JPH10315378A - ガラス繊維強化石膏材料を用いた建築用ボード - Google Patents

ガラス繊維強化石膏材料を用いた建築用ボード

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JPH10315378A
JPH10315378A JP12612597A JP12612597A JPH10315378A JP H10315378 A JPH10315378 A JP H10315378A JP 12612597 A JP12612597 A JP 12612597A JP 12612597 A JP12612597 A JP 12612597A JP H10315378 A JPH10315378 A JP H10315378A
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board
gypsum
gypsum material
mat
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忠志 芳賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不燃性,耐震性,防音性,抗菌性を有し、重
量面とかコスト面でも有利であるとともに加工性能を高
めて3次曲線をも形成することができる建築用ボードを
得ることを目的とする。 【解決手段】 硬質のゴム1の表面にマット状のガラス
繊維3を貼着し、このガラス繊維3の上面に石膏材料2
と水を混合した懸濁液状物を適宜の厚みに全面コート
し、養生と乾燥を行って形成した建築用ボードを基本構
成とする。石膏材料中には重量比で1%〜3%の非銀系
無機抗菌剤を混入してある。ボード本体としてゴム板以
外にウレタンもしくはスチレンフォーム等の合成樹脂
板、2枚の木板間に板ゴムを挟着固定したボード、木板
と合成樹脂板間にゴム板を挟着固定したボードを用い
る。単一の石膏材料に代えて、ガラス繊維を介在して硬
質の石膏と軟質の石膏を全面コートした複合積層材を用
いた構成を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防音性,不燃性,耐
震性及び抗菌性に優れ、各種建築物の床材、壁材、天井
材等に採用して有用なガラス繊維強化石膏材料を用いた
建築用ボードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から不燃性及び耐震性を持つ建築用
ボードとしてセメント板が一般に採用されており、その
外にも床材とか壁材及び天井材などの内装材用のボード
として、2枚以上の木材を積層して圧縮,接着した木板
ボードとか、木材と合成樹脂材とを張り合わせた合板ボ
ードが知られている。
【0003】前記セメント板は、高強度を保持する材料
であるため、従来から建築物の天井材とか壁材として多
用されている。木板ボード及び合板ボードも床材とか壁
材その他各種装飾用部材として用いられている。
【0004】上記以外にも硬質の石膏を用いた石膏ボー
ドも一部で採用されている。この石膏ボードは、2種類
の石膏材料の中間部に紙材とかマニラ麻を「つなぎ材
料」として挾み込んで一体化することにより適宜の強度
を持たせているのが通例であって、このような石膏ボー
ドを建物の壁材とか柱,天井材として使用する場合に
は、該石膏ボードを現場での手作業により貼着するのが
通例であるが、現場での湿式施工手段として上記壁,
柱,天井等に直接石膏を塗着して固める方法も採用され
ている。
【0005】ここで素材としての石膏に関して簡単に説
明する。石膏とは硫酸カルシウムを主体とする無臭無色
無毒の物質であり、通常は天然に産出する石膏鉱石を精
製して得られるが、近年は化学工業の副産物として生成
するリン酸石膏が主な石膏供給源となっている。この石
膏の主たる用途は、ポルトランドセメントの凝結緩和材
とか建材としての前記石膏ボードである。
【0006】天然に産出する石膏鉱石には、2分子の結
晶水を含む二水石膏(CaSO4・2H2O)と、結晶水
を含まない無水石膏(CaSO4)があり、大部分の石
膏鉱石及び化学石膏は二水石膏に属している。この二水
石膏は水を混入しても固化しないので、粉砕した二水石
膏を加熱して結晶水の一部を除いた半水石膏(CaSO
