JPH10315481A - インク液面を制御する構造を有する静電型インクジェットプリンタヘッド - Google Patents

インク液面を制御する構造を有する静電型インクジェットプリンタヘッド

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JPH10315481A
JPH10315481A JP12886797A JP12886797A JPH10315481A JP H10315481 A JPH10315481 A JP H10315481A JP 12886797 A JP12886797 A JP 12886797A JP 12886797 A JP12886797 A JP 12886797A JP H10315481 A JPH10315481 A JP H10315481A
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ink
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electrostatic
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JP12886797A
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English (en)
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Tadao Iwaki
岩城  忠雄
Shige Sato
樹 佐藤
Naoki Kawada
直樹 川和田
Koji Kawaguchi
幸治 川口
Seiji Kuwabara
誠治 桑原
Hiroshi Okano
宏 岡野
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Seiko Instruments Inc
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Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の光書込み静電型インクジェット記録装
置に用いられている静電型インクジェットプリンタヘッ
ドは、インク吐出のために必要な電圧が4kV程度と高
圧を必要とするため、電源負荷が大きくなったり、その
ために電源寸法が大きくなるといった課題があった。ま
た、電界強度が7〜8×106V/m程度に大きくなる
と、高電圧による火花放電などの問題が生じるという課
題を有していた。 【解決手段】 少なくとも電荷供給源10と、ソース電
極2と、インクと、インク室7と、インク吐出口6と、
対向電極8とを有し、インク吐出口6が少なくとも1つ
以上のインク液面制御体11を具備した構造とすること
により、インク吐出に必要な電圧を1.0×106〜
2.0×106V/mと低減させることができ、電源負
荷に関する課題を軽減させることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高品質画像の高速
出力が要求される印刷業界から、オフィス、パーソナル
な要求に基づくプリンタ業界、多種多用な被記録媒体を
用いる低価格な汎用出力機器等を求める民生品業界まで
の広範なニーズに対応可能な出力画像を被記録媒体上に
得るための記録装置に用いる静電型インクジェットプリ
ンタヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録における光書
込み静電加速型インクジェット記録装置[酒井:「イン
ク記録装置」、特開平2−192948]では、図4に
示すように、静電型インクジェットプリンタヘッドは、
ガラス101(原特許では透光性の基体と称されてい
る)、透明電極102(原特許では導電層と称されてい
る)、光導電体103(原特許では電荷発生層と電荷移
動層とに分離して表現されている)、保護層104、シ
ート105、スリット106、溝107、対向電極10
8(原特許では背面電極と称されている)、被記録媒体
109(原特許では記録紙と称されている)とから構成
されている。ガラス101上に形成された透明電極10
2の上に形成された光導電体103は、有機光導電体で
ある電荷発生層(CGL)および電荷移動層(CTL)
とからなる。さらに、この光導電体を構成するCTL
は、インクに可溶であるために保護膜104がコーティ
ングされている。また、インクは、溝107を通ってス
リット106まで満たされている。
【0003】このような構成の静電型インクジェットプ
リンタヘッドにおいて、透明電極102と対向電極10
8との距離を0.4mmとしておき、透明電極102と
対向電極108との間に4kV(対向電極を接地)の直
流電圧を印加する。このときの透明電極102と対向電
極108との間の電界強度は、107V/mである。次
に、スリット106の位置に対応した部分の光導電体1
03に、画像情報を乗せたレーザ光を走査・集光する。
すると、前記レーザ光が照射された部分の光導電体10
3の抵抗値が低下して、その部分に電界が集中する。そ
のため、この電界集中部分と対向電極108との間の電
界強度が高くなり、この電界による吸引力がスリット1
06でのインクの表面張力よりも大きくなり、インクが
対向電極108の方向に引き付けられてスリット106
から突出する。さらに、このインクの突出部には対向電
極とは逆極性の電荷が集中して電界による吸引力がさら
に高くなり、ついにはインクがスリット106より分離
する。このとき、インクの突出部最先端に集中していた
前記逆極性の電荷が、この分離したインクに溜り帯電さ
せる。この帯電した分離インクは、前記透明電極102
