JPH10311427A - 摺動部用被覆材およびピストンリング - Google Patents

摺動部用被覆材およびピストンリング

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JPH10311427A
JPH10311427A JP12259497A JP12259497A JPH10311427A JP H10311427 A JPH10311427 A JP H10311427A JP 12259497 A JP12259497 A JP 12259497A JP 12259497 A JP12259497 A JP 12259497A JP H10311427 A JPH10311427 A JP H10311427A
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sliding
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sulfide
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JP12259497A
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Kazuhiko Ichimura
村 和 彦 市
Naoto Mizuno
野 直 人 水
Masahiko Shioda
田 正 彦 塩
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Nissan Motor Co Ltd
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Riken Corp
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自身の耐久性に優れ、同時に部分的に下地と
相手材との直接接触が起きた場合の相手面との潤滑性に
も優れ、これまでにない優れた耐凝着性,耐摩耗性を複
雑な機構を用いることなく低コストで実現することがで
きる摺動部用被覆材を提供する。 【解決手段】 耐熱性樹脂をベース材とすると共に摺動
面1sを有しかつ添加成分として少なくとも硫化物系固
体潤滑剤、とくにMoSを含む摺動部用被覆材1cに
おいて、含有するMoSの平均粒径が3〜10μmで
ある表面層1fと、含有するMoSの平均粒径が0.
5〜2.0μmである表面下層1uを積層してなる2層
構造を有するものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺動部用被覆材に
係わり、特に、内燃機関用ピストンリング等に被覆し
て、下地金属と相手材との直接接触および潤滑状態の悪
化による凝着,摩耗の発生を防止するのに好適な摺動部
用被覆材およびその被覆材が表面に被覆してあるピスト
ンリングに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年の内燃機関の高性
能化に伴って、その運転環境は年々苛酷になってきてい
る。
【0003】一般に、これら内燃機関のピストンには、
燃焼室の気密性の確保およびシリンダー内の適切な潤滑
油コントロールのため、ピストンリングが装着されてい
るが、特に、高温,高負荷の状態においては、ピストン
材として用いられているアルミニウム合金がピストンリ
ングの表面に凝着し、ピストン材が摩耗するという現象
が起こる場合があり、これにより、燃焼室の気密性の低
下、オイル消費量の増大などといった問題を生じること
がある。
【0004】そこで、これを防止するため、一部のエン
ジンにおいては、ピストンリング基材とピストンとの直
接接触の防止と共に、潤滑状態の改善を狙って、ピスト
ンリングの上下面に固体潤滑剤等を含有する被覆を施し
ている。
【0005】従来のこうした摺動部用被覆材としては、
例えば、エポキシ樹脂やポリアミドイミド(PAI)樹
脂等をバインダーとし、MoS(二硫化モリブデ
ン),グラファイト,PTFE(ポリテトラフルオルエ
チレン)等の固体潤滑剤を適宜・適量含有させた固体潤
滑被膜が知られている。
【0006】しかしながら、このような従来の固体潤滑
被膜は、特に、部分的に下地が露出し、露出した下地と
下地凹部に残存した被膜成分との共存面での摺動となっ
た場合の潤滑性確保の必要性から、摩擦低減効果を重視