4・1/2H2O)にした通称焼石膏が主として用いられて
いる。この半水石膏は水と反応して結晶水を取り込み、
安定した二水石膏に戻る性質があり、適当な水量により
膨張と発熱を伴って凝結固化する。
【0007】前記焼石膏はJIS規格により特級、A
級、B級、C級の4等級に分類されており、上級のもの
ほど混水量が少なく、強度と耐久性に優れている。
【0008】これらの石膏を用いた建築用ボードの強度
とか密度、膨張率及び気泡の有無は、添加する水量の要
因以外にも撹拌時間、添加物の種類にも左右される。従
って石膏を用いた建築用ボードを製造する場合には、こ
のような種々の制約条件をクリヤして最適な材料と処理
条件を選択することが要求される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来の不燃性及び耐震性を持つ建材とか内装材は、防
音性とか加工性,抗菌性及びコスト面で必ずしも需要者
の満足するものが得られないという課題がある。
【0010】即ち、従来のセメント板は高強度を保持し
ている反面で重量がきわめて大であるため、加工性及び
工事に際しての施工性が悪いという問題がある。特に該
セメント板を建築物の天井材として用いる場合には、ク
レーン等を利用した工法を適用しなければ施工すること
が不可能であるため、工事費が増大してしまうという難
点がある。
【0011】前記木板ボードとか合板ボードは、一般家
庭及びオフィス等の床材とか壁材,装飾用部材として使
用されているが、防音性が不十分であるため、各種音楽
ホールとか劇場の壁材とか天井材として用いることがで
きない。この合板ボードとして帯電性を有する材料を用
いた場合には、ボード表面にゴミとかほこりが付着しや
すいという問題点もある。
【0012】他方の石膏ボードは、薄く形成することに
よって柔軟性が高くなり、しかも軽量であるという利点
があるが、中間部に紙材とかマニラ麻を挾み込んでいる
ため、高度な不燃性と強度を保持するためにはボード自
体の厚みを大きくすることが必要であり、必然的に重量
の増加と材料費の増大を招来してしまうという課題があ
る。
【0013】更に従来から知られている建築用ボードに
抗菌性を持たせた製品は皆無であり、長期使用中にボー
ド表面に不潔な細菌とかカビが増殖して、不衛生な環境
をつくったりボードの外観を悪化させてしまうという問
題もある。
【0014】又、従来の建材とか内装材、特にセメント
板とか石膏ボードでは、各種音楽ホールとか劇場の天井
のように装飾性を付与するに適した3次曲線を形成する
ことはほとんど不可能であり、現場での湿式施工手段に
より天井に直接石膏を塗着する手段を用いた場合でも、
希望する3次曲線を形成するには高度な技術と付帯工事
を必要として、完成までに長時間と多大な費用がかかっ
てしまうという難点がある。
【0015】そこで本発明はこのような従来の石膏ボー
ドもしくはセメント板から成る各種建築用ボードが有し
ている課題を解消して、不燃性及び耐震性のみならず防
音性と抗菌性を有しており、重量面とかコスト面でも有
利であるとともに加工性能を高めて3次曲線をも形成す
ることができる建築用ボードを得ることを目的とするも
のである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、ゴム板の表面にマット状のガラス繊維を
貼着し、このガラス繊維上に石膏材料と水を混合した懸
濁液状物を適宜の厚みに全面コートし、養生と乾燥を行
って形成したガラス繊維強化石膏材料を用いた建築用ボ
ードを基本構成とする。
【0017】ボード本体として、ゴム板以外にウレタン
もしくはスチレンフォーム等の合成樹脂板、2枚の木板
間にゴム板を挟着固定したボード、木板と合成樹脂板間
にゴム板を挟着固定したボードを用いた建築用ボードを
提供する。
【0018】上記の石膏材料中に、重量比で1%〜3%
の非銀系無機抗菌剤を混入する。又、マット状のガラス
繊維として非帯電性を有する材料を用いる。
【0019】前記単一の石膏材料に代えて、マット状の
ガラス繊維を介在して硬質の石膏と軟質の石膏を全面コ
ートした複合積層材料を用いる。この場合には硬質の石
膏と軟質の石膏の懸濁液状物中に、硬化を遅くするため
の濃度0.5%の凝固遅延剤の水溶液を、各懸濁液状物
の可使時間に合わせて適量添加する。
【0020】更に予め複雑な3次曲線を持つボード本体
