JPH10311880A - 切羽前方探査システムおよびその方法およびトンネル掘削方法 - Google Patents

切羽前方探査システムおよびその方法およびトンネル掘削方法

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JPH10311880A
JPH10311880A JP12134997A JP12134997A JPH10311880A JP H10311880 A JPH10311880 A JP H10311880A JP 12134997 A JP12134997 A JP 12134997A JP 12134997 A JP12134997 A JP 12134997A JP H10311880 A JPH10311880 A JP H10311880A
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力 稲葉
Natsumine Horiba
夏峰 堀場
Yuzuru Ashida
讓 芦田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の切羽前方探査法では、探査のための作
業を必要とするため、トンネル掘削作業を中断しなけれ
ばならなない。 【解決手段】 掘削における発破を震源とした地震波を
計測するための地震計2により計測される地震波を記録
装置2を用いて記録する。そして、この記録装置3によ
り記録された地震記録を用いて、解析装置4により切羽
前方の地質変化による反射波の反射係数列を求める。こ
のように、掘削における発破を震源とした地震波の記録
を行うことで、トンネル掘削作業の中断がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下にトンネル等
の掘削を行う場合において、掘削面である切羽の前方を
探査する切羽前方探査システムおよびその方法およびト
ンネル掘削方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トンネル等の掘削においては、掘削面で
ある切羽前方の地質変化を把握し、その対策を講じるこ
とが、安全かつ迅速な掘削作業を行う上で必要となる。
このために切羽前方の探査を行う従来の探査方式として
コアボーリング法がある。これは、切羽前方に向けて孔
を掘り、地層のサンプルを取り出してそのサンプルを観
察することにより地質の変化を確認する方法であり、切
羽前方の地質探査としては最も正確である。また、掘削
方向に孔を掘り、掘った孔にカメラを入れて、これによ
り得られる孔の地質画像から地質の変化を確認するボア
ホールカメラ法がある。この方法は、コアボーリング法
に比べ、孔からサンプル取らない分だけ孔の掘削が容易
でコスト的にやすくなる。また、サンプルを取得しにく
い柔らかい地質の場合に有効である。また、掘削方向に
ドリル削岩機によって所望の距離まで音源用の孔を掘
り、この孔を掘る過程でドリル削岩機のビットによって
発生した打撃音をセンサで検出し、この検出信号の変化
パターンから切羽前方の地層の地質特性を把握する破砕
エネルギー法がある(特開平8−226975)。さら
に、探査用の発破を行い、この発破による地震波を地震
計により計測・記録し、この記録した地震波より切羽前
方の地質変化による反射波を抽出することで切羽前方の
地質の変化を推定するTSP(Tunnel Seismic Predict
ion)法やVSP(Vertical Seismic Profile)法があ
る。なお、この方法は探査のための孔を掘るという作業
を必要としないことから、コアボーリング法やボアホー
ルカメラ法に比べ探査費用が安い。なお、これら探査法
は、トンネル掘削を中断させるために毎日は行えず、月
に1回程度の割合で行われる。なお、これら探査法によ
る探査結果は、トンネル掘削における次回探査までの一
部もしくは前区間にわたる支保決定のための判断材料と
して一般に用いられる。
【0003】また、図15に切羽前方探査を組み合わせ
た従来のトンネル掘削方法を示す。図の各処理ステップ
を説明すると以下のようになる。まず、掘削面となる切
羽に発破用の装薬物を装薬するための削孔を行う(ステ
ップs51)。次に削孔された孔に発破のための装薬物
の装薬を行う(ステップs52)。ここで、装薬物とし
て、一般にダイナマイトが用いられる。次に装薬物を爆
発させることにより切羽の発破を行い(ステップs5
3)、発破により生じたずりのずり出しとともに、掘削
面の観察を行う(ステップs54)。そして、掘削面の
観察結果を用いて発破部付近の支保方法の決定を行い
(ステップs55)、支保処理を行う(ステップs5
6)。ここで支保とは支保材を用いたいわゆる支保のほ
かに、吹き付け、金網による坑内補強等も含めて「支
保」と呼んでいる。なお、ステップs55では、支保方
法のほかに、次の発破の仕方や装薬量等の判断も行う。
トンネル掘削が終了していなければ(ステップs5
7)、必要に応じてトンネルの掘削を中断し切羽前方探
査を行い(ステップs58)、ステップs51の発破の
ための削孔に進む。以上が従来のトンネル掘削方法であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のコア
ボーリング法は、サンプルを取り出すための孔を掘るた
め、探査費用が高くなる。また、その孔を掘るためにト
ンネル掘削工事を1日から2日程度中断しなければなら
ず、トンネル掘削の妨げになるという問題がある。ま
た、ボアホールカメラ法もカメラを入れるための孔を掘
ることから、コアボーリング法より安いとはいえ、探査
費用が高くなる。また、コアボーリング法と同様に孔を
掘るために掘削工事を1日から2日程度中断しなければ
ならず、トンネル掘削の妨げになるという問題がある。
さらに、カメラを孔にいれた際に、カメラが孔の途中で
引っかかる可能性があり、これらによりカメラ破損の危
険性が高い。また、破砕エネルギー法は、掘削作業との
組み合わせも可能であるが、やはりこの方法による探査
のための中断が生じる。さらにドリル削岩機の違いによ
り探査結果の精度にばらつきが生じ、高い探査結果を得
