導入される空気の密度が低いことに起因してエンジン
回転数が低下傾向にある高地の運転時に、上記故障診断
が行われないので、エンジン回転数の低下に応じて吸気
通路内の負圧が減少した状態で、上記故障診断が行われ
ることによる誤判定、つまり蒸発燃料供給系が正常であ
るにも拘らず、パージ通路の内部圧力が所定値まで低下
しないために故障である誤判定されることを防止できる
という利点を有する反面、高地の運転時には蒸発燃料供
給系に故障が発生しているのにも拘らずこの故障を診断
することができないという問題がある。
【0004】また、スロットル開度等に応じてエンジン
負荷を検出し、このエンジン負荷の検出値が所定の基準
値よりも小さく、吸気通路に導入される空気量が少ない
ためにエンジンの負圧が大きいことが確認されたとき
に、上記故障判定手段によって蒸発燃料供給系の故障診
断を行うように構成することにより、空気の密度が低い
ことに起因してエンジン回転数が低下した状態で、吸気
通路内に多く空気が導入されてさらに吸気通路内の負圧
が減少することによる故障の誤判定を防止し、上記高地
の運転時においても蒸発燃料供給系の故障を適正に診断
できるようにすることも考えられる。
【0005】しかし、上記の構成によると、エンジン負
荷が頻繁に変化する運転状態では、上記故障判定手段に
よる故障判定が頻繁に中止されるという問題がある。特
に、エンジン回転数が低下傾向にある高地の運転時に
は、アクセルペダルが平地に比べて大きく踏み込まれる
傾向があるため、エンジン負荷が上記基準値よりも大き
くなって故障診断が中止され易く、高地の運転状態にお
ける故障診断を適正に実行することが困難であるという
問題がある。
【0006】本発明は、高地の運転時等における誤判定
を防止しつつ、蒸発燃料供給系の故障を適正に診断する
ことができる蒸発燃料供給系の故障診断装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
燃料タンクから導出された蒸発燃料を吸着手段に供給し
て吸着させるとともに、この吸着手段に吸着された燃料
をエンジンに供給するパージ通路と、このパージ通路を
開閉する通路開閉手段と、上記パージ通路の内部圧力を
検出する圧力検出手段と、蒸発燃料供給系の故障を診断
する際に、上記パージ通路内に吸気通路の負圧を導入さ
せるように上記通路開閉手段を制御する蒸発燃料系制御
手段と、上記圧力検出手段の検出圧力に基づいて蒸発燃
料供給系が故障しているか否かを判定する故障判定手段
と、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段とを
有する故障診断装置であって、上記エンジン負荷検出手
段により検出されたエンジン負荷と軽負荷判定用の基準
値とを比較してエンジン負荷が基準値以上であることが
確認された場合に上記故障判定を禁止する判定禁止手段
と、上記故障判定手段による故障判定中に、エンジン負
荷が上記基準値未満の状態から基準値以上となったこと
が確認された場合に、この状態が予め設定された基準時
間を経過するまで上記故障判定を継続する判定継続手段
とを設けたものである。
【0008】上記構成によれば、故障判定手段による蒸
発燃料供給系の故障を判定する際に、上記判定禁止手段
によりエンジン負荷が軽負荷判定用の基準値以上である
と判定されてエンジン負圧が大きいことが確認された場
合に、故障判定手段による蒸発燃料供給系の故障判定が
禁止される。そして、上記故障判定手段による故障判定
中に、エンジン負荷が上記基準値未満の状態から基準値
以上となった場合には、この状態が予め設定された基準
時間よりも長く継続されたことが確認されるまで、上記
判定継続手段によって故障判定動作が継続され、その後
に上記故障判定手段による故障判定が中止される。ま
た、エンジン負荷が軽負荷判定用の基準値以上になった
状態が早期に解消され、上記基準時間が経過する前にエ
ンジン負荷が上記基準値未満に復帰した場合には、故障
判定手段による蒸発燃料供給系の故障判定が実行される
ことになる。
【0009】請求項2に係る発明は、上記請求項1記載
の蒸発燃料供給系の故障診断装置において、大気圧を検
出する大気圧検出手段と、この大気圧検出手段により検
出された大気圧に応じて高地における運転状態にあるか
否かを判別して、高地における運転状態にあることが確
認された場合に、上記軽負荷判定用の基準値を平地にお
ける運転状態に比べて小さな値に設定する基準値設定手
段とを設けたものである。
【0010】上記構成によれば、吸気通路に導入される
空気の密度が低いことに起因してエンジン回転数が低下
し易く、パージ通路内に導入される負圧が減少傾向にあ
る高地の運転時に、軽負荷判定用の基準値が平地におけ
る運転時に比べて小さな値に設定され、この基準値と、
エンジン負荷の検出値とが比較されて上記故障判定手段
による蒸発燃料供給系の故障判定を禁止または中止する
か否かが判別されることにより、上記吸気通路内に多く
の空気が導入されることによってパージ通路内に導入さ
れる負圧がさらに減少した状態で上記故障判定が実行さ
れることによる誤判定が防止されることになる。
【0011】請求項3に係る発明は、上記請求項1又は
2記載の蒸発燃料供給系の故障診断装置において、故障
判定手段による故障判定を中止するか否かの判別基準と
なる基準時間を、パージ通路内に導入される負圧に基づ
く故障判定に影響を与えることなく、かつ上記故障判定
が不必要に中止されることのない時間に設定したもので
ある。
【0012】上記構成によれば、判定継続手段により、
エンジン負荷が一時的に大きくなって多くの空気がエン
ジンの燃焼室内に導入されて吸気通路内の負圧が減少傾
向にある場合においても、パージ通路内に導入される負
圧に基づく故障判定に影響を与えない程度の時間に設定
された上記基準時間が経過する前にエンジン負荷が上記
基準値未満に復帰したことが確認された場合には、上記
