JPH10317352A - 緑化可能な侵食防止シート・マット - Google Patents

緑化可能な侵食防止シート・マット

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JPH10317352A
JPH10317352A JP5915498A JP5915498A JPH10317352A JP H10317352 A JPH10317352 A JP H10317352A JP 5915498 A JP5915498 A JP 5915498A JP 5915498 A JP5915498 A JP 5915498A JP H10317352 A JPH10317352 A JP H10317352A
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mat
erosion
sheet
plants
laid
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Tatsuya Mochizuki
達也 望月
Koichi Fujita
光一 藤田
Atsushi Hattori
敦 服部
Kengo Hori
堀  謙吾
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Minister for Public Works for State of New South Wales
Public Works Research Institute Ministry of Construction
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流水にさらされた植物が流失しにくくなると
同時に、シート・マットも植物の根によって地面と連結
されることによって、めくれ上がりしにくくなるめくれ
上がり防止機能をもち、同時に流水の地表面上を流れる
流速を低下させて、地表面上の土砂の移動を抑制させる
掃流力低減機能をもち、植物や土砂が流水にさらされて
流出するのを防止することができるシート・マットを提
供する。 【解決手段】 法面の緑化を可能とし、侵食を防止する
ためのシート・マットであって、糸状材からなる多孔質
構造体となっていて、糸状材の径は5mm以下であって、
多孔質構造体の厚さは5cm以下、空隙径は3cm以下とな
っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、法面を緑化しな
がら侵食を防止するシート・マットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のシート・マットとして、特
開平6-10324号公報に開示されたようなものがあり、堤
防の土壌上に繊維密度が10〜2000m/cm3の不織布層を設
け、その上に植物を植生して、植物の根が不織布層を貫
通して堤体土砂内部に張り巡らされるようにしたもので
ある。
【0003】ところでこの種のシート・マットにおいて
は、(1)めくれ上がり防止機能と、(2)吸い出し防止機
能とが要請されている。これらの(1)めくれ上がり防止
機能とは、流水にさらされた植物が流失しにくくなると
同時に、シート・マットも植物の根によって地面と連結
されることによって、めくれ上がりしにくくなる機能を
いい、(2)吸い出し防止機能とは、不織布の空隙径を土
砂の径より小さくして、土砂がこの不織布を通過できな
いようにしようとする機能をいうものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで前記公報に開示
されたものについて、これらの機能はどのようになって
いるかについて検討すると、前記の不織布には、繊維密
度が10〜2000m/cm3で、厚さが5mm(実施例1,2)、
8mm(比較例1)、10mm(実施例3)、1.1mm(実施例
4)、0.1mm(比較例4)のものがある。そしてこのよ
うなものは、不織布の空隙を利用して植物を植生してめ
くれ上がりを防止するといっているが、そのためには不
織布の繊維密度を小さくして空隙径を大きくしなければ
ならず、そのようにすると吸い出し防止効果が低下し、
このようなことからシート・マットのめくれ上がり防止
機能と、吸い出し防止機能とを同時に効率よく発揮する
ことが著しく困難であるという問題がある。
