JPH10311615A - 冷媒切換式冷凍機及びこれを用いた環境試験装置 - Google Patents

冷媒切換式冷凍機及びこれを用いた環境試験装置

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JPH10311615A
JPH10311615A JP9135944A JP13594497A JPH10311615A JP H10311615 A JPH10311615 A JP H10311615A JP 9135944 A JP9135944 A JP 9135944A JP 13594497 A JP13594497 A JP 13594497A JP H10311615 A JPH10311615 A JP H10311615A
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evaporators
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正勝 上田
Akira Fukushima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸発器の熱交換性能を良くして環境試験装置
の広範囲な使用条件を満たす。 【解決手段】 2台の蒸発器11H、11Lに単体、並
列及び直列に冷媒を供給できる管12a〜12d及び電
磁弁13a、13b、15a、15bを設け、これらを
冷媒供給系切換装置20で作動させ、冷凍器の運転条件
である低能力条件C1 、高温度差高能力条件C2 及び低
温度差条件C3 に対応して蒸発器を単体、並列又は直列
運転可能にする。 【効果】 蒸発器における循環空気と冷媒との温度差が
少ないときでも、蒸発器11Hの出口における冷媒温度
を低くし、空気との間に必要な温度差を確保し、熱交換
性能を良くして低温条件等における冷凍能力を確保す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却される気体の
流れ方向に直列に配置された複数の蒸発器とこれらの何
れかに冷媒を供給する蒸発器単体運転及び全てに並列に
冷媒を供給する蒸発器並列運転を可能にする冷媒供給管
系とを備えた冷凍機及びこれを用いた複数の運転条件を
持つ環境試験装置に関し、冷凍能力の変化が大きく低温
から高温までの広範囲にわたって冷凍機を運転するよう
な装置に特に有効に利用される。
【0002】
【従来の技術】例えば環境試験装置では、冷凍機と共に
加熱器及び加湿器を備え、試験すべき試料の特性や試験
条件等によってこれらの能力や負荷を調整し、試料に目
的とする温湿度条件の空気を循環供給している。この中
で冷凍機は、冷凍能力を絞った低能力から高能力まで広
い能力範囲と、空気と冷媒との間の温度差が大きい場合
から小さい場合まで広い温度差範囲とで種々な条件で運
転される。
【0003】このように冷凍機の運転条件に大きな差が
生ずる場合には、蒸発器を2台設け、これらを空調室内
において循環空気の流れ方向に直列に配置することが多
い。この場合、従来では、冷媒の圧力損失の上昇防止
と、これに伴う冷媒流量の低下を防止するため、冷凍負
荷に応じて、適当量の冷媒を何れか1台のみに供給する
か、又は多量の冷媒を2台に分割して並列に供給し、そ
れぞれの条件で効率的な運転を行って必要な冷媒能力を
得るようにしていた。
【0004】しかしながら、試験条件が広範囲で、低温
低湿条件のように循環空気と冷媒との温度差が少なくな
るときには、それぞれの蒸発器に並列に冷媒を供給する
と、空気の流れ方向の下流側の蒸発器では、上流側の蒸
発器で冷却され低下した空気の温度と下流側の蒸発器で
上昇した冷媒の温度との差が極めて少なくなり、熱交換
効率が低下し、冷媒流量を多く流すだけでは必要な冷凍
能力を得られないという問題があった。又、下流側の蒸
発器の出口で必要な冷媒の過熱度が得られないという問
題もあった。
【0005】なお、下流側の蒸発器で十分熱交換を行わ
せるために、上流側の蒸発器の冷媒出口に蒸発圧力調整
弁を設け、上流側の冷媒と下流側の冷媒との間に圧力
差、従って温度差を設けることにより、冷媒を並列供給
したときに下流側の熱交換性を向上させる方法も実用に
供されている。しかし、このように上流側の冷媒圧力を
高くすると、低温低湿時の使用条件に制限が生じたり、