故障判定手段による蒸発燃料供給系の故障判定が中止さ
れることなく、この故障判定が実行されることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明が適用される蒸発燃
料供給系を備えたエンジン全体の概略構造を示してい
る。この図において、1はシリンダを有するエンジン本
体であり、そのシリンダの燃焼室2には吸気弁によって
開閉される吸気ポート3および排気弁によって開閉され
る排気ポート4が開口している。上記吸気ポート3には
吸気通路5が接続され、排気ポート4には排気通路13
が接続されている。
【0014】上記吸気通路5には、その上流側から順に
エアクリーナ6、エアフローセンサ7、スロットル弁8
およびサージタンク9が設けられるとともに、吸気ポー
ト3の近傍に、燃料を噴射するインジェクタ10が設け
られている。さらに、吸気通路5には、上記スロットル
弁8をバイパスするISC通路11が設けられ、このI
SC通路11には、空気流量を調節してアイドル回転数
制御を実行するISCバルブ12が設けられている。一
方、排気通路13にはO2 センサ14および触媒装置1
5等が設けられている。
【0015】また、吸気通路5には、スロットル弁8の
開度を検出するスロットル開度センサ16からなるエン
ジン負荷検出手段が設けられ、エンジン本体1には、エ
ンジン回転数を検出する回転数センサ17と、エンジン
の冷却水温を検出するが水温センサ18とが設けられて
いる。さらに、燃料タンク20内には、燃料の油面レベ
ルを検出する油面センサ19からなる油面検出手段が設
けられている。
【0016】上記インジェクタ10に対して燃料を供給
する燃料系は、燃料タンク20、燃料ポンプ21、燃料
供給通路22およびリターン通路23を備え、上記燃料
ポンプ21により燃料タンク20から燃料供給通路22
を通してインジェクタ10に燃料が送られるようになっ
ている。上記燃料供給通路22には、フューエルフィル
タ24が介設されている。さらに上記リターン通路23
には、吸気圧に応じて燃圧を調整するプレッシャレギュ
レータ25が設けられている。
【0017】また、上記燃料タンク20とエンジン本体
1との間には、燃料タンク20内で発生した蒸発燃料を
吸気通路5に供給する蒸発燃料供給系が設けられてい
る。この蒸発燃料供給系はパージ通路30を備えてお
り、このパージ通路30は、上流端が燃料タンク20の
上部に接続されるとともに、下流端が吸気通路5のサー
ジタンク9に接続されている。上記パージ通路30の途
中には蒸発燃料を吸着するキャニスタ31からなる吸着
手段が介設され、このキャニスタ31には大気開放通路
32が接続されている。
【0018】上記燃料タンク20とキャニスタ31とを
接続するパージ通路30には、チェックバルブ33が設
けられるとともに、これと並列にソレノイドバルブから
なる開閉バルブ(以下TPCVバルブと称する)34が
設けられている。また、上記大気開放通路32には、エ
アフィルター35およびチェックバルブ36が設けられ
るとともに、ソレノイドバルブからなる大気開放バルブ
(以下CDCVバルブと称する)37が設けられてい
る。
【0019】上記キャニスタ31とサージタンク9との
間のパージ通路30には、蒸発燃料の供給量を調節する
ためのデューティソレノイドバルブからなるパージバル
ブ38が設けられている。さらに蒸発燃料供給系には、
上記パージバルブ38よりも燃料タンク20側に位置す
るパージ通路30の内部圧力を検出する圧力検出手段と
しての燃料タンク内圧力センサ(以下FTPセンサと称
する)39が設けられている。そして、上記CDCVバ
ルブ37およびパージバルブ38により、燃料タンク2
0と吸気通路5との間でのパージ通路30を開閉する通
路開閉手段が構成されている。
【0020】上記パージバルブ38、TPCVバルブ3
4およびCDCVバルブ37は制御部としてのエンジン
制御ユニット(ECU)40に接続されている。このエ
ンジン制御ユニット40は、エアフローメータ7、O2
センサ14、スロットル開度センサ16、回転数センサ
17、冷却水温センサ18、油面センサ19およびFT
Pセンサ39および大気圧を検出する大気圧センサ41
等からの信号を受け、上記パージバルブ38、TPCV
バルブ34およびCDCVバルブ37を制御し、さらに
インジェクタ10の制御やISCバルブ12の制御等も
行うようになっている。
【0021】上記制御ユニット40には、図2に示すよ
うに、エンジンの特定運転領域で上記パージバルブ38
を開いてキャニスタ31に吸着された燃料を吸気通路5
に供給するとともに、上記蒸発燃料供給系の故障を診断
する際に、パージ通路30内に吸気通路5の負圧を導入
した後に、上記パージ通路30を密閉状態とするように
上記通路開閉手段を制御する蒸発燃焼系制御手段42
と、上記FTPセンサ39からなる圧力検出手段の検出
圧力に基づいて蒸発燃料供給系が故障しているか否かを
判定する故障判定手段43と、スロットル開度センサ1
6からなるエンジン負荷検出手段より検出されたエンジ
ン負荷と軽負荷判定用の基準値とを比較して上記故障判
定手段43による故障判定を禁止し、あるいは継続する
か否かを判別する判定禁止手段44および判定継続手段
45と、大気圧センサ41からなる大気圧検出手段の検
出信号に応じて上記軽負荷判定用の基準値を設定する基
準値設定手段46と、燃料タンク20内の油面の揺れ度
合を判別する揺れ度合判別手段47とが設けられてい
る。
【0022】上記故障判定手段43は、パージ通路30
内を吸気通路5の負圧を導入する際におけるパージ通路
30の内部圧力の変化状態に基づいてこのパージ通路3
0の接続不良等に起因する重度の故障があるか否かを判
定し、この故障を表示手段48において表示させる制御
信号を出力するように構成されている。
【0023】すなわち、蒸発燃料系制御手段42により
上記TPCVバルブ34およびパージバルブ38を開放
