JPH10315110A - 研磨装置 - Google Patents

研磨装置

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JPH10315110A
JPH10315110A JP12667597A JP12667597A JPH10315110A JP H10315110 A JPH10315110 A JP H10315110A JP 12667597 A JP12667597 A JP 12667597A JP 12667597 A JP12667597 A JP 12667597A JP H10315110 A JPH10315110 A JP H10315110A
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カッターマークの効率的な除去および高研磨能
率の設定が可能であり、かつポリッシャとワークとの接
触部の位置を正確に設定する。 【解決手段】回転するポリッシャ18を被加工物4の表
面4aに加圧することにより被加工物4を研磨加工する
研磨装置において、弾性を有するポリッシャ18と、ポ
リッシャ18の裏面中央付近に回転自在に取着された回
転軸7と、ポリッシャ18の裏面中央より外方に接触可
能なポリッシャ変形部材20と、ポリッシャ変形部材2
0をポリッシャ18の方向に押圧するための押圧機構2
2、23とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ、レンズ成
形型などの表面を高精度に研磨加工する研磨装置に係わ
り、詳しくは表面に凹凸が混在する変曲面または自由曲
面を有するワークを研磨加工する研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表面に凹凸が混在する変曲面また
は自由曲面を有するワークを研磨加工する研磨装置に
は、図7に示す研磨装置(従来技術1)が広く知られて
いる。図7において、ワーク101は皿102に貼付さ
れ、図示を省略したワーク軸の軸心mを中心に回転して
いる。ワーク101の表面101aは、通常、非球面な
どの光学機能面に仕上げられる。ワーク101の上方に
は、NC制御などにより変曲面または自由曲面を形成す
る軌跡を辿る研磨ヘッド106が配設されている。研磨
ヘッド106の下端には、球形の研磨ツール103を回
転自在に保持する回転軸104と、この回転軸104を
回転および加圧する回転加圧装置105とが装備されて
いる。研磨ツール103が、ワーク101の表面101
aに微小面積で接触し、変曲面または自由曲面を形成す
る軌跡を辿りながら、研磨加工を行うものである。
【0003】一方、「研磨部材及び研磨工具」として、
特開平5−212680号公報所載の技術(従来技術
2)が開示されている。図8〜図11を用いて、この従
来技術2を説明する。図8および図9において、ゴム製
の中空ドーナツ201の外面に接着剤を介してアルミナ
微粉末202を密接付着して、研磨部材203を構成し
た。研磨部材203の中空部204には、加圧空気(例
えば0.5kg/cm2)を充填し、ドーナツ状を保持
させてある。加圧空気の空気圧は、加工時の接触圧との
関係で適宜定める。研磨部材203を使用するには、例
えば、図10または図11に示すように、ギヤのような
外周(又は内周)に凹凸部205を備えたボス206
(または嵌合筒206a)を研磨部材203の中央穴2
03aに圧入し(又は外側203bに嵌装し)、支軸2
07に回転力その他(摺動でもよい)を付与して、凸面
208(図12参照)、凹面209(図13参照)を研
磨する。この場合に研磨部材203と、被研磨面とは当
接圧に比例して、広い面積で接触し、等圧研磨される。
【0004】さらに、「研磨装置」として、特開平5−
245767号公報所載の技術(従来技術3)が開示さ
れている。図14を用いて、この従来技術3を説明す
る。301は加工される被加工レンズであり、ある回転
軸を中心に回転する。304は研磨工具であり、工具中
心を回転軸として回転する機構を構えている。また研磨
工具304は被加工レンズ301の任意の位置において
レンズ面の法線方向に位置決めする機構も合わせて構え
させている。303は弾性体であり、研磨工具304の
内部に流体を入れることにより被加工レンズ301の方
向へ変形している。弾性体303の表面には発泡ポリウ
レタン等で構成されたポリッシャー302が研磨工具3
04の回転軸からずれた位置、すなわち偏心して取付け
られている。したがって研磨工具内の流体の圧力を0.
