JPH10314645A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JPH10314645A
JPH10314645A JP12750297A JP12750297A JPH10314645A JP H10314645 A JPH10314645 A JP H10314645A JP 12750297 A JP12750297 A JP 12750297A JP 12750297 A JP12750297 A JP 12750297A JP H10314645 A JPH10314645 A JP H10314645A
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JP
Japan
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paint
die
metering pump
supply
magnetic
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JP12750297A
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English (en)
Inventor
Kazuo Sasaki
和男 佐々木
Koitsu Ishioka
孝逸 石岡
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイに対して塗料を安定した状態で供給して
被塗装体に対して均一な膜厚の塗料層を効率的に形成す
るようにする。 【解決手段】 循環塗料流路13のダイ11への塗料供
給部13bとダイ11からの塗料排出部11cとに供給
側計量ポンプ15と排出側計量ポンプ18とをそれぞれ
配設し、これら供給側計量ポンプ15と排出側計量ポン
プ18との動作を制御部22によって関連制御する。ダ
イ11から被塗装体1に供給塗布される塗料2の塗布流
量Pは、循環塗料流路13内における塗料2の流動圧力
に係わらず、供給側計量ポンプ15の流量Q1と排出側
計量ポンプ18の流量Q2との差によって独立に規定さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被塗装体が連続走
行するダイの先端の被塗装体摺動面に設けたスリットか
ら被塗装体の表面に塗料を供給塗布することにより塗料
層を形成する塗布装置に関し、特に磁気テープや磁気デ
ィスク等の磁気記録媒体の製造装置に用いて好適な塗布
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、磁気テープや磁気ディスク等の
磁気記録媒体は、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)等の合成樹脂製のベースフィルムの表面に、バイン
ダ中に強磁性粉末を均一に混合した磁性塗料が塗布装置
によって塗布されてなる。従来の磁性塗料塗布装置は、
一般にグラビアロール型塗布装置やリバースロール型塗
布装置のように、ベースフィルムの表面に圧接して回転
しながら磁性塗料を供給するロール体を有するロール型
塗布装置が用いられていた。
【0003】かかるロール型塗布装置は、ロール体から
ベースフィルムの表面へ転写される磁性塗料の転写不良
による塗布ムラや磁性塗料の飛散によるドロップ・アウ
ト現象が生じやすく、均一な膜厚の磁性層が形成されな
いことから磁気記録媒体に出力変動を生じさせるといっ
た問題があった。この問題は、ベースフィルムを高速で
走行させて磁性塗料を塗布する場合や薄厚のベースフィ
ルムに磁性塗料を塗布する場合において特に問題とな
る。
【0004】上述したロール型塗布装置の問題を解決す
る磁性塗料塗布装置として、図4に示したダイコータと
称されるエクストルージョン型塗布装置50の採用が図
られている。このダイコータ50は、ベースフィルム1
が摺動しながら連続走行するダイ(ヘッド)51を備
え、このダイ51のフィルム摺動面51aに設けたスリ
ット52から磁性塗料2をベースフィルム1の表面に供
給塗布して磁性層3を形成する。
【0005】すなわち、ダイコータ50は、図4に示す
ように、塗料流路53によって互いに直列に連結される
ダイ51と、フィルタ54と、精密計量ポンプ55及び
磁性塗料2が貯蔵された塗料タンク56と、精密計量ポ
ンプ55を制御するシーケンサ57とを備えて構成され
る。ダイ51は、金属ブロック体によって形成され、そ