するとともに、CDCVバルブ37を閉止して燃料タン
ク20と吸気通路5との間で上記パージ通路30を開通
させるとともに、大気側開放通路32を遮断することに
より、上記パージ通路30内に吸気通路5の負圧を導入
してパージ通路30内を負圧状態とした後に、このパー
ジ通路30の内部圧力が予め設定された30秒程度の第
1基準時間内に所定の基準圧力未満に低下するか否かを
判別し、この第1基準時間が経過してもパージ通路30
の内部圧力が上記基準圧力未満に低下せず、エンジン負
荷が上記基準値未満の状態から基準値以上となった状態
が所定時間に亘って継続したことが確認された場合に、
上記重度の故障があると判断するように構成されてい
る。
【0024】また、上記故障判定手段43は、パージ通
路30内に負圧を導入した後に上記パージバルブ38を
閉止してパージ通路30を密閉した状態で、上記FTP
センサ39の検出圧力に基づいて所定の診断時間内(例
えば25秒間)におけるパージ通路30の圧力上昇度合
を演算し、この圧力上昇度合と、運転状態に応じて設定
された基準値とを比較し、上記圧力上昇度合が基準値よ
りも大きいことが確認された場合に、パージ通路30内
の負圧状態を適正に維持することができない故障、例え
ばパージ通路30に亀裂が形成される等の軽度の故障が
発生したと判定するように構成されている。なお、上記
パージバルブ38を閉止してパージ通路30を密閉した
時点におけるFTPセンサ39の検出圧力と、運転状態
に応じて設定された基準圧力とを比較して上記第1検出
圧力が基準圧力よりも低いことが確認された場合に、上
記パージバルブ38を全閉状態とすることができないバ
ルブ故障が発生したと判定することもできる。
【0025】上記判定禁止手段44は、故障判定手段4
3による故障判定を行う際に、スロットル開度センサ1
6により検出されたスロットル開度に対応するエンジン
負荷と、軽負荷判定用の基準値とを比較してエンジン負
荷がこの基準値以上であることが確認された場合に、上
記故障判定手段43による故障判定を禁止するように構
成されている。
【0026】上記基準値設定手段46は、図3に示すよ
うに、大気圧センサ41からなる大気圧検出手段によっ
て検出された大気圧に応じてエンジンが平地の運転状態
にあることが確認された場合に、軽負荷運転状態に対応
した25%程度のスロットル開度に上記軽負荷判定用の
基準値aを設定し、かつ上記大気圧の検出値に応じて高
地の運転状態にあることが確認された場合に、上記平地
における運転状態よりも小さな値、例えば20%程度の
スロットル開度に上記基準値aを設定するように構成さ
れている。また、上記平地と高地との間には、大気圧の
検出値に応じて上記軽負荷判定用の基準値aが次第に低
下する中間領域が設けられている。
【0027】また、上記判定継続手段45は、故障判定
手段43による故障判定中に、エンジン負荷が上記基準
値a未満の状態から基準値a以上となったことが確認さ
れた場合に、この状態が予め設定された第2基準時間を
経過するまで上記判定禁止手段44の作動を停止させて
故障判定を継続するように構成されている。上記第2基
準時間は、エンジン負荷が一時的に大きくなって大量の
空気がエンジンの燃焼室2内に導入されることにより吸
気通路5内の負圧が減少した場合においても、パージ通
路30内に導入される負圧に基づく上記故障判定に影響
を与えない範囲内で、故障判定が不必要に中止されるこ
とのない時間、例えば1秒程度に設定されている。
【0028】上記揺れ度合判別手段47は、上記診断時
間内において所定のサンプリング時間毎にパージ通路3
0内の圧力変化量を演算してこの圧力変化量の最大値を
求めた後、この最大値と、揺れ度合判別用のしきい値と
を比較することにより、燃料タンク20内の油面の揺れ
度合を判別し、圧力変化量の最大値が上記しきい値より
も大きく、油面の揺れが著しいために燃料の気化が促進
され易い状態にあることが確認された場合に、上記判定
禁止手段45に制御信号を出力して上記故障判定手段4
3による故障判定を中止させるように構成されている。
なお、上記揺れ判別用のしきい値は、診断時間内におけ
るパージ通路30の圧力上昇度合と、所定の係数とを掛
け合わせることにより、上記圧力上昇度合が増大するの
に従って大きな値となるように設定される。
【0029】また、上記揺れ度合判別手段47は、燃料
タンク20内に設置された油面センサ19の出力信号に
応じて油面の揺れ度合が大きいか否かを判別し、油面セ
ンサ19の出力レベルが顕著に変化していることが確認
された場合に、燃料の気化が促進され易い状態にあると
判断して上記故障判定手段43による故障判定を中止さ
せる制御信号を上記判定禁止手段44に出力するように
構成されている。
【0030】上記構成を有する蒸発燃料供給系の故障診
断装置によって行われる故障診断時の制御動作を、図4
〜図6に示すフローチャートおよび図7に示すタイムチ
ャートに基づいて説明する。上記制御動作がスタートす
ると、ステップS1においてエンジンが作動状態にある
か否かを判定し、YESと判定された時点で、ステップ
S2においてパージ通路30内を負圧状態とするための
第1基準時間dをカウントする減圧タイマTpgonの
カウント値を0にリセットする。
【0031】次いで、ステップS3において図3に示す
テーブルから大気圧センサ41の検出信号に対応した軽
負荷判定用の基準値aを上記基準値設定手段46により
読み出して設定した後、この基準値aと、スロットル開
度センサ16によって検出されたスロットル開度tvo
の検出値とを比較してこのスロットル開度の検出値tv
oが、上記基準値aよりも小さいか否かを判別すること
により、エンジンが所定の軽負荷運転状態にあるか否か
を上記判定禁止手段44により判定する。
【0032】上記ステップS3でNOと判定され、エン
ジンが高負荷運転状態にあることが確認された場合に