ることが困難である。
【0005】TSP法やVSP法は、計測条件となる発
破、地震計の設置の仕方等が重要となるが、この計測条
件を満足するためには同じ設定で複数回の計測が必要と
なる。しかし、月に1回程度の探査ではこの計測条件を
十分に決定できず精度の低い探査結果となってしまう。
また、切羽前方探査のために特別な発破を必要とすると
いう問題がある。さらに、特別な発破のために半日から
1日程度、トンネル掘削の作業が中断する。また、従来
のトンネル掘削方法では、切羽前方探査のために作業の
中断が生じるという問題がある。さらに、破砕エネルギ
ー法やTSP法、VSP法を用いた探査では、探査精度
が低く、トンネル掘削における支保選定・準備の判断材
料として十分に使えない。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、 1)切羽前方探査を毎日行うことができ、 2)発破のための作業をほとんど必要とせず、 3)精度の高い切羽前方探査結果が得られる、 切羽前方探査システムおよびその方法を提供することを
目的とする。また、 1)切羽前方探査のためのトンネル掘削作業の中断がな
く、 2)探査結果をトンネル掘削における支保選定・準備の
判断材料とすることができる、 トンネル掘削方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に記載の発明は、地震波を計
測するための第1の地震計と、前記第1の地震計により
計測される地震波を記録するための記録手段と、前記記
録手段により記録された地震記録の解析を行う解析手段
とを備えた切羽前方探査システムにおいて、前記記録手
段が、トンネル掘削における発破を震源とする地震波を
前記第1の地震計により計測・記録することを特徴とす
る切羽前方探査システムである。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の切羽前方探査システムにおいて、前記切羽前方
探査システムが、前記第1の地震計と発破を行う掘削面
との間に設置され、掘削における発破を震源とする地震
波の初動を感知するための第2の地震計をさらに備え、
前記記録手段が、前記第2の地震計により前記地震波の
初動を感知した後に、前記第1の地震計により計測され
る地震波の記録を開始することを特徴としている。
【0009】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
もしくは請求項2に記載の切羽前方探査システムにおい
て、前記記録手段が、掘削における発破が段発により行
われる場合には、段発における各段の発破を震源とする
地震波を前記第1の地震計により計測・記録することを
特徴としている。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
乃至請求項3のいずれかに記載の切羽前方探査システム
において、前記解析手段が、前記記録手段により記録さ
れた地震記録より反射係数列の算出を行う反射係数列算
出手段を備え、前記反射係数列算出手段が、前記記録手
段により記録された地震記録が段発によるものであれ
ば、段発の各段毎に求めた反射係数列のたし合わせを行
うことを特徴としている。
【0011】また、請求項5に記載の発明は、請求項4
に記載の切羽前方探査システムにおいて、前記解析手段
が、前記反射係数列算出手段により算出された複数の反
射係数列の各サンプル点における等走時面を算出し、前
記算出した等走時面を前記各サンプル点の振幅値を考慮
してマッピングすることにより各反射係数列毎に解析断
面を求め、求めた複数の解析断面を重ね合わせることに
より地層面を算出する地層面算出手段をさらに備えたこ
とを特徴としている。
【0012】次に、請求項6に記載の発明は、トンネル
掘削における発破を震源とする地震波を計測するための
第1の地震計を設置する設置工程と、前記第1の地震計
により計測される前記地震波を記録するための記録工程
と、前記記録工程により記録された地震記録の解析を行
う工程と、を含むことを特徴とする切羽前方探査方法で
ある。
【0013】また、請求項7に記載の発明は、請求項6
に記載の切羽前方探査方法において、前記設置工程が、
掘削における発破を震源とする地震波の初動を感知する
ための第2の地震計を前記第1の地震計と発破する掘削
面との間に設置する工程をさらに含み、前記記録工程
が、前記第2の地震計により前記地震波の初動を感知し
た後に、前記第1の地震計により計測される前記地震波
の記録を開始することを特徴としている。
【0014】また、請求項8に記載の発明は、請求項7
に記載の切羽前方探査方法において、前記設置工程が、
前記第1の地震計を設置する工程では、掘削面から所定
距離以上離れると該第1の地震計の設置位置の移動を行
い、前記第2の地震計を設置する工程では、掘削面から
常に所定距離となるように該第2の地震計の設置位置の
移動を行うことを特徴としている。
【0015】また、請求項9に記載の発明は、請求項6
または請求項7に記載の切羽前方探査方法において、前
記記録工程が、掘削における発破が段発により行われる
場合には、段発における各段の発破を震源とする地震波
を前記第1の地震計により計測・記録することを特徴と
している。
【0016】また、請求項10に記載の発明は、請求項
6、請求項7、請求項9のいずれかに記載の切羽前方探
査方法において、前記解析工程が、前記記録工程により
記録された地震記録より、反射係数列の算出を行う反射
係数列算出工程を含み、前記反射係数列算出工程が、前
記記録工程により記録された地震記録が段発によるもの
であれば、段発の各段毎に求めた反射係数列のたし合わ
せを行うことを特徴としている。
【0017】また、請求項11に記載の発明は、請求項
10に記載の切羽前方探査方法において、前記解析工程
が、前記反射係数列算出工程により算出された複数の反
射係数列の各サンプル点における等走時面を算出し、前
記算出した等走時面を前記各サンプル点の振幅値を考慮
してマッピングすることにより各反射係数列毎に解析断
面を求め、求めた複数の解析断面を重ね合わせることに