を製作することにより、各種建築物に装飾性を付与する
に適した3次曲線を持つ建築用ボードを得ている。
【0021】かかるガラス繊維強化石膏材料を用いた建
築用ボードは、石膏材料の持つ圧縮力に強いという特性
と、ガラス繊維の持つ引張力に強いという特性が有効に
生かされた軽量なボードが得られて、不燃性と耐震性の
みならず高度な防音性と抗菌性を有するとともに、装飾
用の3次曲線をも容易に加工することが可能な建築用ボ
ードが得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるガラス繊維
強化石膏部材を用いた建築用ボードの具体的な各種実施
例を説明する。本実施例の基本構成を説明すると、ゴ
ム,木板もしくは合成樹脂板及びこれらの組み合わせか
ら成るボード本体に、マット状のガラス繊維を介在して
石膏材料を積層固定した複合材で成る建築用ボードを主
体とするものである。
【0023】石膏材料には硬質と軟質の2種類があり、
このような2種類の石膏材料の間にマット状のガラス繊
維を介在する例もある。
【0024】一般に複合材とは、2種類の異なった材料
の組み合わせによってそれぞれの材料の特徴を有効に生
かして希望する特性を持つ材料であり、本実施例では、
ゴム,木板もしくは合成樹脂板で構成したボード本体
と、石膏材料及びマット状のガラス繊維とを組み合わせ
ることにより構成した複合ボードを得たことが特徴とな
っている。
【0025】即ち、石膏材料は圧縮力に強く、ガラス繊
維は引張力に強いという特長があり、不燃性,耐震性,
防音性を合わせ持つ建築用ボードを実現している。
【0026】ここで石膏材料中に混入する抗菌剤につい
て簡単に説明する。従来から一般の生活環境にとりつき
やすい不潔な細菌とかカビの増殖を抑制する手段の一つ
として抗菌剤が知られている。このような抗菌剤とし
て、安全で抗菌活性が高い点から銀系の抗菌剤が広く用
いられている。しかし銀は高価な貴金属である上、光と
か熱によって変色するため、建築用ボードに適用するこ
とができない。
【0027】そこで本実施例では、従来の銀系の抗菌剤
に代えて非銀系無機抗菌剤を採用し、この抗菌剤を石膏
材料中に混入したことが特徴の一つとなっている。
【0028】図1により本発明の第1実施例を説明す
る。図中の1はボード本体としての硬質ゴム、2は硬質
の石膏材料、3はマット状のガラス繊維である。製作方
法としては、ボード本体としての硬質ゴム1の一方側表
面にマット状のガラス繊維3を接着剤を用いて隙間なく
貼着し、このガラス繊維3の上面からローラを用いて均
一な押圧処理を行うことにより、ガラス繊維3に含まれ
る気泡成分を脱泡しつつ該ガラス繊維3を完全に敷込
む。
【0029】次に該ガラス繊維3の上面から含浸手段も
しくは図外のスプレーガン等を利用して硬質の石膏材料
2と水を混合した懸濁液状物を適宜の厚みに全面コート
し、適宜な時間だけ放置して養生と乾燥を行って完成す
る。この懸濁液状物中には、予め重量比で1%〜3%の
非銀系無機抗菌剤を混入してある。全面コート手段とし
ては含浸もしくはスプレー手段があるが、何れの方法を
用いてもよい。養生及び乾燥時間として夏季では4時間
程度、冬季でも5〜6時間程度でよい。
【0030】上記の非銀系無機抗菌剤とは、海水中に含
まれるカルシウムとかマグネシウムのような安全な元素
の水酸化物やアルミニウムの酸化物をベースとし、これ
に抗菌性を示す亜鉛とか銅イオンを加えて固溶化して作
製さた新規固溶体化合物であり、近時シーバイオという
名称で使用されつつある物質である。特に亜鉛系のシー
バイオは純白の粉体であり、石膏中に混入しても外観が
低下しない利点がある。銅イオンが入ると石膏が青色も
しくは茶褐色になるため、使用目的に応じて混入の程度
を決定する。
【0031】熱安定性の点からみると、非銀系無機抗菌
剤の水酸化物は300℃まで安定であり、アルカリに対
しては強い耐性を示すという特徴がある。そして使用中
に溶出したり紫外線照射やハロゲン化合物との接触によ
っても化学的に変化することがなく、環境を汚染する虞
れがないという特長を持っている。
【0032】第1実施例の他の製作方法を以下に説明す
る。先ず素材として用いる石膏材料として粉砕した二水
石膏の結晶水の一部を除いた硬質と軟質の石膏材料を用
意し、それぞれ適宜の比率で混水した懸濁液状物を作成
する。同時にマット状のガラス繊維3を適宜の形状に裁