は、この状態で蒸発燃料供給系の故障判定を実行する
と、吸気流量が多いことに起因して上記パージ通路30
内を所定の負圧状態とすることができない場合があるた
め、ステップS4において上記CDCVバルブ37を開
放した後、上記ステップS2にリターンすることによ
り、上記故障判定手段43による故障判定を禁止する。
【0033】そして、上記ステップS3でYESと判定
され、エンジンが軽負荷運転状態にあることが確認され
た場合には、ステップS5においてエンジンの運転状態
を検出する各センサの検出値を入力した後、ステップS
6において蒸発燃料供給系に重度の故障が生じているか
否かの判定基準となる負圧の基準圧力bを、水温センサ
18および大気圧センサ41の検出値に基づいて設定す
る。例えば上記大気圧センサ41によって検出された大
気圧が平均的な値であれば、−130mmAq程度に設
定され、上記大気圧の検出値が小さくなるのに応じて上
記基準圧力bの絶対値が小さくなるように、つまり基準
圧力bが高い値に設定されるようになっている。
【0034】次ぎに、ステップS7において蒸発燃料供
給系の故障判定条件が成立したか否かを判定し、NOと
判定された場合には、上記ステップS4にリターンす
る。そして、上記ステップS7でYESと判定されて蒸
発燃料供給系の故障判定条件が成立したことが確認され
た時点T1で、ステップS8において、上記CDCVバ
ルブ37を閉止する。このCDCVバルブ37が閉止さ
れた後に、ステップS9において上記パージバルブ38
を開放する。このようにCDCVバルブ37が閉止され
るとともに、パージバルブ38が開放されることによ
り、吸気通路5内の負圧が上記パージ通路30内に導入
され、図7に示すように、上記時点T1から、パージ通
路30の内部圧力ftpが次第に低下し始めることにな
る。
【0035】そして、パージバルブ38が開放された後
に、ステップS10において上記減圧タイマTpgon
のカウント値を1だけインクリメントするとともに、ス
テップS11において上記スロットル開度tvoの検出
値が、上記基準値aよりも小さいか否かを再度判定す
る。
【0036】上記ステップS11でNOと判定され、ア
クセルペダルが踏み込まれることによりスロットル開度
tvoが上記基準値aよりも大きくなったことが確認さ
れた場合には、ステップS12において上記判定継続手
段45によりスロットル開度ディレィ用のタイマTtv
dによるディレィ時間のカウントを行った後、ステップ
S13において上記タイマTtbdのカウント値と、予
め設定された1秒程度の第2基準時間cとを比較して上
記タイマTtvdがタイムアップしたか否かを判定し、
NOと判定された場合には上記ステップS3に戻って上
記制御動作を繰り返す。
【0037】そして、上記ステップS13でYESと判
定され、上記タイマTtvdがタイムアップしたことが
確認された場合には、スロットル開度tvoが上記基準
値aよりも大きい状態が上記第2基準時間c以上に亘っ
て継続され、この状態で蒸発燃料供給系の故障判定を実
行すると、この故障が生じていないにも拘らず、パージ
通路30内の負圧が十分に得られなくなる重度の故障が
発生したと誤判定される虞があるため、ステップS14
において上記タイマTtvdのカウント値を0にリセッ
トした後、上記ステップS4にリターンして故障判定を
中止する。
【0038】また、上記ステップS11でNOと判定さ
れ、第2基準時間c内にスロットル開度tvoの検出値
が基準値aよりも小さくなったことが確認された場合に
は、上記故障判定を中止することなく、ステップS15
おいて上記FTPセンサ39によって検出されたパージ
通路30の内部圧力ftpが上記ステップS6で設定さ
れた基準圧力bよりも低いか否かを判定する。上記ステ
ップS15でNOと判定され、上記パージ通路30の内
部圧力ftpが基準圧力bよりも高いことが確認された
場合には、ステップS16において上記減圧タイマTp
gonのカウント値が予め設定された30秒程度の第1
基準時間d以上となったか否かを判定する。
【0039】上記ステップS16でNOと判定された場
合には、上記ステップS5に戻って上記制御動作を繰り
返す。上記ステップS16でYESと判定され、上記第
1基準時間dが経過した時点T2においてもパージ通路
30の内部圧力が上記基準圧力bよもり低くならないこ
とが確認された場合には、蒸発燃料供給系に重度の故障
があるため、上記負圧が第1基準時間d内において−1
30mmAq程度の基準圧力bまで低下しなかったと判
断し、ステップS17において表示手段48に上記故障
が発生したことを表示させる信号を出力して制御動作を
終了する。
【0040】また、上記ステップS16でYESと判定
される前に、上記ステップS15でYESと判定されて
パージ通路30の内部圧力が上記基準圧力bよもり低く
なったことが判断された場合には、ステップS18にお
いてパージ通路30の圧力上昇度合を測定するための診
断時間eをカウントする負圧保持タイマTpgofを0
にリセットするとともに、上記FTPセンサ39の検出
圧力に応じて算出されて記憶手段に記憶された圧力変化
量の最大値ftpr maxの記憶値をステップS19にお
いて0にリセットする。
【0041】次にステップS20において上記パージバ
ルブ38を閉止してパージ通路30を密閉する。そし
て、上記パージバルブ38が閉止されたことが確認され
た時点T2で、ステップS21において上記FTPセン
サ39により検出されたパージ通路30の内部圧力を第
1検出圧力ftp1として記憶した後、ステップS22
においてパージ通路30内の負圧が十分に得られなくな
る重度の故障が発生したことを判定するための基準圧力
P1を、水温センサ18および大気圧センサ41の検出
値に基づいて設定する。通常の運転状態では、上記基準
圧力P1が例えば−200mmAq程度の値に設定され
る。
【0042】そして、ステップS23において上記第1