と対向電極108との間の電界により、対向電極108
に向かって吐出・移動し、被記録媒体109に付着す
る。
【0004】このようにして、従来のインクジェット記
録における光書込み静電加速型インクジェット記録装置
は、レーザ光を用いて高速かつ高解像度のインク記録を
可能としていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
説明した従来の光書込み静電型インクジェット記録装置
に用いられている静電型インクジェットプリンタヘッド
は、インク吐出のために必要な電圧が4kV程度と高圧
を必要とするため、電源負荷が大きくなったり、そのた
めに電源寸法が大きくなるといった課題があった。ま
た、電界強度が7〜8×106V/m程度に大きくなる
と、インクの絶縁破壊電圧に近く、さらに湿度が大きく
なると空気の絶縁破壊も起こしやすくなり、高電圧によ
る火花放電などの問題が生じるという課題を有してい
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の静電型インクジ
ェットプリンタヘッドは、少なくとも電荷供給源と、ソ
ース電極と、インクと、インク室と、インク吐出口と、
対向電極とから構成され、前記電荷供給源に接続された
前記ソース電極と前記インクとの間に設けられた光導電
体を光学的にスイッチングすることにより当該ソース電
極から特定のインク部位に電荷を供給し、当該電荷を供
給されたインク部位を前記インクと前記対向電極との間
の静電気力により所定の前記インク吐出口から分離吐出
させる静電型インクジェットプリンタヘッドにおいて、
前記インク吐出口が少なくとも1つ以上のインク液面制
御体を有した構造とすることにより、インク吐出に必要
な電圧を1.0×106〜2.0×106V/mと低減さ
せることができ、電源負荷に関する課題を軽減させるこ
とができた。また、このことにより、本発明の静電型イ
ンクジェットプリンタヘッドの駆動電圧は、インクや高
湿空気に対する絶縁破壊電圧に比較して充分小さくする
ことができ、火花放電に関する課題を解決することがで
きた。
【0007】また、上記インク液面制御体に隣接したイ
ンク溜め部を設けることにより、上述した従来の光書込
み静電型インクジェット記録装置の静電型インクジェッ
トプリンタヘッドに比べて、より安定したインク吐出が
可能となった。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の静電型インクジェットプ
リンタヘッドにおける実施の形態の1例を図面を用いて
説明する。図1は、本発明の静電型インクジェットプリ
ンタヘッドの1例における構成を示す概念図であり、1
は基板、2はソース電極、3は光導電体、4はスペー
サ、5は天板、6はインク吐出口、7はインク室、8は
対向電極、9は被記録媒体、10は電源、11はインク
液面制御体、12は書込み光である。以下の説明では、
基板1、ソース電極2、光導電体3、スペーサ4、天板
5、インク吐出口6、およびインク室7までを一括し
て、ヘッド部と呼ぶことにする。
【0009】基板1はガラスやプラスティックなどの透
明基板を成形加工したものを用いる。この基板1は対向
電極と電源を除く他の構成要素を支持する作用を有す
る。基板の上には、ソース電極2が形成されている。こ
のソース電極2は、光導電体3に電荷を注入するととも
に、対向電極8との間に所定の電界を形成する機能を有
している。ソース電極2を形成する材料としては、IT
O(Indium-Tin-Oxide)などの透明電極や、Au/C
r、Al、Cr、Ni、Cu、Agなどの金属薄膜電極
を用いることができる。なお、このような金属電極を用
いる場合は、書込み光12が光導電体3に充分な光強度
で照射されるように、500Å程度以下の膜厚とするの
が好ましい。また、1000Å以上の厚い金属電極をソ
ース電極2として用いる場合は、電極パターンを形成し
て、書込み光が所定の光導電体3の部分に照射されるよ
うにする必要がある。
【0010】光導電体3は、ソース電極2の上に形成さ
れている。光導電体3は、書込み光12が照射されてい
ないときは、光導電体3は高抵抗薄膜として作用し、ソ
ース電極2と対向電極8との間に所定の直流バイアス電
界を生じしめ、書込み光12が照射されている部分は低
抵抗薄膜として作用してインクを吐出させるのに充分な
高電界を発生させる機能を有する。光導電体3を構成す
る材料としては、水素化アモルファスシリコン(a−S
i:H)やCdSeなどの無機光半導体や、電荷発生層
(CGL:Carrier Generation Layer)と電荷輸送層
(CTL:Carrier Transport Layer)から構成される
有機光半導体を用いることができる。このCGLを形成
する材料である電荷発生材料(CGM:Carrier Genera
tion Material)としては、ペリレン系、フタロシアニ
ン系、アゾ系、あるいはキノン系顔料を主成分として含
む高分子材料で、CTLを形成する材料である電荷輸送
材料(CGM:Carrier Transport
Material )としては、オキサジアゾール、オ
キサゾールなどの複素環化合物や、ヒドラゾン、トリフ
ェニルメタン、トリアリールアミンなどを主成分とした
高分子材料を用いる。CGLとCTLからなる2層構造
の有機光半導体を光導電体3として用いる場合は、ソー
ス電極2の上にCGLを、CGLの上にCTLを形成す
る。
【0011】スペーサ4は、光導電体3の上にレジスト
などの感光性高分子材料を塗布した後、インク室7の形
状に対応したパターンを良く知られている露光、現像、
定着、焼成の工程を経て形成する。このスペーサ4の厚
みと面内寸法によりインク室7の形状が決定され、その
結果、インク吐出口に供給されるインク量とインク背圧
