JPH10317086A - β−FeSi2材料およびその作製方法 - Google Patents
β−FeSi2材料およびその作製方法Info
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- JPH10317086A JPH10317086A JP12527197A JP12527197A JPH10317086A JP H10317086 A JPH10317086 A JP H10317086A JP 12527197 A JP12527197 A JP 12527197A JP 12527197 A JP12527197 A JP 12527197A JP H10317086 A JPH10317086 A JP H10317086A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は熱電発電素子や赤外線発光素子および
受光素子,光導波路素子などに使用されるβ−FeSi
2 材料およびその製造方法を提供する。 【解決手段】本発明はβ−FeSi2 中に含まれるマン
ガン,アルミニウム,コバルト,クロム,ニッケル以外
の不純物元素の濃度が100ppm 以下であり、光学的バ
ンドギャップが0.75eV〜1.0eVの範囲にあるこ
とを特徴とするβ−FeSi2材料。
受光素子,光導波路素子などに使用されるβ−FeSi
2 材料およびその製造方法を提供する。 【解決手段】本発明はβ−FeSi2 中に含まれるマン
ガン,アルミニウム,コバルト,クロム,ニッケル以外
の不純物元素の濃度が100ppm 以下であり、光学的バ
ンドギャップが0.75eV〜1.0eVの範囲にあるこ
とを特徴とするβ−FeSi2材料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱電発電素子や赤
外線発光素子および受光素子,光導波路素子などに使用
されるβ−FeSi2 材料およびその製造方法に関す
る。
外線発光素子および受光素子,光導波路素子などに使用
されるβ−FeSi2 材料およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、熱電発電素子用のβ−FeSi2
材料を製造するのに使用されている方法は小島勉,増本
剛,西田勲夫,日本金属学会雑誌,第48巻,1984
年,843頁−847頁中に示されているように、純度
が99%以下の低品位の鉄を材料として使用するもので
あった。すなわち、上記公知例によれば、純度が99%
の工業用鉄と純度98%の工業用シリコンを所定の割合
に混合し、これを溶解してα−FeSi2 からなるイン
ゴットを調整する工程,このインゴットを所定の粒度に
粉砕する工程,ポリビニルアルコール等の結合剤を添加
して所定の形状に加圧成形する工程,1100〜120
0℃の範囲で焼結する工程を経てα−FeSi2 からな
る焼結体を得た後、この焼結体を700〜840℃の温
度にて20〜200時間熱処理をする工程を経て結晶形
態をαからβに転換してβ−FeSi2 材料を得る方法
であった。
材料を製造するのに使用されている方法は小島勉,増本
剛,西田勲夫,日本金属学会雑誌,第48巻,1984
年,843頁−847頁中に示されているように、純度
が99%以下の低品位の鉄を材料として使用するもので
あった。すなわち、上記公知例によれば、純度が99%
の工業用鉄と純度98%の工業用シリコンを所定の割合
に混合し、これを溶解してα−FeSi2 からなるイン
ゴットを調整する工程,このインゴットを所定の粒度に
粉砕する工程,ポリビニルアルコール等の結合剤を添加
して所定の形状に加圧成形する工程,1100〜120
0℃の範囲で焼結する工程を経てα−FeSi2 からな
る焼結体を得た後、この焼結体を700〜840℃の温
度にて20〜200時間熱処理をする工程を経て結晶形
態をαからβに転換してβ−FeSi2 材料を得る方法
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法およびそれにより作製されたβ−FeSi2 材料は、
鉄とシリコンを溶解する工程,粒に粉砕する工程,結合
剤を添加する工程などにより多くの不純物を混入するた
め、高純度のβ−FeSi2 材料が得られなかった。