の摺動面51aがスリット52の形成部位を頂点として
ベースフィルム1の走行方向に対する両側を傾斜面とし
た楔状を呈して構成されている。このダイ51には、ベ
ースフィルム1の走行方向の前方側傾斜面と後方側傾斜
面とに超硬合金からなるフロントプレード58及びスム
ージングブレード59とがそれぞれ一体に設けられてい
る。フロントプレード58は、摺動面51aを摺擦走行
するベースフィルム1の走行状態を整える。また、スム
ージングブレード59は、後述するようにスリット52
からベースフィルム1の表面に供給塗布された磁性塗料
2をならして均一な塗布厚と平滑面を有する磁性層3を
形成させる。
【0006】ダイ51には、その内部に塗料流路53か
ら供給される磁性塗料2が充填されるポット部60が設
けられている。ポット部60には、その内部に整流エレ
メント61が装着されるとともに、この整流エレメント
61を介してスリット52と連通されている。スリット
52は、ダイ51の摺動面51aに、塗布幅の長さを有
しかつ開口幅が0.01mm乃至2mm程度の微細な開
口として構成される。
【0007】フィルタ54は、スリット52内での目詰
まりの発生を防止するために、磁性塗料2に混入した所
定の大きさ以上の異物や固形物を除去して磁性塗料2を
ダイ51へと供給する。精密計量ポンプ55は、シーケ
ンサ57によりその動作が制御されることによって、一
定の流量Qの磁性塗料2をフィルタ54を介してダイ5
1のポット部60内へと供給する。
【0008】以上のように構成されたダイコータ50に
おいては、図示しない駆動機構によってベースフィルム
1が連続走行されるとともにシーケンサ57の出力によ
って精密計量ポンプ55が動作する。精密計量ポンプ5
5は、塗料タンク56から供給された磁性塗料2を一定
流量Q分、ダイ51へと送り出す。磁性塗料2は、ダイ
51のポット部60へと送り込まれ、さらにスリット5
2からベースフィルム1の表面に供給塗布される。
【0009】ところで、上述した基本構成を備えるダイ
コータ50においては、ダイ51に対する磁性塗料2の
供給仕様によって、図5に示した片側塗料供給型ダイコ
ータ70と、図7に示した両側塗料供給型ダイコータ8
0とに分類される。片側塗料供給型ダイコータ70は、
ダイ51の一方側面にのみ塗料流路53が接続されてお
り、磁性塗料2がポット部60内に対して一方側から送
り込まれる。磁性塗料2は、整流エレメント61によっ
て整流され、ポット部60内からスリット52の一方側
から押し出されてベースフィルム1の表面に供給塗布さ
れる。
【0010】また、両側塗料供給型ダイコータ80は、
塗料流路53がフィルタ54を通過した後に2本の塗料
流路53a、53bに分岐され、それぞれダイ51の両
側面に接続されている。したがって、両側塗料供給型ダ
イコータ80においては、磁性塗料2がポット部60内
に対して両側から送り込まれる。磁性塗料2は、整流エ
レメント61によって整流され、ポット部60内からス
リット52の両側から押し出されてベースフィルム1の
表面に供給塗布される。
【0011】上述したダイコータ50は、ダイ51と塗
料タンク56とが一方通行の塗料流路53によって接続
され、ダイ51に供給される磁性塗料2が全てベースフ
ィルム1の表面に供給塗布される100%供給型ダイコ
ータを構成している。一方、図9に示したダイコータ9
0は、ダイ51の周辺に循環ポンプ92が配設された循
環塗料流路91が構成されるとともに、この循環塗料流
路91に対して精密計量ポンプ55を介して一定流量Q
の磁性塗料2を塗料タンク56から供給する供給塗料流
路93を接続してなる。したがって、このダイコータ9
0は、循環ポンプ92によって循環塗料流路91内を磁
性塗料2が循環流動する循環型ダイコータとして構成さ
れる。ダイコータ90は、精密計量ポンプ55が動作さ
れて供給塗料流路93から循環塗料流路91内に一定流
量Qの磁性塗料2が供給されると、供給量に対応した磁
性塗料2がダイ51からベースフィルム1の表面へと供
給塗布される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した100%供給
型ダイコータ50においては、精密計量ポンプ55が動
作した場合において磁性塗料2が塗料流路53内を流動
するように構成されていることから、例えばベースフィ
ルム1の掛け替えや磁性塗料2の補充等によって塗布作
業が一時中断された場合において、ダイ51の内部に滞
留した磁性塗料2に凝集現象が生じやすい。片側塗料供