【0005】そこでこの発明の目的は、前記のような従
来のシート・マットのもつ問題を解消し、流水にさらさ
れた植物が流失しにくくなると同時に、シート・マット
も植物の根によって地面と連結されることによって、め
くれ上がりを防止するめくり上がり防止機能をもち、同
時に流水の地表面上を流れる流速を低下させて、掃流力
を小さくし、シート・マット内及びその下の土砂の移動
を抑制させることによって、土砂が流水にさらされて流
出するのを防止する掃流力低減機能を有するシート・マ
ットを提供するにある。ここで掃流力低減機能について
説明することとし、まず掃流力について説明すると、こ
れは流水が地面上を流れるとき、地表面上の土砂の粒を
移動させるように働く力を意味し、その際流速が速いほ
ど大きな掃流力となる。そしてこの掃流力がある程度以
上に大きくなると土砂が移動することになる。そこでシ
ート・マットによって地表面近傍の流速を遅くし、掃流
力を小さくして土砂が移動しないようにする機能を掃流
力低減機能という。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記のよう
な目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、法
面の緑化を可能とし、侵食を防止するためのシート・マ
ットであって、糸状材からなる多孔質構造体となってい
て、糸状材の径は5mm以下であって、多孔質構造体の厚
さは5cm以下、同空隙径は3cm以下であることを特徴と
するものである。
【0007】請求項2に記載の発明は、地面保護工法に
おいて、法面上に径が5mm以下の糸状材からなり、厚さ
は5cm以下、空隙径は3cm以下である多孔質構造体から
なる緑化可能な侵食防止シート・マットを敷設すること
を特徴とするものである。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、敷設した侵食防止シート・マットの空
隙を利用して植物を植生することを特徴とするものであ
る。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の発明において、植物を植生するに先立って、敷
設した緑化可能な侵食防止シート・マットの内部に、土
砂を充填することを特徴とするものである。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項2ないし
4のいずれかに記載の発明において、植物を植生するに
先立って、敷設した緑化可能な侵食防止シート・マット
の上に、厚さがほぼ1〜5cmの客土層を形成することを
特徴とするものである。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項2ないし
5のいずれかに記載の発明において、複数の侵食防止シ
ート・マットを上下左右に隣接して敷設し、隣接する侵
食防止シート・マットの端部を重合して、固定具によっ
て結合するとともに、法面に固定することによって敷設
することを特徴とするものである。
【0012】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、複数の侵食防止シート・マットのう
ち、該侵食防止シート・マット面上を流れる水の最上流
部に敷設するものの上流端部を土中に巻き込み、固定具
によって法面に固定することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の第1実施形態を示す図
1において、1は法面であって、この法面1にその緑化
を可能とし、侵食を防止するための侵食防止シート・マ
ット2を敷設し、この侵食防止シート・マット2は糸状
材3からなる多孔質構造体4となっていて、糸状材3の
径は5mm以下であって、多孔質構造体の厚さは5cm以
下、同空隙径は3cm以下となっている。
【0014】敷設した侵食防止シート・マット2の空隙
を利用して植物5を植生する。このようにして植生され
た植物5の根が容易に空隙に入ることができ、また糸状
材3と植物5の根とがからみ易く、さらにまた植物5の
根が多孔質構造体4の下面から地中に侵入することがで
きて、植物5が流失するのが防止されて繁茂するととも
に、侵食防止シート・マット2がめくれ上がるのが防止
されて、めくれ上がり防止機能を発揮する。
【0015】さらに侵食防止シート・マット2によって