循環空気との温度差が十分あるときに冷媒流量が減少
し、冷凍能力が低下するという問題がある。
【0006】又、1台だけの蒸発器を設ける場合には、
これを最大冷凍能力及び最小温度差で設計しなければな
らないため、冷凍負荷が少なかったり温度差が大きい条
件では、蒸発器の伝熱能力が過大になり、蒸発温度が持
ち上がって冷凍能力を十分下げられず省エネを図れなか
ったり、冷媒ガスの過熱度が大きくなり過ぎ、冷凍回路
の信頼性を低下させるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、熱交換性能が良く冷凍能力を確
実に増減でき、広範囲な運転条件に対応できる冷凍機及
び環境試験装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、冷却される気体の流れ
方向に直列に配置された複数の蒸発器と、該複数の蒸発
器の何れかに冷媒を供給する単体運転及び全てに並列に
冷媒を供給する並列運転を可能にする冷媒供給管系を備
えた冷凍機において、前記複数の蒸発器に対して冷媒を
直列に供給する直列運転を可能にする冷媒直列供給管系
を有することを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、冷凍機であって冷却さ
れる気体の流れ方向に直列に配置された複数の蒸発器と
該複数の蒸発器の何れかに冷媒を供給する蒸発器単体運
転及び全てに並列に冷媒を供給する蒸発器並列運転を可
能にする冷媒供給管系とを備えた冷凍機を用いた複数の
運転条件を持つ環境試験装置において、前記冷凍機は前
記複数の蒸発器に対して冷媒を直列に供給する直列運転
を可能にする冷媒直列供給管系を有し、前記運転条件
は、前記冷凍機が冷凍能力の低い低能力で運転される低
能力条件と、前記気体の温度が前記冷媒の温度より十分
高い高温度差になっていると共に前記冷凍機が前記低能
力より高い高能力で運転される高温度差高能力条件と、
前記高温度差より低い低温度差で運転される低温度差条
件とを有し、前記低能力条件、前記高温度差高能力条件
又は前記低温度差条件のそれぞれに対応して前記単体運
転、前記並列運転又は前記直列運転を可能にする選択手
段を設けたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した冷凍機及
びこれが適用される環境試験装置の構成例を示す。冷凍
機1は、冷却される気体である循環空気の矢印で示す流
れ方向に直列に配置された複数の蒸発器としての2台の
蒸発器11(11L、11H)と、これらの何れかに冷
媒を供給する単体運転又はこれらの全てに並列に冷媒を
供給する並列運転の何れかの運転を可能にする冷媒供給
管系としての管12a、12b、12c、12d及び電
磁弁13a、13bを備えていると共に、2台の蒸発器
11L、11Hに対して冷媒を直列に供給する直列運転
を可能にする冷媒直列供給管系としての出入口連絡管1
4及び電磁弁15a、15bを有する。冷凍機の使用さ
れる装置によっては、電磁弁の代わりに手動開閉弁や空
気作動弁等を用いてもよい。冷凍機1の他の通常の構成
としては、圧縮機16、凝縮器17、例えば電子式の膨
張弁18等が設けられる。
【0011】このような冷凍機1を備えた環境試験装置
は、複数の運転条件として、冷凍機1が冷凍能力の低い
低能力で運転される低能力条件C1 と、蒸発器11へ供
給される冷媒の温度よりも循環空気の温度が十分高い高
温度差になっていると共に冷凍機1が前記低能力より高
い高能力で運転される高温度差高能力条件C2 と、該高
温度差よりも低い低温度差で運転される低温度差条件C
3 とを備えている。これらの運転条件は、後述する運転
条件決定部30に取り入れられている。本例では、これ
らの条件が冷凍能力及び制御温度をそれぞれ横軸及び縦
軸とするチャートで示されている。又、蒸発器に流され
る冷媒温度は一定温度に近いので、循環空気と冷媒との
温度差に対応する温度として、制御温度即ち環境試験装
置の温湿度設定器(図示せず)で設定すべき温度を用い
ている。但し、温度差自体を縦軸にしてもよいことは勿
論である。
【0012】冷凍器の低能力は、電子式等から成る膨張
弁18の開度が小になり、冷媒流量が少なくなった状態
である。冷凍能力を可変にするには、流量の異なった複
数の膨張弁と電磁弁とを組み合わせる等、他の適当な方