が制御される。スペーサ4を用いる代わりに、基板1と
してのプラスティック基板や天板5としてのプラスティ
ック天板を予め所定のスペーサ形状となるように成形し
たものを用いてもよいことは言うまでもない。
【0012】天板5は、絶縁性シートにインク吐出口6
を形成したものであり、接着剤を用いて、あるいは熱圧
着法を用いてスペーサ4上に接合してある。絶縁性シー
トとしては、ガラスやセラミックなどの無機材料薄板
や、ポリイミドやポリエチレンテレフタレートやポリカ
ーボネートなどの高分子薄板を用いることができる。こ
の天板5にはインク吐出口6がエッチングやレーザ加工
を用いて開口されている。インク吐出口6の開口形状
は、後述するように、1個または複数の円形開口や矩形
開口、あるいは長辺と短辺比の大きな矩形開口であるス
リット開口となっている。さらにまた、この天板には後
述するように、インク液面制御体11が一体で形成され
ている。天板5は、インク吐出口6が形成されている部
分のヘッド部のインピーダンスとそれ以外の部分のイン
ピーダンスとを整合させるとともに、ヘッド部の絶縁耐
圧を向上させる機能を有している。
【0013】また、光導電体3として有機光半導体を用
い、さらにインクとして有機溶剤を溶媒として用いる場
合は、前記有機光半導体がインクに溶解してしまう場合
があるため、光導電体3の上に有機溶剤への溶解度の低
いフッ素系高分子材料を塗布して保護層を形成すること
が好ましい。対向電極8は、通常金属を加工したものを
用いる。図1に示す例においては、平板状の形状を示し
ているが、インク吐出口6への電界集中効率を向上させ
るために線状に形成したり、紙送りを容易にするために
ロール状に形成したりしてもよいことは言うまでもな
い。さらに、ヘッド部との放電を抑制するために対向電
極8のヘッド部側の表面を絶縁被覆してもよい。
【0014】被記録媒体9は、電源10から駆動電圧を
印加したときに誘起される表面電荷の分布を均一にする
と同時に、インク吐出口6との距離を一定に保つために
対向電極8に接して配されている。電源10は、所定の
電圧と電流とをソース電極2と対向電極8との間に供給
する機能を有している。印加電圧波形としては、書込み
光12が光導電体3に照射され、帯電したインクが被記
録媒体に付着するのに充分な時間一定の高電圧が印加さ
れておれば、どのような電圧波形を用いてもよい。すな
わち、直流電圧を印加するか、画像信号に対応した適切
なパルス電圧を印加して駆動させる。本実施例では電源
10としては直流電圧電源を用いた。電圧としては、動
作マージンを含めて1〜4kV程度まで印加出来れば充
分である。
【0015】また、本発明の静電型インクジェットプリ
ンタヘッドに用いるインクの物性の内、特にインク吐出
に影響を与えるものとしては、表面張力、粘度、導電率
とが挙げられる。表面張力と前記インク吐出口6と対向
電極8との間隔において、インクが安定して吐出する最
大間隔(以下最大記録間隔と呼ぶ)は、導電率と粘度を
一定と考えた場合、表面張力が20〜50dyn/cm
の範囲では、表面張力の減少に従って広くすることがで
きる。よって、表面張力が小さい程、インク吐出過程に
おける抵抗力が小さくなり、弱い電界でもインク吐出が
可能なため、最大記録間隔を大きくすることができる。
表面張力は一般に水性インクの方が高く純水で72.8
dyn/cm(20℃)であるが、有機溶剤は20dy
n/cmから35dyn/cmであるから、本発明に用
いるインクとしては、有機溶剤に染料を溶解したインク
を用いることが望ましい。また、上記インクにアニオン
界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤
などの界面活性剤を溶解して表面張力を減少させること
により前記最大記録間隔を増加させることも可能であ
る。
【0016】また、ソース電極2と対向電極8とでどち
らを高電位側にするかに関しては、使用するインクの極
性によって異なる。一般に、油性インクではソース電極
2側を、水性インクでは対向電極側を高電位にするとよ
い場合が多い。前記インク溶剤の粘度は広い範囲に渡っ
て選択できるが、粘度が低い溶剤は揮発性が高いため、
インクの保存性が悪くなる。そこで、インクの保存性を
確保するために沸点が200℃以上である範囲の溶剤を
選択するのが好ましい。粘度と最大記録間隔との関係
は、表面張力と導電率を一定と考えた場合、最大記録間
隔は粘度の減少とともに増加する。よって、表面張力の
場合と同様に粘度の低いときはインク吐出過程における
抵抗力が小さくなり最大記録間隔を大きくすることがで
きる。インクがインク吐出口6から吐出するためには、
前記光導電体3からインク室7に電荷を注入し、さらに
その電荷をインク吐出口6まで移動させることが必要で
ある。従って、本発明の静電型インクジェットプリンタ
ヘッドに用いるインクの導電率は低いことが望ましい
が、この導電率が低過ぎる場合には当該インクに注入さ
れた電荷がインク吐出口6に形成されるインク液面に到
達する前に、前記インク室7内で電荷が拡散されてしま
うためにインク吐出は生じなくなる。よって、インクと
しては、導電率が10-7〜10-11S/cmの範囲に調
整された油性インクを用いる。インク導電率としてより
好ましい値は10-8〜10-9S/cmである。
【0017】なお、上記のインク物性の設定値に関して
は、図示していない光照射手段の光源条件および前記ソ
ース電極2と対向電極8間に印加する電圧値、光導電体
3の膜厚、および前記最大電極間距離等にインク吐出の
可否が依存されるため、最適な表面張力、粘度、導電率
等の特性範囲は必ずしも上記値に限定されないことは言
うまでもない。
【0018】動作方法としては、従来の技術と同様であ
るため、その説明を省略する。従来の動作と異なる点