1〜5kgf/cm2 に設定すれば被加工レンズ301
はポリッシャー302より同圧力で加圧される。この状
態で研磨工具304を20〜1000rpm、被加工レ
ンズ301を0.1〜200rpmで回転させ、研磨砥
粒として酸化セリウム、酸化ジルコニウム等を市水に1
〜20%に混合させて供給することにより、加工時間を
管理して加工量を制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来技
術には、つぎのような問題点があった。まず、従来技術
1においては、研磨ツール103がワーク101の加工
面101aに微小面積で接触することが前提となるた
め、研磨能率が非常に悪く、多大の研磨時間を必要とす
る。また、研磨ツール103が微小面積で接触するた
め、カッターマークとして見える加工面101aの微小
凸部に研磨ツール103を選択的に接触させて除去する
作用が困難である。従って、カッターマークの効率的な
除去が難しいという問題があった。
【0006】つぎに、従来技術2においては、研磨工具
203はワークに環状の接触部を形成した研磨加工が進
行する。しかしながら、環状の接触状態であることか
ら、その面積は大きく設定できないので、研磨能率を向
上させるには限界があった。
【0007】さらに、従来技術3においては、内圧を有
する弾性体303が変形して、被加工レンズ301の形
状に沿い、ポリッシャー302を全面密着させることが
できるが、凹凸の高低差の激しい加工面に対しては、弾
性体303の変形量を稼ぐために撓みが必要になるの
で、被加工レンズ301とポリッシャー302との接触
位置を正確に制御することが困難となる。従って、被加
工レンズ301の研磨面の形状誤差が生じ易くなるとい
う欠点があった。
【0008】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、請求項1、2または3に係る発明の課題は、
カッターマークの効率的な除去および高研磨能率の設定
が可能であり、かつポリッシャとワークとの接触部の位
置を正確に設定することができる研磨装置を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明の研磨装置は、回転するポリッ
シャを被加工物の表面に加圧することにより被加工物を
研磨加工する研磨装置において、弾性を有するポリッシ
ャと、該ポリッシャの裏面中央付近に回転自在に取着さ
れた回転軸と、前記ポリッシャの裏面中央より外方に接
触可能なポリッシャ変形部材と、該ポリッシャ変形部材
を前記ポリッシャの方向に押圧するための押圧機構とを
具備するものである。また、請求項2に係る発明の研磨
装置は、請求項1に係る発明の研磨装置において、前記
ポリッシャ変形部材は、気体、液体または粘性流体が密
閉された袋状部材である。さらに、請求項3に係る発明
の研磨装置は、請求項1に係る発明の研磨装置におい
て、前記ポリッシャ変形部材は、弾性材料からなるコイ
ル状または板状のバネである。
【0010】すなわち、請求項1に係る発明の研磨装置
は、被加工物の表面の形状に合わせてポリッシャが被加
工物の表面に密着するように、ポリッシャの裏面中央よ
り外方に接触可能なポリッシャ変形部材を押圧機構によ
って位置調整し、ポリッシャの裏面中央付近に取り付け
られた回転軸を回転させながらポリッシャを被加工物の
表面に加圧させ、被加工物を研磨加工する。また、請求
項2に係る発明の研磨装置は、被加工物の表面の形状に
合わせてポリッシャが被加工物の表面に密着するよう
に、ポリッシャの裏面中央より外方に接触可能な気体、
液体または粘性流体が密閉された袋状部材を押圧機構に
よって位置調整し、ポリッシャの裏面中央付近に取り付
けられた回転軸を回転させながらポリッシャを被加工物
の表面に加圧させ、被加工物を研磨する。さらに、請求
項3に係る発明の研磨装置は、被加工物の表面の形状に
合わせてポリッシャが被加工物の表面に密着するよう
に、ポリッシャの裏面中央より外方に接触可能な弾性材
料からなるコイル状または板状のバネを押圧機構によっ
て位置調整し、ポリッシャの裏面中央付近に取り付けら
れた回転軸を回転させながらポリッシャを被加工物の表
面に加圧させ、被加工物を研磨する。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1〜図4は実施の形態1を示し、図
1は研磨装置の一部を破載した縦断面図、図2はポリッ