法およびそれにより作製されたβ−FeSi2 材料は、
鉄とシリコンを溶解する工程,粒に粉砕する工程,結合
剤を添加する工程などにより多くの不純物を混入するた
め、高純度のβ−FeSi2 材料が得られなかった。
【0004】また、熱電性能を示さないα−FeSi2
焼結体を作製した上、長い熱処理工程を必要としたり、
粉砕して粉径調整等いずれも複雑で手間のかかる工程を
必要とし、効率的にβ−FeSi2 熱電半導体材料を製
造することができなかった。従って本発明の目的は、極
めて簡単な方法で、高品位のβ−FeSi2 熱電半導体
材料とその製造方法を提供することにある。
焼結体を作製した上、長い熱処理工程を必要としたり、
粉砕して粉径調整等いずれも複雑で手間のかかる工程を
必要とし、効率的にβ−FeSi2 熱電半導体材料を製
造することができなかった。従って本発明の目的は、極
めて簡単な方法で、高品位のβ−FeSi2 熱電半導体
材料とその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、不活性ガス
雰囲気あるいは真空雰囲気あるいは還元性ガスの雰囲気
中に、純度が99.9%以上の高純度鉄と純度が99.9
9%以上の高純度シリコンとを互いに接触させた状態で
保持し、700℃から900℃の温度範囲に1分間以上
加熱することで、お互いを溶融させることなく、高純度
鉄と高純度シリコンの固相反応を起こさせることで得ら
れる高品位β−FeSi2 材料により達成される。
雰囲気あるいは真空雰囲気あるいは還元性ガスの雰囲気
中に、純度が99.9%以上の高純度鉄と純度が99.9
9%以上の高純度シリコンとを互いに接触させた状態で
保持し、700℃から900℃の温度範囲に1分間以上
加熱することで、お互いを溶融させることなく、高純度
鉄と高純度シリコンの固相反応を起こさせることで得ら
れる高品位β−FeSi2 材料により達成される。
【0006】本発明においては、高純度鉄と高純度シリ
コンとが互いに接触した状態で、溶融することなく、不
活性雰囲気中あるいは真空中あるいは還元性雰囲気中で
加熱するのみなので、材料を保持する容器などの周囲か
ら不純物が混入することが極めて少ない。さらにメカニ
カルアロイの方法のような材料粉砕用のボールを使用し
たり容器を回転させることがないので、これらのボール
や容器の材料が発生原因となる不純物混入の心配もな
い。また、安価でしかも大量に高純度のβ−FeSi2
材料を作製することができる。
コンとが互いに接触した状態で、溶融することなく、不
活性雰囲気中あるいは真空中あるいは還元性雰囲気中で
加熱するのみなので、材料を保持する容器などの周囲か
ら不純物が混入することが極めて少ない。さらにメカニ
カルアロイの方法のような材料粉砕用のボールを使用し
たり容器を回転させることがないので、これらのボール
や容器の材料が発生原因となる不純物混入の心配もな
い。また、安価でしかも大量に高純度のβ−FeSi2
材料を作製することができる。
【0007】
〔実施例1〕図1は本発明の基本原理を示した図であ
る。
る。
【0008】まず、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気あ
るいは真空雰囲気あるいは水素ガスなどの還元性雰囲気
中に、純度が99.9%以上の高純度鉄と純度が99.9
9%以上の高純度シリコンとを互いに接触させた状態で
保持する。この場合、高純度鉄および高純度シリコンは
板状でも棒状でも、あるいは、粉末状でもかまわない。
るいは真空雰囲気あるいは水素ガスなどの還元性雰囲気
中に、純度が99.9%以上の高純度鉄と純度が99.9
9%以上の高純度シリコンとを互いに接触させた状態で
保持する。この場合、高純度鉄および高純度シリコンは
板状でも棒状でも、あるいは、粉末状でもかまわない。
【0009】上記の高純度鉄と高純度シリコンとを互い
に接触させ、700℃から900℃の温度範囲に設定
し、1分間以上加熱する。この時シリコンと鉄は溶融す
ることなく、互いの表面酸化膜を破壊しながら、シリコ
ン原子が鉄材料の内部に侵入し、固相シリサイド反応を
起こしβ−FeSi2結晶が得られる。このβ−FeSi2
結晶は通常薄片状になり、原料の高純度鉄および高純度
シリコンと剥離するので、容易に回収することができ
る。したがって、未反応の高純度鉄および高純度シリコ