流水の流速が低下して、掃流力低減機能を発揮して侵食
防止シート・マット2の内部及び下方の土砂が流出して
地面が侵食されることを防止することができる。この際
めくれ上がり防止効果を発揮するものとしては、糸状材
3の径が2mm以下、多孔質構造体の厚さが3cm以下、空
隙径は0.5〜2cmとなっているのものが好適である。
【0016】そして植物5を植生するに先立って、敷設
した緑化可能な侵食防止シート・マット2の内部に、土
砂を充填したり、また敷設した緑化可能な侵食防止シー
ト・マット2の上に、厚さがほぼ1〜5cmの客土層6を
形成したりすることがある。また侵食防止シート・マッ
ト2を敷設する以前に、法面1上に肥料や水を与えてお
くのが望ましい。
【0017】前記のようにしてこの侵食防止シート・マ
ット2を敷設するに際しては、それを現場において直接
敷設する代わりにこの法面1とは別の場所において、他
の地面に前記と同様にして侵食防止シート・マット2を
敷設し、植物5を植成した後植物5とともに侵食防止シ
ート・マット2を法面1に運搬して敷設してもよい。
【0018】この実施形態において、多孔質構造体4は
例えば損傷に対する抵抗性、耐久性、紫外線照射抵抗
性、対候性、耐劣化性等を有する化学製品によって形成
した糸状材からなるものである。例えばポリエステル又
はポリエチレンを押出成形によって形成した糸状材3
を、熱成形加工によって形成した不織布によって構成さ
れているものをあげることができる。
【0019】この実施形態の前記のような諸元は、実際
に行った実験結果において求められたデータと、下記の
理論式による演算値を基として決められたものであり、
その理論式の一部について説明する。地面に侵食防止シ
ート・マット2を敷設したことによって、裸地の場合に
比較してどれだけ掃流力が低減したかを百分率で表し
た、掃流力低減率Rがあり、この掃流力低減率Rは、侵
食防止シート・マット2内での泥水の流れにくさを表す
空隙抵抗係数pと、シート無次元厚aとの関数として計
算できるものであり、R=1%となるpとaとの計算結
果は図4に示すようになる。
【0020】そこでR=1%となる侵食防止シート・マ
ット2の厚さを決める方法について説明する。侵食防止
シート・マット2を構成する糸状材3の直径d及び空隙
径Dは、前記のめくれ上がり防止機能の観点から決定さ
れる。そしてこれらから空隙抵抗係数pは、つぎの式
(1)によって計算することができる。
【数1】 ここでgは重力加速度9.8(m/s)、λpは侵食防止シ
ート・マット2の空隙率、Kは透過係数であり、侵食防
止シート・マット2内での水の流れ易さを表す。
【0021】透過係数Kは、例えばつぎの方法によって
測定することができる。侵食防止シート・マット2を重
ね合わせるなどの方法によって、できるだけ厚くしたう
えで、それを非常に滑らかな水路床及び側壁からなる水
路に設置し、等流状態となるように通水する。その際侵
食防止シート・マット2の厚さより水深が小さくなるよ
うにする。なお侵食防止シート・マット2の厚さと、断
面平均流速Vと、水面勾配iとを測定した結果から、つ
ぎの式によって透過係数Kを計算することができる。
【数2】 ただしこの場合断面平均流速Vと水面勾配iの、大きさ
が異なる何種類かの実験結果の平均値としてKを決定す
ることが、精度向上の面から望ましい。
【0022】前記のような空隙率λp、糸状材3の直径
d、空隙径D、透過係数Kの値を、前記の式(1)に代
入して空隙抵抗係数pの値を計算することができる。こ
の空隙抵抗係数pの値と、図4に示したR=1%となる
空隙抵抗係数pとシート無次元厚aとの関係から、シー
ト無次元厚aが決定される。このシート無次元厚aの値
によって侵食防止シート・マット2の厚さtは、つぎの
式(3)によって計算することができる。
【数3】 t=a・D (3) そしてこの侵食防止シート・マット2の厚さtの値が、
前記のめくれ上がり防止機能の観点から、5cm以下とな
り、かつ図4に示したR=1%となる空隙抵抗係数pと
シート無次元厚aとの関係を満たすように決定すれば良
い。
【0023】図2にはこの発明の第2,3実施形態の使
用状態が示されている。これらの実施形態は、堤防7に
この発明を実施した例であり、堤防7の下方部分から順
次複数の侵食防止シート・マット2−1,1′、2−
2,2′、2−3,3′、2−4,4′を敷設して、上
下左右方向に隣接して配置しているものである。このよ