法を用いることができる。環境試験装置で試験される試
料が発熱せず、又試験条件が特に低温でないような場合
には、冷凍機1はこのような低能力で運転される。
【0013】高能力は、膨張弁18の開度が大になった
状態である。試料に発熱負荷があったり、高温高湿条件
から温湿度を下げるような場合等には、膨張弁が開いて
高能力になる。高温度差は、循環空気と冷媒との温度差
が例えば40°C程度以上の場合であり、冷媒温度はほ
ぼ一定であるから、試験時の温湿度条件によって定ま
る。
【0014】低温度差条件C3 は、例えば試験条件が−
10°C程度以下の低温条件において、外部からの侵入
熱が大きく冷凍機が比較的高い能力で運転されるような
場合である。この条件C3 は、通常条件C1 より冷凍能
力が大きい範囲に定められるが、図において二点鎖線で
示すように、低温度差の全域を条件C3 にしてもよい。
又、通常の蒸発器の伝熱面積では、低温度差のため条件
2 より冷凍能力の最大値は小さくなる。但し、二点鎖
線で示すようにC3 条件を基準にして伝熱面積を決定
し、C2 条件では必要に応じて冷凍能力を絞ることも可
能である。
【0015】なお、条件C1 、C2 、C3 は、実際の環
境試験装置等において、蒸発器の設計条件、環境試験装
置の試験条件、冷凍能力の段階や制御方法等の諸条件を
考慮して決められる。それぞれの条件の境界を曲線的に
定めてもよい。又、高湿条件では冷凍能力における潜熱
分が大きくなり、凝縮熱伝達が多くなって伝熱効率が大
幅に向上するので、C1 〜C3 の条件を定めるに当たっ
て、温度差に湿度条件を加味してもよい。
【0016】環境試験装置は、上記の各条件C1
2 、C3 のそれぞれに対応して、蒸発器11の単体運
転、並列運転又は直列運転を可能にする選択手段として
の冷媒供給系切換装置20を有する。このため、環境試
験装置には運転条件決定部30が設けられ、これから冷
媒供給系切換装置20に、C1 、C2 、C3 のうちの何
れかの運転条件が与えられる。運転条件決定部30は、
図示しない環境試験装置の制御盤等に組み込まれ、膨張
弁の開度や温湿度の設定値又は実測値を取り入れ、これ
らによって何れかの運転条件を決定する。
【0017】単体運転では、蒸発器11のうちの11L
又は11Hの何れかが運転される。この場合、それぞれ
の蒸発器の伝熱面積を変えて、例えば11Hの能力を1
1Lの能力より大きくすることにより、単体運転におい
ても2種類の冷凍能力を得ることができる。従って、蒸
発器としては、必要に応じて同じ能力のものか又は異な
った能力のものが用いられる。
【0018】冷媒供給系切換装置20は、環境試験装置
の各条件C1 〜C3 に対応して蒸発器を運転するよう
に、図1に示す電磁弁を表1のとおり開閉する。
【0019】
【表1】
【0020】なお、上記において、単体運転11Lでも
電磁弁15bを開にするのは、蒸発器11H内に溜まっ
た冷媒を抜くと共に、その中の液封防止のためである。
又、環境試験装置が停止され何れの蒸発器も使用しない
ときには、液封防止のため前記電磁弁15bを開いてお
く。
【0021】冷媒供給系切換装置20は、操作部21を
備えていて、自動的に又はその操作部21を人が操作す
ることにより、環境試験装置の運転状態に対応して上記
のように電磁弁を開閉できる。このため、操作部21に
は、単独、並列、直列のそれぞれの運転状態に対応して
電磁弁の開閉を指示できる押しボタン等が設けられる。
なお、電磁弁の開閉を自動又は手動操作の何れかだけで
行うような装置であってもよい。
【0022】冷媒供給系切換装置20には、前記の如く
運転条件決定部30から運転条件C1 〜C3 の何れかが
入力され、これに対応して所定の電磁弁が開閉される。
蒸発器11Lと11Hとは、それぞれの能力の差に基づ
き、更にC1 条件を分割して運転されてもよい。又、タ
イマー等で時間的に分けて運転されてもよい。なお、蒸
発器11Lと11Hとが同じ能力であっても、霜付に応
じてこれらを交互に切り替えることにより、連続運転を
確保できる効果がある。環境試験装置の運転条件として
は、実際の装置における試験条件等に基づく必要性に応
じて、以上のC1 〜C3 に加えてこれらの中間の任意の
条件を追加することができる。
【0023】環境試験装置は、通常の構成として、試料
Wの入れられる試験室31、諸機器の配置される空調室