より地層面を算出する地層面算出工程をさらに含むこと
を特徴としている。
【0018】次に、請求項12に記載の発明は、掘削面
に発破のための削孔を行い、前記削孔された孔に発破の
ための装薬物の装薬を行い、前記装薬物を用いた発破と
共に、この発破を震源とする地震波を用いた切羽前方探
査を行うために地震計を用いて前記地震波の計測・記録
を行い、前記発破により生じたずりのずり出しととも
に、前記掘削面の観察を行い、前記掘削面の観察結果を
用いて発破部付近の支保方法の決定を行い、支保工事を
する、ことを特徴とするトンネル掘削方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
切羽前方探査システムおよびその方法を図面を参照して
説明する。図1は、本発明の一実施形態による切羽前方
探査システムの装置構成例を示す図である。図におい
て、符号1は震源Sによる初動を感知するためのトリガ
用の地震計であり、符号2は震源Sによる地震波を計測
するための波形記録用の地震計である。なお、この2つ
の地震計1、2はトンネルT内に設置される。また、地
震計1は地震計2による地震波計測のトリガとして用い
られることから、地震計2と震源Sとの間の位置に設置
されている。なお、震源Sは、トンネル掘削のための切
羽の発破を利用する。
【0020】符号3は、地震計1の信号をトリガ信号と
し、地震計2により地震波の計測信号を取り込み、記録
する記録装置である。なお、この記録装置3は、トンネ
ルT内に設置され、地震計1、2の信号を入力信号とし
て地震波を記録する探鉱機3aと、トンネルTの外に設
置され、探鉱機3aに蓄えられた地震波の記録を吸い上
げて、必要に応じて通信回線を介してこの地震記録の送
信を行う、あるいは持ち運び可能な記録媒体に記録する
制御器3bにより構成されている。符号4は、記録装置
3内の制御器3bにより通信回線を介して送られた、あ
るいは記録媒体を介して運ばれた地震記録の解析を行う
解析装置である。なお、本実施の形態では、この解析装
置4は記録装置3とは異なる場所、例えば研究所などの
特定のセンターにあるものとする。
【0021】次にこの切羽前方探査システムの動作を説
明することにより切羽前方探査方法の説明を行う。図2
は、図1の切羽前方探査システムの処理の流れを示すフ
ローチャートである。以下ではこの図を用いて本実施の
形態における切羽前方探査システムの動作の概要を説明
する。なお、この切羽前方探査システムを用いた切羽前
方探査に先立ち初期設置作業および機器調整作業が必要
となる。ここで初期設置作業とは図3に示すように発破
が行われる切羽からトリガ用の地震計1までの距離x、
地震計1から波形記録用の地震計2までの距離yの測量
・設置等をいう。なお、ここで距離x、yの測量が必要
となる理由は別途説明する。また、機器調整とはトリガ
用の地震計1からの信号のしきい値レベルの設定や、地
震計2からの信号のアンプによるゲイン調整等をいう。
【0022】まずはじめに、記録装置3によりトンネル
掘削時の発破振動を利用した地震波の記録が行われる
(ステップs1)。これにより掘削面である切羽の発破
を震源Sとした地震波の記録が行えるようになる。な
お、記録装置3により記録された地震記録は、制御器3
b内のデータ転送プログラムを用いて通信回線を介し解
析装置4へ送られる。または、所定の個数の地震記録が
制御器3b内の大容量記録装置である磁気テープに蓄え
られると、この磁気テープを解析装置4のあるセンター
まで運び、解析装置4に読み込ませる。
【0023】そして、解析装置4は、入力された地震記
録を用いた解析処理を行う(ステップs2)。この解析
処理は大きく分けて、地震記録の振幅補正等を行う前処
理(ステップs2a)、前処理された地震記録より切羽
前方の地質変化による反射波の反射係数列を求める処理
(ステップs2b)、求めた反射係数列から地層断面を
求める処理(ステップs2c)とからなる。この解析処
理により、地震記録から切羽前方の地層断面を得ること
ができる。以上が本実施の形態の切羽前方探査システム
の動作概要であり、以下では図2に示す処理ステップの
詳細を説明する。
【0024】図4は、図2におけるステップs1の地震
波の記録の詳細を説明するためのフローチャートであ
る。はじめに、探鉱機3a内のトリガ制御装置によりト
リガ用の地震計1からの信号監視を開始する(ステップ
s11)。次に、トリガ用の地震計1からの入力信号の
評価を行うことにより、掘削のための発破が行われたか
どうかの判断を行う(ステップs12)。ここで、入力
信号の評価方法としては、入力信号が前述の調整プロセ
スで設定したトリガしきい値レベルを越えたかどうかに
より判断を行う。なお、この方法でほぼ問題なく発破が
行われたかどうかの判断をすることができるが、この判
断をより確実にするために周波数スペクトル評価を加え
てもよい。なお、この周波数スペクトル評価は、入力信
号を周波数スペクトル解析し、事前に設定されている発
破による地震波の周波数スペクトルとの相関を取ること
で入力信号の評価を行う方法のことをいう。なお、この
周波数スペクトル評価を行うためには、発破による地震
波を事前に計測し、周波数スペクトル解析結果を予め登
録しておく必要がある。
【0025】次に、ステップs12における評価で発破
の実施と判断された場合には、探鉱機3a内のトリガ制
御装置におけるトリガ用の地震計1からの信号の監視を
中断する(ステップs14)。そして、発破による地震
波の記録を開始する(ステップs15)。なお、この地
震波の記録は以下のようにして行われる。まず、波形記
録用の地震計2により計測された信号は、探鉱機3a内
のプリアンプに入力され増幅が行われる。この増幅され
た信号はエリアスフィルタであるアナログフィルタを介
してアナログデジタル変換器によりデジタルサンプリン
グされ、探鉱器3a内のウェーブメモリに蓄えられる。
このようにして探鉱器3aに地震波の記録が行われる。
所定時間地震波の記録を行った後、記録装置3内の探鉱
機3aは、次の発破による地震波の記録のためにステッ
プs11に戻る。なお、探鉱機3a内のウェーブメモリ
に蓄えられた地震記録は、制御器3bの記録制御プログ