シャユニットとワークの凹面との接触状態を示す説明
図、図3はポリッシャに取着された板バネとその変形状
態を示す状態図、図4はポリッシャユニットとワークの
凸面との接触状態を示す説明図である。
【0012】図1において、研磨装置は、コントローラ
24を含む研磨機ベース1と、研磨機ベース1に内装さ
れたワーク保持ユニット2と、研磨機ベース1の上面に
配設されたポリッシャユニット3とを備えている。ワー
ク保持ユニット2は、研磨機ベース1に回動自在に取着
され、研磨加工すべき被加工物としてのワーク4を保持
するチャック部5と、研磨機ベース1に取着され、軸対
称物の研磨の場合にワーク4を対称軸(図2に示すワー
ク4の中心軸A)中心に回動させる回動機構6とを備え
ている。ポリッシャユニット3は、ワーク保持ユニット
2の上方に位置しており、水平面の2方向および上下方
向にNC駆動できるように研磨機ベース1に取着されて
いる。ポリッシャユニット3を水平方向および上下方向
にNC駆動する機構の詳細な図と説明は省略する。
【0013】図2において、回転軸7は、円筒状のカラ
ー8を介してベアリング9、10により回転自在に上下
方向に保持されている。カラー8と回転軸7とは、キー
7Aによって、回転方向へは一体で回転し、上下方向
(回転軸7の長手方向)へはスライドできるように構成
されている。この回転軸7には、プーリ11が取着さ
れ、プーリ11はポリッシャユニット3のフレーム25
に取着されたモータ12のプーリ13にベルト14を介
して連動しており、回転軸7は所定の回転数で回転駆動
される。回転軸7の上方には、エアシリンダ15が配設
され、その加圧軸15aに固定されたカップリング16
の下面が、回転軸7上部に形成されたフランジ7bの上
面にスライドベアリング17を介して当接し、エアシリ
ンダ15からの加圧力を回転軸7に伝達するように構成
されている。
【0014】回転軸7の下端には、弾性を有するポリウ
レタンシートからなる円盤状のポリッシャ18が、その
裏面中央位置で取着されており、回転軸の回転に伴って
回転する。回転軸7の下部には、円筒状のスライド部材
19が回転軸7に沿って上下動自在に嵌装されている。
スライド部材19の下部外周19aとポリッシャ18の
裏面外周18aとは、弾性変形するポリッシャ変形部材
としての複数の板バネ20によって連結されている。こ
の板バネ20は、円筒状のスライド部材19の下部外周
部19aから放射状に延びている複数の腕状の板バネ部
20aと、それぞれの板バネ部20aの端部に形成さ
れ、ポリッシャ18の裏面外周18aに固着される固定
部20bとを備えている(図3(a)参照)。この板バ
ネ20の構成により、ワーク4の表面4aの傾斜部にお
いても、ポリッシャ18の各部がワーク4の表面4aに
倣って自在に変形し、密着することができるようになっ
ている(図3(b)参照)。
【0015】また、スライド部材19の上端は、スライ
ドベアリング21を介して、上下方向に移動自在なL字
状の押圧部材23の停止位置に従って押圧されるように
なっている。この押圧部材23は、圧力機構としてのリ
ニアアクチュエータ22のスライダ22bに取着されて
おり、スライダ22bを図示しないボールネジ機構を介
してDCサーボモータ22aによって上下方向に駆動す
ることにより、位置制御されている。なお、DCサーボ
モータ22aは、コントローラ24によって制御されて
いる。
【0016】つぎに、上記構成の研磨装置を用いたワー
クの研磨方法について説明する。所定のワーク4の表面
4aの研磨位置上方に、ポリッシャ18が位置するよう
にポリッシャユニット3を移動する。つぎに、エアシリ
ンダ15の加圧軸15aを下降させることにより、カッ
プリング16およびスラストベアリング17を介して回
転軸7を下降させる。そして、回転軸7の下端に取着さ
れているポリッシャ18をワーク4の表面4aに当接さ
せ、所定の研磨圧力が作用するように設定する。このと
き、ワーク4の表面4aの凹凸形状の高低差によって,
ポリッシャ18の表面18bとワーク4の表面4aの密
着度合いが異なる。ポリッシャ18が接触するワーク4
の表面4aが凹面形状のとき(図2参照)は、弾性を有
するポリッシャ18の中心が回転軸7によって押圧され
て弾性変形し、容易に密着状態となる。
【0017】一方、ポリッシャ18が接触するワーク4
の表面4aが凸面形状のときは、図4に示すように、ポ
リッシャ表面18bの外周とワーク4の表面4aとの間