は、図1に示すようにインク液面制御体11によってイ
ンク液面が予め対向電極8側に吐出した形状となってい
る点である。このことにより、インク液面制御体11が
ない場合に、インク液面を対向電極側に吐出させるため
の電界が消費するエネルギー分を省略することができ、
実質的に従来の光書込み静電型インクジェット記録装置
用静電型インクジェットプリンタヘッドに比較して実質
的に低い電圧でインクを被記録媒体に向けて吐出させる
ことが出来る。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の静電型インクジェットプリ
ンタヘッドの構造とその動作について実施例を用いて詳
細に説明する。図2は、本発明の静電型インクジェット
プリンタヘッドに形成した天板構造の1実施例の断面図
である。図2における(a)〜(b)までの図面は、本
発明の静電型インクジェットプリンタヘッドにおいて実
施したインク吐出部とインク液面制御体の基本的な断面
形状の種類をそれぞれ個別に表したものである。図2に
おいて、13はインク溜め部、14は開口部、15は支
持体、16は第1のインク液面制御体、17は第2のイ
ンク液面制御体、18はインク液面である。
【0020】図2(a)に示した実施例による天板の断
面図においては、インク液面制御体11はインク吐出口
の開口部14に隣接して対向電極側に突起状に形成され
ている。天板5の対向電極8と面している面から測った
インク液面制御体11の高さを10〜50μm、インク
液面制御体11の幅を40〜200μmとすると、イン
ク液面18の形状は図示する対向電極8側への凸形状と
なった。なおこのとき、インク液面制御体11の幅を狭
くすればするほどインク液面制御体11の高さを高くし
ないと、インクが天板5の面内方向に流動して良好なイ
ンク液面18の形状が得られないことが分かった。ま
た、このときのインク吐出口6の開口14は、インク液
面制御体11の中心に開けられている。
【0021】インク液面制御体11の対向電極8に面し
ている面は、インクとの濡れ性を良くするための表面処
理が施されており、天板5の対向電極8と面している面
はインクとの濡れ性を良くするための表面処理が施され
ている。具体的には、インク液面制御体11の対向電極
8に面している面は表面を薬液処理あるいは機械的処理
で荒らすか、もしくはアクリルモノマーを塗膜して処理
してインクとの濡れ性を良くしている。あるいは、イン
クとの濡れ性の良いフッ素系樹脂以外の高分子シートや
ガラスを用いて天板5を加工成形してもよい。さらに、
天板5の対向電極8に面している面の表面は、テトラフ
ルオロエチレンなどのフッ素系高分子皮膜を塗布するこ
とにより、インクのはじきを良くしている。このように
することにより、何も表面処理しない場合に比べて、安
定したインク液面形状が得られることが分かった。
【0022】図2(b)に示す天板の断面構造において
は、インク吐出口の開口部14の中心にインク液面制御
体11が形成されている。このインク液面制御体11
は、開口を有するはしご状に形成された支持体によって
天板5に固定かつ支持されている。インク液面制御体1
1の表面は上記と同様にしてインクとの濡れ性を良くし
てある。また、天板5の表面はフッ素系樹脂をコーティ
ングしたり、シランカップリング剤を塗布してインクを
弾くように処理されている。このようにすることによ
り、図示するように、安定してインク液面18を対向電
極8側に凸形状に保つことができるようになり、安定し
たインク吐出が可能となった。
【0023】図2(c)に示す天板の断面構造において
は、図2(a)に示したインク液面制御体11に近接し
た外周部にインク溜め部13が形成された構造を持って
いる。このインク液面制御体11とインク溜め部13と
の表面は、上述した方法によってインクとの濡れ性を良
くするための表面処理がなされている。また、天板5の
表面は、上述した方法によってインクを弾くように処理
されている。このような構造にすることによって、図示
するように、図2(a)よりも安定してインク液面18
を対向電極8側に凸形状に保つことができるようにな
り、安定したインク吐出が可能となった。
【0024】図2(d)に示す天板の断面構造において
は、図2(a)に示したインク液面制御体11に近接し
た内周部にインク溜め部13が形成された構造を持って
いる。このインク液面制御体11とインク溜め部13と
の表面は、上述した方法によってインクとの濡れ性を良
くするための表面処理がなされている。また、天板5の
表面は、上述した方法によってインクを弾くように処理
されている。このような構造にすることによって、図示
するように、図2(a)よりも安定してインク液面18
を対向電極8側に凸形状に保つことができるようにな
り、安定したインク吐出が可能となった。
【0025】図2(e)に示す天板の断面構造において
は、図2(b)に示す天板の断面構造の開口部14に近
接する外周部にインク溜め部13を設け、さらにこのイ
ンク溜め部13に近接する外周部に第2のインク液面制
御体17を形成した構造となっている。また、インク吐
出口の開口部14の中心には第1のインク液面制御体1
6が形成されている。この第1のインク液面制御体16
は、開口を有するはしご状に形成された支持体15によ
って天板5に固定かつ支持されている。この第1のイン
ク液面制御体16、第2のインク液面制御体17および
インク溜め部13との表面は、上述した方法によってイ
ンクとの濡れ性を良くするための表面処理がなされてい
る。また、天板5の表面は、上述した方法によってイン
クを弾くように処理されている。このような構造にする
ことによって、図示するように、図2(b)よりも安定
してインク液面18を対向電極8側に凸形状に保つこと
ができるようになり、安定したインク吐出が可能となっ