32、循環空気の流れ方向の順に設けられた前記蒸発器
11L、11H、加湿器33、加熱器34、送風機35
等を備えている。又、その底部や側部に前記の冷凍装置
や制御盤等が設けられる。冷媒供給系切換装置20は、
通常環境試験装置の制御盤の中に組み込まれる。
【0024】以上のような環境試験装置は次のように運
転される。試験室31内に試料Wが入れられ、試験すべ
き温湿度条件が設定され、諸装置が運転されると、蒸発
器11、加湿器33及び加熱器34によって温湿度の調
整された空気が送風機35によって試験室31と空調室
32間を循環する。温湿度条件が適当で試料に発熱負荷
がないような場合には、冷凍機の膨張弁18の開度は小
さく設定され、これらによって冷凍機の低能力条件C1
が決定され、冷媒供給系切換装置20は、1台の蒸発器
の単体運転を行うように電磁弁を開閉制御し、蒸発器1
H又は1Lの何れかのみに適当量の冷媒を供給する。
【0025】図2(a)は蒸発器の単体運転時の熱交換
の状態を示す。本例の蒸発器では、循環空気と冷媒とは
ほぼ対向流になっていて、蒸発器を通過する循環空気の
温度Taと蒸発器内の冷媒温度Trとは、その出入口の
何れにおいても、適当な温度差θ1 =(Ta1 −T
2 )、θ2 =(Ta2 −Tr1 )になっている。ここ
で、蒸発器11Hの伝熱面積をA(m2 )、交換熱量を
Q(kal/h )、上記温度差から定まる対数平均温度差等
の温度差をθ(°C)、熱貫流率をK(kcal/m2
℃)とすると、 Q=KAθ−−−−−−(1) という周知の式によってこれらの関係が定まる。
【0026】この場合、上記の単体運転時には、膨張弁
を出た冷媒流量Gが適当で、従って蒸発器11Hで処理
すべき熱量Qが適当量であり、又θが適当な値になって
いるので、蒸発器の伝熱面積が過小又は過大になること
なく上式がバランスし、空気と冷媒との間で良好な熱交
換が行われると共に、冷媒出口の過熱度が適当な温度に
なる。
【0027】試料に発熱負荷があったり、高温高湿運転
から温湿度を下げるような場合には、冷凍機は温湿度の
比較的高い状態の下に高能力を要求されるので、膨張弁
18の開度が大きくなり、これらの条件によって高温度
差高能力条件C2 が決定され、蒸発器の並列運転が行わ
れるように、冷媒供給系切換装置20及び電磁弁を介し
て蒸発器11H及び11Lに並列に冷媒が流される。
【0028】図2(b)は蒸発器の並列運転時の熱交換
状態を示す。この場合には、膨張弁の開度が大で冷媒流
量が例えば2G又はこれより多くなったり少なくなった
りするが、蒸発器11H、11Lのそれぞれには並列に
流れるので、それぞれの蒸発器の冷媒流量及び処理すべ
き熱量が過大になることはない。又、循環空気と冷媒と
の間は、適当な温度差(Ta1 −Tr2 )、(Tai−
Tr1 )、(Tai−Tr2 )及び(Ta2 −Tr1
になっている。従って、最も温度差の少なくなる(Ta
i−Tr2 )においても適当な温度差があるので、この
運転でも良好な熱交換条件の下に大きな冷凍能力が得ら
れる。又、蒸発器11H、11Lの何れにおいても、冷
媒出口における必要な過熱度が確保される。
【0029】温湿度が例えば−10°C程度の低温に設
定されると、外部からの侵入熱が多いため、通常冷凍機
はある程度の高能力で運転され、これらの条件から低温
度差条件C3 が定まり、冷媒供給系切換装置20は、蒸
発器が直列運転されるように電磁弁を制御し、蒸発器1
1H、11Lには直列に例えば1.5G程度の冷媒が流
される。
【0030】図2(c)は、蒸発器の直列運転時の熱交
換状態を太い線で示す。細い実線及び細い二点鎖線は、
参考として条件C3 において蒸発器を並列運転をしたと
仮定した状態を示す。又、何れの線も、実線は蒸発器の
蒸発管内の冷媒蒸気の温度を示し、二点鎖線は蒸発管内
における冷媒の圧力に相当した冷媒液の飽和温度を示
す。但し、これらの温度は何れも推定した温度である。
【0031】太い実線で示す如く、C3 条件で蒸発器の
冷媒直列運転をすれば、式(1)からも明らかなよう
に、蒸発器11Hだけでは伝熱面積Aが不足し、1.5
G程度の冷媒は、その半分位の例えば0.7Gしか蒸発
しない。従って、蒸発器11Hの出口では、冷媒は過熱
されない。なお、この冷媒は次に蒸発器11Lに入るた
め、過熱される必要がない。その結果、循環空気と冷媒