ン材料は再びβ−FeSi2 結晶の原料として使用する
ことができる。
に接触させ、700℃から900℃の温度範囲に設定
し、1分間以上加熱する。この時シリコンと鉄は溶融す
ることなく、互いの表面酸化膜を破壊しながら、シリコ
ン原子が鉄材料の内部に侵入し、固相シリサイド反応を
起こしβ−FeSi2結晶が得られる。このβ−FeSi2
結晶は通常薄片状になり、原料の高純度鉄および高純度
シリコンと剥離するので、容易に回収することができ
る。したがって、未反応の高純度鉄および高純度シリコ
ン材料は再びβ−FeSi2 結晶の原料として使用する
ことができる。
【0010】〔実施例2〕図2は高純度鉄板と高純度シ
リコン板を用いてβ−FeSi2 材料を作製する方法を
示した図である。
リコン板を用いてβ−FeSi2 材料を作製する方法を
示した図である。
【0011】透明石英製の真空容器1内に石英製の支持
台2を配置し、その上に直径100mm,厚さ2mmの高純
度シリコン板3(純度99.999%,結晶方位Si(10
0))と直径95mm,厚さ2mmの高純度鉄板4(純度99.
999%)を互いに接触させた状態で水平に配置した。
台2を配置し、その上に直径100mm,厚さ2mmの高純
度シリコン板3(純度99.999%,結晶方位Si(10
0))と直径95mm,厚さ2mmの高純度鉄板4(純度99.
999%)を互いに接触させた状態で水平に配置した。
【0012】次に、ガス導入孔5を閉じた状態で、真空
排気孔6に接続した真空ポンプ(図示せず)により、真
空容器1内を真空圧力1×10-6Paまで真空排気し
た。次に、ガス導入孔5より、流量調節バルブ(図示せ
ず)を用いて、真空容器1内に不活性アルゴンガスを導
入し、ガス圧力を1×10-1Paとした。
排気孔6に接続した真空ポンプ(図示せず)により、真
空容器1内を真空圧力1×10-6Paまで真空排気し
た。次に、ガス導入孔5より、流量調節バルブ(図示せ
ず)を用いて、真空容器1内に不活性アルゴンガスを導
入し、ガス圧力を1×10-1Paとした。
【0013】上記真空容器1の上部に加熱用(消費電力
3kW)のハロゲンランプ7を配置し、その上部に反射
板8をかぶせた。ハロゲンランプ7に通電を行い、上記
高純度シリコン板3と高純度鉄板4の温度を取り付けた
熱電対(図示せず)で温度を測定しながら、10分間で
800℃に昇温加熱し、その温度で1時間保持し、その
後、10時間の徐冷を行って室温とした。
3kW)のハロゲンランプ7を配置し、その上部に反射
板8をかぶせた。ハロゲンランプ7に通電を行い、上記
高純度シリコン板3と高純度鉄板4の温度を取り付けた
熱電対(図示せず)で温度を測定しながら、10分間で
800℃に昇温加熱し、その温度で1時間保持し、その
後、10時間の徐冷を行って室温とした。
【0014】この熱処理の結果、図3に示すごとく、高
純度鉄板4と高純度シリコン板3の接触している界面に
おいて、鉄原子がシリコン基板の中に拡散・反応を起こ
す固相シリサイド化反応が進行し、斜線部に示すような
高純度のβ−FeSi2 材料9が形成された。さらに、
β−FeSi2 材料9と高純度純鉄板10および高純度
シリコン板11との熱膨張係数の差により、β−FeS
i2 材料9は高純度純鉄板10および高純度シリコン板
11とよりはがれ、薄片状になった。
純度鉄板4と高純度シリコン板3の接触している界面に
おいて、鉄原子がシリコン基板の中に拡散・反応を起こ
す固相シリサイド化反応が進行し、斜線部に示すような
高純度のβ−FeSi2 材料9が形成された。さらに、
β−FeSi2 材料9と高純度純鉄板10および高純度
シリコン板11との熱膨張係数の差により、β−FeS
i2 材料9は高純度純鉄板10および高純度シリコン板
11とよりはがれ、薄片状になった。
【0015】この薄片状のβ−FeSi2 材料9の純度
を蛍光X線不純物分析装置により不純物の有無を調べた
ところ、顕著な不純物元素は検出されなかった。
を蛍光X線不純物分析装置により不純物の有無を調べた
ところ、顕著な不純物元素は検出されなかった。
【0016】さらにこのβ−FeSi2 材料9の結晶性
をレーザラマン分光装置により測定したところ、図4に
示すように、Si結晶に起因する散乱ピーク(Si,T
O)とβ−FeSi2 結晶構造に起因するピークのみが