うな場合に、侵食防止シート・マット面上を、図3に示
すように水が矢印Aに示すように上下方向に流れるとす
ると、その上流側に位置する上位の侵食防止シート・マ
ット2−2の下流端部9の裏面を、下流側に位置する下
位の侵食防止シート・マット2−1の上流端部の表面に
重合し、鋲のような固定具10によって、両侵食防止シー
ト・マット2−1と2−2、2−2と2−3、2−3と
2−4とを結合するとともに、固定具10を堤防7の地面
に進入させて固定して敷設する。
【0024】また水が図3に矢印Bに示すように左右方
向に流れるとして図2を参照して説明すると、図面で左
側に位置して上流側に配置した各侵食防止シート・マッ
ト2−1,2,3,4の下流側端部すなわち右側側端部
を、右側に隣接して下流側に配置した各侵食防止シート
・マット2−1′,2′,3′,4′の上流側端部すな
わち左側側端部の表面に重合し、鋲のような固定具10に
よって、両侵食防止シート・マット2−1と2−1′、
2−2と2−2′、2−3と2−3′、2−4と2−
4′とを結合するとともに、固定具10を堤防7の地面に
進入させて固定して敷設する。
【0025】この発明の第3実施形態は、第2実施形態
と同様に図3に示されているので、これを参照して説明
する。それは複数の侵食防止シート・マット2のうち、
該侵食防止シート・マット面上を流れる水の、上下左右
方向における最上流部に敷設する侵食防止シート・マッ
ト、この場合には水が図3に矢印Bで示すように左右方
向に流れるので、侵食防止シート・マット2−1,2−
2(侵食防止シート・マット2−2は図示を省略)の、
上流側端部8を内方に屈曲して法面1の土中に巻き込
み、固定具10によって堤防7の地面に進入させて固定し
て敷設する。なおこの実施形態とは相違して、水が図3
に矢印Aの方向に流れる場合のものについては図示を省
略したが、図2を参照して説明すると、最上流側に位置
する各侵食防止シート・マット2−4の上流側端部を、
前記上流側端部8と同様にして地面に巻き込むこととな
る。
【0026】これらの第2,3実施形態においては、必
要に応じて前記の部所以外を固定具10によって固定して
も良く、そして第1実施形態と同様にして植物5を植生
することとなる。そしてこれらの第2,3実施形態は、
前記のような構成をもつことから、上下方向及び左右方
向に隣接する侵食防止シート・マット2どおしの継目が
強固に接合されてめくれ上ることがなくて、侵食防止シ
ート・マット2上を流れる流水が、めくれ上った継目か
ら侵食防止シート・マット2と地面との間に流入して、
地面を侵食するのを防止することとなる。
【0027】〔実験例1〕まず図5に示すようにして、
供試体をつぎの手順によってえた。ポリプロピレン製樹
脂を加熱溶融して直径2mmのノズルから押出して糸材料
に加工するとともに、ランダムに折りかさねて糸材料の
接点を溶着して多孔質構造体に整形することにより、空
隙率91%、厚さ3cm、長さ3m、幅30cmの侵食防止シー
ト・マット2をえた。この侵食防止シート・マット2を
縦3m、横2m、深さ60cmの砂質土壌11の表面に隙間な
く敷設して、侵食防止シート・マット2の空隙内に砂質
土壌11を充填し、さらに侵食防止シート・マット2の上
に厚さ約1cmの客土12を行った後に、野芝をべた張りに
して約15か月間養生した。このときの野芝の根は、侵食
防止シート・マットの空隙内に充填した砂質土壌内に伸
長するとともに、侵食防止シート・マットの下の土壌に
まで達していた(A)。
【0028】続いて長さ3m、幅30cm、深さ30cmの鋼製
枠14を野芝を繁茂させた地表面に押し込み(B)、その周
囲を(C)に示すように掘削し、ついで(D)に示すように
鋼製枠14を横に倒し、(E)に示すように鋼製枠14に底板
15を取付け、このようなものを(F)に示すように所定の
場所に移動し、最後に(G)に示すように鋼製枠14に底板
15を固定して侵食実験用の供試体16を得た。
【0029】このような供試体16を図6に示すような水
路における図示しない管水路実験装置17に設置した。つ
いで断面平均流速1.0,2.0,3.0,3.5m/s、水深約50c
mの条件で2〜4時間通水し、地表面の侵食状況及び野
芝の流失状況を観測する侵食実験を行った。
【0030】〔実験例2〕ポリプロピレン製樹脂を加熱
溶融して直径2mmのノズルから押出して糸状材に加工す
るとともに、ランダムに折りかさねて糸状材の接点を溶