ラムの制御のもと、制御器3b内の磁気ディスクに移動
される(ステップs16)。この磁気ディスクに蓄えら
れた地震記録は、解析装置4で解析するために、データ
転送プログラムにより通信回線を介して解析装置4に送
られる。あるいは、磁気テープを介して解析装置4に地
震記録を読み込ませるために、磁気テープに地震記録を
記録してもよい。
【0026】なお、掘削における発破が段発により行わ
れる場合には、ステップs15の地震波の記録は、段発
における各段の発破を震源とする地震波をすべて記録す
るものとする。ここで、「段発」とは、図3のS1、S
2、・・・、Snに示すように、複数段に分けて発破を
行うことをいう。なお、この段発の段数は一般に5段か
ら8段で行われ、格段の遅延刻みは公称0.25[秒]
である。切羽前方の探査範囲を100[m]程度、掘削
面から地震計2までの距離(=x+y)が100[m]
以内とし、岩盤を伝わる地震波速度を最低1500[m
/秒]とすると、0.2[秒](=300[m]/15
00[m/秒])以内、すなわち次の段の点火前に探査
範囲内の地震波をとらえることができる。よって、段発
における各段の発破を震源とする地震波を記録すること
で、複数の地震記録をとることができるようになる。な
お、地震波の記録は、トリガ用の地震計1を設けずに、
発破の行われる前後の、地震計2からの信号を記録す
る、あるいは、掘削のためのダイナマイトを爆発させる
発破信号を地震波記録のためのトリガ信号として使うこ
とも可能である。ただし、発破の行われる前後に記録を
取るためには、記録が手動となることから、このための
作業が発生するだけでなく、発破が行われたタイミング
が不明確になる。また、ダイナマイトを爆発させるため
の装置は、許可を得た装置であることから、この装置に
よる発破信号をトリガ信号として使うためには、装置の
改造が必要となり問題となる。よって、トリガ用の地震
計1を設け、この地震計1による信号を評価することに
より地震波の記録を開始すると、必要な地震波のみを記
録できるだけでなく、地震波の記録を自動化できること
になる。
【0027】また、この切羽前方探査における地震波の
記録は、掘削のための発破を震源Sとしている。よっ
て、探査のためのトンネル掘削の作業の中断をすること
なく、地震波の記録を取ることができるようになる。さ
らに、トンネル掘削のための発破は1日に数回行われる
ことから、短期間に複数の地震記録を得ることができ、
より精度の高い探査結果を得ることができるようにな
る。また、トンネル掘削において探査のための特別な作
業をほとんど必要としないことから探査費用が比較的安
く済む。さらに、発破が段発により行われる場合には、
この段発による地震波をすべて記録しているので、段発
の段数に応じた複数の地震波の記録を一度に得ることが
できるようになる。
【0028】次に図2における地震記録の前処理(ステ
ップs2a)をより詳しく説明する。この処理として
は、ゼロ点修正値の算出、振幅補正、周波数フィルタに
よる帯域制限処理がある。記録装置3により記録される
地震記録は、トリガ用の地震計1による入力信号を利用
して発破の実施と判断されることにより開始する。よっ
て、この記録は、実際に発破が行われた時点から記録が
開始されていない。そこで、ゼロ点修正値の算出により
発破が行われた時を地震記録の開始時点とする修正を可
能にする。この修正値の算出は以下の手順で行われる。
まず、図3に示す地震計1から地震計2までの距離x
と、地震記録より記録を開始してから初動が地震計2に
より捕らえられられるまでの時間の2つの数値より、地
震計1と地震計2との間の地震波における直接波の伝播
速度を求める。次に、図5に示すようにこの伝播速度を
用いて、震源Sと波形記録用の地震計2との距離(x+
y)を伝播する地震波の伝播時間t0を推定する。以上
により、震源Sから地震計2まで地震波が到達するゼロ
点修正値t0を求めることができる。なお、このように
ゼロ点修正を必要とするのは、切羽前方の地質の変化位
置の誤差が生じないようにするためである。
【0029】また、振幅補正とは、切羽前方の地質の変
化による地震波の反射波の減衰を考慮し、この減衰がな
い場合に得られるであろう地震記録に補正する処理であ
る。また、周波数フィルタによる帯域制限処理とは、所
定の高周波および低周波をカットするバンドパスフィル
タをかける処理でる。なお、このフィルタの通過帯域は
例えば100[Hz]から1500[Hz]とする。1
00[Hz]以下では地震計2の感度として一般に捕ら
えきれないからであり、1500[Hz]以上では、電
気的ノイズ等が入ってくからである。
【0030】次に図2における反射係数列を求める処理
(ステップs2b)をより詳しく説明する。切羽前方の
探査をするにあたり地質の変化を求めるには震源Sの入
力信号としてインパルス信号が入り、このインパルス信
号の反射結果を地震記録とすることが反射位置を明らか
にするために必要となる。しかし、ダイナマイトの発破
はインパルス信号とならない。ましてや、段発における
各段の発破においては複数のダイナマイトを使用し、し
かもこれらダイナマイトの雷管の点火時間精度にばらつ
きがあるため、インパルス信号からかけ離れた入力信号
となる。そこで、反射位置を明らかにするために、入力
信号をインパルスとするフィルタをかけ、インパルス入
力された場合の反射波が得られる処理、すなわち反射係
数列を求める処理をステップs2aにて行う。以下で
は、図6を用いて段発により得られた地震記録を例にし
たこの処理の詳細を説明する。はじめに、地震記録を段
発の各段の先頭で分離する(ステップs21)。これ
は、以下の処理で各段ごとの地震記録を用いた反射係数
列を求めるからである。なお、この処理は、図7に示す
ように各段の初動の先頭時点t1、t2、・・・、tnを
利用して分離を行う。なお、ここでは、初動の先頭時点
で分離した各段の地震記録にステップs2aで求めた震
源Sから地震計2への地震波の到達時間であるゼロ点修
正値t0のオフセットをもたせて図9のようにするもの
とする。
【0031】次に分離された各段の地震記録の基本波形
が明瞭であるか判断をする(ステップs22)。図8に