に間隙が生じるので、リニアアクチュエータ22により
押圧部材23を下降させて、スライドベアリング21を
介してスライド部材19に当接させ、所定の位置で停止
させる。このとき、スライド部材19の下降に応じて板
バネ20を介してポリッシャ18が外周から弾性変形
し、ワーク4の表面4aの凸面形状に沿って変形する。
ポリッシャ18とワーク4の表面4aが密着した状態か
らは、板バネ20が変形するので、加圧力が局部的に高
まるようなことはなく、均等に分布させた加圧作用を得
ることができる。ポリッシャ18をワーク4の表面4a
に密着させるためには、ポリッシャ10の中心位置を基
準にして、ポリッシャ10の外周部の高低差dに相当す
る距離だけ、リニアアクチュエータ22を下降させる。
【0018】このように、ワーク4の表面4aの形状に
合わせてリニアアクチュエータ22を制御して、ポリッ
シャ18を常にワーク4の表面4aに密着させた状態
で、所定の研磨圧力をエアシリンダ15により加え、モ
ータ12で所定の回転数を与えながら、ポリッシャユニ
ット3をNC駆動して回転するワーク4の表面4a上を
送り、研磨加工を実施する。
【0019】以上のように、ワーク4の表面4aの凹凸
形状の高低差に合わせて、リニアアクチュエータ22の
停止位置を予めコンローラ24に記憶させておき、ワー
ク4の表面4aのどの位置においても、ポリッシャ18
がワーク4の表面4aに密着状態で均等加圧するように
制御することができる。従って、常にポリッシャ18全
面を用いて研磨加工することができる。また、ポリッシ
ャ18とワーク4の表面4aの接触位置は、回転軸7を
基準に設定される。
【0020】本実施の形態によれば、常にポリッシャ全
面を用いて研磨ができるので、能率的な研磨加工を進行
させることができ、研磨時間を短縮させることができ
る。また、ポリッシャ18とワーク4の表面4aとの接
触位置は、回転軸7を基準に設定されるので、研磨位置
の精度が向上し、研磨面の形状精度を向上させることが
できる。
【0021】本実施の形態では、ポリッシャ18の材質
は、ポリウレタンを用いているが、これに限定されるこ
となく、弾性変形できる材料であればよい。たとえば、
ゴムまたはゴムを主成分とする材料、ポリスチレンなど
弾性変形が容易な樹脂材料などでもよい。また、ポリッ
シャ18の形状も、円盤形状に限定されず、ワーク表面
の凹凸形状に合わせて、反り変形すればよく、切欠き部
を有する形状であったり、多角形であったりしてもよ
い。さらに、本実施の形態では、ワークが回転体である
場合を示したが、回転対称軸のない自由曲面形状のワー
クであっても、同様の作用を得て研磨加工を実施するこ
とができる。
【0022】板バネ20とポリッシャ裏面18aとの間
に、ポリウレタン等の弾性部材を介在させれば、スライ
ド部材19の下降に伴うポリッシャへの押圧力をより均
等に分布させてワーク表面にポリッシャを密着させるこ
とができるようになる。また、板バネ20に替えて、コ
イル状の複数のバネをスライド部材19とポリッシャ裏
面18aとの間に設ける構成としてもよい。これによ
り、コイル状のバネが変形部材として作用し、押圧部材
23の下降位置に従ってポリッシャ18が外周部からワ
ーク表面に沿って変形させる作用を生じさせることがで
きる。
【0023】(実施の形態2)図5は実施の形態2を示
し、ポリッシャユニットとワークの凸面との接触状態を
示す説明図である。本実施の形態における研磨装置は、
実施の形態1における板バネ20に替えて、空気が密閉
された袋状部材としてのエアバック31を用いてポリッ
シャ18の外周をワーク4の表面4aに沿って変形させ
るようにしたところのみが実施の形態1と異なる。従っ
て、実施の形態1と異なる部分のみ説明し、同一の部材
には同一の符号を付し説明を省略する。
【0024】図5において、ポリッシャ18の裏面外周
18aの上面には、空気が密閉されたドーナツ形状のエ
アバック31が配設され、エアバック31はその外径
を、下面がカップ形状に形成されたスライド部材32の
凹部32aに収納固着されている。スライド部材32
は、回転軸7に上下動自在に嵌装され、その上端は、ス
ライドベアリング21を介して、上下方向に移動自在な
L字状の押圧部材23の停止位置に従って押圧されるよ
うになっている。その他の構成は、実施の形態1の研磨
装置と同様である。
【0025】つぎに、上記構成の研磨装置を用いたワー
クの研磨方法の作用について説明する。ワーク4の表面