給型ダイコータ70は、この磁性塗料2の凝集現象が塗
布ムラの原因となることから塗布作業を再開した際に、
製造される磁気テープの品質が劣化するといった問題が
あった。
【0013】また、100%供給型ダイコータ50にお
いては、磁性塗料2がスリット52から安定した状態で
ベースフィルム1へと供給塗布されるように、磁性塗料
2の流動状態を制御する整流エレメント61や整流板が
ダイ51やスリット52に設けられる。しかしながら、
100%供給型ダイコータ50は、これらの対策を講じ
た場合においても、磁性塗料2がダイ51内へと送り込
まれた状態において先端側において生じる磁性塗料2の
滞流現象によってベースフィルム1に均一な厚みの磁性
層3が形成されないといった問題があった。
【0014】すなわち、片側塗料供給型ダイコータ70
においては、上述したようにダイ51のポット部60の
一方側に塗料流路53が接続されているために、ポット
部60内における磁性塗料2の内部圧力がこの接続部7
1から先端側72に向かって次第に低下する状態を呈し
ている。このため、片側塗料供給型ダイコータ70に
は、ポット部60の先端側72に、図5においてAで示
すように磁性塗料2の滞流現象が生じる。
【0015】したがって、かかる片側塗料供給型ダイコ
ータ70によって磁性層3が形成される磁気テープは、
図6に示すように、その磁性層3が接続部71に対応す
る一方側の厚みt1に対して先端側72に対応する他方
側の厚みt2が次第に小さくなるとともに滞流箇所Aに
対応する部位4において急激に厚みが変化する状態を呈
する。磁気テープは、このように磁性層3が、幅方向に
対してその厚みが不均一となるために出力変動を生じる
といった問題がある。また、磁気テープは、一方側の厚
みt1と他方側の厚みt2との差が極めて大きい。
【0016】一方、両側塗料供給型ダイコータ80は、
上述したようにダイ51のポット部60の両側にそれぞ
れ塗料流路53が接続されているが、ポット部60内に
おける磁性塗料2の内部圧力がこの両側の接続部81,
82から中央部83に向かって次第に低下する状態を呈
している。両側塗料供給型ダイコータ80は、上述した
片側塗料供給型ダイコータ70と比較して、形成する磁
気テープに発生する膜厚差異が小さいが、ポット部60
の中央部83に図7においてBで示すように磁性塗料2
の滞流現象を生じさせる。
【0017】したがって、この両側塗料供給型ダイコー
タ80によって磁性層3が形成される磁気テープは、図
8に示すように、その磁性層3が両側接続部81,82
に対応する幅方向の両端部の厚みt3に対して中央部8
3に対応する中央の厚みt4が次第に小さくなるととも
に滞流箇所Bに対応する部位5において急激に厚みが変
化する状態を呈する。磁気テープは、このように磁性層
3が、幅方向に対してその厚みが不均一となるために出
力変動を生じるといった問題がある。
【0018】また、図9に示す循環型ダイコータ90
は、塗布作業を一時中断する場合においても循環ポンプ
92を連続運転することにより磁性塗料2の凝集現象が
低減されるといった特徴を有している。しかしながら、
この循環型ダイコータ90においては、磁性塗料2が循
環塗料流路91内を循環流動することによってポット部
60内における磁性塗料2の圧力が不安定となり、形成
される磁気テープの磁性層3の膜厚がこの磁性塗料2の
循環流量の影響を受けて安定しないといった問題点があ
る。
【0019】さらに、循環型ダイコータ90は、循環塗
料流路91内を循環流動する磁性塗料2の循環圧力によ
って、スリット52が大きな開口仕様である場合にこの
スリット52から磁性塗料2がにじみ出るといった問題
がある。したがって、循環型ダイコータ90において
は、スリット52の開口寸法が制限されるために、比較
的幅寸法が大きな磁気テープや磁気ディスクへの適用が
困難であるといった問題がある。さらに、循環型ダイコ
ータ90は、循環塗料流路91の容量が大きい場合に、
精密計量ポンプ55を動作させて供給塗料流路93を介
して磁性塗料2をダイ51へと圧送した場合のレスポン
スが悪くなり、所定の膜厚を形成するまでにある程度の
時間が必要であった。さらにまた、循環型ダイコータ9
0は、ダイ51の内部に整流エレメントを配設する場合
にはその整流作用が奏されるように循環塗料流路91内
における磁性塗料2の循環流量が制限しなければなら
ず、多量或いは大型の磁気テープの製造への適用が困難
であるといった問題があった。
【0020】本発明は、上述した従来の塗装装置の問題