示すように波形記録用の地震計2は、震源Sからの直接
波Sdおよび、切羽前方の地質の変化部分である不連続
面b1からの反射波Sr1や破砕帯b2からの反射波Sr2
を計測している。ステップs21で分離された地震記録
の例を示す図9において、その直接波Sdおよび反射波
Sr1、Sr2が認められるが、この直接波Sdを「基本波
形」として抽出する。なお、基本波形はトリガ用の地震
計1からも得ることができるが、地震計1は発破の感知
さえ行えばよいもので、地震計2より精度の悪いものが
使われることがある。また震源Sに近いことから信号が
飽和したり、地震計1そのものが壊れることがある。そ
こで基本波形の抽出は地震計2により得られた各段の地
震記録から抽出するものとする。そして、この基本波形
が明瞭であればステップs23に進み、直接波Sdの終
わりが分からない等により基本波形が不明瞭な場合に
は、ステップs24に進む。
【0032】基本波形が明瞭であれば、各段ごとの基本
波形を用いて、その段の地震記録より反射係数列を求め
るウェーブレット処理を行う(ステップs23)。以下
にウェーブレット処理を説明する。地震記録をX(t)と
すると、X(t)は地層境界面の反射係数列ξ(t)と基本波
形b(t)のコンボリューションと考えることができる。
すなわち、 X(t)=ξ(t)*b(t) ・・・ (1) と表すことができる。なお、式(1)において記号
「*」はコンボリューションを表している。ここで、基
本波形b(t)は上述のように一般的にインパルスとなら
ない。ところで、精度よく反射係数列ξ(t)を知るため
には、基本波形の代わりにインパルスd(t)が伝播した
場合の地震記録を得ることが必要となる。そこで、基本
波形b(t)をインパルスd(t)に最も誤差を少なく変換す
るフィルタf(t)を作り、地震記録X(t)にコンボリュー
ションする。すなわち、 X(t)*f(t)=ξ(t)*b(t)*f(t)≒ξ(t)*d(t) ・・・ (2) という演算を行うことにより、インパルスd(t)を基本
波形とした場合に得られる地震記録であるξ(t)*d(t)
を近似的に求めることができる。なお、フィルタf(t)
は、基本波形b(t)の自己相関関数をφ、基本波形b(t)
とインパルスd(t)の相互相関関数をψとすれば、ウィ
ナーの正規方程式、 Σφi-sf(s)=ψi ・・・ (3) を解くことで得られる。以上のようにして、ステップs
23より各段の地震記録からウェーブレット処理により
反射係数列を求めることができる。
【0033】一方、基本波形が明瞭でなければ、ホワイ
トニングデコンボリューションにより各段ごとの地震記
録より反射係数列を求める(ステップs24)。以下に
ホワイトニングデコンボリューションを説明する。地下
の反射係数列が定常で、かつランダムであり、また基本
波形の位相特性が最小位相であるという3つの仮定のも
とでは、基本波形b(t)と反射係数列ξ(t)とのコンボリ
ューションで表される地震記録X(t)の自己相関関数
は、基本波形b(t)の自己相関関数φに等しくなる。ま
た、基本波形b(t)とインパルスd(t)の相互相関関数ψ
は基本波形に関係なく(b0,0,・・・,0)(b0:定数)と
なる。よって、これによりフィルタf(t)を式(3)よ
り求めることができ、フィルタf(t)が求まれば、式
(2)より反射係数列ξ(t)を求めることができる。以
上のようにして、ステップs24より各段の地震記録か
ら反射係数列を求めることができる。なお、この処理の
前提として3つの仮定があるが、この仮定が必ずしも成
り立つものでないことから、ホワイトニングデコンボリ
ューションによる反射係数列の算出の方が誤差が生じや
すい。なお、ステップs22からステップs24は各段
の地震波形に対して行うものとする。
【0034】最後に、各段で得られた反射係数列を重ね
合わせるたし合わせ(スタック)を行う(ステップs2
5)。段発で得られる各段の反射係数列は、震源位置と
地震波の計測位置が同じであることから、たし合わせす
ることにより信号対ノイズ比であるS/N比が大きくな
る。すなわち、地質の変化により得られた反射係数は重
ね合わせることにより強調される。一方、ノイズとして
現れた反射係数は、ノイズは一般にランダムなことから
弱められる。なお、このたし合わせにおいて、ステップ
s21での各段の先頭分離に誤差がある場合に対応する
ために、各段の反射係数列の相互相関係数を求めること
でたし合わせの際のラグを求めて、このラグを加味した
たし合わせを行うことが好ましい。以上のようにして、
地震記録より反射係数列が求められる。
【0035】最後に図2における地層断面を求める処理
(ステップs2c)をより詳しく説明する。地震波を用
いた切羽前方探査の専門家であれば、ステップs2bで
求めた反射係数列から、地質の変化位置を読み取ること
ができる。しかし、切羽前方の探査結果を見るのは探査
の専門家のみではない。そこで、専門家以外の者が探査
結果を見てすぐに、地質の変化位置が分かるように、こ
のステップにおいて地層断面を算出する処理を行う。図
10は、地層断面を求める処理の詳細を説明するための
フローチャートである。以下ではこの図を用いてステッ
プs2cの処理内容を説明する。はじめに解析断面用の
メモリの値をゼロにする初期化を行う(ステップs3
1)。ここで、探査範囲を切羽前方に100[m]、そ
れに直交する方向にトンネルの直径の約3倍、例えば3
0[m]の直径のトンネルの場合には100[m]の解
析断面が作れるようなメモリを用意する。なお、解析断
面をメモリ上に表現するためはこの解析断面を格子状に
区切る必要があるが、この格子の大きさは必要とする探
査精度により異なる。例えば1[m]程度の探査精度を
要求する場合には、格子の大きさを0.25[m]とす
ればよい。図11は、解析断面の一例を示した図であ
る。なお、図において、震源Sのある切羽よりトンネル
T側の解析断面の準備は特に必要なく、また格子もかな
り荒く表現されているが、これは以下での説明の便宜の
ためである。
【0036】次に反射係数列の1つのサンプル点におけ
る等走時面の計算を行う(ステップs32)。図11に
おいて、地震計2で計測される反射波は、地層内の地震