した設計となっており、潤滑性には優れている一方で、
より高温,高面圧となるような厳しい摺動条件に対して
は被膜自身の強度が十分でなく、下地金属が露出する
前、すなわち、被膜のみでの摺動時のそれ自身の摩耗が
激しくなり、十分な耐久性を得ることができないという
問題点があった。
【0007】このため、アルミニウム合金製ピストンの
場合、こうした厳しい条件下では、ピストンのピストン
リングとの摺動面に陽極酸化処理を施す等、より高コス
トの対策を採用せざるを得ないというのが実情であっ
た。
【0008】
【発明の目的】本発明は、従来のこうした課題に着目し
てなされたもので、自身の耐久性に優れ、同時に部分的
に下地と相手材との直接接触が起きた場合の相手面との
潤滑性にも優れた摺動部用被覆材を提供することによ
り、これまでにない耐凝着,耐摩耗性能を複雑な機構を
用いることなく低コストで実現できるようにすることを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明者らはこのような樹脂結合被覆材の摩擦,摩
耗挙動を詳細に調査した結果、こうした樹脂結合被覆材
の被覆による凝着,摩耗防止性能のより一層の向上のた
めには、被覆材単相で摺動している領域での被覆材自身
の耐摩耗性向上、および摩耗が進行して下地が露出した
後の潤滑性能向上の両面からの検討が必要であり、それ
ぞれの領域で要求される被膜特性は明確に異なっている
ことを見いだして本発明を完成するに至った。
【0010】そして、これまでは、硫化物系固体潤滑
剤、とくに、MoSを含有する樹脂結合被膜の場合、
摺動部の低摩擦化と共に被膜中での分散性、下地凹部へ
の埋収効果による潤滑性の持続を狙う面から、比較的粒
径の小さいMoS粒が多く用いられてきた。しかし、
自身の粒内滑りで潤滑効果を発揮するMoSの特性か
らも、このように潤滑性を重視して微細MoS粒を用
いた一般的な被膜は、特に、高出力エンジンのピストン
リング等、高温,高面圧条件での使用においては、先に
も述べたように、耐摩耗性が不十分となる傾向があっ
た。
【0011】本発明者らは、このような条件下ではある
程度大きい粒子の方が被膜自身の耐摩耗性には優れるこ
とを実験でも確認した。
【0012】すなわち、本発明による摺動部用被覆材
は、請求項1に記載しているように、耐熱性樹脂をベー
ス材としかつ添加成分として少なくとも硫化物系固体潤
滑剤を含む摺動部用被覆材であって、含有する硫化物系
固体潤滑剤の平均粒径が3〜10μmである表面層と、
含有する硫化物系固体潤滑剤の平均粒径が0.5〜2.
0μmである表面下層を積層してなる複層構造を有する
ものとしたことを特徴としている。
【0013】そして、本発明による摺動部用被覆材の実
施態様においては、請求項2に記載しているように、硫
化物系固体潤滑剤がMoSであるものとすることが特
に好ましく、また、請求項3に記載しているように、表
面層の膜厚が表面下層の膜厚よりも厚くかつ全体の厚さ
が5〜25μmであるものとすることが望ましく、さら
に、請求項4に記載しているように、下地処理として基
材に表面粗さRmax2〜10μmのリン酸塩処理が施
されているものとすることが必要に応じて望ましい。
【0014】また、本発明によるピストンリングは、請
求項5に記載しているように、請求項1ないし4のいず
れかに記載の摺動部用被覆材がピストンリング基材の少
なくとも所要表面に被覆してあるものとしたことを特徴
としている。
【0015】
【発明の作用】本発明による摺動部用被覆材は、請求項
1に記載しているように、耐熱性樹脂をベース材としか
つ添加成分として少なくとも硫化物系固体潤滑剤を含
み、その他グラファイト等の固体潤滑剤を含む摺動部用
被覆材であって、含有する硫化物系固体潤滑剤の平均粒
径が3〜10μmである表面層と、含有する硫化物系固
体潤滑剤の平均粒径が0.5〜2.0μmである表面下
層を積層してなる複層構造を有するものとしているが、
この場合に、表面層に添加する硫化物系固体潤滑剤の粒
径を3〜10μmの範囲内のものとすることで、被膜単
相での摺動時に必要かつ十分な潤滑性と共に、高温,高
面圧にも長期間耐えうる優れた耐摩耗性が確保されるこ
ととなる。さらに、表面下層に添加する硫化物系固体潤
滑剤の粒径を0.5〜2.0μmの範囲内のものとする
ことで、被膜の摩耗進行により部分的に下地が露出して
相手材と直接接触する部分が生じた場合においても、残
存した被膜成分のもつ優れた潤滑性により、長期にわた