点を解決して、塗料がダイへ安定した状態で供給される
ことにより被塗装体に対してより均一な膜厚の塗料層を
効率的に形成し得るようにした塗布装置を提供すること
を目的に提案されたものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明にかかる塗布装置は、塗料供給部と、連続走行する被
塗装体に対して先端の被塗装体摺動面に設けたスリット
から塗料を供給塗布してその表面に塗料層を形成するダ
イと、このダイと塗料供給部との間に構成され被塗装体
に供給する量よりも多量の塗料が循環流動される循環塗
料流路と、この循環塗料流路のダイへの塗料供給部とダ
イからの塗料排出部とに位置して配設された供給側計量
ポンプ及び排出側計量ポンプと、これら供給側計量ポン
プと排出側計量ポンプとの動作を関連制御する制御部と
を備えて構成される。また、塗布装置は、循環塗料流路
の塗料供給部と第1の計量ポンプとの間に位置して分散
機が配設され、或いは塗料溜が配設される。
【0022】以上のように構成された本発明にかかる塗
布装置によれば、供給側計量ポンプと排出側計量ポンプ
との差動動作によってダイのポット部内の塗料の圧力が
循環塗料流路内の循環圧力に係わらず独立して設定され
またそのレスポンスも素早いことから、ダイのスリット
から被塗装体に対して塗料を安定した状態で供給塗布し
て均一な厚みを有する塗料層を形成する。また、塗布装
置は、スリットの開口寸法を大きくすることができ幅広
の被塗装体に対しても高精度の塗料層を形成することを
可能とする。
【0023】さらに、塗布装置は、分散機によってより
良好な状態の塗料を被塗装体に供給して塗料層を形成す
るが、この分散機の動作によって循環塗料流路内に生じ
る塗料の脈動がダイに伝達されることは無い。さらにま
た、塗布装置は、塗料溜によって循環塗料流路内を塗料
が安定した状態で流動する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として図
1に示した塗装装置も、ベースフィルム1の表面に、ダ
イ11から磁性塗料2を供給塗布して磁気層3を形成し
て磁気テープや磁気ディスク等の磁気記録媒体を製造す
るダイコータ10を示す。ベースフィルム1は、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)等の可撓性を有する合
成樹脂を材料として長尺、幅広の原反として製造工程に
供給され、後述するダイコータ10によってその表面に
磁性層3が形成された後、所定の幅或いは所定の外径の
磁気テープ或いは磁気ディスクを形成する。磁性塗料2
は、液状の塩化ビニール等のバインダ中に強磁性粉末を
均一に混合するとともに分散剤、帯電防止剤、滑剤或い
は研磨剤等が適宜の割合で混合されて調製されている。
【0025】ダイコータ10は、ベースフィルム1をダ
イ11の先端に構成されたフィルム摺動面11aに摺動
させながら連続走行させるとともに、この走行状態でダ
イ11に設けたスリット12から磁性塗料2を供給塗布
してベースフィルム1の表面に磁性層3を形成する。ま
た、ダイコータ10は、磁性塗料2が図1において時計
回りで循環流動する循環塗料流路13内を有する塗料循
環型ダイコータを構成している。
【0026】ダイコータ10は、ダイ11の塗料供給部
11b側の循環塗料流路13に、供給側フィルタ14
と、供給側精密計量ポンプ15と、キャッチタンク(塗
料溜)16とが、この順序で互いに直列状態で配設され
ている。また、ダイコータ10は、ダイ11の塗料排出
部11c側の循環塗料流路13に、排出側フィルタ17
と、排出側精密計量ポンプ18と、ホモジナイザ(分散
機)19とが、この順序で互いに直列状態で配設されて
いる。循環塗料流路13は、塗料溜16と分散機19と
を連結することによって全体として閉ループを構成して
いる。
【0027】さらに、ダイコータ10には、循環塗料流
路13に対して、排出側精密計量ポンプ18と分散機1
9との間に塗料タンク20から磁性塗料2が供給される
供給塗料流路21が接続されている。また、ダイコータ
10には、供給側精密計量ポンプ15と排出側精密計量
ポンプ18の動作を制御するシーケンサ22が備えられ
ている。
【0028】ダイ11は、上述した従来のダイコータ5
0のダイ51とその構成を同様としており、金属ブロッ
ク体によって形成され、そのフィルム摺動面11aがス
リット12の形成部位を頂点としてベースフィルム1の
走行方向に対する両側を傾斜面とした楔状を呈して構成