4aが凸面形状のときは、押圧部材23を下降させ、そ
の位置に従ってスライド部材26を押し下げることによ
り、エアバック31はスライド部材32とポリッシャ裏
面外周18aとの間で変形する。エアバック31は、空
気が密閉された袋状のものであるため、ポリッシャ裏面
側はワーク4の表面4aの形状に沿って均等圧でポリッ
シャ裏面を押圧して変形させる。従って、実施の形態1
と同様に、ポリッシャ表面18bをワーク4の表面4a
に密着させることができるが、実施の形態2では、エア
バック25の均等な圧力作用により、ポリッシャ18か
らワーク4の表面4aに作用する研磨圧力をより均等に
作用させることが可能になる。なお、ワーク4の表面4
aが凹面形状のときは、押圧部材23を上昇させて、ポ
リッシャ18の加圧はシリンダ15の加圧力のみとする
のは、実施の形態1と同様である。
【0026】本実施の形態によれば、常にポリッシャ全
面を用いて研磨ができるので、能率的な研磨加工を進行
させることができ、研磨時間を短縮させることができ
る。また、エアバック25の均等な圧力作用により、ポ
リッシャ18からワーク面に作用する研磨圧力をより均
等に作用させることが可能となることにより、研磨面の
形状精度をより向上させることができる。
【0027】本実施の形態では、エアバック25に空気
を密閉しているが、これに替えて、他の気体、液体また
は粘性流体を密閉しても同様の作用を生じさせることが
できる。たとえば、液体としては水など、また、粘性流
体としては水ガラスなどを用いて実施することが考えら
れる。
【0028】(実施の形態3)図6は、実施の形態3を
示し、ポリッシャユニットとワークの凸面との接触状態
を示す説明図である。本実施の形態における研磨装置
は、実施の形態2におけるエアバック31に加える押圧
力を制御して、ポリッシャ18の外周をワーク4の表面
4aに沿って変形させるようにしたものである。従っ
て、実施の形態2と異なる部分のみ説明し、同一の部材
には同一の符号を付し説明を省略する。
【0029】図6において、L字状の押圧部材41は、
ポリッシャユニット3のフレーム25に固定されたエア
シリンダ43の加圧軸43aに連結されており、スラス
トベアリング21を介してスライド部材42を下方に押
圧できるように構成されている。なお、スライド部材4
2は、キー7Cによって回転軸と一体になって回転し、
かつ回転軸7に対し上下方向に移動自在に構成されてい
る。また、エアシリンダ43に供給されるエア圧力は可
変レギュレータ44により設定され、コントローラ24
により自在に制御が可能となっている。
【0030】ポリッシャ18は、その裏面中央部に立設
された枠部18c内に、回転軸先端受け45が嵌装され
ている。回転軸先端受け45はサファイア製で凹形状の
球面部45aが上面に形成されている。なお、サファイ
ヤ製としたのは、磨耗防止を図るためであるが、硬質材
料であれば他の材料で作製してもよい。回転軸先端受け
45の球面部45aには、回転軸7の凸球面形状の先端
部7dが収納されており、この回転軸7はポリッシャ1
8へ加圧力を伝達するとともに、ポリッシャ18がワー
ク4の表面4aに沿って変形しても、ポリッシャ18と
は別体であるので、変形を妨げることはない。その他の
構成は、実施の形態2と同様である。
【0031】つぎに、上記構成の研磨装置を用いたワー
クの研磨方法の作用について説明する。ワーク4の表面
4aが凸面形状のときは、ポリッシャ18の変形による
外周部の密着作用は、ポリッシャ中心位置を基準にした
ポリッシャ外周部の高低差dを基準に、エアシリンダ4
3の加圧軸29aから押圧部材41に伝達される押圧力
をレギュレータ45で制御して生じさせることができ
る。この場合、予めエアシリンダ29に供給するエア圧
力値とポリッシャ18の変形量、またはポリッシャ18
とワーク4の表面4aとの密着状態との関係を把握し、
ワーク4の表面4aの形状に合わせてコントローラ24
の制御プログラムをセットしておけばよい。また、回転
軸7とポリッシャ18とは、球面で接触して位置決めさ
れているのでポリッシャ18がワーク4の表面4aに沿
って変形しても、接触部付近が変形の抵抗になりにく
く、その変形を妨げることがない。従って、ポリッシャ
18はワーク4の表面4aにより密着するようになる。
なお、ワーク4の表面4aが凹面形状のときは、実施の
形態2と同様である。
【0032】本実施の形態によれば、押圧部材27に作