との温度差は、θ1 =(Tai−Tri)、θ2 =(T
2 −Tr1 )となり、空気と冷媒との間にある程度の
温度差が確保され、熱交換性能を維持し、式(1)を満
たして0.7G程度の冷媒を蒸発させることができる。
【0032】蒸発器11Lでは、循環空気との温度差
は、θ1 =(Ta1 −Tr2 )、θ2=(Tai−Tr
i)になり、同様にある程度の温度差が確保されて熱交
換性能が維持され、式(1)を満たして残りの0.8G
程度の冷媒を蒸発させることができる。又、蒸発器11
Lの出口では、Tsh=(Tr2 −Trs)という必要
な過熱度も得られる。従って、通常問題とされべき冷媒
の圧力降下特性を活用することにより、厳しい低温度差
条件C3 でも、循環空気を目的とする温度まで下げると
共に、過熱度を維持して冷媒を蒸発させることができ
る。
【0033】ところで、仮に低温度差条件C3 でも従来
通り蒸発器へ冷媒を並列に供給するとすれば、冷媒は同
図(c)の細い実線で示すような温度上昇をしなければ
ならない。しかし、もし蒸発器11Hで冷媒が蒸発して
過熱されるとすれば、循環空気との温度差は、θ1
(Tai−Tri´)、θ2 =(Ta2 −Tr1 )とな
り、θ1 が小さくなり過ぎ、式(1)が満足されない。
その結果、実際には、蒸発器11Hで冷媒が過熱される
ことなく、ある程度液の残った状態で蒸発器11Hを出
ることになる。そして、液戻りという不具合が発生する
と共に、循環空気の温度を目的とする温度まで下げるこ
とができない。そして、図1の運転条件決定部30のC
3 条件内に二点鎖線で示すように、冷媒並列運転では低
温度差になるに従って冷凍能力も低下してくる。
【0034】なお、図2(b)のように十分な温度差が
得られる場合には、蒸発器への冷媒供給は並列でも直列
でも大きな冷凍能力を得られるが、直列運転では、冷媒
の圧力損失が大きく、圧縮機16の吸い込み圧力が下が
り、並列運転よりも冷媒流量が減少する傾向になる。従
って、大きな温度差がある場合には、蒸発器へ冷媒を並
列供給することが望ましい。この場合、並列運転を行う
高温度差高能力条件C2 と直列運転を行う低温度差条件
3 とは、共に熱交換効率が良く冷凍能力を発揮できる
ように区分される。
【0035】発明者等は、以上のように、循環空気と冷
媒との温度差が小さいとき即ち低温条件において蒸発器
への冷媒直列運転が効果的であることに着目し、実際の
環境試験装置において通常の冷媒並列配管に加えて冷媒
直列配管を追加した装置を製作し、並列運転及び直列運
転を比較する実験を行った。この実験では、冷媒の絞り
を一定にするために膨張弁としてキャピラリーチューブ
を用いた。
【0036】この実験によれば、冷媒量11.2kgf の
装置で、制御温度−30°C、高圧側圧力約17kgf/cm
2G、低圧側圧力約0.2kgf/cm2Gにおいて、並列運転及
び直列運転の冷凍能力はそれぞれ3503 kcal/h 及び
3916 kcal/h となり、直列運転では並列運転より冷
凍能力が約12%大きくなるという結果が得られた。こ
れにより、低温度差では直列運転の方が並列運転よりも
熱交換性能が良くなり、冷凍能力も増加するという直列
運転の優位性が実証された。なお、冷凍能力は循環空気
の熱交換量から計算した値である。
【0037】なお、以上では蒸発器が2台設けられる環
境試験装置について説明したが、特殊な環境試験装置又
は他の装置において蒸発器が3台又はこれ以上設けられ
る場合にも、本発明を適用することができる。
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、冷却される気
体の流れ方向に直列に配置された複数の蒸発器におい
て、これらの何れか又は全てに並列に冷媒を供給する単
体運転又は並列運転を可能にする冷媒供給管系に加え
て、複数の蒸発器に対して冷媒を直列に供給する直列運
転を可能にする冷媒直列供給管系を設けるので、例えば
蒸発器が2台設けられている場合には、管系を切り換え
ることにより、蒸発器の1台運転、2台の並列運転又は
2台の直列運転を適宜行うことができる。
【0039】その結果、蒸発器を備えた冷凍機が、例え
ば環境試験装置のように、低温低湿から高温高湿まで広
い範囲の運転条件を持つ装置に用いられるときには、そ
の全ての範囲で冷凍機を効率良く運転することができ
る。即ち、冷凍負荷が比較的小さい場合には、冷媒供給