されている。ダイ11には、ベースフィルム1の走行方
向の前方側傾斜面と後方側傾斜面とに超硬合金によって
形成されたフロントプレードとスムージングブレードと
がそれぞれ一体に設けられている。フロントプレード
は、フィルム摺動面11aを摺擦走行するベースフィル
ム1の走行状態を整える。また、スムージングブレード
は、後述するようにスリット12からベースフィルム1
の表面に供給された磁性塗料2をならして均一な塗布厚
と平滑面を有する磁性層3を形成させる。
【0029】ダイ11には、その内部に循環塗料流路1
3から供給される磁性塗料2が充填されるポット部23
がスリット12と平行して設けられている。ポット部2
3には、その内部に整流エレメント24が装着されると
ともに、この整流エレメント24を介してスリット12
と連通されている。スリット12は、ダイ11のフィル
ム摺動面11aに、塗布幅の長さを有しかつ開口幅が
0.01mm乃至2mm程度の微細な矩形開口として構
成される。
【0030】循環塗料流路13には、後述するようにス
リット12からベースフィルム1に供給塗布される磁性
塗料2の塗布流量Pに対して、2倍乃至50倍の量の磁
性塗料2が循環流動される。この磁性塗料2の循環流動
量は、循環塗料流路13の全体の容量、塗布流量P、或
いは供給側精密計量ポンプ15と排出側精密計量ポンプ
18の容量等に基づいて適宜設定される。
【0031】供給側フィルタ14は、循環塗料流路13
を流動する磁性塗料2に混入した所定の大きさ以上の異
物や固形物を除去してダイ11へと供給し、スリット1
2内での目詰まりの発生を防止する。また、排出側フィ
ルタ17は、ダイ11から排出された磁性塗料2に混入
した所定の大きさ以上の異物や固形物を除去して循環塗
料流路13内を流動させるようにする。分散機19は、
ダイ11から環流した磁性塗料2或いは供給塗料流路2
1を介して塗料タンク20から供給された磁性塗料2の
組成物の分散促進を行い、磁性塗料2をより良好な状態
として循環塗料流路13内を流動させるようにする。塗
料溜16は、分散機19が動作することによって循環塗
料流路13内を流動する磁性塗料2に脈動が生じるが、
この磁性塗料2の脈動を吸収してダイ11に安定した状
態で供給されるようにする。
【0032】供給側精密計量ポンプ15及び排出側精密
計量ポンプ18は、シーケンサ22によってその動作が
制御されてそれぞれ所定量の磁性塗料2を圧送して循環
塗料流路13内に流動させる。これら供給側精密計量ポ
ンプ15及び排出側精密計量ポンプ18は、塗布流量P
に対して1倍乃至30倍の量の磁性塗料を圧送する容量
を有している。これら供給側精密計量ポンプ15及び排
出側精密計量ポンプ18は、循環塗料流路13の全体の
容量や塗布流量P等に基づいて適宜選択され、また同一
容量である必要は無いが排出側精密計量ポンプ18に対
して供給側精密計量ポンプ15が大容量のものが用いら
れる。
【0033】シーケンサ22は、供給側精密計量ポンプ
15に対して、流量Q1の磁性塗料2をダイ11へ圧送
するように制御する。また、シーケンサ22は、排出側
精密計量ポンプ18に対して、ダイ11から流量Q2の
磁性塗料2を引き出して循環塗料流路13内を圧送する
ように制御する。したがって、ダイ11は、供給側精密
計量ポンプ15によって送り込まれる流量Q1と排出側
精密計量ポンプ18によって引き出される流量Q2の差
(Q1−Q2)がスリット11からベースフィルム2に
供給塗布する。換言すれば、塗布流量Pは、循環塗料流
路13内の磁性塗料2の循環圧力に係わらず、供給側精
密計量ポンプ15の流量Q1と排出側精密計量ポンプ1
8の流量Q2との差(Q1−Q2)により独立に規定さ
れる。
【0034】ダイコータ10は、上述したように供給側
精密計量ポンプ15からダイ11のポット部60に磁性
塗料2を送り込むと同時に排出側精密計量ポンプ18に
よりこのダイ11から余剰の磁性塗料2を引き出すよう
に構成されている。したがって、ダイコータ10は、ダ
イ11内での磁性材料2の滞留現象の発生が抑制されて
スリット11の全域に亘ってほぼ等圧の塗布圧が生成さ
れるようになる。ダイコータ10は、これによりスリッ
ト11の全域からほぼ均等に磁性塗料2をベースフィル
ム1に供給塗布する。
【0035】ダイコータ10によって磁性層3が形成さ
れる磁気テープは、図2に示すように、磁性層3が塗料
供給部11b側に対して塗料排出部11c側の厚みがや
や小さく形成されるが、その差Δtが極めて小さく全体
としてほぼ均一な厚みを有して形成される。また、磁気