波の伝播速度を一定とすると、震源Sと地震計2を焦点
とする楕円D上のいずれかの点から反射してきた波であ
り、この楕円のことを「等走時面」という。なお、この
等走時面の算出において、楕円の大きさは、サンプル点
における発破からの経過時間と地震波の速度を掛け合わ
せて求められる距離より決定できる。次に、ステップs
32で求めた等走時面を解析断面にマッピングし、サン
プル点の振幅値(反射係数値)をたし合わせる(ステッ
プs33)。ここで、等走時面は曲線であるのに対し、
解析断面は格子状になっている。そこで、等走時面をも
っともよく表すように解析断面の格子を選択することを
「解析断面にプロットする」という。そして、選択した
格子点すべてにサンプル点の振幅値をたし合わせる。こ
こで、サンプル点の振幅値をたし合わせるのは、サンプ
ル点の反射係数値に応じたデータのプロットを行うため
である。なお、地層内の地震波の速度を一定とすると、
ステップs32で求めた等走時面は重なりあうことがな
いが、解析断面は格子状であることから、異なる等走時
面であっても解析断面へのマッピングにおいて、同一の
格子が選択される場合がある。そのために数値のたし合
わせが必要になる。
【0037】次に、反射係数列におけるすべてのサンプ
ル点の処理が終了したか判断し、処理が終了していなけ
れば、次のサンプル点の処理を行うためにステップs3
2に戻り、そうでなければステップs35に進む(ステ
ップs34)。掘削のための発破は、1日に数回行われ
ることから、短期間で複数の反射係数列を得ることがで
きる。そこで、これら得られた反射係数列から所定数の
最新の反射係数列を用いた解析断面を算出する処理が終
了したか判断し、終了していなければ、次の反射係数列
を用いた解析断面の作成を行うためにステップs31に
進み、そうでなければステップs36に進む(ステップ
s35)。
【0038】最後に求めた複数の解析断面を重ね合わせ
て、重なりあった各格子の数値を加算することにより地
層断面の算出を行う(ステップs36)。ここで、解析
断面を重ね合わせることにより地層断面の算出ができる
理由を図12を用いて説明する。図12は、地震計2は
固定され、震源は発破による掘削が進むことで震源位置
がSa、Sb、Scと進んだ例を示している。切羽前方
の不連続面b1上の点Aに注目し、この点における地震
波の反射について考える。震源Saにおける点Aの反射
係数より等走時面P1が求められる。同様に震源Sb、
Scにおける点Aの反射係数より等走時面P2およびP
3が求められる。これら点Aにおける反射係数より求め
られた3つの等走時面を重ね合わせると、等走時面P1
〜P3が点Aで重なりあう。よって、震源Sa、Sb、
Scから得られた反射係数列より求めた解析断面を重ね
合わせ、重なりあった各格子の数値を加算すると図12
の場合、点Aにおける数値の絶対値が大きくなる。この
ようにして、震源Sあるいは地震計2の位置が異なるも
のから得られる解析断面を重ね合わせることにより実際
の反射点は強調され、逆にノイズは弱められた地層断面
を得ることができる。なお、図13は、図8のような地
層において、この処理により得られた地層断面の例を示
したものである。図13より地質の変化する不連続面b
1および破砕帯b2の位置が容易に分かるようになる。
以上のようにして、この処理ステップs2cにより2次
元の地層断面を求めることができるが、3次元用の解析
断面メモリを用意し、ステップs32で楕円ではなくラ
グビーボール状の3次元の楕円球を求め、ステップs3
6にてこの3次元の解析断面を重ね合わせることにより
3次元の地層断面を求めることも可能である。
【0039】図14は、上述のトンネル掘削方法のフロ
ーチャートである。図14のフローチャートにおいて、
図15に示す従来のトンネル掘削方法におけるフローチ
ャートと同一の処理ステップに関しては同一の処理ステ
ップ符号を付け、その説明を省略する。図14と図15
との相違は、図14のステップs53aにおいて、発破
とともに、この発破を震源とした地震波の記録を行う点
と、ステップs55aにおいて、切羽の観察結果にさら
に切羽前方の探査結果を用いた最適支保の検討を行う点
にある。ステップs53aにて、発破と共に地震波の記
録を行うことで、図15のステップs58で示すように
切羽前方探査のためにトンネル掘削作業を中断する必要
がなくなる。また、トンネル掘削作業中に数回の地震記
録を取ることができるので、精度の高い切羽前方探査結
果を得ることができる。
【0040】また、ステップs53aで記録された地震
記録は、リモートバッチ処理により解析装置4でただち
に解析されトンネル掘削の現場にその切羽前方探査結果
が送られる。たとえ、地震記録を磁気テープに記録して
持ち運んで解析処理を行うセンターバッチ処理であって
も、前日の地震記録を用いた切羽前方探査結果をトンネ
ルの掘削現場に持っていくことができる。そのため、ス
テップs55aでは、この精度の高い切羽前方探査結果
を用いることで、切羽で観察される地層がどこまで続く
か判断でき、最適な支保の選定を容易にできる。さら
に、数日後の支保材料の準備ができるようになるので、
より迅速なトンネル掘削をおこなうことができるように
なる。
【0041】なお、上記実施形態における切羽前方探査
方法として、トリガ用の地震計1は、常に切羽から所定
距離になるように発破毎に移動し、波形記録用の地震計
2は切羽から所定距離以上離れたら移動するようにする
ことが望ましい。ここで、トリガ用の地震計1を常に切
羽から所定距離にするのは、図2における地震記録の前
処理(ステップs2a)でのゼロ点修正を正確にするた
めである。すなわちトリガ用の地震計1が震源Sである
切羽から遠くなればなるほどゼロ点補正における誤差が
大きくなる可能性が生じるからである。なお、切羽と地
震計1との距離は例えば常に10[m]となるよにす
る。また、波形記録用の地震計2は切羽から所定距離以
上離れたら移動するのは、切羽前方探査用の作業量が増
えるのを極力減らすためである。ただし、切羽から距離
が離れすぎると反射波の減衰が大きくなり地震計2での
計測が困難になるため所定距離以上離れたら震源に近づ