た。
【0026】次に、図2(b)、(c)、(e)に示す
ように、インク液面制御体11または16の全部がイン
ク液中に浸漬する場合のインク液面制御体の形状につい
て図3に示す実施例を用いて説明する。これらインク液
面制御体は上記のように表面処理によってインクとの濡
れ性を良くし、インク液面を対向電極側に凸形状に成形
する作用を持っている。このインク液面の制御の仕方
は、これらインク液面制御体の形状に大きく依存する。
インクの粘度や表面張力によって異なるが、特に、これ
らインク液面制御体の先端寸法がおよそ200μm以上
になると形状効果が顕著に現れるようになってくる。図
3(a)は前記インク液面制御体の形状が円柱または立
方体の場合が示してある。このような場合に前記インク
液面制御体の先端寸法がおよそ200μm以上である
と、前記インク液面制御体のインク液面に近い角の部分
でインク液面の曲率が急激に大きくなると同時に、イン
ク液面に近い面の部分でインク液面の曲率が小さくなる
ために、本発明の静電型インクジェットプリンタヘッド
に駆動電圧を印加した場合にインク液面に誘起される電
荷の殆どがインク液面の曲率の大きい前記インク液面制
御体の角の近傍部分に集中される。そのため、前記ソー
ス電極と前記対向電極との間に駆動電圧を印加してイン
クを吐出させようとすると、前記インク液面制御体の角
の近傍部分にあるインク部分が対向電極に引き寄せら
れ、その結果微妙に異なる初期条件によってインクがイ
ンク液面より分離する部分がカタストロフィックに決定
されて、インク吐出方向が一義に定まらないという問題
が生じてしまう。このような問題を避けるためには、図
3(b)に示すように、インク液面制御体の先端寸法を
200μm以下、望むらくは100μm以下に小さくす
ることが好ましい。
【0027】上記の課題を解決する別の実施例として、
図3(c)に示すように、インク液面制御体の先端を球
状に加工した実施例を示す。このような先端が球状のイ
ンク液面制御体を形成することにより、インク液面はイ
ンク液面制御体の先端の中心近傍の1点が対向電極側に
凸形状となる。従って、この状態で前記ソース電極と前
記対向電極との間に駆動電圧を印加すると、インク液面
のインク液面制御体の先端の中心近傍の1点に電荷が集
中する。そのため、インクはインク液面制御体の中心の
1点からのみ吐出され、安定したインクの吐出を実現す
ることができた。
【0028】図3(d)は、インク液面制御体の先端を
先鋭に尖らせた形状の実施例を示している。この実施例
では図3(c)に示した球状先端のインク液面制御体を
用いた場合と同様の効果をインク液面に与えることがで
きるために、インク液面制御体の1点から安定したイン
クの吐出が可能となる。このようにインク液面制御体の
先端を先鋭にすることによって、図3(c)に示すよう
にインク波面制御体の先端を球状にする場合よりも低電
圧でインクを吐出させることができるという利点があ
る。また、このようにすることで、より高解像度の印字
が可能となる長所がある。これは逆にインクの吐出量を
増やしたい場合にはインク液面制御体の先端形状が球形
をしている方が好ましいことを意味している。従って、
インク吐出口の量に応じてインク液面制御体の先端の曲
率を変化させて最適化することが好ましい。なお、動作
電圧を変化させることによってもインク吐出量を変える
ことが出来ることは言うまでもない。
【0029】次に、インク吐出口の形状に関する実施例
を図面を用いて説明する。図5は本発明の静電型インク
ジェットプリンタヘッドのインク吐出口の1実施例を示
す斜視図である。図5においては、図1および図2に番
号を付した構成と同一の機能を果たす構成には同一の番
号を付し、その説明を省略する。図5に示すインク吐出
口は、1ドットのインク吐出のみを可能とする単ドット
吐出口の実施例を示している。
【0030】図5(a)は円筒状のインク液面制御体1
1の中心に円形開口14を有したインク吐出口形状の1
実施例が示している。これは、図2(a)に示す天板断
面形状に対応する。図5(b)は円形状開口14の中に
支持体15によって先端が円錐状に尖ったインク液面制
御体11を有したインク吐出口形状の1実施例を示して
いる。支持体15は天板表面よりもヘッド側に窪んだ位
置に形成することが安定したインク液面を形成するため
に重要となってくる。また、図では支持体15の数とし
て3個の場合が示されているが、インク吐出に充分なイ
ンク量が供給できれば何個の支持体を形成しても良いこ
とは言うまでもない。図5(b)は、図2(b)に示す
天板断面形状に対応する。図5(c)は図5(a)に示
すインク吐出口の円筒状インク液面制御体11の内側に
インク溜め部13を設けたインク吐出口形状の1実施例
が示している。これは、図2(a)に示す天板断面形状
に対応する。これは、図2(d)に示す天板断面形状に
対応する。図5(d)は図5(b)に示すインク吐出口
の開口の外側に円筒状インク液面制御体11を設け、こ
の円筒状インク液面制御体11の内側にインク溜め部1
3を設けたインク吐出口形状の1実施例が示している。
また、図では支持体15の数として3個の場合が示され
ているが、インク吐出に充分なインク量が供給できれば
何個の支持体を形成しても良いことは言うまでもない。
図5(d)は、図2(e)に示す天板断面形状に対応す
る。
【0031】図5では、円形状開口のインク吐出口形状
を示したが、矩形状やその他の開口形状を有するインク
吐出口形状にしてもよい。さらに、ここでは単ドット吐
出口が1個形成されている場合を示しているが、通常は
この単ドット吐出口を線状などの所定の規則に従って複
数配列して用いることは良く知られている。図6は本発
明の静電型インクジェットプリンタヘッドのインク吐出
口の1実施例を示す斜視図であり、ライン状に所定の位