検出圧力ftp1が基準圧力P1よりも小さいか否かを
上記故障判定手段43によって判定する。このステップ
S23でNOと判定され、吸気通路5内の内部圧力が上
記基準圧力P1未満に低下していないことが確認された
場合には、ステップS24においてパージ通路30の内
部圧力を所定の負圧に低下させることができない重度の
故障が発生したことを表示させる信号を上記故障判定手
段43から表示手段48に出力して制御動作を終了す
る。
【0043】また、上記ステップS23でYESと判定
された場合には、ステップS25においてエンジンの運
転状態を検出する各センサの検出値を入力した後、ステ
ップS26において蒸発燃料供給系に軽度の故障が生じ
ているか否かの判定基準となる圧力上昇度合の基準値P
rを、水温センサ18および大気圧センサ41の検出値
に基づいて設定するとともに、ステップS27において
蒸発燃料供給系の故障判定条件が成立したか否かを判定
し、NOと判定された場合には、上記ステップS4にリ
ターンして故障判定手段43による故障判定を中止し、
故障判定制御を初めから開始することにより、確実に故
障判定を行うようにする。
【0044】そして、上記ステップS27でYESと判
定されて蒸発燃料供給系の故障判定条件が成立したこと
が確認された場合には、ステップS28において上記減
圧タイマTpgonのカウント値を1だけインクリメン
トした後、ステップS29において上記油面センサ41
の検出信号に基づいて油面レベルの揺れ度合が大きいか
否かを上記揺れ度合判別手段47により判別する。この
ステップS29でYESと判定され、上記油面レベルの
揺れ度合が大きいことが確認された場合には、上記故障
判定を実行すべき状態にないと判断し、ステップS4に
リターンして上記故障判定手段43による故障判定を中
止する。
【0045】また、上記ステップS29でNOと判定さ
れた場合には、ステップS30において上記FTPセン
サ39により検出されたパージ通路30の内部圧力ft
pに基づいて所定のサンプリング時間内における圧力変
化量ftprを演算により求めた後、この圧力変化量f
tprに基づき、ステップS31において上記圧力変化
量の最大値ftpr maxを選定して記憶手段に記憶させ
る。
【0046】すなわち、上記FTPセンサ39により検
出された現時点におけるパージ通路30の内部圧力ft
pと、前回の制御動作時に検出されたパージ通路30の
内部圧力ftp−1との偏差を求めることにより、今回
の制御時における圧力変化量ftprを算出し、この値
と記憶手段に記憶された圧力変化量の最大値ftprma
xの記憶値とを比較し、大きい方を最大値として記憶手
段に記憶させることにより、下記の診断時間内eにおけ
る圧力変化量の最大値ftpr maxを求める。
【0047】次に、ステップS32において上記負圧保
持タイマTpgofのカウント値と、予め設定された2
5秒程度の診断時間eとを比較することにより、上記負
圧保持タイマTpgofがタイムアップしたか否かを判
定し、NOと判定された場合には、上記ステップS25
に戻って上記制御動作を繰り返す。そして、上記ステッ
プS33でYESと判定され、上記診断時間eが経過し
たことが確認された時点T3で、上記FTPセンサ39
により検出されたパージ通路30の内部圧力を、ステッ
プS33において第2検出圧力ftp2として記憶した
後、ステップS35においてこの第2検出圧力ftp2
から上記第1検出圧力ftp1を減算することにより、
上記診断時間e内におけるパージ通路30の圧力上昇度
合(ftp2−ftp1)を演算によって求める。
【0048】また、上記ステップS35において上記診
断時間e内におけるパージ通路30の圧力上昇度合(f
tp2−ftp1)の絶対値と、予め設定された係数k
とを、上記しきい値設定手段46において掛け合わせる
ことにより求めた値(k×|ftp2−ftp1|)
を、燃料タンク内油面の揺れ度合判定用のしきい値Aと
して設定する。
【0049】次にステップS36において上記ステップ
S31で求めた圧力変化量の最大値ftpr maxが、上
記揺れ度合判別用のしきい値Aよりも小さいか否かを判
定する。上記ステップS36でNOと判定され、燃料タ
ンク20内に収容された燃料の油面が大きく揺れて燃料
の気化が促進されることにより、上記パージ通路30の
内部圧力が短時間で大きく上昇し易い状態にあることが
確認された場合には、上記故障判定を実行すべきではな
いと判断して上記ステップS4にリターンし、上記故障
判定手段43による故障判定を中止して、故障判定制御
を初めから再度開始することにより、確実に故障判定を
行うようにする。
【0050】また、上記ステップS36でYESと判定
され、燃料タンク20内に収容された燃料の油面が大き
く揺れていないことが確認された場合には、ステップS
37において上記ステップS34で求めた圧力上昇度合
の絶対値|ftp2−ftp1|と、上記ステップS2
6で求めた第2基準値Prとを比較して、上記圧力上昇
度合の絶対値|ftp2−ftp1|が第2基準値Pr
よりも小さいか否かを判定する。
【0051】上記ステップS37でNOと判定され、パ
ージ通路30に形成された亀裂からパージ通路30内に
空気が導入される等により、上記診断時間e内における
パージ通路30の圧力上昇度合が上記第2基準値Pr以
上に上昇したことが確認された場合には、ステップS2
4において故障判定手段43から表示手段48に上記故
障が発生したことを表示させる制御信号を出力する。
【0052】また、上記ステップS37でYESと判定
され、パージ通路30の圧力上昇度合の絶対値|ftp
2−ftp1|が上記第2基準値Prよりも小さいこと
が確認された場合には、蒸発燃料供給系が正常であるた
めに上記診断時間eが経過するまでの間、上記パージバ
ルブ30内の負圧が適正に維持されたと判断し、ステッ
プS39において上記CVDVバルブ37を開放した後