ける作業をする必要がある。また、段発の場合には、各
段の発破間隔が公称0.25[秒]であることから、あ
まり離れすぎると切羽前方の探査範囲が狭まってしまう
おそれがある点からも所定距離以上離れたら震源に近づ
ける作業をする必要がある。なお、この移動は、たとえ
ば、切羽からの距離が100[m]を越えたら、切羽か
ら50[m]の位置まで移動するようにする。ところ
で、波形記録用の地震計2は孔中設置となるが、トリガ
用の地震計1は発破の有無を感知できる程度でよい。そ
こで、缶等の中に砂をつめてその中に地震計1を入れて
おき、台車で移動可能にしてもよい。これにより、さら
に切羽前方探査のための作業量を減らすことができる。
【0042】なお、上記実施形態における切羽前方探査
として、波形記録の地震計2の設置位置は1カ所として
いる。しかし、これに限定されるものではなく、複数の
地震計2を用いて複数の位置に設置して、地震記録を取
ることにより、ステップS2cでの地層断面を作成する
際の反射係数列を多くするようにしてもよい。また、上
記の切羽前方探査を実現するためのプログラムをコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒
体をコンピュータに読み込ませ、実行することにより切
羽前方探査を行ってもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による切羽
前方探査システムおよびその方法およびトンネル掘削方
法によれば、下記の効果を得ることができる。請求項1
に記載の発明は、掘削における発破を震源とする地震波
を計測・記録している。よって、探査のためのトンネル
掘削の作業の中断をすることなく、地震波の記録を取る
ことができるようになる。さらに、トンネル掘削のため
の発破は1日に数回行われることから、短期間に複数の
地震記録を得ることができ、より精度の高い探査結果を
得ることができるようになる。次に、請求項2に記載の
発明は、トリガ用の地震計をさらに備え、この地震計の
信号をもとに地震波の記録を開始している。これによ
り、地震波の記録を自動化できるようになる。次に、請
求項3に記載の発明は、掘削における発破が段発により
行われる場合には、段発における各段の発破を震源とす
る地震波を計測・記録している。これにより、段発の段
数に応じた複数の地震波の記録を一度に得ることができ
るようになる。次に、請求項4に記載の発明は、地震記
録より反射係数列の算出を行い、段発によるものであれ
ば求めた反射係数列のたし合わせを行なっている。よっ
て、反射係数列を求めることにより、反射位置を明らか
にすることができる。また段発の場合に各段の反射係数
列をたし合わせすることにより反射係数列のS/N比が
よくなる。次に、請求項5に記載の発明は、複数の反射
係数列を用いて地層面を算出している。これにより、地
質の変化位置が容易に分かるようになるとともに、重ね
合わせによるS/N比の向上効果も得られる。
【0044】次に、請求項6に記載の発明は、掘削にお
ける発破を震源とする地震波を計測・記録している。よ
って、探査のためのトンネル掘削の作業の中断をするこ
となく、地震波の記録を取ることができるようになる。
さらに、トンネル掘削のための発破は1日に数回行われ
ることから、短期間に複数の地震記録を得ることがで
き、より精度の高い探査結果を得ることができるように
なる。次に、請求項7に記載の発明は、トリガ用の地震
計の設置を行い、この地震計による信号にもとづいて、
地震波の計測・記録を開始している。これにより、地震
波の記録を自動化できるようになる。次に、請求項8に
記載の発明は、波形計測用の地震計の設置では、掘削面
から所定距離以上離れると設置位置の移動を行い、トリ
ガ用の地震計の設置では、掘削面から常に所定距離とな
るように設置位置の移動を行なっている。これにより、
切羽前方探査のための作業量を少なくすることができ
る。次に、請求項9に記載の発明は、段発における各段
の発破を震源とする地震波の計測・記録を行っている。
これにより、段発の段数に応じた複数の地震波の記録を
一度に得ることができるようになる。次に、請求項10
に記載の発明は、地震記録より反射係数列の算出を行
い、段発によるものであれば求めた反射係数列のたし合
わせを行なっている。よって、反射係数列を求めること
により、反射位置を明らかにすることができる。また段
発の場合に各段の反射係数列をたし合わせすることによ
り反射係数列のS/N比がよくなる。次に、請求項11
に記載の発明は、複数の反射係数列を用いて、地層面の
算出を行っている。これにより、地質の変化位置が容易
に分かるようになるとともに、重ね合わせによるS/N
比の向上効果も得られる。
【0045】次に、請求項12に記載の発明は、発破と
共に、この発破を震源とする地震波を用いた切羽前方探
査を行うために、この地震波の計測・記録を行なってい
る。このように、トンネル掘削において発破と共に地震
波の記録を行うことで、トンネル掘削作業を中断するこ
となく切羽前方探査のための地震波の記録ができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による切羽前方探査シス
テムの装置構成を示す図である。
【図2】 切羽前方探査システムの処理の流れを示すフ
ローチャートである。
【図3】 段発および地震計の設置位置を説明するため
の図である。
【図4】 発破を震源とした地震波の記録の詳細を説明
するためのフローチャートである。
【図5】 ゼロ点修正の方法を説明するための図であ
る。
【図6】 反射係数列の算出の詳細を説明するためのフ
ローチャートである。
【図7】 段発において計測された地震波の例を示す図
である。
【図8】 直接波と反射波を説明するための図である。
【図9】 段発におけるある段の前処理後の地震記録の
例を示す図である。
【図10】 地層断面の算出の詳細を説明するためのフ
ローチャートである。
【図11】 等走時面を説明するための図である。
【図12】 解析断面の重ね合わせによる効果を説明す
るための図である。
【図13】 解析断面の重ね合わせにより求めた地層断
面の例を示す図である。