管系によって蒸発器を単体運転することにより、2台運
転する場合の蒸発器2台分の過大な伝熱面積を回避し、
冷媒流量を適正に制御し、省エネ運転を行うことができ
る。
【0040】又、高温条件等で冷凍負荷が大きい場合に
は、2台の蒸発器のそれぞれに並列に冷媒を供給するこ
とにより、圧力降下を少なくして多量の冷媒を流し、大
きな冷凍能力を引き出すことができる。更に、低温条件
等において被冷却気体と冷媒との間の温度差が小さいと
きには、冷媒直列供給管系を用いることにより、2台の
蒸発器に直列に冷媒を送り、1台目の出口で冷媒の過熱
度を高くすることなく、冷却される気体と冷媒との間で
ある程度の温度差を確保することにより、熱交換性能を
維持し、必要な冷凍熱量を処理することができる。
【0041】請求項2の発明においては、環境試験装置
の冷凍機の蒸発器を単体運転、並列運転又は直列運転で
きるようにする管系を設けると共に、環境試験装置にお
ける冷凍機に運転状態として低能力条件、高温度差高能
力条件及び低温度差条件を設け、これらをそれぞれ対応
させた選択手段を設けるので、冷凍機の運転状態に適合
した蒸発器の運転を、自動又は人の操作によって行うこ
とができる。
【0042】その結果、選択手段により、冷凍機の低能
力条件では蒸発器の単体運転を行うことにより、大きな
過不足のない伝熱能力の下に、冷媒流量を適正に制御し
て省エネ運転を行うことができる。又高温度差高能力条
件では、2台の蒸発器のそれぞれに並列に十分な冷媒を
流し、高温度差を利用してそれぞれの伝熱能力を発揮さ
せ、大きな冷凍能力を発生させることができる。そして
低温度差条件では、蒸発器2台に直列に冷媒を流すこと
により、1台目の出口における冷媒の過熱度を低くして
液状態で2台目に送り、1台目においても冷却される気
体と冷媒との間の必要な温度差を確保し、熱交換性能を
良くし、この条件で要求される冷凍能力を確保すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した環境試験装置の一例を示す説
明図である。
【図2】(a)乃至(c)は蒸発器の熱交換状態を示す
曲線図である。
【符号の説明】
1 冷凍機 11(11L、11H) 蒸発器 12a、12b、12c、12d 管(冷媒供給管
系) 13a、13b 電磁弁(冷媒供給
管系) 14 出入口連絡管(冷
媒直列供給管系) 15a、15b 電磁弁(冷媒直列
供給管系) 20 冷媒供給系切換装
置(選択手段) 21 操作部(選択手
段) C1 低能力条件 C2 高温度差高能力条
件 C3 低温度差条件

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却される気体の流れ方向に直列に配置
    された複数の蒸発器と、該複数の蒸発器の何れかに冷媒
    を供給する単体運転及び全てに並列に冷媒を供給する並
    列運転を可能にする冷媒供給管系を備えた冷凍機におい
    て、 前記複数の蒸発器に対して冷媒を直列に供給する直列運
    転を可能にする冷媒直列供給管系を有することを特徴と
    する冷凍機。
  2. 【請求項2】 冷凍機であって冷却される気体の流れ方
    向に直列に配置された複数の蒸発器と該複数の蒸発器の
    何れかに冷媒を供給する蒸発器単体運転及び全てに並列
    に冷媒を供給する蒸発器並列運転を可能にする冷媒供給
    管系とを備えた冷凍機を用いた複数の運転条件を持つ環
    境試験装置において、 前記冷凍機は前記複数の蒸発器に対して冷媒を直列に供
    給する直列運転を可能にする冷媒直列供給管系を有し、 前記運転条件は、前記冷凍機が冷凍能力の低い低能力で
    運転される低能力条件と、前記気体の温度が前記冷媒の
    温度より十分高い高温度差になっていると共に前記冷凍
    機が前記低能力より高い高能力で運転される高温度差高
    能力条件と、前記高温度差より低い低温度差で運転され
    る低温度差条件とを有し、 前記低能力条件、前記高温度差高能力条件又は前記低温
    度差条件のそれぞれに対応して前記単体運転、前記並列
    運転又は前記直列運転を可能にする選択手段を設けたこ
    とを特徴とする環境試験装置。
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