着して多孔質構造体に整形することにより、空隙率96
%、厚さ3cm、長さ3m、幅30cmの侵食防止シート・マ
ット2をえた。このような侵食防止シート・マット2を
使用した以外は、実験例1と全く同様にして侵食実験を
行った。
【0031】〔実験例3〕ポリプロピレン製樹脂を加熱
溶融して直径2mmのノズルから押出して糸状材に加工す
るとともに、ランダムに折りかさねて糸状材の接点を溶
着してウエーブ状に立体整形することにより多孔質構造
体を作り、空隙率96%、厚さ3cm、長さ3m、幅30cmの
侵食防止シート・マット2を得た。このような侵食防止
シート・マット2を使用した以外は、実験例1と全く同
様にして侵食実験を行った。
【0032】〔比較例1〕侵食防止シート・マットを使
用しなかった以外は、実験例1と全く同様にして侵食実
験を行った。
【0033】〔比較例2〕繊度6デニールのポリエステ
ル製繊維を目付325g/m2、厚さ2.7mm(繊維密度に換算
すると180m/cm3)にニードルパンチを行って、接合す
ることにより整形した幅2m、長さ3mの不織布シート
を使用したこと、及び不織布の空隙径が砂質土の粒径よ
り小さかったため、不織布シートの空隙内に土壌を充填
しなかったこと以外は、実験例1と全く同様にして侵食
実験を行った。
【0034】〔実験結果〕前記の実験例1,2,3と、
比較例1,2とについて、その侵食実験をつぎの判定基
準A,B,C,Dに基づいて、目視によって評価した結
果は下記のとおりであった。 判定基準 A:野芝がほとんど流失していなくて、実用性がある。 B:部分的に侵食が進行して侵食防止シート・マットが
洗い出されるが、野芝がほとんど流失していなくて、実
用性がある。 C:野芝が流失して局所的にあるまとまった範囲で、侵
食防止シート・マットが洗い出される状況がみられて、
実用性がない。 D:広範囲にわたって根の層のめくれ上がりが見られ
て、実用性がない。 評 価 実験例1 B 実験例2 B 実験例3 A 比較例1 D 比較例2 C
【0035】
【発明の効果】この発明は、前記のようであって、請求
項1に記載の発明は、法面の緑化を可能とし、侵食を防
止するための侵食防止シート・マットであって、糸状材
からなる多孔質構造体となっていて、糸状材の径は5mm
以下であって、多孔質構造体の厚さは5cm以下、空隙径
は3cm以下であり、請求項2に記載の発明は、前記のよ
うな侵食防止シート・マットを地面に敷設するので、敷
設した侵食防止シート・マットの空隙を利用して植生さ
れた植物の根が容易に空隙に入ることができ、また糸状
材と植物の根とがからみ易く、さらにまた植物の根が多
孔質構造体の下面から地中に侵入することができて、植
物が流失するのが防止されて繁茂するとともに、侵食防
止シート・マットがめくり上がるのが防止されて、めく
り上がり防止機能を発揮し、さらに同時に流水の地表面
上を流れる流速を低下させて掃流力を低減し、侵食防止
シート・マット内及びその下の土砂の移動を抑制させる
ことによって、植物や土砂が流水にさらされて流出する
のを防止することができるという効果がある。
【0036】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、敷設した侵食防止シート・マットの空
隙を利用して植物を植生し、請求項4に記載の発明は、
植物を植生するに先立って、敷設した緑化可能な侵食防
止シート・マットの内部に、土砂を充填し、また請求項
5に記載の発明は、植物を植生するに先立って、敷設し
た緑化可能な侵食防止シート・マットの上に、厚さがほ
ぼ1〜5cmの客土層を形成するので、植生された植物の
根が容易に空隙に入ることができ、また糸状材と植物の
根とがからみ易く、さらにまた植物の根が多孔質構造体
の下面から地中に侵入することができて、植物が流失す
るのが防止されて繁茂するとともに、シート・マットが
めくれ上がるのが防止されて、めくれ上がり防止機能を
発揮することができるという効果がある。
【0037】請求項6に記載の発明は、請求項2ないし
5のいずれかに記載の発明において、複数の侵食防止シ
ート・マットを上下左右に隣接して敷設し、隣接する侵
食防止シート・マットの端部を重合して、固定具によっ
て結合するとともに、法面に固定し、請求項7に記載の
発明は、複数の侵食防止シート・マットのうち、該侵食
防止シート・マット面上を流れる水の最上流部に敷設す
るものの上流端部を土中に巻き込み、固定具によって法