得られ、熱電性能を示さないα−FeSi2 構造のピー
クはまったく検出できず、高品位のβ−FeSi2 結晶
が得られていることが分かった。
をレーザラマン分光装置により測定したところ、図4に
示すように、Si結晶に起因する散乱ピーク(Si,T
O)とβ−FeSi2 結晶構造に起因するピークのみが
得られ、熱電性能を示さないα−FeSi2 構造のピー
クはまったく検出できず、高品位のβ−FeSi2 結晶
が得られていることが分かった。
【0017】本方法では板状の材料を使用したが、原料
の形状は粉末でもよい。鉄あるいはシリコンの板の上に
シリコンあるいは鉄の粉末を置く方法、あるいは、これ
らの材料の粉末をあらかじめ混合しておく方法などが可
能である。さらに境界界面での反応を進みやすくするた
めに、お互いを押さえつけるような力を加えたり、加圧
した容器内で加熱することも効果的である。
の形状は粉末でもよい。鉄あるいはシリコンの板の上に
シリコンあるいは鉄の粉末を置く方法、あるいは、これ
らの材料の粉末をあらかじめ混合しておく方法などが可
能である。さらに境界界面での反応を進みやすくするた
めに、お互いを押さえつけるような力を加えたり、加圧
した容器内で加熱することも効果的である。
【0018】また、図5に示すごとく、板状の高純度シ
リコン12の上に円柱状の高純度鉄棒13を配置し、高
純度鉄棒13を回転させながら2つの材料を接触させる
方法もある。あるいは、図6に示すごとく、2つの円柱
状の高純度シリコン棒14と円柱状の高純度鉄棒15を
回転させながら接触させ、境界界面でβ−FeSi2結
晶材料16を形成する方法も可能である。
リコン12の上に円柱状の高純度鉄棒13を配置し、高
純度鉄棒13を回転させながら2つの材料を接触させる
方法もある。あるいは、図6に示すごとく、2つの円柱
状の高純度シリコン棒14と円柱状の高純度鉄棒15を
回転させながら接触させ、境界界面でβ−FeSi2結
晶材料16を形成する方法も可能である。
【0019】〔実施例3〕高純度鉄板にあらかじめドー
ピング元素としての高純度マンガンを10ppm 含有させ
ておき、実施例2と同様の方法により、高純度鉄板と高
純度シリコン板を用いてβ−FeSi2 材料を作製した
ところ、電気伝導性がp型で光学的バンドギャップが
0.85eVのβ−FeSi2 材料が得られた。
ピング元素としての高純度マンガンを10ppm 含有させ
ておき、実施例2と同様の方法により、高純度鉄板と高
純度シリコン板を用いてβ−FeSi2 材料を作製した
ところ、電気伝導性がp型で光学的バンドギャップが
0.85eVのβ−FeSi2 材料が得られた。
【0020】また、高純度鉄板にあらかじめドーピング
元素としての高純度コバルトを10ppm含有させた鉄板
を使用し、実施例2と同様の方法により、β−FeSi
2材料を作製したところ、今度は、電気伝導性がn型の
β−FeSi2 材料が得られた。この時の光学的バンド
ギャップは0.82eVであった。
元素としての高純度コバルトを10ppm含有させた鉄板
を使用し、実施例2と同様の方法により、β−FeSi
2材料を作製したところ、今度は、電気伝導性がn型の
β−FeSi2 材料が得られた。この時の光学的バンド
ギャップは0.82eVであった。
【0021】本実施例では鉄のなかに所望のドーピング
元素を含有させたが、シリコンの中に含有させても同じ
効果が得られた。
元素を含有させたが、シリコンの中に含有させても同じ
効果が得られた。
【0022】さらに、これらドーピング元素としてのマ
ンガン,アルミニウム,コバルト,クロム,ニッケル
を、あらかじめ作製した高純度β−FeSi2 材料に熱
拡散させる方法か、あるいは、イオン注入などの通常の
ドーピング方法によりいれることも可能である。
ンガン,アルミニウム,コバルト,クロム,ニッケル
を、あらかじめ作製した高純度β−FeSi2 材料に熱
拡散させる方法か、あるいは、イオン注入などの通常の
ドーピング方法によりいれることも可能である。
【0023】〔実施例4〕実施例3において作製された
電気伝導性がp型の薄片状β−FeSi2 材料と電気伝
導性がn型の薄片状β−FeSi2 材料とを、図7に示
すような、U字形に溝が作られた型に、左右にそれぞれ
200gずつ封入し、蓋をしたうえで、圧力200kg/