って下地と相手材との間での凝着,摩耗の発生が防止さ
れることとなる。
【0016】そして、表面層中の硫化物系固体潤滑剤の
平均粒径が3μm未満では、特に、高温,高面圧の摺動
条件における被覆材自身の耐摩耗性が不足し、逆に10
μmを超えると、潤滑性の低下が大きくなることから摺
動時の摩擦損失が増大し、それに伴う摩擦発熱によりか
えって被膜の耐久性が損なわれるだけでなく、このよう
な大きな粒では被膜中での分散が不均一になると共に、
被膜の結合性低下により剥離等が生じやすくなる。
【0017】また、表面下層中の硫化物系固体潤滑剤の
平均粒径が0.5μm未満では、潤滑性向上の作用が飽
和することに加え、粒子粉砕に要する時間およびコスト
が増加してしまう。逆に、大きさが2.0μmを超える
と、部分的に下地が露出した場合に必要とされる潤滑性
が低下するだけでなく、十分な下地凹部への埋収作用が
得られなくなり、短期間で下地から硫化物系固体潤滑剤
の粒子が脱落してしまうため、凝着,摩耗の発生を長期
間防止することができがたいものとなる。
【0018】本発明による摺動部用被覆材の実施態様に
おいては、請求項2に記載しているように、硫化物系固
体潤滑剤がMoSであるものとすることがとくに望ま
しく、このようにすることによって、MoS自身のも
つ粒内滑りによる良好なる潤滑作用が十分に活用される
ものとなる。
【0019】同じく、本発明による摺動部用被覆材の実
施態様においては、請求項3に記載しているように、表
面層の膜厚が表面下層の膜厚よりも厚くかつ全体の厚さ
が5〜25μmであるものとすることができ、このよう
に、表面層の膜厚を表面下層の膜厚よりも厚くすること
により、下地金属の露出直前までは主として自身の耐摩
耗性に優れた表面層での摺動とすることとなって、耐久
性はより一層向上するものとなる。そして、全体の膜厚
については、厚さが5μm未満では均一な被膜の形成が
難しくなると同時にMoS等の硫化物系固体潤滑剤を
始めとする配合した添加成分の作用が十分に得られない
傾向となり、また、25μmを超えると被膜全体として
の強度が低下して下地からの早期脱落が起こりやすい傾
向となる。
【0020】さらにまた、本発明による摺動部用被覆材
の実施態様においては、請求項4に記載しているよう
に、下地処理として基材に表面粗さRmax2〜10μ
mのリン酸塩処理が施されているものとすることがで
き、このようにすることによって、摺動部用被覆材の下
地金属との密着強度および一部下地が露出した時のMo
等の硫化物系固体潤滑剤を始めとする添加成分の保
持性がより一層向上することとなるが、下地処理層の粗
さがRmax2μm未満ではこの作用が十分でなく、ま
た、10μmを超えると均一な被膜形成が難しくなって
被膜の早期剥離,脱落の原因となるおそれがある。
【0021】さらにまた、本発明によるピストンリング
は、請求項5に記載しているように、請求項1ないし4
のいずれかに記載の摺動部用被覆材がピストンリング基
材の表面に被覆してあるものとすることによって、高
温,高面圧となるような厳しい摺動条件においても長期
間にわたり下地と相手ピストン材との直接接触が防止さ
れ、さらに部分的に下地と相手材ピストンとの直接接触
が起きた場合でも相手ピストン面との潤滑性に優れたも
のとなり、これまでにない優れた耐凝着,耐摩耗性能を
複雑な機構を用いることなく低コストで実現できること
となる。
【0022】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明による
摺動部用被覆材では、請求項1に記載しているように、
耐熱性樹脂をベース材としかつ添加成分として少なくと
も硫化物系固体潤滑剤を含む摺動部用被覆材であって、
含有する硫化物系固体潤滑剤の平均粒径が3〜10μm
である表面層と、含有する硫化物系固体潤滑剤の平均粒
径が0.5〜2.0μmである表面下層を積層してなる
複層構造を有するものとしたから、被覆材自身の耐摩耗
性、および一部下地が露出した時の潤滑性能を従来にな
い高い水準で両立させることが可能であり、長期にわた
って下地金属と相手材との凝着,摩耗を防止することが
可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0023】そして、請求項2に記載しているように、
硫化物系固体潤滑剤がMoSであるものとすることに
よって、MoS自身のもつ粒内滑りによる良好なる潤
滑作用を十分に活用することが可能であるという著しく