【図14】 本発明の一実施形態によるトンネル掘削方
法のフローチャートである。
【図15】 トンネル掘削方法の一従来例のフローチャ
ートである。
【符号の説明】
S 震源 T トンネル 1、2 地震計 3 記録装置 3a 探鉱機 3b 制御
器 4 解析装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀場 夏峰 神奈川県大和市下鶴間2570番地4 西松建 設株式会社内 (72)発明者 芦田 讓 京都府船井郡八木町刑部片山19

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地震波を計測するための第1の地震計
    と、前記第1の地震計により計測される地震波を記録す
    るための記録手段と、前記記録手段により記録された地
    震記録の解析を行う解析手段とを備えた切羽前方探査シ
    ステムにおいて、 前記記録手段は、 トンネル掘削における発破を震源とする地震波を前記第
    1の地震計により計測・記録することを特徴とする切羽
    前方探査システム。
  2. 【請求項2】 前記切羽前方探査システムは、 前記第1の地震計と発破を行う掘削面との間に設置さ
    れ、掘削における発破を震源とする地震波の初動を感知
    するための第2の地震計をさらに備え、 前記記録手段は、 前記第2の地震計により前記地震波の初動を感知した後
    に、前記第1の地震計により計測される地震波の記録を
    開始することを特徴とする請求項1に記載の切羽前方探
    査システム。
  3. 【請求項3】 前記記録手段は、 掘削における発破が段発により行われる場合には、段発
    における各段の発破を震源とする地震波を前記第1の地
    震計により計測・記録することを特徴とする請求項1も
    しくは請求項2のいずれかに記載の切羽前方探査システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記解析手段は、 前記記録手段により記録された地震記録より反射係数列
    の算出を行う反射係数列算出手段を備え、 前記反射係数列算出手段は、 前記記録手段により記録された地震記録が段発によるも
    のであれば、段発の各段毎に求めた反射係数列のたし合
    わせを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載の切羽前方探査システム。
  5. 【請求項5】 前記解析手段は、 前記反射係数列算出手段により算出された複数の反射係
    数列の各サンプル点における等走時面を算出し、 前記算出した等走時面を前記各サンプル点の振幅値を考
    慮してマッピングすることにより各反射係数列毎に解析
    断面を求め、 求めた複数の解析断面を重ね合わせることにより地層面
    を算出する地層面算出手段をさらに備えたことを特徴と
    する請求項4に記載の切羽前方探査システム。
  6. 【請求項6】 トンネル掘削における発破を震源とする
    地震波を計測するための第1の地震計を設置する設置工
    程と、 前記第1の地震計により計測される前記地震波を記録す
    るための記録工程と、 前記記録工程により記録された地震記録の解析を行う工
    程と、を含むことを特徴とする切羽前方探査方法。
  7. 【請求項7】 前記設置工程は、 掘削における発破を震源とする地震波の初動を感知する
    ための第2の地震計を前記第1の地震計と発破する掘削
    面との間に設置する工程をさらに含み、 前記記録工程は、 前記第2の地震計により前記地震波の初動を感知した後
    に、前記第1の地震計により計測される前記地震波の記
    録を開始することを特徴とする請求項6に記載の切羽前
    方探査方法。
  8. 【請求項8】 前記設置工程は、 前記第1の地震計を設置する工程では、掘削面から所定
    距離以上離れると該第1の地震計の設置位置の移動を行
    い、 前記第2の地震計を設置する工程では、掘削面から常に
    所定距離となるように該第2の地震計の設置位置の移動
    を行うことを特徴とする請求項7に記載の切羽前方探査
    方法。
  9. 【請求項9】 前記記録工程は、 掘削における発破が段発により行われる場合には、段発
    における各段の発破を震源とする地震波を前記第1の地
    震計により計測・記録することを特徴とする請求項6ま
    たは請求項7のいずれかに記載の切羽前方探査方法。
  10. 【請求項10】 前記解析工程は、 前記記録工程により記録された地震記録より、反射係数
    列の算出を行う反射係数列算出工程を含み、 前記反射係数列算出工程は、 前記記録工程により記録された地震記録が段発によるも
    のであれば、段発の各段毎に求めた反射係数列のたし合
    わせを行うことを特徴とする請求項6、請求項7、請求
    項9のいずれかに記載の切羽前方探査方法。
  11. 【請求項11】 前記解析工程は、 前記反射係数列算出工程により算出された複数の反射係
    数列の各サンプル点における等走時面を算出し、 前記算出した等走時面を前記各サンプル点の振幅値を考
    慮してマッピングすることにより各反射係数列毎に解析
    断面を求め、 求めた複数の解析断面を重ね合わせることにより地層面
    を算出する地層面算出工程をさらに含むことを特徴とす
    る請求項10に記載の切羽前方探査方法。
  12. 【請求項12】 掘削面に発破のための削孔を行い、 前記削孔された孔に発破のための装薬物の装薬を行い、 前記装薬物を用いた発破と共に、この発破を震源とする
    地震波を用いた切羽前方探査を行うために地震計を用い
    て前記地震波の計測・記録を行い、 前記発破により生じたずりのずり出しとともに、前記掘
    削面の観察を行い、 前記掘削面の観察結果を用いて発破部付近の支保方法の
    決定を行い、支保工事をする、ことを特徴とするトンネ
    ル掘削方法。
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