断して前記硬質石膏の懸濁液状物内に浸漬したものを用
意しておく。尚、ガラス繊維3として非帯電性を有する
材料を用いており、懸濁液状物中には、予め重量比で略
3%の非銀系無機抗菌剤を混入してある。
【0033】次に図1に示した硬質ゴム1の上面からス
プレーガンもしくは含浸手段により硬質の石膏と水を混
合した懸濁液状物を適宜の厚みに全面コートし、この懸
濁液状物が半乾燥状態下にある間に硬質石膏の懸濁液状
物中に浸漬してあるマット状のガラス繊維3を引き上げ
て硬質の石膏上に隙間なく貼着する。
【0034】このように貼着されたガラス繊維3の上面
からローラを用いて均一な押圧処理を行った後、該ガラ
ス繊維3の上面から再度スプレーガンを用いて軟質の石
膏と水を混合した懸濁液状物を適宜の厚みに全面コート
して硬質の石膏上に積層し、適宜な時間だけ放置して養
生と乾燥を行って建築用ボードを完成させる。
【0035】上記したように硬質石膏と軟質石膏及びマ
ット状のガラス繊維3を積層固着した複合材を用いた建
築用ボードは、石膏材料の持つ圧縮力に強いという特性
と、ガラス繊維の持つ引張力に強いという特性が有効に
生かされて、軽量で且つ不燃性,耐震性,防音性及び抗
菌性を合わせ持つという特徴を有している。特に第1実
施例にかかる建築用ボードは、防音性と耐震性が大きい
ことから主としてホール等の床材,壁材及び天井材とし
て使用される。
【0036】更にガラス繊維3として非帯電性を有する
材料を用いたことにより、ボード表面にゴミとかほこり
が付着しにくく、長期に亙ってボード表面を清浄な状態
に維持することができる。
【0037】次に図2により本発明の第2実施例を説明
する。図中の4はボード本体として採用したウレタン等
の合成樹脂板であり、2は硬質の石膏材料、3はマット
状のガラス繊維である。製作方法は第1実施例とほぼ同
様であり、ボード本体としての合成樹脂板4の一方側表
面にマット状のガラス繊維3を隙間なく貼着し、上面か
らローラを用いて均一な押圧処理して気泡成分を脱泡を
行い、該ガラス繊維3の上面からスプレーガン等を利用
して硬質の石膏材料2と水を混合した懸濁液状物を適宜
の厚みに全面コートし、適宜な時間養生と乾燥を行って
完成する。
【0038】上記合成樹脂板4として採用したウレタン
に代えて、防音性に優れたスチレンフォームを用いても
よい。更に第1実施例と同様に硬質石膏と軟質石膏及び
マット状のガラス繊維3を組み合わせて、これらを積層
固着して製作してもよい。
【0039】第2実施例にかかる建築用ボードの場合に
は、合成樹脂板4の強度が硬質ゴム1の強度よりも大き
いため、主として遮音性が要求される工場とか倉庫の壁
材及び天井材として使用して有効である。
【0040】次に図3により本発明の第3実施例を説明
する。図中の5,5はボード本体として採用した木板で
あり、1は硬質ゴム、2は硬質の石膏材料、3はマット
状のガラス繊維である。製作方法としては、接着剤を用
いて2枚の木板5,5間に硬質ゴム1を挟着固定してボ
ード本体とし、このボード本体の一方側表面にマット状
のガラス繊維3を隙間なく貼着した後、上面からローラ
を用いて均一な押圧処理して気泡成分を脱泡を行い、こ
のガラス繊維3の上面から硬質の石膏材料2と水を混合
した懸濁液状物を全面コートし、適宜な時間養生と乾燥
を行って完成する。
【0041】第3実施例の場合も前記第1実施例と同様
に硬質石膏と軟質石膏及びマット状のガラス繊維3を積
層固着して製作してもよい。
【0042】第3実施例にかかる建築用ボードは、木板
5及び硬質ゴム1が軽量で且つ安価であるため、主とし
て一般住宅等の壁材及び天井材として使用して有効であ
る。次に図4により本発明の第4実施例を説明する。本
第4実施例ではボード本体として木板5とウレタン等の
合成樹脂板4を採用している。製作方法としては接着剤
を用いて木板5と合成樹脂板4との間に硬質ゴム1を挟
着固定してボード本体とし、このボード本体にマット状
のガラス繊維3を隙間なく貼着した後、上面からローラ
を用いて均一な押圧処理して気泡成分を脱泡し、このガ
ラス繊維3の上面から硬質の石膏材料2と水を混合した
懸濁液状物を全面コートし、適宜な時間養生と乾燥を行
って完成する。
【0043】第4実施例の場合も硬質石膏と軟質石膏及
びマット状のガラス繊維3を積層固着して製作してもよ
い。第4実施例にかかる建築用ボードは、木板5と合成