優れた効果がもたらされる。
【0024】また、請求項3に記載しているように、表
面層の膜厚が表面下層の膜厚よりも厚く形成されている
ものとすることによって、下地金属露出前の被覆材と相
手材との間で摺動している期間は自身の耐摩耗性能に優
れた表面層での摺動が主となり、被覆材の耐久性をより
一層向上させることが可能になることに加え、さらに、
被覆材全体の厚さが5〜25μmであるものとすること
によって、MoS等の硫化物系固体潤滑剤をはじめと
する配合した添加成分の作用を十分に発揮させることが
できると共に、特性が一段と安定した被覆材を得ること
が可能になるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0025】さらにまた、請求項4に記載しているよう
に、下地処理として基材に表面粗さRmax2〜10μ
mのリン酸塩処理が施されているものとすることによっ
て、、被覆材の下地金属との密着強度をより一層向上さ
せることができ、かつまた、一部下地が露出した時のM
oS等の硫化物系固体潤滑剤をはじめとする添加成分
の保持性にも一段と優れたものとすることができるとい
う顕著な効果がもたらされる。
【0026】さらにまた、本発明のピストンリングは、
請求項5に記載しているように、請求項1ないし4のい
ずれかに記載の摺動部用被覆材がピストンリング基材の
表面に被覆してあるものとしたから、厳しい摺動条件に
おいても長期間にわたり下地と相手ピストン材との直接
接触が防止され、さらに部分的に下地金属と相手材ピス
トンとの直接接触が起きた場合でも相手ピストン面との
潤滑性に優れたものとすることが可能であり、これまで
にない優れた耐凝着,耐摩耗性能を複雑な機構を用いる
ことなく低コストで実現しうるピストンリングを提供す
ることが可能であるという著大なる効果がもたらされ
る。
【0027】
【実施例】次に、本発明の実施例について比較例と共に
さらに詳細に説明する。
【0028】(実施例1〜4)まず、ベース材となる耐
熱性樹脂としてPAI(ポリアミドイミド)樹脂を選択
し、これをn−メチル−2−ピロリドン,キシレンを溶
剤として溶解したものに、表1の実施例1〜4の表面
層、表面下層それぞれの欄に示した組成となるように各
成分を配合して、摺動部用被覆材の溶液を調整した。
【0029】次に、ばね用鋼で作製したピストンリング
基材の上面に脱脂等の表面調整を施した後、表面粗さR
max約3μmのリン酸マンガン処理を施し、この上
に、上記のごとく調整した溶液を表面下層、表面層の順
にスプレー塗布して乾燥した後、約180〜220℃で
加熱焼成して、図1に示すように、ピストンリング基材
1b上面に表面層1fの膜厚が約7μm,表面下層1u
の膜厚が約3μmで合計膜厚が約10μmの摺動部用被
覆材1cを被覆したピストンリング1のテストピースを
作成した。
【0030】(比較例1〜3)前記実施例で用いたと同
じPAI樹脂をn−メチル−2−ピロリドン,キシレン
を溶剤として溶解したものに、表1の比較例1〜3の表
面層、表面下層それぞれの欄に示した組成となるように
各成分を配合して、摺動部用被覆材の溶液を調整した。
【0031】次に、ばね用鋼で作製したピストンリング
基材の上面に脱脂等の表面調整を施した後、表面粗さR
max約3μmのリン酸マンガン処理を施し、この上
に、上記のごとく調整した溶液を表面下層、表面層の順
にスプレー塗布して乾燥した後、約180〜220℃で
加熱焼成して、実施例と同様にピストンリング基材(1
b)の上面に表面層(1f)の膜厚が約7μm、表面下
層(1u)の膜厚が約3μmで合計膜厚が約10μmの
摺動部用被覆材(1c)を被覆したピストンリング
(1)のテストピースを作成した。
【0032】(比較例4,5)前記実施例で用いたと同
じPAI樹脂をn−メチル−2−ピロリドン,キシレン
を溶剤として溶解したものに、表1の比較例4および5
の表面層の欄に示した組成となるように各成分を配合し
て、摺動部用被覆材の溶液を調整した。
【0033】次に、ばね用鋼で作製したピストンリング
基材の上面に脱脂等の表面調整を施した後、表面粗さR
max約3μmのリン酸マンガン処理を施し、この上
に、上記のごとく調整した溶液をスプレー塗布して乾燥
した後、約180〜220℃で加熱焼成して、図2に示
すように、ピストンリング基材11bの上面に膜厚が約
10μmの摺動部用被覆材11cを被覆したピストンリ
ング11のテストピースを作成した。