置からインク吐出を可能とするスリット状開口を有する
吐出口の実施例を示している。図5においては、図1お
よび図2に番号を付した構成と同一の機能を果たす構成
には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0032】図6(a)は、スリット状開口14の外周
部を取り囲むように矩形状のインク液面制御部が設けら
れているインク吐出口形状の1実施例が示してある。こ
れは図2(a)の天板断面形状の場合に対応する。この
場合、特に前記スリット状開口の長手方向に見たインク
液面の形状を図2(d)に示すように、対向電極側に凸
に制御することが重要となってくる。従って、インク吐
出方向を安定に制御するために、インク吐出はスリット
開口の両端から所定の距離離れた部分より内側で行う。
すなわち、図1の12で示す書き込み光を照射する位置
は、スリット開口の両端から所定の距離離れた部分より
内側の光導電体3の部分で行う。このようなインク吐出
口形状とすることにより、上記のインク吐出部の任意の
位置からインク吐出が可能となり、スリット長手方向の
印字分解能は書き込み光照射位置分解能程度まで向上さ
せることができる。
【0033】図6(b)は、スリット状開口の中央部に
支持体15を介して線状のインク液面制御体11を形成
したインク吐出口形状の1実施例が示してある。これは
図2(b)の天板断面形状の場合に相当する。この構造
のインク吐出口は、図6(a)に示すインク吐出口に比
べてより安定な凸状インク液面を形成することができる
と同時に、インク液面の曲率をより小さくすることがで
きるために、インク吐出に必要な駆動電圧をより低くす
ることができる。しかしながら、この構造は開口内部に
支持体15およびインク液面制御体11を形成しなけれ
ばならないために、加工が難しくなるという欠点を有し
ている。ポリイミドなどの高分子材料を図6(b)に示
すインク吐出口を形成するための天板材料に選んだ場
合、その厚みが20μmであるならば、エキシマレーザ
を用いた加工方法や湿式エッチングあるいは乾式エッチ
ングを用いた加工方法を用いると、幅50μmのスリッ
ト開口中に幅10μmのインク液面制御体を形成するこ
とができた。天板材料の厚みをさらに薄くすることによ
って、さらに幅の狭いインク吐出口を形成することが可
能である。このようなインク吐出口形状とすることによ
り、上記のインク吐出部の任意の位置からインク吐出が
可能となり、スリット長手方向の印字分解能は図1に示
す書き込み光照射位置分解能程度まで向上させることが
できる。
【0034】スリット状のインク吐出口を形成する場合
は、スリット長手方向のインク液面制御も重要となって
くる。図7はスリット状のインク吐出口を形成する場合
のスリット長手方向のインク液面の形状を示した模式図
であり、6はインク液面、11はインク液面制御体であ
る。図7(a)は直方体状のインク液面制御体11上に
形成されるインク液面6の形状を示している。このとき
インク液面6はインク液面制御体11の端面で凸形状と
なるが、それ以外の部分では一様な平面を形成する。従
って、インク液面制御体11の端面から所定の距離だけ
離れた部分ではインクの吐出条件は同一となるため、イ
ンク吐出はこの領域を用いて行う。図7(b)はインク
液面制御体11のインク液面6に面する側に凸凹周期構
造を形成した場合を示す。この場合も、図7(a)の場
合と同様にインク液面6はインク液面制御体11の端面
で凸形状となる。さらに、それ以外の領域のインク液面
形状はインク液面制御体11に形成された凸凹周期構造
に対応した凸凹形状となる。この凸凹形状は駆動電圧が
インクに作用した場合に、凸部に電荷集中を発生し易く
し、その結果、より低電圧でインク吐出を可能とする。
しかしながら、このような凸凹周期構造をインク液面制
御体11に設けることによって、スリット長手方向の任
意の場所のインク吐出はできなくなり、この周期構造の
ピッチに対応したインク吐出のみが可能となる。
【0035】(実施例1)図1に示す本発明の静電型イ
ンクジェットプリンタヘッドにおいて、インク吐出口を
幅100μm、長さ5mmのスリット形状とし、インク
液面制御体11を設けない構造のものを作製した。光導
電体としてはCGL/CTLの2層構造からなる有機光
半導体を用いた。このとき、対向電極8とソース電極2
との距離を0.5mmとした。また、インクとしてはイ
ソプロパノールを主溶剤としたものにカーボン顔料を分
散させ、電気伝導度10-9s/cmとしたものを用い
た。このとき、ソース電極と対向電極間に1〜5kVの
電圧を印加した。なお、このとき図1に示すように、ソ
ース電極側を接地した。そして、インク吐出させる部分
の光導電体に波長690nmのレーザ光を半導体レーザ
光源から導光して照射した。なお、レーザ光はガウス分
布の半値幅で約80μmに絞った。レーザ照射時間は1
msecと一定にした。すると、ソース電極と対向電極
間の電場の大きさが4〜6kV/mmとなるとき、イン
ク吐出が可能となった。このとき、この電場の大きさが
6〜7kV/mmとなると火花放電が発生するため、火
花放電の引き金となるゴミの付着などには注意が必要で
あった。
【0036】(実施例2)次に、図1に示す静電型イン
クジェットプリンタヘッドにおいて、図5(a)に示す
ようなインク液面制御体を一列に並べて形成したものを
用いてインク吐出条件を調べた。インク吐出口の形状が
異なる他は、実施例1で説明したのと同じ条件でインク
吐出を試みた。このときの開口の直径は100μmと
し、インク液面制御体は天板の面から20μmの高さと
した。さらにインク液面制御体の円筒の厚みは40μm
とした。また、天板表面はフッ素系樹脂をコーティング
して撥油処理した。このとき、インク吐出可能な最小の
電場の大きさは1.5〜3kV/mmとなり、実施例1