樹脂板4及び硬質ゴム1を使用しているため堅固であ
り、主として遮音性を必要とするホールとか手術室の床
材とか壁材及び天井材として使用することができる。
【0044】上記各実施例は何れも平板状の建築用ボー
ドを基本構成としているが、このような平板状のボード
に代えて複雑な3次曲線を持つボードを製作することが
できる。この場合には型を用いて装飾性を付与するに適
した3次曲線を持つボード本体を予め成形しておき、こ
のボード本体に対して前記マット状のガラス繊維3と硬
質及び軟質の石膏材料を積層固着して建築用ボードとす
る。
【0045】前記各実施例で用いた硬質の石膏材料2は
通常ハイストーン材とも呼称され、本実施例では一般に
N級と呼称される標準混水量が43%,ヌレ引張強度が
30(kg/cm2),乾燥耐圧強度が450(kg/
cm2),膨張率が0.27(%)の石膏材料を使用し
た。
【0046】軟質石膏としては、A級と呼称される標準
混水量が74%,ヌレ引張強度が14(kg/c
2),乾燥耐圧強度が140(kg/cm2),膨張率
が0.15(%)の石膏材料を使用した。
【0047】上記硬質の石膏と軟質の石膏の懸濁液状物
中には、硬化を遅くするための凝固遅延剤、通称リター
ダと呼ばれる物質の水溶液を添加するのが通例である。
リターダとして上記凝固遅延剤の外にポリマーとか消泡
材を入れる場合もある。本実施例では0.5%のリター
ダ溶液を予め作成して、各懸濁液状物の可使時間に合わ
せて適量添加した。このリターダの添加により石膏の固
まる時間を適宜に調整することができる。
【0048】マット状のガラス繊維3としては、無アル
カリガラスの連続ストランドを無方向に均一な厚みに積
み重ね、結合剤を用いてマット状に成形した非帯電性製
品を使用した。これはループ状の長繊維で構成されたガ
ラス繊維をバインダを使用してパーマネント加工処理す
ることにより、ガラスマットの形状にしたものであり、
使われているガラス繊維の引張強さは350(kg/m
2),繊維径は3μmである。具体的にはユニフィロ
U−816−300×127(商品名)を採用した。
【0049】このマット状のガラス繊維3は、長繊維を
基体として使用しているため、従来のチップ状のマニラ
麻とかその他の強度材料を混入した石膏製品に比較して
引張とか曲げ強度に強いという特徴がある。
【0050】本実施例ではユーザの要求に適合する建築
用ボードをパーツとして工場生産し、建築物等の作業現
場で複数のパーツを組み立てる工法を基本としている。
この工法は従来の湿式工法と異なって乾式工法が基本で
あるために工程が簡略化され、施工短縮がはかれるとい
う利点がある。
【0051】従って本実施例によれば、石膏材料の持つ
圧縮力に強いという特性と、ガラス繊維の持つ引張力に
強いという特性が有効に生かされて、不燃性と耐震性の
みならず防音性と抗菌性を合わせ持ち、しかも加工性及
びコスト面でも需要者の満足する軽量な建築用ボードが
得られる。
【0052】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かるガラス繊維強化石膏部材を用いた建築用ボードによ
れば、石膏材料の持つ圧縮力に強いという特性と、ガラ
ス繊維の持つ引張力に強いという特性を活用した軽量で
不燃性,耐震性,防音性及び抗菌性を持つボードが提供
可能であり、該ボードの厚みを格別大きくしなくても十
分な強度を保持することができる上、従来の木板ボー
ド,合板ボード及びセメントボードに代えて加工性,軽
量性及びコストの面でも需要者の満足する建築用ボード
を容易に得ることができる。
【0053】特に工場生産したボードをパーツとして使
用して作業現場で組み立てる工法を基本としているた
め、建築物の床とか天井,柱、壁等の構築工事に際して
もクレーン等を不要として施工性が高められ、工事に際
して骨組み等の下地を不要とするとともに劇場等の波を
打った天井のように高度な技術と付帯工事を必要とする
装飾用の3次曲線をも短期間で加工することが可能とな
る。又、ガラス繊維として非帯電性を有する材料を用い
たことにより、ボード表面にゴミとかほこりが付着しに
くく、長期に亙って床とか天井,壁の表面を清浄な状態
に維持することができる。
【0054】本発明の建築用ボードには抗菌性を持たせ
ているため、長期使用中にあってもボード表面に不潔な