【0034】
【表1】
【0035】(凝着摩耗試験)実施例1〜4,比較例1
〜5で得た各ピストンリング1,11のテストピース
を、図3に示すように、実際のアルミニウム合金製ピス
トンからの切り出し材2を相手材として、表2に示す条
件(試験温度は加熱ヒーター3により設定)で単体凝着
摩耗試験を行い、摺動面1s,11sでの凝着発生まで
の時間を比較した。その結果を表3に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】表3より明らかなように、本発明実施例1
〜4に係わるものは、表面層のMoSの平均粒径が本
発明範囲から外れる比較例1、および、表面下層のMo
の平均粒径が本発明範囲から外れる比較例2、さら
に、表面層,表面下層両層のMoSの平均粒径が本発
明範囲から外れる比較例3、さらにまた、2層構造を有
せず摺動初期と一部下地の露出時とで被覆材の組成に変
化のない比較例4,5に比べて、凝着発生までの耐久時
間が大きく向上しており、従来の樹脂結合被覆材では得
られない優れた性能を有していることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示すピストンリングの一部
拡大断面説明図である。
【図2】 従来の樹脂結合被覆処理を施したピストンリ
ングの一部拡大断面説明図である。
【図3】 単体凝着摩耗試験の概要を示す断面説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ピストンリング 1b ピストンリング基材 1c 摺動部用被覆材 1f 表面層 1u 表面下層 2 ピストンからの切り出し材(相手材) 3 加熱ヒーター
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02F 5/00 F02F 5/00 F // C10N 40:02 50:08 (72)発明者 塩 田 正 彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性樹脂をベース材としかつ添加成分
    として少なくとも硫化物系固体潤滑剤を含む摺動部用被
    覆材であって、含有する硫化物系固体潤滑剤の平均粒径
    が3〜10μmである表面層と、含有する硫化物系固体
    潤滑剤の平均粒径が0.5〜2.0μmである表面下層
    を積層してなる複層構造を有することを特徴とする摺動
    部用被覆材。
  2. 【請求項2】 硫化物系固体潤滑剤がMoSであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の摺動部用被覆材。
  3. 【請求項3】 表面層の膜厚が表面下層の膜厚よりも厚
    くかつ全体の厚さが5〜25μmであることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の摺動部用被覆材。
  4. 【請求項4】 下地処理として基材に表面粗さRmax
    2〜10μmのリン酸塩処理が施されていることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の摺動部用被
    覆材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の摺
    動部用被覆材がピストンリング基材の表面に被覆してあ
    ることを特徴とするピストンリング。
JP12259497A 1997-05-13 1997-05-13 摺動部用被覆材およびピストンリング Pending JPH10311427A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001031906A (ja) * 1999-07-23 2001-02-06 Riken Corp 摺動部材用被覆組成物及び内燃機関用ピストンリング
JP2001115177A (ja) * 1999-10-20 2001-04-24 Dowa Mining Co Ltd 耐焼付き性に優れた摺動部材およびその製法
JP2012149765A (ja) * 2010-12-28 2012-08-09 Nippon Piston Ring Co Ltd ピストンリング及びピストンリングの製造方法

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