面に固定するので、上下方向及び左右方向に隣接する侵
食防止シート・マットどおしの継目が強固に接合され、
また最上流部のものの上流端部が地面にしっかりと保持
されて、これらの部分から侵食防止シート・マット上を
流れる流水が侵食防止シート・マットと、地面との間に
流入して、地面を侵食するのを防止することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態の使用状態を示す縦断
正面図である。
【図2】この発明の第2,3実施形態の使用状態を示す
斜視図である。
【図3】同上の線3に囲まれたこの発明の第2,3実施
形態の使用状態を示す斜視図である。
【図4】同上の侵食防止シート・マットの無次元厚と空
隙抵抗係数との相関関係図である。
【図5】同上の侵食防止シート・マットの実験例を得る
ための供試体の取得手順を、(A)〜(G)の順に示す説明
図である。
【図6】同実験例における実験状態を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 法面 2 侵食防止シート・マット 3 糸状材 4 多孔質構造体 5 植物 6 客土層 7 堤防 8 上流側端部 9 下流端部 10 固定具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 謙吾 茨城県つくば市旭1番地 建設省土木研究 所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面の緑化を可能とし、侵食を防止する
    ためのシート・マットであって、糸状材からなる多孔質
    構造体となっていて、糸状材の径は5mm以下であって、
    多孔質構造体の厚さは5cm以下、同空隙径は3cm以下で
    あることを特徴とする緑化可能な侵食防止シート・マッ
    ト。
  2. 【請求項2】 法面上に径が5mm以下の糸状材からな
    り、厚さは5cm以下、空隙径は3cm以下である多孔質構
    造体からなる緑化可能な侵食防止シート・マットを敷設
    することを特徴とする地面保護工法。
  3. 【請求項3】 敷設した侵食防止シート・マットの空隙
    を利用して植物を植生することを特徴とする請求項2に
    記載の地面保護工法。
  4. 【請求項4】 植物を植生するに先立って、敷設した緑
    化可能な侵食防止シート・マットの内部に、土砂を充填
    することを特徴とする請求項2又は3に記載の地面保護
    工法。
  5. 【請求項5】 植物を植生するに先立って、敷設した緑
    化可能な侵食防止シート・マットの上に、厚さがほぼ1
    〜5cmの客土層を形成することを特徴とする請求項2な
    いし4のいずれかに記載の地面保護工法。
  6. 【請求項6】 複数の侵食防止シート・マットを上下左
    右に隣接して敷設し、隣接する侵食防止シート・マット
    の端部を重合して、固定具によって結合するとともに、
    法面に固定することを特徴とする請求項2ないし5のい
    ずれかに記載の地面保護工法。
  7. 【請求項7】 複数の侵食防止シート・マットのうち、
    該侵食防止シート・マット面上を流れる水の最上流部に
    敷設するものの上端部を土中に巻き込み、固定具によっ
    て法面に固定することを特徴とする請求項6に記載の地
    面保護工法。
JP5915498A 1997-03-14 1998-03-11 緑化可能な侵食防止シート・マット Expired - Lifetime JP2963987B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002194654A (ja) * 2000-12-21 2002-07-10 Toyobo Co Ltd 植物育成地用立体網状構造体
JP2020094325A (ja) * 2018-12-10 2020-06-18 クリアーシステム株式会社 シートを用いた斜面施工方法

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JP2020094325A (ja) * 2018-12-10 2020-06-18 クリアーシステム株式会社 シートを用いた斜面施工方法

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