に制御動作を終了する。
【0053】このようにパージ通路30の内部圧力を検
出するFTPセンサ39からなる圧力検出手段の検出圧
力に基づいて蒸発燃料供給系が故障しているか否かを判
定する故障判定手段43を備えた故障診断装置におい
て、上記スロットル開度センサ16からなるエンジン負
荷検出手段により検出されたエンジン負荷(スロットル
開度tvo)と軽負荷判定用の基準値aとを比較し、エ
ンジン負荷が基準値a以上であることが確認された場合
に、上記故障判定手段43による故障判定を禁止する判
定禁止手段44と、上記故障判定手段43による故障判
定中に、エンジン負荷が上記基準値a未満の状態から基
準値a以上となったことが確認された場合に、この状態
が予め設定された第2基準時間cを経過するまで上記故
障判定を継続する判定継続手段45とを設けたため、高
地の運転時等における誤判定を防止しつつ、蒸発燃料供
給系の故障を適正に診断することができる。
【0054】すなわち、上記故障判定手段43による故
障判定を実行する際に、判定禁止手段44においてエン
ジン負荷に対応したスロットル開度tvoが上記基準値
aよりも大きいと判定され、エンジンの燃焼室2内に大
量の空気が導入されて吸気通路5内の負圧が減少し易い
傾向にあることが判定禁止手段44において確認された
場合、および上記故障判定手段43による故障判定中
に、エンジン負荷が上記基準値a未満の状態から基準値
a以上となった状態が、上記第2基準時間cよりも長く
継続されたことが上記判定継続手段45において確認さ
れた場合に、上記故障判定を禁止または中止するように
構成したため、高地等の運転状態において、空気の密度
が低いこと等に起因してエンジン回転数が低下した状態
で、吸気通路5内に多くの空気が導入されることによ
り、負圧が減少してパージ通路30の内部圧力を上記第
1基準時間d内に所定値まで低下させられない状態で、
上記故障判定が行われることによる誤判定を防止しつ
つ、エンジン負荷が上記基準値a未満のときに、パージ
通路30の内部圧力に基づいてパージ通路30の接続不
良等からなる重度の故障が発生しているか否かを適正に
診断することができる。
【0055】そして、上記判定継続手段45において、
エンジン負荷が上記基準値a以上になった状態が早期に
解消され、上記第1基準時間dが経過する前にエンジン
負荷が上記基準値a未満に復帰した場合には、上記故障
判定手段43による蒸発燃料供給系の故障判定が実行さ
れるため、エンジン回転数が低下傾向にある高地の運転
時に、アクセルペダルが一時的に大きく踏み込まれてエ
ンジン負荷が上記基準値よりも大きくなった場合等に、
上記故障診断が中止されるという事態の発生を防止し、
これによって高地の運転状態等における故障判定を適正
に実行することができる。
【0056】また、上記実施形態では、大気圧センサ1
6からなる大気圧検出手段と、その検出信号に応じて高
地における運転状態にあることが確認された場合に、上
記軽負荷判定用の基準値aを平地における運転状態に比
べて小さな値に設定する基準値設定手段46とを設け、
上記大気圧センサ16の検出値に対応した基準値aを設
定するように構成したため、吸気通路5に導入される空
気の密度が低いことに起因してエンジン回転数が低下し
易く、パージ通路30内に導入される負圧が減少傾向に
ある高地の運転時に、平地における運転時に比べて小さ
な値に設定された基準値aと、エンジン負荷の検出値と
を比較して上記故障判定手段43による蒸発燃料供給系
の故障判定を禁止または中止するか否かを判別すること
ができる。したがって、上記パージ通路30内に導入さ
れる負圧が減少傾向にある高地の運転状態おいて、吸気
通路5内に大量の空気が導入されるエンジンの高負荷時
に、上記故障判定が実行されてパージ通路30内に導入
される負圧が、さらに減少することによる誤判定を確実
に防止しつつ、上記高地の運転状態等における故障判定
を適正に実行することができる。
【0057】しかも、上記高地の運転時に比べて空気密
度が高いためにエンジン回転数が低下しにくく、パージ
通路30内に導入される負圧を十分に確保することがで
きる平地の運転時には、上記軽負荷判定用の基準値aが
高地の運転時に比べて大きな値に設定されるため、上記
故障判定手段43による誤判定が生じにくい状態で、こ
の故障判定が頻繁に中断されるという事態の発生を防止
し、上記蒸発燃料供給系の故障を迅速かつ正確に判定す
ることができる。
【0058】また、上記実施形態では、故障判定手段4
3による故障判定を中止するか否かの判別基準となる第
2基準時間cを、パージ通路30内に導入される負圧に
基づく故障判定に影響を与えない範囲の最大時間、例え
ば1秒程度に設定したため、上記第2基準時間cが長す
ぎることに起因してパージ通路30の内部圧力を所定値
に低下させられなくなることによる誤判定を防止しつ
つ、上記第2基準時間cが短すぎることに起因して故障
判定が不必要に中断されるという事態の発生を効果的に
防止することができる。
【0059】さらに上記実施形態では、負圧状態で密閉
された上記パージ通路30の圧力上昇度合(ftp2−
ftp1)を、所定の診断時間e内において求めるとと
もに、この圧力上昇度合(ftp2−ftp1)に基づ
いて蒸発燃料供給系が故障しているか否かを判定する故
障判定手段43を有する故障診断装置において、蒸発燃
料供給系の故障診断時に、上記診断時間eよりも短い時
間に設定されたサンプリング時間内におけるパージ通路
30の圧力変化量の最大値ftpr maxをFTPセンサ
39の検出信号に基づいて求め、この圧力変化量の最大
値ftpr maxと、揺れ度合判別用のしきい値Aとを比
較することにより燃料タンク内油面の揺れ度合を揺れ度
合判別手段47において判別し、この判別結果に応じて
上記故障判定手段43による故障判定を禁止するように
構成したため、燃料タンク20内に収容された燃料の油