cm2 で加圧しながら、真空中で温度900℃で20時間
保持した。その結果、焼結反応が起こり、U字形の固形
のβ−FeSi2 材料素子が形成された。この大きさは
厚み5mm、U字形の長さ50mmであった。
電気伝導性がp型の薄片状β−FeSi2 材料と電気伝
導性がn型の薄片状β−FeSi2 材料とを、図7に示
すような、U字形に溝が作られた型に、左右にそれぞれ
200gずつ封入し、蓋をしたうえで、圧力200kg/
cm2 で加圧しながら、真空中で温度900℃で20時間
保持した。その結果、焼結反応が起こり、U字形の固形
のβ−FeSi2 材料素子が形成された。この大きさは
厚み5mm、U字形の長さ50mmであった。
【0024】この実施例によるβ−FeSi2 材料熱電
発電素子を380K〜870Kの範囲で測定したとこ
ろ、図8のような優れた熱電特性を示した。
発電素子を380K〜870Kの範囲で測定したとこ
ろ、図8のような優れた熱電特性を示した。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来方法のような複雑で長い時間を必要とする熱処理工程
は不必要であり、溶解,粉砕,結合剤添加などによる不
純物の混入を防ぐことができる。したがって、製造工程
の簡略化,製造コストの大幅低減,かつ高品位・高性能
のβ−FeSi2 材料をつくることが可能になるという
効果がある。
来方法のような複雑で長い時間を必要とする熱処理工程
は不必要であり、溶解,粉砕,結合剤添加などによる不
純物の混入を防ぐことができる。したがって、製造工程
の簡略化,製造コストの大幅低減,かつ高品位・高性能
のβ−FeSi2 材料をつくることが可能になるという
効果がある。
【図1】本発明の一実施例を示すチャート図である。
【図2】高純度鉄板と高純度シリコン板を用いてβ−F
eSi2 材料を作製する方法を示す図である。
eSi2 材料を作製する方法を示す図である。
【図3】固相シリサイド化反応後の高純度鉄板と高純度
シリコン板および形成された高純度β−FeSi2 材料
の形状を示す図である。
シリコン板および形成された高純度β−FeSi2 材料
の形状を示す図である。
【図4】形成された高純度β−FeSi2 結晶のラマン
分光スペクトルを示す図である。
分光スペクトルを示す図である。
【図5】板状の高純度シリコンの上に円柱状の高純度鉄
棒を接触させる方式を示したものである。
棒を接触させる方式を示したものである。
【図6】円柱状の高純度シリコンと円柱状の高純度鉄棒
を回転させながら接触させる方法を示す図である。
を回転させながら接触させる方法を示す図である。
【図7】p型β−FeSi2 材料とn型β−FeSi2
材料を接合して作製したpn接合熱電発電素子の一例を
示したものである。
材料を接合して作製したpn接合熱電発電素子の一例を
示したものである。
【図8】本発明で得られた焼結β−FeSi2 材料熱電
発電素子の熱電特性を示したものである。
発電素子の熱電特性を示したものである。
1…真空容器、2…支持台、3,11,12…高純度シ
リコン板、4…高純度鉄板、5…ガス導入孔、6…真空
排気孔、7…ハロゲンランプ、8…反射板、9…β−F
eSi2 材料、10…高純度純鉄板、13,15…高純
度鉄棒、14…高純度シリコン棒、16…p型β−Fe
Si2 、17…n型β−FeSi2 。
リコン板、4…高純度鉄板、5…ガス導入孔、6…真空
排気孔、7…ハロゲンランプ、8…反射板、9…β−F
eSi2 材料、10…高純度純鉄板、13,15…高純
度鉄棒、14…高純度シリコン棒、16…p型β−Fe
Si2 、17…n型β−FeSi2 。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 33/00 H01L 33/00 A (72)発明者 峯村 哲郎 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 林原 光男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内
Claims (7)
- 【請求項1】β−FeSi2 中に含まれるマンガン,ア
ルミニウム,コバルト,クロム,ニッケル以外の不純物
元素の濃度が100ppm 以下であり、光学的直接エネル