の場合に比べて大幅に小さな電場強度でインク吐出が可
能となった。
【0037】(実施例3)次に、図1に示す静電型イン
クジェットプリンタヘッドにおいて、図5(d)に示す
ようなインク液面制御体を一列に並べて形成したものを
用いてインク吐出条件を調べた。インク吐出口の形状が
異なる他は、実施例1で説明したのと同じ条件でインク
吐出を試みた。このときの開口の直径は100μmとし
た。第1のインク液面制御体の直径およびインク溜めか
らの高さを50μmとした。さらに第2のインク液面制
御体の円筒の厚みを40μm、高さを20μmとした。
このとき、インク吐出可能な最小の電場の大きさは1.
0〜2kV/mmとなり、実施例2の場合に比べてさら
に小さな電場強度でインク吐出が可能となった。
【0038】(実施例4)次に、図1に示す静電型イン
クジェットプリンタヘッドにおいて、図6(a)に示す
ようなスリット状のインク液面制御体を形成したものを
用いてインク吐出条件を調べた。インク吐出口の形状が
異なる他は、実施例1で説明したのと同じ条件でインク
吐出を試みた。このときのスリット状開口の幅は100
μmとし、長さは5mmとした。インク液面制御体の厚
みを40μm、高さを20μmとした。このとき、イン
ク吐出可能な最小の電場の大きさは1.5〜3.5kV
/mmとなり、実施例2の場合に比べてインク吐出には
大きな電場強度を要するようになったが、スリット状開
口の任意の位置でインク吐出が可能となると同時に、開
口形成の加工がより容易に実現できるようになった。
【0039】(実施例5)次に、図1に示す静電型イン
クジェットプリンタヘッドにおいて、図6(b)に示す
ようなスリット状のインク液面制御体を形成したものを
用いてインク吐出条件を調べた。インク吐出口の形状が
異なる他は、実施例1で説明したのと同じ条件でインク
吐出を試みた。このときのスリット状開口の幅は100
μmとし、長さは5mmとした。インク液面制御体の厚
みを20μm、支持体からの高さを30μmとした。支
持体は200μmピッチで幅50μmのものを用いた。
このとき、インク吐出可能な最小の電場の大きさは1.
2〜3.0kV/mmとなり、実施例4の場合に比べて
小さな電場強度でインク吐出が可能となった。また、ス
リット状開口の任意の位置でインク吐出が可能であっ
た。
【0040】(実施例6)次に、図1に示す静電型イン
クジェットプリンタヘッドにおいて、図6(b)に示す
ようなスリット状のインク液面制御体を形成したものを
用いてインク吐出条件を調べた。ただし、この実施例で
はインク液面制御体のインクに面する面の形状を図7
(b)に示すような凹凸形状とした。インク吐出口の形
状が異なる他は、実施例1で説明したのと同じ条件でイ
ンク吐出を試みた。このときのスリット状開口の形状、
インク液面制御体の厚みと支持体からの高さ、および支
持体の形状は実施例5と同じにした。インク液面制御体
に設けられた凹凸のピッチは100μm、深さは20μ
mとした。このとき、インク吐出可能な最小の電場の大
きさは1.0〜1.8kV/mmとなり、実施例4の場
合に比べて小さな電場強度でインク吐出が可能となっ
た。ただし、インク液面制御体の凹凸の凸に対応した位
置に正確にレーザ光をアドレスしないと、インク吐出電
圧に変動が見られた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静電型イ
ンクジェットプリンタヘッドは、少なくとも電荷供給源
と、ソース電極と、インクと、インク室と、インク吐出
口と、対向電極とから構成され、前記電荷供給源に接続
された前記ソース電極と前記インクとの間に設けられた
光導電体を光学的にスイッチングすることにより当該ソ
ース電極から特定のインク部位に電荷を供給し、当該電
荷を供給されたインク部位を前記インクと前記対向電極
との間の静電気力により所定の前記インク吐出口から分
離吐出させる静電型インクジェットプリンタヘッドにお
いて、前記インク吐出口が少なくとも1つ以上のインク
液面制御体を形成した構造とすることによって、1〜4
kV/mmと小さな駆動電圧でインク吐出が可能とな
り、火花放電を発生しない安定した動作を行わせること
ができるようになった。
【0042】さらに、前記インク液面制御体を、開口を
有する支持体を介して前記インク吐出口の中央に形成
し、このインク液面制御体の先端は、前記インク吐出口
に形成されるインクメニスカスの端部よりも対向電極側
に飛び出して形成することによって、1〜2kV/mm
と小さな駆動電圧でインク吐出が可能となり、より安定
した動作を行わせることができるようになった。
【0043】さらに本発明の静電型インクジェットプリ
ンタヘッドは駆動電圧を低下させることが可能となった
ために、装置電源に対する負荷も軽減され、その結果、
装置寸法をより小さくすることができるようになった。
このようにして得られた本発明の静電型インクジェット
プリンタヘッドは、レーザなどの光により高速に画像信
号をアドレスすることができるために、高速の印字が可
能である。特に、画像データ量の多いカラー画像印刷に
おいては、本発明の静電型インクジェットプリンタヘッ
ドとしてスリット状開口を有するものとし、さらにはマ
ゼンタ、シアン、イエロー、ブラック各色のインクを並
列にアクセスさせることによってより高速な印刷が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電型インクジェットプリンタヘッド
の1実施例における構成を示す概念図である。
【図2】本発明の静電型インクジェットプリンタヘッド
に形成した天板構造の1実施例の断面図である。(a)
〜(b)までの図面は、本発明の静電型インクジェット
プリンタヘッドにおいて実施したインク吐出部とインク