用させる押圧力をコントローラ24により制御して、ポ
リッシャ18を全面密着させながら研磨を進行させる作
用が実現できるので、前記実施の形態1と同様の効果を
得ることができる。また、本実施の形態の特有の効果と
しては、ポリッシャ18がワーク面の形状に沿って変形
するときに、回転軸7とポリッシャ18との連結部から
の抵抗が少ないので、密着状態がよくなり、研磨面の形
状精度をより向上させることができることである。
【0033】なお、上述の具体的実施の形態から次のよ
うな構成の技術的思想が導き出される。 (付記) (1)回転するポリッシャを被加工物の表面に加圧する
ことにより被加工物を研磨加工する研磨装置において、
弾性を有するポリッシャと、前記ポリッシャの裏面中央
付近に取り付けられた回転可能な回転軸と、前記ポリッ
シャの裏面中央より外方に接触可能なポリッシャ変形部
材と、前記ポリッシャ変形部材を前記ポリッシャの方向
に押圧するための押圧機構とを具備することを特徴とす
る研磨装置。 (2)前記ポリッシャは、弾性シートであることを特徴
とする付記(1)に記載の研磨装置。 (3)前記ポリッシャ変形部材は、気体、液体または粘
性流体が密閉された袋状部材であることを特徴とする付
記(1)または(2)に記載の研磨装置。 (4)前記ポリッシャ変形部材は、弾性材料からなるコ
イル状または板状のバネであることを特徴とする付記
(1)または(2)に記載の研磨装置。 (5)前記押圧機構は、前記回転軸に沿って上下方向に
移動可能なスライド部材と、該スライド部材を上下方向
に駆動する圧力機構とを具備することを特徴とする付記
(1)、(2)、(3)または(4)に記載の研磨装
置。 (6)前記被加工物の表面の形状に合わせて、前記ポリ
ッシャの表面が前記被加工物の表面に密着するように、
前記押圧機構の停止位置または押圧力を制御するコント
ローラをさらに具備することを特徴とする付記(1)、
(2)、(3)、(4)または(5)に記載の研磨装
置。
【0034】付記(1)の研磨装置によれば、ポリッシ
ャの表面と研磨すべき被加工物の位置は、その裏面中央
付近に取り付けられている回転軸により規定されて、正
確な位置設定が可能になる。さらに、被加工物が凹面形
状のときは、ポリッシャが弾性変形して被加工物の表面
に全面密着することができ、また、ワークが凸面形状の
ときは、ポリッシャ裏面中央より外方に接触するポリッ
シャ変形部材によってポリッシャが裏面から押圧されて
弾性的に変形して、被加工物の表面に全面密着すること
ができる。このように、被加工物の表面形状が凹凸を有
する面形状であっても、ポリッシャを面当たりで全面密
着させて、かつ精確な接触部の位置設定ができる。付記
(2)の研磨装置によれば、ポリッシャが弾性シートで
あるので、シートが中央に対し反り変形することがで
き、ワーク面の凹凸形状へのフィットが容易に実現でき
る。付記(3)の研磨装置によれば、ポリッシャ変形部
材が気体、液体または粘性流体が密閉された袋状部材で
あるので、該袋状部材が容易に変形してポリッシャ裏面
に密着し、前記押圧機構からの押圧力をポリッシャ全面
に伝達して、ポリッシャを反り変形させることができ
る。付記(4)の研磨装置によれば、ポリッシャ変形部
材が弾性材料からなるコイル状または板状のバネで構成
されているので、被加工物の表面の凹凸の高低差に応じ
たバネの変形量を前記押圧機構により与えることによ
り、ポリッシャの密着状態を適切に設定することができ
る。付記(5)の研磨装置によれば、上下方向に駆動す
る圧力機構の圧力作用を、回転軸に沿って上下方向に移
動するスライド部材に与えることにより、回転軸を中心
にしたポリッシャを反り変形する作用を生じさせること
ができる。付記(6)の研磨装置によれば、コントロー
ラにより回転軸が位置する被加工物の表面の高低差に合
わせて押圧機構の停止位置または押圧力を制御すること
により、ポリッシャ変形部材によりポリッシャの反り変
形を被加工物の表面の凹凸形状に合わせて自在に制御で
きるので、ポリッシャの表面を被加工物の表面に密着さ
せることが可能になる。
【0035】
【発明の効果】請求項1、2または3に係る発明の研磨
装置によれば、被加工物の表面の形状に合わせてポリッ
シャが被加工物の表面に密着するように、ポリッシャの
裏面中央より外方に接触可能なポリッシャ変形部材を押
圧機構によって位置調整し、ポリッシャの裏面中央付近
に取り付けられた回転軸を回転させながらポリッシャを