面の揺れに起因した誤判定を防止しつつ、蒸発燃料供給
系の故障を正確かつ迅速に診断することができる。
【0060】すなわち、上記サンプリング時間内におけ
るパージ通路30の圧力変化量の最大値ftpr maxに
基づいて燃料タンク20内に収容された燃料油面の揺れ
度合を上記揺れ度合判別手段47において判定するよう
に構成したため、上記油面センサ19の検出信号のみに
基づいて油面の揺れを判定する場合のように、油面セン
サ19の設置部の油面レベルが略一定に維持された状態
で燃料タンク20の側辺部等に生じる油面の揺れを検出
することができないという事態を生じることなく、上記
燃料タンク20内における油面の顕著な揺れを正確に検
出することができる。したがって、燃料タンク20の側
辺部等において油面の揺れが生じているにも拘らず、上
記FTPセンサ39の検出圧力に基づいて蒸発燃料供給
系の故障判定が実行されて、故障が生じていないのに故
障していると誤判定されるのを効果的に防止することが
できる。
【0061】また、上記実施形態に示すように、所定の
診断時間e内におけるパージ通路30の圧力上昇度合
(ftp2−ftp1)の絶対値と、所定の係数kとを
掛け合わせる等により、上記圧力上昇度合(ftp2−
ftp1)が増大するのに従って大きな値となるように
変化する上記揺れ度合判別用のしきい値Aを演算により
求めるように構成した場合には、このしきい値Aに基づ
いて上記油面の揺れ度合を正確に判別して、大きな揺れ
の発生時に上記故障判定を抑制することにより、誤判定
の発生を効果的に防止することができるとともに、大き
な揺れの非発生時に上記故障判定を適正に実行すること
ができる。
【0062】何故なら、上記パージ通路30に亀裂等が
形成されることなく、このパージ通路30内の負圧を適
正に維持できる状態で、油面の揺れが発生した場合に
は、図8に示すように、上記診断時間eが経過した時点
における上記圧力上昇度合(ftp2−ftp1)は、
比較的小さな値となって上記揺れ判別用のしきい値Aも
小さな値となるため、この揺れ判別用のしきい値Aと、
油面が揺れることに起因して生じるサンプリング時間S
内における圧力変化量の最大値fptr maxとを比較す
ることにより、この圧力変化量の最大値fptr maxが
比較的小さい場合においても、上記油面の揺れを正確に
判別することができる。
【0063】これに対して上記パージ通路30に亀裂等
が形成される等により、このパージ通路30の内部圧圧
が上昇し易い状態で、油面の揺れが発生した場合には、
図9に示すように、上記診断時間eが経過した時点にお
ける上記圧力上昇度合(ftp2−ftp1)は、比較
的大きな値となって上記揺れ判別用のしきい値Aも大き
な値となる。このため、上記亀裂からパージ通路30内
に空気が導入されるのに応じて生じるサンプリング時間
S内における圧力変化量の最大値fptr maxと、上記
上記揺れ判別用のしきい値Aとを比較した場合に、この
しきい値Aよりも上記圧力変化量の最大値fptr max
が大きくなって油面の揺れが発生していると誤判定され
るのを効果的に防止することができる。
【0064】したがって、上記圧力上昇度合(ftp2
−ftp1)が小さく、蒸発燃料供給系に故障が生じて
いる可能性が低い状態で、油面の大きな揺れが発生した
場合に、上記故障判定が実行されて、油面の大きな揺れ
に起因した燃料の蒸発に応じて故障が発生した誤判定さ
れるのを効果的に防止することができるとともに、上記
圧力上昇度合(ftp2−ftp1)が大きく、蒸発燃
料供給系に故障が生じている可能性が高い状態で、油面
の大きな揺れが発生していないにも拘らず、上記故障判
定が禁止されて故障の検出が遅れるという事態の発生を
効果的に防止することができる。
【0065】さらに上記実施形態では、燃料タンク20
内に収容された燃料の油面レベルを検出する油面センサ
19等からなる油面検出手段を設け、この油面検出手段
の検出信号に基づいて油面の揺れ度合を揺れ度合判別手
段47によって判別し、上記油面検出手段の検出信号に
応じて油面の揺れが大きいと判別された場合、および上
記圧力検出手段の検出圧力に基づいて求められた圧力変
化量ftprが、油面の揺れ度合判別用のしきい値よも
り大きいことが確認された場合に、それぞれ上記故障判
定手段による故障判定を抑制するように構成したため、
上記油面検出手段の設置部において油面の大きな揺れが
発生している場合には、この油面検出手段の検出信号に
応じて上記揺れ度合を迅速に判別することができるとと
もに、上記油面検出手段の設置部以外において大きな油
面の揺れが発生している場合には、上記圧力変化量ft
prに基づいて上記油面の揺れ度合を正確に判別するこ
とができる。
【0066】なお、上記実施形態では、スロットル開度
センサ16によって検出されたスロットル開度tvo
(エンジン負荷)が、軽負荷判定用の基準値a未満であ
ることが確認された場合には、常に上記故障判定手段4
3による故障判定を実行するように構成した例について
説明したが、上記スロットル開度tvoが0または0に
近い値であることが確認された場合にも、上記故障判定
を禁止または中止するように構成してもよい。このよう
に構成した場合には、エンジンのアイドル運転時等に、
上記キャニスタ31からなる吸着手段に吸着された燃料
がパージされて運転状態が不安定になることを効果的に
防止できるという利点がある。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、上記パ
ージ通路の内部圧力を検出する圧力検出手段の検出圧力
に基づいて蒸発燃料供給系が故障しているか否かを判定
する故障判定手段と、エンジン負荷を検出するエンジン
負荷検出手段とを有する故障診断装置であって、上記エ
ンジン負荷検出手段により検出されたエンジン負荷と軽
負荷判定用の基準値とを比較してエンジン負荷が基準値