液面制御体の基本的な断面形状の種類をそれぞれ個別に
表したものである
【図3】本発明の静電型インクジェットプリンタヘッド
に用いるインク液面制御体の全部がインク液中に浸漬す
る場合のインク液面制御体の形状を示した断面図であ
る。
【図4】従来のインクジェット記録における光書込み静
電加速型インクジェット記録装置の構成を示す模式図で
ある。
【図5】単ドット吐出口を用いる場合のインク吐出口の
形状を示す実施例を表わす斜視図である。
【図6】本発明の静電型インクジェットプリンタヘッド
においてスリット状開口を有するインク吐出口の1実施
例を示す斜視図である。
【図7】本発明の静電型インクジェットプリンタヘッド
において、スリット状のインク吐出口を形成する場合の
スリット長手方向のインク液面の形状を示した模式図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 ソース電極 3 光導電体 4 スペーサ 5 天板 6 インク吐出口 7 インク室 8 対向電極 9 被記録媒体 10 電源 11 インク液面制御体 12 書き込み光 13 インク溜め部 14 開口部 15 支持体 16 第1のインク液面制御体 17 第2のインク液面制御体 18 インク液面 101 ガラス 102 透明電極 103 光導電体 104 保護層 105 シート 106 スリット 107 溝 108 対向電極 109 被記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 幸治 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコー電子工業株式会社内 (72)発明者 桑原 誠治 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 岡野 宏 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電荷供給源と、ソース電極
    と、インクと、インク室と、インク吐出口と、対向電極
    とを有し、 前記電荷供給源に接続された前記ソース電極と前記イン
    クとの間に設けられた光導電体を光学的にスイッチング
    することにより当該ソース電極から特定のインク部位に
    電荷を供給し、当該電荷を供給されたインク部位を前記
    インクと前記対向電極との間の静電気力により所定の前
    記インク吐出口から分離吐出させる静電型インクジェッ
    トプリンタヘッドであって、 前記インク吐出口が少なくとも1つ以上のインク液面制
    御体を有してなることを特徴とする静電型インクジェッ
    トプリンタヘッド。
  2. 【請求項2】 前記インク液面制御体は、前記インク吐
    出口の中央に形成された開口の端面に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の静電型インクジェットプ
    リンタヘッド。
  3. 【請求項3】 前記インク液面制御体は、開口を有する
    支持体を介して前記インク吐出口の中央に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の静電型インクジェッ
    トプリンタヘッド。
  4. 【請求項4】 前記インク吐出口は、少なくとも1ヶ所
    のインク溜め部を有していることを特徴とする請求項2
    または3記載の静電型インクジェットプリンタヘッド。
  5. 【請求項5】 前記インク溜め部は、前記開口と全ての
    インク液面制御部とに隣接して設けられていることを特
    徴とする請求項2、3または4記載の静電型インクジェ
    ットプリンタヘッド。
  6. 【請求項6】 前記インク液面制御部の少なくとも1つ
    の先端は、前記インク吐出口に形成されるインクメニス
    カスの端部よりも対向電極側に飛び出して形成されてい
    ることを特徴とする請求項2、3、4または5記載の静
    電型インクジェットプリンタヘッド。
  7. 【請求項7】 前記インク液面制御部の表面の一部また
    は全部が、疎水処理または親水処理されていることを特
    徴とする請求項1から6記載の静電型インクジェットプ
    リンタヘッド。
JP12886797A 1997-05-19 1997-05-19 インク液面を制御する構造を有する静電型インクジェットプリンタヘッド Pending JPH10315481A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009045870A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Ricoh Co Ltd 液滴飛翔装置と液滴飛翔方法及び画像形成装置
US7954925B2 (en) 2006-10-16 2011-06-07 Seiko Epson Corporation Droplet discharging head and method for manufacturing the same, and droplet discharging device

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US7954925B2 (en) 2006-10-16 2011-06-07 Seiko Epson Corporation Droplet discharging head and method for manufacturing the same, and droplet discharging device
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