テープは、磁性材料2を塗布供給するダイ11内におい
てその滞留現象が抑制されることから、同図に示すよう
に磁性層3の厚みが急激に減少する部位も無く出力変動
の少なく高品質化が図られる。
【0036】ダイコータ10は、シーケンサ22により
供給側精密計量ポンプ15の回転と排出側精密計量ポン
プ18の回転とを適宜設定することにより、循環塗料流
路13内の循環圧力に係わらず塗布流量Pを独立に調整
可能とされる。したがって、ダイコータ10は、ベース
フィルム1の厚みや幅或いは磁性層3の厚み等の仕様を
異にする磁気テープを高品質にかつ効率的に製造する。
また、ダイコータ10は、これら供給側精密計量ポンプ
15と排出側精密計量ポンプ18とをダイ11の直前と
直後に配設したことにより、塗布流量Pの設定或いは保
守等による中断後のレスポンスが素早く、磁気テープを
歩留りよくかつ効率的に製造する。
【0037】ダイコータ10は、分散機19を配設する
ことによって組成物の分散が良好な磁性塗料2をベース
フィルム1に供給塗布するとともに、この分散機19の
動作による循環塗料流路13内の磁性塗料2の脈動を塗
料溜16により吸収する。ダイコータ10は、この塗料
溜16の作用とともに、上述したようにダイ11への磁
性塗料2の供給を循環塗料流路13内の流動圧に係わら
ず供給側精密計量ポンプ15と排出側精密計量ポンプ1
8との差動により規定することから、ダイ11内におけ
る磁性塗料2の塗布圧の安定化が図られる。また、ダイ
コータ10は、循環塗料流路13内の磁性塗料2の循環
流量を確保した状態で、ダイ11に整流エレメント24
の装着を可能とする。
【0038】上述したダイコータ10においては、供給
側精密計量ポンプ15と排出側精密計量ポンプ18とが
それぞれ1台によって構成されている。これら供給側精
密計量ポンプ15と排出側精密計量ポンプ18とは、塗
布流量Pを規定するとともに循環塗料流路13内におけ
る磁性塗料2の流動圧を生成することから比較的大容量
のポンプを必要とする。ダイコータ10は、塗布流量P
の調整範囲が、供給側精密計量ポンプ15と排出側精密
計量ポンプ18の仕様によって制限されることからより
精密な設定が難しい。
【0039】図3に示したダイコータ30は、供給側精
密計量ポンプ31と排出側精密計量ポンプ32との構成
に特徴を有している。供給側精密計量ポンプ31は、そ
れぞれ比較的小容量で互いに並列に接続された複数台の
個別精密計量ポンプ31a乃至31cによって構成され
る。各個別精密計量ポンプ31a乃至31cは、それぞ
れシーケンサ22によって制御され、全体として流量Q
1の磁性塗料2をダイ11へ圧送する。
【0040】同様に、排出側精密計量ポンプ32も、そ
れぞれ比較的小容量で互いに並列に接続された複数台の
個別精密計量ポンプ32a乃至32cによって構成され
る。各個別精密計量ポンプ32a乃至32cは、それぞ
れシーケンサ22によって制御され、全体としてダイ1
1から流量Q2の磁性塗料2を引き出して循環塗料流路
13内を圧送する。
【0041】ダイコータ30は、以上のように構成され
ることによって、供給側精密計量ポンプ31を構成する
各個別精密計量ポンプ31a乃至31cのそれぞれの回
転数と、排出側精密計量ポンプ32を構成する各個別精
密計量ポンプ32a乃至32cのそれぞれの回転数とを
シーケンサ22によって制御することにより、塗布流量
Pがより精密に調整される。
【0042】なお、ダイコータ30は、供給側精密計量
ポンプ31と排出側精密計量ポンプ32とをそれぞれ複
数台の個別精密計量ポンプ31a乃至31c、32a乃
至32cによって構成したが、例えば供給側精密計量ポ
ンプ31を複数台の個別精密計量ポンプ31a乃至31
cによって構成するとともに排出側精密計量ポンプ32
を1台によって構成してもよいことは勿論である。
【0043】なお、本発明は、上述した実施の形態とし
て示す、ベースフィルム1の表面にダイ11から磁性塗
料2を供給塗布して磁気層3を形成して磁気テープや磁
気ディスク等の磁気記録媒体を製造するダイコータ10
に限定されるものでは無い。本発明は、例えば連続走行
されるベースフィルムの表面に染料樹脂等のインク層が
形成されるインクリボンの製造装置にも適用される。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る塗布装置によれば、循環塗料流路のダイへの塗料供給
部とダイからの塗料排出部とに供給側計量ポンプ及び排
出側計量ポンプをそれぞれ配設し、これら供給側計量ポ