細菌とかカビの増殖現象がなく、清浄で且つ衛生的にも
好ましい環境を作ることができるとともに、上記の細菌
とかカビに起因するボード表面の変質,変色がなく、長
期に亙って外観を良好に維持することができる。
【0055】更に防音性が高いという特徴を生かして、
遮音性を必要とする音楽ホールとか劇場の壁材,天井材
として用いた場合には、音響効果を高めることができ
る。その他一般家庭,オフィス、倉庫,工場もしくは手
術室等の床材とか壁材及び天井材として使用しても有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる建築用ボードの第1実施例を示
す縦断面図。
【図2】本発明の第2実施例を示す縦断面図。
【図3】本発明の第3実施例を示す縦断面図。
【図4】本発明の第4実施例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…硬質ゴム 2…(硬質の)石膏材料 3…(マット状の)ガラス繊維 4…合成樹脂板 5…木板

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム板の表面にマット状のガラス繊維を
    貼着し、このガラス繊維上に石膏材料と水を混合した懸
    濁液状物を適宜の厚みに全面コートし、養生と乾燥を行
    って形成したことを特徴とするガラス繊維強化石膏材料
    を用いた建築用ボード。
  2. 【請求項2】 合成樹脂板の表面にマット状のガラス繊
    維を貼着し、このガラス繊維上に石膏材料と水を混合し
    た懸濁液状物を適宜の厚みに全面コートし、養生と乾燥
    を行って形成したことを特徴とするガラス繊維強化石膏
    材料を用いた建築用ボード。
  3. 【請求項3】 前記石膏材料中に、重量比で1%〜3%
    の非銀系無機抗菌剤を混入したことを特徴とする請求項
    1,2の何れか1項に記載のガラス繊維強化石膏材料を
    用いた建築用ボード。
  4. 【請求項4】 前記合成樹脂板として、ウレタンもしく
    はスチレンフォームを用いたことを特徴とする請求項2
    記載のガラス繊維強化石膏材料を用いた建築用ボード。
  5. 【請求項5】 2枚の木板間にゴム板を挟着固定してボ
    ード本体とし、該ボード本体の表面にマット状のガラス
    繊維を貼着し、このガラス繊維上に石膏材料と水を混合
    した懸濁液状物を適宜の厚みに全面コートし、養生と乾
    燥を行って形成したことを特徴とするガラス繊維強化石
    膏材料を用いた建築用ボード。
  6. 【請求項6】 木板と合成樹脂板間にゴム板を挟着固定
    してボード本体とし、該ボード本体の表面にマット状の
    ガラス繊維を貼着し、このガラス繊維上に石膏材料と水
    を混合した懸濁液状物を適宜の厚みに全面コートし、養
    生と乾燥を行って形成したことを特徴とするガラス繊維
    強化石膏材料を用いた建築用ボード。
  7. 【請求項7】 前記単一の石膏材料に代えて、マット状
    のガラス繊維を介在して硬質の石膏と軟質の石膏を全面
    コートした複合積層材料を用いたことを特徴とする請求
    項1,2,4,5,6項の何れか1項に記載のガラス繊
    維強化石膏材料を用いた建築用ボード。
  8. 【請求項8】 前記硬質の石膏と軟質の石膏の懸濁液状
    物中に、硬化を遅くするための濃度0.5%の凝固遅延
    剤の水溶液を、各懸濁液状物の可使時間に合わせて適量
    添加したことを特徴とする請求項7に記載のガラス繊維
    強化石膏材料を用いた建築用ボード。
  9. 【請求項9】 予め複雑な3次曲線を持つボード本体を
    形成して、各種建築物に装飾性を付与するに適した3次
    曲線を持つ建築用ボードを形成したことを特徴とする請
    求項1,2,4,5,6,7,8項の何れか1項に記載
    のガラス繊維強化石膏材料を用いた建築用ボード。
  10. 【請求項10】 前記マット状のガラス繊維に非帯電性
    を有する材料を用いたことを特徴とする請求項1,2,
    4,5,6,7,8,9項の何れか1項に記載のガラス
    繊維強化石膏材料を用いた建築用ボード。
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