被加工物の表面に加圧させ、被加工物を研磨加工するこ
とにより、カッターマークの効率的な除去および高研磨
能率の設定が可能であり、かつポリッシャとワークとの
接触部の位置を正確に設定することができる。請求項2
に係る発明の研磨装置によれば、上記効果に加え、被加
工物の表面の形状に合わせてポリッシャが被加工物の表
面に密着するように、ポリッシャの裏面中央より外方に
接触可能な気体、液体または粘性流体が密閉された袋状
部材を押圧機構によって位置調整し、ポリッシャの裏面
中央付近に取り付けられた回転軸を回転させながらポリ
ッシャを被加工物の表面に加圧させ、被加工物を研磨す
ることにより、袋状部材の均等な圧力作用により、ポリ
ッシャからワーク面に作用する研磨圧力をより均等に作
用させることが可能となり、研磨面の形状精度をより向
上させることができる。請求項3に係る発明の研磨装置
によれば、上記効果に加え、被加工物の表面の形状に合
わせてポリッシャが被加工物の表面に密着するように、
ポリッシャの裏面中央より外方に接触可能な弾性材料か
らなるコイル状または板状のバネを押圧機構によって位
置調整し、ポリッシャの裏面中央付近に取り付けられた
回転軸を回転させながらポリッシャを被加工物の表面に
加圧させ、被加工物を研磨することにより、ポリッシャ
と被加工物の表面との接触位置は、回転軸を基準に設定
されるので、研磨位置の精度が向上し、研磨面の形状精
度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の研磨装置の一部を破載した縦断
面図である。
【図2】実施の形態1のポリッシャユニットとワークの
凹面との接触状態を示す説明図である。
【図3】実施の形態1のポリッシャに取着された板バネ
とその変形状態を示す状態図である。
【図4】実施の形態1のポリッシャユニットとワークの
凸面との接触状態を示す説明図である。
【図5】実施の形態2のポリッシャユニットとワークの
凸面との接触状態を示す説明図である。
【図6】実施の形態3のポリッシャユニットとワークの
凸面との接触状態を示す説明図である。
【図7】従来技術1の研磨装置の構成図である。
【図8】従来技術2の研磨部材の平面図である。
【図9】従来技術2の研磨部材の正面断面図である。
【図10】従来技術2の研磨部材を支軸に取り付けた図
である。
【図11】従来技術2の研磨部材を支軸に取り付けた図
である。
【図12】従来技術2の凸面を研磨加工する図である。
【図13】従来技術2の凹面を研磨加工する図である。
【図14】従来技術3の研磨装置の断面図である。
【符号の説明】
4 ワーク 4a 表面 7 回転軸 18 ポリッシャ 20 板バネ 22 リニアアクチュエータ 23 押圧部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転するポリッシャを被加工物の表面に
    加圧することにより被加工物を研磨加工する研磨装置に
    おいて、 弾性を有するポリッシャと、該ポリッシャの裏面中央付
    近に回転自在に取着された回転軸と、前記ポリッシャの
    裏面中央より外方に接触可能なポリッシャ変形部材と、
    該ポリッシャ変形部材を前記ポリッシャの方向に押圧す
    るための押圧機構とを具備することを特徴とする研磨装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ポリッシャ変形部材は、気体、液体
    または粘性流体が密閉された袋状部材であることを特徴
    とする請求項1記載の研磨装置。
  3. 【請求項3】 前記ポリッシャ変形部材は、弾性材料か
    らなるコイル状または板状のバネであることを特徴とす
    る請求項1記載の研磨装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101867500B1 (ko) * 2016-12-30 2018-06-15 이정기 리테이너 링의 외구면 연마장치
KR101875599B1 (ko) * 2016-12-30 2018-07-06 이정기 리테이너 링의 표면 연마장치
CN116061028A (zh) * 2023-03-02 2023-05-05 湖南金岭机床科技集团有限公司 一种多柱高精密抛光机的载盘定位装置

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