ンプと排出側計量ポンプとの動作を制御部によって関連
制御して循環塗料流路内における塗料の流動圧力に係わ
らず独立して被塗装体に対する塗料の塗布流量を規定す
るように構成したことにより、被塗装体に塗料が安定し
た状態で供給塗布されて均一な厚みを有する塗料層を形
成することから高品質の被塗装体を製造する。また、塗
布装置は、幅広の領域に高精度の塗料層の形成を可能と
するとともに塗布作業の中断や塗布流量の設定後におい
て塗装体を効率良く製造する。
【図面の簡単な説明】
【図l】本発明の実施の形態として示すダイコータの構
成図である。
【図2】同ダイコータによって製造された磁気テープの
模式図である。
【図3】本発明の他の実施の形態として示すダイコータ
の構成図である。
【図4】従来のダイコータを示し、100%供給型ダイ
コータの構成図である。
【図5】同100%供給型ダイコータを示し、片側塗料
供給型ダイコータの構成図である。
【図6】同ダイコータによって製造された磁気テープの
模式図である。
【図7】同100%供給型ダイコータを示し、両側塗料
供給型ダイコータの構成図である。
【図8】同ダイコータによって製造された磁気テープの
模式図である。
【図9】従来のダイコータを示し、循環型ダイコータの
構成図である。
【符号の説明】
1 ベースフィルム、2 磁性塗料、3 磁性層、10
ダイコータ、11ダイ、12 スリット、13 循環
塗料流路 14 供給側フィルタ、15 供給側精密計
量ポンプ、16 塗料溜、17 排出側フィルタ、18
排出側フィルタ、19 分散機、20 塗料タンク、
21 供給塗料流路、22 シーケンサ、23 ポット
部、24 整流エレメント

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料供給部と、連続走行する被塗装体に
    対して先端の被塗装体摺動面に設けたスリットから塗料
    を供給塗布してその表面に塗料層を形成するダイと、 上記ダイと塗料供給部との間に構成され上記被塗装体へ
    供給する量よりも多量の塗料が循環流動される循環塗料
    流路と、 この循環塗料流路の上記ダイへの塗料供給部側とダイか
    らの塗料排出部側とに位置して配設され、それぞれ1台
    以上からなる供給側計量ポンプ及び排出側計量ポンプ
    と、 これら供給側計量ポンプと排出側計量ポンプとの塗料圧
    送動作を関連制御する制御部とを備え、 上記供給側計量ポンプと排出側計量ポンプとの差動動作
    によって上記ダイのスリットから上記被塗装体に供給塗
    布される塗料流量を制御することを特徴とする塗布装
    置。
  2. 【請求項2】 上記循環塗料流路には、上記塗料供給部
    と供給側計量ポンプとの間に位置して分散機を配設した
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 上記循環塗料流路には、上記供給側計量
    ポンプと分散機との間に位置して塗料溜を配設したこと
    を特徴とする請求項2に記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 上記供給側計量ポンプ及び排出側計量ポ
    ンプは、上記被塗装体への塗布量に対して1倍以上の量
    の塗料を圧送する容量を有することを特徴とする請求項
    1に記載の塗布装置。
  5. 【請求項5】 上記循環塗料流路には、上記被塗装体へ
    の塗布量に対して2倍以上の量の塗料が循環流動される
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006212592A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Toppan Printing Co Ltd スリットノズル及びスリットノズルの気泡排出方法並びに塗布装置
JP2010104883A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Hitachi Maxell Ltd 塗布装置および塗布装置を用いる機能性支持体の製造方法
JP2013232365A (ja) * 2012-05-01 2013-11-14 Nissan Motor Co Ltd 電極用スラリー供給装置、および電極用スラリー供給方法

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