ギーバンドギャップが0.75eV以上〜0.9eV以下
の範囲にあることを特徴とするβ−FeSi2 材料。 - 【請求項2】前記請求項1において、前記マンガンある
いはアルミニウムのうちの少なくとも1つの元素を0.
1以上〜100ppm以下の濃度でドーピングされたこと
を特徴とするp型β−FeSi2 材料。 - 【請求項3】前記請求項1において、前記コバルト,ク
ロム,ニッケルのうちの少なくとも1つの元素を0.1
以上〜100ppm以下の濃度でドーピングされたことを
特徴とするn型β−FeSi2 材料。 - 【請求項4】ガス圧力が10-1Pa以上の不活性ガス雰
囲気中、あるいは周囲圧力が10-1Pa以下の真空雰囲
気中、あるいは酸化性ガスの分圧が1Pa以下の還元性
ガス雰囲気中において、純度が99.9%以上の高純度
鉄と純度が99.99%以上の高純度シリコンとを互い
に直接接触させた状態で保持し、該接触場所を700℃
から900℃の温度範囲に1分間以上加熱することを特
徴とするβ−FeSi2材料の作製方法。 - 【請求項5】前記請求項4において、雰囲気の不活性ガ
スあるいは還元性ガスのガス圧力を0.1kg/cm2以上に
加圧することを特徴とするβ−FeSi2 材料の作製方
法。 - 【請求項6】前記請求項4において、磁界強度が0.0
01 テスラ以上の電磁界に鉄材料を配置し、電磁力に
より鉄材料を吸引させることにより、鉄とシリコンの接
触圧力を0.1kg/cm2以上増加させることを特徴とする
β−FeSi2 材料の作製方法。 - 【請求項7】請求項2記載のp型β−FeSi2 材料と
請求項3記載のn型β−FeSi2材料を接合し、p−
n接合を形成することにより、電子移動を制御したこと
を特徴とする素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12527197A JPH10317086A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | β−FeSi2材料およびその作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12527197A JPH10317086A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | β−FeSi2材料およびその作製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10317086A true JPH10317086A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=14905957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12527197A Pending JPH10317086A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | β−FeSi2材料およびその作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10317086A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1045459A1 (en) * | 1998-10-22 | 2000-10-18 | Japan Science and Technology Corporation | Variable-wavelength light-emitting device and method of manufacture |
EP1102334A2 (de) * | 1999-11-19 | 2001-05-23 | Basf Aktiengesellschaft | Thermoelektrisch aktive Materialien und diese enthaltende Generatoren |
WO2004024626A1 (ja) * | 2002-09-11 | 2004-03-25 | Nikko Materials Co., Ltd. | 珪化鉄粉末及びその製造方法 |
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