以上であることが確認された場合に、上記故障判定手段
による故障判定を禁止する判定禁止手段と、上記故障判
定手段による故障判定中に、エンジン負荷が上記基準値
未満の状態から基準値以上となったことが確認された場
合に、この状態が予め設定された基準時間を経過するま
で上記故障判定を継続する判定継続手段とを設けたた
め、高地等の運転状態において、空気の密度が低いこと
等に起因してエンジン回転数が低下した状態で、吸気通
路内に多くの空気が導入されることにより、負圧がさら
に減少してパージ通路の内部圧力を上記基準時間内に所
定値まで低下させられないことによる誤判定を防止しつ
つ、エンジン負荷が上記基準値未満のときに、パージ通
路の内部圧力に基づいてパージ通路の接続不良等からな
る重度の故障が発生しているか否かを適正に診断するこ
とができる。
【0068】そして、上記判定継続手段において、エン
ジン負荷が上記軽負荷判定用の基準値以上になった状態
が早期に解消され、上記基準時間が経過する前にエンジ
ン負荷が上記基準値未満に復帰した場合には、上記故障
判定手段による蒸発燃料供給系の故障判定が実行される
ため、エンジン回転数が低下傾向にある高地の運転時
に、アクセルペダルが一時的に大きく踏み込まれてエン
ジン負荷が上記基準値よりも大きくなることにより、上
記故障診断が頻繁に中断されるという事態の発生を防止
し、これによって高地の運転状態等における故障判定を
適正に実行できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る蒸発燃料供給系を備え
たエンジンの一例を示す概略図である。
【図2】故障診断装置の具体的構成を示すブロック図で
ある。
【図3】軽負荷判定用の基準値と大気圧との関係を示す
グラフである。
【図4】故障診断制御の第1工程を示すフローチャート
である。
【図5】故障診断制御の第2工程を示すフローチャート
である。
【図6】故障診断制御の第3工程を示すフローチャート
である。
【図7】故障診断時の制御動作を示すタイムチャートで
ある。
【図8】故障の非発生時におけるパージ通路の内部圧力
の上昇状態を示すタイムチャートである。
【図9】故障発生時におけるパージ通路の内部圧力の上
昇状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
5 吸気通路 20 燃料タンク 30 パージ通路 31 キャニスタ(吸着手段) 37 CDCVバルブ(通路開閉手段) 38 パージバルブ(通路開閉手段) 39 FTPセンサ(圧力検出手段) 40 エンジン制御ユニット 42 蒸発燃料系制御手段 43 故障判定手段 44 判定禁止手段 45 判定継続手段 46 基準値設定手段 47 揺れ度合判別手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクから導出された蒸発燃料を吸
    着手段に供給して吸着させるとともに、この吸着手段に
    吸着された燃料をエンジンに供給するパージ通路と、こ
    のパージ通路を開閉する通路開閉手段と、上記パージ通
    路の内部圧力を検出する圧力検出手段と、蒸発燃料供給
    系の故障を診断する際に、上記パージ通路内に吸気通路
    の負圧を導入させるように上記通路開閉手段を制御する
    蒸発燃料系制御手段と、上記圧力検出手段の検出圧力に
    基づいて蒸発燃料供給系が故障しているか否かを判定す
    る故障判定手段と、エンジン負荷を検出するエンジン負
    荷検出手段とを有する故障診断装置であって、上記エン
    ジン負荷検出手段により検出されたエンジン負荷と軽負
    荷判定用の基準値とを比較してエンジン負荷が基準値以
    上であることが確認された場合に上記故障判定を禁止す
    る判定禁止手段と、上記故障判定手段による故障判定中
    に、エンジン負荷が上記基準値未満の状態から基準値以
    上となったことが確認された場合に、この状態が予め設
    定された基準時間を経過するまで上記故障判定を継続す
    る判定継続手段とを設けたことを特徴とする蒸発燃料供
    給系の故障診断装置。
  2. 【請求項2】 大気圧を検出する大気圧検出手段と、こ
    の大気圧検出手段により検出された大気圧に応じて高地
    における運転状態にあるか否かを判別して、高地におけ
    る運転状態にあることが確認された場合に、上記軽負荷
    判定用の基準値を平地における運転状態に比べて小さな
    値に設定する基準値設定手段とを設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の蒸発燃料供給系の故障診断装置。
  3. 【請求項3】 故障判定手段による故障判定を中止する
    か否かの判別基準となる基準時間を、パージ通路内に導
    入される負圧に基づく故障判定に影響を与えることな
    く、かつ上記故障判定が不必要に中止されることのない
    時間に設定したことを特徴とする請求項1または2記載
    の蒸発燃料供給系の故障診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019212A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Nissan Motor Co Ltd エバポパージシステムのリーク診断装置
CN104330260A (zh) * 2014-10-17 2015-02-04 哈尔滨工业大学 基于高调门开关试验的汽轮机顺序阀负荷突变故障诊断方法
CN111425843A (zh) * 2020-03-18 2020-07-17 华电电力科学研究院有限公司 一种能自动吹扫的炉膛压力模拟量取样装置及其控制方法

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